JP2024031441A - レモン風味飲料およびレモン風味飲料の香味向上方法 - Google Patents

レモン風味飲料およびレモン風味飲料の香味向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レモン果実らしさを得つつも、酸味の質を良好にできるレモン風味飲料に関する技術を提供する。【解決手段】本発明のレモン風味飲料は、以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上と、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である;(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。【選択図】なし

Description

本発明は、レモン風味飲料およびレモン風味飲料の香味向上方法に関する。
従来、レモン、ライム、オレンジ、およびグレープフルーツなどの柑橘類果汁含有飲料は、爽やかな酸味や甘味を呈し、需要者に広く親しまれている。一方で、様々な観点から柑橘果汁含有飲料の香味を向上させる研究・開発が進められている。
例えば、特許文献1には、果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを向上させる点から、γ-デカラクトンの含有量を5ppm以上とし、DL-2-メチル酪酸エチルの含有量を0.5ppm以上とし、かつこれらの割合を制御することが開示されている。また、特許文献2には、スッキリ感と果汁飲料らしいおいしさとのバランスを向上させる点から、柑橘類果汁率が1~80w/w%であり、リナロールと、2-メチル酪酸エチルを0.7~2.5ppm含有する飲料が開示されている。
一方で、柑橘果実由来のパルプなどの固形分を含んだ混濁果汁はより濃厚な果実らしい味わいが得られるものとして知られる。例えば、特許文献3には、果汁感とビール感とのバランスを良好にする点から、混濁果汁を含有する発酵ビールテイスト飲料が開示されている。
特開2019-097489号公報 特開2018-93777号公報 特開2021-040502号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載されるような飲料はいずれもレモン風味飲料に着目したものではなく、良好なレモン果実らしさを得る点で改善の余地があった。
本発明者は、レモン混濁果汁を用いたレモン風味飲料の研究開発を進めたところ、レモン混濁果汁を用いることでよりレモン果実らしさを得ることができる一方で、酸味の質が低下する傾向があることを知見した。そこで、さらに検討を重ねた結果、特定の香気成分を組み合わせることで、レモン果実らしさを得つつも、酸味の質を改善できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下のレモン風味飲料およびレモン風味飲料の香味向上方法が提供される。
[1] 以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上と、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料;
(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
[2] [1]に記載のレモン風味飲料であって、
前記果汁率のうち、レモン果汁の果汁率(ストレート換算)の割合が60~100%である、レモン風味飲料。
[3] [1]または[2]に記載のレモン風味飲料であって、
前記不溶性固形分が、レモン由来の果皮、果実パルプ分および果実の種からなる群より選択される1種または2種以上を含む、レモン風味飲料。
[4] [1]乃至[3]いずれか一つに記載のレモン風味飲料であって、
当該レモン風味飲料の濁度(O.D.660nm)が0.010~0.5である、レモン風味飲料。
[5] [1]乃至[4]いずれか一つに記載のレモン風味飲料であって、
前記不溶性固形分の含有量が、0.0001~20重量%である、レモン風味飲料。
[6] [1]乃至[5]いずれか一つに記載のレモン風味飲料であって、
非アルコール飲料である、レモン風味飲料。
[7] [1]乃至[6]いずれか一つに記載のレモン風味飲料であって、
容器詰め飲料である、レモン風味飲料。
[8] レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料の香味向上方法であって、
以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上を混合して飲料を調製する工程を含む、レモン風味飲料の香味向上方法;
(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
本発明によれば、レモン果実らしさを得つつも、酸味の質を良好にできるレモン風味飲料に関する技術が提供される。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本実施形態において「レモン果実らしさ」とは飲料を飲用した際にレモン果汁の味わいを強く感じ、飲みごたえがあり、味が濃いと感じることを意味し、味の濃さともいう。「酸味の質」の良さとは、酸味がまろやかであることを意味する。また、「後味の良さ」とは飲料を飲み終えた後に後引きがなくさっぱりとした感じられることを意味する。
<レモン風味飲料>
本実施形態のレモン風味飲料(以下、単に「飲料」とも称して説明する)は、以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上と、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率が1~15%である。
(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
本実施形態の飲料によれば、上記の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上を用いることにより、レモン果実らしさ(レモン風味の濃さ)と、良好な酸味の質とのバランスを向上させることができる。
かかる理由の詳細は明らかではないが、レモン果汁および不溶性固形分により、レモン果実らしい味わいや飲みごたえを向上できる一方で、特定量の成分(A)~(D)がレモン果汁および不溶性固形分による好ましくない酸味を適度にマスキングして、酸味の質を良好にできると推測される。
本実施形態の飲料は、飲用したときにレモン風味が感じられる飲料であり、かかるレモン風味を損なわない範囲で、以下の各種成分を含むことができる。
以下、本実施形態の飲料に含まれる成分について説明する。
[(A)DL-2-メチル酪酸エチル]
DL-2-メチル酪酸エチルは、CAS番号53956-13-1のメチル酪酸エチルとも称される香気成分の一種である。
本実施形態の飲料は、DL-2-メチル酪酸エチル濃度が1.25~500ppbである。
DL-2-メチル酪酸エチル濃度の下限値は、好ましくは2.0ppb以上である。DL-2-メチル酪酸エチル濃度を上記下限値以上とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、後味の良さ、味の濃さ、酸味の質の良さを向上することができる。
一方、DL-2-メチル酪酸エチル濃度の上限値は、好ましくは400ppb以下であり、より好ましくは300ppb以下であり、さらに好ましくは200ppb以下である。DL-2-メチル酪酸エチル濃度を上記上限値以下とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、おいしさを保持し、ピール感を向上できる。
[(B)酢酸イソアミル]
酢酸イソアミルは、CAS番号123-92-22の香気成分の一種である。
本実施形態の飲料は、酢酸イソアミル濃度が5~500ppbである。
酢酸イソアミル濃度の下限値は、好ましくは10ppb以上であり、より好ましくは15ppb以上である。酢酸イソアミル濃度を上記下限値以上とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質の良さ、ピール感の強さを向上することができる。
一方、酢酸イソアミル濃度の上限値は、好ましくは400ppb以下であり、より好ましくは300ppb以下であり、さらに好ましくは200ppb以下である。酢酸イソアミル濃度を上記上限値以下とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)、酸味の質の良さを得つつも、後味の良さ、おいしさを向上できる。
[(C)ベンジルアルコール]
ベンジルアルコールは、CAS番号100-51-6の香気成分の一種である。
本実施形態の飲料は、ベンジルアルコール濃度が15~700ppbである。
ベンジルアルコール濃度の下限値は、好ましくは18ppb以上であり、より好ましくは20ppb以上である。ベンジルアルコール濃度を上記下限値以上とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質の良さ、ピール感の強さを向上することができる。
一方、ベンジルアルコール濃度の上限値は、好ましくは600ppb以下であり、より好ましくは500ppb以下であり、さらに好ましくは450ppb以下である。ベンジルアルコール濃度を上記上限値以下とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)、酸味の質の良さを得つつも、後味の良さ、おいしさを向上できる。
[(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド]
N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミドは、CAS番号1576-37-0の香気成分の一種である。
本実施形態の飲料は、N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド濃度が0.05~500pppbである。
N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド濃度の下限値は、好ましくは0.2ppb以上である。N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド濃度を上記下限値以上とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質の良さ、ピール感の強さを向上することができる。
一方、N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド濃度の上限値は、好ましくは400ppb以下であり、より好ましくは350ppb以下であり、さらに好ましくは300ppb以下である。N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド濃度を上記上限値以下とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)、酸味の質の良さを得つつも、後味の良さ、おいしさを向上できる。
また、本実施形態の飲料は、上記成分(A)~(D)を2種以上混合して用いてもよく、その組み合わせは特に限定されない。
[不溶性固形分]
不溶性固形分とは、果汁以外の果皮、果実パルプ分および果実の種などの果実に由来する成分であって、水に対して不溶性の固形成分をいう。
上記の果実パルプ分は、具体的には、たとえば、果実を破砕し、果汁等の液状成分を篩別及び/又は遠心分離により分離して得られる果汁中に含まれる不溶性固形分や、果実から果汁を搾汁した後に得られる果汁残渣を細砕して得られる不溶性固形分等のことを指す。なお、果実に含まれるじょうのう膜などの薄皮部分は、上述した果実パルプ分に含まれる。
本実施形態において、不溶性固形分は、レモン由来の果皮、果実パルプ分および果実の種からなる群より選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。これによりレモン飲料の味の濃さを効果的に向上できる。
不溶性固形分の含有量は、飲料全量に対して、0.0001~20重量%であることが好ましく、0.01~1重量%であることがより好ましい。
不溶性固形分の含有量を上記下限値以上とすることにより、飲料にレモン果実らしさ(味の濃さ)を付与しやすくなり、一方、不溶性固形分の含有量を上記上限値以下とすることにより、後味の良さ、おいしさを保持しやすくなる。
不溶性固形分の含有量は、例えば、以下のようにして測定できる。
メンブレンフィルターを備えるアスピレーターでサンプル飲料を吸引し、吸引後にメンブレンフィルター上に残った捕捉物を秤量することにより、飲料中の不溶性固形分量を測定することができる。
なお、メンブレンフィルターの目付は不溶性固形分の粒径等に応じて適宜設定することができる。
[レモン果汁]
レモン果汁は、本実施形態の飲料にレモン風味を付与するために用いられる。レモン果実を破砕して搾汁したり、あるいは裏ごししたりするなどして得られる液体成分をいい、該液体成分を濃縮したものやこれらの希釈還元物も含む。
本実施形態において、レモン果汁は、(i)不溶性固形分を含む果汁、および/または、(ii)透明果汁と称される形態で用いられるものであってもよい。
上記の(i)不溶性固形分を含む果汁は、果実から得られた搾汁液に含まれる果皮、果実パルプ分および果実の種などを清澄化していない果汁であり、一般に、混濁果汁、コミニュテッド果汁、又はピューレ等と呼ばれる。具体的には、上記「混濁果汁」は、透明果汁を得るために実施されるペクチン分解酵素処理を行うことなく得られた、果実由来のペクチンやパルプ分などがコロイド状をなして混濁している果汁を指す。上記「コミニュテッド果汁」は、混濁果汁の中でも、粉砕された果実の果皮やオイル分も含む果汁である。また、上記「ピューレ」は、果実や野菜の搾汁液を裏ごししたものを指す。
上記の(ii)透明果汁は、果実から得られた搾汁液に含まれる果皮、果実パルプ分および果実の種などの不溶性固形分を、ろ過や遠心分離等といった清澄化処理により不溶性固形分を除去した透明な果汁を指す。
本実施形態のレモン果汁は、レモン透明果汁、または、レモン混濁果汁、レモンコミニュテッド果汁、およびレモンピューレ等の不溶性固形分を含む果汁のいずれであってもよいが、レモンらしい味わいを得る点から、レモン混濁果汁、レモンコミニュテッド果汁、およびレモンピューレの中から選ばれる1種または2種以上であることがより好ましく、保存安定性等の点から、レモン混濁果汁、レモンコミニュテッド果汁の中から選ばれる1種または2種であることがさらに好ましい。
なお、レモン果汁に用いられるレモン果実は、その品種、産地、熟度、大きさなどは特に限定されず、適宜設定することができる。
[その他成分]
本実施形態の飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上記以外の種々の成分を含んでもよい。例えば、上記以外の果汁、甘味料、酸味料、上記以外の香料、pH調整剤、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、および増粘安定剤等を含んでもよい。
(果汁)
また、本実施形態の飲料は、レモン果汁以外の果汁を含んでもよい。この場合、上記飲料の果汁率のうちレモン果汁の果汁率の割合が、好ましくは、20%以上であり、さらに、40%以上、60%以上、80%以上、および90%以上の順により好ましく、100%であることがことさらに好ましい。
レモン果汁以外の果汁としては、例えば、オレンジ果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁、ライム果汁、ユズ果汁、ブドウ果汁、リンゴ果汁、モモ果汁、イチゴ果汁、バナナ果汁、およびマンゴー果汁等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(甘味料)
上記の甘味料としては、公知のものを使用することができ、たとえば、ショ糖(砂糖)、ブドウ糖、グラニュー糖、果糖、乳糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖液糖等の糖類、糖アルコール、ならびに、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、サッカリンナトリウム、およびステビア等の高甘味度甘味料などが挙げられる。甘味料は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
一方、果汁感の強さ、レモン風味の良さ、後味の良さのバランスを向上させる点から、高甘味度甘味料を実質的に含まないことが好ましい。
なお、実質的に含まないとは、製造過程や原材料の微成分、不純物として含まれ得るものを除くことを意図する。
(酸味料)
上記の酸味料としては、例えば、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、リン酸又はそれらの塩類等が挙げられる。なかでも、レモンらしい風味を得る観点から、無水クエン酸およびその塩が好ましい。
以下、本実施形態の飲料の各種特性について説明する。
[果汁率]
本実施形態の飲料において、果汁率(ストレート果汁換算)は1~15%である。果汁率(ストレート果汁換算)の下限値は、好ましくは2.0%以上であり、より好ましくは2.5%以上である。一方、果汁率(ストレート果汁換算)の上限値は、好ましくは12%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。
当該果汁率を、上記下限値以上とすることにより、味の濃さ、果汁感、ピール感を向上させやすくなる。一方、果汁率を、上記上限値以下とすることにより、酸味の質の良さ、後味の良さを良好にできる。
なお、果汁率とは、果実から果汁を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない果汁の搾汁(ストレート果汁)の酸度を100%としたときの相対濃度である。
[酸度]
本実施形態の飲料は、クエン酸酸度が0.1~2.0g/100mlであることが好ましく、0.2~1.5g/100mlであることがより好ましい。
酸度を、上記数値範囲とすることにより、おいしさ、レモン果実らしさをバランスよく得られる。
クエン酸酸度は、100ml中に含まれる酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100ml)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
[ブリックス値]
本実施形態の飲料のブリックス値(糖度:Bx)は、おいしさ、および果汁感が得られる観点から、好ましくは5~20であり、より好ましくは7~15であり、さらに好ましくは9~12である。
当該ブリックス値を上記数値範囲内とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質および後味を良好にできる。
ブリックス値は、たとえば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を用いて、20℃における糖用屈折計の示度を測定することができる。
ブリックス値は、例えば、後述の甘味料の量、その他の各種成分の量などにより調整することができる。
[pH]
本実施形態の飲料の20℃におけるpHは、2.0~4.0であることが好ましく、2.2~3.8であることが好ましく、2.4~3.7であることがさらに好ましく、3.0~3.7であることがことさらに好ましい。
当該pHを上記数値範囲内とすることにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質および後味を良好にできる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、特定酸の量を変えることや、クエン酸三ナトリウム等のpH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
[飲料の種類]
本実施形態の飲料は、希釈されずにそのまま飲用される飲料であることが好ましい。また、飲料は、コールド用、ホットの用のいずれであってもよいが、良好なレモン風味を感じやすい点からはコールド用であることが好ましく、また、レモン果実らしさ(味の濃さ)と、酸味の質および後味とのバランスを向上できる点からホット用であることが好ましい。
また、本実施形態の飲料は、非アルコール飲料であることが好ましい。非アルコール飲料とは、アルコールを実質的に含有しない飲料をいい、具体的にはエタノールなどのアルコールの含有量が1.0体積/体積%未満である飲料を意味する。
本実施形態の飲料は、炭酸ガスを含有する炭酸飲料としてもよい。
炭酸ガス圧としては、例えば、2.5ガスボリューム以上であることが好ましい。一方、飲料の嗜好性を保持し、ガス抜けを抑制する観点から、炭酸ガス圧が4.5ガスボリューム以下であることが好ましい。
なお、本実施形態のガスボリューム(炭酸ガス圧力)は、1気圧、20℃において、炭酸飲料全体の体積に対して、炭酸飲料に溶けている炭酸ガスの体積を表したものである。
[濁度]
本実施形態の飲料は濁度(O.D.660nm)が0.010~0.5であることが好ましく、0.020~0.3であることがより好ましく、0.030~0.1であることがさらに好ましい。
濁度を上記下限値以上とすることで、レモン風味をより向上できる。一方、濁度を上記上限値以下とすることにより、飲料の外観を安定しやすくなる。
飲料の濁度は、不溶性固形分量等を調整するなどして制御できる。例えば、レモン透明果汁の濁度(O.D.660nm)は0.00~0.005である。
濁度は、分光光度計を用い、光路長が1cmである場合の波長660nmにおける吸光度から求めることができる。
[容器]
本実施形態の飲料は、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰め飲料としてもよい。
容器は、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。容器内の飲料を視認できる観点や携帯性の観点からは、ペットボトルが好ましい。
容器詰めされた飲料の容量としては、特に限定されないが、100~2000gが好ましく、飲み切りやすい点からは、100~700gがより好ましい。
容器詰めされた飲料の加熱滅菌処理の方法は、特に限定されないが、日本国内においては食品衛生法の規定に従って、加熱滅菌処理される。具体的には、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)や、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法が挙げられる。
<レモン風味飲料の製造方法>
本実施形態のレモン風味飲料の製造方法は、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料において、以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上を混合して飲料を調製する工程を含むものである。
(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
これにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質を良好にできる。本実施形態のレモン風味飲料の詳細は、上記飲料と同様である。
さらに、本実施形態の飲料は、不溶性固形分を安定的に分散させるために、たとえば、ホモジナイザーにより均質化処理を行ってもよい。
<レモン風味飲料の香味向上方法>
本実施形態のレモン風味飲料の香味向上方法は、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料において、以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上を混合して飲料を調製する工程を含むものである。
(A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
(B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
(C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
(D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
これにより、レモン果実らしさ(味の濃さ)を得つつも、酸味の質を良好にできる。本実施形態のレモン風味飲料の詳細は、上記飲料と同様である。
さらに、本実施形態の飲料は、不溶性固形分を安定的に分散させるために、たとえば、ホモジナイザーにより均質化処理を行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)飲料中の香気成分の定量
飲料中のDL-2-メチル酪酸エチル、酢酸イソアミル、ベンジルアルコール、N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミドの濃度(ppb)について、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法により、GC/MS測定に供し、以下に示す条件で測定した。結果を各表に示す。
装置:GC:Agilent Technologies社製 7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977B MSD
HS:Gerstel社製MPS,
TUBE:Tenax TA、CarbopackB/X
カラム:DB-WAX UI 0.25mm×30m×0.25μm
定量イオン:DL-2-メチル酪酸エチル m/z=102
酢酸イソアミル m/z=43
ベンジルアルコール m/z=79
N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド m/z=106
内標:シクロヘキサノール m/z=57
温度条件:40℃(2分)~8℃/分→240℃(10分)
キャリアガス流量:He 1ml/分
注入法:スプリットレス
イオン源温度:230℃
(2)飲料の物性
飲料の物性について以下のように測定し、結果を各表に示した。
・ブリックス(糖度):飲料(20℃)について糖用屈折計(ATAGO RX-5000α)を用いて測定した。
・酸度:飲料100ml中に含まれる酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100ml)をJAS規格の酸度測定法で定められた方法に基づき測定し、算出した。
・pH:飲料(20℃)について、pHメーター(HM-30R)を用いて測定した。
・濁度:飲料をレシオビーム分光光度計U-5100(日立ハイテクノサイエンス社製)を用いて濁度(O.D.660nm)を測定した。
(3)官能評価
各飲料について訓練した技術者による官能試験を実施した。具体的には、5名の技術者がそれぞれ飲料(20℃)を試飲し、試飲した際に感じられる「おいしさ」「味の濃さ」「酸味の質の良さ(酸味のまろやかさ)」「ピール感(良好な苦み)」「後味の良さ」「果汁感の良さ」のそれぞれについて、以下の評価基準に従い各コントロール(対照)を4点とした7段階評価を行い、その平均値を算出した。
・評価基準
評点7:かなり強い(良い)
評点6:強い(良い)
評点5:やや強い(良い)
評点4:同程度
評点3:やや弱い(劣る)
評点2:弱い(劣る)
評点1:かなり弱い(劣る)
(4)原料
飲料の原料として、以下のものを用いた。
・レモン混濁果汁:クエン酸酸度39重量%、Brix58、不溶性固形分8重量%
・グラニュー糖
・クエン酸三ナトリウム
・無水クエン酸
(5)実施例、および比較例
[実験1]成分(A)~(D)による効果の検証
表1に示す濃度(g/L)となるように各原料を混合し、常法で加熱殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表1~4に示す濃度(ppm)となるように各成分(A)~(D)を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記の官能評価に従い「おいしさ」「後味の良さ」「味の濃さ」「酸味の質の良さ(酸味のまろやかさ)」「ピール感の強さ(良好な苦み)」のそれぞれについて評価を行った。いずれの飲料もレモン風味が得られた。
結果を表1~4にそれぞれ示す。
Figure 2024031441000001
Figure 2024031441000002
Figure 2024031441000003
Figure 2024031441000004
[実験2]果汁率の変動
表5~8に示す濃度(g/L)となるように各原料を混合し、常法で加熱殺菌し、ベース液を得た。具体的には、果汁率を変動させつつ、ベース液の糖度、酸度、pHが同等になるようにグラニュー糖、および無水クエン酸の配合量を調整した。つぎに、ベース液に表5~8に示す濃度(ppm)となるように各成分(A)~(D)を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記の官能評価に従い「おいしさ」「味の濃さ」「酸味の質の良さ(酸味のまろやかさ)」「ピール感の強さ(良好な苦み)」のそれぞれについて評価を行った。いずれの飲料もレモン風味が得られた。
結果を表5~8に示す。
Figure 2024031441000005
Figure 2024031441000006
Figure 2024031441000007
Figure 2024031441000008
[実験3]成分(A)~(D)の組み合わせ効果の検証
表9~14に示す濃度(g/L)となるように各原料を混合し、常法で加熱殺菌し、ベース液を得た。各ベース液に表9~14に示す濃度(ppm)となるように各成分(A)~(D)を混合し、飲料を得た。得られた飲料について、上記の官能評価に従い「おいしさ」「味の濃さ」「酸味の質の良さ(酸味のまろやかさ)」「ピール感の強さ(良好な苦み)」のそれぞれについて評価を行った。いずれの飲料もレモン風味が得られた。
結果を表9~14にそれぞれ示す。
Figure 2024031441000009
Figure 2024031441000010
Figure 2024031441000011
Figure 2024031441000012
Figure 2024031441000013
Figure 2024031441000014

Claims (8)

  1. 以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上と、レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料;
    (A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
    (B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
    (C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
    (D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
  2. 請求項1に記載のレモン風味飲料であって、
    前記果汁率のうち、レモン果汁の果汁率(ストレート換算)の割合が60~100%である、レモン風味飲料。
  3. 請求項1または2に記載のレモン風味飲料であって、
    前記不溶性固形分が、レモン由来の果皮、果実パルプ分および果実の種からなる群より選択される1種または2種以上を含む、レモン風味飲料。
  4. 請求項1または2に記載のレモン風味飲料であって、
    当該レモン風味飲料の濁度(O.D.660nm)が0.010~0.5である、レモン風味飲料。
  5. 請求項1または2に記載のレモン風味飲料であって、
    前記不溶性固形分の含有量が、0.0001~20重量%である、レモン風味飲料。
  6. 請求項1または2に記載のレモン風味飲料であって、
    非アルコール飲料である、レモン風味飲料。
  7. 請求項1または2に記載のレモン風味飲料であって、
    容器詰め飲料である、レモン風味飲料。
  8. レモン果汁と、不溶性固形分と、を含み、果汁率(ストレート換算)が1~15%である、レモン風味飲料の香味向上方法であって、
    以下の成分(A)~(D)のいずれかを1種又は2種以上を混合して飲料を調製する工程を含む、レモン風味飲料の香味向上方法;
    (A)DL-2-メチル酪酸エチル:1.25~500ppb、
    (B)酢酸イソアミル:5~500ppb、
    (C)ベンジルアルコール:15~700ppb、および
    (D)N-ベンジル-p-トルエンスルホンアミド:0.05~500ppb。
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