JP5783801B2 - 液化水素貯蔵供給設備 - Google Patents
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Description
この場合、液化水素貯槽から払い出された液化水素は、送ガス蒸発器で気化され、配管により需要先に供給される。なお、液化水素貯槽から液化水素と水素ガスとを同時に供給する場合もある。
上記加圧蒸発器は、通常、大気や温水との熱交換を行なうことで、液化水素を蒸発させ、常温に近い温度とされた水素ガスを発生させる。
しかし、前述の加圧蒸発器を通った水素ガスは、300K程度の温度であることから、ガス相の最下部のガス密度の1/10程度の軽いガスがガス相の最上部に供給されることとなる。
このため、ガス相の上部に位置する比較的温度の高いガスも内槽の上部を構成する部材との対流熱伝達にて間接的に冷却される。これにより、ガス相内での自然対流が長時間掛けて継続するため、ガス相全体の冷却が期待できる。
上記課題を解決するため、請求項9に係る発明によれば、液化水素を貯留する内槽、該内槽を収容する外槽、及び前記内槽と前記外槽との間に設けられた真空断熱空間よりなる真空断熱二重殻貯槽を有し、前記液化水素あるいは水素ガスを需要先に供給する液化水素貯蔵供給設備であって、前記内槽に貯留された前記液化水素を前記真空断熱二重殻貯槽の外部に抜き出す液化水素抜き出し用配管を備え、前記液化水素抜き出し用配管は、前記液化水素抜き出し用配管を介して抜き出される前記液化水素により、前記内槽内のガス相のうち前記内槽内の上部に位置するガス相を冷却するガス相冷却部を有し、前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間を、前記内槽の下部から前記内槽の上部に引き回されており、かつ前記内槽の下部を貫通し、前記内槽の下部に配置された液化水素を抜き出す液化水素抜き出し口を有し、前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間から、前記内槽の上部を貫通して、前記内槽内に導入され、再度前記内槽の上部を貫通することを特徴とする液化水素貯蔵供給設備が提供される。
したがって、内槽内の液化水素の液面の位置に依存することなく、内槽内の圧力を一定に保つための水素ガスの大気放散量を低減させて、内槽内に効率よく液化水素を充填することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液化水素貯蔵供給設備の概略構成を示す図である。
図1を参照するに、第1の実施形態の液化水素貯蔵供給設備10は、真空断熱二重殻貯槽11と、液化水素下部充填及び加圧抜き出し用配管13と、加圧弁14と、加圧蒸発器15と、圧力調整用配管17と、圧力逃がしライン18と、圧力逃がし弁19と、第1の接続部22と、分岐ライン23と、下部充填弁24と、液化水素上部充填用配管26と、上部充填弁27と、液化水素抜き出し用配管31と、液化水素供給ライン33と、水素ガス供給ライン34と、送ガス蒸発器35と、を有する。
真空断熱二重殻貯槽11は、液化水素38−1を貯留する内槽51、内槽51を収容する外槽52、及び内槽51と外槽52との間に設けられた真空断熱空間53により構成されている。
圧力調整用配管17は、一方の端が液化水素下部充填及び加圧抜き出し用配管13と接続されており、他方の端が内槽51の上部51Aと接続されている。
液化水素38−2は、液化水素38−1と同じ種類の液化水素である。本実施形態では、説明の便宜上、液化水素38−1と液化水素38−2とを用いて以下の説明を行う。
下部充填弁24及び上部充填弁27は、タンクローリー41内の液化水素38−2を内槽51に充填する際、ガス相の圧力が所望の圧力となるように、それぞれの開度が調整される。
液化水素抜き出し口56は、液化水素抜き出し用配管31のうち、内槽51内に配置された端部(液化水素抜き出し用配管31の一方の端部)に設けられている。液化水素抜き出し口56は、内槽51の下部51Bに位置する液化水素38−1を抜き出し可能な状態で、液化水素38−1に浸漬されている。
送ガス蒸発器35は、水素ガス供給ライン34に設けられている。送ガス蒸発器35は、内槽51内から抜き出された液化水素38−1を蒸発させることで、水素ガスを発生させる。該水素ガスは、水素ガス供給ライン34を介して、水素ガス充填先に供給される。
図2及び図3を参照するに、ガス相冷却部67は、内槽51内の上部51Aに配置され、液化水素抜き出し用配管61の一部の配管66の外周に設けられた複数のフィン74を有する。
つまり、第1の実施の形態の液化水素貯蔵供給設備10よりも、さらに効率よく、内槽51内に液化水素38−2を充填することができる。
また、フィン74の数、及びフィン74の形状は、図3に限定されない。また、エロフィンチューブも含まれることは言うまでもない。
ガス相冷却部67の材料としては、熱伝導性に優れた材料を用いることが好ましい。具体的には、ガス相冷却部67の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができる。
具体的には、内槽51内の液化水素38−1の液面38a−1の位置に依存することなく、内槽51内の圧力を一定に保つための水素ガスの大気放散量を低減させて、内槽51内に効率よく液化水素38−2を充填することができる。
また、液化水素抜き出し用配管71の一部の配管の外周にフィン74を設けた配管75の材料としては、熱伝導性に優れた材料を用いることが好ましい。具体的には、液化水素抜き出し用配管71の一部の配管の外周にフィン74を設けた配管75の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができる。
このような形状とされたガス相冷却部72を備えた第1の実施形態の第2変形例に係る液化水素貯蔵供給設備70は、第1の実施形態の液化水素貯蔵供給設備10と同様な効果を得ることができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る液化水素貯蔵供給設備の概略構成を示す図である。図5において、図1に示す液化水素貯蔵供給設備10と同一構成部分には、同一符号を付す。
ガス相冷却部83は、内槽51の上部51Aの外壁51bと接触するように配置されている。ガス相冷却部83の一方の端83Aは、液化水素抜き出し口56と接続されており、ガス相冷却部83の他方の端83Bは、液化水素供給口58と接続されている。
この場合、内槽51の内側及び外側から内槽51の上部51Aに位置するガス相39をより冷却することが可能となるので、内槽51内に、さらに効率よく液化水素38−2を充填することができる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る液化水素貯蔵供給設備の概略構成を示す図である。図6において、図5に示す液化水素貯蔵供給設備80と同一構成部分には、同一符号を付す。
さらに、液化水素抜き出し用配管91を構成するガス相冷却部83の両方の端83A,83Bは、内槽51の上部51Aの外壁51bと接触するように配置されている。
ガス相冷却部83は、液化水素抜き出し用配管91の一部をらせん形状にした配管である。該らせん形状にした配管の一部(ガス相冷却部83の一部)は、内槽51の上部51Aの外壁51bに溶接などによって密着固定してもよい。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る液化水素貯蔵供給設備の概略構成を示す図である。図7において、図6に示す液化水素貯蔵供給設備90と同一構成部分には、同一符号を付す。
さらに、液化水素抜き出し用配管101を構成するガス相冷却部59の一方の端59Aは、内槽51の上部51Aを貫通しており、他方の端59Bは、一方の端59Aとは異なる位置において内槽51の上部51Aを貫通している。
この場合、内槽51の内側及び外側から内槽51の上部51Aに位置するガス相39を冷却することが可能となるので、内槽51内に、さらに効率よく液化水素38−2を充填することができる。
Claims (9)
- 液化水素を貯留する内槽、該内槽を収容する外槽、及び前記内槽と前記外槽との間に設けられた真空断熱空間よりなる真空断熱二重殻貯槽を有し、前記液化水素あるいは水素ガスを需要先に供給する液化水素貯蔵供給設備であって、
前記内槽に貯留された前記液化水素を前記真空断熱二重殻貯槽の外部に抜き出す液化水素抜き出し用配管と、
圧力調整用配管と、
を備え、
前記液化水素抜き出し用配管は、前記液化水素抜き出し用配管を介して抜き出される前記液化水素により、前記内槽内のガス相のうち前記内槽内の上部に位置するガス相を冷却するガス相冷却部を有し、
前記圧力調整用配管の一方の端は、前記内槽の下部と接続され、かつ加圧蒸発器が設けられた液化水素下部充填及び加圧抜き出し用配管と接続されており、
前記圧力調整用配管の他方の端は、前記内槽の上部と接続されていることを特徴とする液化水素貯蔵供給設備。 - 前記液化水素抜き出し用配管は、前記内槽の上部を貫通すると共に、前記内槽の下部に延在しており、かつ前記内槽の下部に位置する前記液化水素を抜き出す液化水素抜き出し口を有することを特徴とする請求項1記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間を、前記内槽の下部から前記内槽の上部に引き回されており、かつ前記内槽の下部を貫通し、前記内槽の下部に配置された液化水素を抜き出す液化水素抜き出し口を有することを特徴とする請求項1記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間から、前記内槽の上部を貫通して、前記内槽内に導入され、再度前記内槽の上部を貫通することを特徴とする請求項3記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記ガス相冷却部は、前記内槽内の上部に配置され、前記液化水素抜き出し用配管の一部をらせん形状にした配管であること、または前記液化水素抜き出し用配管の一部の配管の外周にフィンを設けた配管であること、あるいは前記らせん形状にした配管と前記フィンを設けた配管の両方を有する配管であることを特徴とする請求項1、2、4のうち、いずれか1項記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記らせん形状にした配管の一部は、前記内槽の内壁に密着されていることを特徴とする請求項5記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記ガス相冷却部は、前記内槽の上部の外壁と接触するように配置され、前記液化水素抜き出し用配管の一部をらせん形状にした配管であることを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 前記らせん形状にした配管の一部は、前記内槽の外壁に密着されていることを特徴とする請求項7記載の液化水素貯蔵供給設備。
- 液化水素を貯留する内槽、該内槽を収容する外槽、及び前記内槽と前記外槽との間に設けられた真空断熱空間よりなる真空断熱二重殻貯槽を有し、前記液化水素あるいは水素ガスを需要先に供給する液化水素貯蔵供給設備であって、
前記内槽に貯留された前記液化水素を前記真空断熱二重殻貯槽の外部に抜き出す液化水素抜き出し用配管を備え、
前記液化水素抜き出し用配管は、前記液化水素抜き出し用配管を介して抜き出される前記液化水素により、前記内槽内のガス相のうち前記内槽内の上部に位置するガス相を冷却するガス相冷却部を有し、
前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間を、前記内槽の下部から前記内槽の上部に引き回されており、かつ前記内槽の下部を貫通し、前記内槽の下部に配置された液化水素を抜き出す液化水素抜き出し口を有し、
前記液化水素抜き出し用配管は、前記真空断熱空間から、前記内槽の上部を貫通して、前記内槽内に導入され、再度前記内槽の上部を貫通することを特徴とする液化水素貯蔵供給設備。
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