JP2023136142A - 果汁含有非炭酸飲料およびその製造方法 - Google Patents

果汁含有非炭酸飲料およびその製造方法 Download PDF

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冴美 廣瀬
Saemi Hirose
唯 永山
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Abstract

【課題】果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させる果汁含有非炭酸飲料に関する技術を提供する。【解決手段】本発明の果汁含有非炭酸飲料は、以下の香気成分(A)および(B)と、オレンジ果汁と、を含み、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%である。 (A)1.5~6.0ppmのテルピノレン (B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上。【選択図】なし

Description

本発明は、果汁含有非炭酸飲料およびその製造方法に関する。より詳細には、果汁含有非炭酸飲料およびその製造方法、ならびに果汁含有非炭酸飲料の香味向上方法に関する。
従来、柑橘果汁含有飲料は、需要者に広く親しまれている一方で、様々な観点から柑橘果汁含有飲料の香味を向上させる研究・開発が進められている。
例えば、特許文献1には、柑橘風味を維持しつつも、後残りを改善する点から、リモネンと、シトラールと、γ-テルピネン及び/又はリナロールと用いた柑橘風味飲料が開示されている。また、特許文献2には、喉越し感とスッキリ感に着目し、1-オクテン-3-オールを含有するとともに、リモネン、シネオール、γ-テルピネンのうちの1種以上を含む炭酸飲料が開示されている。また、特許文献3には、レモン風味の劣化を抑制することに着目し、シトラール、リモネン、γ-テルピネン、およびα-テルピノレンを含む、レモン風味飲料が開示されている。
一方、特許文献4には、豆乳を含有する飲料における青臭さを低減する点から、豆乳を含有する飲料に1-ヘキサノールを添加する飲料が開示されている。
特開2020-43827号公報 特開2018-93777号公報 特開2015-123008号公報 特開2021-153539号公報
本発明者らは、比較的低めの果汁率でオレンジ果汁を含む非炭酸の飲料において、その果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることに新たに着目したところ、特許文献1~3に開示されるような果汁含有飲料はこれらバランスを向上させる点で改善の余地があることが判明した。
そこで、本発明者らは、新たな観点から鋭意検討を進めたところ、所定量のテルピノレンと、所定量のγ-テルピネンまたは1-ヘキサノールを組み合わせることで果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上できることが見出され、本発明が完成された。
本発明によれば、以下の果汁含有非炭酸飲料およびその製造方法が提供される。
[1]
以下の香気成分(A)および(B)と、オレンジ果汁と、を含み、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%である、果汁含有非炭酸飲料。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
[2]
香気成分(A)と(B)の濃度(ppm)比((A)/(B))が1.2以上である、[1]に記載の果汁含有非炭酸飲料。
[3]
前記果汁率のうち、オレンジ果汁の果汁率の割合が60~100%である、[1]または[2]に記載の果汁含有非炭酸飲料。
[4]
非アルコール飲料である、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の果汁含有非炭酸飲料。
[5]
容器詰め飲料である、[1]乃至[4]いずれか一つに記載の果汁含有非炭酸飲料。
[6]
以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、
オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、
を含む、果汁含有非炭酸飲料の製造方法。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
[7]
以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、
オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、
を含む、果汁含有非炭酸飲料の香味向上方法。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
本発明によれば、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させる果汁含有非炭酸飲料に関する技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本実施形態において「果汁感の強さ」とはオレンジ果汁らしい味わいを濃く、はっきりと感じられることを意味し、「オレンジ風味の良さ」とはオレンジ果汁の好ましい風味により近いことを意味し、「スッキリ感の強さ」とはオレンジ果汁から感じられる爽快感、さっぱり感が感じられることを意味し、「後味の良さ」とは飲んだ後に口に残る感じがないことを意味する。
<果汁含有非炭酸飲料>
本実施形態の果汁含有非炭酸飲料(以下、単に「飲料」とも称して説明する)は、以下の香気成分(A)および(B)と、オレンジ果汁と、を含み、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%である。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
本実施形態の飲料によれば、上記香気成分(A)、(B)を併用することにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることができる。かかる理由の詳細は明らかではないが、特定量のテルピノレンと、特定量のγ-テルピネンまたは1-ヘキサノールとの組み合わせにより、オレンジ果汁が有する香味を生かしつつ天然物らしい複雑味・スッキリ感を向上するとともに、これらの香味が果汁感の強さ、オレンジ風味の良さに合致すると推測される。さらに、オレンジ果汁の後残り感・後引き感をマスキングし、後味を良好にできると推測される。
さらに、本実施形態の飲料は、香気成分(A)と(B)の濃度比((A)/(B))が1.2以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。(A)/(B)を上記下限値以上とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを一層向上させることができる。
一方、(A)/(B)の上限値は、15以下が好ましい。これにより、オレンジ果汁率100%の飲料よりも上記バランスを良好に保持できる。
また、本実施形態の飲料は非炭酸飲料であり、炭酸ガスを含まない飲料である。炭酸ガスを含まないことによって、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを効果的に向上できるようになる。
以下、本実施形態の飲料に含まれる成分について説明する。
[テルピノレン]
テルピノレンは、CAS 586-62-9の香気成分であり、α-テルピノレンとも称される。柑橘類等に含まれることで知られる。
本実施形態の飲料は、テルピノレン濃度が1.5~6.0ppmである。テルピノレン濃度の下限値は、好ましくは2.0ppm以上である。一方、テルピノレン濃度の上限値は、好ましくは5.5ppm以下であり、より好ましくは5.0ppm以下であり、さらに好ましくは4.5ppm以下である。
テルピノレン濃度を上記下限値以上とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを良好にしつつ、より果汁感を強くし、おいしさを向上できる。
一方、テルピノレン濃度を上記上限値以下とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを良好にしつつ、よりオレンジ風味を良好にし、おいしさを向上できる。
[γ-テルピネン]
γ-テルピネンは、CAS 99-85-4の香気成分であり、柑橘類、コリアンダー等に含まれることで知られる。
本実施形態の飲料は、γ-テルピネン濃度が0.2~1.2ppmである。γ-テルピネン濃度の下限値は、好ましくは0.3ppm以上であり、より好ましくは0.5ppm以上である。一方、γ-テルピネン濃度の上限値は、好ましくは1.0ppm以下である。
γ-テルピネン濃度を上記下限値以上とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを一層向上できる。
一方、γ-テルピネン濃度を上記上限値以下とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを保持し、おいしさを良好にできる。
[1-ヘキサノール]
1-ヘキサノールは、CAS 111-27-3の香気成分であり、ややオイリーな葉的フルーティ香を呈する。柑橘類等に含まれる。
本実施形態の飲料は、1-ヘキサノール濃度が0.7~1.8ppmである。1-ヘキサノール濃度の下限値は、好ましくは1.0ppm以上であり、より好ましくは1.2ppm以上である。一方、1-ヘキサノール濃度の上限値は、好ましくは1.5ppm以下である。
1-ヘキサノール濃度を上記下限値以上とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上し、スッキリ感をより強くできる。
一方、1-ヘキサノール濃度を上記上限値以下とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを良好に保持しつつ、おいしさを向上できる。
[果汁率]
本実施形態の飲料において、果汁率(ストレート果汁換算)は10~40%である。果汁率(ストレート果汁換算)の下限値は、好ましくは12%以上であり、より好ましくは18%以上以上であり、さらに好ましくは20%以上である。一方、果汁率(ストレート果汁換算)の上限値は、好ましくは35%以下である。
当該果汁率を、上記下限値以上とすることにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させやすくなる。一方、果汁率を、上記上限値以下とすることにより、スッキリ感が得られやすくなる。
なお、果汁率とは、果実から果汁を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない果汁の搾汁(ストレート果汁)のBrix値または酸度を100%としたときの相対濃度である。果汁率をBrix値または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果汁の種類ごとに定められている。また、果汁の果汁率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
果汁とは、果実を破砕して搾汁したり、あるいは裏ごししたりするなどして得られる液体成分をいう。また、果汁には、当該液体成分を濃縮したものや、これらの希釈還元物も含まれてもよく、パルプ分を含むもの、または、ろ過や遠心分離等の処理によりパルプ分を除去したものあってもよい。
また、果汁としては、ストレート果汁、濃縮果汁、濃縮還元果汁などを用いてもよい。
[オレンジ果汁]
本実施形態の果汁含有非炭酸飲料は、オレンジ果汁を含むことが好ましい。オレンジ果汁を含むことによって果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上しやすくなる。
オレンジの種類は、特に限定されないが、普通オレンジ(バレンシア、ハムリン、ペラ、ナタールなど)、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジといったオレンジ類が挙げられる。
本実施形態に係るオレンジ果汁の調製に用いることのできるオレンジ類については、その品種、産地、熟度、大きさなどは特に限定されず、適宜設定することができる。
また、オレンジ果汁として市販のジュースや濃縮ジュース、ペーストなどを用い、本実施形態の柑橘類果汁含有非炭酸飲料を調製するようにしてもよい。具体的には、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)で指定されたジュースや濃縮ジュースを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を本実施形態の飲料調製のために用いることができる。
なお、本実施形態の飲料は、後述するオレンジ果汁以外の果汁を含んでもよいが、上記果汁率のうちオレンジ果汁の果汁率の割合が、60~100%であることが好ましく、80~100%であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。これにより、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを一層向上でき、飲料としてのおいしさも得られる。
[その他成分]
本実施形態の飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上記以外の種々の成分を含んでもよい。例えば、上記以外の果汁、甘味料、酸味料、上記以外の香料、pH調整剤、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、および増粘安定剤等を含んでもよい。
上記のオレンジ果汁以外の果汁としては、例えば、ミカン果汁、タンゴール・タンゼロ果汁、雑柑果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁、ユズ果汁、ブドウ果汁、リンゴ果汁、モモ果汁、イチゴ果汁、バナナ果汁、およびマンゴー果汁等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記の甘味料としては、公知のものを使用することができ、たとえば、ショ糖(砂糖)、ブドウ糖、グラニュー糖、果糖、乳糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖液糖等の糖類、糖アルコール、ならびに、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、サッカリンナトリウム、およびステビア等の高甘味度甘味料などが挙げられる。甘味料は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
一方、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させる点から、高甘味度甘味料を実質的に含まないことが好ましい。
なお、実質的に含まないとは、製造過程や原材料の微成分、不純物として含まれ得るものを除くことを意図する。
上記の酸味料としては、例えば、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、リン酸又はそれらの塩類等が挙げられる。なかでも、オレンジらしい風味を得る観点から、無水クエン酸およびその塩が好ましい。
上記の香料としては、天然香料および合成香料が挙げられ、柑橘類果実風味を呈する香料、その他果実風味を呈する香料が挙げられる。柑橘類としては、上述した柑橘類を想起させるものであれば特に限定されない。
以下、本実施形態の飲料の各種特性について説明する。
[酸度]
本実施形態の飲料は、クエン酸酸度が0.25g/100ml以上0.50g/100ml以下であることが好ましく、0.35g/100ml以上0.45g/100ml以下であることがより好ましい。
酸度を、上記下限値以上とすることにより、おいしさ、および果汁感が得られるようになる。一方、酸度を、上記上限値以下とすることにより、過度な酸味を抑制し、果汁感を保持できる。
クエン酸酸度は、100ml中に含まれる酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100ml)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
[ブリックス値]
本実施形態の飲料のブリックス値(Bx)は、おいしさ、および果汁感が得られる観点から、好ましくは、5以上15以下であり、より好ましくは、7以上13以下であり、さらに好ましくは、8以上12以下である。
当該ブリックス値を上記数値範囲内とすることにより、飲料の果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることができる。
ブリックス値は、たとえば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を用いて、20℃における糖用屈折計の示度を測定することができる。
ブリックス値は、例えば、後述の甘味料の量、その他の各種成分の量などにより調整することができる。
[pH]
本実施形態の飲料の20℃におけるpHは、2.8~4.6であることが好ましく、3.1~4.2であることが好ましく、3.3~4.0であることがさらに好ましい。
当該pHを上記数値範囲内とすることにより、飲料の果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることができる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、特定酸の量を変えることや、クエン酸三ナトリウム等のpH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
[飲料の種類]
本実施形態の飲料は、希釈されずにそのまま飲用される飲料であることが好ましい。
また、本実施形態の飲料は、非アルコール飲料であることが好ましい。非アルコール飲料とは、アルコールを実質的に含有しない飲料をいい、具体的にはエタノールなどのアルコールの含有量が1.0体積/体積%未満である飲料を意味する。
[容器]
本実施形態の飲料は、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰め飲料としてもよい。このときの容器としては、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。
さらに飲料を外観から観察し、透明性、色などを確認できる観点から、容器は透明であることが好ましく、具体的にはペットボトルまたは無着色の瓶が好ましい。また、取扱性、流通性、携帯性等の観点から、容器はペットボトルであることが好ましい。
<果汁含有非炭酸飲料の製造方法>
本実施形態の果汁含有非炭酸飲料の製造方法は、以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、を含む。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
これにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることできる。本実施形態の果汁含有非炭酸飲料の詳細は、上記飲料と同様である。
<果汁含有非炭酸飲料の香味向上方法>
本実施形態の果汁含有非炭酸飲料の香味向上方法は、以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、を含む。
(A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
これにより、果汁感の強さ、オレンジ風味の良さ、スッキリ感の強さ、後味の良さのバランスを向上させることできる。本実施形態の果汁含有非炭酸飲料の詳細は、上記飲料と同様である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)飲料中の香気成分の定量
飲料中及び香料中の各香気成分の濃度(ppm)について、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法により、GC/MS測定に供し、以下に示す条件で測定を行った。
装置:GC:Agilent Technologies社製 7890B
MS:Agilent Technologies社製 5975C MSD
HS:Gerstel社製MPS
TUBE:Tenax TA、CarbopackB/X
カラム:DB-WAX UI 0.25mm×30m×0.25μm
注入法:スプリットレス
キャリアガス流量:He 1ml/分
温度条件:40℃(2分)~8℃/分→240℃(10分)
イオン源温度:230℃
MS条件:スキャンモード
定量イオン:テルピノレンm/z=93
γ-テルピネンm/z=93
1-ヘキサノールm/z=56
香料の希釈:超純水で最終製品中濃度相当に希釈
(2)飲料の物性
・ブリックス:飲料(20℃)について糖用屈折計(ATAGO RX-5000α)を用いて測定した。
・酸度:飲料100ml中に含まれる酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100ml)をJAS規格の酸度測定法で定められた方法に基づき測定し、算出した。
・pH:飲料(20℃)について、pHメータ(HM-30R)を用いて測定した。
(3)官能評価
各飲料について訓練した技術者による官能試験を実施した。具体的には、5名または6名の技術者がそれぞれ飲料(20℃)を試飲し、試飲した際に感じられる「果汁感の強さ」「オレンジ風味の良さ」「スッキリ感の強さ」「後味の良さ」「おいしさ」のそれぞれについて、以下の評価基準に従い各コントロール(対照)を4点とした7段階評価を行い、その平均値を算出した。
・評価基準
評点7:非常に強い(良い)
評点6:強い(良い)
評点5:やや強い(良い)
評点4:同程度
評点3:やや弱い(劣る)
評点2:弱い(劣る)
評点1:非常に弱い(劣る)
(4)原料
飲料の原料として、以下のものを用いた。
・オレンジ濃縮果汁(バレンシアオレンジ種):ブリックス値64
・レモン果汁:酸度31
・果糖ぶどう糖液糖(55%異性化糖):糖度75.5、酸度0
・クエン酸三ナトリウム
・無水クエン酸
(5)実施例、比較例および参考例
[実験1]香気成分(A)および(B)の組み合わせ効果の検証
表1に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表1に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表1に示す。
Figure 2023136142000001
[実験2-1](B)γ-テルピネン濃度の変動(テルピノレン濃度の固定)
表2に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表2に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表2に示す。
Figure 2023136142000002
[実験2-2](B)1-ヘキサノール濃度の変動(テルピノレン濃度の固定)
表3に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表3に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表3に示す。
Figure 2023136142000003
[実験3-1](A)テルピノレン濃度の変動(γ-テルピネン濃度の固定)
表4に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表4に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表4に示す。
Figure 2023136142000004
[実験3-2](A)テルピノレン濃度の変動(1-ヘキサノール濃度の固定)
表5に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表5に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表5に示す。
Figure 2023136142000005
[実験4-1]果汁率の変動((A)テルピノレンと(B)γ-テルピネンの併用)
表6に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表6に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表6に示す。
Figure 2023136142000006
[実験4-2]果汁率の変動((A)テルピノレンと(B)1-ヘキサノールの併用)
表7に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表7に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表7に示す。
Figure 2023136142000007
[実験5]レモン果汁含有飲料
表8に示す濃度(g/L)となるように各原料を常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表8に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)および(3)の測定及び官能評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 2023136142000008
[実験6]炭酸ガス入り飲料
表9に示す濃度(g/L)となるように各原料および炭酸ガスを常法で混合し、95℃瞬間殺菌にて殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表9に示す濃度(ppm)となるように各香気成分を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記(1)~(3)の測定及び官能評価を行った。得られた飲料はいずれも、ブリックス10、酸度0.43g/100ml、pH3.5であった。結果を表9に示す。
なお、炭酸ガス圧は、京都電子工業株式会社製「GVA-700」を用いて、20℃の室温下で測定した。
Figure 2023136142000009
[実験7]オレンジ果汁100%の市販品の分析
参考例4として、「名称:カラマンダリンジュース(ストレート)、原材料表示:カラマンダリン(和歌山県産)」「食品添加物は加えていません」と表示された市販品の容器詰め果汁含有飲料を用い、上記(2)の測定を行い、(A)テルピノレン、(B)γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を測定した。結果を表10に示す。
Figure 2023136142000010
表10より、カラマンダリン果汁にはテルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールが含まれるものの、その濃度および割合は、本発明の果汁含有非炭酸飲料に含まれる香気成分(A)および(B)、すなわち(A)1.5~6.0ppmのテルピノレンおよび(B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上、とは異なることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 以下の香気成分(A)および(B)と、オレンジ果汁と、を含み、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%である、果汁含有非炭酸飲料。
    (A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
    (B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
  2. 香気成分(A)と(B)の濃度(ppm)比((A)/(B))が1.2以上である、請求項1に記載の果汁含有非炭酸飲料。
  3. 前記果汁率のうち、オレンジ果汁の果汁率の割合が60~100%である、請求項1または2に記載の果汁含有非炭酸飲料。
  4. 非アルコール飲料である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の果汁含有非炭酸飲料。
  5. 容器詰め飲料である、請求項1乃至4いずれか一項に記載の果汁含有非炭酸飲料。
  6. 以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、
    オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、
    を含む、果汁含有非炭酸飲料の製造方法。
    (A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
    (B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
  7. 以下の香気成分(A)および(B)を含むように、テルピノレン、γ-テルピネン及び1-ヘキサノールの濃度を調整する工程と、
    オレンジ果汁を配合し、果汁率(ストレート果汁換算)が10~40%となるように調整する工程と、
    を含む、果汁含有非炭酸飲料の香味向上方法。
    (A)1.5~6.0ppmのテルピノレン
    (B)0.2~1.2ppmのγ-テルピネン及び0.7~1.8ppmの1-ヘキサノールからなる群から選択される1または2以上
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