JP5092933B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯式給湯装置に関するもので、特に、膨張水の処理構成に関するものである。
従来、この種の貯湯式給湯装置として、図2に示すようなものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図2は、上記特許文献1に記載された従来の貯湯式給湯装置の一部の構成を示す図である。
図2において、従来の貯湯式給湯装置は、貯湯タンク1と、貯湯タンク1内に水を供給する給水配管2の途中に設けられた減圧弁3と、給湯配管4と、貯湯タンク1内の水を加熱する加熱手段7と、膨張水を逃す圧力逃し弁5と、圧力逃し弁5からの膨張水を排水する排水配管6と、加熱手段7を制御する制御手段8とを備えている。
加熱手段7により水を加熱して温水にする過程において、熱膨張により水の体積が増大する(以下、もとの水の体積より増えた分の水を膨張水と称する)。このように膨張することにより、貯湯タンク1に入りきれなくなった膨張水の処理が問題となるが、貯湯タンク1内の圧力が予め定められた圧力以上になると、貯湯タンク1の上層部に接続された圧力逃がし弁5が開放し、貯湯タンク1内の湯を膨張水として、排水配管6を通して貯湯タンク1外に放出するようになっている。
特開平7−217992号公報
しかしながら、上記従来の貯湯式給湯装置の構成では、膨張水を外部へ排出するということは、わざわざ加熱した水を捨てることになり、エネルギーの無駄である。
例えば、約460Lの貯湯タンク1に給湯された約5℃の水を、約90℃になるまで加熱手段7により加熱すると、約460Lの水は、約478Lの温水となり、貯湯タンク1に入りきらない約18Lの温水が、利用されずに排出される、という課題があった。
しかも圧力逃がし弁5は、本来上部に溜まった空気を排出する機能もあるため、最も高温の温水が貯湯される貯湯タンク1の上部から温水を排出する。そのため、無駄に排出される温水の熱量は極めて大きい、という課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、従来排出されていた高温の膨張水の熱量を利用して、エネルギー効率の高い給湯運転を行うことができる貯湯式給湯装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の貯湯式給湯装置は、貯湯タンクの低部、膨張水熱交換器、加熱手段、前記貯湯タンクの上部を環状に接続し、前記貯湯タンク低部の水を前記加熱手段で加熱し、前記貯湯タンクの上部から貯湯する貯湯式給湯装置において、前記貯湯タンクの圧力が予め定められた圧力以上になると、前記貯湯タンク内の膨張水を排出し、前記貯湯タンクの内圧を低減する圧力逃がし弁を前記貯湯タンクに連通するように接
続し、前記圧力逃がし弁から排出される前記膨張水と、前記貯湯タンクの低部から流出した水とを、前記膨張水熱交換器にて熱交換する構成としたことを特徴とするもので、従来排出されていた高温の膨張水の熱量を利用できるので、エネルギー効率の高い給湯運転を行うことができる。
本発明の貯湯式給湯装置は、貯湯タンクより発生する膨張水と貯湯タンク低部の低温水を熱交換させるための膨張水熱交換器を設け、外部への排熱をなくすことで、エネルギー効率の高い貯湯式給湯装置を提供することができる。
第1の発明は、貯湯タンクの低部、膨張水熱交換器、加熱手段、前記貯湯タンクの上部を環状に接続し、前記貯湯タンク低部の水を前記加熱手段で加熱し、前記貯湯タンクの上部から貯湯する貯湯式給湯装置において、前記貯湯タンクの圧力が予め定められた圧力以上になると、前記貯湯タンク内の膨張水を排出し、前記貯湯タンクの内圧を低減する圧力逃がし弁を前記貯湯タンクに連通するように接続し、前記圧力逃がし弁から排出される前記膨張水と、前記貯湯タンクの低部から流出した水とを、前記膨張水熱交換器にて熱交換する構成としたことを特徴とするもので、従来排出されていた高温の膨張水の熱量を利用できるので、エネルギー効率の高い給湯運転を行うことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の加熱手段として燃焼機を用いるもので、貯湯タンクの低温水を加熱することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の加熱手段として電気ヒータを用いるもので、小型な装置で貯湯タンクの低温水を加熱することができる。
第4の発明は、特に、第1の発明の加熱手段としてヒートポンプを用いるもので、高いエネルギー効率で貯湯タンクの低温水を加熱することができる。
第5の発明は、特に、第4の発明のヒートポンプの冷媒に二酸化炭素を使用するもので、より高いエネルギー効率で貯湯タンクの低温水を加熱することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における貯湯式給湯装置のシステム構成図である。
図1において、本実施の形態における貯湯式給湯装置は、圧縮機31と、給湯用熱交換器32と、絞り装置33と、蒸発器34を順に環状に接続し、冷媒として二酸化炭素を封入して冷媒循環回路50を形成し、蒸発器34は、外気を送風するためのファン35を備えている。
また、貯湯タンク41と、貯湯タンク41の底部に設けた取水口42と、循環ポンプ43と、膨張水熱交換器49と、給湯用熱交換器32と、三方弁44と、貯湯タンク41の頂部に設けた温水戻り口45を順次接続して構成した給湯回路46と、三方弁44と貯湯タンク41の底部を接続するバイパス回路47を構成しており、圧縮機31より吐出された高温高圧の過熱ガス冷媒は給湯用熱交換器32に流入し、ここで循環ポンプ43から送られてきた水を加熱するようになっている。
以上のように、本実施の形態では、冷媒循環回路50、すなわちヒートポンプを、貯湯タンク41内の水を加熱する加熱源としている。
48は、圧力逃がし弁で貯湯タンク41の上部に接続され、圧力逃がし弁48は、貯湯タンク41内の圧力が予め定められた圧力以上になると開放され、高温の膨張水が流れ出て、膨張水熱交換器49で貯湯タンク41の低部から流出した低温の水と熱交換する。膨張水熱交換器49は、低温の水が流れる銅配管の周りに高温の膨張水が流れる銅配管を巻き付け、伝熱面積を大きくするように構成されている。
また、給湯用熱交換器32に流入する入水温度を検知する入水温度センサー51と、給湯用熱交換器32から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサー52と、室外気温を検知する室外気温センサー53と、圧縮機31の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサー54と、蒸発器34の出口冷媒温度を検出する蒸発器出口温度センサー55を設け、圧縮機31の運転周波数や絞り装置33の開度、ファン35の回転数、循環ポンプ43の回転数などを制御する制御装置56を設置している。
以上のように構成された本実施の形態における貯湯式給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
貯湯式給湯装置の運転を開始すると、循環ポンプ43と、ファン35が運転され、入水温度センサー51により貯湯タンク41から給湯用熱交換器32に流入する入水温度が計測され、室外気温センサー53により室外気温が計測され、吐出温度センサー54により圧縮機31の吐出冷媒温度が計測され、入水温度、室外気温、吐出冷媒温度と出湯目標温度により、圧縮機31の運転周波数、絞り装置33の初期開度P1はあらかじめ設定されたテーブルから選択され、決定され、圧縮機31の運転が開始する。
圧縮機31より吐出された冷媒は、圧縮機31の運転開始時は、低温低圧の冷媒であるが、圧縮機31の回転数の増加に伴い、次第に高温高圧の過熱ガス冷媒となる。そして、高温高圧となった冷媒は、給湯用熱交換器32に流入し、ここで循環ポンプ43から送られてきた水と熱交換し水を加熱する。
そして、冷媒は、中温高圧となり、絞り装置33で減圧された後、蒸発器34に流入し、ここでファン35で送風された外気と熱交換して蒸発ガス化し、圧縮機31にもどる。
一方、循環ポンプ43によって送られてきた給湯水は、給湯用熱交換器32で加熱され、湯温度が給湯設定温度(例えば80℃)より第一の所定値(例えば10deg)ほど低い温度(70℃)より低い(例えば65℃)場合、三方弁44は、給湯用熱交換器32と貯湯タンク41底部を連通させるように制御し、温水は、貯湯タンク41の底部に戻される。さらに、湯温度が給湯設定温度(例えば80℃)より第一の所定値(例えば10deg)ほど低い温度(70℃)より高くなると、三方弁44は、給湯用熱交換器32と貯湯タンク41の頂部の温水戻り口45を連通させるように制御され、湯は、貯湯タンク41の上部に流入し、上から次第に貯湯されて行き、沸き上げ運転時間の経過とともに貯湯タンク41内に湯が貯まって行く。
このとき、熱膨張により、水の体積が増大し、貯湯タンク41に収容しきれない膨張水が、圧力逃がし弁48から流れ出る。圧力逃がし弁48が開放されると、貯湯タンク41の上部に溜まった空気とともに貯湯タンク41内の高温の膨張水は、膨張水熱交換器49に流入し、貯湯タンク41の底部から流出した低温水と効率よく熱交換して、放熱し排出される。また、貯湯タンク41の低部の低温水は、膨張水の熱量を吸熱し、給湯用熱交換器32に流入する。その結果、従来膨張水として排出されていた熱量を、貯湯タンク41
からの低温水で回収するため、高効率な給湯運転が可能となる。
なお、上記実施の形態では、加熱源としてヒートポンプを用いて説明したが、燃焼機や電気ヒータを加熱源としても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、冷媒循環回路50に封入される冷媒として、二酸化炭素を使用することにより、より高いエネルギー効率で貯湯タンク41の低温水を加熱することができる。
また、膨張水熱交換器49を、低温の水が流れる銅配管の周りに高温の膨張水が流れる銅配管を巻き付けて構成する、と説明したが、二重管や積層型の熱交換器を用いても同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明に係る貯湯式給湯装置は、貯湯タンクより発生する膨張水を貯湯タンク低部から流出する低温水と熱交換させすることで、従来膨張水として排出していた熱量を回収し、エネルギー効率の高い給湯運転を可能とするため、膨張水の発生を伴う機器全般に適用できる。
本発明の実施の形態1における貯湯式給湯装置のシステム構成図 従来の貯湯式給湯装置の一部の構成を示す図
符号の説明
31 圧縮機
32 給湯用熱交換器
33 絞り装置
34 蒸発器
35 ファン
41 貯湯タンク
42 取水口
43 循環ポンプ
44 三方弁
45 温水戻り口
46 給湯回路
47 バイパス回路
48 圧力逃がし弁
49 膨張水熱交換器
50 冷媒循環回路(ヒートポンプ)
51 入水温度センサー
52 出湯温度センサー
53 室外気温センサー
54 吐出温度センサー
55 蒸発器出口温度センサー
56 制御装置

Claims (5)

  1. 貯湯タンクの低部、膨張水熱交換器、加熱手段、前記貯湯タンクの上部を環状に接続し、前記貯湯タンク低部の水を前記加熱手段で加熱し、前記貯湯タンクの上部から貯湯する貯湯式給湯装置において、前記貯湯タンクの圧力が予め定められた圧力以上になると、前記貯湯タンク内の膨張水を排出し、前記貯湯タンクの内圧を低減する圧力逃がし弁を前記貯湯タンクに連通するように接続し、前記圧力逃がし弁から排出される前記膨張水と、前記貯湯タンクの低部から流出した水とを、前記膨張水熱交換器にて熱交換する構成としたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
  2. 加熱手段として燃焼機を用いることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  3. 加熱手段として電気ヒータを用いることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  4. 加熱手段としてヒートポンプを用いることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  5. ヒートポンプの冷媒に二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項4に記載の貯湯式給湯装置。
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