JP2023135188A - スラリーの製造方法 - Google Patents

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康平 岡田
Kohei Okada
久登 寺井
Hisato Terai
和哉 齊田
Kazuya Saida
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Abstract

【課題】均質で適度に増粘され、移送時の配管などへの残留が少なく効率よく移送できるスラリーを製造できる、スラリーの製造方法を提供する。【解決手段】水、無機粉体、及びアミンオキシド型界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を混合してスラリーを製造する、スラリーの製造方法であって、水と無機粉体とを、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材と混練槽を含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で4秒以上混合して混合物を得ること、及び前記混合物に(A)成分を添加して、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材とを含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.4以上での条件で、前記混練槽内で8秒以上混合すること、を行う、スラリーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、スラリーの製造方法に関する。
コンクリート、モルタルなどの水硬性組成物は、水硬性粉体などの無機粉体を含有するスラリーであり、土木、建築などの様々な分野で用いられている。例えば、水硬性組成物は、地中の遮水壁、地中杭などの製造に用いられている。
また、一般に、水硬性組成物には、そのワーカビリティ、流動性、強度、凝結時間、硬化時間などを調整するために、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤などの、様々な化学混和剤が用いられる。
特許文献1には、セメント及び骨材を空練り後、予め水にヒドロキシプロポキシ基置換度が5~16質量%であって、かつアスペクト比が4~7である繊維状粒子形態の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを分散させた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの水分散液を添加し、混練するコンクリート組成物の製造方法が開示されている。そして、実施例では、強制二軸練りミキサーに、セメント、細骨材、粗骨材を入れ、空練りを30秒間行い、その後、添加水全量に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを入れた水分散液、減水剤、AE剤を加えて90秒間混練しコンクリートを得たことが開示されている。また、実施例で低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを粉末添加する場合は、セメント、骨材と同時期に加え、空練り後に水を投入したことが開示されている。
特許文献2には、構造の異なる特定のアミンオキシドを2種以上含有するレオロジー改質剤が開示されている。そして、実施例では、水とセメントとを混合し、市販のハンドミキサーを用いて30秒間撹拌し、その後、レオロジー改質剤を添加し、レオロジー改質剤の添加後に3分間撹拌を続けて、水硬性スラリー組成物を調製したことが開示されている。
特許文献3には、アルキル基が炭素数8~22のアルキルアミンオキシドと高性能減水剤とを含有するコンクリート組成物においてコンクリートのスランプフロー値が50cm以上である自己充填性コンクリート組成物が開示されている。そして、実施例では、コンクリート材料を強制二軸ミキサーで150秒間混練りしてコンクリートを製造したことが開示されている。
特開2018-76219号公報 特開2020-76022号公報 特開平8-133805号公報
本発明は、均質で適度に増粘され、移送時の配管などへの残留が少なく効率よく移送できるスラリーを製造できる、スラリーの製造方法を提供する。
本発明は、水、無機粉体、及びアミンオキシド型界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を混合してスラリーを製造する、スラリーの製造方法であって、
水と無機粉体とを、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材と混練槽を含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で4秒以上混合して混合物を得ること、及び
前記混合物に(A)成分を添加して、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材とを含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で8秒以上混合すること、
を行う、スラリーの製造方法に関する。
本発明によれば、均質で適度に増粘され、移送時の配管などへの残留が少なく効率よく移送できるスラリーを製造できる、スラリーの製造方法が提供される。
以下、スラリーの移送効率の程度を移送歩留まりとも称することもある。実際に移送できたスラリーの量が、移送すべきスラリーの量に近いほど、移送経路での損失(残留)が小さく、移送歩留まりがよいと判断できる。
本発明では、水と無機粉体と(A)成分とを混合してスラリーを製造する際に、これらの混合条件を子細に規定することで、スラリーの移送歩留まりが格段に向上する。
その理由は、無機粉体と水とを先に所定条件で混合し、次いで(A)成分を添加して所定条件で混合することで、(A)成分がスラリー内に均一に分散され、均質なスラリーが製造可能となり、かつ(A)成分がスラリーに粘弾性を付与することが可能となり、移送歩留まりが向上すると推察される。なお、本発明の効果発現の機構はこれに限定されるものではない。
まず、本発明で用いる成分について説明する。
水は、水道水、河川水、湖水などを使用することができる。
無機粉体としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる
(1)セメント、石膏などの水硬性粉体
(2)石炭灰、高炉スラグ、けい藻土などの潜在水硬性粉体
(3)フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土などのポゾラン作用を持つ粉体
(4)カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩
(5)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛などの炭酸塩
(6)硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩
(7)ストロンチウムクロメート、ピグメントイエローなどのクロム酸塩
(8)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩
(9)アルミナ、酸化アンチモン、酸化チタニウム、酸化コバルト、四酸化三鉄、三酸化ニ鉄、四酸化三鉛、一酸化鉛、酸化クロムグリーン、三酸化タングステン、酸化イットリウムなどの金属酸化物
(10)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、メタチタン酸などの金属水酸化物
(11)炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタンなどの金属炭化物
(12)窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、チタン酸バリウム、サチンホワイト、カーボンブラック、グラファイト、クロムイエロー、硫化水銀、ウルトラマリン、パリスブルー、チタニウムイエロー、クロムバーミリオン、リトポン、アセト亜ヒ酸銅、ニッケル、銀、パラジウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの、上記(1)~(11)に分類されない他の無機粉体
水硬性粉体のうち、セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。これらの中でも、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントがより好ましい。
無機粉体は2種以上を用いることができる。また、無機粉体、例えば、水硬性粉体は、他の無機粉体、例えば潜在水硬性粉体、ポゾラン作用を持つ粉体などとの混合物であってよい。
無機粉体は、水硬性粉体、潜在水硬性粉体、ポゾラン作用を持つ粉体、及びベントナイトから選ばれる1種類以上の無機粉体が好ましい。本発明は、水硬性粉体を含むスラリー、例えば、水硬性スラリーの製造方法であってよい。
(A)成分のアミンオキシド型界面活性剤は、アミンオキシド基を有する界面活性剤であってよい。アミンオキシド型界面活性剤は、例えば、炭素数8以上、更に14以上、そして、22以下の炭化水素基を1つ有するアミンオキシドが挙げられる。(A)成分としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
〔式中、
Xは、R1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基である。
1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
nは1以上3以下の整数である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
本発明では、(A)成分は、前記一般式(1)で表される化合物〔以下、化合物(1)ともいう〕の2種以上であり、
前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物である、
ことが好ましい。以下、この態様について説明する。
化合物(1)について、一般式(1)中のXが異なるとは、化合物(1)が2種である場合を例に考えると、例えば、以下のような態様が挙げられる。なお、以下の態様において、2種の化合物(1)のうち、少なくとも一方の化合物(1)のR1a又はR1bはアルケニル基である。
(i)一方のR1a又はR1bがアルキル基であり、他方のR1a又はR1bがアルケニル基である。
(ii)一方のR1a又はR1bの炭素数と、他方のR1a又はR1bの炭素数が異なっている。
(iii)一方のXがR1aであり、他方のXがR1b-[CONH-CHCHCH-である。
(iv)Xが共にR1b-[CONH-CHCHCH-であり、一方のnと他方のnが異なっている。
(v)前記(i)~(iv)の組み合わせ。
一般式(1)中、Xは、R1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基である。
1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
1aがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
1aがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
1bがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
1bがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
nは1以上3以下の整数である。好ましくは、nは、0又は1である。
及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上2以下のアルキル基又は(CO)Hで表される基である。
pは、好ましくは0以上3以下の数である。
本発明では、一般式(1)中のXが異なる化合物(1)を2種以上、好ましくは5種以下、より好ましくは2種用いる。そして、本発明で用いる2種以上の化合物(1)は、少なくとも1つが一般式(1)中のXのR1a又はR1bが炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物、つまり、一般式(1)中のXにおけるR1aとして炭素数14以上22以下のアルケニル基又はR1bとして炭素数13以上21以下のアルケニル基を含む化合物である。
本発明では、化合物(1)が2種であり、上記(i)~(v)を含め、2種の化合物(1)のうち、一方が、一般式(1)中のXがR1aで且つ炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物であることが好ましい。すなわち、(A)成分は、前記一般式(1)で表される化合物の2種であり、前記2種の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、前記2種の化合物のうち、一方は、一般式(1)中のXがR1aであり且つR1aがアルケニル基の化合物であることが好ましい。
(A)成分として、一般式(1)中のXがR1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基(ただし、R1aは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、R1bは炭素数13以上21以下のアルケニル基である)である化合物(1a)と、化合物(1a)とは一般式(1)中のXが異なる化合物(1b)との組み合わせが挙げられる。
(A)成分として、具体的には、下記一般式(1a)で表される化合物(1a)と、下記一般式(1b)で表される化合物(1b)との組み合わせが挙げられる。
〔式中、
n1、n2は、それぞれ、独立に0以上3以下の整数である。
11aは、n1が0のときは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n1が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
一般式(1a)中、R11aの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1a)中、n1は、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が1~3でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、n2が1~3でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、R11bは、アルキル基が好ましい。
一般式(1b)中、n2は、好ましくは0又は1である。
一般式(1a)又は(1b)中、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1もしくは2のアルキル基又は-(CO)Hで表される基であり、より好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。
一般式(1a)又は(1b)中、pは、好ましくは0以上3以下の数である。
n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
本発明の(A)成分として、下記一般式(11a)で表される化合物(11a)及び下記一般式(1b)で表される化合物(1b)の組み合わせが挙げられる。
〔式中、
n2は、0以上3以下の整数である。
11aは、炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n2が0である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
一般式(11a)で表される化合物(11a)は、前記一般式(1a)中、n1が0の化合物に相当する。一般式(11a)中のR11a、R及びRの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。この組み合わせにおいても、化合物(1b)の好ましい態様は前記と同じである。
本発明では、化合物(1b)/化合物(1a)の質量比は、好ましくは5/95以上、より好ましくは25/75以上、更に好ましくは30/70以上、より更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/15以下である。
本発明では、水と無機粉体とを、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材と混練槽を含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、4秒以上混合(以下、前混合という)して混合物を得ること、を行う。
前混合では、(1)混合する全量の水に、混合する全量の無機粉体を加える、(2)混合する全量の無機粉体に、混合する全量の水を加える、などの方法で混合物を得ることができる。
本発明では(A)成分が水及び/又は無機粉体と混合される前に水と無機粉体とを混合する。前混合では、混合する全量の水に、混合する全量の無機粉体を加えることが好ましい。
前混合では、水/無機粉体比が30%以上、更に35%以上、更に40%以上、そして、250%以下、更に200%以下、更に150%以下であってよい。ここで、水/無機粉体比は、混合に用いる水の全量と無機粉体の全量との質量百分率(質量%)であり、(水の全量)/(無機粉体の全量)×100で算出される。
前混合では、水の混合量と無機粉体の混合量の合計量が、例えば、0.2kg以上、更に0.3kg以上、更に0.4kg以上、そして、2000kg以下、更に1500kg以下、更に1250kg以下であってよい。
前混合では、水と無機粉体とを、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材と混練槽を含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度(以下、周速度ともいう)が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、4秒以上混合する。
混練装置の回転軸は、混練槽の底部に対して鉛直方向に設置されたものがよく、回転軸は1軸に限らず複数軸あってもよい。回転軸が複数軸である場合、少なくとも1つの回転軸についての周速度が前記範囲であることが好ましく、全ての回転軸についての周速度が前記範囲であることがより好ましい。
混練装置の回転軸に設けられた撹拌部材は、プロペラ翼、ディスクタービン翼、パドル翼、傾斜パドル翼、アンカー翼、スパイラル翼等の形状のものを使用してよい。また攪拌部材は2段以上に取り付けられていてもよい。
混練装置の混練槽は、特に縛りはないが、耐摩耗性の観点からステンレス製の混練槽が挙げられる。また混練槽は所定のフルード数になるような内径を有するものを使用する。また混練槽のボトム形状は四角でも楕円などでも良いが、流れの停滞を防ぐために楕円形状のものが好ましい。混練装置は、その他に、モータや軸封装置、変速機などが取り付けられていてもよい。
本発明の前混合及び/又は後混合では、混練槽中の混合物の高さH(cm)/混練槽の内径R(cm)の比(以下、H/R比ともいう)が、効率的な混練が可能となる観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である。ここで、混練槽中の混合物の高さHとは、混練槽底部から混合物の上面(液面)までの長さのことを言う。また、混練槽の内径Rは、後述の通りである。
本発明で用いる混練装置としては、例えば、強制二軸ミキサー、ホバートミキサー、螺旋アーム式二軸強制練りミキサー(ジクロスミキサー)などが挙げられ、ハンドミキサーを適切な混練槽と組み合わせた装置なども用いることができる。
前混合では、周速度が、スラリーの濃度勾配を低減する観点から、20m/min以上、好ましくは50m/min以上、より好ましくは75m/min以上、そして、混練による振動や騒音を低減する観点から、好ましくは1728m/min以下、より好ましくは500m/min以下、更に好ましくは250m/min以下、より更に好ましくは100m/min以下である。
ここで、周速度V(m/min)は、円周率π、撹拌部材の回転により形成される円の最大径D(mm)、回転数N(rpm)を使って、V=π×D×N/1000によって定義される。
また、前混合では、フルード数が、スラリーの濃度勾配を低減する観点から、0.40以上、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、そして、混練に要するエネルギー削減の観点から、好ましくは35以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下で混合する。
ここで、フルード数Frは、周速度V’(m/s)と混練槽の内径H(m)、重力加速度g(m/s)を使って、
によって定義される。ここで、混練槽の内径は、撹拌部材の回転軸と直交する断面でみた混練槽の最大内径であり、混練槽の形状が円以外である場合は、当該形状における内接円の直径をいう。
前混合での混合時間は、4秒以上、スラリーの濃度勾配を低減する観点から、好ましくは5秒以上、より好ましくは8秒以上、そして、混合時間を短縮する観点から、好ましくは240秒以下、より好ましくは120秒以下、更に好ましくは70秒以下、より更に好ましくは20秒以下である。
前混合での混合時間は、前記混合槽内に水と無機粉体の全量が投入され、所定の周速度及びフルード数に達した時点を始点としてよい。
本発明では、前混合で得られた前記混合物に(A)成分を添加して、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材とを含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で8秒以上混合(以下、後混合という)すること、を行う。
後混合で用いる混練装置は、前混合と同じものであってよく、同じものであることが好ましい。すなわち、本発明では、前混合と後混合を、同じ混練装置で、更に同じ混練装置で連続して、行うことができる。
後混合における周速度とフルード数の好ましい数値は、それぞれ、前混合の好ましい数値から選択できる。
後混合での混合時間は、8秒以上、スラリーの濃度勾配を低減する観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは50秒以上、そして、混合時間を短縮する観点から、好ましくは240秒以下、より好ましくは180秒以下、より更に好ましくは120秒以下、より更に好ましくは80秒以下である。
後混合での混合時間は、前記混合物に、(A)成分の全量が添加され、所定の周速度及びフルード数に達した時点を始点としてよい。
また、本発明では、特定の周速度及びフルード数で混合を行うことにより、短時間の混合、例えば、前混合での混合時間が20秒以下、後混合での混合時間が120秒以下、という短時間で、均質で適度に増粘され移送時の配管などへの残留が少なく効率よく移送できるスラリーを製造することができる。
本発明では、(A)成分の混合量は、水の混合量に対して、例えば0.01質量%以上、更に0.05質量%以上、更に0.1質量%以上、そして、経済性の観点から、10質量%以下、更に8質量%以下、更に5質量%以下、更に3質量%以下、更に2質量%以下、更に1.5質量%以下、更に1.0質量%以下の割合であってよい。
(A)成分として化合物(1)を用いる場合、化合物(1)の混合量は、水の混合量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下であってよい。
スラリーは、水、無機粉体、及び(A)成分以外の任意成分を含有することができる。任意成分としては、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤、消泡剤などの、様々な化学混和剤が挙げられる。これら任意成分は、後混合の以前に添加することが好ましい。なお、本発明では、前混合と後混合以外の混合工程を含んでいてもよい。
本発明により製造されるスラリーは、20℃での粘度が、例えば、2000mPa・s以上、更に3000mPa・s以上、更に4000mPa・s以上であってよい。この粘度は、B型粘度計(RION株式会社製、VISCOTESTER VT-04E、ローターNo.1、回転数:62.5rpm)により測定されたものである。
[用いた成分]
(1)水
水道水
(2)無機粉体
セメント:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント(株)製、比重3.16
スラグ微粉末:スピリッツ4000、日鉄セメント(株)製、ブレーン値4000cm/g
フライアッシュ:中部フライアッシュ、(株)テクノ中部、比重2.25
(3)(A)成分
オレイルジメチルアミンオキシドとオレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドを、オレイルジメチルアミンオキシド/オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド=20/80の質量比で併用した。
(4)その他の成分
混和剤(表には示さず):メタクリル酸と、メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルのエステル(ポリエチレングリコール部分の平均重合度120)との、共重合体のナトリウム塩(重量平均分子量42000、共重合体中のメタクリル酸比率が90mol%)、W/Pが35%の例で使用し、前混合で用いる水(練り水中)に添加して用いた。添加量は無機粉体に対して1.0質量%とした。
セルロース:アスカクリーン、信越化学工業(株)製
<実施例1及び比較例1>
上記の成分を表の通り用いてスラリーを調製した。スラリーの配合は以下の通りとした。W/Pは水/無機粉体比である。
配合1 水道水200g 無機粉体200g W/P100%
配合2 水道水227.5g 無機粉体113.7g W/P200%
配合3 水道水138g 無機粉体394.2g W/P35%
適切なディスポカップ(内径0.07m)に、配合1~3に応じて水道水又は無機粉体の全量を加えた。その後、配合1~3に応じて表の前混合の添加順序で各成分の全量を加えた。その後、表の前混合に記載の所定の混練時間、周速度、フルード数で混練を行い混合物を得た。なお混練は、フラット6枚パドル翼(FP-50、アズワン(株)製)を設置した攪拌機(EUROSTAR 200 control、IKAジャパン(株)製)を使用して行った。周速度は、前記パドル翼の最大径における周速度であった。
得られた混合物に、同じディスポカップ内で、配合1~3に応じて表の後混合の成分(一部の比較例ではセルロース)の全量を加えて、前記のパドル翼と攪拌機を使用して、再度所定の混練時間、周速度、フルード数で混練を行い、スラリーを得た。ただし比較例1-7の後混合は内径0.12mのディスポカップで、また比較例1-8の後混合は内径0.045mのディスポカップで、それぞれ行った。また、比較例1-9の前混合は内径0.12mのディスポカップで、また比較例1-10の前混合は内径0.045mのディスポカップで、それぞれ行った。周速度は、前記パドル翼の最大径における周速度であった。
得られたスラリーを用いて以下の試験を行った。結果を表1に示した。
(1)スラリー粘度
スラリーの粘度を、20℃で、B型粘度計(RION株式会社製、VISCOTESTER VT-04E、ローターNo.1、回転数:62.5rpm)で測定した。
(2)移送歩留まり率
質量が分かっている容量300mLのディスポカップに、約100gのスラリーを投入し、ディスポカップとスラリーの総質量を計測し、投入したスラリーの量を算出した。その後、ディスポカップを30秒間逆さにして、30秒間経った後に再度ディスポカップとディスポカップに付着したスラリーの総質量を計測し、ディスポカップ内に残存したスラリーの質量を算出した。以下の式で移送歩留まり率を算出した。この値が小さいほど、移送歩留まりが高く、移送時の損失が小さいことを意味する。
移送歩留まり率(%)=(ディスポカップ内に残存したスラリーの質量/投入したスラリーの質量)×100
(3)スラリー外観
スラリーを、内径50×高さ100mmのコンクリート供試体成形型枠(商品名プラモールド、株式会社マルイ、円柱型)に流し込み、60分間静置した後、スラリーを型枠の上方から目視観察し、スラリーの状態によって、次のように均質性を評価した。
5:水浮きが無く、かつ表面の気泡浮き数が0~5個である。
4:水浮きが無く、かつ表面の気泡浮き数が6~10個である。
3:水浮きが無く、かつ表面の気泡浮き数が11~20個である。
2:水浮きが無く、かつ表面の気泡浮き数が21~40個である
1:水浮きがある、もしくは表面の気泡浮き数が41個以上である、の少なくとも何れかに該当する。
前混合10秒で後混合60秒の実施例1-2は、混合時間がより長い前混合が60秒で後混合が300秒の実施例1-6と外観及び粘度が同等であり、実施例1-2の短時間でも十分に混合できることがわかる。更に、前混合及び後混合の混練時間が本発明の範囲を満たすことで、例えば、実施例1-5のように、それぞれの混練時間がより短くても良好な効果が得られることがわかる。
一方、前混合又は後混合のいずれかの混練時間が実施例1-2よりも短い、前混合の混練時間が1秒の比較例1-3、及び後混合の混練時間が5秒の比較例1-4は、外観及び粘度が劣り、混合が不十分であることがわかる。

Claims (7)

  1. 水、無機粉体、及びアミンオキシド型界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を混合してスラリーを製造する、スラリーの製造方法であって、
    水と無機粉体とを、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材と混練槽を含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で4秒以上混合して混合物を得ること、及び
    前記混合物に(A)成分を添加して、回転軸と該回転軸に設けられた撹拌部材とを含む混練装置を用いて、前記撹拌部材の最大径部分の周速度が20m/min以上、且つフルード数が0.40以上での条件で、前記混練槽内で8秒以上混合すること、
    を行う、スラリーの製造方法。
  2. 無機粉体が、水硬性粉体、潜在水硬性粉体、ポゾラン作用を持つ粉体、及びベントナイトから選ばれる1種類以上の無機粉体である、請求項1に記載のスラリーの製造方法。
  3. 水/無機粉体比が30%以上250%以下である、請求項1又は2に記載のスラリーの製造方法。
  4. 水の混合量と無機粉体の混合量の合計量が0.2kg以上である、請求項1~3の何れかに記載のスラリーの製造方法。
  5. 水と無機粉体とを混合して混合物を得る混合時間が4秒以上240秒以下、前記混合物に(A)成分を添加してスラリーを得る混合時間が8秒以上240秒以下である、請求項1~4の何れか1項に記載のスラリーの製造方法。
  6. (A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1~5の何れか1項に記載のスラリーの製造方法。

    〔式中、
    Xは、R1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基である。
    1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
    1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
    nは1以上3以下の整数である。
    及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
    である。〕
  7. (A)成分が、前記一般式(1)で表される化合物の2種以上であり、前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物である、請求項6に記載のスラリーの製造方法。
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