JP2023133876A - 転写用基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写性と耐擦過性に優れた転写用基材を提供する。【解決手段】印刷パターンを一旦保持し、保持した印刷パターンを被転写体に転写し画像パターンとするために用いられる転写用基材であって、支持体の一方の面に、インク受容層と、該インク受容層上に切断時伸びが200%以上のシリコーン樹脂を含有する離型層をこの順に有する。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット方式により形成された印刷パターンを被転写体へ転写し画像パターンとするために用いられる転写用基材に関するものである。
近年、様々な高精細印刷技術が開発され、高精細な画像パターンを有する印刷物が多く製造・販売されているが、他人とは違う印刷物を得るためのオンデマンド性の要求の高まりにより、従来の紙媒体だけでなく、布帛などの繊維材料、合成皮革、樹脂成型物、金属成型物、木材加工物など様々な対象物に高精細な印刷を施し画像パターンを形成する必要性が高まってきた。このような状況の中、例えば昇華型インクを用いて印刷した転写紙を使用して対象物に画像パターンを熱昇華転写する昇華型インク捺染転写、水性顔料インクを対象物に直接印刷し画像パターンを形成する水性顔料インクダイレクト捺染、UV硬化型インクを使用し対象物に直接印刷し画像パターンを形成するUVインクジェット印刷、その他スクリーン印刷による方法などが使用されている。
しかし、例えば昇華型インク捺染転写や水性顔料インクダイレクト捺染では、対象物によっては昇華性インクや水性顔料インクを保持するための定着層(吸収層)を設ける必要があり、インクを保持することができる布帛等に水性顔料インクダイレクト捺染にて直接印刷した場合でも、印刷されたインクの色材以外の不要成分を除去するために後洗浄が必要な場合があった。またUVインクジェット印刷を使用した場合、比較的多くの種類の対象物に印刷することができるものの、UV硬化型インクの残存モノマー成分によると思われる臭気が酷く、しばしば問題となる場合があった。またスクリーン印刷による方法では、UVインクジェット印刷と比較して臭気などは低いが、使用するインキの硬化に時間がかかる場合があり、布帛等へ印刷した場合は、インキの不要成分が残存するため後洗浄が必要な場合があった。
このような問題に対し、予め別の平面基材上にインクジェット方式により印刷パターンを形成した後、これを対象物(被転写体)へ転写し画像パターンを形成する方法が提案されている。例えば特開2003-312195号公報(特許文献1)においては、転写層を有する転写シートにインクジェット方式により印刷パターンを形成した後、加熱することにより布帛に該印刷パターンを転写させる転写シートが提案されている。しかしながら、この手法で転写を行うと、絵柄と共に転写層まで布帛に転写されてしまうため、高精細で高発色の画像パターンが得られない場合があった。
また、特開2019-206164号公報(特許文献2)においては、インク受容層となる多孔質層の上に無機微粒子及び/または有機微粒子を主成分とする解離層を有する転写用基材を用い、インクジェット方式により印刷パターンを形成した後、加熱により粘着性を生じる物質を介在させ布帛へ転写し画像パターンを形成する方法が提案されている。この手法で転写を行うと、インク受容層は布帛へ転写されないため、高精細で高発色の画像パターンを得ることが可能であるが、擦過により解離層が脱落し、転写不良が生じる場合があった。
また、特開2019-148041号公報(特許文献3)には、原紙上に1層以上の塗工層を有し、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が異なる二種の結合剤および潤滑剤を含有する転写用紙が記載され、潤滑剤として各種シリコーンオイルを含有できることが記載されている。しかしながら、擦過による転写不良においては更なる改善の余地があった。
特開2003-312195号公報 特開2019-206164号公報 特開2019-148041号公報
本発明は、転写性と耐擦過性に優れた転写用基材を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の発明によって基本的に達成される。
印刷パターンを一旦保持し、保持した印刷パターンを被転写体に転写し画像パターンとするために用いられる転写用基材であって、支持体の一方の面に、インク受容層と、該インク受容層上に切断時伸びが200%以上のシリコーン樹脂を含有する離型層をこの順に有することを特徴とする転写用基材。
本発明により、転写性と耐擦過性に優れた転写用基材を提供することができる。
以下、本発明の転写用基材について詳細に説明する。
本発明の転写用基材が有するインク受容層は、良好な発色性が得られ、画像均一性に優れる観点から、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有することが好ましい。ここで主体として含有するとは、インク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上含有することを意味し、好ましくは該無機微粒子を60~96質量%含有する。インク受容層が含有する無機微粒子としては、親水性の無機微粒子が好ましく、例えば、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種無機微粒子が挙げられるが、高い印字濃度、及び優れた画像鮮鋭性が得られる点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からAEROSIL(登録商標)、(株)トクヤマからレオロシール(登録商標)として市販されている。
本発明の転写用基材が有するインク受容層には、気相法シリカが好ましく使用できる。インク受容層が含有する気相法シリカの平均一次粒子径は、発色性の点から30nm以下が好ましく、平均一次粒子径が3~15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものがより好ましく、平均一次粒子径が3~10nmでかつBET法による比表面積が250~500m/gのものが特に好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。本発明で用いる気相法シリカは、前述の通り、発色性の点から平均二次粒子径500nm以下に分散したものが好ましいが、10~300nmの範囲がより好ましい。気相法シリカの分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。インク受容層が含有する湿式法シリカとしては発色性の点から沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカとしては、発色性の点から平均二次粒子径が500nm以下であることが好ましく、20~300nmの範囲がより好ましい。また、本発明に用いられる湿式法シリカの平均一次粒子径は50nm以下であることが好ましく、3~40nmであることがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15~40質量%、より好ましくは20~35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することが好ましい。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の安定性の点で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000~10万程度が好ましく、特に2000~3万程度が好ましい。
インク受容層が含有するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ-アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ-アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。本発明では発色性の点から平均二次粒子径が500nm以下のアルミナを使用することが好ましく、20~300nmの範囲のものがより好ましい。
インク受容層が含有するアルミナ水和物はAl・nHO(n=1~3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物についても、発色性の点から平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20~300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。
本発明の転写用基材が有するインク受容層は水溶性バインダーを含有することが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500~6000が好ましく、1000~5000がより好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク受容層中における水溶性バインダーの含有量は、少ないほどインク受容層中の空隙容積が大きくなりインク吸収性が高くなる面で好ましいが、少なすぎるとインク受容層が脆弱となりひび割れ等の表面欠陥の発生や、光沢の低下の原因となるため、無機微粒子の総量に対して3~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。これにより、インク受容層をインク吸収性に優れた多孔質なインク受容層とすることができる。
インク受容層は、上記した水溶性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を含有させることで、ひび割れ等の表面欠陥の発生を抑制でき、インク吸収性および画像パターンの転写性も向上する。架橋剤としては、水溶性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の添加量は水溶性バインダーに対して0.1~40質量%が好ましく、より好ましくは0.5~30質量%である。
本発明においてインク受容層は、前述の非晶質合成シリカのカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として含有してもよい。また、インク受容層は、耐水性向上等のため水溶性多価金属化合物を含有してもよい。水溶性多価金属化合物としては水溶性アルミニウム化合物が好ましく利用できる。
水溶性アルミニウム化合物としては例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6-n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)からポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)からポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンからピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
上記した水溶性多価金属化合物の含有量は、インク受容層が含有する無機微粒子に対して0.1~10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層は、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、界面活性剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明において、インク受容層の乾燥後の塗布量は10~60g/mであることが好ましく、支持体が樹脂被覆紙のような非吸収性支持体である場合には、乾燥後の塗布量は20~60g/mであることが好ましい。
インク受容層の塗布方式としては、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式等の各種塗布方式が例示される。
次に、本発明の転写用基材が有する離型層について説明する。本発明において離型層は切断時伸びが200%以上のシリコーン樹脂を含有する。切断時伸びとはJIS K 6251:2017にて定義されており、試験片が切断した際の伸びを示す。本発明において離型層が切断時伸び200%以上のシリコーン樹脂を含有することにより転写性と耐擦過性に優れた離型層を構成することができる。シリコーン樹脂形成液としては、単独で硬化する1液タイプ、硬化剤を配合する2液タイプ、水性エマルジョンタイプがあるが、本発明においては製造時の希釈媒体として環境負荷の小さい水を使用できるという点、及びインク吸収性への悪影響が少ないという点において水性エマルジョンタイプを用いることが好ましい。
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョンは、主剤(ベースポリマー)と架橋剤、必要に応じスズ化合物等の触媒の組み合わせからなる1液タイプである。主剤(ベースポリマー)は、1分子中に少なくとも2個の、ケイ素原子に結合した硬化反応性基を有するオルガノポリシロキサンであり、水中に乳化分散されている。硬化反応性基としては、水酸基、アルコキシ基等の加水分解性基が挙げられ、アルコキシ基が好ましい。架橋剤としては、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランを例示することができる。これら主剤(ベースポリマー)と架橋剤、必要に応じ添加される触媒により、縮合反応が進行しシリコーン樹脂が形成される。
上記、シリコーン樹脂形成用水性エマルジョンとしては、例えば信越化学工業(株)からPOLON(登録商標)-MF-56、KM-9749、KM-2002-T、KM-2002-L-1、KM-9772として、ダウ・東レ(株)からIE-7170として市販されている。
離型層の乾燥後の塗布量は0.01~0.2g/mであることが好ましく、0.03~0.1g/mがより好ましく、0.04~0.09g/mであることが特に好ましい。0.2g/mを超えるとインク吸収性の低下により、画像均一性が悪化する場合がある。
離型層は、シリコーン樹脂形成用水性エマルジョンに加え、更にインク受容層の項で述べた公知の各種添加剤を含有することができる。
離型層の塗布方式としては、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式、インクジェット方式等の各種塗布方式が例示される。中でも、リバースグラビアロール方式が好ましく、塗布の均一性の観点から、ロールの直径が100mm以下(より好ましくは20~80mm)の斜線グラビアロール(斜線の溝を有するグラビアロール)を用いるリバースグラビアロール方式が好ましい。
本発明の転写用基材が有する支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリプロピレン樹脂に無機充填剤を配合して、二軸延伸フィルム成形法によって製造された合成紙(例えば、ユポ(登録商標)、(株)ユポ・コーポレーション製)、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸収性支持体、上質紙、アート紙、コート紙等の吸収性支持体等が例示される。中でも、非吸収性支持体は高い光沢が得られる点で好ましいが、その反面、インク中の溶媒成分を吸収しない。このような非吸収性支持体上にはインク吸収性に優れる多孔質なインク受容層が好ましく設けられるが、本発明はこのような構成の転写用基材に特に有用である。これらの支持体の厚みは、50~300μmのものが好ましく使用される。
非吸収性支持体であるフィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合に、インク受容層を設ける面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。
支持体としてフィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合、支持体はインク受容層を設ける面上にゼラチンや各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等を含有する公知の下塗層を設けることや、予め接着性を改善するための層が設けられた易接着処理品(例えば易接着処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム)を用いることが好ましい。また、コロナ処理あるいはプラズマ処理により非吸液性支持体の濡れ性を改善することも好ましい。
下塗層の塗布量としては特に制限はないが、乾燥後の塗布量で0.005~2.0g/mの範囲が好ましく、0.01~1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02~0.5g/mの範囲が特に好ましい。
本発明において印刷パターンの形成に用いられるインクジェット方式としては、サーマル方式、ピエゾ方式、静電方式等が例示されるが、サーマル方式あるいはピエゾ方式が高精細画像を得ることが容易であるため好ましい。
本発明において、インクジェット方式により転写用基材上に形成される印刷パターン並びに被転写体へ転写される画像パターンは、例えば特開2013-141787号公報に例示されている、水性顔料インク、非水性顔料インク、又は紫外線硬化型の顔料インクに代表されるインクジェット印刷用顔料インクにより形成される画像パターンを例示することができ、特に安全性と解像度等の点からインクジェット印刷用水性顔料インクが好ましく用いられる。
本発明において好ましく用いられるインクジェット印刷用水性顔料インクは、少なくとも顔料色材、顔料色材分散剤、エマルジョン形態の熱可塑性樹脂及び水溶性の熱可塑性樹脂のうち少なくともいずれかと、1atmにおける沸点が250℃以下である水溶性有機溶剤、界面活性剤、水等を含む公知のものを使用することができる。また各成分は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。インクの総質量(100質量%)に対する、各成分の含有量は、顔料色材が0.2~10質量%、顔料色材分散剤、エマルジョン形態の熱可塑性樹脂及び水溶性の熱可塑性樹脂の合計が1.5~15質量%、1atmにおける沸点が250℃以下である水溶性有機溶剤が5~40質量%、界面活性剤が0.5~2質量%、水が50~93質量%であることが好ましい。
本発明における被転写体は、粘着テープの様に、そのもの自体が粘着性を有するものでも良く、熱可塑性樹脂の様に、加熱により軟化し粘着性を発現するものでも良いが、加熱粘着性物質を介して熱圧着することにより転写用基材上の印刷パターンを転写し画像パターンとすることが可能な被転写体が汎用性の点から好ましい。このような被転写体としては、一般的な繊維材料、合成皮革、樹脂成型物、金属成型物、ガラス成型物、陶器類、木材加工物等、特に限定することはないが、例えば繊維材料としては、天然繊維材料、半合成繊維材料及び合成繊維材料のいずれでも構わない。天然繊維材料や半合成繊維材料としては、例えば、綿、麻、リヨセル、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維材料、絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料等を挙げることができる。合成繊維材料は、例えば、ポリアミド繊維(ナイロン)、ビニロン、ポリエスエル、ポリアクリル等を挙げることができる。繊維材料の構成としては、織物、編物、不織布等の単独、混紡、混繊または交織などを挙げることができる。また形状は平面シート状のものから立体的な形状のものまで、厚みや質量に関係なく適宜使用することができるが、転写パターンを転写する面は平面もしくは連続面であることが転写パターンの密着性の観点で好ましい。
本発明における加熱粘着性物質としては、熱可塑性樹脂ラテックス、熱可塑性樹脂微粒子、熱可塑性樹脂フィルムシート等の公知の材料が使用できる。熱可塑性樹脂ラテックスとしては、アクリル酸及びメタクリル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル類、スチレン及び置換されたスチレン類、ハロゲン化ビニル類、テトラフルオロエチレンのようなフッ素化されたモノマー類、ハロゲン化ビニリデン類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類及びフルオロビニルエーテル類から作られるホモポリマー及び共重合体、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類、エポキシ類及びシロキサン類のような単独ポリマーだけでなく共重合体等も含めた熱可塑性樹脂を界面活性剤により水に分散したものが挙げられる。熱可塑性樹脂微粒子としては、これら熱可塑性樹脂を微粒子化したものが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムシートとしては、これら熱可塑性樹脂をフィルムシート化したものを適宜使用できる。中でも密着性と簡便性の点より、熱可塑性フィルムシートを使用することが好ましい。熱可塑性フィルムシートとしては、例えば日本マタイ(株)からエルファン(登録商標)シリーズ、倉敷紡績(株)からクランベター(登録商標)シリーズ、シーダム(株)からエセラン(登録商標)シリーズ、日東シンコー(株)からポリエスホットメルト接着シートとして市販されている。
本発明における、被転写体へ加熱粘着性物質を介して印刷パターンを転写する方法としては、熱可塑性微粒子を、印刷パターンを形成した転写用基材の印刷パターン面と、被転写体の転写面との間に載置した後、加熱転写する方法、熱可塑性樹脂フィルムシートを、印刷パターンを形成した転写用基材の印刷パターン面と、被転写体の転写面の間に載置した後、加熱転写する方法などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。また、実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
(実施例1)
支持体として、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル(株)製、全光線透過率89%)に、下記組成のインク受容層塗布液1を乾燥後の塗布量として25g/mとなるようにスライドビードを用いた塗布装置にて塗布しインク受容層を形成した。その後10℃で20秒間冷却後、30~55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。更に該インク受容層上に下記組成の離型層塗布液1を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて乾燥後の塗布量として0.02g/mとなるように斜線グラビアロール(直径60mm)の回転数を調整して塗布を行い、45℃の温風を吹き付けて乾燥し離型層を形成し実施例1の転写用基材を得た。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を作製した。該分散液が含有する気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。この気相法シリカ分散液を用い、下記組成のインク受容層塗布液1を作製した。
<インク受容層塗布液1>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
塗布液の固形分濃度が13%になるように水で調整した。
<離型層塗布液1>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 0.33部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 99.67部
(実施例2)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液2に代えた以外は実施例1と同様にして実施例2の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.03g/mとした。
<離型層塗布液2>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 0.5部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 99.5部
(実施例3)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液3に代えた以外は実施例1と同様にして実施例3の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.05g/mとした。
<離型層塗布液3>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 0.83部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 99.17部
(実施例4)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液4に代えた以外は実施例1と同様にして実施例4の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.08g/mとした。
<離型層塗布液4>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 1.35部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 98.65部
(実施例5)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液5に代えた以外は実施例1と同様にして実施例5の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.1g/mとした。
<離型層塗布液5>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 1.66部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 98.34部
(実施例6)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液6に代えた以外は実施例1と同様にして実施例6の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.08g/mとした。
<離型層塗布液6>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 1.35部
(KM-9772、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
水 98.65部
(実施例7)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液7に代えた以外は実施例1と同様にして実施例7の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.08g/mとした。
<離型層塗布液7>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 1.13部
(IE-7170、ダウ・東レ(株)製、固形分濃度48%)
水 98.87部
(比較例1)
実施例1において、離型層塗布液1を塗布しない以外は実施例1と同様にして比較例1の転写用基材を得た。
(比較例2)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液8に代えた以外は実施例1と同様にして比較例2の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.6g/mとした。
<離型層塗布液8>
コロイダルシリカ 15部
(クォートロンPL-3L、扶桑化学工業(株)製、固形分濃度20%)
水 85部
(比較例3)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液9に代えた以外は実施例1と同様にして比較例3の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.3g/mとした。
<離型層塗布液9>
シリコーン粒子水性エマルジョン 3.8部
(KM-9729、信越化学工業(株)製、固形分濃度52%)
水 96.2部
(比較例4)
実施例1の離型層塗布液1を下記の離型層塗布液10に代え、更に離型層塗布・乾燥後に100℃で10分間加熱した以外は実施例1と同様にして比較例4の転写用基材を得た。離型層の乾燥後の塗布量は0.08g/mとした。ここで用いた離型層形成用シリコーンエマルジョンは硬化用の触媒を必要とし、付加反応により硬化する。
<離型層塗布液10>
離型性シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 1.3部
(KM-3951、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
シリコーン樹脂硬化触媒 0.07部
(CAT-PM-10A、信越化学工業(株)製、固形分濃度20%)
水 98.63部
上記のようにして作製した転写用基材について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<転写性>
転写用基材に水性顔料インクを用いたインクジェットプリンターにて、50mm×20mmの大きさの画像パターンの印刷を行い、転写用基材上に印刷パターンを形成した。
被転写体として50番手糸を使った平織り綿布帛に、加熱粘着性物質としてポリアミド系熱可塑性樹脂フィルムシート(日本マタイ(株)製エルファンNT-120:厚み50μm)を介して、転写用基材の印刷パターンを形成した面を密着させ、ロール温度110℃に調製したロールラミネーターを用いて圧力10N/cm、速度0.5m/分で熱圧着し、室温に戻してから転写用基材を剥離し画像パターン転写物を得た。この画像パターン転写物を観察し、下記基準にて官能評価した。
◎:画像パターンが均一に転写されている。
○:「◎」より画像パターンの均一性は劣るが、注視しないと判らないレベル。
△:「○」よりより画像パターンの均一性は劣るが、実用上問題とならないレベル。
×:画像パターンが均一に転写されず、インク受容層や離型層が一部転写されている。
<耐擦過性試験後の転写性>
転写用基材を200mm×幅25mmの大きさに切り出して試験片とし、これを離型層が表面になるようにJIS L0849:2013の学振試験機に置いた。続いて、学振試験機の摩擦端子に長繊維不織布(ベンコット(登録商標)M-3II、旭化成(株)製)を取り付けた後、荷重300gを載せ、試験片の表面を10往復摺動させた。この試験片をA4サイズの用紙に貼りつけ、水性顔料インクを用いたインクジェットプリンターにて、50mm×20mmの大きさの画像パターンを印刷し、上記<転写性>評価と同様に被転写体へ転写し、画像パターン転写物を得た。この画像パターン転写物を観察し、上記<転写性>と同基準にて官能評価した。
<シリコーン樹脂の切断時伸び>
離型層塗布液1から7の作製に用いたシリコーン樹脂形成用水性エマルジョン3種類、離型層塗布液9の作製に用いたシリコーン粒子水性エマルジョン、離型層塗布液10の作製に用いた離型性シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン1種類を、下記の水性エマルジョン1から5として、乾燥時の厚みが2mmとなるように易接着処理がなされていない厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル(株)製、全光線透過率89%)上に塗布した。水性エマルジョン1から4は室温乾燥後50℃で8時間の加熱を行った。また、水性エマルジョン5は室温乾燥後100℃で10分加熱し、次いで50℃で8時間の加熱を行った。乾燥後のシリコーン樹脂からなる被膜をJIS K 6251:2017に従い切断時伸びの測定を行った。その結果を表1に示す。なお、水性エマルジョン4に関しては乾燥後に粉体となったため、切断時伸びの測定は行わなかった。
<水性エマルジョン1>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 100部
(POLON-MF-56、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
<水性エマルジョン2>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 100部
(KM-9772、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
<水性エマルジョン3>
シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 100部
(IE-7170、ダウ・東レ(株)製、固形分濃度48%)
<水性エマルジョン4>
シリコーン粒子エマルジョン 100部
(KM-9729、信越化学工業(株)製、固形分濃度52%)
<水性エマルジョン5>
離型性シリコーン樹脂形成用水性エマルジョン 95.2部
(KM-3951、信越化学工業(株)製、固形分濃度40%)
シリコーン樹脂硬化触媒 4.8部
(CAT-PM-10A、信越化学工業(株)製、固形分濃度20%)
表1の結果から、本発明の転写用基材は耐擦過性試験を行っても転写性に変化はなく、転写性と耐擦過性に優れていることがわかる。

Claims (1)

  1. 印刷パターンを一旦保持し、保持した印刷パターンを被転写体に転写し画像パターンとするために用いられる転写用基材であって、支持体の一方の面に、インク受容層と、該インク受容層上に切断時伸びが200%以上のシリコーン樹脂を含有する離型層をこの順に有することを特徴とする転写用基材。
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