JP4780395B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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本発明は、熱源機によって加熱された湯水や熱媒体を用いて給湯や暖房を行う貯湯式給湯装置に係り、特にヒートポンプ式熱源機を用いた構成に好適なものに関する。
近時、割安な夜間電力を利用して熱源機で加熱した湯水を貯湯タンクに貯留し、貯留された湯水を用いて給湯や風呂の落とし込み、暖房を行う貯湯式給湯装置が普及している。
この種の貯湯式給湯装置には、貯留された高温の湯水を用いて給湯や風呂の落とし込みを行う一方、熱源機で加熱した熱媒体を暖房端末へ循環させて加熱する構成の装置も実用化されている。
この種の貯湯式給湯装置は、湯水や熱媒体を加熱する熱源機として電気ヒータを用いるものや、電動機あるいはガスエンジンを駆動源として熱エネルギーを発生するヒートポンプ式のものを採用することが多く、中でもヒートポンプ式熱源機は電気ヒータ式のものに比べて極めて高いエネルギー効率を得ることが可能である。
ところで、この種の貯湯式給湯装置は、貯湯タンクへの高温の湯水の貯留に際して、貯湯タンク内の圧力を所定値内に維持する必要がある。このため、貯湯タンクに圧力弁を設けて、湯水の加熱に伴って生じる膨張水を貯湯タンク外へ排出する構成が採られている。
ところが、従来の貯湯式給湯装置では、貯湯タンクから排出される膨張水をドレンとしてそのまま装置外に垂れ流すものが多く、膨張水の有する熱エネルギーや膨張水そのものが無駄に捨て去られていた。
そこで、貯湯運転に際して生じる膨張水を有効に利用する技術が提案されている。
特許文献1,2には、貯湯運転に際して生じる膨張水やその熱エネルギーを利用してエネルギー効率やメンテナンス性の向上を図る技術が開示されている。
則ち、特許文献1に開示された給湯装置は、貯湯タンクから排出される膨張水を電動ヒートポンプ式熱源機の蒸発器に滴下することにより、膨張水の有する熱エネルギーを蒸発器で回収してヒートポンプサイクルのエネルギー効率の向上を図ったものである。
また、特許文献2に開示された給湯装置は、貯湯タンクから排出される膨張水そのものを暖房回路に設けた補水タンクに滴下することにより、暖房回路の補水メンテナンス性の向上を図ったものである。
特開2005−233444号公報 特開2006−10147号公報
ところが、前記特許文献1に開示された給湯装置は、膨張水の有する熱エネルギーは回収されるものの、膨張水そのものはドレンとして排出するものであり、水資源の有効利用の面で改善が望まれていた。
また、前記特許文献2に開示された給湯装置は、膨張水そのものを暖房回路の熱媒体として再利用はするものの、膨張水の有する熱エネルギーが有効に利用されるものではなく、また、湯水以外の熱媒体を暖房回路に用いる構成には適用できない不具合があった。
本発明は前記問題点を改善するために提案されるもので、従来捨て去られていた膨張水の有する熱エネルギーや膨張水そのものを暖房や風呂の落とし込みに利用することにより、エネルギー効率を向上させ水資源を有効に利用可能な貯湯式給湯装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明者らは以下に述べる技術的手段を講じた。
則ち、請求項1に記載の発明は、湯水を加熱する熱源機と貯湯タンクを備え、加熱された湯水を貯湯タンクへ貯留する貯湯運転を行いつつ貯留された湯水またはその熱エネルギーを熱負荷へ供給して熱負荷の運転を行う貯湯式給湯装置において、前記貯湯運転に際して貯湯タンクで生じる膨張水を外部へ排出する膨張水排出回路と、当該膨張水排出回路によって排出される膨張水を一時的に貯留する膨張水貯留タンクを備え、熱負荷の運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水またはその熱エネルギーの熱負荷への供給に対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された湯水またはその熱エネルギーの熱負荷への供給を優先させる貯湯式給湯装置である。
本発明によれば、熱負荷の運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留された湯水(膨張水)またはその湯水の有する熱エネルギーが優先して熱負荷へ供給されるので、従来捨て去られていた膨張水そのものや膨張水の有する熱エネルギーが効果的に利用される。これにより、水資源が有効に利用されると共にエネルギー効率を向上させることが可能となる。
本発明において、熱源機には種々の構成のものを採用できる。例えば、電気ヒータを用いて湯水を加熱する熱源機や、電動機あるいはガスエンジンを駆動源として発生させた熱エネルギーによって湯水を加熱するヒートポンプ式熱源機などを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、湯水を加熱する熱源機と貯湯タンクを備え、加熱された湯水を貯湯タンクへ貯留する貯湯運転を行いつつ貯留された湯水またはその熱エネルギーを熱負荷へ供給して熱負荷の運転を行う貯湯式給湯装置において、前記貯湯運転に際して貯湯タンクで生じる膨張水を外部へ排出する膨張水排出回路と、当該膨張水排出回路によって排出される膨張水を貯留可能な膨張水貯留タンクと、熱媒体を循環させて暖房端末に熱供給可能な暖房回路と、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の熱エネルギーを回収して前記暖房回路を介して暖房端末へ供給可能な暖房補助熱交換器とを備えていることを特徴とする貯湯式給湯装置である。
本発明によれば、貯留タンクへの湯水の貯留に際して貯留タンクで生じる膨張水を膨張水貯留タンクに貯留しておき、この膨張水を暖房端末に対する熱エネルギーの供給に有効利用することができる。従って、本発明によれば、貯湯式給湯装置のエネルギー効率を一層向上させることができる。
ここで、本発明についても、熱源機として、例えば電気ヒータを用いて湯水を加熱する熱源機や、電動機あるいはガスエンジンを駆動源として発生させた熱エネルギーによって湯水を加熱するヒートポンプ式熱源機など、種々の構成のものを採用できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の貯湯式給湯装置において、前記膨張水貯留タンクは、大気開放型である構成とされている。
貯湯式給湯装置に備える貯湯タンクは耐圧性が要求される。例えば、汎用の貯湯タンクでは、容量にもよるが2〜4kgf/cm2(19×104〜39×104Pa)程度の耐圧が要求される。このため、貯湯タンクは円筒形状に製されることが多く、当該円筒形の貯湯タンクを箱形の外装ケースで覆うと、外装ケースと貯湯タンクの間にデッドスペースが生じ易い。
本発明によれば、膨張水貯留タンクは耐圧性が要求されない大気開放型であり、適宜の形状に製することができる。従って、膨張水貯留タンクを前記したデッドスペースに合わせた形状とすることにより、外装ケースを増大させることなく膨張水貯留タンクをデッドスペースを利用して収納することができ、装置外形を据え置いた設計を行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置において、浴槽への落とし込みを行う落とし込み回路を備えると共に、前記膨張水貯留タンクに貯留された湯水を前記浴槽へ落とし込む膨張水落とし込み回路を備え、落とし込み運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水の浴槽への落とし込みに対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の浴槽への落とし込みを優先させる構成とされている。
本発明によれば、従来捨て去られていた膨張水そのものを浴槽への落とし込みに利用することができる。これにより、膨張水及びその膨張水の有する熱エネルギーの双方を効果的に利用することができ、水資源を有効に利用しつつエネルギー効率を向上させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置において、前記熱源機は熱媒体を加熱可能であり、加熱された熱媒体を循環させて暖房端末へ熱供給を行う暖房回路を備えると共に、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の熱エネルギーを回収して前記暖房回路を介して暖房端末へ供給する暖房補助熱交換器を備え、当該暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給と、前記熱源機による暖房端末への熱供給とを切り換える熱供給切換手段を備えた構成とされている。
本発明によれば、例えば、熱源機の起動時など、その熱エネルギーの供給能力が低い立ち上がり期間は、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給を行い、熱源機の立ち上がり期間が経過して熱エネルギーの供給能力が安定した後は、暖房補助熱交換器による熱供給を停止して熱源機による暖房端末への熱エネルギーの供給に切り換えるような制御を行うことが可能である。
これにより、熱エネルギーの供給能力の立ち上がりに時間を要する熱源機であっても、当該立ち上がり期間における暖房端末への熱エネルギーの供給を暖房補助熱交換器によって肩代わりすることができ、即暖性を有する暖房運転を行うことが可能となる。
本発明において、暖房補助熱交換器は、膨張水貯留タンクの内部に設ける構成や膨張水貯留タンクの外部に設ける構成を採ることが可能である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の貯湯式給湯装置において、前記膨張水貯留タンクは貯湯運転に際して生じる膨張水の想定最大量を超える所定量の湯水を貯留可能な容量を備えると共に、前記貯湯タンクに貯留された湯水を膨張水貯留タンクへ注湯する注湯回路を備え、暖房運転の開始に先立って、貯湯タンクに貯留された湯水を膨張水貯留タンクへ注湯して膨張水を含む膨張水貯留タンクの湯水の貯留量を前記所定量とし、暖房運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水の熱エネルギーを暖房補助熱交換器を介して暖房端末へ供給する構成とされている。
通常、貯湯運転に際して生じる膨張水は極めて少量である。例えば、300リットルの容量を有する貯湯タンクに貯留された摂氏25度の水を摂氏80度まで加熱する際に生じる膨張水は10リットルにも満たない。このため、このような少量の膨張水の有する僅かな熱エネルギーだけを再利用してもエネルギー効率の向上が少なく実用性に乏しい。しかし、実用性に乏しいからと言って膨張水をそのままドレンとして排出することは水資源や熱エネルギーの有効利用の面でそぐわない。
本発明によれば、膨張水貯留タンクに貯留された膨張水に貯湯タンクに貯留された湯水を足し湯して、膨張水貯留タンクに貯留される湯水を所定量まで増加させることができる。則ち、膨張水に高温水を足し湯することにより、膨張水貯留タンクに大きな熱エネルギーを蓄積させることができる。これにより、暖房運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留された膨張水や、この膨張水が持つ熱エネルギーを有効利用しつつ大きな熱エネルギーを暖房端末へ供給することができ、エネルギー効率や暖房端末の即暖性の向上を図ることが可能となる。
ここで、上記したように貯湯タンク内の湯水を膨張水貯留タンクに注湯する場合は、この分だけ高温の湯水や熱エネルギーが貯湯タンクから失われることとなる。そのため、場合によっては、貯湯運転を実施して膨張水貯留タンクへの注湯に伴って排出された高温の湯水や熱エネルギーを補充せねばならないことがある。この場合、膨張水貯留タンクへの注湯が終了した後に貯湯運転を行うこととすると、貯湯運転と暖房運転とが並行して実施されることとなる。このような事態が発生すると、貯湯運転を実施する分だけ暖房運転に割り当てられる熱源機の加熱能力が制限されてしまい、暖房端末への熱エネルギーの供給能力が低下しかねない。
そこで、かかる知見に基づき、本発明の貯湯式給湯装置は、膨張水貯留タンクに注湯する際に、これと並行して貯湯運転を行う制御を採ることが望ましい。この制御によれば、膨張水貯留タンクへの注湯が終了した後に貯湯運転を行う制御に比べて、貯湯運転と暖房運転とが並行して実施される可能性を低減することができ、暖房端末への熱エネルギーの供給能力が低下するのを防止できる。
また、本発明において、暖房を使用しない季節のように、暖房が使用されないと想定される場合は、貯湯タンクから膨張水貯留タンクへの注湯を行わず、膨張水のみを膨張水貯留タンクに貯留する制御を行うことも可能である。この制御によれば、落とし込み運転などに際して、膨張水貯留タンクに貯留された膨張水のみを浴槽へ落とし込むことができ、熱エネルギー及び水資源を有効に利用可能である。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の貯湯式給湯装置において、前記暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給は、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水が前記落とし込み回路を介して浴槽に落とし込む湯水の設定温度を超える範囲であり、且つ、熱負荷側から熱源機へ戻る前記暖房回路の循環復路を循環する熱媒体が予め定められた所定温度を下回る範囲において行われる構成とされている。
ここで、膨張水貯留タンクに貯留される湯水が風呂の落とし込みの設定温度以下に低下すると、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給量が低下する。また、暖房運転の開始時に暖房回路の循環復路を循環する熱媒体の温度が所定温度以上のときは、暖房運転が再開されるまでの運転停止期間が短い状態であり、熱源機は短時間に熱供給能力を回復するため暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給を要しない。
則ち、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給効率が低いとき、または、暖房端末への熱供給を要しないときは暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給を行わないことが望ましい。
本発明によれば、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給効率が高く、且つ、暖房端末への熱供給を要するときに限って暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給が行われる。
従って、本発明によれば、暖房補助熱交換器による暖房端末への不必要な熱供給が阻止され、膨張水貯留タンクに貯留された湯水の熱エネルギーを無駄に消費することがない。
これにより、暖房端末へ熱エネルギーを供給した後に膨張水貯留タンクに残留する湯水を浴槽への落とし込みなどにそのまま再利用することができ、熱エネルギー及び水資源を有効に利用可能となる。
尚、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給が不要であることの判別基準となる循環復路の熱媒体の所定温度は、実際に暖房運転実験を行うことによって定めることが可能である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の貯湯式給湯装置において、前記暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給が終了した後は、落とし込み運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水の浴槽への落とし込みに対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水の浴槽への落とし込みを優先させる構成とされている。
前記請求項7の発明に記載したように、暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給が終了した時点では、膨張水貯留タンクに貯留された湯水は浴槽の落とし込みの設定温度に略等しい温度を有する。
従って、本発明によれば、落とし込み運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留された湯水をそのまま浴槽へ落とし込んでも追い焚きする必要がない。これにより、暖房回路へ熱エネルギーを供給した後の残留する熱エネルギーを落とし込みに再利用して、エネルギー効率を向上させると共に水資源を有効に利用することが可能となる。
また、落とし込み運転に際して、貯湯タンクに貯留された湯水に優先させて膨張水貯留タンクに貯留された湯水を落とし込むので、貯湯タンクから落とし込まれる湯水の量が削減される。これにより、貯湯タンクへの再貯湯を短時間に完了することが可能となる。
本発明において、膨張水貯留タンクに貯留された湯水による暖房端末への熱供給が停止した後に長時間落とし込み運転が行われない場合は、膨張水貯留タンクに貯留された湯水の温度が落とし込みの設定温度に比べて著しく低下する場合が生じ得る。
しかし、落とし込み運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留した湯水を落とし込んだ後に追い焚きしたり、あるいは、膨張水貯留タンクに貯留した湯水を加熱しつつ落とし込むことにより、膨張水の有する熱エネルギーは失われるものの少なくとも水資源を無駄にすることは回避される。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置において、前記熱源機は、大気または二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプ式熱源機である構成とされている。
前記したように、ヒートポンプ式熱源機は電気ヒータ式の熱源機に比べて極めて高いエネルギー効率を呈する。
本発明によれば、ヒートポンプ式熱源機を採用することにより、エネルギー効率を著しく向上させた貯湯式給湯装置を提供可能である。また、大気や二酸化炭素を冷媒に用いるので大気汚染の問題を生じることもない。
ところで、ヒートポンプ式熱源機は、冷媒を圧縮するコンプレッサの駆動源として電動機やガスエンジンを用いるが、いずれのタイプにおいても起動時における加熱能力の立ち上がりに時間を要する嫌いがある。
しかし、前記請求項4〜7に記載した本発明を適用することにより、暖房補助熱交換器によって熱源機の起動時における熱供給を肩代わりすることができ、即暖性を向上させた暖房運転を行うことが可能となる。
請求項1および2に記載の発明によれば、水資源を有効に利用しエネルギー効率を向上させた貯湯式給湯装置を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、デッドスペースを有効に利用して膨張水貯留タンクを収納することができ、装置外形を据え置いた貯湯式給湯装置を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、水資源を有効に利用しエネルギー効率を向上させた落とし込み運転を行うことのできる貯湯式給湯装置を提供できる。
請求項5,6に記載の発明によれば、暖房運転における即暖性を向上させた貯湯式給湯装置を提供できる。
請求項7,8に記載の発明によれば、暖房運転における即暖性を向上しつつ落とし込み運転に際して膨張水を有効に再利用することができ、使い勝手が向上しエネルギー効率が向上すると共に水資源を有効に利用した貯湯式給湯装置を提供できる。
請求項9に記載の発明によれば、エネルギー効率を著しく向上させ、大気汚染の問題も生じることのない貯湯式給湯装置を提供できる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る貯湯式給湯装置1の流路系統図である。
本実施形態の給湯装置1は、湯水を加熱する熱源機2と貯湯タンク3を備え、熱源機2で加熱された湯水を貯湯タンク3へ貯留しつつ貯留された湯水またはその熱エネルギーを熱負荷(風呂端末5)へ供給すると共に、熱源機2で加熱された熱媒体(本実施形態では湯水)の熱エネルギーを熱負荷(暖房端末6)へ供給する基本機能を有する。
本実施形態の給湯装置1は、ヒートポンプ式熱源機2及び貯湯タンク3に加えて、熱源回路10、追い焚き回路20、落とし込み回路(給湯回路)30、暖房回路50及び暖房補助回路60、膨張水排出回路70、注湯回路73を備えて構成される。
ヒートポンプ式熱源機2は二酸化炭素を冷媒として生成した熱エネルギーを暖房熱交換器2a及び給湯熱交換器2bを介して供給する熱源である。則ち、熱源機2は、大気の熱エネルギーを冷媒に取り込む蒸発器(不図示)と、冷媒を圧縮する電動コンプレッサ(不図示)と、圧縮されて高温となった冷媒の熱エネルギーを回収する前記熱交換器2a,2bと、熱交換された冷媒を膨張させる膨張器(不図示)とを備えてヒートサイクルを形成した熱源である。
ヒートポンプ式熱源機2で生成された熱エネルギーは、前記熱交換器2a,2bを介して後述する暖房回路50及び貯湯タンク3へ供給される。
貯湯タンク3は、大容量のタンクであり、その壁面には貯留された湯水の温度を検知する4つの温度センサ14〜17が高さ方向に略均等に間隔をあけて設けられている。本実施形態では貯湯タンク3に略300リットルの内部容量を有する円筒形状のタンクを用いている。
熱源回路10は、貯湯タンク3と熱源機2との間に熱源往路11及び熱源復路12を接続して形成される循環回路である。則ち、熱源回路10は、貯湯タンク3の下端部と熱源機2の給湯熱交換器2bの二次側の一端との間に熱源往路11を接続し、更に、給湯熱交換器2bの二次側の他端と貯湯タンク3の上端部との間に熱源復路12を接続して形成される循環回路である。熱源往路11の途中には湯水を強制循環させる熱源循環ポンプ13が設けられている。
熱源回路10は、熱源機2で加熱した湯水を循環させて貯湯タンク3に貯留された湯水を所定温度(本実施形態では摂氏略80度)まで加熱する貯湯運転を行う機能を有する。
追い焚き回路20は、追い焚き熱交換器23と風呂端末(浴槽)5との間に追い焚き往路21及び追い焚き復路22を接続して形成される循環回路である。則ち、追い焚き回路20は、追い焚き熱交換器23の流出端と風呂端末5との間に追い焚き往路21を接続し、更に、風呂端末5と追い焚き熱交換器23の流入端との間に追い焚き復路22を接続して形成される循環回路である。
追い焚き熱交換器23は貯湯タンク3の内部に配され、貯湯タンク3に貯留された高温の湯水の熱エネルギーを回収する機能を有する。
追い焚き熱交換器23に近接した追い焚き往路21の途中には三方弁26が設けられ、当該三方弁26の分岐端と追い焚き復路22との間にバイパス流路25が設けられている。
三方弁26は、バイパス流路25を遮断して追い焚き往路21を連通させる状態と、追い焚き熱交換器23を遮断してバイパス流路25を追い焚き往路21へ連通させる状態とを切り換える流路切換機能を有する。
追い焚き復路22の上流側(風呂端末5側)には湯水を強制循環させる追い焚き循環ポンプ24と三方弁27が配設され、追い焚き往路21の途中には温度センサ28が設けられている。
三方弁27は、分岐側を遮断して追い焚き復路22を連通させる状態と、風呂端末5側を遮断して分岐側を追い焚き復路22へ連通させる状態とを切り換える流路切換機能を有する。
尚、本実施形態では追い焚き熱交換器23を貯湯タンク3の内部に配した構成としたが、貯湯タンク3の外部にプレート型熱交換器などを設けて熱エネルギーを回収する構成を採ることも可能である。
落とし込み回路(給湯回路)30は、第1給湯流路31、第2給湯流路32及び給水流路35〜37で形成される回路であり、風呂端末(浴槽)5へ湯水を落とし込む落とし込み運転を行う機能を有する。
第1給湯流路31は、貯湯タンク3の上端部に接続された流路であり、混合弁33を介して第2給湯流路32と接続されている。第2給湯流路32は、追焚往路21に接続された流路であり、この中途に給湯量制御弁34が設けられた構成とされている。
給水流路35は、給水源(不図示)から供給される水道水を流動させる流路であり、途中で給水流路36,37に分岐し、分岐した一方の給水流路36は貯湯タンク3の下端部に接続され、他方の給水流路37は混合弁33に接続される。
混合弁33は、第1給湯流路31を経て流入する高温水と給水流路37を経て流入する冷水との混合比率を調整制御する機能を有する。
また、第1給湯流路31の途中には温度センサ38が設けられ、給水流路35の途中には温度センサ39が設けられている。
暖房回路50は、熱源機2と暖房端末6との間に暖房往路51及び暖房復路52を接続して形成される循環回路である。則ち、暖房回路50は、熱源機2の暖房熱交換器2aの二次側の一端と暖房端末6との間に暖房往路51を接続し、更に、暖房端末6と暖房熱交換器2aの二次側の他端との間に暖房復路52を接続して形成される循環回路である。
暖房復路52の途中には、暖房タンク53と、湯水を強制循環させる暖房循環ポンプ54とが配されている。また、暖房復路52には温度センサ56が設けられると共に、暖房循環ポンプ54の下流側には三方弁55が配されている。
三方弁55は、分岐側を遮断して暖房復路52を連通させる状態と、熱源機2側を遮断して暖房復路52を分岐側へ連通させる状態とを切り換える流路切換機能を有し、当該三方弁は熱供給切換手段55を形成している。
暖房タンク53は、暖房回路50を流動する熱媒体(本実施形態では湯水)の体積変動を吸収する熱媒体貯留タンクである。
尚、本実施形態では、暖房端末6として床暖房ユニットやファンコンベクタを接続可能である。また、本実施形態では、暖房回路50の熱媒体として湯水を用いているが、例えば、エチレングリコールやプロピレングリコールなどの不凍液またはこれらの希釈液を熱媒体として用いることも可能である。
暖房補助回路60は、暖房補助熱交換器63の両端部に暖房補助復路61と暖房補助往路64を接続して形成される回路である。
暖房補助熱交換器63に接続された暖房補助復路61の他端は、暖房回路50に設けた三方弁(熱供給切換手段)55の分岐端に接続され、暖房補助往路64の他端は、暖房回路50の暖房往路51に接続されている。
暖房補助熱交換器63は膨張水貯留タンク62の内部に収納され、膨張水貯留タンク62に貯留された湯水の熱エネルギーを回収して暖房回路50へ供給する機能を有する。
暖房補助回路60は、前記三方弁(熱供給切換手段)55の切り換えに応じて熱源機2と排他的に暖房端末6へ熱供給を行う機能を有する。
膨張水貯留タンク62は断熱性を有する大気開放型のタンクであり、当該タンク62の開口部と貯湯タンク3との間には膨張水排出回路70と注湯回路73が並列に配設されている。
膨張水排出回路70は、貯湯タンク3の上端部から膨張水貯留タンク62の開口部へ延びる膨張水排出流路71の途中に圧力弁72を備えて構成される。
また、注湯回路73は、貯湯タンク3の上端部から膨張水貯留タンク62の開口部へ延びる注湯流路74の途中に注湯弁75を備えて構成される。
本実施形態では、膨張水貯留タンク62の貯留量を略100リットルとしている。
膨張水貯留タンク62は、貯留する湯水の水位を検知する水位センサ66を備え、その底部壁面には貯留された湯水の温度を検知する温度センサ65を備えている。
更に、膨張水貯留タンク62の下端部と追い焚き回路20に設けた三方弁27の分岐端との間に膨張水落とし込み流路68が接続され、当該膨張水落とし込み流路68と追い焚き復路22、追い焚き往路21及びバイパス流路25によって膨張水落とし込み回路67が形成されている。
本実施形態の貯湯式給湯装置1は前記した構成を備えた装置である。
次に、貯湯式給湯装置1の動作を図2〜図8を参照しつつ運転状態に応じて区分して説明する。尚、図2〜図8では、運転状態に係る部分を明確にするために、熱媒体や湯水が流動あるいは温度変動を生じる部分に斜線を付して強調表示している。
(貯湯運転時の動作)
貯湯運転は、図2の様に、ヒートポンプ式熱源機2で加熱した湯水を熱源回路10に循環させて貯湯タンク3の湯水を高温に加熱する動作である。尚、貯湯タンク3には、予め、冷水が満たされているものとして説明する。
貯湯運転が開始されると熱源機2が起動し、同時に熱源循環ポンプ13が駆動されて熱源回路10の湯水が循環する。これに伴い、給湯熱交換器2bで熱エネルギーを受けて加熱された湯水は熱源復路12を経て貯湯タンク3の上端部から流入し、貯湯タンク3の下端部から熱源往路11へ流出した低温の湯水は、給湯熱交換器2bへ戻る循環を行う。これにより、貯湯タンク3には層を成すように上部側から順に高温水が貯留される。
一方、貯湯運転時には、貯湯タンク3の湯水の加熱に伴う体積膨張によって内圧が上昇し、膨張水排出回路70に設けた圧力弁72の規定圧力を超えると、膨張した湯水が膨張水排出流路71を経て膨張水貯留タンク62に排出される。従って、貯湯運転時には貯湯タンク3から排出された膨張水62aが膨張水貯留タンク62に次第に貯留される。
貯湯タンク3に貯留される湯水の温度は温度センサ14〜17で検知され、最下層の湯水が所定温度(略80度)まで加熱されると貯湯運転を完了する。貯湯運転が完了すると、貯湯タンク3は略80度の高温の湯水で満たされた状態となり、膨張水貯留タンク62には貯湯タンク3から排出された少量(本実施形態によれば数リットル)の膨張水62aが貯留された状態となる。
貯湯運転が完了すると、続いて膨張水貯留タンク62への注湯が開始される。
(膨張水貯留タンクへの注湯動作)
膨張水貯留タンク62への注湯は、図3の様に、注湯回路73によって行われる。則ち注湯回路73の注湯弁75を開成することにより、給水流路35,36に印加される給水圧によって貯湯タンク3に貯留されている高温水を膨張水貯留タンク62へ注湯する。
膨張水貯留タンク62への注湯は、水位センサ66の検知信号を監視しつつ、貯留量が所定量(本実施形態では略100リットル)になるまで行われる。
ここで、膨張水貯留タンク62への注湯が行われると貯湯タンク3の下層側に冷水が流入することとなり、前記図2で述べた貯湯運転が注湯動作と並行して行われる。
そして、膨張水貯留タンク62に所定量の高温水が貯留されると注湯動作が完了する。
注湯動作が完了した後は、膨張水貯留タンク62に貯留された高温水(略80度の高温水)は保温状態で維持される。
(暖房運転開始初期の動作)
暖房運転を開始すると、図4の様に、熱源機2が起動されると共に、温度センサ65で検知される膨張水貯留タンク62に貯留された湯水の温度と温度センサ56で検知される暖房復路52の熱媒体の温度が参照される。参照の結果、膨張水貯留タンク62の湯水が落とし込み回路30の設定温度を超え、且つ、暖房復路52の熱媒体の温度が所定温度以下のときは、暖房補助回路60による暖房端末への熱供給を開始する。
暖房補助回路60による暖房端末への熱供給は、次の手順で行われる。
まず、三方弁(熱供給切換手段)55を暖房補助復路61側へ切り換えて熱源機2側を遮断し、暖房循環ポンプ54の駆動を開始する。
暖房循環ポンプ54が駆動されると、暖房復路52から暖房補助復路61を経て暖房補助熱交換器63へ流入する湯水は、暖房補助熱交換器63で回収された膨張水貯留タンク62の湯水の熱エネルギーを受けて加熱されて暖房補助往路64へ流出し、暖房往路51を経て暖房端末6へ至る経路で循環する。これにより、膨張水貯留タンク62に貯留された湯水の熱エネルギーが暖房端末6へ供給されて暖房端末6の加熱が行われる。
このように暖房運転の開始初期は、熱供給能力の立ち上がりに時間を要するヒートポンプ式熱源機2による熱供給を行わず、暖房補助回路60によって暖房端末6への熱供給が肩代わりされる。これにより、暖房端末6を短時間に目標の設定温度まで加熱することができ、即暖性が確保される。
尚、暖房運転を開始した時点で膨張水貯留タンク62の湯水が落とし込み回路の設定温度以下のとき、または、暖房復路52の熱媒体の温度が所定温度を超えるときは、暖房補助回路60による暖房端末6への熱供給は行われず、直ちに熱源機2による暖房端末6への熱供給が行われる。
(暖房運転中の動作)
暖房運転が開始されて暖房補助回路60による暖房端末6への熱供給中に、膨張水貯留タンク62の湯水が落とし込み回路30の設定温度まで低下すると、図5の様に、暖房補助回路60による熱供給から熱源機2による熱供給に切り換えられる。
則ち、膨張水貯留タンク62に設けた温度センサ65の検知温度が所定温度まで低下すると、三方弁(熱供給切換手段)55を暖房復路52側へ切り換えて暖房補助復路61側を遮断する。すると、暖房復路52を流動する湯水は熱源機2へ流入し、暖房熱交換器2aで回収された熱エネルギーを受けて加熱されて暖房往路51へ流出し暖房端末6へ至る経路で循環する。これにより、熱源機2の熱エネルギーが暖房端末6へ供給されてその後の暖房運転が継続される。
この切換が行われる時点では、熱源機2は既に起動時の立ち上がり期間を経て安定した熱供給が可能な状態に移行している。
このように、本実施形態の給湯装置1によれば、暖房運転の開始初期は、膨張水貯留タンク62に貯留された膨張水を含む湯水の熱エネルギーを暖房端末6に供給することによって、起動時において熱供給能力の低いヒートポンプ式熱源機2による熱供給を肩代わりすることができ、膨張水の有する熱エネルギーを効果的に利用しつつ即暖性を有する暖房運転を可能としている。
(落とし込み運転開始初期の動作)
落とし込み運転を開始すると、図6の様に、貯湯タンク3に貯留された湯水に先立って、膨張水落とし込み回路67による落とし込みが優先して行われる。
則ち、膨張水落とし込み回路67の三方弁(追い焚き回路20の三方弁)27を分岐側に連通させると共に三方弁(追い焚き回路20の三方弁)26を分岐側に連通させて追い焚き循環ポンプ24を駆動する。
これにより、膨張水貯留タンク62に貯留された膨張水を含む湯水は、膨張水落とし込み回路67によって風呂端末5へ落とし込まれる。則ち、膨張水貯留タンク62に貯留された膨張水を含む湯水は、膨張水落とし込み流路68から追い焚き復路22、バイパス流路25及び追い焚き往路21を経て風呂端末5へ落とし込まれる。
膨張水落とし込み回路67による落とし込みは、膨張水貯留タンク62に貯留された湯水が無くなるまで、則ち、水位センサ66による検知水位がゼロになるまで行われる。
膨張水落とし込み回路67による落とし込みが完了すると、貯湯タンク3に貯留された湯水の落とし込みに移行する。
(落とし込み運転中の動作)
膨張水落とし込み回路67による落とし込みが完了して、図7の様に、貯湯タンク3による落とし込みに移行すると、給湯回路30の給湯量制御弁34が所定の落とし込み流量(給湯流量)となるように開度制御が行われる。更に、温度センサ38,39,28の検知温度を参照しつつ混合弁33の制御が行われる。
これにより、給水流路35,36を介して貯湯タンク3の下端部に印加される給水圧によって貯湯タンク3の上端部から第1給湯流路31を経て供給される高温水と、給水流路35,37を経て供給される冷水が混合弁33で混合され、目標とする落とし込み設定温度の湯水となって第2給湯流路32に流入し、給湯量制御弁34で流量調整され落とし込み往路21を経て風呂端末5へ落とし込まれる。
一方、貯湯タンク3に貯留されている湯水を用いて落とし込みを行うと、貯湯タンク3の下層側に冷水が流入することとなり、前記図2で述べた貯湯運転が落とし込み運転と並行して行われる。
そして、風呂端末5へ所定量の湯水が落とし込まれたことを流量センサ(不図示)で検知して落とし込み運転を終了する。
このように本実施形態の給湯装置1は、落とし込み運転に際して、貯湯タンク3に貯留された湯水に先立って、膨張水貯留タンク62に貯留した湯水を優先して落とし込むので、引き続く貯湯タンク3による落とし込みに要する湯水の量を削減することができる。これにより、落とし込み運転に伴う貯湯運転を短時間に完了することが可能である。
また、膨張水貯留タンク62から落とし込まれる膨張水を含む湯水は、暖房回路50へ熱エネルギーを供給した後の落とし込み設定温度と略等しい温度の湯水であり、追い焚きの必要がない。これにより、膨張水の有する熱エネルギー及び膨張水そのものを効率良く再利用することができ、エネルギー効率の向上が図られ水資源を有効に利用することが可能である。
ところで、長時間落とし込み運転が行われない場合、前記図6の様に、膨張水貯留タンク62に貯留された湯水の温度が落とし込み回路の設定温度より低下する場合も生じる。
このような場合は、前記図6及び図7で述べた落とし込み運転を行った後に、次に述べる追い焚き運転が行われる。
(追い焚き運転の動作)
追い焚き運転が開始されると、図8の様に、追い焚き回路20の三方弁26を追い焚き往路21側に連通させると共に三方弁27を追い焚き復路22側に連通させ、追い焚き循環ポンプ24を駆動する。
追い焚き循環ポンプ24を駆動すると、風呂端末5から追い焚き復路22へ流動する湯水は追い焚き熱交換器23へ流入し、貯湯タンク3の高温水から回収された熱エネルギーを受けて加熱されて追い焚き往路21へ流出し風呂端末5へ至る経路で循環する。これにより、追い焚き熱交換器23で回収された熱エネルギーが風呂端末5へ供給されて追い焚き運転が行われる。
追い焚き運転は、追い焚き復路22に備えられた図示しない温度センサの検知温度、則ち、追い焚き復路22を流動する湯水が目標とする追い焚き設定温度となるまで行われる。
以上述べたように、本実施形態の貯湯式給湯装置1によれば、従来ドレンとして無駄に捨て去られていた膨張水の熱エネルギーを有効に活用することによって暖房運転開始時における熱源機2の熱供給不足を補償して即暖性を向上させると共に、更に、暖房端末6側への供給後に膨張水に残留する熱エネルギーや膨張水そのものをも風呂端末5に落とし込んで再利用する。これにより、水資源を有効に利用すると共にエネルギー効率を向上させることが可能となる。
また、前記したように、本実施形態の給湯装置1に採用する膨張水貯留タンク62は、大気開放型のタンクであるので適宜の形状に製することができる。これにより、従来の装置のデッドスペースを有効に利用して膨張水貯留タンク62を収納することができ、装置外形を据え置いた設計を容易に行うことが可能である。
上記実施形態では、貯湯運転の完了後、膨張水貯留タンク62に注湯し、この膨張水を含む湯水が暖房運転や落とし込み運転に使用されるまで保温する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、例えば貯湯運転の完了後、暖房運転が実施されるまで注湯動作を行わない構成とするなどしてもよい。
上記実施形態では、膨張水貯留タンク62への注湯に並行して貯湯運転を実施し、注湯に使用された湯水や熱エネルギーを貯湯タンク3に補完する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、膨張水貯留タンク62への注湯が完了してから貯湯運転を実施する構成としてもよい。かかる構成とした場合、注湯動作の後に実施されるであろう暖房運転と貯留運転とが並行して行われることとなり、本来であれば暖房運転に供すべきヒートポンプ式熱源機2の加熱能力が貯留運転に奪われる可能性があるものの、一連の動作をシンプルなものとすることができる。
また、膨張水貯留タンク62への注湯により湯水や熱エネルギーが使用されても、貯湯タンク3に暖房運転や落とし込み運転に使用するのに十分な湯水や熱エネルギーが残存していると想定される場合は、貯湯運転を実施せず、貯湯タンク3に対する湯水や熱エネルギーの補充を行わない構成としてもよい。かかる構成によれば、必要最小限の湯水や熱エネルギーにより暖房運転をはじめとする種々の運転を実施することができ、より一層省エネルギーに資することができる。
ここで、本発明は、前記図1で示した構成の貯湯式給湯装置1の構成に限られるものではない。例えば、暖房回路50を備えていない貯湯式給湯装置に適用することも可能である。
図9は、暖房回路50を備えていない貯湯式給湯装置7の流路系統図である。
本実施形態の給湯装置7は、前記図1で示した給湯装置1から暖房回路50を取り除いた構成を有する。従って、同一構成部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
熱源機2は、給湯熱交換器2bのみを備えて構成される。また、膨張水貯留タンク62の湯水の熱エネルギーを暖房回路へ供給する必要がないため、膨張水貯留タンク62の容量は、貯湯運転に際して貯湯タンク3から排出される膨張水の想定最大量だけを貯留可能な容量(本実施形態では略10リットル)としている。
本実施形態の給湯装置7では、図9の様に、貯湯運転に際して生じる膨張水を膨張水貯留タンク62に貯留し、落とし込み運転に際して、前記図6と同一の動作によって貯留された膨張水が優先して風呂端末5へ落とし込まれる。
これにより、貯留される膨張水62aの量は僅かではあるが、その膨張水62aの有する熱エネルギーや膨張水62aそのものを落とし込み再利用することができ、水資源を有効に利用しつつエネルギー効率を向上させることが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る貯湯式給湯装置1,7を説明したが、本発明は前記した構成に限定されるものではない。
例えば、前記した給湯装置1,7は、熱源機2として電動ヒートポンプ式熱源機2を備えた構成としたが、ガスエンジンを駆動源とするヒートポンプ式熱源機や電気ヒータを用いた熱源機を備えた構成を採ることも可能である。
また、二酸化炭素に代えて大気を冷媒として用いるヒートポンプ式熱源機を用いることも可能である。
また、前記した給湯装置1,7は、浴室や炊事場などに設置されるカラン(給水栓)を備えていない構成としたが、これらのカランに給湯する給湯回路を備えた構成を採用することも可能である。
本発明の実施形態に係る貯湯式給湯装置の流路系統図である。 図1の貯湯式給湯装置における貯湯運転時の動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における膨張水貯留タンクへの注湯動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における暖房運転開始初期の動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における暖房運転中の動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における落とし込み運転開始初期の動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における落とし込み運転中の動作を示す説明図である。 図1の貯湯式給湯装置における追い焚き運転の動作を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る貯湯式給湯装置の流路系統図及びその貯湯運転時の動作を示す説明図である。
符号の説明
1,7 貯湯式給湯装置
2 熱源機
3 貯湯タンク
5 熱負荷(風呂端末)
6 熱負荷(暖房端末)
20 熱負荷回路(追い焚き回路)
30 熱負荷回路(落とし込み回路、給湯回路)
50 熱負荷回路(暖房回路)
52 循環復路(暖房復路)
55 熱供給切換手段(三方弁)
62 膨張水貯留タンク
63 暖房補助熱交換器
67 膨張水落とし込み回路
70 膨張水排出回路
73 注湯回路

Claims (9)

  1. 湯水を加熱する熱源機と貯湯タンクを備え、加熱された湯水を貯湯タンクへ貯留する貯湯運転を行いつつ貯留された湯水またはその熱エネルギーを熱負荷へ供給して熱負荷の運転を行う貯湯式給湯装置において、
    前記貯湯運転に際して貯湯タンクで生じる膨張水を外部へ排出する膨張水排出回路と、当該膨張水排出回路によって排出される膨張水を一時的に貯留する膨張水貯留タンクを備え、
    熱負荷の運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水またはその熱エネルギーの熱負荷への供給に対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された湯水またはその熱エネルギーの熱負荷への供給を優先させることを特徴とする貯湯式給湯装置。
  2. 湯水を加熱する熱源機と貯湯タンクを備え、加熱された湯水を貯湯タンクへ貯留する貯湯運転を行いつつ貯留された湯水またはその熱エネルギーを熱負荷へ供給して熱負荷の運転を行う貯湯式給湯装置において、
    前記貯湯運転に際して貯湯タンクで生じる膨張水を外部へ排出する膨張水排出回路と、
    当該膨張水排出回路によって排出される膨張水を貯留可能な膨張水貯留タンクと、
    熱媒体を循環させて暖房端末に熱供給可能な暖房回路と、
    前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の熱エネルギーを回収して前記暖房回路を介して暖房端末へ供給可能な暖房補助熱交換器とを備えていることを特徴とする貯湯式給湯装置。
  3. 前記膨張水貯留タンクは、大気開放型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貯湯式給湯装置。
  4. 浴槽への落とし込みを行う落とし込み回路を備えると共に、前記膨張水貯留タンクに貯留された湯水を前記浴槽へ落とし込む膨張水落とし込み回路を備え、
    落とし込み運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水の浴槽への落とし込みに対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の浴槽への落とし込みを優先させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。
  5. 前記熱源機は熱媒体を加熱可能であり、
    加熱された熱媒体を循環させて暖房端末へ熱供給を行う暖房回路を備えると共に、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水の熱エネルギーを回収して前記暖房回路を介して暖房端末へ供給する暖房補助熱交換器を備え、
    当該暖房補助熱交換器による暖房端末への熱供給と、前記熱源機による暖房端末への熱供給とを切り換える熱供給切換手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。
  6. 前記膨張水貯留タンクは貯湯運転に際して生じる膨張水の想定最大量を超える所定量の湯水を貯留可能な容量を備えると共に、前記貯湯タンクに貯留された湯水を膨張水貯留タンクへ注湯する注湯回路を備え、
    暖房運転の開始に先立って、貯湯タンクに貯留された湯水を膨張水貯留タンクへ注湯して膨張水を含む膨張水貯留タンクの湯水の貯留量を前記所定量とし、
    暖房運転に際して、膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水の熱エネルギーを暖房補助熱交換器を介して暖房端末へ供給することを特徴とする請求項5に記載の貯湯式給湯装置。
  7. 前記暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給は、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水が前記落とし込み回路を介して浴槽に落とし込む湯水の設定温度を超える範囲であり、且つ、熱負荷側から熱源機へ戻る前記暖房回路の循環復路を循環する熱媒体が予め定められた所定温度を下回る範囲において行われることを特徴とする請求項5または6に記載の貯湯式給湯装置。
  8. 前記暖房補助熱交換器による暖房端末への熱エネルギーの供給が終了した後は、落とし込み運転に際して、前記貯湯タンクに貯留された湯水の浴槽への落とし込みに対して、前記膨張水貯留タンクに貯留された膨張水を含む湯水の浴槽への落とし込みを優先させることを特徴とする請求項7に記載の貯湯式給湯装置。
  9. 前記熱源機は、大気または二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプ式熱源機であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。
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