JP2023144286A - 機械式駐車場 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来の駐車室の高さ方向の活用状態に鑑みなされたもので、駐車室の高さ方向を有効に活用できる機械式駐車場を提供することを目的の一つとする。【解決手段】ある態様の機械式駐車場100は、車両1および車両1の利用者が入退場可能な乗降室2と、複数の車両1を格納可能な駐車室3と、駐車室3において、車両1を支持して移動可能な自走式移動機構4と、乗降室2に進入した車両1を駐車室3へ移動させる搬送機構5と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、機械式駐車場に関する。
本出願人は、特許文献1において、車高によって車両を区別して搬送する機械式駐車場の技術を開示した。この駐車場では、駐車室は、高車高と低車高の両方の車両を格納可能な第1領域と、低車高の車両を格納可能な第2領域とを含む。この駐車場は、第1領域と第2領域と乗降室との間において搬送する搬送装置と、乗降室内の車両を判別する判別手段とを備えており、入庫させる車両を受け入れると、乗降室に入った車両の車高および第1、第2領域の空き具合に応じて搬送する領域を選択する。
本発明者は、機械式駐車場について以下の新たな認識を得た。従来の機械式駐車場では、車両を格納する駐車室に、パレット上に車両を搭載させた状態で取り扱うパレット式駐車室が採用されている。パレット式駐車室は、車両を格納する複数の車棚を有し、各車棚は、矩形状に区切られた複数の水平領域上に配置されており、車両搭載用の矩形状のパレットを水平に支持するとともにこのパレットを隣接する車棚へ移動させる搬送機構を有する。
パレット式搬送機構は、パレットを支持している複数の支持車棚と、パレットを支持していない1つ以上の空き車棚とを含んでいる。この駐車室では、車両搭載パレットおよび非搭載パレットを支持車棚から空き車棚へ順に移動させることにより、いわゆるパズル式によって車両を移動させる。このため、駐車室において、車両は、車棚とパレットの上に搭載されており、駐車室の床から車両上面までの高さが高くなり、駐車室の高さ方向が車棚とパレットの分無駄になっている。これらから、従来の機械式駐車場には、駐車室の高さ方向を有効活用するという観点から、改善すべき余地がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、駐車室の高さ方向を有効に活用できる機械式駐車場を提供することを目的の一つとしている。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の機械式駐車場は、車両および車両の利用者が入退場可能な乗降室と、複数の車両を格納可能な駐車室と、駐車室において、車両を支持して移動可能な自走式移動機構と、乗降室に進入した車両を駐車室へ移動させる搬送機構と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、駐車室の高さ方向を有効に活用できる機械式駐車場を提供することができる。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[実施形態]
図面を参照して実施形態に係る機械式駐車場100の構成を説明する。図1は、機械式駐車場100を示す正面図である。図2は、駐車室3を示す平面図である。以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。便宜的に、X軸方向は水平な前後方向に対応し、Y軸方向は水平な左右方向に対応し、Z軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。
図面を参照して実施形態に係る機械式駐車場100の構成を説明する。図1は、機械式駐車場100を示す正面図である。図2は、駐車室3を示す平面図である。以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。便宜的に、X軸方向は水平な前後方向に対応し、Y軸方向は水平な左右方向に対応し、Z軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。
まず、機械式駐車場100の全体構成を説明する。機械式駐車場100は、乗降室2と、駐車室3と、自走式移動機構4と、搬送機構5と、パレット式駐車室6と、パレット61と、パレット移動機構64と、制御部80とを備える。実施形態では、乗降室2は地上の建物28の内部に設けられ、駐車室3およびパレット式駐車室6は地下に設けられる。図2の例では、パレット式駐車室6は地下1階に設けられ、駐車室3は地下2階に設けられている。
駐車室3の床面32から天井37までの天井高さH5は、パレット式駐車室6の床面62から天井67までの天井高さH6と実質的に等しい。これらの天井高さH5、H6は、互いに異なっていてもよい。なお、本明細書では、任意箇所の垂直高さおよび、任意の2箇所間の垂直距離を単に「高さ」と表記する。
以下、機械式駐車場100に入庫する過程の車両を「入庫車」と、機械式駐車場100から出庫する過程の車両を「出庫車」ということがある。
乗降室2は、車両1および車両1の利用者が入退場可能に構成される。乗降室2は、四方を壁で囲まれ、建物28の外部に通じる出入口24を有する。出入口24は、車両1および車両1の利用者の入退場を許容するときに開き、入退場を規制するときに閉じる。入庫車は、出入口24を通って乗降室2に入り、出庫車は、出入口24を通って乗降室2の外に出る。
図2を参照して駐車室3を説明する。図2は、駐車室3の一例を示す平面図である。駐車室3は、複数の車両1を格納できる設備である。駐車室3は、1または複数階層に設けられてもよい。駐車室3の床面32には、車両1を移動させるための自走式移動機構4と、車両1を駐車させるための複数の駐車部33と、自走式移動機構4に支持された車両1が通過するための通路34とが設けられる。駐車室3では、駐車部33および通路34は、床面32を便宜的に区画して設けられており、特定の装置が設けられることは要件でない。駐車室3では、車両1は、床面32に格納される。このため、駐車室3の許容車高は、床面32から天井までの天井高さH5(図1も参照)から所定のマージンを差し引いた高さに設定できる。
駐車室3の床面32は、駐車室3を構成する躯体のコンクリート面であってもよいし、平面度を改善するためにコンクリート面に仕上層を積層し、その仕上層の表面であってもよい。仕上層としては、厚さ20mm程度の塗床仕上げを採用できる。床面32には、自走式移動機構4が水平位置を検知するためのマーカ、区画を示すライン等が設けられてもよい。
自走式移動機構4は、空荷または車両1を支持した状態で床面32を自走できる。自走式移動機構4は、人が運転操作を行わなくとも自動で走行するAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)であってもよい。自走式移動機構4は、車両1を支持した状態で搬送機構5に乗り入れできる。自走式移動機構4は、駐車部33と搬送機構5の間、および複数の駐車部33の間で車両1を移動させることができる。自走式移動機構4は、搬送機構5で移送された入庫車を支持して、搬送機構5から駐車部33に移動できる。自走式移動機構4は、駐車部33の出庫車を支持して搬送機構5に移動し、当該出庫車を搬送機構5に降ろして、搬送機構5から退出できる。
駐車室3では、複数の駐車部33のうち車両1が置かれていない空きスペース33-Bが設けられる。駐車室3では、出庫車1-Aを出庫するとき、経路上の車両1-Bを自走式移動機構4によって空きスペース33-Bに移動して経路を確保する(矢印P)。経路が確保された後に、出庫車1-Aを搬送機構5に移動させる(矢印Q)。
図3、図4、図5も参照して、自走式移動機構4を説明する。図3、図4は、自走式移動機構4の一例を示す平面図である。図5は、自走式移動機構4の正面図である。図3、図4では、車両1の外形輪郭を破線で示し、車両1の4つの車輪18を実線で示す。自走式移動機構4は、一体的なユニットであってもよいし、分離された複数のユニットを含んでもよい。本明細書では、複数のユニットからなる自走式移動機構4を数えるときは、「1セット」、「2セット」のようにセットを用いて数える。実施形態の自走式移動機構4は、別々に自走可能な2つのユニット40を含んでおり、2つのユニット40は、前後に離隔されている。2つのユニット40の一方は前輪を支持し、他方は後輪を支持し、前輪および後輪を床面32から浮上させることができる。2つのユニット40は、一体的に走行して車両1を移動させることができる。
ユニット40は、ベース45と、駆動装置42と、8本のアーム43を有する。ベース45の下面には図示しない複数の車輪が設けられる。ベース45は、平面視で矩形輪郭を有し、車両1と床面32との間に潜り込むことが可能な薄い上下長を有する。ユニット40の上下長を、格納が想定される車両の最低地上高(車体の1番低い部分と水平な床面との垂直距離)よりも短くすることができる。この場合、ユニット40は、車両1の下を移動できる。ユニット40は、車両1の下で待機できる。
駆動装置42は、ベース45の下側に設けられた車輪(不図示)を駆動して、ユニット40を走行させる。アーム43は、ベース45から車両1の左右方向に伸縮可能な円筒状の部材である。アーム43は、各車輪18に対して前後に離れて2本ずつ配置されている。
図3に示すように、ユニット40は、アーム43を縮めた状態で、矢印Eで示すように前後方向に移動して車両1の下に潜り込むことができる。図4に示すように、ユニット40は、矢印Fで示すようにアーム43を左右に伸ばすことができる。この状態で、2本のアーム43は、車輪18と床面32との間に潜り込む。図5に示すように、ユニット40は、矢印Gで示すように前後2本のアーム43を各車輪18の中心に向けて移動させることによって、各車輪18を持ち上げることができる。この状態で、ユニット40は、車両1を支持して走行することができる。
自走式移動機構4は、駐車室3における自身の位置、自身と車両1との相対位置関係を検知可能なセンサと、走行を制御する制御装置とを搭載しており、当該センサの検知結果に基づいて制御部80に指示された所定のルートを自律的に走行できる。
図1を参照する。搬送機構5は、駐車室3に車両1を搬入可能であり、駐車室3から車両1を搬出可能に構成される。つまり、搬送機構5は、乗降室2、駐車室3およびパレット式駐車室6の間で車両1を昇降させる移動機構である。実施形態の搬送機構5は、昇降装置51と、昇降パレット53と、昇降路54とを含む。昇降装置51は、車両1および昇降パレット53を昇降させる装置である。昇降パレット53は、車両1を載せて昇降する板状の構造体である。昇降路54は、車両1および昇降パレット53が上下に移動するための空間であり、柱、梁等によって構成できる。搬送機構5の地上階部分は乗降室2に設けられる。
図6を参照してパレット式駐車室6を説明する。図6は、パレット式駐車室6の一例を示す平面図である。パレット式駐車室6は、1または複数階層に設けられてもよい。パレット式駐車室6では、車両1を格納可能な複数の駐車部66を有する。複数の駐車部66は、前後左右に碁盤の目のように配置される。
パレット式駐車室6は、複数のパレット61と、ガイド機構63と、パレット移動機構64を含む。ガイド機構63は、パレット式駐車室6の床面62の上方において、パレット61を複数の駐車部66に対応する位置に支持する機構である。ガイド機構63は、水平な縦横方向に延びる鉄骨架構、製缶フレーム等で構成できる。パレット61は、車両1を搭載可能な板状の構造体であり、ガイド機構63の上面に沿って前後左右に移動できる。パレット移動機構64は、モータの駆動力に基づいてパレット61を移動させる駆動機構である。
パレット式駐車室6では、複数の駐車部66のうちパレット61が置かれていない空きスペース66-Bが設けられる。出庫車1-Aを出庫するとき、周囲のパレット61を空きスペース66-Bを利用してパズルのように前後左右に動かし、出庫車1-Aを載せたパレット61を搬送機構5に移動させる(矢印S)。
実施形態では、パレット式駐車室6の床面62は、パレット式駐車室6を構成する躯体のコンクリート面である。床面62は、コンクリート面に積層された積層材の表面であってもよい。パレット式駐車室6では、床面62の上方にガイド機構63およびパレット61からなる車両支持設備が配置される。このため、車両1は、床面62よりも車両支持設備の上下幅(例えば、500mm)だけ高い位置に格納される。この結果、パレット式駐車室6の許容車高は、床面62から天井までの天井高さH6から車両支持設備の上下幅および所定のマージンを差し引いた高さに制限される。
したがって、天井高さH5、H6が同じ条件では、駐車室3の許容車高は、パレット式駐車室6の許容車高よりも車両支持設備の上下幅(例えば、500mm)だけ高くできる。また、許容車高が同じ条件では、駐車室3の天井高さH5は、パレット式駐車室6の天井高さH6よりも車両支持設備の上下幅(例えば、500mm)だけ小さくでき、掘削深さを浅くして掘削コストを削減できる。
図1を参照する。制御部80は、駐車室3に設置され、駐車場管理者または利用者の操作に応じて、乗降室2、駐車室3、自走式移動機構4、搬送機構5およびパレット式駐車室6の動作を制御する。制御部80は、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現できる。制御部80は、建物28の壁に設置されてもよい。
図7を参照して、駐車室3とパレット式駐車室6を比較して説明する。図7は、駐車室3とパレット式駐車室6を示す正面図である。実施形態では、車両1を支持した状態で自走式移動機構4の全高H3は、パレット61上面のガイド機構63の下面からの高さH4よりも小さい。自走式移動機構4が車両1の下を容易に通過できるようにする観点から、全高H3は、好ましくは200mm以下、より好ましくは150mm以下、さらに好ましくは100mm以下に設定できる。また、自走式移動機構4の剛性を確保する観点から、全高H3は、80mm以上に設定できる。
また、実施形態では、自走式移動機構4に支持された状態の車両1の最下端(車輪18の下端)の床面32からの高さH1は、パレット61上の車両1の最下端の床面62からの高さH2よりも低い。移動中に車両1が床面32等に接触するのを抑制する観点、および自走式移動機構の走行時に搬送面の凹凸の影響を受けにくくする観点から、高さH1は、20mm以上で100mm以下の範囲に設定可能であり、好ましくは50mm程度に設定できる。
上記のように構成された機械式駐車場100の特徴を説明する。機械式駐車場100は、車両1および車両1の利用者が入退場可能な乗降室2と、複数の車両1を格納可能な駐車室3と、駐車室3において、車両1を支持して移動可能な自走式移動機構4と、乗降室2に進入した車両1を駐車室3へ移動させる搬送機構5と、を備える。
この構成によれば、パレット式駐車室よりも駐車室の高さ方向を有効に活用できる。既存の駐車場を改装する場合、格納可能な車高を上げることができる。駐車場を新設する場合、駐車室の深さを浅くして、掘削コストを削減できる。
機械式駐車場100は、車両1を搭載可能なパレット61と、ガイド機構63上で前記パレット61を移動させるためのパレット移動機構64と、を有し、複数の車両1を格納可能なパレット式駐車室6をさらに備える。この場合、既存の複数のパレット式駐車室の一部を、自走式移動機構4を用いる駐車室3に改装し、他の部分にパレット式駐車室を残せる。パレット式駐車室全部を改装する場合よりも改装コストを抑制しつつ、車高の高い車両の格納可能台数を増やせる。
機械式駐車場100では、車両1を支持した状態で自走式移動機構4の全高H3は、ガイド機構63の下面からパレット61上面までの高さH4よりも小さい。この場合、高さの差により格納可能な車高を上げることができる。
機械式駐車場100では、自走式移動機構4に支持された状態の車両1の最下端の駐車室3の床面32からの高さH1は、パレット61上の車両1の最下端のパレット式駐車室6の床面62からの高さH2よりも低い。この場合、高さの差により格納可能な車高を上げることができる。
機械式駐車場100では、駐車室3の床面32から天井37までの天井高さH5は、パレット式駐車室6の床面62から天井67までの天井高さH6と実質的に等しい。この場合、既存の駐車室の1階層を、自走式移動機構4を用いる駐車室3に改装して、車高の高い車両の格納可能台数を増やせる。
機械式駐車場100では、搬送機構5は、乗降室2、駐車室3およびパレット式駐車室6の間で車両1を昇降できる。この場合、搬送機構5を、駐車室3とパレット式駐車室6とで共用できるので、搬送機構5をそれぞれ専用に設ける場合よりも設置コストを抑制できる。
一例として、駐車室3とパレット式駐車室6は、同じ階層に設けることができる。この場合、既存の駐車室の1階層の一部を、自走式移動機構4を用いる駐車室3に改装して、他の部分にパレット式駐車室をせる。1階層全部を改装する場合よりも改装コストを抑制しつつ、車高の高い車両の格納可能台数を増やせる。
機械式駐車場100では、自走式移動機構4は、車両1を支持した状態で搬送機構5に乗り入れできる。この場合、車両1を駐車室3から搬送機構5に移載するための移載機構を別に備える場合よりも設置コストを抑制できる。
機械式駐車場100では、自走式移動機構4は、車両1を支持した状態で自律的に走行できる。この場合、上位システム(制御部80)で操縦する場合よりも、上位システムの情報処理量を減らすことができる。
機械式駐車場100では、自走式移動機構4は、別々に自走可能な複数のユニット40を含む。この場合、ユニット40を小型化できるので、車両1の下を容易に移動できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
実施形態の説明では、駐車室3に1セットの自走式移動機構4が配置される例を示したが、これに限定されない。駐車室3には、複数セットの自走式移動機構4を配置できる。図8は、変形例の駐車室3を示す平面図である。図8の駐車室3には、2セットの自走式移動機構4-A、4-Bと、2つの通路34-A、34-Bとが設けられる。この例では、一方の自走式移動機構4-Aが一の車両1-Aの移動をしている間に、他方の自走式移動機構4-Bが他の車両1-Bを移動することができる。なお、通路34の数は自走式移動機構4のセット数よりも少なくてもよいし、同じであってもよいし、多くてもよい。
実施形態の説明では、駐車室3およびパレット式駐車室6が別階層に設けられる例を示したが、これに限定されない。駐車室およびパレット式駐車室が同じ階層に設けられてもよい。
実施形態の説明では、自走式移動機構4が分離された2つのユニットを含む例を示したが、これに限定されない。自走式移動機構4は、車両を搬送できる限り、様々な形態の機構で構成できる。例えば、自走式移動機構4として、一体型で車両1を搬送する機構、車両1を牽引する機構、各ユニットが車両1を右側と左側とから保持する左右2分割された機構、各ユニットが車両1を前側と後側とから保持する前後に2分割された機構、各ユニットが車輪18を1輪ずつ保持する4分割された機構等を採用できる。
実施形態の説明では、乗降室2および搬送機構5の数が1である例を示したが、これに限定されない。例えば、乗降室および搬送機構の数は2以上であってもよい。
実施形態の説明では、駐車室およびパレット式駐車室の階層数が2である例を示したが、これに限定されない。例えば、駐車室の階層数は、1または3以上であってもよい。
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用と効果を奏する。
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
1 車両、 2 乗降室、 3 駐車室、 4 自走式移動機構、 5 搬送機構、 6 パレット式駐車室、 32 床面、 40 ユニット、 61 パレット、 62 床面、 63 ガイド機構、 64 パレット移動機構、 100 機械式駐車場。
Claims (10)
- 車両および前記車両の利用者が入退場可能な乗降室と、複数の車両を格納可能な駐車室と、前記駐車室において、車両を支持して移動可能な自走式移動機構と、前記乗降室に進入した前記車両を前記駐車室へ移動させる搬送機構と、を備える、機械式駐車場。
- 前記車両を搭載可能なパレットと、ガイド機構上で前記パレットを移動させるためのパレット移動機構と、を有し、前記複数の車両を格納可能なパレット式駐車室をさらに備える、請求項1に記載の機械式駐車場。
- 前記車両を支持した状態で前記自走式移動機構の全高は、前記ガイド機構の下面から前記パレット上面までの高さよりも小さい、請求項2に記載の機械式駐車場。
- 前記自走式移動機構に支持された状態の前記車両の最下端の前記駐車室の床面からの高さは、前記パレット上の前記車両の最下端の前記パレット式駐車室の床面からの高さよりも低い、請求項2または3に記載の機械式駐車場。
- 前記駐車室の床面から天井までの天井高さは、前記パレット式駐車室の床面から天井までの天井高さと実質的に等しい、請求項2から4のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
- 前記搬送機構は、前記乗降室、前記駐車室および前記パレット式駐車室の間で前記車両を昇降できる、請求項2から5のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
- 前記駐車室と前記パレット式駐車室は、同じ階層に設けられる、請求項2から6のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
- 前記自走式移動機構は、前記車両を支持した状態で前記搬送機構に乗り入れできる、請求項1から7のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
- 前記自走式移動機構は、前記車両を支持した状態で自律的に走行できる、請求項1から8のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
- 前記自走式移動機構は、別々に自走可能な複数のユニットを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の機械式駐車場。
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