JP2023149331A - 穀粉を含まない調理済シート状スポンジ生地 - Google Patents

穀粉を含まない調理済シート状スポンジ生地 Download PDF

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Abstract

【課題】穀粉を全く使用しなくても、渦巻き状に成形する時にひび割れたり、成形後に潰れたりせず、小麦粉を使用した普通のロールケーキのようなふんわりとした食感である調理済シート状スポンジ生地及び該生地を用いたロールケーキを提供すること。【解決手段】穀粉を多くても加熱調理用生地全体中4重量%以下しか含まない加熱調理用生地であって、前記生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~12重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、ベーキングパウダー1.2~2重量部、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種1~25重量部を含有する、加熱調理用生地。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱調理用生地、該生地が加熱調理された調理済シート状スポンジ生地、及び調理済シート状スポンジ生地を使用したロールケーキ、並びにそれらの製造方法に関する。
ロールケーキは、シート状に焼いたスポンジ生地でクリームを巻き込み、渦巻き状に成形した菓子である。コンビニやスーパーでも売られており、人気が高い。
一方、昨今、肥満や糖尿病の治療を目的として、糖質の摂取を減らすために炭水化物の摂取比率や摂取量を制限する食事療法の一種である低炭水化物ダイエットが流行ってきており、このような食事は「炭水化物制限食」や「ローカーボ・ダイエット(ロカボ)」とも呼ばれる。ロールケーキに使用されるスポンジ生地には、小麦粉が多量に使用されており、糖質の含有量が多い。そのため、最近では、小麦粉の一部を大豆粉、小麦ふすま(ブラン)、食物繊維等で代替した、低糖質な菓子製品等が売られている。
これまで、糖質をできるだけ減らした菓子類の製造方法として、ショ糖等の糖類を糖アルコールと高甘味度甘味料で全置換し、更に小麦粉等の澱粉性原料を不溶性食物繊維やタンパク質原料で適宜置換することで糖質を低減した菓子類の製造方法が開示されている(特許文献1)。実施例1では、スポンジケーキの製造において、小麦粉を大豆たんぱくと不溶性食物繊維に置換している。しかし小麦粉を使用した場合と比較してスポンジ生地の多孔質構造の骨格形成及びその維持が不十分であり、特にロールケーキのように渦巻き状に成形する場合、生地がひび割れしやすく、成形後も潰れやすい。更に、不溶性食物繊維含有量が多いため、食感がごわごわして好ましくなく、大豆特有の風味が感じられ食味の面でも好ましくない。
特開2016-106584号公報
我々は、小麦粉を全く使用しない各種低糖質食品を検討してきた。そこで本発明の目的は、穀粉を全く使用しなくても、渦巻き状に成形する時にひび割れたり、成形後に潰れたりせず、小麦粉を使用した普通のロールケーキのようなふんわりとした食感である調理済シート状スポンジ生地及び該生地を用いたロールケーキを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、全卵;コーンスターチ;乳化剤を特定量含有する起泡性組成物;シクロデキストリン;酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物;ベーキングパウダー;並びに糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種を夫々特定量含有する加熱調理用生地が加熱調理された調理済シート状スポンジ生地は、穀粉を含まなくても小麦粉を使用したスポンジ生地のような多孔質構造の骨格を形成し、クリームを巻き込んで渦巻き状に成形しても生地がひび割れず、成形後に潰れないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、穀粉を多くても加熱調理用生地全体中4重量%以下しか含まない加熱調理用生地であって、前記生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~12重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、ベーキングパウダー1.2~2重量部、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種1~25重量部を含有する、加熱調理用生地に関する。本発明の第二は、前記加熱調理用生地が、シート状になるサイズの型の中で加熱調理された、調理済シート状スポンジ生地に関する。本発明の第三は、スポンジ生地を有するロールケーキであって、前記スポンジ生地が、前記調理済シート状スポンジ生地である、ロールケーキに関する。本発明の第四は、調理済シート状スポンジ生地の製造方法であって、穀粉の含有量が、前記調理済シート状スポンジ生地全体中4.8重量%以下であり、加熱調理用生地に含まれる全卵:100重量部に対して、コーンスターチ:4~12重量部、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種:1~25重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物:6~20重量部、シクロデキストリン:0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペーストの状組成物:25~40重量部、及びベーキングパウダー:1.2~2重量部を混合してから撹拌して加熱調理用生地を得、該加熱調理用生地をシート状になるサイズの型の中に流し込んでから、160~220℃で10~25分間加熱調理する、調理済シート状スポンジ生地の製造方法に関する。本発明の第五は、前記製造方法により得られる調理済シート状スポンジ生地にクリームを載置してから、当該生地を巻く、ロールケーキの製造方法に関する。
本発明に従えば、穀粉を全く使用しなくても、渦巻き状に成形する時にひび割れたり、成形後に潰れたりせず、小麦粉を使用した普通のロールケーキのようなふんわりとした食感である調理済シート状スポンジ生地及び該生地を用いたロールケーキを提供することができる。
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。本発明の加熱調理用生地は、穀粉をできるだけ含まず、そして好適には全く含まず、全卵;コーンスターチ;乳化剤を特定量含有する起泡性組成物;シクロデキストリン;酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物;ベーキングパウダー;並びに糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種を夫々特定量含むことを特徴とする。そして、該加熱調理用生地を加熱調理することで、調理済シート状スポンジ生地が得られ、該調理済シート状スポンジ生地にクリームを載置してから、当該生地を巻くことでロールケーキが得られる。
前記穀粉とは、穀物を挽いて粉状にしたものであり、一般的に菓子生地に用いられるものを指す。例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉等が挙げられる。なお、本発明における穀粉には、穀物から澱粉粒のみを取り出したものは含まない。
前記穀粉の含有量は、加熱調理用生地全体中4重量%以下が好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、2重量%以下であることが更に好ましい。低糖質の観点から、より少ないほうが好ましく、食品表示の観点からは、全く含有しない(0重量%である)方が低糖質であることを強調でき、また本発明の効果をより享受できるため好ましい。
なお、前記トウモロコシ粉は、トウモロコシを乾燥させ、種皮と胚芽を取り除いて粉にしたものであるが、風味や食感の観点から、トウモロコシ粉を含有させる場合は、前記加熱調理用生地全体中3重量%未満であることが好ましく、0重量%がより好ましい。
また、穀物から澱粉粒のみを取り出したものの内、トウモロコシ由来であるコーンスターチ以外の澱粉粒の含有量は、前記加熱調理用生地全体中2重量%未満であることが好ましく、0重量%がより好ましい。
前記全卵は、液状であり、鶏卵から卵殻を取り除いて得られた内容物、又は液卵黄と液卵白の混合液である。卵殻を取り除いた内容物そのままでも良いし、卵黄と卵白を一緒に溶きほぐして調整しても良いし、卵黄と卵白に分離して夫々溶きほぐしたものを混合し調整しても良い。その場合、液卵黄/液卵白(乾燥質量比)は1.2~3が好ましく、1.5~2.7がより好ましく、1.7~2.5が更に好ましい。また、上記全卵、液卵黄、液卵白は冷凍保存したものを解凍して使用しても良い。用いる卵としては、鶏、鶉、鴨、アヒル等、食用に供される鳥類の卵が挙げられる。中でも、入手のし易さから鶏卵を用いることが好ましい。
前記コーンスターチは、トウモロコシから取り出した澱粉である。前記コーンスターチは、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して4~12重量部含有することが好ましく、6~9重量部含有することがより好ましく、7~9重量部含有することが更に好ましい。4重量部より少ないと、調理済シート状スポンジ生地の多孔質構造の骨格に十分な強度を持たせることができないため、焼成後に生地が萎みやすくなったり、噛みだしのふんわり感が劣る場合がある。また12重量部よりも多いと、焼成後の生地において噛みだしのふんわり感が無く、硬くパサついた食感になる場合がある。なお、前記トウモロコシ粉は澱粉粒を含むが、コーンスターチとしての働きを充分にしないため、本発明においてトウモロコシ粉を使用しても、そこに含まれる澱粉粒は、コーンスターチとして勘定しない。
前記コーンスターチは、コストの観点から含有量が多い方が好ましいが、一部をアミロペクチン含有量が80%以下の澱粉に置き換えても良い。上記澱粉の種類としては、アミロペクチン含有量を満たせば特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、及び、それらの化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。
前記乳化剤を特定量含有する起泡性組成物は、少なくとも乳化剤、糖類、水を含有し、その他必要に応じて、食用油脂、エタノール製剤、着色料、増粘多糖類、塩類等を適宜含む起泡剤である。前記起泡性組成物は、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含有することが好ましく、10~25重量%がより好ましく、12~20重量%が更に好ましい。5重量%より少ないと、生地を十分に含気させることができない場合があり、30重量%より多いと、効果が頭打ちになったり、苦味や嫌味を感じるため、素材の風味が損なわれる場合がある。
前記乳化剤は、モノグリセリド、モノグリセリドに有機酸がエステル結合したグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
前記起泡性組成物の含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して6~20重量部であることが好ましい。より好ましくは10~17重量部、更に好ましくは12~14重量部である。6重量部より少ないと、生地が十分に起泡せず焼成後の生地に芯ができて噛みだしのふんわり感が劣ったり、成形時にひび割れが発生してしまう場合がある。また20重量部より多いと、加熱調理後の生地において噛みだしのふんわり感が無く、ねちゃついた食感になったり、乳化剤の風味により調理済シート状スポンジ生地の風味が劣る場合がある。
前記シクロデキストリンは、グルコースが環状に結合した環状オリゴ糖である。結合するグルコースの個数によって、α-シクロデキストリン(6個)、β-シクロデキストリン(7個)、γ-シクロデキストリン(8個)と称される。本発明で用いるシクロデキストリンは上記のいずれでもよく、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いればよい。
前記シクロデキストリンの含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して0.3~2.5重量部であることが好ましい。より好ましくは0.35~1.5重量部、更に好ましくは0.4~0.5重量部である。0.3重量部より少ないと、生地安定性が劣ったり、加熱調理後の生地においてひび割れが発生しやすく成形性が劣ったり、噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、2.5重量部より多いと、加熱調理後の生地においてひび割れが発生しやすく成形性が劣ったり、噛みだしのふんわり感が無く、硬い食感になる場合がある。
前記シクロデキストリンは生地安定性の効果を最大限発揮させるために乳化油脂組成物に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましく、特に水中油型乳化油脂組成物の水相に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましい。
前記水中油型乳化油脂組成物に使用する油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましい。具体例としては、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマワリ油等の液状油が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物において、酸でカゼインタンパク質を凝固させることとしては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊牛乳、成分調整牛乳及び加工乳等の乳や、生クリーム等の乳製品に、乳酸菌、レモン汁、クエン酸、酢酸等の酸を加えて、乳及び乳製品中のカゼインタンパク質を凝固させることが挙げられる。また、常温とは5~35℃をいい、ペースト状とは、力が加えられていない状態では流動性がなく、力が加えられると流動性を生じるような性状をいう。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物としては、例えば、クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、カッテージチーズ、フロマージュブラン、サワークリーム、ヨーグルト等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に、生地への混ざりやすさや保形性の観点からは、クリームチーズを使用することが好ましい。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物は、市販されているものを使用しても良いし、カゼインタンパク質を溶解した水と油脂とを混合し乳化させ、これに乳酸を加えてカゼインタンパク質を凝固させて作製したペーストを用いてもよい。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して25~40重量部であることが好ましい。より好ましくは27~37重量部、更に好ましくは30~34重量部である。25重量部より少ないと、小麦粉を使用したスポンジ生地のような多孔質構造の骨格の形成や維持が不十分になるため、加熱調理後の生地において成形後に潰れやすく保形性が劣ったり、噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、40重量部より多いと、ペースト状の組成物の風味により調理済シート状スポンジ生地の風味が劣る場合がある。
前記ベーキングパウダーは、膨張剤の一種であり、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムをガス発生剤として、それらに酸又は酸性物質を配合した混合剤をいう。前記酸又は酸性物質としては、例えば酒石酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、ミョウバン等が挙げられる。
前記ベーキングパウダーの含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して1.2~2重量部であることが好ましい。より好ましくは1.3~1.9重量部、更に好ましくは1.4~1.8重量部である。1.2重量部より少ないと生地が十分に起泡せず、加熱調理後の生地においてふんわりした食感が低下する場合があり、2重量部より多いと、加熱調理後の生地において気泡ができすぎて、パサツキ感が感じられたり、生地がひび割れしやすく成形性が劣る場合がある。
甘味を呈する材料として、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。そして、成形性・保形性・食感の観点では、糖の種類は問わないが、健康の観点からより低糖質にするには、糖アルコール及び高甘味甘味料が好ましい。生地中の分散性の良さや味の観点からは、糖類であるグラニュー糖が好ましい。
前記糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ等が挙げられる。
前記糖アルコールとしては、糖類のカルボニル基が還元されたアルコールをいう。例えば、還元水飴、エリスリトール、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース、グリセリン等が挙げられる。
前記高甘味甘味料とは、砂糖(スクロース)の甘味度を1とした相対甘味度が50以上の甘味料をいう。例えば、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、ラカンカ抽出物、スクラロース、ネオテーム、サッカリン、カンゾウ等が挙げられる。
前記甘味を呈する材料として、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料のからなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して1~25重量部であることが好ましい。より好ましくは2~10重量部、更に好ましくは2~8重量部である。1重量部より少ないと、加熱調理後の生地において成形後に生地が潰れやすく保形性が劣ったり、甘味が不十分と感じる場合があり、25重量部より多いと、加熱調理後の生地において甘味が強すぎてしまったり、糖類を使用する場合は調理済シート状スポンジ生地中の糖質量が多くなってしまうため、低糖質とは言い難くなる。
前記加熱調理用生地は、効果を阻害しない範囲において、必要に応じ、一般的に菓子生地に用いられる上記以外の成分を含有することができる。そのような成分として、例えば油脂、増粘多糖類、塩類、着色料、香料、風味を付与する素材等を挙げることができる。
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましく、水を含有させて乳化させた油中水型乳化油脂組成物、又は水中油型乳化油脂組成物として使用しても良い。
前記増粘多糖類としては、一般に食品に用いられている増粘多糖類であれば特に制限はなく、例えばキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、タマリンドガム、アラビアガム、タマリンド、カードラン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、ゼラチン、アルギン酸、グルコマンナン等が挙げられる。
前記塩類としては、一般に食品に用いられている塩類であれば特に制限はなく、例えば、食塩、塩化ナトリウム等が挙げられる。
前記着色料としては、食品添加物として使用が認められるものであれば使用できる。例えば、カロチン色素、カラメル色素、ベニコウ色素、コチニール色素、ベニバナ色素、クチナシ色素等の天然着色料や食用タール系色素等の合成着色料が挙げられる。
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料、チーズ香料等が挙げられる。
前記風味を付与する素材としては、一般に食品に風味を付与するために用いられている素材であれば特に制限はなく、例えば、ココア粉、粉末抹茶、粉チーズ、きな粉、コーヒー豆粉末、小豆粉末、全粉乳、脱脂粉乳、野菜や果実等の乾燥粉末、野菜や果実類のピューレや搾汁、茶の抽出液、果物や野菜のペースト、ナッツペースト等が挙げられる。
前記加熱調理用生地を、加熱調理により調理済のスポンジ生地がシート状になるサイズ又は形状の型の中に入れて加熱調理することにより、調理済シート状スポンジ生地が得られる。なお、シート状とは、厚みが薄くて幅が広い形状をいう。そして、当該調理済シート状スポンジ生地を巻くことによりロールケーキが得られる。調理済シート状スポンジ生地を巻くにあたり予め生クリーム等のクリームを載置することが好ましい。
本発明の調理済シート状スポンジ生地の製造方法の一実施形態を以下に例示する。まず、前記コーンスターチ、前記ベーキングパウダー、前記糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種を混合する。そこに、前記起泡性組成物、前記全卵、前記シクロデキストリン(シクロデキストリンはシクロデキストリンを含有する水中油型乳化油脂組成物として配合)を混合し、卓上ミキサーを用いて中速で撹拌し、比重0.31~0.33になるまで含気させる。ここで、前記シクロデキストリンを含有する水中油型乳化油脂組成物は、油脂と水とシクロデキストリンを混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させて作製すれば良い。なお、生地の比重(g/ml)は、生地を100mlの計量カップに入れて、質量(g)を測定し、容量(ml)で除して算出する。
そして更に前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物(クリームチーズ)を混合し、卓上ミキサーを用いて中速で撹拌し、最終比重0.34~0.36の加熱調理用生地を作製する。その際、各成分の含有量は、上述した通りになるよう調整すればよい。
次に、上記で作製した加熱調理用生地を、シート状になる所望サイズの天板に流し入れ、160~200℃のオーブンで10~25分間焼成することで、前記調理済シート状スポンジ生地を得ることができる。その際、焼成前の生地に含まれる水分の内、17重量%程度が蒸発するため、調理済シート状スポンジ生地全体中の穀粉の含有量は、4.8重量%以下となる。
更に、当該調理済シート状スポンジ生地に生クリーム等のクリームを載置し、当該クリームを載置したスポンジ生地を巻くことによりロールケーキを得ることができる。
前記調理済シート状スポンジ生地は、穀粉を全く使用しなくても、渦巻き状に成形する時にひび割れたり、成形後に潰れたりしないため、当該調理済シート状スポンジ生地及び該生地を用いたロールケーキの大量生産が可能となり、更に、小麦粉を使用した普通のロールケーキのようなふんわりとした食感を有するものである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例、比較例及び製造例で使用した原料は以下の通りである。
1)キユーピータマゴ(株)製「殺菌全卵」
2)日本製粉(株)製「バイオレット」
3)(株)カネカ製「クレビスGL(乳化剤含有量:16.4重量%)」
4)(株)アイコク製「ベーキングパウダーZアップ」
5)(株)カネカ製「マリーパート」
6)サラヤ(株)製「ラカントS」
7)日本コーンスターチ(株)製「コーンスターチ」
8)ベル ジャポン(株)製「kiri クリームチーズ」
9)(株)カネカ製「ACクリームCR」
<成形性の評価>
成形性の評価として、成形後の生地表面にひび割れが無いことを評価した。実施例及び比較例で得られたシート状スポンジ生地を、焼き上げ2時間後に、直径2cmの巻き芯に巻き付けて、生地表面を目視して以下の基準で評価した。なお、ひび割れは生地表面から厚み方向の深さと厚み方向と垂直の面方向の長さを夫々測定し、深さ2mm以内の亀裂を「ひび」、深さ2mm以上の亀裂を「割れ」とした。
5点:ひびも割れも見られない。
4点:割れはないが面方向に5mm未満の長さのひびが1つ以上発生している。
3点:割れはないが面方向に5mm以上の長さのひびが1つ以上発生している。
2点:面方向に3cm未満の長さの割れが1つ以上発生している。
1点:面方向に3cm以上の長さの割れが1つ以上発生している。
<保形性の評価>
保形性の評価として、成形して静置した際に潰れが無いことを評価した。実施例及び比較例で得られたシート状スポンジ生地を、焼き上げ2時間後に、ホイップドクリーム((株)カネカ製「ラシェンテG」)を生地表面に厚さ10mmになるように均一に塗布してから渦巻き状に成形し、5℃で24時間静置した際の静置前後のロールケーキの高さを測定し以下の基準で評価した。
5点:静置前後での厚さ変化が5%未満である。
4点:静置前後での厚さ変化が5%以上10%未満である。
3点:静置前後での厚さ変化が10%以上30%未満である。
2点:静置前後での厚さ変化が30%以上40%未満である。
1点:静置前後での厚さ変化が40%以上である。
<食感の評価>
実施例、比較例及び製造例3で得られたシート状スポンジ生地を、熟練した10人のパネラーに食してもらい、噛みだしのふんわり感の観点で官能評価をし、各人の評価値の平均値を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りであった。
5点:製造例3と同等のふんわり感がある。
4点:製造例3と比較して、ややふんわり感がある。
3点:製造例3と比較して、ふんわり感が少なく感じられるが品質的には問題ない。
2点:製造例3と比較して、ふんわり感が無く、パサついた食感又はねちゃついた食感である。
1点:製造例3と比較して、硬く、パサついている又はねちゃついている。
<総合評価>
シート状スポンジ生地の成形性、保形性、食感の各評価結果を基に、総合評価を行った。評価基準は以下の通りである。
A:成形性、保形性、食感の評価が全て4.5点以上5.0点以下を満たすもの。
B:成形性、保形性、食感の評価が全て4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0点以上4.5点未満が少なくとも一つあるもの。
C:成形性、保形性、食感の評価が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0点以上4.0点未満が少なくとも一つあるもの。
D:成形性、保形性、食感の評価が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0点以上3.0点未満が少なくとも一つあるもの。
E:成形性、保形性、食感の評価が2.0未満のものが少なくとも一つあるもの。
(製造例1)水中油型乳化油脂組成物1の作製
菜種油(カネカ社製):68重量部に、水:29.85重量部、シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製「デキシーパールβ-100」):2.15重量部を混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させ、水中油型乳化油脂組成物1を得た。
(製造例2)水中油型乳化油脂組成物2の作製
菜種油(カネカ社製):68重量部に、水:22重量部、シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製「デキシーパールβ-100」):10重量部を混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させ、水中油型乳化油脂組成物2を得た。
(製造例3)小麦粉を含有するシート状スポンジ生地の作製
表1の配合に従って、糖アルコールと高甘味甘味料の混合物:5重量部、起泡性組成物:8重量部、液状ショートニング:10重量部をボールに入れ、卓上ミキサーにワイヤーホイッパーを取り付けて285rpmで混合したあと、更に20℃に温調しておいた全卵:100重量部と水:13.3重量部を投入し、比重0.30になるまで含気させた。そこに予め篩っておいた薄力粉:33.4重量部、ベーキングパウダー:0.8重量部を投入し、再度ホイッパーで最終比重が0.35になるよう調整した。得られた生地330gを、ハトロン紙を敷いた27cm角の天板に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで15分間焼成してシート状スポンジ生地を作製した。得られた小麦粉を含有するシート状スポンジ生地の食感を評価し、実施例及び比較例の食感の評価の基準とした。
(実施例1)シート状スポンジ生地の作製
表2の配合に従って、シート状スポンジ生地を作製した。コーンスターチ:8重量部、ベーキングパウダー:1.6重量部、糖アルコールと高甘味甘味料の混合物:5重量部をボールに入れ粉体混合した。そこに、起泡性組成物:13重量部、全卵:100重量部、水中油型乳化油脂組成物1:20重量部をボールに入れて、卓上ミキサー(HOBART CANADA社製「ホバートミキサー MODEL N-50」)にワイヤーホイッパーを取り付けて285rpmで攪拌し、比重0.32になるまで含気させた。更にクリームチーズ:32重量部を混合し285rpmで撹拌して最終比重0.35の生地を作製した。作製した生地330gを、ハトロン紙を敷いた27cm角の天板に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで15分間焼成してシート状スポンジ生地を作製した。得られたシート状スポンジ生地について、成形性、保形性、食感の評価を行い、それらの評価結果を表2及び表3にまとめた。
(実施例2~14,比較例1~7)シート状スポンジ生地の作製
表2及び表3の配合に従って、コーンスターチの配合量、起泡性組成物の配合量、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の配合量と種類、水中油型乳化油脂組成物の配合量と種類、ベーキングパウダーの配合量、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量を変更した以外は実施例1と同様にしてシート状スポンジ生地を得た。得られたシート状スポンジ生地について、成形性、保形性、食感の評価を行い、それらの評価結果を表2及び表3にまとめた。
Figure 2023149331000001
Figure 2023149331000002
Figure 2023149331000003
表2より、実施例1~14で得たシート状スポンジ生地はいずれも、発明の要件を満足するものであり、成形性と保形性と食感の評価が良好であったことが分かる。
一方、表3より以下のことが分かる。比較例1で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が2重量部と少ないものであり、保形性と食感の評価が低かった。
比較例2で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が20重量部と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例3で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対する起泡性組成物の含有量が5重量部と少ないものであり、成形性と食感の評価が低かった。
比較例4で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対する起泡性組成物の含有量が22重量部と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例5で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対するシクロデキストリンの含有量が0.279重量部と少ないものであり、成形性と食感の評価が低かった。
比較例6で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対するシクロデキストリンの含有量が3重量部と多いものであり、成形性と食感の評価が低かった。
比較例7で得たシート状スポンジ生地は、全卵100重量部に対する酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の含有量が20重量部と少ないものであり、保形性と食感の評価が低かった。

Claims (5)

  1. 穀粉を多くても加熱調理用生地全体中4重量%以下しか含まない加熱調理用生地であって、
    前記生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~12重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、ベーキングパウダー1.2~2重量部、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種1~25重量部を含有する、加熱調理用生地。
  2. 請求項1に記載の加熱調理用生地が、シート状になるサイズの型の中で加熱調理された、調理済シート状スポンジ生地。
  3. スポンジ生地を有するロールケーキであって、
    前記スポンジ生地が、請求項2に記載の調理済シート状スポンジ生地である、ロールケーキ。
  4. 調理済シート状スポンジ生地の製造方法であって、
    穀粉の含有量が、前記調理済シート状スポンジ生地全体中4.8重量%以下であり、
    加熱調理用生地に含まれる全卵:100重量部に対して、コーンスターチ:4~12重量部、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種:1~25重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物:6~20重量部、シクロデキストリン:0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペーストの状組成物:25~40重量部、及びベーキングパウダー:1.2~2重量部を混合してから撹拌して加熱調理用生地を得、
    該加熱調理用生地をシート状になるサイズの型の中に流し込んでから、160~220℃で10~25分間加熱調理する、調理済シート状スポンジ生地の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により得られる調理済シート状スポンジ生地にクリームを載置してから、当該生地を巻く、ロールケーキの製造方法。
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