JP2023133420A - ウェハ保持装置及びウェハ搬送保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハにダメージを与えることなく薄いウェハを保持するウェハ保持装置及びウェハ搬送保持装置を提供する。【解決手段】ウェハ保持装置5は、ウェハWのデバイス形成領域より大径のリング状に形成され、ウェハWの外周縁に当接可能で多孔質材料から成る吸着パッド51と、吸着パッド51を下面に埋設するフレーム52と、吸着パッド51に接続され、吸着パッド51とウェハWとの間に負圧を生じさせる真空源S1と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、ウェハ保持装置及び該ウェハ搬送保持装置に関するものである。
半導体製品に設けられているデバイスは、シリコンウェハ(以下、単に「ウェハ」という)上にエッチングレジストとして感光性樹脂を塗付した後、エッチングすることにより形成される。ウェハは、デバイスがエッチングされたパターン面の裏面をバッググラインダによって研削されるが、この裏面研削の際には、パターン面には予めバッググラインド(BG)テープが貼り付けられている。
このような裏面研削されたウェハの搬送は、ウェハの裏面全面を吸着する全面吸着パッド(例えば、特許文献1参照)や、ウェハの表面に空気流を吐出してウェハとの間に発生した負圧でウェハを保持するベルヌーイノズルを備えた保持装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、特許文献1に係る全面吸着パッドで極めて薄いウェハを吸着する場合、吸着パッドとウェハとの間に研削屑が噛み込むと、ウェハが割れたり、デバイスが汚染される虞があるという問題がある。
また、特許文献2に係る保持装置は、反ったウェハでは適切な負圧が得られずにウェハが脱落したり、高速で吐出される空気流がウェハの加工面を汚染してウェハ内のクラックを誘発する虞があるという問題があった。
そこで、ウェハにダメージを与えることなく薄いウェハを保持するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るウェハ保持装置は、ウェハを吸着保持するウェハ吸着保持装置であって、前記ウェハのデバイス形成領域より大径のリング状に形成され、前記ウェハの外周縁に当接可能で多孔質材料から成る吸着パッドと、前記吸着パッドを下面に埋設するフレームと、前記吸着パッドに接続され、前記吸着パッドとウェハとの間に負圧を生じさせる真空源と、を備えている。
この構成によれば、吸着パッドがウェハ中央のデバイス形成領域に非接触でウェハの外周縁を負圧で吸着保持することにより、従来のようなウェハを全面吸着する場合と比べて、研削屑の噛み込みに起因するウェハの損傷やデバイスの汚染を抑制することができる。また、吸着パッドがウェハの外周縁に接触することにより、反ったウェハであっても吸着保持することができる。
また、本発明に係るウェハ保持装置は、前記吸着パッドに接続され、前記吸着パッドとウェハとの間に圧縮空気を供給する空気源をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、吸着パッドと吸着パッドに吸着保持されたウェハとの間に圧縮空気を供給することにより、これらの吸着を容易に解除することができる。
また、本発明に係るウェハ保持装置は、前記フレームは、円板状に形成され、該フレームを上下に貫通する連通孔が形成されており、前記連通孔には、前記フレーム内に圧縮空気を供給する空気源が接続されていることが好ましい。
この構成によれば、ウェハ保持装置がウェハを吸着保持している際に、連通孔を介してフレーム内に供給される圧縮空気の圧力でウェハをフレーム側に押圧するような種々の圧力を相殺することにより、ウェハの割れを抑制することができる。
また、本発明に係るウェハ保持装置は、前記フレームは、円板状に形成され、該フレームを上下に貫通する連通孔が形成されており、前記連通孔には、前記フレーム内に保湿水を供給する給水源が接続されていることが好ましい。
この構成によれば、ウェハ保持装置がウェハを吸着保持している際に、連通孔を介してフレーム内に供給される保湿水の圧力でウェハをフレーム側に押圧するような種々の圧力を相殺することにより、ウェハの割れを抑制することができる。また、ウェハ保持装置がウェハを吸着保持されている間に、ウェハ表面を湿潤状態に維持するため、ウェハ表面に研削屑が固着することを抑制できる。
また、本発明に係るウェハ搬送保持装置は、上述したウェハ保持装置と、前記フレームに接続され、前記ウェハ保持装置を搬送する搬送機構と、を備えていることが好ましい。
この構成によれば、搬送機構がウェハ保持装置を任意の場所に移動させることができる。
本発明は、吸着パッドがウェハ中央のデバイス形成領域に非接触でウェハの外周縁を負圧で吸着保持することにより、従来のようなウェハを全面吸着する場合と比べて、研削屑の噛み込みに起因するウェハの損傷やデバイスの汚染を抑制することができる。また、吸着パッドがウェハの外周縁に接触することにより、反ったウェハであっても吸着保持することができる。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
図1は、ウェハ受け渡しシステム1を示す模式図である。ウェハ受け渡しシステム1は、本発明の一実施形態に係るウェハ搬送保持装置2と、第1のチャック3と、第2のチャック4と、を備えている。ウェハ受け渡しシステム1は、例えばウェハWを平面加工する研削装置、研磨装置、洗浄装置等と併用され、極めて薄いウェハW(例えば、厚み25μm)を装置間で移送するものである。
ウェハ搬送保持装置2は、第1のチャック3に載置されたウェハWを第2のチャック4に移送するものである。例えば、第1のチャック3は、研削装置においてウェハWを吸着保持するウェハチャックであり、第2のチャック4は洗浄装置においてウェハWを吸着保持するウェハチャック等である。なお、第2のチャック4は、第1のチャック3と同様の構成であるから、以下、第1のチャック3の構成を例に説明し、第2のチャック4については第1のチャック3と重複する構成を同様の符号を付して重複する説明を省略する。
第1のチャック3は、平面加工された被加工面を上方に向け、デバイスが形成されたデバイス面を下方に向けた状態でウェハWを吸着保持する。第1のチャック3は、セラミック等の緻密体からなる基台11と、基台11の上面に埋設されてセラミック等の多孔質材料からなる円盤状の吸着体12と、を備えている。基台11の外径寸法は、ウェハWより僅かに大径に設定されている。吸着体12の外径寸法は、ウェハWより僅かに小径に設定されている。
第1のチャック3は、基台11の内部に形成された図示しない管路を備えている。管路は、図示しないロータリージョイントを介して真空源、圧縮空気源又は給水源に接続されている。真空源が起動すると、吸着体12に載置されたウェハWが吸着体12に吸着保持される。また、圧縮空気源又は給水源が起動すると、ウェハWと吸着体12との吸着が解除される。
ウェハ搬送保持装置2は、ウェハ保持装置5と、ウェハ保持装置5を搬送する搬送機構6と、を備えている。
ウェハ保持装置5は、吸着パッド51と、フレーム52と、を備えている。図2は、ウェハ保持装置5の平面図及び底面図である。図3は、ウェハ保持装置5の一部切欠断面図である。図4は、フレーム52の外周縁を示す部分拡大図である。
吸着パッド51は、ウェハWの外径寸法より僅かに小さいリング状に形成されている。また、吸着パッド51の内径寸法は、ウェハW中央に多数のデバイスが並設されたデバイス形成領域より大きく設定されている。
吸着パッド51は、セラミックや樹脂等の多孔質材料からなる。吸着パッド51を樹脂製材料で形成した場合には、吸着パッド51をウェハWに柔軟に接触させることができる。また、樹脂製の吸着パッド51は、研削屑の噛み込みに起因するウェハWの撓み量を緩和することができる。
フレーム52は、周縁が僅かに厚肉な略円板状に形成されている。フレーム52は、セラミック等の緻密体からなる。フレーム52の周縁に沿って形成された環状溝53には、吸着パッド51が埋設されている。
フレーム52の周縁には、12個の管路54が互いに等間隔に設けられている。管路54は、フレーム52の上面から環状溝53まで貫通している。管路54は、図示しない切換弁を介して真空源S1及び圧縮空気源S2に接続されている。真空源S1が起動すると、ウェハWが吸着パッド51に吸着保持される。また、圧縮空気源S2が起動すると、ウェハWと吸着パッド51との吸着が解除される。
フレーム52には、フレーム52を上下に貫通する連通孔55が形成されている。連通孔55には、保湿水(純水)を供給する給水源S3に接続されている。なお、給水源S3の代わりに、圧縮空気を供給する圧縮空気源を連通孔55に接続しても構わない。
搬送機構6は、公知の搬送ロボットであり、複数のリンク62から成る伸縮アーム61を水平方向に伸縮自在に構成されている。搬送機構6の先端には、図示しないボルトでフレーム52が締結されている。なお、図2中の符号56は、ボルトを挿通するボルト孔である。
ウェハ受け渡しシステム1の動作は、図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、ウェハ受け渡しシステム1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段は、例えばコンピュータであり、CPU、メモリ等により構成される。なお、制御手段の機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作するものにより実現されても良い。
次に、ウェハ受け渡しシステム1の動作を図5に基づいて説明する。
[ウェハ受取工程]
[ウェハ受取工程]
まず、図5(a)に示すように、ウェハWが吸着保持された第1のチャック3の上方までフレーム52を移動させる。その後、搬送機構6がフレーム52をさらに降下させて、吸着パッド51がウェハWの周縁に密着する。
次に、図5(b)に示すように、第1のチャック3とウェハWとの間に圧縮空気(エアー)を吐出して、第1のチャック3とウェハWとの吸着を解除する。また、この圧縮空気の吐出と同期して、吸着パッド51とウェハWとの間に負圧を生じさせて吸着パッド51にウェハWを吸着させて、ウェハWを第1のチャック3から吸着パッド51に受け渡す。
一般的に、ウェハW中央には研削痕が残存しがちであるが、吸着パッド51は、ウェハWのデバイス領域に非接触でウェハWの外周縁を負圧で吸着保持するため、吸着パッド51とウェハWとの間に研削屑が噛み込むことを抑制することができる。
ウェハWを第1のチャック3からフレーム52に受け渡す際に、連通孔55を介してフレーム52とウェハWとで形成される密閉空間R内に保湿水が供給される。これにより、ウェハWに作用するデバイス面側から吹き出される圧縮空気の圧力と被研削面側から供給される保湿水の圧力とが相殺され、圧縮空気の圧力に起因して薄くて大径のウェハWが割れることを抑制できる。例えば、第1のチャック3から吹き出される圧縮空気が0.2MPaに設定される場合、連通孔55を介してフレーム52内に供給される保湿水の圧力は0.2MPaかそれより僅かに大きい圧力(0.3MPa等)に設定される。
また、ウェハWに保湿水を供給することにより、ウェハWの被加工面を湿潤状態に維持することができるため、被加工面に残存する研削屑の固着を抑制することができる。
そして、ウェハWが吸着パッド51に吸着された後に、図5(c)に示すように、搬送機構6がフレーム52を上昇させる。
[BGテープ洗浄工程]
[BGテープ洗浄工程]
次に、ウェハWの移送中に、ウェハWの下方に配置された洗浄ブラシ70でウェハWのデバイス面側に貼着されたBGテープを洗浄する。具体的には、図5(d)に示すように、公知の構成から成る洗浄ブラシ70を水平軸回りに回転させながらウェハWに押し付けることにより、BGテープに付着した研削屑を除去する。
また、洗浄ブラシ70でBGテープを洗浄する際に、連通孔55を介してフレーム52とウェハWとで形成される密閉空間R内に保湿水が供給される。これにより、ウェハWに作用するデバイス面側から洗浄ブラシ70を押し付ける圧力と被研削面側から供給される保湿水の圧力とが相殺され、洗浄ブラシ70をウェハWに押し付ける押圧力に起因して薄くて大径のウェハWが割れることを抑制できる。
また、ウェハWに保湿水を供給することにより、被加工面を湿潤状態に維持することができるため、被加工面に残存する研削屑の固着を抑制することができる。
[ウェハ受渡工程]
[ウェハ受渡工程]
まず、図5(e)に示すように、ウェハWが吸着保持するフレーム52を第2のチャック4の上方まで移動させる。その後、搬送機構6がフレーム52をさらに降下させて、ウェハWが第2のチャック4に密着する。
次に、図5(f)に示すように、管路54から圧縮空気(エアー)を吐出させて、吸着パッド51とウェハWとの吸着を解除する。また、この圧縮空気の吐出と同期して、第2のチャック4とウェハWとの間に負圧を生じさせて第2のチャック4にウェハWを吸着させて、ウェハWを吸着パッド51から第2のチャック4に受け渡す。
ウェハWをフレーム52から第2のチャック4に受け渡す際に、連通孔55を介してフレーム52とウェハWとで形成される密閉空間R内に保湿水が供給される。これにより、密閉空間R内に拡散した保湿水が研削屑等の密閉空間R内への浸入を抑制する。
また、ウェハWに保湿水を供給することにより、被加工面を湿潤状態に維持することができるため、被加工面に残存する研削屑の固着を抑制することができる。
そして、ウェハWが第2のチャック4に吸着された後に、図5(g)に示すようにフレーム52を第2のチャック4から遠ざかるように移動させる。
このようにして、本発明の実施形態に係るウェハ保持装置5によれば、吸着パッド51がウェハW中央のデバイス形成領域に非接触でウェハWの外周縁を負圧で吸着保持することにより、従来のようなウェハWを全面吸着する場合と比べて、研削屑の噛み込みに起因するウェハWの損傷やデバイスの汚染を抑制することができる。また、吸着パッド51がウェハWの外周縁に接触することにより、反ったウェハWであっても吸着保持することができる。
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
1 ・・・ウェハ受け渡しシステム
2 ・・・ウェハ搬送保持装置
3 ・・・第1のチャック
4 ・・・第2のチャック
5 ・・・ウェハ保持装置
6 ・・・搬送機構
11 ・・・基台
12 ・・・吸着体
51 ・・・吸着パッド
52 ・・・フレーム
53 ・・・環状溝
54 ・・・管路
55 ・・・連通孔
56 ・・・ボルト孔
61 ・・・伸縮アーム
62 ・・・リンク
70 ・・・洗浄ブラシ
S1 ・・・真空源
S2 ・・・圧縮空気源
S3 ・・・給水源
W ・・・ウェハ
2 ・・・ウェハ搬送保持装置
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Claims (5)
- ウェハを吸着保持する保持装置であって、
前記ウェハのデバイス形成領域より大径のリング状に形成され、前記ウェハの外周縁に当接可能で多孔質材料から成る吸着パッドと、
前記吸着パッドを下面に埋設するフレームと、
前記吸着パッドに接続され、前記吸着パッドとウェハとの間に負圧を生じさせる真空源と、
を備えていることを特徴とするウェハ保持装置。 - 前記吸着パッドに接続され、前記吸着パッドとウェハとの間に圧縮空気を供給する空気源をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載のウェハ保持装置。
- 前記フレームは、円板状に形成され、該フレームを上下に貫通する連通孔が形成されており、
前記連通孔には、前記フレーム内に圧縮空気を供給する空気源が接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のウェハ保持装置。 - 前記フレームは、円板状に形成され、該フレームを上下に貫通する連通孔が形成されており、
前記連通孔には、前記フレーム内に保湿水を供給する給水源が接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のウェハ保持装置。 - 請求項1から4の何れか1項記載のウェハ保持装置と、
前記フレームに接続され、前記ウェハ保持装置を搬送する搬送機構と、
を備えていることを特徴とするウェハ搬送保持装置。
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