JP2023144892A - 回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の製造方法及び成形体 - Google Patents

回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の製造方法及び成形体 Download PDF

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【課題】汎用のメカニカルリサイクルされたポリエチレンテレフタレートの成形体と比較して、環状三量体量が低減された回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体を提供すること。【解決手段】成分(A):回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と、成分(B):ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートの触媒失活物50~99質量%とを含み(ただし、前記成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とする。)、その射出成形品での環状三量体量が0.25質量%以上0.42質量%以下である成形体の製造方法及び成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、汎用のメカニカルリサイクルされたポリエチレンテレフタレート等の回収PETを含む成形体の製造法および成形体に関する。詳しくは、ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートをも含む、回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の製造方法および成形体に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載することがある。)は、透明性及び機械強度に優れている為、PETボトルや各種機能性フィルム、シートを熱成形した食品容器等に広く使用されている。また、近年では環境問題への関心が高まって来ており、飲料メーカーはメカニカルリサイクルを代表とする回収ポリエチレンテレフタレートを原料するPETボトルの使用比率を高めようとしている。
特許文献1には、結晶化速度が速く、結晶化の際に熱変形の問題を生じないイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタラート樹脂組成物が開示されている。具体的には、組成物全量に対し、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタラート樹脂75~99質量%と、メカニカルリサイクルポリエチレンテレフタラート樹脂1~25質量%と、を含む、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタラート樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、口部の耐熱性が良好なイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタラート樹脂ボトルを提供する事や、口部の寸法安定性を確保しながら口部結晶化を行うことのできる耐熱ボトルの製造方法を提供する事が開示されているが、飲料等を殺菌処理した後高温で充填する為に使用する熱充填用PETボトルを生産する際にブロー成形金型が汚れ難いほど環状三量体量が低減された回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体については、示唆も開示もされていない。
また、特許文献2には、リサイクル材の使用により環境負荷及びコストを低減しつつ、口首部が熱結晶化されたボトルを容易に製造可能とするプリフォームが開示されている。
具体的には、ポリエステル系樹脂のバージン材とリサイクル材とを用いて有底筒状に成形され、口首部が熱結晶化されたプリフォームであって、前記バージン材を含んで成る外層及び内層と前記外層と前記内層との間に設けられ、前記リサイクル材を含んで成る中間層とを備える多層構造を有することを特徴とするプリフォームが開示されている。
特開2019-210429号公報 特開2021-84629号公報
本発明者の検討によれば、従来の回収PETを用いた成形体では環状三量体やアセトアルデヒドの含有率が比較的高い事が分かってきた。この様な回収PETを用いて成形体を得る場合、金型汚れなどの防止他の観点では、環状三量体の含有率の改善が重要である。
本発明の課題は、回収PETを含み、環状三量体量が低減されたポリエチレンテレフタレートの成形体の製造方法及び成形体を提供する事を目的とする。
また、本発明の別の課題は、汎用のメカニカルリサイクルされたポリエチレンテレフタレートの成形体と比較して、アセトアルデヒド量が低減された回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成する為鋭意検討を重ねた結果、回収ポリエチレンテレフタレートとゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートを含む成形体が好適である事を見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下の要件によって特定される。
[1] 成分(A):回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と、成分(B):ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートの触媒失活物50~99質量%とを含み(ただし、前記成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とする。)、その射出成形品での環状三量体量が0.25質量%以上0.42質量%以下である成形体の製造方法。
[2] 成分(B)のゲルマニウム触媒を使用して製造された、イソフタル酸を含まないポリエチレンテレフタレート、及び/または、成分(A)と成分(B)を重合して得られるポリエチレンテレフタレートを製造する過程で、ゲルマニウム触媒を失活処理する工程を含む、[1]に記載の製造方法。
[3] 成分(B)に含まれるイソフタル酸由来の構造単位の割合が1.5モル%以下である(ただし、イソフタル酸とテレフタル酸由来の構成単位の合計を100モル%とする。)、[1]に記載の射出成形体の製造方法。
[4] 成分(A):回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と、成分(B):ゲルマニウム触媒を使用した重合で得られるポリエチレンテレフタレートの触媒失活物50~99質量%とを含み(ただし、前記成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とする。)、環状三量体の含有率が0.25質量%以上0.42質量%以下である成形体。
[5] アセトアルデヒド量が10ppm以上20ppm以下である[4]に記載の成形体。
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体は、環状三量体量が比較的少なく金型汚れの少ない成形体の製造方法を提供する事が出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、汎用のメカニカルリサイクルされたポリエチレンテレフタレート等の回収PETを含む成形体と比較して、環状3量体の含有率の低い成形体の製造方法及び成形体に関するものである。詳しくは、ゲルマニウム触媒を失活処理したポリエチレンテレフタレートと回収ポリエチレンテレフタレートを含むポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物からなる成形体に関するものである。
[ポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物]
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体に使用するポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物とは、成分(A)として回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と成分(B)としてゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレート50~99質量%とを、重合またはブレンドして得られるものである。
[回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体のIV(固有粘度)]
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体のIVは、0.60~0.90(dl/g)である事が好ましい。IVが0.60(dl/g)よりも低いと成形体が熱充填用PETボトルの場合に強度の不足する事が多く、0.90(dl/g)よりも高いと射出成形時の流動性が低い為に充填不良が発生する場合があり、好ましくない。尚、本発明において「同等のIV」とは、IVの数値の差が0.02(dl/g)以内である事を意味する。
[回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の環状三量体量]
本発明の環状三量体とは、CAS番号7441-32-9で示される、ethylene terephthalate cyclic trimerの事である。熱充填用PETボトルを成形する為のプリフォームに環状三量体が多く含まれると、ブロー成形金型に環状三量体が多く付着して熱充填用PETボトルの表面が粗くなり、ボトルの透明性を低下させる。そのため、熱充填用PETボトルを生産する時は、定期的にブロー成形金型を清掃しており、プリフォームに含まれる環状三量体量が少ないとブロー成形金型の清掃間隔が長くなるため、熱充填用PETボトルの生産性が向上する。
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体に含まれる環状三量体量について、一般的には0.25質量%~0.42質量%が好ましく、0.28質量%~0.40質量%である事がより好ましい。
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体に含まれる環状三量体量が0.25質量%より低い場合は、本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体に使用するポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物の生産性が著しく低下し、0.42質量%より高い場合は、熱充填用PETボトルの生産性が低下する場合があり、好ましくない。
尚、本発明の環状三量体量は、ポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物を、成形温度300℃、成形サイクル45秒、1分間当たりのスクリュウ回転数150rpmで成形した射出成形品を、後述する方法により分析して得られる。
[回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体のアセトアルデヒド量]
アセトアルデヒドは、PETボトル飲料の風味に影響を及ぼすことがある為、例えば、水用PETボトルに含まれるアセトアルデヒド量は低い事が好まれる。アセトアルデヒドは、ポリエチレンテレフタレートの熱分解により生成する事が知られているが、触媒失活されたポリエチレンテレフタレートは熱分解が抑制される為、アセトアルデヒド量の少ない成形体が得られ易い。
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体に含まれるアセトアルデヒド量は、10ppm~20ppmである事が好ましく、12ppm~17ppmである事がより好ましい。
尚、本発明のアセトアルデヒド量は、ポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物を、成形温度300℃、成形サイクル45秒、1分間当たりのスクリュウ回転数150rpmで成形した射出成形品を、段落番号後述する方法により分析して得られる。
本発明の回収PETを含むポリエチレンテレフタレートは、環状三量体や好ましくはアセトアルデヒド量が比較的少ないと言う好ましい性質を有する。この様な優れた効果を示す理由は、現時点では定かでないが、本発明者は以下のような推測をしている。
一般的にPETはアンチモン触媒で製造される比率が極めて高いと言われている。この為、回収PETには、アンチモン触媒が残存している可能性が極めて高い。また、本発明者らの検討、具体的には後述する比較例の結果によれば、回収PETは、アンチモン触媒の失活処理を行っていないアンチモン触媒で製造されたPETと、環状三量体含有量、アセトアルデヒド含有量の値の失活処理がほぼ同等の様であり、実験ロットによって触媒が生きている事に由来すると思われる若干のばらつきがある。このことから、回収PETには、触媒の失活処理が行われていない物が含まれている可能性が高いと考えられる。
本発明においては、触媒失活処理を行ったゲルマニウム製造されたPETを併用することによって前記のようなばらつきが少ないか、環状三量体含有量、アセトアルデヒド含有量が改善する様な傾向がある。これは、ゲルマニウム触媒の失活処理で用いた失活剤の残存物、あるいはゲルマニウム触媒と失活剤との化合物が、PET熱分解時のアンチモン触媒の悪い影響を抑制している可能性があるのではないかと考えている。この為、本発明のPETは、比較的環状三量体やアセトアルデヒドの含有率が低い傾向があるのであろう。
[成分(A)回収ポリエチレンテレフタレート]
本発明において使用する成分(A)回収ポリエチレンテレフタレートとは、一度プリフォームやボトル等に成形されたポリエチレンテレフタレートを原料として、粉砕や洗浄、再重合などの処理を施して得られたポリエチレンテレフタレートを含む。具体的には、家庭から廃棄され自治体が回収したPETボトルや家庭以外で廃棄され廃棄物関連事業者が回収したPETボトルを粉砕、洗浄して得られたフレークや、該フレークを更に重合したメカニカルリサイクルPET、該フレークを解重合した後に再重合して得られるケミカルリサイクルPETなどがある。
[成分(B)ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレート]
本発明において使用する成分(B)ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートとは、触媒にゲルマニウム化合物を使用して製造された公知のPETを制限なく利用できる。好ましくはイソフタル酸由来の構造単位の含有率が1.5モル%以下である。より好ましくは1モル%以下、さらに好ましくは0.5モル%以下、特に好ましくは0モル%である。尚、前記イソフタル酸由来の構造単位とテレフタル酸由来の構造単位との合計を100モル%とする。
また、成分(B)としては、ゲルマニウム触媒を失活処理したもの(触媒失活物)である。前記失活処理に用いられる失活剤としては、公知の酸化防止剤(好ましくはフェノール化合物や亜リン酸エステル類)などの公知の失活剤を制限なく使用可能である。また、後述する熱水処理も好適な方法である。
[成分(A)と成分(B)の割合]
本発明において使用する成分(A)回収ポリエチレンテレフタレートと、成分(B)ゲルマニウム触媒を使用して製造された、イソフタル酸を含まないポリエチレンテレフタレートの割合は、成分(A)が1~50質量%、成分(B)が50~99質量%である事が好ましく、成分(A)が5~25質量%、成分(B)が75~95質量%である事がより好ましい。成分(A)の割合が1質量より低いと、回収ポリエチレンテレフタレートの含有量が極めて少なく、成分(A)の割合が50質量%より高いと成形品の環状三量体量が高くなる為、熱充填用PETボトルの生産性が低下する為、好ましくない。
[成分(B)の製造方法]
本発明の成分(B)ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートの製造方法は、公知の方法で製造する事ができる。前記の通り、製造工程の一部にゲルマニウム触媒を失活させた物(触媒失活品)である。成分(B)のポリエチレンテレフタレート製造で使用するゲルマニウム触媒を失活処理する事で、成形時の環状三量体やアセトアルデヒドの生成を抑制する事ができる。また、本発明のポリエチレンテレフタレートにも後述するような効果を示す。
以下、成分(B)の製造方法について紹介する。
〔液相重合工程〕
前記成分(B)の製造方法(以下、前記製法と言うことがある)に含まれる液相重合工程は、通常、エステル化工程と重縮合工程からなる。
〔エステル化工程〕
前記製法のエステル化工程では、(B―1)テレフタル酸及び/又はそのエステル誘導体と、(B-2)エチレングリコールにてスラリーを調製し、エステル化反応槽に装入する。このようなスラリーには(B―1)テレフタル酸及び/又はそのエステル誘導体1モルに対して、通常1.005~1.2モル、好ましくは1.01~1.18モルの(B-2)エチレングリコールが含まれる。
前記製法のエステル化反応は、反応槽が1個でも2個以上の反応槽を直列に連結しても良く、エチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。
エステル化工程の反応条件について、例えば、2個の反応槽でエステル化反応する場合、第1段目反応槽の反応温度は、通常、240~270℃、好ましくは245~265℃であり、圧力は、通常、0.019~0.29MPaG(ゲージ圧)、好ましくは0.049~0.19MPaGである。また、第2段目反応槽の反応温度は、通常、250~280℃、好ましくは255~275℃であり、圧力は、通常、0~0.15MPaG、好ましくは0~0.13MPaGである。
前記製法では、ジエチレングリコールの副生を抑制する為、塩基性化合物、例えば、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩や炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属化合物を添加する事も出来る。
ジエチレングリコールの副生を抑制する塩基性化合物の添加量は、(B―1)テレフタル酸及び/又はそのエステル誘導体に対して、0.001モル%~1モル%の範囲である事が好ましい。
前記製法のエステル化工程において、エステル化反応率は特に制限されず、所定のエステル化反応率に到達するまでエステル化反応を継続する。通常、エステル化反応率は90%以上が好ましく、93%以上がより好ましい。
〔重縮合工程〕
前記エステル化反応が終了した反応液を反応槽に移液して重縮合反応を開始する。
前記製法の重縮合反応は、反応槽が1個でも2個以上の反応槽を直列に連結しても良い。エステル化反応が終了した反応液に、必要に応じて触媒や安定剤を加え、高温高真空化にする事でエチレングリコール等が反応系外に除去されて重合が進行する。
重縮合工程の反応条件について、例えば、2個の反応槽で重縮合反応する場合は、第1段目反応槽の反応温度は、通常、250~290℃、好ましくは260~280℃であり、圧力は、通常、2.67~66.7kPa、好ましくは4.00~26.7kPaである。また第2段目反応槽の反応温度は、通常、265~300℃、好ましくは270~295℃であり、圧力は、通常、0.013~1.33kPa、好ましくは0.067~0.667kPaである。
本発明の成分(B)のポリエチレンテレフタレートを製造する際には、ゲルマニウム触媒を使用する。本発明のゲルマニウム触媒とは、触媒に使用するゲルマニウム化合物を意味する。これらは単独でも2種類以上混合して使用しても良い。また、ゲルマニウム化合物は、粉末、水溶液、エチレングリコール溶液、エチレングリコールのスラリー等の何れの形態でも反応槽に添加する事ができる。
本発明で使用するゲルマニウム化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウムが挙げられる。これらは、上述の通り、粉末、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、結晶性二酸化ゲルマニウムをエチレングリコールに加熱溶解した溶液、又はエチレングリコ-ルのスラリーの何れの形態としても使用する事ができる。この中でも、二酸化ゲルマニウムをエチレングリコールに加熱溶解した溶液を使用する事が好ましい。
ゲルマニウム化合物の添加量は、重合するポリエチレンテレフタレート中のゲルマニウム残存量として10~100ppmである事が好ましい。
前記製法で使用する触媒の添加時期は、液相重合工程の何れでも良く、エステル化工程でも重縮合工程でも良い。また、触媒の添加方法は、全量を一括添加しても、複数回に分割添加しても良い。
前記製法の重縮合反応は、安定剤の共存下で行われることが好ましい。
本発明で使用する安定剤としては、具体的に、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジエチルホスホノ酢酸エチル等の酸性リン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が挙げられる。
安定剤としてリン化合物を使用する場合の添加量は、重合するポリエチレンテレフタレートに対して、該リン化合物中のリン原子換算で、0.005~0.2モル%、好ましくは0.01~0.1モル%である事が好ましい。
前記製法で使用する安定剤の添加時期は、液相重合工程の何れでも良く、エステル化工程でも重縮合工程でも良い。また、安定剤の添加方法は、全量を一括添加しても、複数回に分割添加しても良い。
前記製法の重縮合反応において、反応物の固有粘度(IV)は特に制限されないが、0.50~0.70dl/gである事が好ましい。IVが0.5dl/g未満であると、反応物の回収(チップ作製)が困難になる傾向があり、0.70dl/gより高い値になると、重縮合時間が長くなって反応物が着色する傾向があり好ましくない。
前記製法において、重縮合反応終了の反応物(液相重合品)の回収方法は特に制限されないが、例えば、重縮合反応槽の底からストランドの状態で抜き出し、水冷後、粒状(チップ状)に切断して回収する事ができる。
前記成分(B)の粒状液相重合品は、通常2.0~5.0mm、好ましくは2.2~4.0mmの平均粒径を有する事が好ましい。
〔固相重合工程〕
前記製法の液相重合工程で得られた粒状の液相重合品は、必要に応じて、固相重合する事により更にIVを高くする事が出来る。本発明において、通常、粒状の液相重合品を結晶化した後、固相重合する。
前記製法において、粒状の液相重合品を結晶化する方法は特に制限されない。例えば、粒状の液相重合品を塔型反応機に装入して、不活性ガス流通下に加熱して結晶化する事が出来る。
前記製法において、結晶化で使用する不活性ガスの種類は、液相重合工程で得られたポリエチレンテレフタレートと反応しない気体であれば、特に制限されない。具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの希ガスや窒素等が挙げられる。入手性や価格の観点から、窒素が好ましい。
前記製法における結晶化を実施する温度(結晶化温度)は、120~200℃である事が好ましく、130~180℃である事がより好ましい。また、結晶化を実施する時間(結晶化時間)は、1分~8時間である事が好ましく、1~4時間である事がより好ましい。
また、結晶化温度は、一定温度でも段階的に上昇させても良い。高温(例えば180℃)で結晶化させる場合、急激に温度を上昇させると粒状の液相重合品同士がくっついてしまう事があるので、段階的に温度を高くする事が好ましい。
前記製法において、結晶化された粒状の液相重合品を固相重合する方法は特に制限されない。例えば、結晶化された粒状の液相重合品を塔型反応機に装入して、不活性ガス流通下、加熱する事で固相重合する前よりもIVを上昇させる。
本発明における固相重合温度は、結晶化された粒状の液相重合品が固相重合する前よりもIVを高くなっていれば特に制限されないが、190~235℃である事が好ましく、195~232℃である事がより好ましい。また、固相重合圧力は1.33kPa~0.2MPaである事が好ましく、通常は大気圧で固相重合を実施する。
前記製法における固相重合時間は、ポリエチレンテレフタレートが所望の物性(所定のIV等)に到達していれば特に制限されない。通常は、5~24時間、好ましくは20時間以下で固相重合を実施する。
また、前記製法の固相重合で使用する不活性ガスの種類は、ポリエチレンテレフタレートと反応しない気体であれば、特に制限されない。具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの希ガスや窒素等が挙げられる。入手性や価格の観点から、窒素が好ましい。
更に、ポリエチレンテレフタレートのIVの上昇速度や副生物の環状三量体等を低減させる為に、エチレングリコールを含んだ不活性ガスを流通させて固相重合する事もできる。
上記の重合を安定剤の存在下に行った場合、経時的な触媒失活処理を兼ねている場合がある。また、前記重合後に酸化防止剤を加えて触媒失活することが出来る。触媒失活の方法としては熱水処理も有効であるので、詳しく説明する。
〔熱水処理工程〕
本発明の成分(B)のゲルマニウム触媒を使用して製造された、イソフタル酸を含まないポリエチレンテレフタレート及び/または、成分(A)と成分(B)を重合して得られたポリエチレンテレフタレートの製造方法において、熱水処理工程を追加実施しても良い。熱水処理工程は、特にゲルマニウム触媒を失活させる為、射出成形時に副生物の増加を抑制する効果が期待できる。この熱水処理工程は、例えば、固相重合後のポリエチレンテレフタレートを所定温度の熱水に浸漬させる態様がある。
本発明における熱水処理温度は、50~110℃である事が好ましく、70~110℃である事がより好ましく、80~100℃である事が更に好ましい。
また、熱水処理時間は、3分~5時間である事が好ましく、5分間~3時間である事がより好ましい。
本発明における熱水処理工程は、連続方式とバッチ方式の何れの方法でも良い。
本発明においてバッチ方式で熱水処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が用いられる。すなわちポリエチレンテレフタレートをサイロへ受け入れ、バッチ方式で、熱水を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処理装置にポリエチレンテレフタレートを受け入れ、回転させながら接触処理を行ない、接触を更に効率的にする事もできる。
本発明において、ポリエチレンテレフタレートを連続方式で熱水と接触処理する場合は、塔型の処理装置に連続でポリエチレンテレフタレートを上部より受け入れ、並流あるいは向流で水を連続供給し熱水と接触処理させる事ができる。
その後、熱水で処理した場合はポリエチレンテレフタレートを振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、次の乾燥工程へ移送する。水蒸気または水蒸気含有ガスで処理した場合はそのまま乾燥工程へ移送することができる。
本発明において、熱水処理したポリエチレンテレフタレートの乾燥処理は、特に制限されない。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエチレンテレフタレートを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給しポリエチレンテレフタレートを間接的に加熱乾燥する事ができる。
また、バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができる。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥してもよい。
本発明において、熱水処理後の乾燥処理に使用する乾燥ガスは大気空気でも差し支えないが、ポリエチレンテレフタレートの加水分解によるIV低下を防止する点からは乾燥窒素や除湿空気が好ましい。
[回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の製造方法]
本発明における回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体は、射出成形やブロー成形などによって製造する事が出来る。以下に好ましい態様の一例として、熱充填用PETボトルの製造方法を記載する。熱充填用PETボトルは、通常、乾燥したポリエチレンテレフタレートを射出成形してプリフォームを作製した後、開口端部を結晶化し、ブロー成形して得る事が出来る。
[乾燥]
本発明の成分(A)と成分(B)を重合またはブレンドして得られるポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形する場合、成形時のIV低下を抑制する為、射出成形する前に乾燥する事が好ましい。乾燥機は、ポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物中の水分量が十分に低下する事ができれば特に制限されないが、一般的には除湿エア乾燥機等が使用される。
本発明の乾燥温度は130℃~160℃である事が好ましい。130℃より低いと乾燥時間が長くなり、160℃より高いと成分(A)と成分(B)を重合またはブレンドして得られるポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物が着色する場合がある。
本発明の乾燥時間は、ポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物中の水分量が十分に低下する事ができれば特に制限されないが、3時間~10時間である事が好ましい。3時間より短いと乾燥が不十分となって射出成形時にIV低下が大きくなる可能性があり、10時間より長いと着色する場合がある。
乾燥終了後におけるポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物の水分量は、10ppm~100ppmである事が好ましく、20ppm~50ppmである事がより好ましい。水分量が100ppmより多いと射出成形時のIV低下が大きくなる場合があるので好ましくない。
本発明の成分(A)と成分(B)を重合またはブレンドして得られるポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を成形して成形体を製造する方法は、射出成型、ブロー成型など公知の方法を制限なく用いることが出来る。好ましくは、PETボトル製造に使用される射出成型、ブロー成型である。これらの成形方法を紹介する。
[射出成形]
射出成形する方法は特に制限されない。使用する射出成形機やプリフォームの形状、品質に応じて、射出速度や射出圧力、スクリュウ回転数や背圧などの成形条件を設定して成形する事ができる。以下では成形温度と成形サイクル、金型温度について記載する。
[成形温度]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形する際、射出成形機のシリンダー温度は、所望の成形品品質と生産性が満足されていれば特に制限されない。一般的には、270℃~300℃である事が好ましく、280℃~290℃である事がより好ましい。270℃より低いとポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物が十分に可塑化しない場合があり、300℃より高いと熱分解の進行によるプリフォームの品質低下(IV低下や色相悪化、アセトアルデヒド量や環状三量体量の増加)を起こす場合があり、好ましくない。
[成形サイクル]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形する際の成形サイクルは、所望の成形品品質と生産性が満足されていれば特に制限されないが、成形温度や金型温度、成形品の重量や形状、成形品の取り数(キャビティの数)等を考慮して適切に設定される。本発明における一般的な成形サイクルは、10秒~60秒である。成形サイクルが10秒より短い場合は、冷却時間が不足して離型後に射出成形品が変形する可能性がある。また、成形サイクルが60秒より長い場合は、熱分解の進行によるプリフォームの品質低下(IV低下や色相悪化、アセトアルデヒド量や環状三量体量の増加)を起こす場合があり、好ましくない。
[金型温度]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形する際の金型温度は、所望の成形品品質と生産性が満足されていれば特に制限されない。一般的には、10℃~30℃である事が好ましく、15℃~20℃である事がより好ましい。金型温度が10℃より低い場合は金型内で溶融樹脂の粘度が高くなるため充填不足になり易く、金型温度が30℃より高い場合は、成形品が冷却され難い為に成形サイクルが長くなる可能性があり、好ましくない。
[口部結晶化]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形して得られたプリフォームの開口端部に耐熱性を付与するため、開口端部を結晶化する。結晶化の方法は特に限定されないが、開口端部を赤外線ヒーターで180℃~200℃の温度で30秒~200秒加熱して結晶化させた後、開口端部の寸法調整する方法がある。
[ブロー成形]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形して得られたプリフォームを二軸延伸ブロー成形機にて熱充填用PETボトルを製造する方法は特に制限されず、公知の方法で製造する事ができる。一般的には、開口端部を結晶化したプリフォームの胴部を赤外線ヒーターにより90℃~130℃で加熱し、金型温度を120℃~180℃ に設定したブロー金型内に入れ、開口端部から縦方向延伸のための延伸ロッドを挿入し、それと同時もしくは逐次に0.5MPa~4.5MPaの圧縮空気を吹き込みボトル形状に成形する。
続いて、ボトル胴部全体をブロー成形金型に密着させて熱固定した後、PETボトルの変形を防止するため70℃以下まで冷却してから取り出す。以下に、プリフォーム再加熱温度とブロー成形金型温度について記載する。
[プリフォーム再加熱温度]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形して得られたプリフォームを赤外線ヒーターで再加熱する時の温度は、プロフォームの表面温度で90℃~130℃である事が好ましく、100℃~120℃である事がより好ましい。プリフォームの表面温度が90℃より低い場合はPETボトルが白化する事があり、130℃より高い場合はプリフォームが白化する事があり、好ましくない。
[ブロー成形金型温度]
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を射出成形して得られたプリフォームをブロー成形する際、ブロー成形金型温度は120℃~180℃が好ましく、130℃~170℃がより好ましく、140℃~160℃が更に好ましい。ブロー成形金型温度が120℃より低いと得られるPETボトルの耐熱性が不十分になる事があり、また180℃より高いと耐熱性は高くなる傾向にあるが、冷却時間が長くなる為ブロー成形サイクルも長くなる事があり、好ましくない。
ブロー成形金型を上記温度に設定する事で延伸配向したPETボトルが熱固定され、熱充填を可能にするPETボトルを作製することが出来る。
[回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の用途]
本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体の用途は、特に制限されないが、加熱殺菌した飲料や調味料等を熱い状態でPETボトルに充填する熱充填用PETボトルに使用する事が好ましい。本発明の回収ポリエチレンテレフタレートを含む成形体は、汎用のメカニカルリサイクルされたポリエチレンテレフタレートの成形体と比較して、環状三量体量が低減されており、ブロー成形金型が汚れ難い為にボトルの生産性を向上する事ができる。
以下に実施例をあげて本発明を詳述する。なお、本出願の明細書における実施例の記載は、本発明の内容の理解を支援するための説明であって、その記載は本発明の技術的範囲を狭く解釈する根拠となる性格のものではない。この実施例で用いた評価方法は、以下の通りである。
(1)成形品固有粘度(IV)
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて150℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmで成形してプリフォームを得た。プリフォームの重量は約32gである。
射出成形開始後11ショット目のプリフォームの一部をフェノール/1,1,2,2―テトラクロロエタン混合溶媒(50/50質量比)を用いて溶解した。0.5g/dlの試料溶液を調製し、25℃で測定した溶液粘度から固有粘度(IV)を算出した。
(2)成形品アセトアルデヒド量(AA)
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を、上記(1)に記載した方法に従って乾燥と射出成形を実施してプリフォームを得た。
射出成形開始後11ショット目のプリフォームから試料2.0gを秤量し、フリーザーミルを用いて冷凍粉砕する。粉砕試料は窒素置換したバイアル瓶に投入、さらに内部標準物質(アセトン)と水を入れて密栓する。バイアル瓶は120±2℃の乾燥機で1時間加熱した後、上澄み液をガスクロマトグラフィーに注入し測定した。
(3)成形品環状三量体量(CT)
本発明のポリエチレンテレフタレート及び/または、ポリエチレンテレフタレート組成物を、上記(1)に記載した方法に従って乾燥と射出成形を実施してプリフォームを得た。
射出成形開始後11ショット目のプリフォームを所定量メタパラクレゾールで加熱溶解、テトラヒドロフランで再析出して濾過して線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液相クロマトグラフィー(島津製作所製LC7A)に供給し測定した。
[実施例1]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク150gと、成分(B)としてゲルマニウム触媒を使用し、製造過程で触媒失活処理されたイソフタル酸を含まないポリエチレンフタレート2850gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて150℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.72(dl/g)
・成形品AA=14(ppm)
・成形品CT=0.32(質量%)
[実施例2]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク450gと、成分(B)としてゲルマニウム触媒を使用し、製造過程で触媒失活処理されたイソフタル酸を含まないポリエチレンフタレート2550gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて150℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.72(dl/g)
・成形品AA=16(ppm)
・成形品CT=0.34(質量%)
[実施例3]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク750gと、成分(B)としてゲルマニウム触媒を使用し、製造過程で触媒失活処理されたイソフタル酸を含まないポリエチレンフタレート2250gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて150℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.72(dl/g)
・成形品AA=16(ppm)
・成形品CT=0.36(質量%)
[比較例1]
メカニカルリサイクルPET3000gを大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて170℃で4時間乾燥した。乾燥したメカニカルリサイクルPETを、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.75(dl/g)
・成形品AA=22(ppm)
・成形品CT=0.55(質量%)
[比較例2]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク150gと、成分(C)としてアンチモン触媒を使用したイソフタル酸を1.8mol%含むポリエチレンフタレート2850gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.76(dl/g)
・成形品AA=25(ppm)
・成形品CT=0.53(質量%)
[比較例3]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク450gと、成分(C)としてアンチモン触媒を使用したイソフタル酸を1.8mol%含むポリエチレンフタレート2550gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.75(dl/g)
・成形品AA=24(ppm)
・成形品CT=0.52(質量%)
[比較例4]
成分(A)として、回収PETボトル由来のフレーク750gと、成分(C)としてアンチモン触媒を使用したイソフタル酸を1.8mol%含むポリエチレンフタレート2250gを金属容器に入れて混合した後、大阪冷研製除湿エア乾燥機PRD-10にて170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレート組成物を、日精樹脂工業製ES-600射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃、成形サイクル45秒、スクリュー回転数150rpmにて成形しプリフォームを得た。得られた成形体(プリフォーム)の物性値を以下に示す。
・成形品IV=0.75(dl/g)
・成形品AA=26(ppm)
・成形品CT=0.52(質量%)
Figure 2023144892000001

Claims (5)

  1. 成分(A):回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と、
    成分(B):ゲルマニウム触媒を使用して製造されたポリエチレンテレフタレートの触媒失活物50~99質量%と
    を含み(ただし、前記成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とする。)、その射出成形品での環状三量体量が0.25質量%以上0.42質量%以下である成形体の製造方法。
  2. 成分(B)のゲルマニウム触媒を使用して製造された、イソフタル酸を含まないポリエチレンテレフタレート、及び/または、成分(A)と成分(B)を重合して得られるポリエチレンテレフタレートを製造する過程で、ゲルマニウム触媒を失活処理する工程を含む、請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 成分(B)に含まれるイソフタル酸由来の構造単位の割合が1.5モル%以下である(ただし、イソフタル酸由来の構造単位とテレフタル酸由来の構造単位の合計を100モル%とする。)、請求項1に記載の成形体の製造方法。
  4. 成分(A):回収ポリエチレンテレフタレート1~50質量%と、
    成分(B):ゲルマニウム触媒を使用した重合で得られるポリエチレンテレフタレートの触媒失活物50~99質量%と
    を含み(ただし、前記成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とする。)、環状三量体の含有率が0.25質量%以上0.42質量%以下である成形体。
  5. アセトアルデヒド量が10ppm以上20ppm以下である、請求項4に記載の成形体。
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