JP2023135890A - 搬送装置及び印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】搬送ベルトまたはブレードのどの領域が異常な領域であるかを容易に把握できる搬送装置及び印刷装置を提供する。【解決手段】搬送装置を構成する搬送ベルトは、表面に支持された媒体を搬送方向に搬送する。除去部は、表面に当接して付着物を除去するブレードを有する。複数の検出部は、ブレードが搬送ベルトから受ける力または力の変化を検出する。表示部１４は、情報を表示する。調整部は、搬送ベルトに対するブレードの相対位置を調整可能に構成される。複数の検出部のそれぞれは、搬送方向と交差する幅方向に分割された搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられる。制御部は、複数の検出部の検出結果に基づいて複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、表示部１４に異常な領域を示す情報を表示させる。【選択図】図１７

Description

本発明は、媒体を搬送する搬送ベルトを備えた搬送装置及び印刷装置に関する。

特許文献１には、この種の印刷装置の一例として、記録媒体等の媒体にインク等の液体を吐出して印刷する記録装置が開示されている。この記録装置は、記録媒体を搬送する搬送ベルト（無端ベルト）を有する搬送装置を備える。

特許文献１に記載された搬送装置は、表面に載置される記録媒体を搬送する無端ベルトと、無端ベルトの表面に清掃液を付着させて洗浄する清掃液付着手段とを備える。また、搬送装置は、清掃液付着手段による清掃液付着位置よりも無端ベルトの移動方向下流側で無端ベルトの表面に接触し、無端ベルトの表面に付着した清掃液を除去する複数枚のブレードを有する。

複数枚のブレードのうちの２次ブレードは、押え板と押し込み調整板との間に配置され、無端ベルトの表面に、無端ベルトの幅方向に亘って接触するように設けられている。ユーザーや作業者は押し込み調整板の固定位置を変更することにより、２次ブレードの固定位置を変更する。これにより、２次ブレードの無端ベルトに対する押し込み量が変更される。押し込み量が変更されることにより、無端ベルトに対する２次ブレードの接触圧を変更することができる。

特開２０１２－１１６６１９号公報

しかし、特許文献１に記載された搬送装置においては、無端ベルトの幅方向のどの領域でブレードの押し込み量を調整するのかがユーザーや作業者の習熟度によっては分かりづらいという課題がある。仮にユーザーや作業者の習熟度が高いとしても、実際の作業では、無端ベルトの幅方向において清掃液が残留する領域を探すために無端ベルトを複数回周回移動しなければならず、余分な時間がかかる。

上記課題を解決する搬送装置は、媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、情報を表示する表示部と、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、を備え、前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記制御部は、前記複数の検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させる。

上記課題を解決する印刷装置は、媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される前記媒体に印刷を行う印刷部と、前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、情報を表示する表示部と、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、を備え、前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記制御部は、前記複数の検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させる。

実施形態における搬送装置を備える印刷装置を示す正面図である。 印刷装置を示す模式側断面図である。 搬送装置における洗浄部等を示す模式側面図である。 洗浄部と搬送ベルトとを示す斜視図である。 洗浄部の一部を示す斜視図である。 図５における６－６破断線で切断した除去部の断面図である。 第２実施形態における除去部を示す模式正面図である。 ブレードが片当たり状態にあるときの除去部を示す模式正面図である。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。 搬送ベルト１周分のブレードの荷重検出結果を領域別に示すグラフである。 搬送ベルト１周分のブレードの平均荷重を領域別に示すグラフである。 調整後における搬送ベルト１周分のブレードの荷重検出結果を領域別に示すグラフである。 搬送ベルト１回転分のブレードの振動検出結果を示すグラフである。 ブレードの平均振動強度と時間との関係を示すグラフである。 ベルト検査処理を示すフローチャートである。 表示部に表示される異常な領域の情報を示す模式図である。 表示部に表示される図１６と異なる異常な領域の情報を示す模式図である。

（第１実施形態）
以下、印刷装置１１の第１実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面では、印刷装置１１が水平面上に置かれているものとして重力の方向をＺ軸で示し、水平面に沿う方向をＸ軸とＹ軸で示す。Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Ｘ軸に沿う方向を幅方向Ｘ、Ｙ軸に沿う方向を搬送方向Ｙ、Ｚ軸に沿う方向を鉛直方向Ｚともいう。Ｘ軸は後述する搬送ベルトの幅方向Ｘと平行な仮想軸であり、Ｙ軸は搬送ベルト２１上の媒体Ｍの搬送方向Ｙと平行な仮想軸である。なお、搬送ベルト２１が周回する方向を周回方向ＣＤともいう。

＜印刷装置１１の構成について＞
図１に示すように、印刷装置１１は、搬送装置２０と、印刷部３０とを備える。搬送装置２０は、媒体Ｍを搬送する搬送ベルト２１を備える。搬送ベルト２１は、外周面２４において布帛、用紙などである媒体Ｍを支持して搬送する。印刷部３０は、搬送ベルト２１により搬送される媒体Ｍに印刷を行う。

印刷装置１１は、柱梁構造を有する筐体１２を有する。印刷装置１１は、操作部１３を備える。また、印刷装置１１は、情報を報知するための表示部１４を備える。操作部１３は、例えば、表示部１４を有する操作パネルにより構成される。表示部１４は、例えば、タッチパネル式の表示装置等より実現される。操作部１３は、表示部１４の画面がユーザーによって操作されることで印刷装置１１に指示を与えることが可能である。なお、操作部１３は、操作ボタン等により実現されてもよい。この場合、印刷装置１１は、操作部１３とは別に表示部１４を備えてもよい。

また、印刷装置１１は、印刷部３０が媒体Ｍに印刷するときに用いるインクを供給するインク供給源１５を備える。インク供給源１５は、複数色のインクのうち１色のインクをそれぞれ収容する。インク色は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等を含む。印刷部３０は、インク供給源１５から供給されたインクを、例えば、媒体Ｍに向かって吐出することで、媒体Ｍに画像等を印刷する。なお、インク供給源１５は、インクカートリッジでもよいし、インクタンクでもよい。

図２に示すように、印刷装置１１は、搬送装置２０を備える。搬送装置２０は、筐体１２に支持される。また、搬送装置２０は、前述の印刷部３０と、搬送装置２０及び印刷部３０を制御する制御部１００とを備える。印刷部３０は、搬送ベルト２１により搬送される媒体Ｍに印刷する。印刷部３０および制御部１００等はカバー１６により覆われる。

筐体１２は、底フレーム１２ａ、柱フレーム１２ｂ及び上フレーム１２ｃを含む柱梁構造を有する。カバー１６は、印刷装置１１において、例えば、搬送ベルト２１よりも上方に位置する印刷部３０等を覆う外装部材である。

印刷部３０は、インク等の液体を吐出する吐出部３１を備える。印刷部３０は、搬送ベルト２１に支持された媒体Ｍに向かって吐出部３１からインク等の液体を吐出することで、媒体Ｍに画像等を印刷する印刷動作を行う。

搬送装置２０は、搬送ベルト２１を回転可能に有する搬送ユニット２２を備える。搬送ベルト２１は、媒体Ｍを支持する表面２５Ａを有し、表面２５Ａに支持された媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送可能に構成される。搬送ベルト２１は、媒体Ｍを貼り付け可能な粘着層２５を有してもよい。搬送ベルト２１は、粘着層２５に貼り付けた媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送可能に構成されてもよい。搬送ベルト２１が粘着層２５を有する場合、粘着層２５の最表層が、表面２５Ａとして機能する。

搬送ベルト２１は、無端状のベルト基材２１Ｂと、ベルト基材２１Ｂの外周面に一層形成された粘着層２５とを含む。媒体Ｍは、粘着層２５の表面２５Ａに貼り付けられる。粘着層２５は、他の部材と一時的に接着可能でありかつ接着状態からの剥離が可能となる粘着特性を有する。

図２に示すように、搬送ユニット２２は、筐体１２の上部に設けられ、駆動ローラー２３Ａと、従動ローラー２３Ｂと、搬送ベルト２１とを有する。そして、搬送ユニット２２は、駆動ローラー２３Ａの回転による搬送ベルト２１の移動に伴って、媒体Ｍを＋Ｙ方向に搬送可能である。駆動ローラー２３Ａ及び従動ローラー２３Ｂは、いずれもＸ方向に沿った回転軸を有する。印刷装置１１は、搬送ベルト２１に貼り付けられる媒体Ｍを給送する給送部１８（図９参照）を備える。なお、印刷装置１１は、印刷後の媒体Ｍを搬送ベルト２１から剥がしつつ巻き取る不図示の巻取装置とセットで使用される。

搬送ベルト２１は、弾性を有する無端状のベルトである。搬送ベルト２１は、駆動ローラー２３Ａおよび従動ローラー２３Ｂの外周に巻き掛けられている。搬送ユニット２２は、駆動ローラー２３Ａを回転駆動させることで、無端状の搬送ベルト２１を所定の周回経路で回転させる。

図２に示すように、搬送ベルト２１の外周面２４は、その位置および形状から複数の部分に区画される。すなわち、外周面２４は、上面部２４ａ、下流側の曲面部２４ｂ、下面部２４ｃ、上流側の曲面部２４ｄに区画される。上面部２４ａは、駆動ローラー２３Ａの中心よりも上方に位置し、かつＸＹ平面に沿った平坦な面を有する部分である。上面部２４ａは、搬送ベルト２１のうち周回方向ＣＤにおいて印刷部３０と対向する部分である。上面部２４ａは、搬送ベルト２１が媒体Ｍを支持する部分である。曲面部２４ｂは、搬送ベルト２１が駆動ローラー２３Ａに巻き掛けられた曲面を有する部分である。粘着層２５に貼り付けた媒体Ｍは曲面部２４ｂの途中で剥離される。さらに、下面部２４ｃは、駆動ローラー２３Ａの中心よりも下方に位置し、かつＸＹ平面に沿った平坦な面を有する部分である。また、曲面部２４ｄは、搬送ベルト２１が従動ローラー２３Ｂに巻き掛けられた曲面を有する部分である。従って、少なくとも上面部２４ａの表面及び曲面部２４ｂの表面は、媒体Ｍを支持する搬送ベルト２１の支持面として機能する。なお、上面部２４ａの表面及び曲面部２４ｂの表面に加えて、曲面部２４ｄの表面が媒体Ｍを支持する搬送ベルト２１の支持面として機能してもよい。

搬送装置２０は、駆動ローラー２３Ａの駆動源である搬送モーター２６を有する。制御部１００によって搬送モーター２６が駆動されることにより、搬送ベルト２１の駆動・停止、駆動中の搬送速度が制御される。

ここで、粘着層２５には、感熱型と感圧型とがある。感熱型の粘着層２５は、温度が増加すると粘着力が増加する性質を有する。感圧型の粘着層２５は、圧力が増加すると粘着力が増加する性質を有する。本例の粘着層２５は、感熱型である。そのため、搬送装置２０は、粘着層２５を加熱する第１加熱部３３および第２加熱部３６を備える。ここで、感圧型の粘着層２５も温度が増加すると粘着力が増加する性質を有する。但し、温度の変化ΔＴに対する粘着力の変化ΔＦの度合いをΔＦ／ΔＴとしたとき、感熱型の粘着層２５のΔＦ／ΔＴは感圧型の粘着層２５のΔＦ／ΔＴより大きい。なお、感圧型の粘着層２５である場合、第１加熱部３３はなくてもよい。

第１加熱部３３は、搬送ベルト２１を媒体Ｍが貼り付けられていない部分で加熱する。第１加熱部３３は、媒体Ｍの粘着層２５への貼り付けが開始される貼付開始位置ＡＰよりも搬送方向Ｙの上流の位置で粘着層２５を加熱する。第１加熱部３３は熱源となるヒーター３３Ａを備える。詳しくは、第１加熱部３３は、洗浄部４０による洗浄後の搬送ベルト２１を媒体Ｍが貼り付けられる貼付開始位置ＡＰまでの区間内の所定位置で搬送ベルト２１の粘着層２５を加熱する。

搬送装置２０は、媒体Ｍを押圧して搬送ベルト２１に貼り付ける押圧部３４を備える。押圧部３４は、媒体Ｍを加圧しながら回転する加圧ローラー３５を備える。第２加熱部３６は、加圧ローラー３５を加熱する。加熱された加圧ローラー３５は、媒体Ｍを押圧するときに媒体Ｍを加熱する。加圧ローラー３５は、媒体Ｍを押圧することで媒体Ｍを搬送ベルト２１の表面２５Ａに貼り付ける。このため、加熱された加圧ローラー３５は媒体Ｍを押圧するときに搬送ベルト２１の表面２５Ａを加熱する。

押圧部３４は、媒体Ｍを粘着層２５に貼り付けるために媒体Ｍを粘着層２５に押し付ける機構である。押圧部３４は、加圧ローラー３５が搬送ベルト２１上に送られた媒体Ｍを加圧しながらＹ軸方向の所定範囲を＋Ｙ方向と－Ｙ方向とに往復移動することで、媒体Ｍを粘着層２５の表面２５Ａに貼り付ける。加圧ローラー３５は、第２加熱部３６により加熱され、粘着層２５を媒体Ｍの上から加熱しながら媒体Ｍを粘着層２５に押圧する。搬送ベルト２１は、加圧ローラー３５から加圧されるときは搬送ベルト２１を挟んで加圧ローラー３５と反対側に位置する支持台１７に支持される。

図２に示すように、印刷部３０は、搬送装置２０の上方に設けられる。印刷部３０は、搬送方向Ｙに搬送される媒体Ｍへの印刷が可能に構成される。印刷部３０は、シリアル印刷方式でもよいし、ライン印刷方式でもよい。印刷部３０は、シリアル印刷方式である場合、吐出部３１と、吐出部３１を幅方向Ｘに沿って往復移動可能に支持するキャリッジ３２とを含む。吐出部３１は、媒体Ｍに対して＋Ｚ方向の位置に配置され、媒体Ｍの被印刷面に液体の一例としてのインクを吐出することで、媒体Ｍに印刷する。吐出部３１は、制御部１００によって制御される。印刷が終わった媒体Ｍは、不図示の巻取装置が媒体Ｍをロール状に巻き取る力により、搬送ベルト２１の曲面部２４ｂから剥離させる。

図２に示すように、搬送装置２０は、搬送ベルト２１を洗浄する洗浄部４０と、搬送ベルト２１から洗浄液等を含む付着物を除去する除去部４４と、洗浄後の搬送ベルト２１を乾燥させる乾燥部３７とを備える。

洗浄部４０は、搬送ベルト２１を下面部２４ｃの部分で洗浄する。洗浄部４０は、下面部２４ｃの＋Ｙ方向の端部に対して－Ｚ方向の位置に配置される。洗浄部４０は、粘着層２５の表面２５Ａに液体の一例である洗浄液を付着させて粘着層２５を洗浄する。洗浄部４０は、制御部１００によって制御される。なお、洗浄部４０の詳細については後述する。

除去部４４は、搬送ベルト２１の表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した付着物を除去するブレード４３を有する。除去部４４は、洗浄部４０よりも周回方向ＣＤの下流側の位置に配置される。

乾燥部３７は、洗浄後の搬送ベルト２１を乾燥させる。乾燥部３７は、洗浄部４０よりも周回方向ＣＤの下流側の位置に配置される。図２に示す例では、乾燥部３７は、洗浄部４０に対して－Ｙ方向に隣接する位置に配置される。乾燥部３７は、例えば、外周面２４に向けて空気を吹き付ける。乾燥部３７は、例えば、温風を吹き付けることで外周面２４（表面２５Ａ）を乾燥させる。

搬送装置２０は、洗浄部４０を昇降させる昇降機構４５を備える。洗浄部４０は、昇降機構４５によって搬送ベルト２１に対してＺ軸方向に昇降可能に構成される。昇降機構４５は、駆動源として、例えば、１つ又は複数（図２の例では複数）の電動アクチュエーター４６を備える。電動アクチュエーター４６のロッドは、洗浄部４０のフレーム４７に固定されている。昇降機構４５は、洗浄部４０を、不使用時にはブラシ４２およびブレード４３が表面２５Ａから下方に離間する退避位置に配置し、使用時にはブラシ４２およびブレード４３が表面２５Ａに接触する清掃位置に配置する。

ブレード４３が粘着層２５から離れる方向を第１方向ＤＳ１、第１方向ＤＳ１とは反対の方向であってブレード４３が粘着層２５に近づく方向を第２方向ＤＳ２とする。昇降機構４５は、ブレード４３を表面２５Ａに対して第１方向ＤＳ１及び第２方向ＤＳ２に移動可能に構成される。洗浄部４０は、不使用時にはブラシ４２およびブレード４３が表面２５Ａから下方に離間する退避位置に配置され、使用時にはブラシ４２およびブレード４３が表面２５Ａに接触する清掃位置に配置される。なお、図２に示す例では、乾燥部３７も洗浄部４０と共に昇降機構４５によって昇降可能に構成される。

制御部１００は、不図示のＣＰＵ（Central Processing Unit）、メモリーを含んで構成される。ＣＰＵは、演算処理装置である。メモリーは、ＣＰＵのプログラムを格納する領域または作業領域等を確保する記憶装置であり、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory）等の記憶素子及びストレージ等を有する。ＣＰＵは、メモリーに格納されているプログラムに従い、印刷装置１１の各部の動作を制御する。すなわち、制御部１００は、搬送ユニット２２、第１加熱部３３、押圧部３４、印刷部３０、洗浄部４０および乾燥部３７等を制御する。

次に、図３を参照して、洗浄部４０の詳細な構成を説明する。図３に示すように、洗浄部４０は、洗浄液Ｑを貯留する貯留槽４１と、ブラシ４２と、ブレード４３を有する除去部４４とを備える。ブラシ４２は、表面２５Ａに接触して洗浄液Ｑを用いて表面２５Ａをブラッシングする清掃動作を行う。除去部４４は、粘着層２５の表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した付着物を除去するブレード４３を有する。ブレード４３は、粘着層２５の表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した洗浄液等の付着物を除去する。

吐出部３１が媒体Ｍに印刷することに伴って、搬送ベルト２１の外周面２４に液体が付着することがある。例えば、媒体Ｍが布帛である場合、裏抜けしたインク等の液体が外周面２４に付着する場合がある。また、媒体Ｍを外周面２４から剥がしたときに布帛の糸屑が外周面２４に残る場合がある。外周面２４に付着したインク等の液体は、媒体Ｍを汚す原因となり、外周面２４に残る糸屑は外周面２４への媒体Ｍの粘着力を低下させる原因となる。洗浄部４０において、外周面２４に付着した液体や媒体基材起因の塵埃を除去するために、搬送ベルト２１の外周面２４がブラシ４２により清掃される。

貯留槽４１は、駆動ローラー２３Ａ及び搬送ベルト２１に対して下方に配置される。貯留槽４１は、上方が開放された箱形状を呈する。貯留槽４１には、外周面２４を洗浄するための洗浄液Ｑが貯留される。貯留槽４１に貯留される洗浄液Ｑは、清掃動作を行うブラシ４２に供給される。

ブラシ４２は、円筒状の軸体４２Ａと、軸体４２Ａの外周面から放射状に延びるブラシ部４２Ｂとを有する。軸体４２Ａは、幅方向Ｘに沿って延びており、その幅方向Ｘの両端部に外側に向かって突出する一対（図３では一方のみ図示）の軸部４２Ｃを有する。貯留槽４１の側壁４１Ｂの一部に回転可能に支持される。ブラシ部４２Ｂの下部は洗浄液Ｑに浸漬されている。

ブラシ部４２Ｂは、搬送ベルト２１の下面部２４ｃと接触可能に構成される。ブラシ４２は、不図示のモーターによって回転されることで、貯留槽４１に貯留された洗浄液Ｑを用いて、搬送ベルト２１の表面２５Ａに付着したインク等の液体や媒体Ｍから発生した糸屑等の塵埃を除去する清掃動作を行う。ブラシ４２によって搬送ベルト２１から除去された液体や糸屑は、貯留槽４１内の洗浄液Ｑに回収される。このように、貯留槽４１内の洗浄液Ｑは、清掃動作に必要な洗浄液Ｑをブラシ４２に供給する機能と、清掃動作によってブラシ４２に付着したインク等の液体や糸屑等の塵埃を洗い落とす機能とを有する。

図３に示すように、ブレード４３を有する除去部４４は、ブラシ４２よりも周回方向ＣＤの下流の位置で貯留槽４１の一部に取り付けられている。ブレード４３は、ブラシ４２による清掃後の表面２５Ａに残留した洗浄液Ｑ等を表面２５Ａから払拭する。ブレード４３は、Ｚ軸方向に対して所定角度で－Ｙ方向に後傾した姿勢でブラケット５４に支持され、表面２５Ａに残留した洗浄液Ｑ等を好適に払拭可能である。

なお、図３に示すように、搬送ベルト２１におけるブレード４３の先端部が接触する部位の内側（＋Ｚ方向側）には、内フレーム１９が設けられる。内フレーム１９は、筐体１２においてＸ軸方向に延びる状態で架設され、搬送ベルト２１を内側から支持する。これにより、搬送ベルト２１がブレード４３からの加圧力に対して抵抗可能となる。

図３に示すように、貯留槽４１は、－Ｙ方向の外壁面に基端部が固定された状態で上方に向かって延出する後壁４１Ａを有する。吹付タイプの乾燥部３７は後壁４１Ａに支持されている。すなわち、乾燥部３７は、洗浄部４０に支持される。乾燥部３７は、例えば、ホース３８を通じて供給される加熱エアを粘着層２５の表面２５Ａに吹き付ける。なお、ブラシ４２が搬送ベルト２１の表面２５Ａを洗浄する位置がブラッシング位置ＢＰである。ブレード４３が表面２５Ａに当接する位置が払拭位置ＷＰである。

図４に示すように、ブラシ４２とブレード４３とは、搬送ベルト２１の幅方向Ｘに亘って設けられる。ブラシ４２のＸ方向の長さは、搬送ベルト２１の表面２５ＡのうちＸ方向に最大幅の媒体Ｍが貼り付けられる領域の幅寸法に比して、少し長い。このため、搬送ベルト２１の表面２５Ａのうち媒体Ｍが貼り付けられる領域の全域がブラシ４２によって清掃される。ブレード４３の幅方向Ｘの長さは、ブラシ４２の幅方向Ｘの長さに比して、少し長い。これにより、ブレード４３は、搬送ベルト２１の表面２５Ａに対して幅方向Ｘにブラシ４２が清掃動作を行う範囲よりも広い範囲を払拭する。ブレード４３は、ブラシ４２が清掃した後に残留する洗浄液Ｑ等を確実に払拭し、洗浄液Ｑの払拭漏れを抑制できる。側壁４１Ｂに対して幅方向Ｘの外側に固定された側板４８は、Ｘ方向から見て、後壁４１Ａを越えて－Ｙ方向に延びる。側板４８のうち－Ｙ方向に延びた部分に図３に示す乾燥部３７が支持される。

図４に示すように、搬送ベルト２１は、搬送方向Ｙと交差する幅方向Ｘにおいて複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割される。つまり、２以上の自然数をＮとするとき、粘着層２５すなわち表面２５Ａが幅方向ＸにおいてＮ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割される。

除去部４４には、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整可能な調整部５６が設けられている。調整部５６は、幅方向Ｘの異なる位置に複数備えられる。調整部５６は、ブレード４３を搬送ベルト２１の表面２５Ａに押し付ける押付け力を調整可能に構成される。調整部５６は、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応する位置に複数設けられている。すなわち、調整部５６は、搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割された各領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応して複数設けられる。調整部５６は、搬送ベルト２１にブレード４３を押し付ける押付力を領域ＢＡ１～ＢＡＮごとに調整可能にＮ個設けられている。Ｎ個の調整部５６は、第１調整部５６１と、第１調整部５６１とは別の第２調整部５６２とを含む。Ｎ個の調整部５６は、第１調整部５６１、第２調整部５６２、…、第Ｎ調整部５６Ｎを含む。

図５に示すように、除去部４４は、ブレード４３を支持するブレードホルダー５１と、ブレードホルダー５１に対してブレード４３を位置決め状態で保持する保持部材５２，５３と、ブレードホルダー５１を支持するブラケット５４とを有する。ブラケット５４は、後壁４１Ａの基端側の一部から＋Ｚ方向に延びる板部材４９に固定されている。ブラケット５４は、中央が所定角度で－Ｙ方向に後傾している。このブラケット５４の後傾した角度によって、ブレード４３は、ブラシ４２による清掃後の下面部２４ｃ（図２参照）に残留した洗浄液Ｑ等を好適に掻き落とすことができる。

次に、図６を参照して、ブレード４３を支持する構成の詳細について説明する。
図面では、ブレードホルダー５１とブラケット５４との接合面に沿う方向をα軸とβ軸で示し、α－β平面に直交する軸をγ軸で示す。α軸、β軸及びγ軸は、互いに直交する。また、α軸とＸ軸とは、略平行である。以下の説明では、α軸に沿う方向を幅方向α、β軸に沿う方向をブレード４３の延出方向でもあることから延出方向β、γ軸に沿う方向を前述の接合面に対して垂直な方向であることから垂直方向γともいう。

図６に示すように、ブラケット５４には、板材を折り曲げることにより、第１部分５４Ａと第２部分５４Ｂとが形成される。第１部分５４Ａは、板部材４９（図５参照）に沿って設けられる。第２部分５４Ｂは、第１部分５４Ａに対して－Ｙ方向に後傾している。除去部４４を構成するブレードホルダー５１は、ブラケット５４の第２部分５４Ｂに対してねじ５７により固定されている。ブレードホルダー５１は、四角筒状のパイプ部材よりなり、その内側は中空になっている。

ブレードホルダー５１の先端部には、ブレード４３を保持する第１保持部材５２と第２保持部材５３とがねじ５８，５９によりそれぞれ固定されている。ブレード４３は、Ｘ軸方向から見た図６において、垂直方向γに延びる基部４３Ａと、基部４３Ａの中央から延出方向βに延びるブレード部４３Ｂとを有する。ブレード４３は、基部４３Ａの底面がブレードホルダー５１の延出方向β側の表面に接触する状態でブレードホルダー５１に載置されている。第１保持部材５２は、その先端部がブレード４３の基部４３Ａに当接することで、ブレード４３の延出方向βのずれを抑える。第２保持部材５３は、その先端部がブレード４３の基部４３Ａ寄りの側面に当接することで、ブレード４３の垂直方向γ（特に－γ方向）のずれを抑える。つまり、第２保持部材５３は、ブレード４３が搬送ベルト２１の周回方向ＣＤへの回転時に粘着層２５から受ける力によるブレード４３のずれを抑える。こうして、ブレード４３は、延出方向βと－γ方向のずれが抑えられた状態で、所定の角度で後傾した姿勢に保持されている。

図６に示すように、調整部５６は、搬送ベルト２１に対してブレード４３の位置を延出方向βに調整可能に構成される。調整部５６は、ブレードホルダー５１をブラケット５４に対して固定するためのねじ５７と、ねじ５７の軸部５７Ａを挿通可能にブレードホルダー５１に形成された長孔５１Ｂと、ねじ５７の軸部５７Ａが螺着可能にブラケット５４に形成されたねじ孔５４Ｃとを有する。長孔５１Ｂは、幅方向αの寸法が軸部５７Ａの外径よりも若干大きく、この幅方向αの寸法よりも延出方向βの寸法が長い孔形状を有している。このため、軸部５７Ａが長孔５１Ｂに挿通される位置を長孔５１Ｂの延出方向βの範囲内で位置調整されることで、ブレードホルダー５１がブラケット５４に固定される位置を延出方向βに調整可能である。このブレードホルダー５１の延出方向βへの位置調整によって、搬送ベルト２１に対するブレード４３の位置を延出方向βに調整することが可能である。ブレードホルダー５１には、調整部５６と対応する位置に操作用の穴５１Ａが形成されている。操作用の穴５１Ａは、ブレードホルダー５１における垂直方向γに調整部５６と対応する位置を含む所定の領域を開口する。ユーザーは、操作用の穴５１Ａを介してドライバーまたはレンチ等の工具を挿入することで、工具によりねじ５７を操作する。

本実施形態の搬送装置２０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力又はこの力の変化を検出する図６に示す検出部６０，７０を備える。本例では、検出部として、第１検出部６０と第２検出部７０との２種類が備えられる。第１検出部６０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力を検出する。

第１検出部６０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力を荷重として検出する。すなわち、第１検出部６０は、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａを押し付ける押付け力の反力として搬送ベルト２１から受ける荷重（力）を検出する。第１検出部６０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける荷重を検出可能な位置に設けられている。

図６に示す例では、第１検出部６０は、ブレードホルダー５１の上面とブレード４３の基部４３Ａの底面との間に挟まれた位置に設けられている。第１検出部６０は、搬送ベルト２１からの反力によってブレード４３の基部４３Ａの底面に作用する荷重を検出する。第１検出部６０は、ブレード４３とブレードホルダー５１との間に挟まれた状態にあるので、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける荷重を高い感度で検出可能である。そのうえ、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａから除去された洗浄液Ｑや塵埃（繊維屑等）などの除去物が第１検出部６０に付着することが抑制される。

第１検出部６０は、例えば、圧力センサーである。第１検出部６０は、圧力センサーに限定されず、歪みセンサーなどその他の荷重を検出可能なセンサーであってもよい。
第２検出部７０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力の変化を検出する。本例の第２検出部７０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力の変化として、搬送ベルト２１が搬送方向Ｙに動く際に生じるブレード４３の振動を検出する。詳しくは、第２検出部７０は、搬送ベルト２１が媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送する周回方向ＣＤに回転する際に粘着層２５と当接するブレード４３に生じるブレード４３の振動を検出する。第２検出部７０は、例えば、ブレードホルダー５１に取り付けられている。図６に示す例では、第２検出部７０は、ブレードホルダー５１の内部に取り付けられており、ブレードホルダー５１に伝播した振動を検出する。第２検出部７０は、例えば、加速度センサーまたはジャイロセンサー（角速度センサー）である。なお、第２検出部７０は、加速度センサー等のセンサーに限定されず、ブレード４３の振動を検出可能なその他のセンサーであってもよい。また、第２検出部７０は、ブレード４３に取り付けられてもよいし、ブラケット５４に取り付けられてもよい。

図６に示すように、検出部６０，７０は、ブレード４３を有する除去部４４に取り付けられている。第２検出部７０が、除去部４４に設けられることで、ブレード４３の振動をさほど減衰しない位置で検出することが可能である。図６に示す例では、第２検出部７０は、ブレードホルダー５１に取り付けられている。ブレードホルダー５１は、ブレード４３を支持する筒状の板材である。そして、第２検出部７０は、ブレードホルダー５１の内側（筒内）に取り付けられている。このため、第２検出部７０は、ブレード４３の振動を高い感度で検出可能である。そのうえ、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａから除去された塵埃などの除去物により第２検出部７０が汚れることが抑制される。

また、図６に示すように、除去部４４には、発光部８０が設けられている。発光部８０は、除去部４４において調整部５６を操作するユーザーから見える位置に取り付けられている。図６に示す例では、発光部８０は、除去部４４を構成する第１保持部材５２の＋γ方向を向く面に取り付けられている。なお、発光部８０は、ブレードホルダー５１の＋γ方向を向く外面における穴５１Ａを避けた位置に取り付けられてもよい。

＜除去部４４および検出部６０，７０の構成＞
次に、図７、図８を参照して、除去部４４に取り付けられる検出部６０の取付構造の例を説明する。検出部６０が除去部４４に取り付けられる取付構造を以下に幾つか例示する。

図７は、除去部４４を搬送方向Ｙから見た断面を示す。図７に二点鎖線で示すように、搬送ベルト２１は、搬送方向Ｙと交差する幅方向Ｘにおいて複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割される。図７に示す例では、搬送ベルト２１を幅方向ＸにおいてＮ個（但し、Ｎは２以上の自然数）の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割されている。つまり、搬送ベルト２１の粘着層２５は、幅方向ＸにおいてＮ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割される。検出部６０，７０は、搬送ベルト２１が幅方向Ｘに複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに分割された各領域に対応して設けられている。

除去部４４には、ブレード４３の振動を検出するＮ個の第２検出部７０が、Ｎ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮと対応する位置に設けられている。すなわち、除去部４４には、搬送ベルト２１からブレード４３が受ける荷重を検出するＮ個の検出部６０がＮ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮと対応する位置に設けられている。第１検出部６０は、第１検出部６１と、第１検出部６１とは別の第１検出部６２とを含む複数個（Ｎ個）設けられている。第１検出部６０がＮ個である場合、Ｎ個の第１検出部６０は、第１検出部６１、第１検出部６２、…、第１検出部６Ｎとを含む。なお、Ｎ個の検出部６０が全て、Ｎ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮと対応する位置に設けられていなくてもよい。例えば、Ｎ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち、第１検出部６０が設けられていない領域が存在してもよい。

図７に示すように、除去部４４には、搬送ベルト２１からブレード４３に伝播される振動を検出する第２検出部７０が設けられている。第２検出部７０は、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応する位置に複数設けられている。すなわち、除去部４４には、ブレード４３の荷重をＮ個の領域ＢＡ１～ＢＡＮ別に検出するＮ個の第２検出部７０が設けられている。第２検出部７０は、第２検出部７１と、第２検出部７１とは別の第２検出部７２とを含む複数個（Ｎ個）設けられている。第２検出部７０がＮ個である場合、Ｎ個の第２検出部７０は、第２検出部７１、第２検出部７２、…、第Ｎ検出部７Ｎを含む。

制御部１００は、検出部６０，７０の検出結果に基づいてブレード４３の調整または搬送ベルト２１の異常に関する判定を行う。制御部１００は、検出部６０，７０の検出結果に基づいてブレード４３の調整されるべき領域または搬送ベルト２１の異常な領域があるか否かを判定する。そして、制御部１００は、この判定結果に基づいて表示部１４に複数の領域のうち調整されるべき領域または異常な領域を表示させる。本例では、制御部１００は、検出部６０，７０の検出結果に基づいてブレード４３の調整されるべき領域と、搬送ベルト２１の異常な領域との両方について該当する領域があるか否かを判定する。そして、制御部１００は、この判定結果に基づいて表示部１４に複数の領域のうちブレード４３が調整されるべき領域および搬送ベルト２１が異常な領域の両方を個別に表示させる。

詳しくは、制御部１００は、複数の第１検出部６１，６２，…，６Ｎによる複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの荷重検出結果に基づいて、ブレード４３の押付け力の過不足の領域を示す情報を表示部１４に表示させる。また、制御部１００は、複数の第２検出部７０による複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの振動検出結果に基づいて、粘着層２５の劣化または劣化度を領域ごとに示す情報を表示部１４に表示させる。

除去部４４には、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮの各領域に対応する部分に発光部８０が設けられている。制御部１００（図２、図９を参照）は、複数の検出部６０，７０による複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮの各領域における検出結果に基づく判定結果により、ブレード４３が調整されるべき領域または搬送ベルト２１が異常な領域に対応する発光部８０を点灯または点滅させる。ユーザーは、発光部８０の点灯または点滅によって、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうちブレード４３の調整されるべき領域または搬送ベルト２１の異常な領域（例えば、劣化度の高い領域）を、ユーザーに報知することが可能である。

除去部４４には、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮの各領域に対応する各位置に領域ＢＡ１～ＢＡＮを判別可能な複数のマーク９０が設けられている。本例では、複数のマーク９０は、ブレード４３の各領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応する部分に設けられている。複数のマーク９０は、それぞれ内容の違いによって複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうちマーク９０と対応する領域を判別可能である。図７、図８に示す例では、マーク９０は、例えば、番号である。マーク９０は、番号に限らず、アルファベットでもよいし、その他、領域を識別できる内容であればよい。

複数の第１検出部６１～６Ｎの検出結果に基づいて制御部１００によってブレード４３の調整すべき領域があるか否かが判定される。ブレード４３の調整すべき領域がある場合、発光部８０の点灯または点滅と、表示部１４に表示される該当する領域のマーク９０の情報とにより、ブレード４３の調整すべき領域がユーザーに報知される。また、複数の第２検出部７１～７Ｎの検出結果に基づいて制御部１００によって搬送ベルト２１の劣化度合の高い異常な領域があるか否かが判定される。搬送ベルト２１の劣化度合の高い異常な領域がある場合、発光部８０の点灯または点滅と、表示部１４に表示される該当する領域のマーク９０の情報とにより、異常な領域がユーザーに報知される。

このため、ユーザーは、表示部１４に表示されたマーク９０に関する情報から、ブレード４３の調整すべき領域または搬送ベルト２１の劣化度合の高い領域である異常な領域がどの領域であるかを知ることができる。そして、除去部４４において、報知されたマーク９０と同じ内容のマーク９０がある位置、あるいは発光部８０が点灯または点滅する位置によって、ユーザーはブレード４３の調整すべき領域または搬送ベルト２１の劣化度合の高い領域である異常な領域を特定することが可能である。

例えば、図８に示すように、ブレード４３が幅方向Ｘの両端部で高さが異なり傾く姿勢で取り付けられていると、ブレード４３が幅方向Ｘの一端寄り（図８では左端寄り）の部分で粘着層２５に対して過度に強く当たる片当たりが発生する。この種の片当たりがあると、粘着層２５のうちブレード４３が過度に強く当たる領域が早期に劣化する。例えば、図８において、ブレード４３の左端側の２つの領域ＢＡ１，ＢＡ２が、ブレード４３が搬送ベルト２１に過度に対して強く当たっている。この場合、表示部１４にマーク９０の内容である例えば番号が表示されるとともに、図８における２つの領域ＢＡ１，ＢＡ２に対応する２つの発光部８１，８２が点灯または点滅する。これにより、ユーザーは、複数の領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮのうちからブレード４３の調整すべき領域または搬送ベルト２１の劣化度合の高い領域である異常な領域を比較的簡単に特定可能である。

＜印刷装置１１の電気的構成＞
次に、図９を参照して、印刷装置１１の電気的構成について説明する。
図９に示すように、制御部１００には、印刷部３０、給送部１８及び搬送装置２０の構成要素が電気的に接続されている。搬送装置２０の構成要素は、図９に示すように、搬送ユニット２２、押圧部３４、洗浄部４０、第１加熱部３３および第２加熱部３６である。制御部１００と電気的に接続される制御対象は、以下のとおりである。

制御対象は、印刷部３０を構成する吐出部３１、給送部１８の駆動源である給送モーター（図示略）である。印刷部３０がシリアル印刷方式である場合は、さらにキャリッジ３２の駆動源であるキャリッジモーター（図示略）が制御対象である。

また、制御対象には、搬送ユニット２２の駆動源である搬送モーター２６、押圧部３４の駆動源（例えばモーター）、洗浄部４０を構成するブラシ４２の駆動源である例えばモーター（図示略）がある。さらに、制御対象には、第１加熱部３３を構成するヒーター３３Ａ、第２加熱部３６を構成するヒーター（図示略）および昇降機構４５の駆動源である電動アクチュエーター４６がある。なお、昇降機構４５は、昇降駆動されることによって、ブレード４３の鉛直方向Ｚの位置調整が可能である。昇降機構４５は、幅方向Ｘに異なる二以上の位置に電動アクチュエーター４６を備える。例えば、電動アクチュエーター４６がブレード４３の鉛直方向Ｚにおける位置調整に用いられてもよい。電動アクチュエーター４６が操作式の調整部５６とともに調整部の一部を構成してもよいし、電動アクチュエーター４６を有する電動式の調整部が、操作式の調整部５６の替わりに用いられてもよい。

また、制御部１００には、操作部１３と表示部１４とが電気的に接続されている。表示部１４がタッチパネルである場合は、その操作機能が操作部１３を兼ねてもよい。制御部１００は、ユーザーが操作した操作部１３からの操作信号を入力する。また、表示部１４は、情報を表示することによって報知する報知機能を有する。制御部１００は、報知する情報を表示部１４に表示させる。制御部１００は、ブレード４３の調整すべき領域や搬送ベルト２１の劣化度合の高い領域など異常な領域の情報、および調整量の情報等を表示部１４に表示させる。また、制御部１００は、表示部１４にメニュー画面や印刷進捗状況等の情報も表示させる。

制御部１００には、搬送モーター２６または駆動ローラー２３Ａの回転を検出するエンコーダー２７が電気的に接続されている。エンコーダー２７は、搬送モーター２６または駆動ローラー２３Ａの回転量に比例する数のパルスを含む検出信号を出力する。

また、制御部１００には、除去部４４に設けられた検出部６０，７０が電気的に接続されている。詳しくは、制御部１００には、Ｎ個の第１検出部６０（６１，６２，…，６Ｎ）と、Ｎ個の第２検出部７０（７１，７２，…，７Ｎ）とが電気的に接続されている。

第１検出部６０は、例えば、圧力センサーまたは歪みセンサー等である。第２検出部７０は、例えば、加速度センサーまたはジャイロセンサー（角速度センサー）等である。ここで、加速度センサーは、周波数変化式、圧電式、ピエゾ抵抗式、静電容量式のいずれの方式でもよい。また、ジャイロセンサーは、例えば、振動ジャイロセンサーでもよい。振動ジャイロセンサーは、圧電振動子と水晶振動子のどちらを用いたものでもよい。

さらに、制御部１００には、除去部４４に設けられた例えばＮ個の発光部８０（８１，８２，…，８Ｎ）が電気的に接続されている。制御部１００は、第１検出部６０および第２検出部７０の各検出結果に基づき搬送ベルト２１が異常な領域があるか否かを判定する。制御部１００は、判定結果に基づいて異常な領域があれば、複数の発光部８０のうち異常な領域に対応する発光部８０を点灯または点滅させる。発光部８０は、例えば、ＬＥＤよりなる。発光部８０は、発光色の異なる複数のＬＥＤを有する構成でもよい。この場合、報知する異常の種類によって発光部８０の発光色を変更してもよい。例えば、ブレード４３の荷重に過不足による調整すべき領域がある場合と、搬送ベルト２１の劣化度合が高い領域がある場合とで、発光部８０の発光色を異ならせてもよい。

制御部１００は、コンピューター１１０を備える。コンピューター１１０は、位置測定部１１１、演算部１１２および記憶部１１３を備える。位置測定部１１１は、搬送ベルト２１が１回転する間の位置であるベルト回転位置を測定する。すなわち、位置測定部１１１は、搬送ベルト２１が１回転するうちの所定の位置を基準位置とした場合、その基準位置を通過する搬送ベルト２１上の位置が１回転のうちのどの位置にあるかを示すベルト回転位置を測定する。本例では、第１検出部６０がブレード４３の荷重を検出する荷重検出動作を開始したときの位置を基準位置とする。また、第２検出部７０がブレード４３の振動を検出する振動検出動作を開始したときの位置を基準位置とする。第１検出部６０が荷重検出動作を開始するときの基準位置と、第２検出部７０が振動検出動作を開始するときの基準位置とが、同じ位置（ベルト回転位置）であってもよい。位置測定部１１１は、検出部６０，７０が検出動作を開始した時の搬送ベルト２１の位置である基準位置を原点として搬送ベルト２１が１回転する間の搬送ベルト２１の位置をベルト回転位置として測定する。

詳しくは、位置測定部１１１は、エンコーダー２７から入力する検出信号の例えばパルスエッジの数を計数するカウンターを備える。制御部１００は、検出部６０，７０が検出動作を開始するときにカウンターの計数値をリセットする。そして、制御部１００は、検出動作を開始するときにブレード４３と払拭位置ＷＰで当接する搬送ベルト２１上の位置（ベルト回転位置）を原点としてカウンターの計数を開始させる。

制御部１００は、第１検出部６０が検出したブレード４３の荷重検出結果を搬送ベルト２１が１回転する期間において取得する。つまり、搬送ベルト２１の１周分のブレード４３の押付け力の領域ＢＡ１～ＢＡＮ間の過不足を検査できるように搬送ベルト２１の１周分のブレード４３の荷重検出結果を取得する。また、制御部１００は、第２検出部７０が検出したブレード４３の振動検出結果を搬送ベルト２１が１回転する期間において取得する。つまり、搬送ベルト２１の１周分の粘着層２５の劣化度合を検査できるように搬送ベルト２１の１周分のブレード４３の振動検出結果を取得する。

図９に示すように、記憶部１１３には、プログラムＰＲが記憶されている。プログラムＰＲには、図１５にフローチャートで示されるプログラムが少なくとも含まれる。制御部１００内のコンピューター１１０は、プログラムＰＲを実行することで、図１５に示されるベルト検査処理を実行する。

記憶部１１３には、ベルト検査処理において制御部１００がブレード４３の調整すべき領域があるか否かを判定するために用いる第１閾値データＳＤ１が記憶されている。また、記憶部１１３には、ベルト検査処理において制御部１００が第１検出部６０にブレード４３が受ける荷重を測定させた荷重測定データＰＭを記憶するための記憶領域がある。第１閾値データＳＤ１には、ブレード４３の荷重を調整しなくてもよい適正な範囲の上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌとが含まれる。例えば、上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌとが、第１加熱部３３が粘着層２５を加熱する加熱温度に対応付けて加熱温度ごとに設定されてもよい。

演算部１１２は、第１検出部６０の検出値に基づいてブレード４３の荷重を算出する。そして、制御部１００は、その荷重と、その時の加熱温度に対応する上限閾値ＳＤ１Ｕおよび下限閾値ＳＤ１Ｌの各々と値を比較する。制御部１００は、その荷重がその時の上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌとの間の適正範囲から外れると、そのときの荷重を検出した第１検出部６０と対応する領域がブレード４３の調整すべき領域であると判定する。さらに、制御部１００は、検出された荷重の値が上限閾値ＳＤ１Ｕを超えた場合は、そのときの荷重値が上限閾値ＳＤ１Ｕを超えた量に基づいて押付力を小さくする方向（－方向）への調整量を取得する。また、制御部１００は、検出された荷重の値が下限閾値ＳＤ１Ｌを下回った場合は、そのときの荷重値が下限閾値ＳＤ１Ｌを下回った量に基づいて押付力を大きくする方向（＋方向）への調整量を取得する。

また、記憶部１１３には、ベルト検査処理において、制御部１００が、搬送ベルト２１が異常な領域があるか否かを判定するために用いる第２閾値データＳＤ２が記憶されている。また、記憶部１１３には、ベルト検査処理において制御部１００が第２検出部７０にブレード４３が受ける振動を測定させた振動測定データＶＭを記憶するための記憶領域がある。

第２閾値データＳＤ２には、第１加熱部３３が粘着層２５を加熱する加熱温度ごとに各加熱温度に対応付けた複数の閾値ＳＨ１，ＳＨ２，…，ＳＨＮが設定されている。演算部１１２は、第２検出部７０がブレード４３の振動を検出した振動検出結果（振動検出値）に基づいて振動強度を算出する。そして、制御部１００は、その振動強度とその時の加熱温度に対応する閾値ＳＨｋ（但し、添字ｋはＮ以下の自然数）とを比較することで粘着層２５が劣化したか否かを判定する。また、演算部１１２は、その振動強度とその時の加熱温度に対応する閾値ＳＨｋとの比率に基づいて粘着層２５の劣化度合を算出する。制御部１００は、粘着層２５の劣化度合を領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとに取得する。制御部１００は、劣化度合が、その時の加熱温度に対応する閾値ＳＨｋを下回る領域があると、粘着層２５のその領域の部分が劣化したと判定する。このように、制御部１００は、第２検出部７０の検出結果に基づいて粘着層２５の劣化に関する判定と領域ごとの劣化度合の取得とを行う。なお、ここで、振動強度とは、振幅に限らず、粘着層２５の劣化の判定に使用可能な物理量であってかつ第２検出部７０の検出結果から算出可能な物理量である。第２検出部７０の種類に応じて適宜な物理量を採用してもよい。

制御部１００は、検出部６０，７０の検出結果に基づいて搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち異常な領域があると判定すると、表示部１４に搬送ベルト２１が異常な領域を示す情報を表示させる。例えば、制御部１００は、搬送ベルト２１が異常な領域に対応するマーク９０の情報を表示部１４に表示させる。また、制御部１００は、搬送ベルト２１が異常な領域に対応する調整部５６による調整量を表示部１４に表示させる。制御部１００は、第１検出部６０の検出結果に基づいて荷重が過不足する領域を搬送ベルト２１が異常な領域として特定するとともに領域ごとの過不足する量または過不足を減らす量を特定し、特定した領域および量を示す情報を表示部１４に表示する。制御部１００は、搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域があると判定すると、複数の調整部５６のうち搬送ベルト２１が異常な領域に対応する調整部５６を特定して調整部５６による調整を促す情報を表示部１４に表示させる。また、制御部１００は、複数の発光部８０のうち搬送ベルト２１が異常な領域に対応する発光部８０を点灯又は点滅させる。

＜第１検出部６０の荷重測定について＞
第１検出部６０として圧力センサーを用いた例で荷重測定について説明する。圧力センサーは、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける圧力を検出し、検出した圧力の値に応じた電圧値の検出信号を出力する。制御部１００は、第１検出部６０から入力した検出信号に基づく圧力を荷重として検出する。ここで、第１検出部６０が検出する圧力は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける単位面積当たりの荷重に相当する。このため、演算部１１２は、検出された圧力値を単位面積当たりの荷重とするか、検出された圧力値にブレード４３の荷重を受ける部分の所定面積を乗算することでブレード４３の荷重を算出する。制御部１００は、第１検出部６０から入力した検出信号に基づいて搬送ベルト２１が１回転する間の荷重を測定する。

図１０は、搬送ベルト２１が１回転する間に測定されたブレード４３の荷重を模式的に示すグラフである。横軸はベルト回転位置ｙ、縦軸は荷重である。ベルト回転位置ｙは、「０」が検出動作を開始したときに払拭位置ＷＰにある搬送ベルト２１上の位置である原点である。ベルト回転位置ＹＬは、搬送ベルト２１の原点が１周して再び払拭位置ＷＰに達した時のベルト回転位置に相当する。

図１０のグラフから分かるように、搬送ベルト２１が１回転する間にブレード４３が受ける荷重は変動する。ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａを押し付ける押付け力が大きいほど、ブレード４３が受ける荷重が大きくなる。換言すれば、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａを押し付ける押付け力が大きい位置では荷重が大きくなり、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａを押し付ける押付け力が小さい位置では荷重が小さくなる。図１０に示す例では、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとのグラフ線Ｌ１，Ｌ２，…，ＬＮから分かるように、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮによって荷重の値に過不足がある。なお、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの荷重を平均した荷重平均値Ａｖｂに対して領域ＢＡ１，ＢＡ２の荷重が比較大きく逸脱している。すなわち、図１０に示す例では、領域ＢＡ１，ＢＡ２の荷重の検出値が、荷重平均値Ａｖｂに対して過多である。なお、荷重平均値Ａｖｂは、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮそれぞれにおいて満たされるべき荷重の目標値の一例である。荷重の目標値として、荷重平均値Ａｖｂの代わりに、予め実験や評価などによって定められた値が用いられてもよい。荷重平均値Ａｖｂが２０Ｎとすると、例えば、領域ＢＡ１の荷重が２５Ｎの場合＋５Ｎ分過多であるため、制御部１００は、特定した領域として領域ＢＡ１を、過不足する量を示す情報として＋５Ｎを、表示部１４に表示する。または、この場合の過不足を減らす量は－５Ｎであるため、制御部１００は、特定した領域として領域ＢＡ１を、過不足を減らす量を示す情報として－５Ｎを、表示部１４に表示する。制御部１００は、領域ＢＡ１以外の領域に対しても、同様の制御を行う。このように、制御部１００は、過不足する量または過不足を減らす量を、荷重平均値Ａｖｂと、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの荷重の検出値との差を算出することにより、特定する。制御部１００は、過不足する量または過不足を減らす量を数値ではなく、荷重と対応する符号（アルファベットやレベル）を表示部１４に表示してもよい。

図１１は、図１０に示す搬送ベルト２１が１回転する間に測定されたブレード４３の荷重から、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとに１回転当たりの荷重の平均値を算出してグラフにしたものである。このグラフにおける領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとのグラフ線ＬＡ１～ＬＡＮから分かるように、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの平均荷重は搬送ベルト２１の幅方向Ｘの位置によって異なっている。図１１に示す例では、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮによって平均荷重の値に過不足がある。図１１には、荷重平均値Ａｖｂを挟むように閾値データＳＤ１の上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌが、一点鎖線により示されている。図１１に示す例では、２つの領域ＢＡ１，ＢＡ２の平均荷重が上限閾値ＳＤ１Ｕを超えている。平均荷重が下限閾値ＳＤ１Ｌを下回る領域はない。

図１２は、制御部１００が、調整部５６により調整した後に領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの荷重を再測定した結果を示すグラフである。制御部１００は、ユーザーから操作部１３を操作して調整部５６による調整を終えた旨の入力を受け付けると、検出動作を行って領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの荷重を再測定する。再測定の結果、図１２に示すように、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの平均荷重がすべて上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌとの間の適正範囲に収まる。すると、制御部１００は、ブレード４３の押付け力が領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ間で過不足、すなわち、ばらつきが低減された正常な状態に調整されたものと判断する。すなわち、複数の領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮにおいて、荷重の検出値（第１検出部６０の検出結果）と荷重の目標値との差が適正範囲に収まる。

＜第２検出部７０の振動測定について＞
次に、図１３、図１４を参照して、第２検出部７０として加速度センサーを用いた例で振動測定について説明する。加速度センサーは、振動の加速度を検出し、検出した加速度の値に応じた電圧値の検出信号を出力する。制御部１００は、第２検出部７０から入力した検出信号に基づいて搬送ベルト２１が１回転する間の振動加速度を測定する。

図１３は、搬送ベルト２１が１回転する間に測定された搬送ベルト２１の振動加速度を模式的に示すグラフである。横軸はベルト回転位置ｙ、縦軸は振動強度Ａｖである。第２検出部７０として加速度センサーを用いた本例では、振動強度Ａｖは振動加速度である。図１３のグラフから分かるように、搬送ベルト２１が１回転する間に大きな振動強度Ａｖのピークが多数発生している。ブレード４３と粘着層２５との摩擦力が大きいほど、振動加速度のピークが大きくなる傾向がある。粘着層２５が交換直後で新しいうちは粘着力が高いので、ブレード４３と粘着層２５との摩擦力が大きい。粘着層２５の交換（例えば、粘着剤の塗布）から時間が経過するに従って徐々に粘着層２５の粘着力が低下する。粘着層２５の粘着力が大きいと、ブレード４３が粘着層２５の粘着力によって周回方向ＣＤに引っ張られ、その引っ張られたブレード４３が粘着層２５から剥がれるまで周回方向ＣＤへ変位する変位量Δｙが多くなる。引っ張られたブレード４３が粘着層２５から剥がれることで、ブレード４３の振動が発生する。このブレード４３が粘着層２５から剥がれるまでの変位量Δｙが大きいほど、ブレード４３の復元力Ｆｂが大きくなる。つまり、ブレード４３が粘着層２５から剥がれるまでの変位量Δｙが大きいほど、振動加速度Ａｖの絶対値｜Ａｖ｜が大きくなる。なお、「｜｜」は、絶対値を示す記号である。

制御部１００は、搬送ベルト２１の１周分の平均振動強度Ａｖａを算出する。本例では、制御部１００は、１周分の振動加速度の測定データＶＭを取得すると、演算部１１２により、振動加速度の絶対値の１周分の平均である平均振動加速度Ａａｖを算出する。この平均振動加速度Ａａｖを平均振動強度Ａｖａとして用いる。制御部１００は、平均振動強度Ａｖａと、閾値データＳＤ２の閾値ＳＨとを比較することで、粘着層２５が劣化しているか否かを判定する。なお、振動加速度を用いる場合、振動時は必ず正負両方の加速度が発生するので、振動加速度の平均値を算出する際に正の振動加速度と負の振動加速度が相殺されないように、振動加速度の絶対値を用いている。

粘着層２５の劣化を判定する方法の一例として、平均振動強度Ａｖａに平均振動加速度Ａａｖを用いる方法を示したが、これに限定されず適宜な判定方法を採用できる。例えば、パワースペクトル密度（Power Spectral Density：以下、ＰＳＤともいう。）を用いて粘着層２５が劣化したか否かを判定してもよい。また、加速度スペクトル密度（Acceleration Spectral Density：以下、ＡＳＤともいう。）を用いて粘着層２５が劣化したか否かを判定してもよい。さらに、パワースペクトル（ＰＳ：Power Spectral）またはエネルギースペクトル密度（ＥＳＤ：Energy Spectral Density）等を用いてもよい。また、検出部６０がジャイロセンサーである場合も、同様に、角速度ωや平均角速度、その他、振動を評価できる判定方法を適宜採用できる。

制御部１００は、粘着層２５が劣化したと判定した場合、粘着層２５が劣化したことを示す情報を報知部の一例である表示部１４に表示させることでその旨をユーザーに報知する。

図１４は、粘着層２５が時間経過とともに劣化する様子を示すグラフである。横軸が、粘着層２５の交換時点から経過した時間ｔ、縦軸が平均振動強度Ａｖａである。図１４は、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの平均振動強度Ａｖａを示す曲線のうち、１つの領域における曲線ＤＣを示す。振動強度が振動加速度である例では、平均振動強度Ａｖａは平均振動加速度Ａａｖである。ここで、粘着層２５を交換した時の初期の平均振動強度Ａ０は、第２閾値データＳＤ２に基づく閾値ＳＨよりも十分高い。印刷装置１１で印刷が行われて時間ｔが経過するに連れて、平均振動強度Ａｖａが徐々に低下し曲線ＤＣを描く。そして、制御部１００は、平均振動強度Ａｖａが閾値ＳＨ未満になると、粘着層２５が劣化したと判定する。なお、第２閾値データＳＤ２には、加熱温度に応じた複数の閾値ＳＨ１，ＳＨ２，…，ＳＨＮが用意されており、そのときの加熱温度に応じた１つの閾値ＳＨｋ（但し、ｋは、Ｎ以下の自然数）が選択されて使用される。

また、制御部１００は、平均振動強度Ａｖａが閾値ＳＨ未満になる前において、演算部１１２に、平均振動強度Ａｖａに基づいて粘着層２５の劣化度合を算出させる。演算部１１２は、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの平均振動強度Ａｖａから領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮごとの劣化度合を算出する。制御部１００は、領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ間で劣化度合の過不足がある場合、劣化度合が許容範囲から逸脱する領域を異常な領域として判定する。制御部１００は、異常な領域を特定すると、演算部１１２に、異常な領域ごとの劣化度合、および領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ間で平均した平均劣化度合に対する異常な領域の劣化度合の逸脱した量を算出させる。

＜実施形態の作用＞
次に、本実施形態の搬送装置２０および印刷装置１１の作用について説明する。
ユーザーは、操作部１３を操作して搬送ベルト２１の粘着層２５の検査を実行させる。あるいは、印刷装置１１の電源投入後、所定時期に粘着層２５の検査が制御部１００によって実行されてもよい。この検査は、媒体Ｍを搬送ベルト２１にセットする前に行ってもよいし、セットした後に行ってもよい。検査は、加熱部３３，３６によって搬送ベルト２１が加熱される前でもよいし、加熱途中でもよいし、搬送ベルト２１が目標温度に加熱された後に行われてもよい。

例えば、印刷装置１１の電源投入後の印刷開始前に搬送ベルト２１を回転させて粘着層２５の劣化に関する検査を行ってもよい。また、印刷終了後に次の印刷がなければ搬送ベルト２１を１回転以上させて検査を行ってもよい。また、印刷中に検査を行ってもよい。この場合、印刷中においては常時検査してもよいし、定期的または不定期に検査を行ってもよい。

以下では、少なくとも印刷中に検査を行う例で説明する。なお、感熱型の粘着層２５である場合、加熱状況下で必要な粘着力が得られるかどうかが重要になる。また、感熱型の粘着層２５は、加熱温度に応じて粘着層２５の粘着力が変化する。このため、印刷中以外のときに検査を行う場合は、媒体Ｍの種類によらず一定の加熱温度の下で検査を行うようにしてもよい。一方、印刷中の場合は、加熱温度は媒体Ｍの種類に応じて異なるので、印刷中の媒体Ｍの種類に応じた加熱温度で粘着層２５を加熱することになる。

制御部１００は、印刷対象の媒体Ｍの種類の情報に基づいて加熱部３３，３６によって粘着層２５を加熱する加熱温度を決定する。この加熱温度はユーザーにより操作部１３を操作して変更される場合もある。制御部１００は、検査を行う際は、実際に採用される加熱温度に応じた閾値ＳＨを記憶部１１３から読み出して使用する。

制御部１００は、印刷の指示を受け付けたとき、あるいはユーザーが操作部１３を操作して検査の指示を受け付けたとき、図１５に示すベルト検査処理を実行する。以下、図７～図１７等を参照しつつベルト検査処理について説明する。ベルト検査処理を実行する際、例えば、加熱部３３，３６によって粘着層２５は所定温度に加熱された状態にあり、搬送ベルト２１は周回方向ＣＤに回転する状態にある。

制御部１００は、粘着層２５の温度が目標加熱温度まで上昇すると、図１５に示すベルト検査処理を実行する。
まず、ステップＳ１１において、制御部１００は、粘着層２５を幅方向Ｘに分割した領域ＢＡ１～ＢＡＮごとに搬送ベルト２１が１回転する間のブレード４３の荷重および振動を検出する。詳しくは、制御部１００は、位置測定部１１１が測定するベルト回転位置に基づいて搬送ベルト２１が１回転し終わるまで、第１検出部６０にブレード４３が受ける荷重を検出させるとともに、第２検出部７０にブレード４３の振動を検出させる。複数の第１検出部６１～６Ｎは、搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮごとにブレード４３が受ける荷重を検出する。また、複数の第２検出部７１～７Ｎは、搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮごとにブレード４３の振動を検出する。制御部１００は、搬送ベルト１回転分のブレード４３の荷重検出結果とブレード４３の振動検出結果とを領域ＢＡ１～ＢＡＮごとに取得する。例えば、図１０のグラフに示す搬送ベルト１回転分の荷重値が領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ別に取得される。また、図１３のグラフに示す搬送ベルト１回転分の振動強度が領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ別に取得される。なお、第２検出部７０（７１～７Ｎ）が加速度センサーである場合、振動強度は、振動加速度でもよいし、振幅でもよい。また、第２検出部７０がジャイロセンサーである場合、振動強度は、振動角速度または振動角加速度でもよいし、平均振幅でもよい。また、振動強度として、例えば、パワースペクトル密度（ＰＳＤ）、加速度スペクトル密度（ＡＳＤ）、パワースペクトル（ＰＳ）またはエネルギースペクトル密度（ＥＳＤ）を用いてもよい。

次のステップＳ１２において、制御部１００は、搬送ベルト１回転分の検出結果に基づいてブレード４３の領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの平均荷重および平均振動強度を取得する。例えば、図１１のグラフに示す平均荷重値が領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ別に取得される。また、図１３のグラフに示す平均振動強度Ａｖａが領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮ別に取得される。

ステップＳ１３において、制御部１００は、粘着層２５に搬送ベルト２１が劣化している領域があるか否かを判定する。詳しくは、制御部１００は、記憶部１１３の第２閾値データＳＤ２からそのときの粘着層２５の加熱温度に対応する閾値ＳＨｋを読み出す。制御部１００は、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち平均振動強度が閾値ＳＨｋ未満である領域が存在するか否かを判定する。制御部１００は、領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの平均振動強度がすべて閾値ＳＨｋ以上であれば、粘着層２５が劣化している領域がないと判定し、ステップＳ１４に進む。一方、制御部１００は、領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの平均振動強度が閾値ＳＨｋ未満となる領域があれば、搬送ベルト２１が劣化している領域があると判定し、ステップＳ１７に進む。ここで、平均振動強度は、劣化度合を評価できる値である。平均振動強度が小さいほど劣化度合は大きくなる。劣化度合を用いると、制御部１００は、領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの劣化度合がすべて劣化の閾値以上であれば、粘着層２５が劣化している領域がないと判定し、ステップＳ１４に進む。一方、制御部１００は、領域ＢＡ１～ＢＡＮごとの劣化度合が劣化の閾値未満となる領域があれば、ステップＳ１７に進む。

ステップＳ１４において、制御部１００は、ブレード４３の荷重が異常な領域があるか否かを判定する。制御部１００は、例えば、図１１に示すように、ブレード４３の平均荷重が上限閾値ＳＤ１Ｕと下限閾値ＳＤ１Ｌとの間の適正領域を逸脱する領域があるか否かを判定する。図１１に示す例では、ブレード４３の平均荷重が上限閾値ＳＤ１Ｕを超える領域ＢＡ１，ＢＡ２があるので、ステップＳ１５に進む。一方、ブレード４３の平均荷重がすべての領域ＢＡ１～ＢＡＮで下限閾値ＳＤ１Ｌ以上かつ上限閾値ＳＤ１Ｕ以下の適正範囲内にあれば、ブレード４３の荷重が異常な領域がないと判定し、当該ルーチンを終了する。なお、ブレード４３の平均荷重が下限閾値ＳＤ１Ｌ未満になる領域が１つ以上ある場合も、ステップＳ１５に進む。

ステップＳ１５において、制御部１００は、ブレード４３の荷重が異常な領域および領域ごとの調整量を報知する。制御部１００は、例えば、図１６に示すように、ブレード荷重が異常の旨の情報と、ブレード４３を調整すべき領域を示す情報と、ブレード４３を調整すべき領域ごとの調整量を示す情報とを表示部１４に表示させる。図１６に示す例では、ブレード４３の荷重が異常である旨の情報と、１番と２番の領域のブレード荷重を調整することを促す情報と、１番と２番の領域ごとの荷重調整量を示す情報とを含むメッセージが表示部１４に表示される。

また、制御部１００は、図１６に示す表示内容に替え、図１７に示す表示内容を表示部１４に表示させてもよい。制御部１００は、図１７に示すように、除去部４４の模式図９１を表示部１４に表示させる。この表示部１４に表示された除去部４４の模式図９１において、ブレード４３の片当たり異常のためにブレード４３を調整すべき領域が強調表示（図１７におけるハッチング領域）で表示される。

図７、図８に示すように、ブレード４３には複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮを個々に特定可能なマーク９０が付されている。マーク９０は、例えば、番号またはアルファベット等の異なる文字が付されたマーク、あるいは異なる形状を呈するマーク、色で区別されたマーク、これらのうちの２つ以上の組み合わせによって識別可能なマークであってもよい。ユーザーは、表示部１４に表示された除去部４４の模式図９１で強調表示された領域および強調表示された領域に付されたマーク９０からブレード４３の調整すべき領域を視認できる。また、表示部１４には、除去部４４の模式図９１の下側に、図１６と同様のメッセージも表示される。このメッセージには、ブレード４３の１番と２番の領域を調整することを促す情報と、１番と２番の各領域で調整すべき荷重調整量の情報とが含まれる。よって、ユーザーは、メッセージからもブレード４３の調整すべき領域を知ることができるうえ、調整すべき領域ごとの荷重調整量を知ることもできる。図１７に示す例では、１番と２番の領域でブレード４３が搬送ベルト２１を押し付ける押付け力が過大である。そのため、表示部１４には、１番の領域の荷重調整量として押付け力を小さくする方向（－方向）の荷重調整量「－２」が表示され、２番の領域の荷重調整量として押付け力を小さくする方向（－方向）の荷重調整量「－１」が表示されている。

ステップＳ１６において、制御部１００は、ブレード４３が異常な領域を点灯する。すなわち、制御部１００は、除去部４４に領域ＢＡ１～ＢＡＮごとに設けられた複数の発光部８０（８１～８Ｎ）のうち異常な領域に対応する発光部８０を点灯させる。このとき、制御部１００は、異常の種類を判定して異常の種類に応じた発光色でブレード４３が異常な領域に対応する発光部８０を点灯させてもよい。なお、発光部８０を点灯に替え点滅させてもよい。

図８に示すように、ブレード４３に付された番号等を含む複数のマーク９０のうちから、表示部１４に表示された調整すべき領域ＢＡｋ（添字ｋはｋ＝１，２）のマーク９０と同じマーク９０が付されている領域ＢＡｋでブレード４３を調整すればよい。また、複数の発光部８０のうちから点灯または点滅する発光部８１，８２の位置から特定される領域ＢＡ１，ＢＡ２でブレード４３を調整すればよい。図８、図１６、図１７に示す例では、図８において、１番と２番の領域ＢＡ１，ＢＡ２に対応する調整部５６（５６１，５６２）を操作してそれぞれ調整量「－２」「－１」で調整する。そして、ユーザーはブレード４３の調整を終えると、操作部１３を操作してブレード４３の調整を終えた旨の情報を印刷装置１１に入力する。

一方、ステップＳ１７において、制御部１００は、粘着層２５の領域を特定して劣化している旨の情報を表示部１４に表示することでユーザーに報知する。制御部１００は、例えば、粘着層２５が劣化している旨の情報と、粘着層２５の劣化している領域を示す情報と、粘着層２５の交換を促す旨の情報とを含むメッセージを表示部１４に表示させる。また、制御部１００は、粘着層２５が劣化している領域の位置関係から、ブレード４３の片当たりなど粘着層２５が劣化した原因を特定し、その特定した劣化の原因に関する情報を表示部１４に表示させてもよい。

次のステップＳ１８において、制御部１００は、ブレード４３が劣化している領域を点灯する。すなわち、制御部１００は、除去部４４に領域ＢＡ１～ＢＡＮごとに設けられた複数の発光部８０（８１～８Ｎ）のうちブレード４３が劣化している領域に対応する発光部８０を点灯させる。このとき、制御部１００は、異常の種類を判定して異常の種類に応じた発光色で粘着層２５が劣化している領域に対応する発光部８０を点灯させてもよい。なお、発光部８０を点灯に替え点滅させてもよい。

次のステップＳ１９において、制御部１００は、粘着層２５の加熱温度を調整する。詳しくは、制御部１００は、加熱部３３，３６の加熱温度を粘着層２５の粘着力を高める方向に調整する。制御部１００が加熱部３３，３６の加熱温度を上昇させることで、粘着層２５の温度が上昇する。この粘着層２５の温度の上昇により粘着層２５の粘着力が高まる。よって、粘着層２５が劣化している割に必要な粘着力で媒体Ｍを粘着層２５の表面２５Ａに貼り付けることができる。特に、粘着層２５が感熱型である場合は、感圧型の粘着層２５に比べ、粘着層２５の温度上昇による粘着力の増加率が大きい。よって、粘着層２５に劣化している領域がある割に必要な粘着力で媒体Ｍを粘着層２５の表面２５Ａに貼り付けることができる。なお、粘着層２５が感熱型である場合は、このステップＳ１９の処理によって、粘着層２５が感圧型である場合よりも一層高い粘着力が得られ易い。

次のステップＳ２０において、制御部１００は、粘着層２５の押圧力を調整する。詳しくは、制御部１００は、押圧部３４の加圧ローラー３５が媒体Ｍを押圧する押圧力を高める方向に調整する。制御部１００が加圧ローラー３５の押圧力を高めることで、押圧部３４が加圧ローラー３５により媒体Ｍを粘着層２５の表面２５Ａに貼り付けるときの押圧力が高まる。この結果、粘着層２５に劣化している領域がある割に必要な粘着力で媒体Ｍを粘着層２５の表面２５Ａに貼り付けることができる。なお、粘着層２５が感圧型である場合は、このステップＳ２０の処理によって、粘着層２５が感熱型である場合よりも一層高い粘着力が得られ易い。

こうして、表示部１４に表示された、粘着層２５が劣化している旨の情報と、劣化している領域を示す情報と、粘着層２５の交換を促す旨の情報とを含むメッセージ等を見たユーザーは、印刷装置１１の運転を停止させる。あるいは印刷が終了して印刷装置１１の運転が停止するタイミングまで待つ。ユーザーは、印刷装置１１の運転が停止する状態で、粘着層２５を新しいものと交換する。

印刷装置１１の稼働中は、ブレード４３は装置下部に隠れているので、ユーザーから見えづらく、発光部８０の点灯だけでは気付きにくい。よって、表示部１４に調整すべき領域の情報や異常な領域の情報を表示させることで、ユーザーに異常等を一旦把握させる。そして、印刷装置１１の運転停止後（電源ＯＦＦ）に、ユーザーが洗浄部４０を装置外に引き出した際に、発光部８０が点灯している領域の荷重を重点的に調整する。

＜実施形態の効果＞
実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
（１）搬送装置２０は、搬送ベルト２１と、除去部４４と、複数の検出部６０，７０と、表示部１４と、少なくとも１つの調整部５６と、制御部１００と、を備える。搬送ベルト２１は、媒体Ｍを支持する表面２５Ａを有し、表面２５Ａに支持された媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送する。除去部４４は、表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した付着物を除去するブレード４３を有する。複数の検出部６０，７０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力または力の変化を検出する。表示部１４は、情報を表示する。調整部５６は、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整可能に構成される。制御部１００は、搬送ベルト２１の駆動と表示部１４とを制御する。複数の検出部６０，７０のそれぞれは、搬送方向Ｙと交差する幅方向Ｘに分割された搬送ベルト２１における複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのそれぞれに対応して設けられる。制御部１００は、検出部６０，７０の検出結果に基づいて複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち異常な領域があると判定すると、表示部１４に異常な領域を示す情報を表示させる。

この構成によれば、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を特定した情報が表示部１４に表示されるので、搬送ベルト２１またはブレード４３のどの領域が異常であるかを視覚的に容易に把握できる。これにより、搬送ベルト２１またはブレード４３のどの領域を調整すればよいかを容易に把握できる。例えば、ユーザーが、搬送ベルト２１とブレード４３との当接に起因する異常を知っただけでは、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を見つけるまでに搬送ベルト２１を周回移動させるなど面倒な作業や余分な時間を要する。これに対して、表示部１４に表示される情報から搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を特定して把握できる。よって、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域に対する対処を早期に行うことができる。例えば、ユーザーが、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を早期にかつ適切に正常な状態にすることができる。

（２）少なくとも１つの調整部５６は、複数の調整部５６である。複数の調整部５６のそれぞれは、搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのそれぞれに対応して設けられる。制御部１００は、搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域があると判定すると、複数の調整部５６のうち搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域に対応する調整部５６を特定して調整部５６による調整を促す情報を表示部１４に表示させる。この構成によれば、表示部１４に表示された情報により搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域が特定される。ユーザーは、特定された搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域に対応する調整部５６を調整することで、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整が必要な領域で調整することができる。よって、領域ごとの細かな調整が可能となり、搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域を正常な領域に調整することができる。

（３）搬送ベルト２１は、媒体Ｍを貼り付け可能な粘着層２５を有し、粘着層２５に貼り付けた媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送可能に構成される。ブレード４３は、粘着層２５の表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した付着物を除去するように構成される。この構成によれば、表示部１４に搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域が特定された情報が表示されるので、特定された搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域に対応する調整部５６をユーザーが調整することができる。よって、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整が必要な適切な領域で調整することができる。例えば、搬送ベルト２１に当接するブレード４３の相対位置が不適切であることに起因して粘着層２５の劣化速度が早まる事態や払拭が不適切な事態を抑制できる。

（４）複数の検出部６０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力を荷重として検出する。制御部１００は、複数の検出部６０の検出結果に基づいて荷重が過不足する領域を異常な領域として特定するとともに領域ごとの過不足する量または過不足を減らす量を特定し、特定した領域および量を示す情報を表示部１４に表示する。

この構成によれば、ブレード４３の荷重に過不足がある異常な領域と、過不足の量または過不足を減らす量とを含む情報が表示部１４に表示されるので、ユーザーは、ブレード４３のどの領域の荷重をどの量で調整すればよいかを視覚的に容易に把握できる。よって、ブレード４３の荷重に過不足がない状態に早期にかつ適切に調整できる。

（５）少なくとも１つの調整部５６は、幅方向Ｘの異なる位置に複数備えられる。制御部１００は、異常な領域に対応する調整部５６による調整量を表示部１４に表示させる。この構成によれば、ユーザーは、表示部１４に表示された情報から、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域と、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域に対応する調整位置での調整量とを把握できるので、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域に対応する調整部５６を適切な調整量で操作できる。よって、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を正常な状態に調整することができる。

（６）除去部４４には、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応する各位置に領域ＢＡ１～ＢＡＮを判別可能な複数のマーク９０が設けられる。制御部１００は、搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域に対応するマーク９０の情報を表示部１４に表示させる。この構成によれば、ユーザーは、表示部１４に表示されるマーク９０の情報から、ブレード４３のどの領域を調整すればよいかを一層容易に把握できる。

（７）除去部４４には、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮに対応する各位置に発光部８０が設けられる。制御部１００は、複数の発光部８０のうち異常な領域に対応する発光部８０を点灯又は点滅させる。この構成によれば、表示部１４に搬送ベルト２１またはブレード４３が異常な領域を特定した情報が表示されるとともに、除去部４４の異常な領域に対応する発光部８０が点灯または点滅するので、ユーザーは、どの調整部５６を調整すればよいかを一層容易に把握できる。

（８）複数の検出部は、搬送ベルト２１からブレード４３が受ける荷重を検出する第１検出部６０を含む。この構成によれば、搬送ベルト２１からブレード４３が受ける荷重の検出結果から特定される荷重が異常な領域が表示部１４に表示されるので、ユーザーはブレード４３のどの領域の荷重を調整すればよいかを容易に把握できる。

（９）複数の検出部は、搬送ベルト２１が搬送方向Ｙに動く際に生じるブレード４３の振動を検出する第２検出部７０を含む。この構成によれば、搬送ベルト２１からブレード４３が受ける振動の検出結果に基づいて特定される異常な領域が表示部１４に表示されるので、ユーザーはブレード４３のどの領域を調整すればよいかを容易に把握できる。

（１０）印刷装置１１は、搬送ベルト２１と、印刷部３０と、除去部４４と、複数の検出部６０，７０と、表示部１４と、少なくとも１つの調整部５６と、制御部１００と、を備える。搬送ベルト２１は、媒体Ｍを支持する表面２５Ａを有し、表面２５Ａに支持された媒体Ｍを搬送方向Ｙに搬送する。印刷部３０は、搬送ベルト２１により搬送される媒体Ｍに印刷を行う。除去部４４は、表面２５Ａに当接して表面２５Ａに付着した付着物を除去するブレード４３を有する。検出部６０，７０は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力または力の変化を検出する。表示部１４は、情報を表示する。調整部５６と、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整可能に構成される。制御部１００は、搬送ベルト２１の駆動と表示部１４とを制御する。複数の検出部６０，７０のそれぞれは、搬送方向Ｙと交差する幅方向Ｘに分割された搬送ベルト２１における複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのそれぞれに対応して設けられる。制御部１００は、複数の検出部６０，７０の検出結果に基づいて複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域があると判定すると、表示部１４に搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域を示す情報を表示させる。

この構成によれば、複数の領域ＢＡ１～ＢＡＮのうち搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域が特定された情報が表示部１４に表示されるので、搬送ベルト２１またはブレード４３のどの領域を調整すればよいかを視覚的に容易に把握できる。よって、表示部１４によって報知された搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域に対する対処を早期に行うことができる。例えば、ユーザーが搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域に対応する調整部５６を調整することで、搬送ベルト２１に対するブレード４３の当接の仕方が異常な領域を早期にかつ適切に正常な状態にすることができる。

なお、上記実施形態は、以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。

・検出部の一例としての第２検出部７０は、ブレード４３そのものに設けてもよいし、ブレード４３を支持するブレードホルダー５１に取り付けてもよい。後者の場合、第２検出部７０は、ブレードホルダー５１の外壁面に取り付けてもよいし、ブレードホルダー５１から延出する延出部に取り付けてもよい。

・調整部５６は、搬送ベルト２１を鉛直方向Ｚに移動させることで、搬送ベルト２１に対するブレード４３の相対位置を調整可能に構成されてもよい。不図示の搬送ベルト移動機構によって搬送ベルト２１及び粘着層２５のブレード４３に対する位置を調整することによって調整部５６の調整が行われてもよい。調整部５６の一例としての搬送ベルト移動機構は、搬送ベルト２１を駆動ローラー２３Ａ及び従動ローラー２３Ｂとともに鉛直方向Ｚに移動させる機構である。調整部５６は、例えば、駆動ローラー２３Ａ及び従動ローラー２３Ｂを鉛直方向Ｚに移動させるための昇降機構を含む。この昇降機構は、例えばボールねじとボールねじを回転駆動するモーターとを含む。この昇降機構の構成は、搬送ベルト２１を鉛直方向Ｚに移動させることができれば、特に限定されない。制御部１００は、粘着層２５が劣化していると判定した場合、不図示の搬送ベルト移動機構によって搬送ベルト２１及び粘着層２５のブレード４３に対する位置が鉛直方向Ｚに調整されてもよい。この結果、粘着層２５がブレード４３に押し付けられる押付け力が調整される。また、この調整部５６は、搬送ベルト２１を幅方向Ｘの両端で高さ位置を個別に調整することで搬送ベルト２１の下面部２４ｃの水平面に対する傾き角を調整可能に構成されてもよい。この場合、搬送ベルト２１の下面部２４ｃの傾き角を調整することで、ブレード４３の搬送ベルト２１に対する片当たりを無くす調整が可能である。

・調整部５６は、複数の領域ＢＡ１，ＢＡ２，…，ＢＡＮの各領域に対応して設けられていなくてもよい。調整部５６の数は、検出部６０が設けられる領域の数がＮ個である場合、つまり検出部６０がＮ個である場合、Ｎ個よりも少ない数でもよいし、Ｎ個よりも多い数でもよい。調整部５６の数は、Ｎ個よりも少ない数である場合、１個でもよい。例えば、調整部５６は、ブレード４３を水平姿勢に保ったまま平行移動させることで、ブレード４３が搬送ベルト２１の表面２５Ａを押し付ける押付力を調整する構成であってもよい。

・検出部は、ブレード４３が搬送ベルト２１から受ける力または当該力の変化を検出するものであればよい。この限りにおいて、検出部の検出対象は、荷重や振動に限定されず、荷重および振動を除くその他の物理量であってもよい。

・検出部６０または７０の数と調整部５６の数は異なってもよい。例えば、検出部６０または７０の数が、調整部５６の数の２倍または３倍であってもよいし、これとは反対に、調整部５６の数が、検出部６０の数の２倍または３倍であってもよい。

・検出部６０の数と検出部７０の数は異なってもよい。例えば、検出部６０の数が、検出部７０の数の２倍または３倍であってもよいし、これとは反対に、検出部７０の数が、検出部６０の数の２倍または３倍であってもよい。

・検出部６０，７０が、検出動作を行う期間は、搬送ベルト２１が１回転する間の期間に替えて、搬送ベルト２１の１回転のうち一部の範囲のみ回転する期間でもよい。さらには、搬送ベルト２１の１周のうちある１つの位置を対象として検出部６０，７０が、検出動作を行ってもよい。

・検出部は、第１検出部６０のみでもよい。第１検出部６０が、複数の領域に対応して設けられてもよい。
・検出部は、第２検出部７０のみでもよい。第２検出部７０が、複数の領域に対応して設けられてもよい。

・検出部は、第１検出部６０および第２検出部７０に加え他の検出部を含む３種類以上であってもよい。
・調整部５６の調整機構は適宜変更してもよい。例えば、調整部５６は、図６に示すブレードホルダー５１に対するβ方向（＋βおよび－β）への移動が可能な押圧部材を備えてもよい。この場合、調整部５６は、押圧部材をブレードホルダー５１に対して移動可能な状態と移動不能な状態とに調整する第１調整機構と、ブレードホルダー５１に対して移動可能な状態の下で押圧部材をβ方向（＋βおよび－β）に移動させるための第２調整機構とを含んでもよい。第１調整機構は調整用の第１ねじを含み、第２調整機構は調整用の第２ねじを含んでもよい。そして、第１ねじにより押圧部材をブレードホルダー５１に対して移動可能な状態とし、この状態の下で第２ねじによりブレード４３を領域ごとに個別にβ方向に位置調整可能な構成であってもよい。

・搬送装置２０は、マーク９０を備え、発光部８０を備えない構成でもよい。これとは反対に、発光部８０を備え、マーク９０を備えない構成でもよい。
・搬送装置２０を構成する搬送ベルト２１は、粘着層２５を有しない構成でもよい。媒体Ｍを搬送ベルト２１の表面に負圧による吸引力によって吸着させてもよいし、媒体Ｍを搬送ベルト２１の表面に静電気力により静電吸着させてもよい。

・搬送装置２０は、搬送ベルト２１の複数の領域ＢＡ１，ＢＡ２，…ＢＡＮに対応してブレード４３が複数のブレード部材に分割されてもよい。この場合、ブレード４３を構成する複数のブレード部材の各々にかかる荷重を検出可能に複数の第１検出部６１～６Ｎを設けてもよい。また、ブレード４３を構成する複数のブレード部材の各々にかかる振動を検出可能に複数の第２検出部７１～７Ｎを設けてもよい。

・ステップＳ２０において、粘着層２５を押圧する押圧部は、加圧ローラー３５を鉛直方向Ｚに移動させる機構とは別の機構により調整されるものであってもよい。加圧ローラーの粘着層２５に対する圧力の調整は、不図示の搬送ベルト移動機構によって搬送ベルト２１及び粘着層２５の加圧ローラー３５に対する位置を調整することによって行われてもよい。搬送ベルト移動機構は、搬送ベルト２１を駆動ローラー２３Ａ及び従動ローラー２３Ｂとともに鉛直方向Ｚに移動させる機構である。搬送ベルト移動機構は、例えば、駆動ローラー２３Ａ及び従動ローラー２３Ｂを鉛直方向Ｚに移動させるための昇降機構を含む。この昇降機構は、例えばボールねじとボールねじを回転駆動するモーターとを含む。この昇降機構の構成は、搬送ベルト２１を鉛直方向Ｚに移動させることができれば、特に限定されない。制御部１００は、粘着層２５に劣化している領域があると判定した場合、不図示の搬送ベルト移動機構によって搬送ベルト２１及び粘着層２５の加圧ローラー３５に対する位置が鉛直方向Ｚに調整されてもよい。この結果、粘着層２５が加圧ローラー３５に押し付けられる圧力が高まり、この高まった圧力の分だけ粘着層２５の粘着力が高まる。

・表示部１４に表示される除去部４４の模式図９１は、図１７に示す二次元画像に限らず、三次元画像であってもよい。要するに、模式図９１によって異常発生箇所が視覚的に分かるようなものであってもよい。

・制御部１００が検出部６０の検出結果に基づいて行う粘着層２５の劣化に関する判定は、粘着層２５が劣化したか否かの判定に限定されず、粘着層２５の劣化度合を判定する構成でもよい。また、制御部１００は、粘着層２５が劣化したか否かの判定と劣化度合の判定との両方を行ってもよい。

・表示部１４に加え、音声または音で報知してもよい。印刷装置１１は、例えば、スピーカーを備え、スピーカーから音声案内で、調整されるべき領域または粘着層２５が劣化した領域などの情報を報知してもよい。

・印刷装置１１は、布帛等の媒体Ｍに印刷する捺染装置に限定されず、単票紙またはロール紙等の媒体Ｍに印刷するインクジェット式プリンターであってもよい。また、印刷装置１１は、ベルト式の搬送装置２０を備える複合機であってもよい。

・印刷装置１１は、シリアルプリンターやラインプリンターに限定されず、吐出部３１が幅方向Ｘと搬送方向Ｙとの２方向に移動可能なラテラル式プリンターでもよい。
・印刷装置１１が捺染装置である場合、インク等の液体に媒体Ｍを浸漬させることで媒体Ｍを染色する染色部を併せ持つものでもよい。また、吐出部３１は、インクジェット式の吐出ヘッドに限らず、液体を吐出するディスペンサー等でもよい。また、吐出部３１と、インク等の液体を媒体Ｍに滴下する染色部とを兼ね備える印刷装置１１であってもよい。

・搬送装置２０は、インクジェット式の印刷装置１１以外の印刷装置に装備されるものでもよい。例えば、ドットインパクト方式の印刷ヘッドを備えたプリンターに装備される、搬送ベルトを有する搬送装置であってもよい。また、熱転写印刷方式の印刷ヘッドを備えたプリンターに装備される、搬送ベルトを有する搬送装置であってもよい。

・搬送ベルトから付着物を除去するブレードは、搬送ベルトを静電除去することで静電気により搬送ベルトの表面に吸着した付着物を除去するための静電除去ブレードでもよい。

［定義］
本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、所望の選択肢の「１つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、選択肢の数が２つであれば、「１つの選択肢のみ」または「２つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、選択肢の数が３つ以上であれば、「１つの選択肢のみ」または「２つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。

以下、前記実施形態および変更例から把握される技術思想を、その作用効果と共に記載する。
（Ａ）搬送装置は、媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、情報を表示する表示部と、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、を備え、前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させる。

この構成によれば、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域を特定した情報が表示部に表示されるので、搬送ベルトまたはブレードのどの領域を調整すればよいかを視覚的に容易に把握できる。例えば、ユーザーが、搬送ベルトとブレードとの当接に起因する異常を知っただけでは、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域を見つけるまでに搬送ベルトを周回移動させるなど面倒な作業や余分な時間を要する。これに対して、表示部に表示される情報から、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域までを特定して把握できる。よって、異常な領域に対する対処を早期に行うことができる。例えば、ユーザーが、特定された異常な領域に対応する調整部を調整することで、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域を早期にかつ適切に正常な状態にすることができる。

（Ｂ）上記搬送装置において、前記少なくとも１つの調整部は、複数の調整部であり、前記複数の調整部のそれぞれは、前記搬送ベルトの前記複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記制御部は、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの当接の仕方が異常な領域があると判定すると、複数の前記調整部のうち当該異常な領域に対応する前記調整部を特定して当該調整部による調整を促す情報を前記表示部に表示させてもよい。

この構成によれば、表示部に表示された情報により特定された搬送ベルトに対するブレードの当接の仕方が異常な領域に対応する調整部をユーザーが調整することによって、搬送ベルトに対するブレードの相対位置を調整が必要な領域で調整することができる。よって、領域ごとの細かな調整が可能となり、搬送ベルトに対するブレードの当接の仕方が異常な領域を正常な領域に調整することができる。

（Ｃ）上記搬送装置において、前記搬送ベルトは、前記媒体を貼り付け可能な粘着層を有し、前記粘着層に貼り付けた前記媒体を搬送方向に搬送可能に構成され、前記ブレードは、前記粘着層の表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するように構成されてもよい。

この構成によれば、表示部に表示された情報により特定された搬送ベルトまたはブレードが異常な領域に対応する調整部をユーザーが調整することによって、搬送ベルトに対するブレードの相対位置を調整が必要な適切な領域で調整することができる。例えば、搬送ベルトに当接するブレードの相対位置が不適切であることに起因して粘着層の劣化速度が早まる事態や払拭が不適切な事態を抑制できる。

（Ｄ）上記搬送装置において、前記検出部は、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける前記力を荷重として検出し、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記荷重が過不足する領域を前記異常な領域として特定するとともに当該領域ごとの過不足する量または当該過不足を減らす量を特定し、特定した前記領域および前記量を示す情報を前記表示部に表示してもよい。

この構成によれば、ブレードの荷重に過不足がある異常な領域と、過不足の量または過不足を減らす量とを含む情報が表示部に表示されるので、ユーザーは、ブレードのどの領域の荷重をどの量で調整すればよいかを視覚的に容易に把握できる。よって、ブレードの荷重に過不足がない状態に早期にかつ適切に調整できる。

（Ｅ）上記搬送装置において、前記調整部は、前記幅方向の異なる位置に複数備えられ、前記制御部は、前記異常な領域に対応する前記調整部による調整量を前記表示部に表示させてもよい。

この構成によれば、ユーザーは、表示部に表示された情報から、異常な領域と、異常な領域に対応する調整位置での調整量とを把握できるので、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域に対応する調整部を適切な調整量で操作できる。よって、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域を正常な状態に調整することができる。

（Ｆ）上記搬送装置において、前記除去部には、前記複数の領域に対応する各位置に前記領域を判別可能な複数のマークが設けられ、前記制御部は、前記異常な領域に対応する前記マークの情報を前記表示部に表示させてもよい。

この構成によれば、ユーザーは、表示部に表示されるマークの情報から、ブレードのどの領域を調整すればよいかを一層容易に把握できる。
（Ｇ）上記搬送装置において、前記除去部には、複数の前記領域に対応する各位置に発光部が設けられ、前記制御部は、複数の前記発光部のうち前記異常な領域に対応する発光部を点灯又は点滅させてもよい。

この構成によれば、表示部に異常な領域を特定した情報が表示されるとともに、除去部の異常な領域に対応する発光部が点灯または点滅するので、ユーザーは、どの調整部を調整すればよいかを一層容易に把握できる。

（Ｈ）上記搬送装置において、前記検出部は、前記搬送ベルトから前記ブレードが受ける荷重を検出する第１検出部を含んでもよい。
この構成によれば、搬送ベルトからブレードが受ける荷重の検出結果から特定される荷重が異常な領域が表示部に表示されるので、ユーザーはブレードのどの領域の荷重を調整すればよいかを容易に把握できる。

（Ｉ）上記搬送装置において、前記検出部は、前記搬送ベルトが前記搬送方向に動く際に生じる前記ブレードの振動を検出する第２検出部を含んでもよい。
この構成によれば、搬送ベルトからブレードが受ける振動の検出結果に基づいて特定される異常な領域が表示部に表示されるので、ユーザーはブレードのどの領域を調整すればよいかを容易に把握できる。

（Ｊ）印刷装置は、媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される前記媒体に印刷を行う印刷部と、前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、情報を表示する表示部と、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、を備え、前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して複数設けられ、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させる。

この構成によれば、幅方向に分割された搬送ベルトの複数の領域のうち異常な領域が特定された情報が表示部に表示されるので、搬送ベルトまたはブレードのどの領域を調整すればよいかを視覚的に容易に把握できる。よって、表示部によって報知された搬送ベルトまたはブレードが異常な領域に対する対処を早期に行うことができる。例えば、ユーザーが搬送ベルトまたはブレードが異常な領域に対応する調整部を調整することで、搬送ベルトまたはブレードが異常な領域を早期にかつ適切に正常な状態にすることができる。

１１…印刷装置、１２…筐体、１３…操作部、１４…報知部の一例としての表示部、１５…液体供給源、１６…カバー、１７…支持台、１８…給送部、１９…内フレーム、２０…搬送装置、２１…搬送ベルト、２１Ｂ…ベルト基材、２２…搬送ユニット、２３Ａ…駆動ローラー、２３Ｂ…従動ローラー、２４…外周面、２４ａ…上面部、２４ｂ…曲面部、２４ｃ…下面部、２４ｄ…曲面部、２５…粘着層、２５Ａ…表面、２６…搬送モーター、２７…エンコーダー、３０…印刷部、３１…吐出部、３２…キャリッジ、３３…加熱部の一例である第１加熱部、３３Ａ…ヒーター、３４…押圧部、３５…加圧ローラー、３６…加熱部の一例である第２加熱部、３７…乾燥部、３８…ホース、４０…洗浄部、４１…洗浄槽、４１Ａ…後壁、４１Ｂ…側壁、４２…ブラシ、４３…ブレード、４３Ａ…基部、４３Ｂ…ブレード部、４４…除去部、４５…昇降機構、４６…電動アクチュエーター、４７…フレーム、４８…側板、４９…板部材、５１…ブレードホルダー、５２…第１保持部材、５３…第２保持部材、５４…ブラケット、５４Ａ…第１部分、５４Ｂ…第２部分、５６…調整部、５６１…第１調整部、５６２…第２調整部、５６Ｎ…第Ｎ調整部、５７～５９…ねじ、６０，６１～６Ｎ…検出部の一例としての第１検出部、７０，７１～７Ｎ…検出部の一例としての第２検出部、８０，８１～８Ｎ…発光部、９０…マーク、９１…模式図、１００…制御部、１１０…コンピューター、１１１…位置測定部、１１２…演算部、１１３…記憶部、Ｍ…媒体、Ｑ…液体の一例としての洗浄液、ＡＰ…貼付開始位置、ＢＰ…ブラッシング位置、ＷＰ…払拭位置、ＢＡ１…第１領域、ＢＡ２…第２領域、ＢＡ３…第３領域、ＢＡＮ…第Ｎ領域、Ｘ…幅方向、Ｙ…搬送方向、Ｚ…鉛直方向、ＣＤ…周回方向、α…幅方向、β…延出方向、γ…垂直方向、ＰＲ…プログラム、ＳＤ１…第１閾値データ、ＰＭ…荷重測定データ、ＳＤ２…第２閾値データ、ＶＭ…振動測定データ、Ｖｖａ…平均振動強度、Ａｖｂ…平均荷重値。

Claims (10)

1. 媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、
   前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、
   前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、
   情報を表示する表示部と、
   前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、
   前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、
   を備え、
   前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、
   前記制御部は、前記複数の検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させることを特徴とする搬送装置。
2. 前記少なくとも１つの調整部は、複数の調整部であり、
   前記複数の調整部のそれぞれは、前記搬送ベルトの前記複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、
   前記制御部は、前記搬送ベルトに対する前記ブレードの当接の仕方が異常な領域があると判定すると、前記複数の調整部のうち当該異常な領域に対応する前記調整部を特定して当該調整部による調整を促す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
3. 前記搬送ベルトは、前記媒体を貼り付け可能な粘着層を有し、前記粘着層に貼り付けた前記媒体を搬送方向に搬送可能に構成され、
   前記ブレードは、前記粘着層の表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するように構成されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の搬送装置。
4. 前記複数の検出部は、前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける前記力を荷重として検出し、
   前記制御部は、前記複数の検出部の検出結果に基づいて前記荷重が過不足する領域を前記異常な領域として特定するとともに当該領域ごとの過不足する量または当該過不足を減らす量を特定し、特定した前記領域および前記量を示す情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項１～請求項３のいずれか一項に記載の搬送装置。
5. 前記少なくとも１つの調整部は、前記幅方向の異なる位置に複数備えられ、
   前記制御部は、前記異常な領域に対応する前記調整部による調整量を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項１～請求項４のいずれか一項に記載の搬送装置。
6. 前記除去部には、前記複数の領域に対応する各位置に前記領域を判別可能な複数のマークが設けられ、
   前記制御部は、前記異常な領域に対応する前記マークの情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項１～請求項５のいずれか一項に記載の搬送装置。
7. 前記除去部には、複数の前記領域に対応する各位置に発光部が設けられ、
   前記制御部は、複数の前記発光部のうち前記異常な領域に対応する発光部を点灯又は点滅させることを特徴とする請求項１～請求項６のいずれか一項に記載の搬送装置。
8. 前記複数の検出部は、前記搬送ベルトから前記ブレードが受ける荷重を検出する第１検出部を含むことを特徴とする請求項１～請求項７のいずれか一項に記載の搬送装置。
9. 前記複数の検出部は、前記搬送ベルトが前記搬送方向に動く際に生じる前記ブレードの振動を検出する第２検出部を含むことを特徴とする請求項１～請求項８のいずれか一項に記載の搬送装置。
10. 媒体を支持する表面を有し、前記表面に支持された前記媒体を搬送方向に搬送可能な搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトにより搬送される前記媒体に印刷を行う印刷部と、
    前記表面に当接して前記表面に付着した付着物を除去するブレードを有する除去部と、
    前記ブレードが前記搬送ベルトから受ける力または当該力の変化を検出する複数の検出部と、
    情報を表示する表示部と、
    前記搬送ベルトに対する前記ブレードの相対位置を調整可能な少なくとも１つの調整部と、
    前記搬送ベルトの駆動と前記表示部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数の検出部のそれぞれは、前記搬送方向と交差する幅方向に分割された前記搬送ベルトにおける複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、
    前記制御部は、前記複数の検出部の検出結果に基づいて前記複数の領域のうち異常な領域があると判定すると、前記表示部に当該異常な領域を示す情報を表示させることを特徴とする印刷装置。

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