JP4194131B2 - 潜熱蓄熱式の熱源システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調などに用いる潜熱蓄熱式の熱源システムに関し、詳しくは、潜熱蓄熱剤を装備した蓄熱槽と冷凍機(又は加熱機)との間で熱媒を循環させて冷凍機の発生冷熱(又は加熱機の発生温熱)を蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、蓄熱槽と負荷熱交換器との間で熱媒を循環させて蓄熱槽における蓄熱冷熱(又は蓄熱温熱)を負荷熱交換器で消費する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の熱源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の熱源システムでは(図5参照)、蓄熱槽3に装備する潜熱蓄熱剤Xとして、負荷熱交換器1での必要熱媒温度tiに見合った相変化温度tpx(≒ti)を有するものを選定し、その潜熱蓄熱剤Xを備えさせた一種の蓄熱槽3(実質的に一つの蓄熱槽)のみを用いて蓄熱を行っていた。2は冷凍機、7は蓄熱運転において熱媒Wを循環させる蓄熱用循環路、11は放熱運転において熱媒を循環させる放熱用循環路である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来システムでは(同図5参照)、蓄熱運転の際、その開始当初は放熱終了後の蓄熱槽3から高温の熱媒W(すなわち、放熱運転において負荷熱交換器1から蓄熱槽3に戻る熱媒Wと同等温度の熱媒)が冷凍機2に導入されることから、冷凍機2は最大出力での連続運転(連続全負荷運転)になるが、その後、潜熱蓄熱剤Xの相変化が始まって潜熱蓄熱の工程に移ると、潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpxとほぼ等しい低温の熱媒Wが冷凍機2に導入されるようになる為、設計出口熱媒温度ttoが潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpxに近い冷凍機2(例えば、潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpxが7℃であるのに対し設計出口熱媒温度ttoが5℃の冷凍機)では、入口と出口の熱媒温度差Δtt(=tti−tto)が過小になって、装置機能面や装置保護の面からもはや最大出力での連続運転が不能になり、この為、主の蓄熱工程である潜熱蓄熱工程において、冷凍機2の出力を低下させる部分負荷運転や、冷凍機2の発停を繰り返して冷凍機2の平均出力を低下させるON・OFF容量制御運転が必要になっていた。
【0004】
そして、このような部分負荷運転やON・OFF容量制御運転の為に、最大出力での連続運転に比べ、蓄熱能率が低下して蓄熱の完了までに要する時間が長くなる、また、冷凍機2の成績係数が低下して消費動力が嵩む問題があり、特に、ON・OFF容量制御運転では、冷凍機2の運転停止期間に潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpxよりも高温の熱媒W(非冷却の熱媒)が冷凍機2から蓄熱槽3に供給される状態になって、それまでの冷凍機運転で相変化させた潜熱蓄熱剤Xの逆向きの相変化が生じ、このことで蓄熱完了までの所要時間が一層長くなるとともに、大きな熱ロスを招く問題があった。
【0005】
また、この問題を回避するのに、設計出口熱媒温度ttoがより低い低温仕様の冷凍機を用いることも考えられるが、この場合、蓄熱の完了までの所要時間は短くし得るものの、低温仕様の冷凍機では、蒸発温度が低くて成績係数が一層低くなることから消費動力の低減は期待できず、むしろ、装置コストが高くなるとともに消費動力が一層嵩む問題があり、また、低温仕様の冷凍機の採用に伴い、例えば凍結防止の上から熱媒Wに水を使用できなくなって熱媒Wにブラインを用いることが必要になる等、使用する熱媒Wが制限され、この為にシステムコストが高く付いたりシステムの管理が難しくなる問題もあった。
【0006】
なお、この種の問題は、冷凍機の発生冷熱を蓄熱槽に蓄熱する冷熱の熱源システムに限られるものではなく、冷熱と温熱との違いはあるが、加熱機の発生温熱を蓄熱槽に蓄熱する温熱の熱源システムにおいても同様である。
【0007】
以上の実情に対し、本発明の主たる課題は、冷凍機の発生冷熱や加熱機の発生温熱を蓄熱槽に潜熱蓄熱することにおいて、合理的な蓄熱形態を採ることにより上記の如き問題を解消する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1記載の発明では、蓄熱槽として、相変化温度の低い低温潜熱蓄熱剤を装備した低温蓄熱槽と、その低温潜熱蓄熱剤よりも相変化温度の高い高温潜熱蓄熱剤を装備した高温蓄熱槽とを設け、そして、これら蓄熱槽と冷凍機との間で熱媒を循環させて冷凍機の発生冷熱を蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転では、熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる循環形態、すなわち、冷凍機による冷却熱媒を先ず低温蓄熱槽の低温潜熱蓄熱剤に対し冷却作用させた後、高温蓄熱槽の高温潜熱蓄熱剤に対し冷却作用させる循環形態を採ることで、上流側に位置する低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱(低温潜熱蓄熱剤を相変化させての冷熱蓄熱)が優先的に進むようにするとともに、このように低温蓄熱槽への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱(高温潜熱蓄熱剤を相変化させての冷熱蓄熱)が完了するまで、高温蓄熱槽から冷凍機に戻る熱媒の温度(冷凍機の入口熱媒温度)が高温潜熱蓄熱剤の相変化によって高温潜熱蓄熱剤の相変化温度とほぼ等しい温度に保たれるようにする。
【0009】
また、蓄熱槽と負荷熱交換器との間で熱媒を循環させて蓄熱槽における蓄熱冷熱を負荷熱交換器で消費する放熱運転では、蓄熱運転とは逆に、熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる循環形態を採ることにより、負荷熱交換器から戻る高温の熱媒(負荷熱交換器での冷熱消費で昇温した熱媒)を先ず高温蓄熱槽で冷熱蓄熱状態の高温潜熱蓄熱剤により予冷し、これに続き、その熱媒を低温蓄熱槽で冷熱蓄熱状態の低温潜熱蓄熱剤により負荷熱交換器の必要熱媒温度まで冷却して負荷熱交換器に供給する。
【0010】
つまり、この熱源システムでは、低温潜熱蓄熱剤として負荷熱交換器の必要熱媒温度に見合った相変化温度を有する潜熱蓄熱剤を選定しておくことで、負荷熱交換器での必要熱媒温度を得るが、これに対し、前記の如く、低温蓄熱槽への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了するまで、高温蓄熱槽から冷凍機に戻る熱媒の温度を高温潜熱蓄熱剤の相変化温度(低温潜熱蓄熱剤の相変化温度よりも高い温度)に保ち得ることから、高温潜熱蓄熱剤に低温潜熱蓄熱剤との相変化温度差がある程度大きな潜熱蓄熱剤を選定しておけば、冷凍機として設計出口熱媒温度が低温潜熱蓄熱剤の相変化温度に近い冷凍機(例えば、低温潜熱蓄熱剤の相変化温度が7℃であるのに対し設計出口熱媒温度が5℃の冷凍機)を用いても、主たる蓄熱工程である潜熱蓄熱工程において、その冷凍機における入口と出口の熱媒温度差を充分に大きく保つことができる。
【0011】
したがって、この熱源システムでは、設計出口熱媒温度が低温潜熱蓄熱剤の相変化温度に近い冷凍機を用いながらも、冷凍機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を不要にして蓄熱完了まで冷凍機を最大出力で連続運転できる、あるいは、部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になるにしても、これら運転による冷凍機の出力低下幅を小さくすることができ、これにより、従来システムに比べ、蓄熱能率を高く保って蓄熱完了までの所要時間を短くすることができ、また、冷凍機の成績係数を高く保つとともにON・OFF容量制御運転での冷凍機停止に原因する潜熱蓄熱剤の逆向きの相変化を抑止して消費動力も低減でき、さらにまた、部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を回避するために低温仕様の冷凍機を用いることで使用熱媒が制限されてシステムコストが高く付いたりシステム管理が難しくなるといったことも回避できる。
【0012】
そしてまた、請求項1記載の発明では、冷凍機による冷却熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる前記蓄熱運転において高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて冷凍機と蓄熱槽との間での熱媒循環及び冷凍機の運転を自動停止することにより、高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了した後における無駄な部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を確実に防止し、また、冷凍機の入口と出口の熱媒温度差が過小になることが原因の冷凍機トラブルを確実に防止する。
【0013】
つまり、冷凍機による冷却熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる熱媒循環形態での蓄熱運転では、下流側の高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了した後も蓄熱運転を継続すると、冷凍機に導入される熱媒の温度が高温潜熱蓄熱剤の相変化温度から次第に低下するようになり、この為、冷凍機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になり、また、これら部分負荷運転やON・OFF容量制御運転による冷凍機の出力低下幅を次第に大きくすることが必要になるが、上記の如く下流側の高温蓄熱槽に対する冷熱潜熱蓄熱の完了検出に基づき蓄熱運転を自動停止するようにすれば、このような無駄な部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を確実に防止して不必要な動力消費を回避でき、また、冷凍機における入口と出口の熱媒温度差が過小になることが原因の冷凍機トラブルも確実に防止できる。
【0014】
さらに、請求項1記載の発明では、低温蓄熱槽と高温蓄熱槽とを、冷凍機による冷却熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる前記蓄熱運転において高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にすることにより、主蓄熱槽である低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱を完了するのに、冷凍機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になる、あるいは、これら運転による冷凍機の出力低下幅を大きくすることが必要になるのを回避する。
【0015】
つまり、冷凍機による冷却熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる熱媒循環形態での蓄熱運転では、下流側の高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了した後も蓄熱運転を継続する場合、前記の如く、高温潜熱蓄熱剤の相変化温度よりも低温の熱媒が冷凍機に導入されるようになることから、低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了する前に下流側の高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了してしまうと、その後、低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱を完了するのに冷凍機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になる、あるいは、これら運転による冷凍機の出力低下幅を大きくすることが必要になるが、低温蓄熱槽と高温蓄熱槽を上記の如き蓄熱特性関係にしておけば、このような事態を回避することができ、これにより、前記効果が一層有効に発揮される形態にして、蓄熱に要する時間の短縮や消費動力の低減を一層効果的に達成できる。
【0016】
請求項2記載の発明では、蓄熱槽として、相変化温度の高い高温潜熱蓄熱剤を装備した高温蓄熱槽と、その高温潜熱蓄熱剤よりも相変化温度の低い低温潜熱蓄熱剤を装備した低温蓄熱槽とを設け、そして、これら蓄熱槽と加熱機との間で熱媒を循環させて加熱機の発生温熱を蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転では、熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる循環形態、すなわち、加熱機による加熱熱媒を先ず高温蓄熱槽の高温潜熱蓄熱剤に対し加熱作用させた後、低温蓄熱槽の低温潜熱蓄熱剤に対し加熱作用させる循環形態を採ることで、上流側に位置する高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱(高温潜熱蓄熱剤を相変化させての温熱蓄熱)が優先的に進むようにするとともに、このように高温蓄熱槽への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱(低温潜熱蓄熱剤を相変化させての温熱蓄熱)が完了するまで、低温蓄熱槽から加熱機に戻る熱媒の温度(加熱機の入口熱媒温度)が低温潜熱蓄熱剤の相変化によって低温潜熱蓄熱剤の相変化温度とほぼ等しい温度に保たれるようにする。
【0017】
また、蓄熱槽と負荷熱交換器との間で熱媒を循環させて蓄熱槽における蓄熱温熱を負荷熱交換器で消費する放熱運転では、蓄熱運転とは逆に、熱媒を低温蓄熱槽から高温蓄熱槽の順に通過させる循環形態を採ることにより、負荷熱交換器から戻る低温の熱媒(負荷熱交換器での温熱消費で降温した熱媒)を先ず低温蓄熱槽で温熱蓄熱状態の低温潜熱蓄熱剤により予熱し、これに続き、その熱媒を高温蓄熱槽で温熱蓄熱状態の高温潜熱蓄熱剤により負荷熱交換器の必要熱媒温度まで加熱して負荷熱交換器に供給する。
【0018】
つまり、この熱源システムでは、高温潜熱蓄熱剤として負荷熱交換器の必要熱媒温度に見合った相変化温度を有する潜熱蓄熱剤を選定しておくことで、負荷熱交換器での必要熱媒温度を得るが、これに対し、前記の如く、高温蓄熱槽への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了するまで、低温蓄熱槽から加熱機に戻る熱媒の温度を低温潜熱蓄熱剤の相変化温度(高温潜熱蓄熱剤の相変化温度よりも低い温度)に保ち得ることから、低温潜熱蓄熱剤に高温潜熱蓄熱剤との相変化温度差がある程度大きな潜熱蓄熱剤を選定しておけば、加熱機として設計出口熱媒温度が高温潜熱蓄熱剤の相変化温度に近い加熱機(例えば、高温潜熱蓄熱剤の相変化温度が50℃であるのに対し設計出口熱媒温度が52℃の加熱機)を用いても、主たる蓄熱工程である潜熱蓄熱工程において、その加熱機における入口と出口の熱媒温度差を充分に大きく保つことができる。
【0019】
したがって、この熱源システムでは、設計出口熱媒温度が高温潜熱蓄熱剤の相変化温度に近い加熱機を用いながらも、加熱機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を不要にして蓄熱完了まで加熱機を最大出力で連続運転できる、あるいは、部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になるにしても、これら運転による加熱機の出力低下幅を小さくすることができ、これにより、従来システムに比べ、蓄熱能率を高く保って蓄熱完了までの所要時間を短くすることができ、また、加熱機の成績係数を高く保つとともにON・OFF容量制御運転での加熱機停止に原因する潜熱蓄熱剤の逆向きの相変化を抑止して消費動力も低減でき、さらにまた、部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を回避するために設計出口温度のより高い高温仕様の加熱機を用いることで使用熱媒が制限されてシステムコストが高く付いたりシステム管理が難しくなるといったことも回避できる。
【0020】
そしてまた、請求項記載の発明では、加熱機による加熱熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる前記蓄熱運転において低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて加熱機と蓄熱槽との間での熱媒循環及び加熱機の運転を自動停止することにより、低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了した後における無駄な部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を確実に防止し、また、加熱機の入口と出口の熱媒温度差が過小になることが原因の加熱機トラブルを確実に防止する。
【0021】
つまり、加熱機による加熱熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる熱媒循環形態での蓄熱運転では、下流側の低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了した後も蓄熱運転を継続すると、加熱機に導入される熱媒の温度が低温潜熱蓄熱剤の相変化温度から次第に上昇するようになり、この為、加熱機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になり、また、これら部分負荷運転やON・OFF容量制御運転による加熱機の出力低下幅を次第に大きくすることが必要になるが、上記の如く下流側の低温蓄熱槽に対する温熱潜熱蓄熱の完了検出に基づき蓄熱運転を自動停止するようにすれば、このような無駄な部分負荷運転やON・OFF容量制御運転を確実に防止して不必要な動力消費を回避でき、また、加熱機における入口と出口の熱媒温度差が過小になることが原因の加熱機トラブルも確実に防止できる。
【0022】
さらに、請求項2記載の発明では、高温蓄熱槽と低温蓄熱槽とを、加熱機による加熱熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる前記蓄熱運転において低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にすることにより、主蓄熱槽である高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱を完了するのに、加熱機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になる、あるいは、これら運転による加熱機の出力低下幅を大きくすることが必要になるのを回避する。
【0023】
つまり、加熱機による加熱熱媒を高温蓄熱槽から低温蓄熱槽の順に通過させる熱媒循環形態での蓄熱運転では、下流側の低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了した後も蓄熱運転を継続する場合、前記の如く、低温潜熱蓄熱剤の相変化温度よりも高温の熱媒が加熱機に導入されるようになることから、高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了する前に下流側の低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了してしまうと、その後、高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱を完了するのに加熱機の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になる、あるいは、これら運転による加熱機の出力低下幅を大きくすることが必要になるが、高温蓄熱槽と低温蓄熱槽を上記の如き蓄熱特性関係にしておけば、このような事態を回避することができ、これにより、前記効果が一層有効に発揮される形態にして、蓄熱に要する時間の短縮や消費動力の低減を一層効果的に達成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は負荷熱交換器1(例えば冷房用空調機)に冷熱供給する潜熱蓄熱式の熱源システムを示し、2は冷凍機、3は低温蓄熱槽、4は高温蓄熱槽であり、低温蓄熱槽3には、液相と固相の間の相変化温度tpx(凝固点)が負荷熱交換器1の必要熱媒温度tiとほぼ等しい低温潜熱蓄熱剤Xを多数の容器5に充填して装備し、高温蓄熱槽4には、液相と固相の間の相変化温度tpyが低温潜熱蓄熱剤Xよりも高い高温潜熱蓄熱剤Yを多数の容器6に充填して装備してある。
【0025】
7は循環ポンプ8により冷凍機2と両蓄熱槽3,4との間で熱媒Wを循環させる蓄熱用循環路であり、冷凍機2の発生冷熱を両蓄熱槽3,4に蓄熱する蓄熱運転では、この蓄熱用循環路7において低温蓄熱槽3から高温蓄熱槽4の順に熱媒通過させる方向で熱媒Wを循環させる循環路構成にしてある。
【0026】
つまり、蓄熱運転において熱媒Wを低温蓄熱槽3から高温蓄熱槽4の順に通過させる熱媒循環形態を採ることにより、冷凍機2による冷却熱媒Wを先ず低温蓄熱槽3の低温潜熱蓄熱剤Xに対し冷却作用させた後、高温蓄熱槽4の高温潜熱蓄熱剤Yに対し冷却作用させるようにして、上流側に位置する低温蓄熱槽3への冷熱の潜熱蓄熱(すなわち、低温潜熱蓄熱剤Xを液相から固相に相変化させての冷熱蓄熱)が優先的に進むようにする。
【0027】
また、このように低温蓄熱槽3への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽3,4への冷熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱(すなわち、高温潜熱蓄熱剤Yを液相から固相に相変化させての冷熱蓄熱)が完了するまで、高温蓄熱槽4から冷凍機2に戻る熱媒Wの温度ttiが高温潜熱蓄熱剤Yの相変化によって高温潜熱蓄熱剤Yの相変化温度tpyとほぼ等しい温度(tti=tpy)に保たれるようにし、これにより、設計出口熱媒温度ttoが低温潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpxに近い冷凍機2を用いながらも、冷熱の潜熱蓄熱工程において、冷凍機2の入口と出口の熱媒温度差Δtt(=tti−tto)を充分に大きく保った状態で、冷凍機2を最大出力で連続運転できるようにする。
【0028】
9は高温蓄熱槽4から送出される熱媒Wの温度tti(すなわち、冷凍機2の入口熱媒温度)を検出する温度センサ、10はシステム制御器であり、このシステム制御器10は温度センサ9により検出される熱媒温度ttiが高温潜熱蓄熱剤Yの相変化温度tpyよりも低下した状態になると、高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱が完了したと判定して、循環ポンプ8及び冷凍機2を自動停止する。
【0029】
つまり、この熱源システムでは、蓄熱運転において高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて蓄熱運転を自動停止するようにしてあり、これにより、高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱が完了した後、高温蓄熱槽4から冷凍機2に導入される熱媒Wの温度ttiが高温潜熱蓄熱剤Yの相変化温度tpyから次第に低下する状況の下で冷凍機2を無駄に部分負荷運転することやON・OFF容量制御運転することを防止する。
【0030】
また、この熱源システムにおいて、低温蓄熱槽3と高温蓄熱槽4は、各潜熱蓄熱剤X,Yの装備量の設定などにより、蓄熱運転において高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、低温蓄熱槽3への冷熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にしてあり、これにより、低温蓄熱槽3への冷熱の潜熱蓄熱が完了する前に下流側の高温蓄熱槽4への冷熱の潜熱蓄熱が完了してしまうことで、その後、主蓄熱槽である低温蓄熱槽3への冷熱の潜熱蓄熱を完了するのに、冷凍機2の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になることを回避する。
【0031】
11は循環ポンプ12により負荷熱交換器1と両蓄熱槽3,4との間で熱媒Wを循環させる放熱用循環路であり、両蓄熱槽3,4における蓄熱冷熱を負荷熱交換器1で消費する放熱運転では、この放熱用循環路11において蓄熱運転とは逆に高温蓄熱槽4から低温蓄熱槽3の順に熱媒通過させる方向で熱媒循環させ、これにより、負荷熱交換器1から戻る高温toの熱媒W(負荷熱交換器1での冷熱消費で昇温した熱媒)を先ず高温蓄熱槽4で冷熱蓄熱状態の高温潜熱蓄熱剤Yにより予冷し、これに続き、その熱媒Wを低温蓄熱槽3で冷熱蓄熱状態の低温潜熱蓄熱剤Xにより負荷熱交換器1の必要熱媒温度tiまで冷却して負荷熱交換器1に供給する。
【0032】
なお、本第1実施形態における熱源システムの具体的諸元の一例としては次の例を挙げることができる。
熱媒W=水
負荷熱交換器1の入口熱媒温度ti(必要熱媒温度)=7℃
負荷熱交換器1の出口熱媒温度to=15℃
低温潜熱蓄熱剤Xの相変化温度tpx=7℃
高温潜熱蓄熱剤Yの相変化温度tpy=9℃
冷凍機2の設計出口温度tto=5℃
冷凍機2の入口温度tti=15℃(to)〜9℃(tpy)
冷凍機2の入口出口熱媒温度差Δtt=10℃deg〜4℃deg
【0033】
〔第2実施形態〕
図2は負荷熱交換器21(例えば暖房用空調機)に温熱供給する潜熱蓄熱式の熱源システムを示し、22は加熱機、23は高温蓄熱槽、24は低温蓄熱槽であり、高温蓄熱槽23には、液相と固相の間の相変化温度tpx(凝固点)が負荷熱交換器21の必要熱媒温度tiとほぼ等しい高温潜熱蓄熱剤X’を多数の容器25に充填して装備し、低温蓄熱槽24には、液相と固相の間の相変化温度tpyが高温潜熱蓄熱剤X’よりも低い低温潜熱蓄熱剤Y’を多数の容器26に充填して装備してある。
【0034】
27は循環ポンプ28により加熱機22と両蓄熱槽23,24との間で熱媒Wを循環させる蓄熱用循環路であり、加熱機22の発生温熱を両蓄熱槽23,24に蓄熱する蓄熱運転では、この蓄熱用循環路27において高温蓄熱槽23から低温蓄熱槽24の順に熱媒通過させる方向で熱媒Wを循環させる循環路構成にしてある。
【0035】
つまり、蓄熱運転において熱媒Wを高温蓄熱槽23から低温蓄熱槽24の順に通過させる熱媒循環形態を採ることにより、加熱機22による加熱熱媒Wを先ず高温蓄熱槽23の高温潜熱蓄熱剤X’に対し加熱作用させた後、低温蓄熱槽24の低温潜熱蓄熱剤Y’に対し加熱作用させるようにして、上流側に位置する高温蓄熱槽23への温熱の潜熱蓄熱(すなわち、高温潜熱蓄熱剤X’を固相から液相に相変化させての温熱蓄熱)が優先的に進むようにする。
【0036】
また、このように高温蓄熱槽23への潜熱蓄熱を優先させながら両蓄熱槽23,24への温熱の潜熱蓄熱を進めることにおいて、下流側に位置する低温蓄熱槽24への温熱の潜熱蓄熱(すなわち、低温潜熱蓄熱剤Y’を固相から液相に相変化させての温熱蓄熱)が完了するまで、低温蓄熱槽24から加熱機22に戻る熱媒Wの温度ttiが低温潜熱蓄熱剤Y’の相変化によって低温潜熱蓄熱剤Y’の相変化温度tpyとほぼ等しい温度(tti≒tpy)に保たれるようにし、これにより、設計出口熱媒温度ttoが高温潜熱蓄熱剤X’の相変化温度tpxに近い加熱機22を用いながらも、温熱の潜熱蓄熱工程において、加熱機22の入口と出口の熱媒温度差Δtt(=tti−tto)を充分に大きく保った状態で、加熱機22を最大出力で連続運転できるようにする。
【0037】
29は低温蓄熱槽24から送出される熱媒Wの温度tti(すなわち、加熱機22の入口熱媒温度)を検出する温度センサ、30はシステム制御器であり、このシステム制御器30は温度センサ29により検出される熱媒温度ttiが低温潜熱蓄熱剤Y’の相変化温度tpyよりも上昇した状態になると、低温蓄熱槽24への温熱の潜熱蓄熱が完了したと判定して、循環ポンプ28及び加熱機22を自動停止する。
【0038】
つまり、この熱源システムでは、蓄熱運転において低温蓄熱槽24への温熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて蓄熱運転を自動停止するようにしてあり、これにより、低温蓄熱槽24への温熱の潜熱蓄熱が完了した後、低温蓄熱槽24から加熱機22に導入される熱媒Wの温度ttiが低温潜熱蓄熱剤Y’の相変化温度tpyから次第に上昇する状況の下で加熱機22を無駄に部分負荷運転することやON・OFF容量制御運転することを防止する。
【0039】
また、この熱源システムにおいて、高温蓄熱槽23と低温蓄熱槽24は、各潜熱蓄熱剤X',Y'の装備量の設定などにより、蓄熱運転において低温蓄熱槽24への温熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、高温蓄熱槽23への温熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にしてあり、これにより、高温蓄熱槽23への温熱の潜熱蓄熱が完了する前に下流側の低温蓄熱槽24への冷熱の潜熱蓄熱が完了してしまうことで、その後、主蓄熱槽である高温蓄熱槽23への温熱の潜熱蓄熱を完了するのに、加熱機22の部分負荷運転やON・OFF容量制御運転が必要になることを回避する。
【0040】
31は循環ポンプ32により負荷熱交換器21と両蓄熱槽23,24との間で熱媒Wを循環させる放熱用循環路であり、両蓄熱槽23,24における蓄熱温熱を負荷熱交換器21で消費する放熱運転では、この放熱用循環路31において蓄熱運転とは逆に低温蓄熱槽24から高温蓄熱槽23の順に熱媒通過させる方向で熱媒循環させ、これにより、負荷熱交換器21から戻る低温toの熱媒W(負荷熱交換器21での温熱消費で降温した熱媒)を先ず低温蓄熱槽24で温熱蓄熱状態の低温潜熱蓄熱剤Y’により予熱し、これに続き、その熱媒Wを高温蓄熱槽23で温熱蓄熱状態の高温潜熱蓄熱剤X’により負荷熱交換器21の必要熱媒温度tiまで加熱して負荷熱交換器21に供給する。
【0041】
なお、本第2実施形態における熱源システムの具体的諸元の一例としては次の例を挙げることができる。
熱媒W=水
負荷熱交換器21の入口熱媒温度ti(必要熱媒温度)=50℃
負荷熱交換器21の出口熱媒温度to=43℃
高温潜熱蓄熱剤X’の相変化温度tpx=50℃
低温潜熱蓄熱剤Y’の相変化温度tpy=48℃
加熱機22の設計出口温度tto=52℃
加熱機22の入口温度tti=43℃(to)〜48℃(tpy)
加熱機22の入口出口熱媒温度差Δtt=9℃deg〜4℃deg
【0042】
〔その他の実施形態〕
次にその他の実施形態を列記する。
【0043】
請求項に記載の発明の実施にあたっては、第1実施形態で示した2槽構成に限らず、図3に示す如く、相変化温度tpxが低い低温潜熱蓄熱剤Xを装備した低温蓄熱槽3と、相変化温度tpyが低温潜熱蓄熱剤Xよりも高い高温潜熱蓄熱剤Yを装備した高温蓄熱槽4と、相変化温度tpmが低温潜熱蓄熱剤Xよりも高くかつ高温潜熱蓄熱剤Yよりも低い中温潜熱蓄熱剤Mを装備した中温蓄熱槽13とを設け、そして、冷凍機2の発生冷熱を各蓄熱槽3,4,13に蓄熱する蓄熱運転では、冷凍機2との間で循環させる熱媒Wを低温蓄熱槽3−中温蓄熱槽13−高温蓄熱槽4の順に通過させ、一方、各蓄熱槽3,4,13における蓄熱冷熱を負荷熱交換器1で消費する放熱運転では、負荷熱交換器1との間で循環させる熱媒Wを高温蓄熱槽4−中温蓄熱槽13−低温蓄熱槽3の順に通過させるシステム構成にしてもよい。
【0044】
また、低温蓄熱槽と高温蓄熱槽とに加え2槽以上の中温蓄熱槽を設ける形態で、装備潜熱蓄熱剤の相変化温度が順次に高くなる4槽以上の蓄熱槽を設け、そして、蓄熱運転では、冷凍機との間で循環させる熱媒を、相変化温度が低い潜熱蓄熱剤を備える低温側の蓄熱槽から各蓄熱槽に対し順次に通過させ、一方、放熱運転では、負荷熱交換器との間で循環させる熱媒を、相変化温度が高い潜熱蓄熱剤を備える高温側の蓄熱槽から各蓄熱槽に対し順次に通過させるシステム構成にしてもよい。
【0045】
同様に、請求項に記載の発明の実施にあたっては、第2実施形態で示した2槽構成に限らず、図4に示す如く、相変化温度tpxが高い高温潜熱蓄熱剤X'を装備した高温蓄熱槽23と、相変化温度tpyが高温潜熱蓄熱剤X'よりも低い低温潜熱蓄熱剤Y'を装備した低温蓄熱槽24と、相変化温度tpmが高温潜熱蓄熱剤X'よりも低くかつ低温潜熱蓄熱剤Y'よりも高い中温潜熱蓄熱剤M'を装備した中温蓄熱槽33とを設け、そして、加熱機22の発生温熱を各蓄熱槽23,24,33に蓄熱する蓄熱運転では、加熱機22との間で循環させる熱媒Wを高温蓄熱槽23−中温蓄熱槽33−低温蓄熱槽24の順に通過させ、一方、各蓄熱槽23,24,33における蓄熱温熱を負荷熱交換器21で消費する放熱運転では、負荷熱交換器21との間で循環させる熱媒Wを低温蓄熱槽24−中温蓄熱槽33−高温蓄熱槽23の順に通過させるシステム構成にしてもよい。
【0046】
また、低温蓄熱槽と高温蓄熱槽とに加え2槽以上の中温蓄熱槽を設ける形態で、装備潜熱蓄熱剤の相変化温度が順次に低くなる4槽以上の蓄熱槽を設け、そして、蓄熱運転では、加熱機との間で循環させる熱媒を、相変化温度が高い潜熱蓄熱剤を備える高温側の蓄熱槽から各蓄熱槽に対し順次に通過させ、一方、放熱運転では、負荷熱交換器との間で循環させる熱媒を、相変化温度が低い潜熱蓄熱剤を備える低温側の蓄熱槽から各蓄熱槽に対し順次に通過させるシステム構成にしてもよい。
【0047】
前述の各実施形態では、潜熱蓄熱剤の固相と液相との間での相変化により潜熱蓄熱する形態を示したが、場合によっては、潜熱蓄熱剤の液相と気相との間での相変化により潜熱蓄熱する形態や、潜熱蓄熱剤の固相と気相との間での相変化により潜熱蓄熱する形態を採用してもよい。
【0048】
熱媒は水に限定されるものではなく、各種ブラインを初め種々の流体を採用できる。
【0049】
蓄熱冷熱や蓄熱温熱の消費用途は、冷房や暖房などの空調に限定されるものではなく、どのような用途であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態を示すシステム構成図
【図2】 第2実施形態を示すシステム構成図
【図3】 その他の実施形態を示すシステム構成図
【図4】 その他の実施形態を示すシステム構成図
【図5】 従来例を示すシステム構成図
【符号の説明】
1 負荷熱交換器
2 冷凍機
3 低温蓄熱槽
4 高温蓄熱槽
X 低温潜熱蓄熱剤
Y 高温潜熱蓄熱剤
21 負荷熱交換器
22 加熱機
23 高温蓄熱槽
24 低温蓄熱槽
X’ 高温潜熱蓄熱剤
Y’ 低温潜熱蓄熱剤

Claims (2)

  1. 潜熱蓄熱剤を装備した蓄熱槽と冷凍機との間で熱媒を循環させて前記冷凍機の発生冷熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、
    前記蓄熱槽と負荷熱交換器との間で熱媒を循環させて前記蓄熱槽における蓄熱冷熱を前記負荷熱交換器で消費する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の熱源システムであって、
    前記蓄熱槽として、相変化温度の低い低温潜熱蓄熱剤を装備した低温蓄熱槽と、その低温潜熱蓄熱剤よりも相変化温度の高い高温潜熱蓄熱剤を装備した高温蓄熱槽とを設け、
    前記蓄熱運転では、前記冷凍機との間で循環させる熱媒を前記低温蓄熱槽から前記高温蓄熱槽の順に通過させ、
    前記放熱運転では、前記負荷熱交換器との間で循環させる熱媒を前記高温蓄熱槽から前記低温蓄熱槽の順に通過させる構成にし、
    前記低温蓄熱槽と前記高温蓄熱槽とを、前記蓄熱運転において前記高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、前記低温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にするとともに、
    前記蓄熱運転において前記高温蓄熱槽への冷熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて前記冷凍機と前記蓄熱槽との間での熱媒循環及び前記冷凍機の運転を自動停止する構成にしてある潜熱蓄熱式の熱源システム。
  2. 潜熱蓄熱剤を装備した蓄熱槽と加熱機との間で熱媒を循環させて前記加熱機の発生温熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転と、
    前記蓄熱槽と負荷熱交換器との間で熱媒を循環させて前記蓄熱槽における蓄熱温熱を前記負荷熱交換器で消費する放熱運転とを行う潜熱蓄熱式の熱源システムであって、
    前記蓄熱槽として、相変化温度の高い高温潜熱蓄熱剤を装備した高温蓄熱槽と、その高温潜熱蓄熱剤よりも相変化温度の低い低温潜熱蓄熱剤を装備した低温蓄熱槽とを設け、
    前記蓄熱運転では、前記加熱機との間で循環させる熱媒を前記高温蓄熱槽から前記低温蓄熱槽の順に通過させ、
    前記放熱運転では、前記負荷熱交換器との間で循環させる熱媒を前記低温蓄熱槽から前記高温蓄熱槽の順に通過させる構成にし、
    前記高温蓄熱槽と前記低温蓄熱槽とを、前記蓄熱運転において前記低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了するよりも先に、前記高温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了する蓄熱特性関係にするとともに、
    前記蓄熱運転において前記低温蓄熱槽への温熱の潜熱蓄熱が完了したとき、その蓄熱完了の検出に基づいて前記加熱機と前記蓄熱槽との間での熱媒循環及び前記加熱機の運転を自動停止する構成にしてある潜熱蓄熱式の熱源システム。
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