JP3891486B2 - 潜熱蓄熱式冷熱源設備、及び、潜熱蓄熱式温熱源設備 - Google Patents

潜熱蓄熱式冷熱源設備、及び、潜熱蓄熱式温熱源設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調などに用いる潜熱蓄熱式の熱源設備に関し、詳しくは、
蓄熱槽と冷却手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記冷却手段の発生冷熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標冷却温度に冷却する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の冷熱源設備、
及び、蓄熱槽と加熱手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記加熱手段の発生温熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標加熱温度に加熱する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の温熱源設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の蓄熱式冷熱源設備では、負荷側熱媒を蓄熱槽から供給される低温の熱源側熱媒と熱交換させて目標冷却温度に冷却する複数の負荷熱交換器につき、それらの目標冷却温度が互いに異なる場合、蓄熱運転時には、蓄熱槽と冷却手段との間での熱媒循環において、蓄熱槽の高温端から取り出した熱源側熱媒を最も低温の目標冷却温度(例えば、10゜C)よりさらに低温の設定蓄熱温度(例えば、7゜C)まで冷却手段で冷却して蓄熱槽の低温端に戻すようにし、この熱媒循環により蓄熱槽における熱源側熱媒を一様に設定蓄熱温度まで温度降下させて蓄熱槽に冷熱を蓄熱していた。
【0003】
そして、放熱運転時には、蓄熱槽の低温端から取り出した設定蓄熱温度の熱源側熱媒を複数の負荷熱交換器に対し並列に供給して、それら負荷熱交換器から送出される熱交換後の温度上昇した熱源側熱媒を蓄熱槽の高温端に戻す形態で、負荷熱交換器と蓄熱槽との間で熱媒循環を実施し、この熱媒循環において、各負荷熱交換器に対する熱源側熱媒の供給流量を個々に調整して各負荷熱交換器での設定蓄熱温度の熱源側熱媒と負荷側熱媒との間の熱交換量を調整することで、それら負荷熱交換器において負荷側熱媒を各々の目標冷却温度に冷却するようにしていた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
また、従来の蓄熱式温熱源設備についても、上記冷熱源設備と同様、負荷側熱媒を蓄熱槽から供給される高温の熱源側熱媒と熱交換させて目標加熱温度に加熱する複数の負荷熱交換器につき、それらの目標加熱温度が互いに異なる場合、蓄熱運転時には、蓄熱槽と加熱手段との間での熱媒循環において、蓄熱槽の低温端から取り出した熱源側熱媒を最も高温の目標加熱温度よりさらに高温の設定蓄熱温度まで加熱手段で加熱して蓄熱槽の高温端に戻すようにし、この熱媒循環により蓄熱槽における熱源側熱媒を一様に設定蓄熱温度まで温度上昇させて蓄熱槽に温熱を蓄熱していた。
【0005】
そして、放熱運転時には、蓄熱槽の高温端から取り出した設定蓄熱温度の熱源側熱媒を複数の負荷熱交換器に対し並列に供給して、それら負荷熱交換器から送出される熱交換後の温度降下した熱源側熱媒を蓄熱槽の低温端に戻す形態で、負荷熱交換器と蓄熱槽との間で熱媒循環を実施し、この熱媒循環において、各負荷熱交換器に対する熱源側熱媒の供給流量を個々に調整して各負荷熱交換器での設定蓄熱温度の熱源側熱媒と負荷側熱媒との間の熱交換量を調整することで、それら負荷熱交換器において負荷側熱媒を各々の目標加熱温度に加熱するようにしていた。
【0006】
なお、潜熱蓄熱材を用いる潜熱蓄熱式の冷熱源設備や温熱源設備の場合には、相変化温度が上記設定蓄熱温度の潜熱蓄熱材を蓄熱槽に収容していた(この場合、詳しくは冷却手段から蓄熱槽の低温端に戻す熱源側熱媒の温度は設定蓄熱温度よりも若干低温にし、加熱手段から蓄熱槽の高温端に戻す熱源側熱媒の温度は設定蓄熱温度よりも若干高温にする)。
【0007】
【非特許文献1】
森敏著(代表)、「蓄熱式空調システム」、社団法人空気調和・衛生工学会出版、第3刷 昭和63年9月1日発行、p.73 図3.35
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の蓄熱式冷熱源設備では、目標冷却温度の高い負荷熱交換器に対して必要以上に低温の熱源側熱媒を供給することになるため、目標冷却温度の高い負荷熱交換器において大きな有効エネルギー損失を生じ、その分、運転コストや設備コストが高くつき省エネ面で不利になる問題があった。
【0009】
また、この問題を回避するのに、目標冷却温度の異なる負荷熱交換器に対し、個々の目標冷却温度に応じた専用の冷却手段と蓄熱槽を個別に設けることも考えられるが、この場合には、設備の全体構成が複雑化し設備コストの大幅な高騰化や設備設置性の大幅な低下を招来する問題がある。
【0010】
そして、これらの問題は従来の蓄熱式温熱源設備においても、目標加熱温度の低い負荷熱交換器に対し必要以上に高温の熱源側熱媒が供給される点で全く同様であった。
【0011】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、上記問題を合理的な改良によって効果的に解消する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明は潜熱蓄熱式の冷熱源設備に係り、その特徴は、
蓄熱槽と冷却手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記冷却手段の発生冷熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標冷却温度に冷却する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の冷熱源設備であって、
前記負荷熱交換器の目標冷却温度が互いに異なることに対し、前記蓄熱槽を、相変化温度が互いに異なる冷熱蓄熱用の潜熱蓄熱材を個別に収容した複数の蓄熱部から構成し、
蓄熱運転時には、前記冷却手段から送出される熱源側熱媒を複数の前記蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、前記蓄熱槽と前記冷却手段との間での熱媒循環を実施し、放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器に対し、それらの目標冷却温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した前記蓄熱部から個別に熱源側熱媒を供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にするとともに、
放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標冷却温度の低い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その目標冷却温度の低い負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、又は、その目標冷却温度の低い負荷熱交換器よりも目標冷却温度が高い負荷熱交換器に送る形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてある点にある。
【0013】
つまり、この構成では、蓄熱運転において、冷却手段から送出される熱源側熱媒を複数の蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させることで、冷却手段において冷却した低温の熱源側熱媒により上流端に位置する蓄熱部の収容潜熱蓄熱材(相変化温度の最も低い潜熱蓄熱材)を冷却して相変化させるとともに、その上流端の蓄熱部を通過した熱源側熱媒(すなわち、相変化温度の最も低い潜熱蓄熱材との熱交換で温度上昇した熱源側熱媒)により次の蓄熱部における収容潜熱蓄熱材を冷却して相変化させるといった形態で、下流側の各蓄熱部における収容潜熱蓄熱材を上流側蓄熱部の通過課程において温度上昇した熱源側熱媒により冷却して相変化させ、これにより、複数の蓄熱部の夫々に冷熱を蓄熱する。
【0014】
すなわち、この形態の蓄熱運転であれば、下流端の蓄熱部に対する冷熱の潜熱蓄熱が完了(換言すれば、下流端の蓄熱部における相変化温度の最も高い潜熱蓄熱材の相変化が完了)するまでは、下流端の蓄熱部から冷却手段に戻す熱源側熱媒の温度を下流端の蓄熱部における収容潜熱蓄熱材の相変化温度とほぼ同等の高い温度に保って、冷却手段の出口熱媒温度と入口熱媒温度との温度差を大きく保つことができ、これにより、蓄熱運転において冷却手段を高出力かつ高効率な状態に保って安定的に運転することができて、全体として効率良く冷熱を蓄熱することができる。
【0015】
そして、放熱運転時には、上記のように、複数の負荷熱交換器に対し、それらの目標冷却温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した蓄熱部からの取り出し熱媒(すなわち、その蓄熱部における収容潜熱蓄熱材の相変化温度に近い温度の熱源側熱媒)を個別に供給する形態を採ることで、目標冷却温度の異なる各負荷熱交換器に対し、それらの目標冷却温度に適合した互いに異なる温度の熱源側熱媒を安定的に供給することができ、これにより、目標冷却温度の異なる複数の負荷熱交換器に対し個々の目標冷却温度に応じた専用の冷却手段と蓄熱槽を個別に設ける場合のような設備コストの大幅な増大や設備設置性の大幅な低下を回避しながら、目標冷却温度の高い負荷熱交換器での大きな有効エネルギー損失の発生を効果的に防止することができて、運転コスト面や設備コスト面、あるいは、省エネ面で有利な冷熱源設備にすることができる。
【0016】
また、放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標冷却温度の低い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてあれば、放熱運転時において、目標冷却温度の低い低温側の負荷熱交換器から送出される熱交換後の熱源側熱媒を、その低温側の負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い高温側の蓄熱部に戻した後、その戻し分の一部又は全部を戻し先の高温側蓄熱部における熱源側熱媒とともに再びその高温側蓄熱部からの取り出し熱媒として目標冷却温度の高い高温側の負荷熱交換器に供給する形態で、その高温側の負荷熱交換器での負荷側熱媒の冷却に再利用することができて、収容潜熱蓄熱材の相変化温度の低い低温側の蓄熱部から取り出す熱源側熱媒の保有冷熱を低温側の負荷熱交換器と高温側の負荷熱交換器とで有効に消費することができ、これにより、設備全体としてのエネルギー効率を一層高めて運転コスト面及び省エネ面で一層有利な冷熱源設備にすることができる。
【0017】
〔2〕請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記蓄熱槽を前記複数の蓄熱部の各々が温度成層状態で熱源側熱媒を貯留する構成にするとともに、
前記複数の蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部を各々の蓄熱部の低温端から熱源側熱媒を取り出す構成にしてある点にある。
【0018】
〔3〕請求項3に係る発明は潜熱蓄熱式の温熱源設備に係り、その特徴は、
蓄熱槽と加熱手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記加熱手段の発生温熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標加熱温度に加熱する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の温熱源設備であって、
前記負荷熱交換器の目標加熱温度が互いに異なることに対し、前記蓄熱槽を、相変化温度が互いに異なる温熱蓄熱用の潜熱蓄熱材を個別に収容した複数の蓄熱部から構成し、
蓄熱運転時には、前記加熱手段から送出される熱源側熱媒を複数の前記蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、前記蓄熱槽と前記加熱手段との間での熱媒循環を実施し、放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器に対し、それらの目標加熱温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した前記蓄熱部から個別に熱源側熱媒を供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にするとともに、
放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標加熱温度の高い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その目標加熱温度の高い負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、又は、その目標加熱温度の高い負荷熱交換器よりも目標加熱温度が低い負加熱交換器に直接供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてある点にある。
【0019】
つまり、この構成では、蓄熱運転において、加熱手段から送出される熱源側熱媒を複数の蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させることで、加熱手段において加熱した高温の熱源側熱媒により上流端に位置する蓄熱部の収容潜熱蓄熱材(相変化温度の最も高い潜熱蓄熱材)を加熱して相変化させるとともに、その上流端の蓄熱部を通過した熱源側熱媒(すなわち、相変化温度の最も高い潜熱蓄熱材との熱交換で温度低下した熱源側熱媒)により次の蓄熱部における収容潜熱蓄熱材を加熱して相変化させるといった形態で、下流側の各蓄熱部における収容潜熱蓄熱材を上流側蓄熱部の通過課程において温度低下した熱源側熱媒により加熱して相変化させ、これにより、複数の蓄熱部の夫々に温熱を蓄熱する。
【0020】
すなわち、この形態の蓄熱運転であれば、下流端の蓄熱部に対する温熱の潜熱蓄熱が完了(換言すれば、下流端の蓄熱部における相変化温度の最も低い潜熱蓄熱材の相変化が完了)するまでは、下流端の蓄熱部から加熱手段に戻す熱源側熱媒の温度を下流端の蓄熱部における収容潜熱蓄熱材の相変化温度とほぼ同等の低い温度に保って、加熱手段の出口熱媒温度と入口熱媒温度との温度差を大きく保つことができ、これにより、蓄熱運転において加熱手段を高出力かつ高効率な状態に保って安定的に運転することができて、全体として効率良く温熱を蓄熱することができる。
【0021】
そして、放熱運転時には、上記のように、複数の負荷熱交換器に対し、それらの目標加熱温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した蓄熱部からの取り出し熱媒(すなわち、その蓄熱部における収容潜熱蓄熱材の相変化温度に近い温度の熱源側熱媒)を個別に供給する形態を採ることで、目標加熱温度の異なる各負荷熱交換器に対し、それらの目標加熱温度に適合した互いに異なる温度の熱源側熱媒を安定的に供給することができ、これにより、目標加熱温度の異なる複数の負荷熱交換器に対し個々の目標加熱温度に応じた専用の加熱手段と蓄熱槽を個別に設ける場合のような設備コストの大幅な増大や設備設置性の大幅な低下を回避しながら、目標加熱温度の低い負荷熱交換器での大きな有効エネルギー損失の発生を効果的に防止することができて、運転コスト面や設備コスト面、あるいは、省エネ面で有利な温熱源設備にすることができる。
【0022】
また、放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標加熱温度の高い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてあれば、放熱運転時において、目標加熱温度の高い高温側の負荷熱交換器から送出される熱交換後の熱源側熱媒を、その高温側の負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い低温側の蓄熱部に戻した後、その戻し分の一部又は全部を戻し先の低温側蓄熱部における熱源側熱媒とともに再びその低温側蓄熱部からの取り出し熱媒として目標加熱温度の低い低温側の負荷熱交換器に供給する形態で、その低温側の負荷熱交換器での負荷側熱媒の加熱に再利用することができて、収容潜熱蓄熱材の相変化温度の高い高温側の蓄熱部から取り出す熱源側熱媒の保有温熱を高温側の負荷熱交換器と低温側の負荷熱交換器とで有効に消費することができ、これにより、設備全体としてのエネルギー効率を一層高めて運転コスト面及び省エネ面で一層有利な温熱源設備にすることができる。
【0023】
〔4〕請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記蓄熱槽を前記複数の蓄熱部の各々が温度成層状態で熱源側熱媒を貯留する構成にするとともに、
前記複数の蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部を各々の蓄熱部の高温端から熱源側熱媒を取り出す構成にしてある点にある。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、生産設備に対して冷熱を供給する潜熱蓄熱式の冷熱源設備を示し、本例では、生産設備に対する冷熱の供給として、負荷熱交換器1A,1B,1Cで負荷側熱媒CWl,CWm,CWhを所要温度に冷却し、この冷却した負荷側熱媒CWl,CWm,CWhを生産設備における各種機器の冷却などに供する。
【0025】
2は冷凍機、3は熱源側熱媒PWを貯留する蓄熱槽であり、この蓄熱槽3には、生産設備の稼働停止時間帯(主に夜間)において実施する蓄熱運転により冷凍機2の発生冷熱を蓄熱し、そして、冷却された負荷側熱媒CWl,CWm,CWhの供給を要する生産設備の稼働時間帯には、蓄熱運転で蓄熱した冷熱を蓄熱槽3から取り出す放熱運転を実施して、この取り出し冷熱により負荷熱交換器1A,1B,1Cにおいて負荷側熱媒CWl,CWm,CWhを所要温度(目標冷却温度tcl,tcm,tch)に冷却する。
【0026】
各負荷熱交換器1A,1B,1Cにおいて冷却する負荷側熱媒CWl,CWm,CWhの目標冷却温度tcl,tcm,tchが互いに異なる(tcl<tcm<tch)ことに対し、蓄熱槽3は、目標冷却温度tclが最も低い低温負荷熱交換器1Aに対する蓄熱部としての低温蓄熱部3Aと、目標冷却温度tcmが2番目に低い中温負荷熱交換器1Bに対する蓄熱部としての中温蓄熱部3Bと、目標冷却温度tchが最も高い高温負荷熱交換器1Cに対する蓄熱部としての高温蓄熱部3Cとに区画してあり、これら蓄熱部3A,3B,3Cは、低温蓄熱部3Aに対して中温蓄熱部3Bを潜り堰構造3aを介して連通させ、かつ、中温蓄熱部3Bに対して高温蓄熱部3Cを潜り堰構造3bを介して連通させた直列接続構造にしてある。
【0027】
そして、これら蓄熱部3A,3B,3Cには、各負荷熱交換器1A,1B,1Cの目標冷却温度tcl,tcm,tchに応じた互いに異なる相変化温度tpx,tpy,tpzの潜熱蓄熱材X,Y,Z(tpx<tpy<tpz)を個別に収容してあり、低温蓄熱部3Aには、液相と固相との間の相変化温度tpxが低温負荷熱交換器1Aの目標冷却温度tclよりも適当差だけ低い低温潜熱蓄熱材Xを多数の容器5に充填した状態で収容し、中温蓄熱部3Bには、液相と固相との間の相変化温度tpyが中温負荷熱交換器1Bの目標冷却温度tcmよりも適当差だけ低い中温潜熱蓄熱材Yを多数の容器6に充填した状態で収容し、同様に、高温蓄熱部3Cには、液相と固相との間の相変化温度tpzが高温負荷熱交換器1Cの目標冷却温度tchよりも適当差だけ低い高温潜熱蓄熱材Zを多数の容器7に充填した状態で収容してある。
【0028】
8は高温蓄熱部3Cの上部(すなわち、潜り堰構造3a,3bにより蓄熱槽3内に形成する熱媒温度勾配の高温端)から熱源側熱媒PWを取り出して、その取り出し熱媒PWを冷凍機2に送るとともに、冷凍機2から送出される熱源側熱媒PWを低温蓄熱部3Aの下部(すなわち、潜り堰構造3a,3bにより蓄熱槽3内に形成する熱媒温度勾配の低温端)に戻す熱源側循環路であり、蓄熱運転では、この熱源側循環路8を通じて循環ポンプ9により冷凍機2と蓄熱槽3との間で熱源側熱媒PWを循環させることにより、冷凍機2で冷却した熱源側熱媒PWを低温蓄熱部3A−中温蓄熱部3B−高温蓄熱部3Cの順に通過させるようにして、各蓄熱部3A,3B,3Cに冷凍機2の発生冷熱を蓄熱する。
【0029】
つまり、蓄熱運転では、冷凍機2から送出される熱源側熱媒PWを低温蓄熱部3A−中温蓄熱部3B−高温蓄熱部3Cの順に通過させることで、冷凍機2において冷却した低温の熱源側熱媒PWにより、先ず低温蓄熱部3Aにおける相変化温度tpxの最も低い低温潜熱蓄熱材Xを冷却して相変化させ、続いて、低温蓄熱部3Aを通過した熱源側熱媒PW(すなわち、低温蓄熱部3Aでの低温潜熱蓄熱材Xとの熱交換で温度上昇した熱源側熱媒)により、中温蓄熱部3Bにおける相変化温度tpyが2番目に低い中温潜熱蓄熱材Yを冷却して相変化させ、さらに、中温蓄熱部3Bを通過した熱源側熱媒PW(すなわち、中温蓄熱部3Bでの中温潜熱蓄熱材Yとの熱交換でさらに温度上昇した熱源側熱媒)により高温蓄熱部3Cにおける相変化温度tpzの最も高い高温潜熱蓄熱材Zを冷却して相変化させ、これにより、3つの蓄熱部3A,3B,3Cの夫々に冷凍機2の発生冷熱を潜熱の形で蓄熱する。
【0030】
そして、このような蓄熱形態を採ることで、下流端の高温蓄熱部3Cに対する冷熱の潜熱蓄熱(すなわち、高温潜熱蓄熱材Zを液相から固相に相変化させての冷熱蓄熱)が完了するまで、高温蓄熱部3Cから冷凍機2に戻る熱源側熱媒PWの温度ttiが高温潜熱蓄熱材Zの相変化温度tpzとほぼ等しい高い温度(tti≒tpz)に保たれるようにし、これにより、設計出口熱媒温度ttoが低温潜熱蓄熱材Xの相変化温度tpxに近い冷凍機2を用いながらも、冷熱の潜熱蓄熱工程において、冷凍機2の入口と出口の熱媒温度差Δtt(=tti−tto)を充分に大きく保った状態で、冷凍機2を効率良くかつ大きな出力で連続運転できるようにする。
【0031】
11は低温蓄熱部3Aの下部(すなわち、熱源側熱媒PWを温度成層状態で貯留する低温蓄熱部3Aの低温端であるとともに蓄熱槽3全体としての低温端)から熱源側熱媒PWを取り出して、その取り出し熱媒PWを低温負荷熱交換器1Aに供給するとともに、低温負荷熱交換器1Aから送出される熱源側熱媒PWを中温蓄熱部3Bの下部(すなわち、熱源側熱媒PWを温度成層状態で貯留する中温蓄熱部3Bの低温端)に戻す低温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、この低温用の負荷側循環路11を通じて循環ポンプ12により低温蓄熱部3Aの下部からの取り出し熱媒PWを低温負荷熱交換器1Aに供給することで、低温蓄熱部3Aにおける低温潜熱蓄熱材Xの固相から液相への戻り相変化が完了するまで、低温潜熱蓄熱材Xの相変化温度tpxに近い温度の熱源側熱媒PWを低温負荷熱交換器1Aに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PWとの熱交換より低温負荷熱交換器1Aにおいて負荷側熱媒CWlをその目標冷却温度tclに冷却する。
【0032】
また、13は中温蓄熱部3Bの下部(中温蓄熱部3Bの低温端)から熱源側熱媒PWを取り出して、その取り出し熱媒PWを中温負荷熱交換器1Bに供給するとともに、中温負荷熱交換器1Bから送出される熱源側熱媒PWを高温蓄熱部3Cの下部(すなわち、熱源側熱媒PWを温度成層状態で貯留する高温蓄熱部3Cの低温端)に戻す中温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、前述の低温負荷熱交換器1Aに対する熱媒供給と並列に、この中温用の負荷側循環路13を通じて循環ポンプ14により中温蓄熱部3Bの下部からの取り出し熱媒PWを中温負荷熱交換器1Bに供給することで、中温蓄熱部3Bにおける中温潜熱蓄熱材Yの固相から液相への戻り相変化が完了するまで、中温潜熱蓄熱材Yの相変化温度tpyに近い温度の熱源側熱媒PWを中温負荷熱交換器1Bに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PWとの熱交換より中温負荷熱交換器1Bにおいて負荷側熱媒CWmをその目標冷却温度tcmに冷却する。
【0033】
また同様に、15は高温蓄熱部3Cの下部(高温蓄熱部3Cの低温端)から熱源側熱媒PWを取り出して、その取り出し熱媒PWを高温負荷熱交換器1Cに供給するとともに、高温負荷熱交換器1Cから送出される熱源側熱媒PWを高温蓄熱部3Cの上部(すなわち、熱源側熱媒PWを温度成層状態で貯留する高温蓄熱部3Cの高温端であるとともに蓄熱槽3全体としての高温端)に戻す高温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、前述の低温負荷熱交換器1Aや中温負荷熱交換器1Bに対する熱媒供給と並列に、この高温用の負荷側循環路15を通じて循環ポンプ16により高温蓄熱部3Cの下部からの取り出し熱媒PWを高温負荷熱交換器1Cに供給することで、高温蓄熱部3Cにおける高温潜熱蓄熱材Zの固相から液相への戻り相変化が完了するまで、高温潜熱蓄熱材Zの相変化温度tpzに近い温度の熱源側熱媒PWを高温負荷熱交換器1Cに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PWとの熱交換より高温負荷熱交換器1Cにおいて負荷側熱媒CWhをその目標冷却温度tchに冷却する。
【0034】
そして、上記の如く放熱運転において各負荷熱交換器1A,1B,1Cと蓄熱槽3との間の熱源側熱媒PWを並列的に循環させることにおいて、低温負荷熱交換器1Aから送出される熱交換後の熱源側熱媒PWを低温用の負荷側循環路11を通じて中温蓄熱部3Bの下部(すなわち、中温負荷熱交換器1Bへの熱媒取出部の近傍)へ戻すことにより、その戻し分の一部又は全部を中温蓄熱部3Bにおける熱源側熱媒PWとともに中温蓄熱部3Bからの取り出し熱媒PWとして中温用の負荷側循環路13を通じ中温負荷熱交換器1Bに供給する形態で、中温負荷熱交換器1Bでの負荷側熱媒CWmの冷却に再利用するようにしてあり、さらには、中温負荷熱交換器1Bから送出される熱交換後の熱源側熱媒PWを中温用の負荷側循環路13を通じて高温蓄熱部3Cの下部(すなわち、高温負荷熱交換器1Cへの熱媒取出部の近傍)へ戻すことにより、その戻し分の一部又は全部を高温蓄熱部3Cにおける熱源側熱媒PWとともに高温蓄熱部3Cからの取り出し熱媒PWとして高温用の負荷側循環路15を通じ高温負荷熱交換器1Cに供給する形態で、高温負荷熱交換器1Cでの負荷側熱媒CWhの冷却に再利用するようにしてある。
【0035】
17は循環ポンプ18により冷凍機2と生産機器19との間で熱源側熱媒PWを循環させる別循環路、Vは熱源側循環路8を通じて冷凍機2と蓄熱槽3との間で熱源側熱媒PWを循環させる状態と、別循環路17を通じて冷凍機2と生産機器19との間で熱源側熱媒PWを循環させる状態との切り換えを行う切換弁であり、蓄熱槽3への冷熱供給が不要な放熱運転時(すなわち、生産設備の稼働時間帯)には、切換弁Vによる切り換えにより冷凍機2と生産機器19との間で熱源側熱媒PWを循環させる状態にして冷凍機2を運転することで、冷凍機2から送出される冷却された熱源側熱媒PWをもって直接に生産機器19の冷却を行うようにしてある。
【0036】
別循環路17には、その別循環路17における熱源側熱媒PWの保有量を大きく確保することで負荷変動などに伴う熱源側熱媒PWの温度変動を抑制して生産機器19に対する冷却機能を安定化するクッションタンク20を介装してあり、また、このクッションタンク20には、固相と液相との間の相変化温度tpmが別循環路17における通常運転時の熱媒温度よりも少し高いクッション用潜熱蓄熱材Mを多数の容器に充填して収容してある。
【0037】
つまり、冷凍機2から送出される冷却された熱源側熱媒PWにより直接に生産機器19を冷却する運転で停電が発生して冷凍機2が停止したとしても、その冷凍機2の停止による循環熱媒PWの温度上昇によりクッションタンク20におけるクッション用潜熱蓄熱材Mを固相から液相に戻り相変化させることで、別循環路17における循環熱媒PWの温度をクッション用潜熱蓄熱材Mの相変化温度tpmに近い温度(換言すれば、別循環路17における通常運転時の熱媒温度よりも少しだけ高い温度)に維持して、生産機器19に対する一定以上の冷却機能を保つようにしてあり、これにより、停電時用の自家発電設備を停電時における循環ポンプ18等の付帯装置の運転に用いるだけの小容量のもので済ませられるようにしてある。
【0038】
なお、本第1実施形態における熱源設備の具体的諸元の一例としては次の例を挙げることができる。
熱源側熱媒PW=水
負荷側熱媒CWl,CWm,CWh=水
低温負荷側熱媒CWlの目標冷却温度tcl=10゜C
低温負荷熱交換器1Aの入口熱媒温度(熱源側熱媒PW)=7゜C
低温負荷熱交換器1Aの出口熱媒温度to1(熱源側熱媒PW)=10゜C
中温負荷側熱媒CWmの目標冷却温度tcm=15゜C
中温負荷熱交換器1Bの入口熱媒温度(熱源側熱媒PW)=11゜C
中温負荷熱交換器1Bの出口熱媒温度to2(熱源側熱媒PW)=15゜C
高温負荷側熱媒CWhの目標冷却温度tch=20゜C
高温負荷熱交換器1Cの入口熱媒温度(熱源側熱媒PW)=17゜C
高温負荷熱交換器1Cの出口熱媒温度to3(熱源側熱媒PW)=20゜C
低温潜熱蓄熱材Xの相変化温度tpx=6゜C
中温潜熱蓄熱材Yの相変化温度tpy=10゜C
高温潜熱蓄熱材Zの相変化温度tpz=16゜C
冷凍機2の設計入口温度tti=16゜C(tpz)
冷凍機2の設計出口温度tto=4゜C
冷凍機2の入口出口熱媒温度差Δtt=12゜C〜6゜C
【0039】
以上要するに、本第1実施形態では、負荷熱交換器1A,1B,1Cの目標冷却温度tcl,tcm,tchが互いに異なることに対し、蓄熱槽3を、相変化温度tpx,tpy,tpzが互いに異なる冷熱蓄熱用の潜熱蓄熱材X,Y,Zを個別に収容した複数の蓄熱部3A,3B,3Cから構成し、
蓄熱運転時には、冷却手段としての冷凍機2から送出される熱源側熱媒PWを複数の蓄熱部3A,3B,3Cに対し収容潜熱蓄熱材X,Y,Zの相変化温度tpx,tpy,tpzが低い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、蓄熱槽3と冷凍機2との間での熱媒循環を実施し、
放熱運転時には、複数の負荷熱交換器1A,1B,1Cに対し、それらの目標冷却温度tcl,tcm,tchに適合する相変化温度tpx,tpy,tpzの潜熱蓄熱材X,Y,Zを収容した蓄熱部3A,3B,3Cから個別に熱源側熱媒PWを供給する形態で、負荷熱交換器1A,1B,1Cと蓄熱槽3との間での熱媒循環を実施する構成にしてある。
【0040】
また、放熱運転時には、複数の負荷熱交換器1A,1B,1Cのうち目標冷却温度tcl,tcm,tchの低い負荷熱交換器1A(1B)から送出される熱源側熱媒PWを、その負荷熱交換器1A(1B)へ供給する熱源側熱媒PWを取り出す蓄熱部3A(3B)よりも収容潜熱蓄熱材Y(Z)の相変化温度tpy(tpz)が高い蓄熱部3B(3C)における負荷熱交換器1B(1C)への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、負荷熱交換器1A,1B,1Cと蓄熱槽3との間での熱媒循環を実施する構成にしてある。
【0041】
〔第2実施形態〕
図2は、生産設備に対して温熱を供給する潜熱蓄熱式の温熱源設備を示し、本例では、生産設備に対する温熱の供給として、負荷熱交換器31A,31B,31Cで負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′を所要温度に加熱し、この加熱した負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′を生産設備における各種機器の加熱などに供する。
【0042】
32は加熱機、33は熱源側熱媒PW′を貯留する蓄熱槽であり、この蓄熱槽33には、生産設備の稼働停止時間帯(主に夜間)において実施する蓄熱運転により加熱機32の発生温熱を蓄熱し、そして、加熱された負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′の供給を要する生産設備の稼働時間帯には、蓄熱運転で蓄熱した温熱を蓄熱槽33から取り出す放熱運転を実施して、この取り出し温熱により負荷熱交換器31A,31B,31Cにおいて負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′を所要温度(目標加熱温度thh,thm,thl)に加熱する。
【0043】
各負荷熱交換器31A,31B,31Cにおいて加熱する負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′の目標加熱温度thh,thm,thlが互いに異なる(thh>thm>thl)ことに対し、蓄熱槽33は、目標加熱温度thhが最も高い高温負荷熱交換器31Aに対する蓄熱部としての高温蓄熱部33Aと、目標加熱温度thmが2番目に高い中温負荷熱交換器31Bに対する蓄熱部としての中温蓄熱部33Bと、目標加熱温度thlが最も低い低温負荷熱交換器31Cに対する蓄熱部としての低温蓄熱部33Cとに区画してあり、これら蓄熱部33A,33B,33Cは、高温蓄熱部33Aに対して中温蓄熱部33Bを潜り堰構造33aを介して連通させ、かつ、中温蓄熱部33Bに対して低温蓄熱部33Cを潜り堰構造33bを介して連通させた直列接続構造にしてある。
【0044】
そして、これら蓄熱部33A,33B,33Cには、各負荷熱交換器31A,31B,31Cの目標加熱温度thh,thm,thlに応じた互いに異なる相変化温度tpz′,tpy′,tpx′の潜熱蓄熱材Z′,Y′,X′(tpz′>tpy′>tpx′)を個別に収容してあり、高温蓄熱部33Aには、液相と固相との間の相変化温度tpz′が高温負荷熱交換器31Aの目標加熱温度thhよりも適当差だけ高い高温潜熱蓄熱材Z′を多数の容器35に充填した状態で収容し、中温蓄熱部33Bには、液相と固相との間の相変化温度tpy′が中温負荷熱交換器31Bの目標加熱温度thmよりも適当差だけ高い中温潜熱蓄熱材Y′を多数の容器36に充填した状態で収容し、同様に、低温蓄熱部33Cには、液相と固相との間の相変化温度tpx′が低温負荷熱交換器31Cの目標加熱温度thlよりも適当差だけ高い低温潜熱蓄熱材X′を多数の容器37に充填した状態で収容してある。
【0045】
38は低温蓄熱部33Cの下部(すなわち、潜り堰構造33a,33bにより蓄熱槽33内に形成する熱媒温度勾配の低温端)から熱源側熱媒PW′を取り出して、その取り出し熱媒PW′を加熱機32に送るとともに、加熱機32から送出される熱源側熱媒PW′を高温蓄熱部33Aの上部(すなわち、潜り堰構造33a,33bにより蓄熱槽33内に形成する熱媒温度勾配の高温端)に戻す熱源側循環路であり、蓄熱運転では、この熱源側循環路38を通じて循環ポンプ39により加熱機32と蓄熱槽33との間で熱源側熱媒PW′を循環させることにより、加熱機32で加熱した熱源側熱媒PW′を高温蓄熱部33A−中温蓄熱部33B−低温蓄熱部33Cの順に通過させるようにして、各蓄熱部33A,33B,33Cに加熱機32の発生温熱を蓄熱する。
【0046】
つまり、蓄熱運転では、加熱機32から送出される熱源側熱媒PW′を高温蓄熱部33A−中温蓄熱部33B−低温蓄熱部33Cの順に通過させることで、加熱機32において加熱した高温の熱源側熱媒PW′により、先ず高温蓄熱部33Aにおける相変化温度tpz′の最も高い高温潜熱蓄熱材Z′を加熱して相変化させ、続いて、高温蓄熱部33Aを通過した熱源側熱媒PW′(すなわち、高温蓄熱部33Aでの高温潜熱蓄熱材Z′との熱交換で温度下降した熱源側熱媒)により、中温蓄熱部33Bにおける相変化温度tpy′が2番目に高い中温潜熱蓄熱材Y′を加熱して相変化させ、さらに、中温蓄熱部33Bを通過した熱源側熱媒PW′(すなわち、中温蓄熱部33Bでの中温潜熱蓄熱材Y′との熱交換でさらに温度下降した熱源側熱媒)により低温蓄熱部33Cにおける相変化温度tpx′の最も低い低温潜熱蓄熱材X′を加熱して相変化させ、これにより、3つの蓄熱部33A,33B,33Cの夫々に加熱機32の発生温熱を潜熱の形で蓄熱する。
【0047】
そして、このような蓄熱形態を採ることで、下流端の低温蓄熱部33Cに対する温熱の潜熱蓄熱(すなわち、低温潜熱蓄熱材X′を固相から液相に相変化させての温熱蓄熱)が完了するまで、低温蓄熱部33Cから加熱機32に戻る熱源側熱媒PW′の温度tti′が低温潜熱蓄熱材X′の相変化温度tpx′とほぼ等しい高い温度(tti′≒tpx′)に保たれるようにし、これにより、設計出口熱媒温度tto′が高温潜熱蓄熱材Z′の相変化温度tpz′に近い加熱機32を用いながらも、温熱の潜熱蓄熱工程において、加熱機32の入口と出口の熱媒温度差Δtt′(=tto′−tti′)を充分に大きく保った状態で、加熱機32を効率良くかつ大きな出力で連続運転できるようにする。
【0048】
41は高温蓄熱部33Aの上部(すなわち、熱源側熱媒PW′を温度成層状態で貯留する高温蓄熱部33Aの高温端であるとともに蓄熱槽33全体としての高温端)から熱源側熱媒PW′を取り出して、その取り出し熱媒PW′を高温負荷熱交換器31Aに供給するとともに、高温負荷熱交換器31Aから送出される熱源側熱媒PW′を中温蓄熱部33Bの上部(すなわち、熱源側熱媒PW′を温度成層状態で貯留する中温蓄熱部33Bの高温端)に戻す高温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、この高温用の負荷側循環路41を通じて循環ポンプ42により高温蓄熱部33Aの上部からの取り出し熱媒PW′を高温負荷熱交換器31Aに供給することで、高温蓄熱部33Aにおける高温潜熱蓄熱材Z′の液相から固相への戻り相変化が完了するまで、高温潜熱蓄熱材Z′の相変化温度tpz′に近い温度の熱源側熱媒PW′を高温負荷熱交換器31Aに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PW′との熱交換より高温負荷熱交換器31Aにおいて負荷側熱媒CWh′をその目標加熱温度thhに加熱する。
【0049】
また、43は中温蓄熱部33Bの上部(中温蓄熱部33Bの高温端)から熱源側熱媒PW′を取り出して、その取り出し熱媒PW′を中温負荷熱交換器31Bに供給するとともに、中温負荷熱交換器31Bから送出される熱源側熱媒PW′を低温蓄熱部33Cの上部(すなわち、熱源側熱媒PW′を温度成層状態で貯留する低温蓄熱部33Cの高温端)に戻す中温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、前述の高温負荷熱交換器31Aに対する熱媒供給と並列に、この中温用の負荷側循環路43を通じて循環ポンプ44により中温蓄熱部33Bの上部からの取り出し熱媒PW′を中温負荷熱交換器31Bに供給することで、中温蓄熱部33Bにおける中温潜熱蓄熱材Y′の液相から固相への戻り相変化が完了するまで、中温潜熱蓄熱材Y′の相変化温度tpy′に近い温度の熱源側熱媒PW′を中温負荷熱交換器31Bに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PW′との熱交換より中温負荷熱交換器31Bにおいて負荷側熱媒CWm′をその目標加熱温度thmに加熱する。
【0050】
また同様に、45は低温蓄熱部33Cの上部(低温蓄熱部33Cの高温端)から熱源側熱媒PW′を取り出して、その取り出し熱媒PW′を低温負荷熱交換器31Cに供給するとともに、低温負荷熱交換器31Cから送出される熱源側熱媒PW′を低温蓄熱部33Cの下部(すなわち、熱源側熱媒PW′を温度成層状態で貯留する低温蓄熱部33Cの低温端であるとともに蓄熱槽33全体としての低温端)に戻す低温用の負荷側循環路であり、放熱運転では、前述の高温負荷熱交換器31Aや中温負荷熱交換器31Bに対する熱媒供給と並列に、この低温用の負荷側循環路45を通じて循環ポンプ46により低温蓄熱部33Cの上部からの取り出し熱媒PW′を低温負荷熱交換器31Cに供給することで、低温蓄熱部33Cにおける低温潜熱蓄熱材X′の液相から固相への戻り相変化が完了するまで、低温潜熱蓄熱材X′の相変化温度tpx′に近い温度の熱源側熱媒PW′を高温負荷熱交換器31Cに対し安定的に供給するようにし、この供給熱媒PW′との熱交換より低温負荷熱交換器31Cにおいて負荷側熱媒CWl′をその目標加熱温度thlに加熱する。
【0051】
そして、上記の如く放熱運転において各負荷熱交換器31A,31B,31Cと蓄熱槽33との間の熱源側熱媒PW′を並列的に循環させることにおいて、高温負荷熱交換器31Aから送出される熱交換後の熱源側熱媒PW′を高温用の負荷側循環路41を通じて中温蓄熱部33Bの上部(すなわち、中温負荷熱交換器31Bへの熱媒取出部の近傍)へ戻すことにより、その戻し分の一部又は全部を中温蓄熱部33Bにおける熱源側熱媒PW′とともに中温蓄熱部33Bからの取り出し熱媒PW′として中温用の負荷側循環路43を通じ中温負荷熱交換器31Bに供給する形態で、中温負荷熱交換器31Bでの負荷側熱媒CWm′の加熱に再利用するようにしてあり、さらには、中温負荷熱交換器31Bから送出される熱交換後の熱源側熱媒PW′を中温用の負荷側循環路43を通じて低温蓄熱部33Cの上部(すなわち、低温負荷熱交換器31Cへの熱媒取出部の近傍)へ戻すことにより、その戻し分の一部又は全部を低温蓄熱部33Cにおける熱源側熱媒PW′とともに低温蓄熱部33Cからの取り出し熱媒PW′として低温用の負荷側循環路45を通じ低温負荷熱交換器31Cに供給する形態で、低温負荷熱交換器31Cでの負荷側熱媒CWl′の加熱に再利用するようにしてある。
【0052】
47は循環ポンプ48により加熱機32と生産機器49との間で熱源側熱媒PW′を循環させる別循環路、V′は熱源側循環路38を通じて加熱機32と蓄熱槽33との間で熱源側熱媒PW′を循環させる状態と、別循環路47を通じて加熱機32と生産機器49との間で熱源側熱媒PW′を循環させる状態との切り換えを行う切換弁であり、蓄熱槽33への温熱供給が不要な放熱運転時(すなわち、生産設備の稼働時間帯)には、切換弁V′による切り換えにより加熱機32と生産機器49との間で熱源側熱媒PW′を循環させる状態にして加熱機32を運転することで、加熱機32から送出される加熱された熱源側熱媒PW′をもって直接に生産機器49の加熱を行うようにしてある。
【0053】
別循環路47には、その別循環路47における熱源側熱媒PW′の保有量を大きく確保することで負荷変動などに伴う熱源側熱媒PW′の温度変動を抑制して生産機器49に対する加熱機能を安定化するクッションタンク50を介装してあり、また、このクッションタンク50には、固相と液相との間の相変化温度tpm′が別循環路47における通常運転時の熱媒温度よりも少し低いクッション用潜熱蓄熱材M′を多数の容器に充填して収容してある。
【0054】
つまり、加熱機32から送出される加熱された熱源側熱媒PW′により直接に生産機器49を加熱する運転で停電が発生して加熱機32が停止したとしても、その加熱機32の停止による循環熱媒PW′の温度下降によりクッションタンク50におけるクッション用潜熱蓄熱材M′を液相から固相に戻り相変化させることで、別循環路47における循環熱媒PW′の温度をクッション用潜熱蓄熱材M′の相変化温度tpm′に近い温度(換言すれば、別循環路47における通常運転時の熱媒温度よりも少しだけ低い温度)に維持して、生産機器49に対する一定以上の加熱機能を保つようにしてあり、これにより、停電時用の自家発電設備を停電時における循環ポンプ48等の付帯装置の運転に用いるだけの小容量のもので済ませられるようにしてある。
【0055】
以上要するに、本第2実施形態では、負荷熱交換器31A,31B,31Cの目標加熱温度thh,thm,thlが互いに異なることに対し、蓄熱槽33を、相変化温度tpz′,tpy′,tpx′が互いに異なる温熱蓄熱用の潜熱蓄熱材Z′,Y′,X′を個別に収容した複数の蓄熱部33A,33B,33Cから構成し、
蓄熱運転時には、加熱手段としての加熱機32から送出される熱源側熱媒PW′を複数の蓄熱部33A,33B,33Cに対し収容潜熱蓄熱材Z′,Y′,X′の相変化温度tpz′,tpy′,tpx′が高い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、蓄熱槽33と加熱機32との間での熱媒循環を実施し、
放熱運転時には、複数の負荷熱交換器31A,31B,31Cに対し、それらの目標加熱温度thh,thm,thlに適合する相変化温度tpz′,tpy′,tpx′の潜熱蓄熱材Z′,Y′,X′を収容した蓄熱部33A,33B,33Cから個別に熱源側熱媒PW′を供給する形態で、負荷熱交換器31A,31B,31Cと蓄熱槽33との間での熱媒循環を実施する構成にしてある。
【0056】
また、放熱運転時には、複数の負荷熱交換器31A,31B,31Cのうち目標加熱温度thh,thm,thlの高い負荷熱交換器31A(31B)から送出される熱源側熱媒PW′を、その負荷熱交換器31A(31B)へ供給する熱源側熱媒PW′を取り出す蓄熱部33A(33B)よりも収容潜熱蓄熱材Y′(X′)の相変化温度tpy′(tpx′)が低い蓄熱部33B(33C)における負荷熱交換器31B(31C)への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、負荷熱交換器31A,31B,31Cと蓄熱槽33との間での熱媒循環を実施する構成にしてある。
【0057】
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
【0058】
請求項1に記載の発明の実施にあたっては、第1実施形態で示した構成に限らず、蓄熱槽3としては、相変化温度tpxが低い低温潜熱蓄熱材Xを収容した低温蓄熱部3Aと、相変化温度tpzが低温潜熱蓄熱材Xよりも高い高温潜熱蓄熱材Zを収容した高温蓄熱部3Bとを設けた2つの蓄熱部から構成してもよい。
【0059】
また、低温蓄熱部と高温蓄熱部とに加え2つ以上の中温蓄熱部を設ける形態で、蓄熱運転時における熱源側熱媒PWの流れる方向で蓄熱槽3の上流側から収容潜熱蓄熱材の相変化温度が順次に高くなる4部以上の蓄熱部を設けるとともに、2つ以上の中温負荷熱交換器及び中温用負荷側循環路を設ける形態で、負荷側熱媒の目標冷却温度が異なる4つ以上の負荷熱交換器及び負荷側循環路を設けてある設備構成にしてもよい。
【0060】
同様に、請求項3に記載の発明の実施にあたっては、第2実施形態で示した構成に限らず、蓄熱槽33としては相変化温度tpx′が低い低温潜熱蓄熱材X′を収容した低温蓄熱部33Cと、相変化温度tpz′が低温潜熱蓄熱材X′よりも高い高温潜熱蓄熱材Z′を収容した高温蓄熱部33Aとを設けた2つの蓄熱部から構成してもよい。
【0061】
また、低温蓄熱部と高温蓄熱部とに加え2部以上の中温蓄熱部を設ける形態で、蓄熱運転時における熱源側熱媒PW′の流れる方向で蓄熱槽33の上流側から収容潜熱蓄熱材の相変化温度が順次に低くなる4部以上の蓄熱部を設けるとともに、2つ以上の中温負荷熱交換器及び中温用負荷側循環路を設ける形態で、負荷側熱媒の目標加熱温度が異なる4つ以上の負荷熱交換器及び負荷側循環路を設けてある設備構成にしてもよい。
【0062】
請求項1及び請求項3に記載の発明の実施にあたっては、蓄熱槽3(33)は第1及び第2実施形態に示したように、一つの槽を潜り堰構造3a,3b(33a,33b)により区画することで各蓄熱部を形成する構成にしてもよく、また、各蓄熱部3A,3B,3C(33A,33B,33C)を各別の槽で構成してあるものであってもよい。
【0063】
また、請求項1に記載の発明の実施にあたっては、低温負荷熱交換器1Aから送出される熱源側熱媒PWを直接に中温負荷熱交換器1Bに供給した上で蓄熱槽3に戻したり、中温負荷熱交換器1Bから送出される熱源側熱媒PWを直接に高温負荷熱交換器1Cに供給した上で蓄熱槽3に戻したりする構成にしてもよい。
【0064】
同様に、請求項3に記載の発明の実施にあたっては、高温負荷熱交換器31Aで放熱した熱源側熱媒PW′を直接に中温負荷熱交換器31Bに供給した上で蓄熱槽33に戻したり、中温負荷熱交換器31Bで放熱した熱源側熱媒PW′を直接に低温負荷熱交換器31Cに供給した上で蓄熱槽33に戻したりする構成にしてもよい。
【0065】
上記第1及び第2実施形態では、生産機器19,49と冷凍機2又は加熱機32との間で熱源側熱媒PW,PW′を循環させる別循環路17,47を設けたが、本発明において、この構成は省略されてもよい。
【0066】
上記第1及び第2実施形態において、熱源側熱媒PW,PW′は水をはじめ、種々の液体を使用でき、また、負荷側熱媒CWh,CWm,CWl,CWh′,CWm′,CWl′は、水をはじめとする液体に限らず、気体であってもよい。
【0067】
請求項1に記載の発明の実施において、負荷側熱媒CWh,CWm,CWlの冷却目的は、機器の冷却、冷房など種々のものであってよい。
【0068】
請求項3に記載の発明の実施において、負荷側熱媒CWh′,CWm′,CWl′の加熱目的は、機器の加熱、暖房など種々のものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す設備構成図
【図2】第2実施形態を示す設備構成図
【符号の説明】
1A,1B,1C 負荷熱交換器
2 冷却手段
3 蓄熱槽
3A,3B,3C 蓄熱部
31A,31B,31C 負荷熱交換器
32 加熱手段
33 蓄熱槽
33A,33B,33C 蓄熱部
CWh,CWm,CWl 負荷側熱媒
CWh′,CWm′,CWl′ 負荷側熱媒
PW 熱源側熱媒
PW′ 熱源側熱媒
tcl,tcm,tch 負荷側熱媒の目標冷却温度
thh,thm,thl 負荷側熱媒の目標加熱温度
tpx,tpy,tpz 潜熱蓄熱材の相変化温度
tpx′,tpy′,tpz′ 潜熱蓄熱材の相変化温度
X,Y,Z 冷熱蓄熱用の潜熱蓄熱材
X′,Y′,Z′ 温熱蓄熱用の潜熱蓄熱材

Claims (4)

  1. 蓄熱槽と冷却手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記冷却手段の発生冷熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標冷却温度に冷却する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の冷熱源設備であって、
    前記負荷熱交換器の目標冷却温度が互いに異なることに対し、前記蓄熱槽を、相変化温度が互いに異なる冷熱蓄熱用の潜熱蓄熱材を個別に収容した複数の蓄熱部から構成し、
    蓄熱運転時には、前記冷却手段から送出される熱源側熱媒を複数の前記蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、前記蓄熱槽と前記冷却手段との間での熱媒循環を実施し、放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器に対し、それらの目標冷却温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した前記蓄熱部から個別に熱源側熱媒を供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にするとともに、
    放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標冷却温度の低い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その目標冷却温度の低い負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、又は、その目標冷却温度の低い負荷熱交換器よりも目標冷却温度が高い負荷熱交換器に直接供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてある潜熱蓄熱式冷熱源設備。
  2. 前記蓄熱槽を前記複数の蓄熱部の各々が温度成層状態で熱源側熱媒を貯留する構成にするとともに、
    前記複数の蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部を各々の蓄熱部の低温端から熱源側熱媒を取り出す構成にしてある請求項1記載の潜熱蓄熱式冷熱源設備。
  3. 蓄熱槽と加熱手段との間で熱源側熱媒を循環させて前記加熱手段の発生温熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、
    複数の負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間で熱源側熱媒を並列に循環させて各負荷熱交換器で負荷側熱媒を目標加熱温度に加熱する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の温熱源設備であって、
    前記負荷熱交換器の目標加熱温度が互いに異なることに対し、前記蓄熱槽を、相変化温度が互いに異なる温熱蓄熱用の潜熱蓄熱材を個別に収容した複数の蓄熱部から構成し、
    蓄熱運転時には、前記加熱手段から送出される熱源側熱媒を複数の前記蓄熱部に対し収容潜熱蓄熱材の相変化温度が高い蓄熱部ほど上流側にして直列に通過させる形態で、前記蓄熱槽と前記加熱手段との間での熱媒循環を実施し、
    放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器に対し、それらの目標加熱温度に適合する相変化温度の潜熱蓄熱材を収容した前記蓄熱部から個別に熱源側熱媒を供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にするとともに、
    放熱運転時には、複数の前記負荷熱交換器のうち目標加熱温度の高い負荷熱交換器から送出される熱源側熱媒を、その目標加熱温度の高い負荷熱交換器へ供給する熱源側熱媒を取り出す蓄熱部よりも収容潜熱蓄熱材の相変化温度が低い蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部の近傍に戻す形態で、又は、その目標加熱温度の高い負荷熱交換器よりも目標加熱温度が低い負加熱交換器に直接供給する形態で、前記負荷熱交換器と前記蓄熱槽との間での熱媒循環を実施する構成にしてある潜熱蓄熱式温熱源設備。
  4. 前記蓄熱槽を前記複数の蓄熱部の各々が温度成層状態で熱源側熱媒を貯留する構成にするとともに、
    前記複数の蓄熱部における負荷熱交換器への熱媒取出部を各々の蓄熱部の高温端から熱源側熱媒を取り出す構成にしてある請求項3記載の潜熱蓄熱式温熱源設備。
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