JP2023149330A - クラウドブレッド風食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】メレンゲを使用せず、大量生産が可能なクラウドブレッド風食品及びそれを作製するための生地を提供すること。【解決手段】クラウドブレッド風食品に用いる生地であって、増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、分離した卵白を含まず、該生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部を含有する、クラウドブレッド風食品に用いる生地。【選択図】なし

Description

本発明は、クラウドブレッド風食品に用いる生地、及び該生地が加熱調理されたクラウドブレッド風食品とその製造方法に関する。
クラウドブレッドは、雲のような形をしていて、新食感であり、グルテンフリーの小麦不使用パン風食品として、低糖質なこともあり、欧米では大人気の食品である。そして基本の材料は、メレンゲを必須とする卵、糖、クリームチーズ、ベーキングパウダーだけである。しかし、メレンゲを使用するため、生地安定性が乏しく、大規模な大量生産は困難で、焼き上がりに潰れ、芯が発生してしまい、焼成後に高さが出ない。
これまで、ふわふわした食感を有し、かつ小麦タンパク質を用いないパン様食品を工業的規模で製造できる方法として、次の方法が開示されている。クリーミングしたクリームチーズと発酵風味料を均一に混合して得た混合物(1)に卵黄を徐々に加えた混合物(2)を得、ベーキングパウダー、キサンタンガム及び/又はグアーガム(比較例8では、ローカストビーンガム)、乳タンパク質、日持ち向上剤を予備混合した物(3)と卵白と水とを混合して得た混合物(4)に、混合物(2)を加え、混ぜてパン様食品の生地を得、焼成してパン様食品を得たことが開示されている(特許文献1)。
前記焼成して得たパン様食品は、生地の安定性が悪いためデポジッターを通す際に破泡が見られ、焼成後に芯が発生し焼成後に高さが出でないといった問題がある。
特開2018-174860号公報
我々は、大量生産が可能なクラウドブレッド風食品の作製を検討し、メレンゲを使用しなくてもクラウドブレッドと同様な食感の食品を得るに至った。即ち、本発明の目的は、メレンゲを使用せず、大量生産が可能なクラウドブレッド風食品及びそれを作製するための生地を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、全卵、コーンスターチ、乳化剤を特定量含有する起泡性組成物、シクロデキストリン、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物を夫々特定量含有するクラウドブレッド風食品に用いる生地が加熱調理されたクラウドブレッド風食品は、クラウドブレッドと同様な食感、且つ、生地安定性が良好で大量生産が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、クラウドブレッド風食品に用いる生地であって、増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、分離した卵白を含まず、該生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部を含有する、クラウドブレッド風食品に用いる生地に関する。本発明の第二は、前記生地が加熱調理された、クラウドブレッド風食品に関する。本発明の第三は、増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、分離した卵白を含まず、全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部を混合・撹拌して生地を得、該生地を160~220℃で10~25分間加熱調理することを特徴とする、クラウドブレッド風食品の製造方法に関する。
本発明に従えば、メレンゲを使用せず、大量生産が可能なクラウドブレッド風食品及びそれを作製するための生地を提供することができる。
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。本発明のクラウドブレッド風食品に用いる生地は、増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、また分離した卵白は含まず、全卵、コーンスターチ、乳化剤を特定量含有する起泡性組成物、シクロデキストリン、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物を含むことを特徴とする。
本明細書において、クラウドブレッド風食品とは、クラウドブレッドに似た食品を意味する。上記のように、本来のクラウドブレッドは、小麦タンパク質を用いずにメレンゲを使用して製造されるものである。
前記増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、グアーガム、及びローカストビーンガム等が挙げられる。クラウドブレッドの食感、特に噛み出しのふんわり感の観点から、前記ラウドブレッド風食品中の増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量は、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地全体中0.03重量%以下であることが好ましい。
本発明のクラウドブレッド風食品に用いる生地には、生地安定性が悪くなるため、デポジッターを通す際に破泡したり、焼成後の生地に芯ができてしまう場合がある等の理由から、分離した卵白は含まないことが好ましい。ここで、分離した卵白とは、全卵から卵黄と分離した卵白を起泡させたものをいい、糖類を加えて起泡させる場合も含む。
前記全卵は、液状であり、鶏卵から卵殻を取り除いて得られた内容物、又は液卵黄と液卵白の混合液である。卵殻を取り除いた内容物そのままでも良いし、卵黄と卵白を一緒に溶きほぐして調整しても良いし、卵黄と卵白に分離して夫々溶きほぐしたものを混合し調整しても良い。その場合、液卵黄/液卵白(乾燥質量比)は1.2~3が好ましく、1.5~2.7がより好ましく、1.7~2.5が更に好ましい。また、上記全卵、液卵黄、液卵白は冷凍保存したものを解凍して使用しても良い。用いる卵としては、鶏、鶉、鴨、アヒル等、食用に供される鳥類の卵が挙げられる。中でも、入手のし易さから鶏卵を用いることが好ましい。
前記コーンスターチは、トウモロコシを原料として作られる澱粉である。前記コーンスターチは、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含まれる全卵100重量部に対して4~10重量部含有することが好ましく、6~9重量部含有することがより好ましく、7~9重量部含有することが更に好ましい。4重量部より少ないと、焼成後生地が萎みやすくなって(気泡が潰れやすくなって)芯ができやすくなったり、生地安定性が劣る場合がある。また10重量部よりも多いと、噛みだしのふんわり感が無く、硬くパサついた食感になる場合がある。
前記コーンスターチは、コストの観点から含有量が多い方が好ましいが、一部をアミロペクチン含有量が80%以下の澱粉に置き換えても良い。上記澱粉の種類としては、アミロペクチン含有量を満たせば特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、とうもろこし澱粉、及び、それらの化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。
前記乳化剤を特定量含有する起泡性組成物は、少なくとも乳化剤、糖類、水を含有し、その他必要に応じて、食用油脂、エタノール製剤、着色料、増粘多糖類、塩類等を適宜含む起泡剤である。前記起泡性組成物は、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含有することが好ましく、10~25重量%がより好ましく、12~20重量%が更に好ましい。5重量%より少ないと、生地を十分に含気させることができない場合があり、30重量%より多いと、効果が頭打ちになったり、苦味や嫌味を感じるため、素材の風味が損なわれる場合がある。
前記乳化剤は、モノグリセリド、モノグリセリドに有機酸がエステル結合したグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
前記起泡性組成物は、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含まれる全卵100重量部に対して6~20重量部含有することが好ましい。より好ましくは10~17重量部、更に好ましくは12~14重量部である。6重量部より少ないと生地が十分に起泡せず焼成後の生地に芯ができてしまう場合があり、20重量部より多いと噛みだしのふんわり感が無く、ねちゃついた食感になったり、乳化剤の風味によりクラウドブレッド風食品の風味が劣る場合がある。
前記シクロデキストリンは、グルコースが環状に結合した環状オリゴ糖である。結合するグルコースの個数によって、α-シクロデキストリン(6個)、β-シクロデキストリン(7個)、γ-シクロデキストリン(8個)と称される。本発明で用いるシクロデキストリンは上記のいずれでもよく、2種以上の混合物であってもよい。
前記シクロデキストリンは、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含まれる全卵100重量部に対して0.3~2.5重量部含有することが好ましい。より好ましくは0.4~1.5重量部、更に好ましくは0.4~0.46重量部である。0.3重量部より少ないと生地安定性や噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、2.5重量部より多いと噛みだしのふんわり感が無く、硬い食感になる場合がある。
前記シクロデキストリンは生地安定性の効果を最大限発揮させるために乳化油脂組成物に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましく、特に水中油型乳化油脂組成物の水相に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましい。
前記水中油型乳化油脂組成物に使用する油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましい。具体例としては、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマワリ油等の液状油が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物において、酸でカゼインタンパク質を凝固させることとしては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊牛乳、成分調整牛乳及び加工乳等の乳や、生クリーム等の乳製品に、乳酸菌、レモン汁、クエン酸、酢酸等の酸を加えて、乳及び乳製品中のカゼインタンパク質を凝固させることが挙げられる。また、常温とは5~35℃をいい、ペースト状とは、力が加えられていない状態では流動性がなく、力が加えられると流動性を生じるような性状をいう。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物としては、例えば、クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、カッテージチーズ、フロマージュブラン、サワークリーム、ヨーグルト等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に、生地への混ざりやすさや保形性の観点からは、クリームチーズを使用することが好ましい。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物は、市販されているものを使用しても良いし、カゼインタンパク質を溶解した水と油脂とを混合し乳化させ、これに乳酸を加えてカゼインタンパク質を凝固させて作製したペーストを用いてもよい。
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物は、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含まれる全卵100重量部に対して25~40重量部含有することが好ましい。より好ましくは27~37重量部、更に好ましくは30~34重量部である。含有量が25重量部より少ないと焼成後生地が萎みやすくなって(気泡が潰れやすくなって)芯ができやすくなる場合があり、40重量部より多いとペースト状の組成物の風味によりクラウドブレッド風食品の風味が劣る場合がある。
前記クラウドブレッド風食品に用いる生地は、効果を阻害しない範囲において、必要に応じ、一般的にパン生地や菓子生地に用いられる上記以外の成分を含有することができる。そのような成分として、例えば、ベーキングパウダー、糖類、油脂、キサンタンガム及びグアーガム以外の増粘多糖類、塩類、着色料、香料、風味を付与する素材等を挙げることができる。
前記ベーキングパウダーは、焼成時の生地の火抜けを良くする観点からは、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含有させることが好ましく、前記クラウドブレッド風食品に用いる生地に含まれる全卵100重量部に対して1.2~2.0重量部含有することが好ましい。
前記糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ等の少糖類、又は糖アルコール類等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。生地安定性や食感の観点では、糖の種類は問わないが、健康の観点からより低糖質にするには、糖アルコールを使用することが好ましい。生地中の分散性の良さや味の観点からはグラニュー糖が好ましい。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましく、水を含有させて乳化させた油中水型乳化油脂組成物、又は水中油型乳化油脂組成物として使用しても良い。
前記塩類としては、一般に食品に用いられている塩類であれば特に制限はなく、例えば、食塩、塩化ナトリウム等が挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記着色料としては、食品添加物として使用が認められるものであれば使用できる。例えば、カロチン色素、カラメル色素、ベニコウ色素、コチニール色素、ベニバナ色素、クチナシ色素等の天然着色料や食用タール系色素等の合成着色料が挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料、チーズ香料等が挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記風味を付与する素材としては、一般に食品に風味を付与するために用いられている素材であれば特に制限はなく、例えば、ココア粉、粉末抹茶、粉チーズ、きな粉、コーヒー豆粉末、小豆粉末、全粉乳、脱脂粉乳、野菜や果実等の乾燥粉末、野菜や果実類のピューレや搾汁、茶の抽出液、果物や野菜のペースト、ナッツペースト等が挙げられる。
本発明のクラウドブレッド風食品に用いる生地は、大量生産を可能にするために、全卵、コーンスターチ、起泡性組成物、シクロデキストリン、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペーストの組成物等の全ての原料を一緒に混合するオールインミックス法で作製することが好ましい。噛みだしのふんわり感をより強くするためには、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物は後で混合することが好ましい。
前記のクラウドブレッド風食品に用いる生地を加熱調理することにより、クラウドブレッド風食品が得られる。加熱調理の条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、160~220℃で10~25分間加熱することが挙げられる。また、加熱調理の方法としては、オーブン等による焼成が好ましい。
本発明のクラウドブレッド風食品の製造方法の一実施形態を以下に例示する。まず、コーンスターチ、シクロデキストリン、及び、必要に応じてベーキングパウダー、グラニュー糖を混合する。そこに、起泡性組成物、全卵を混合し、卓上ミキサーを用いて中速で撹拌し、比重0.29~0.31になるまで含気させる。ここで、前記シクロデキストリンは、水中油型乳化油脂組成物に含有させた状態であるのが好ましく、前記シクロデキストリンを含有する水中油型乳化油脂組成物は、油脂と水とシクロデキストリンを混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させて作製すれば良い。
そして、更に酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物(クリームチーズ)を混合し、卓上ミキサーを用いて中速で撹拌し、最終比重0.34~0.36の生地を作製する。その際、各成分の含有量が、全卵:100重量部に対して、コーンスターチ:4~10重量部、起泡性組成物:6~20重量部、シクロデキストリン:0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物:25~40重量部となるように調整する。なお、生地の比重(g/ml)は、生地を100mlの計量カップに入れて、質量(g)を測定し、容量(ml)で除して算出する。
次に、作製した生地を、型に20~80gずつ絞り、160~220℃のオーブンで10~25分間焼成することで、前記クラウドブレッド風食品を得ることができる。また、当該工程において、大量生産を可能にするために、生地の型への充填時に卓上デポジッターを使用することが好ましい。前記型の具体例としては、千代田金属工業(株)製「シリコン加工 ミニマンケ75型 天板 20連」、前記卓上デポジッターの具体例としては、光陽機械製作所社製「クリームプレッサーK-3型」が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)キユーピータマゴ(株)製「殺菌全卵」
2)キユーピータマゴ(株)製「凍結卵黄」
3)キユーピータマゴ(株)製「凍結卵白」
4)日本コーンスターチ(株)製「コーンスターチ」
5)(株)カネカ社製「クレビスGL(乳化剤含有量:16.4重量%、キサンタンガム含有量:0.1重量%)」
6)ベル ジャポン(株)製「kiri クリームチーズ」
7)(株)カネカ社製「ACクリームCR」(ローカストビーンガム含有量:0.4重量%)
8)(株)アイコク製「ベーキングパウダーZアップ」
9)三井製糖(株)製「グラニュー糖」
10)エー・ディー・エム・ジャパン(株)製「ノヴァザン200メッシュ」
11)DSP五協フード&ケミカル(株)製「グアパック」
<生地安定性の評価>
生地安定性として、含気させた生地の充填による破泡がないことを評価した。作製した生地の充填後の比重から充填前の比重を引いて算出した値を基に、以下の基準で評価した。
5点:充填前後での比重の差が0.02以下である。
4点:充填前後での比重の差が0.03以上0.04以下である。
3点:充填前後での比重の差が0.05以上0.06以下である。
2点:充填前後での比重の差が0.07以上0.09以下である。
1点:充填前後での比重の差が1以上である。
<焼成後の内相の評価>
実施例及び比較例で得られたクラウドブレッド風食品をスライサーで半分にカットし、切断面の内相を熟練した10人のパネラーが目視して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を評価値とした。
5点:参考例1と比較して、気泡の潰れがない。
4点:参考例1と比較して、気泡の潰れはないが、気泡が小さい。
3点:参考例1と比較して、やや気泡が潰れている。
2点:参考例1と比較して、気泡が潰れており、やや芯ができている。
1点:参考例1と比較して、気泡が潰れており、芯ができている。
<食感の評価>
実施例及び比較例で得られたクラウドブレッド風食品を、熟練した10人のパネラーに食してもらい、噛みだしのふんわり感の観点で官能評価をし、各人の評価値の平均値を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りであった。
5点:参考例1と同等のふんわり感がある。
4点:参考例1と比較して、ややふんわり感がある。
3点:参考例1と比較して、ふんわり感が少なく感じられるが品質的には問題ない。
2点:参考例1と比較して、ふんわり感が無く、パサついた食感又はねちゃついた食感である。
1点:参考例1と比較して、硬く、パサついている又はねちゃついている。
<総合評価>
クラウドブレッド風食品の生地安定性、焼成後の内相、食感の各評価結果を基に、総合評価を行った。評価基準は以下の通りである。
A:生地安定性、焼成後の内相、食感の評価が全て4.5点以上5.0点以下を満たすもの。
B:生地安定性、焼成後の内相、食感の評価が全て4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0点以上4.5点未満が少なくとも一つあるもの。
C:生地安定性、焼成後の内相、食感の評価が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0点以上4.0点未満が少なくとも一つあるもの。
D:生地安定性、焼成後の内相、食感の評価が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0点以上3.0点未満が少なくとも一つあるもの。
E:生地安定性、焼成後の内相、食感の評価が2.0点未満のものが少なくとも一つあるもの。
(製造例1)水中油型乳化油脂組成物1の作製
菜種油(カネカ社製):68重量部に、水:29.85重量部、シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製「デキシーパールβ-100」):2.15重量部を混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させ、水中油型乳化油脂組成物1を得た。
(製造例2)水中油型乳化油脂組成物2の作製
菜種油(カネカ社製):68重量部に、水:22重量部、シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製「デキシーパールβ-100」):10重量部を混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させ、水中油型乳化油脂組成物2を得た。
(実施例1)クラウドブレッド風食品の作製
表1の配合に従って、クラウドブレッド風食品を作製した。コーンスターチ:24重量部、ベーキングパウダー:4.8重量部、グラニュー糖:15重量部をボールに入れ粉体混合した。そこに、起泡性組成物:39重量部、全卵:300重量部、水中油型乳化油脂組成物1:60重量部を入れて、ホバートミキサーを用いて285rpmで攪拌し、比重0.30になるまで含気させた。更にクリームチーズ:96重量部を混合し285rpmで撹拌して最終比重0.35の生地を作製した。作製した生地を、卓上デポジッターを通してシリコン加工ミニマンケ天板20連(上径74mm×下径61mm×高さ24mm)に25gずつ絞り出し充填して、160℃のオーブンで18分焼成してクラウドブレッド風食品を作製した。充填前後の比重を夫々測定し、得られたクラウドブレッド風食品について、生地安定性と焼成後の内相と食感の評価を行い、それらの評価結果を表1及び表2にまとめた。
(実施例2~10,比較例1~8)クラウドブレッド風食品の作製
表1及び表2の配合に従って、コーンスターチの配合量、起泡性組成物の配合量、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の配合量と種類、若しくは水中油型乳化油脂組成物の配合量と種類を変更又はキサンタンガム及びグアーガムを別途添加した以外は実施例1と同様にしてクラウドブレッド風食品を得た。得られたクラウドブレッド風食品について、生地安定性と焼成後の内相と食感の評価を行い、それらの評価結果を表1及び表2にまとめた。ここで、比較例3は生地の作製時に十分に含気せず、比重の測定及びクラウドブレッド風食品の作製ができなかった。
(参考例1)クラウドブレッドの作製
表1の配合に従って、クラウドブレッドを作製した。予め液卵黄:120重量部、クリームチーズ:96重量部を混合しチーズペーストを作製した。別のボールに液卵白:180重量部、グラニュー糖:15重量部、コーンスターチ:24重量部、ベーキングパウダー:4.8重量部を入れ、ホバートミキサーを用いて285rpmで撹拌し比重0.20のメレンゲを作製した後、メレンゲとチーズペーストをゴムベラで優しく均一に混合し、最終比重0.35の生地を作製した。
作製した生地を、卓上デポジッターを使用せずに、シリコン加工ミニマンケ天板20連(上径74mm×下径61mm×高さ24mm)に25gずつ絞り出し充填して、160℃のオーブンで18分焼成した。得られたクラウドブレッドについて、生地安定性と焼成後の内相と食感の評価を行い、その評価結果を表1にまとめた。なお、参考例1はメレンゲ(分離した卵白)を使用した別立て法で生地を作製し、卓上デポジッターを使用した機械充填ではなく、ゴムベラを用いて手充填した一般的なクラウドブレッドの製法であり、クラウドブレッド風食品の焼成後の内相や食感の評価の基準とした。
(比較例9)クラウドブレッドの作製
表2の配合に従って、クラウドブレッドを作製した。生地の充填方法を卓上デポジッターによる機械充填にした以外は、参考例1と同様に作製した。得られたクラウドブレッド風食品について、生地安定性と焼成後の内相と食感の評価を行い、それらの評価結果を表2にまとめた。
Figure 2023149330000001
Figure 2023149330000002
表1より、実施例1~10で得たクラウドブレッド風食品はいずれも、発明の要件を満足するものであり、生地安定性と焼成後の内相と食感の評価が良好であったことが分かる。
一方、表2より以下のことが分かる。比較例1で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が2重量部と少ないものであり、生地安定性と焼成後の内相と食感、すべてが低い評価であった。
比較例2で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が20重量部と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例4で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対する起泡性組成物の量が22重量部と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例5で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対するシクロデキストリンの含有量が0.279重量部と少ないものであり、生地安定性の評価が低かった。
比較例6で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対するシクロデキストリンの含有量が3重量部と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例7で得たクラウドブレッド風食品は、全卵100重量部に対する酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の含有量が20重量部と少ないものであり、焼成後の内相と食感の評価が低かった。
比較例8で得たクラウドブレッド風食品は、キサンタンガム及びグアーガムの合計含有量が0.506重量%と多いものであり、食感の評価が低かった。
比較例9で得たクラウドブレッド風食品は、メレンゲ(分離した卵白)を使用した別立て法で生地を作製し、更に生地の充填方法を卓上デポジッターによる機械充填で作製したものであり、デポジッターを通す際に破泡し、生地安定性と焼成後の内相と食感、全てが低い評価であった。

Claims (3)

  1. クラウドブレッド風食品に用いる生地であって、増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、分離した卵白を含まず、
    該生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部を含有する、クラウドブレッド風食品に用いる生地。
  2. 請求項1に記載の生地が加熱調理された、クラウドブレッド風食品。
  3. 増粘多糖類(キサンタンガム及びグアーガム)の含有量が0.03重量%以下であり、分離した卵白を含まず、全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、シクロデキストリン0.3~2.5重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部を混合・撹拌して生地を得、該生地を160~220℃で10~25分間加熱調理することを特徴とする、クラウドブレッド風食品の製造方法。
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