JP2023130685A - エアゾール組成物及びエアゾール製品 - Google Patents

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康友 中島
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北斗 上條
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瑞穂 田中
Mizuho Tanaka
啓介 越塚
Keisuke Koshizuka
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Abstract

【課題】原液組成物中に引火性液体が含まれている場合であっても、他のハイドロフルオロオレフィンを用いた場合と比較して、引火しにくくより安全性に優れ、均一なスプレーパターンが得られやすいエアゾール組成物。【解決手段】エアゾール組成物であって、該エアゾール組成物が、引火性液体を含む原液組成物と、モノクロロテトラフルオロプロペンとを含み、該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、該引火性液体が、引火点が-12℃~200℃の有機溶剤である、エアゾール組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、エアゾール組成物及びエアゾール製品に関する。
従来、霧状の噴射物を形成するためのエアゾール製品には、噴射剤として、LPGなどの液化ガスが用いられている。LPGなどの液化ガスを用いると、良好な霧状噴射を実現でき、皮膚などの適用箇所に良好な冷感を付与することができるが、引火性ガスであるために安全性への懸念が生じる。
そこで、地球温暖化係数及びオゾン破壊係数が低い不燃性ガスであるハイドロフルオロオレフィン(HFO)が着目されている。特許文献1では、噴霧用組成物の原液として、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))などのハイドロフルオロオレフィンと、アルコールとを用いることが提案されている。特許文献2では、空間用エアゾール組成物の原液として、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(Z))などのハイドロフルオロオレフィンと、引火性の油性溶剤とを用いることが提案されている。
特開2021-024786号公報 特開2021-187798号公報
一方、本発明者らが、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))などのハイドロフルオロオレフィンを用いたエアゾール組成物を検討したところ、組成物中に引火性液体が含まれている場合に、引火しやすく安全性が不十分であることと、常温下や、低温環境、特に5℃程度といった極低温環境での使用において、均一なスプレーパターンが得られにくいことがわかった。
本開示は、原液組成物中に引火性液体が含まれている場合であっても、他のハイドロフルオロオレフィンを用いた場合と比較して、引火しにくくより安全性に優れ、均一なスプレーパターンが得られやすいエアゾール組成物を提供する。
本開示は、エアゾール組成物であって、
該エアゾール組成物が、引火性液体を含む原液組成物と、モノクロロテトラフルオロプロペンとを含み、
該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、
該引火性液体が、引火点が-12℃~200℃の有機溶剤である、エアゾール組成物に関する。
本開示によれば、原液組成物中に引火性液体が含まれている場合であっても、他のハイドロフルオロオレフィンを用いた場合と比較して、引火しにくくより安全性に優れ、均一なスプレーパターンが得られやすいエアゾール組成物を提供できる。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(モノクロロテトラフルオロプロペン)
エアゾール組成物は、モノクロロテトラフルオロプロペンを含む。
モノクロロテトラフルオロプロペンは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一である。1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、CFCF=CHClとも表される。モノクロロテトラフルオロプロペンは、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))であることが特に好ましい。モノクロロテトラフルオロプロペンは、噴射剤として機能しうる。
本発明者らが検討したところ、上記モノクロロテトラフルオロプロペンを用いたエアゾール組成物は、引火性液体を原液組成物に含む場合であっても、他のハイドロフルオロオレフィンと比較して、引火しにくく安全性に優れていることがわかった。
モノクロロテトラフルオロプロペンは、原液組成物中の引火性液体に溶解する。エアゾール組成物の温度が上昇すると、引火性液体の引火点に到達する前に、引火性液体に溶解しているモノクロロテトラフルオロプロペンが気化し始める。この場合、原液組成物の周囲には、気化したモノクロロテトラフルオロプロペンが多く存在することとなるため、引火が妨げられ、引火しにくくなる。
また、モノクロロテトラフルオロプロペンは、他のハイドロフルオロオレフィンと比較して、より引火を妨げることができる。これは、モノクロロテトラフルオロプロペンは、気化した際の膨張率が他のハイドロフルオロオレフィンよりも高いため、引火性液体を含む原液組成物の周囲には、気化して膨張したモノクロロテトラフルオロプロペンがより多く存在することとなるからであると本発明者らは考えている。
さらに、本発明者らは、引火性液体を含む原液組成物とモノクロロテトラフルオロプロペンを含むエアゾール組成物が、常温下や極低温環境での使用において、他のハイドロフルオロオレフィンを用いた場合と比較して中抜け部分(噴射目的部の内側に、エアゾール組成物の付着が認められない部分)を発生させにくく、エアゾール組成物を噴射目的部に均一に付着させやすいため、均一なスプレーパターンが得られやすいことを見出した。
これは、引火性液体及びモノクロロテトラフルオロプロペンは外部に噴射されると気化しやすいことと、モノクロロテトラフルオロプロペンは気化した際の膨張率が他のハイドロフルオロオレフィンよりも高いことにより、噴射目的部に向かって原液組成物を細かい霧状に均一に噴射しやすいためであると本発明者らは考えている。引火性液体は、外部に噴射されると適度な粒子径になるため、揮発しやすい。また、モノクロロテトラフルオロプロペンは沸点が約15℃であり、他のハイドロフルオロオレフィン(例えばトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(沸点19℃)など)と比較して沸点が低いため、常温下において外部に噴射されると、気化しやすい。
特に、本発明者らは、従来のハイドロフルオロオレフィンの沸点との差が4℃程度しかないにもかかわらず、モノクロロテトラフルオロプロペンを用いると、極低温環境で使用する場合でも中抜け部分が生じにくく、エアゾール組成物が噴射目的部に均一に付着しやすく、均一なスプレーパターンが得られやすいことを見出した。
これは、モノクロロテトラフルオロプロペンが他のハイドロフルオロオレフィンと異な
る構造を有することで、モノクロロテトラフルオロプロペンが引火性液体を含む原液組成物により多く溶け込むことができるためと本発明者らは考えている。
エアゾール組成物中のモノクロロテトラフルオロプロペンの含有割合は特に制限されないが、好ましくは45.0質量%~95.0質量%であり、より好ましくは49.0質量%~90.0質量%であり、さらに好ましくは55.0質量%~90.0質量%である。含有割合が上記範囲である場合、引火性液体による引火を妨げ、常温下や極低温環境において均一なスプレーパターンを得るために十分かつ適度な量のモノクロロテトラフルオロプロペンが含まれる。
(原液組成物)
エアゾール組成物は、原液組成物を含む。エアゾール組成物中の原液組成物の含有割合は特に制限されないが、好ましくは5.0質量%~55.0質量%であり、より好ましくは9.0質量%~50.0質量%であり、さらに好ましくは9.0質量%~45.0質量%である。
原液組成物は、引火性液体を含む。引火性液体は、引火点が-12℃~200℃の有機溶剤である。引火性液体の引火点は、-10℃~130℃であることが好ましく、-8℃~110℃であることがより好ましく、-6℃~90℃であることがさらに好ましい。引火点が上記範囲にある有機溶剤は、外部に吐出する際に適度な粒子径となりやすく、揮発しやすいため、エアゾール組成物を噴射目的部に均一に付着させることができる。
引火性液体は、特に限定されない。例えば、油性溶剤、1価の低級アルコールなどが挙げられる。
油性溶剤としては、第4類引火性液体の第一石油類、第二石油類、第三石油類に属する油性溶剤などが挙げられる。具体的には、エクソールDSP145/160(引火点32℃)、エクソールD40(引火点45℃)、エクソールD60(引火点68℃)、エクソールD80(引火点81℃)、エクソールD110(引火点116℃)、エクソールD130(引火点140℃)などのナフテン系炭化水素、n-ヘプタン(引火点-4℃)、ノルパー10(引火点52℃)などのノルマルパラフィン系炭化水素(好ましくは、炭素数5~9のノルマルパラフィン系炭化水素)、出光スーパーゾルFP25(引火点49℃)、出光スーパーゾルLA25(引火点42℃)、アイソパーG(引火点44℃)、アイソパーH(引火点54℃)、アイソパーL(引火点64℃)、アイソパーM(引火点94℃)、IPソルベント1016(引火点-12℃)、IPソルベント1620(引火点49℃)、IPソルベント2028(引火点86℃)、IPソルベント2835(引火点139℃)、IPクリーンLX(引火点45℃)などのイソパラフィン系炭化水素、ティーソル100(引火点48℃)、ティーソル150(引火点66℃)、ソルベッソ150ND(引火点64℃)、ソルベッソ200(引火点104℃)などの芳香族系炭化水素、ケロシン(引火点65~70℃)などの炭化水素の混合物、トリシロキサン(引火点46℃)、シクロペンタシロキサン(引火点77℃)、シクロメチコン(引火点77℃)などのシリコーンオイルなどが挙げられる。
1価の低級アルコールとしては、例えば、炭素数が1~6の1価のアルコールが挙げられる。具体的には、メタノール(引火点11℃)、エタノール(引火点13℃)、プロパノール(引火点22℃)、イソプロパノール(引火点11.7℃)などの第4類引火性液体のアルコール類、ブタノール(引火点37℃)、ペンタノール(引火点33℃)などが挙げられる。
また、引火性液体としては、油性溶剤および1価の低級アルコールの他、例えばグリセ
リン(引火点160℃)、ブチレングリコール(引火点122℃)、プロピレングリコール(引火点99℃)、ジプロピレングリコール(引火点130℃)などの第三石油類に属するアルコールや、メチルエチルケトン(引火点-9℃)、ブチルセロソルブ(引火点62℃)、トルエン(引火点4℃)、キシレン(引火点27℃)などを用いることができる。
引火性液体としては、1種又は2種以上を使用してもよい。
引火性液体は、油性溶剤及び炭素数が1~6である1価のアルコールから選択される少なくとも一を含むことが好ましい。油性溶剤や1価の低級アルコールにはハイドロフルオロオレフィンが溶け込みやすいため、より均一なスプレーパターンが得られやすくなる。油性溶剤は、ノルマルパラフィン系炭化水素及びイソパラフィン系炭化水素からなる群から選択される少なくとも一であることが好ましく、n-ヘプタン並びに炭素数が10~16であるイソパラフィン系炭化水素及びその混合物(例えば、IPソルベント2028、IPクリーンLXなど)からなる群から選択される少なくとも一であることがより好ましい。炭素数が1~6である1価のアルコールとしては、エタノールが好ましい。
エアゾール組成物中の引火性液体の含有割合は特に制限されないが、好ましくは5.0質量%~55.0質量%であり、より好ましくは9.0質量%~50.0質量%であり、さらに好ましくは9.0質量%~45.0質量%である。
また、原液組成物中の引火性液体の含有割合は特に制限されないが、好ましくは10.0質量%~100.0質量%であり、より好ましくは30.0質量%~100.0質量%であり、さらに好ましくは50.0質量%~100.0質量%であり、特に好ましくは70.0質量%~100.0質量%である。
エアゾール組成物における、モノクロロテトラフルオロプロペンの含有量の、引火性液体の含有量に対する質量比(モノクロロテトラフルオロプロペン/引火性液体)は特に制限されず、エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。質量比(モノクロロテトラフルオロプロペン/引火性液体)が、0.8~19.0であることが好ましく、1.0~9.0であることがより好ましく、1.2~9.0であることがさらに好ましい。質量比を上記範囲とすることで、引火性液体による引火を妨げやすく、常温下や極低温環境において均一なスプレーパターンが得られやすい。
原液組成物には、上記効果を損なわない程度に、有効成分、水などの溶媒、界面活性剤、香料、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、油脂類、シリコーン類、増粘剤、保湿剤、殺菌剤、皮膚保護剤、ビタミン類、各種抽出液、消臭・防臭剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、害虫忌避成分、殺虫成分、およびその他などの任意成分を含有させてもよい。任意成分の割合は、組成物の使用用途などに基づいて適宜に定められる。
任意成分としては、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
清涼剤(メントール、カンフルなど);油性成分(例えば炭化水素化合物、油脂など);pH調整剤(例えばクエン酸、クエン酸Na、乳酸、トリエタノールアミン、KOH、NaOHなど);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウムなど);防腐剤(例えばパラベン類、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル;顔料;色素;EDTA-2Naなどのキレート剤など。
(圧縮ガス)
エアゾール組成物は、圧縮ガスを含むことが好ましい。圧縮ガスは、噴射剤として機能しうる。
圧縮ガスは特に制限されず、エアゾール製品に使用しうる公知のものを用いることがで
きる。圧縮ガスは、好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素、アルゴン、ヘリウム及び圧縮空気などからなる群から選択される少なくとも一であり、より好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気及び亜酸化窒素からなる群から選択される少なくとも一であり、さらに好ましくは炭酸ガス及び窒素ガスからなる群から選択される少なくとも一であり、さらにより好ましくは窒素ガスである。窒素ガスは原液に溶け込みにくく、アフタードローを引き起こしにくいガスであるため、窒素ガスを含むことが好ましい。
エアゾール組成物中の圧縮ガスの含有割合は、エアゾール組成物を吐出可能であればよく、特に制限されない。好ましくは0.05質量%~3.5質量%であり、より好ましくは0.1質量%~2.5質量%であり、さらに好ましくは0.2質量%~1.5質量%である。
エアゾール組成物は、その組成成分の種類によって種々の用途のエアゾール製品として提供することができる。
エアゾール組成物は、他のハイドロフルオロオレフィンと比較して、極低温環境であっても均一なスプレーパターンが得られやすいため、極低温環境下での使用にも適している。例えば、エアゾール組成物は、好ましくは-20℃以上15℃以下、より好ましくは-10℃以上10℃以下、さらに好ましくは-5℃以上7℃以下、さらにより好ましくは0℃以上7℃以下で保管及び/又は使用することができる。
次に、エアゾール製品について説明する。
エアゾール製品は、エアゾール組成物が充填された容器、及び該容器に備えられ、該エアゾール組成物を吐出させる吐出機構を有する。
吐出機構及び容器は特段限定されず、公知のものを採用しうる。容器は、噴射剤の圧力に耐えられるものであればよく、公知の樹脂製、金属製、ガラス製などの容器を用いることができる。吐出機構も特に制限されず、公知のものを使用しうる。吐出機構は、例えば、バルブ装置及びアクチュエータを含む。また、耐圧容器の種類に応じて、バルブ装置を装着するための構造を適宜選定することができる。
吐出機構におけるアクチュエータは、特に制限されず公知のものを使用しうる。例えば、スプレー状又はミスト状に噴霧しうる公知のアクチュエータを使用することができ、好ましくは、エアゾール組成物を旋回させながら吐出するメカニカルブレークアップ機構を有するアクチュエータが挙げられる。メカニカルブレークアップ機構を有する場合、メカニカルブレークアップボタンの構造により旋回流が生じ、旋回流の外側に多くのエアゾール組成物が広がるため、特に中抜けが生じやすい。そして、モノクロロテトラフルオロプロペンは、他のハイドロフルオロオレフィンと比較して沸点が低いため気化しやすく、膨張率が高いため、旋回流の内側においても霧を生成することが可能になる。そのため、メカニカルブレークアップ機構を有するアクチュエータにより生じやすい中抜けを好適に低減することができる。
エアゾール製品の吐出形態は、例えば、霧状、スプレー状、ジェット状など、特に限定されるものではなく、充填されるエアゾール組成物、吐出機構、容器などの仕様によって様々な吐出形態を使用できる。エアゾール製品の吐出形態は、霧状であることが好ましい。すなわち、エアゾール組成物は噴霧用であることが好ましい。エアゾール組成物を霧状に吐出することで、均一なスプレーパターンが得られやすい。
エアゾール製品における容器内の圧力(ゲージ圧力)は特に制限されない。モノクロロテトラフルオロプロペン及び必要に応じて圧縮ガスを、エアゾール容器内に充填されたときの容器内の圧力(ゲージ圧力)が、例えば1MPa以下となるように充填すればよい。
エアゾール組成物及びエアゾール製品の製造方法は特に制限されない。例えば、以下の
方法が挙げられる。エアゾール組成物における原液組成物は、引火性液体及び必要に応じてその他の成分を任意の割合で混合して得ることができる。
エアゾール製品は、以下のようにして製造しうる。まず、引火性液体及び必要に応じてその他の成分を任意の割合で混合して原液組成物を得る。得られた原液組成物、モノクロロテトラフルオロプロペン及び必要に応じて圧縮ガスを耐圧容器に充填して、エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得る。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
<実施例1~4、比較例1~4>
表1に示すエアゾール製品の処方(質量部)で、原液組成物、ハイドロフルオロオレフィン及び窒素ガスを、それぞれ、噴口径φ0.5mmのメカニカルブレークアップタイプのボタン(D390W 0555N"3"-A 株式会社三谷バルブ製)をアクチュエータに有するエアゾール容器(133mL)に合計80g充填して、エアゾール組成物が充填された各エアゾール製品を得た。また、窒素ガスは、製品内圧が0.75MPa(25℃)になるように充填した。得られたエアゾール製品における、原液組成物などの含有割合を表1に示す。
得られたエアゾール製品に対し、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(火炎長試験)
一般社団法人日本エアゾール協会による「「エアゾール等試験検査要領」に係る自主基準規定」(平成29年4月25日改訂)における噴霧状の火炎長の試験に準じて、常温(25℃)下で、エアゾール製品の噴霧口から15cm離れた位置に点火したバーナーを静置し、バーナーの炎の上部3分の1を通過するようにして、アクチュエータを所定の力で押下して、得られたエアゾール製品の噴霧口からエアゾール組成物を噴霧した。このとき、バーナーの炎に引火して、噴霧した下流方向に沿ってバーナーの炎から延びる引火炎の長さ(火炎長)を計測した。火炎長試験の結果を表1に示す。
Figure 2023130685000001
火炎長試験の結果から、ハイドロフルオロオレフィンとしてモノクロロテトラフルオロプロペンを用いた場合は、(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを用
いた場合と比較して、火炎長が短いため、引火しにくくより安全性に優れることが示された。
<実施例5>
表3に示す原液組成物を用いて、表2に示す処方1~3の通り、原液組成物、ハイドロフルオロオレフィン及び窒素ガスを、それぞれ、噴口径φ0.5mmのメカニカルブレークアップタイプのボタン(D390W 0555N"3"-A 株式会社三谷バルブ製)をアクチュエータに有するエアゾール容器(133mL)に合計80g充填して、エアゾール組成物が充填された各エアゾール製品を得た。また、窒素ガスは、製品内圧が0.75MPa(25℃)になるように充填した。ハイドロフルオロオレフィンとしては、HCFO-1224yd((Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン)を用いた。
原液組成物としては、99%アルコール、IPソルベント2028、IPクリーンLX、又はn-ヘプタンのいずれかを用いた。ハイドロフルオロオレフィンとしては、HCFO-1224ydを用いた。
得られたエアゾール製品に対し、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
(スプレーパターン試験)
得られた各エアゾール製品を恒温槽にて25℃に調整した後、常温下(25℃)で、エアゾール製品の噴霧口から20cm又は30cm離れた距離から感熱紙に0.5秒間噴霧した。感熱紙にエアゾール組成物が付着した略円形の部分をスプレーパターンとし、スプレーパターンの縦と横の長さ(mm)を計測した。エアゾール製品は感熱紙に対し水平に配置し、噴霧は感熱紙に対し垂直となるように行った。3回の試験の平均値を採用した。
なお、中抜け部分(付着部分の内側に、液付着が認められない箇所)が生じた場合も同様に中抜け部分の縦と横の長さ(mm)を計測した。
Figure 2023130685000002
Figure 2023130685000003
表3中、(数値)×(数値)で表される箇所は、スプレーパターンの(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。
<比較例5>
ハイドロフルオロオレフィンとしてHCFO-1224ydの代わりにHFO-1233zd((E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)を用いた以外は実施例5と同様に、エアゾール製品を得て、スプレーパターン試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2023130685000004
表4中、(数値)×(数値)で表される箇所は、スプレーパターンの(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。かっこ内に(数値)×(数値)で表される箇所は、中抜け部分の(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。
<実施例6>
表5に示す処方で、原液組成物、ハイドロフルオロオレフィン及び窒素ガスを充填して各エアゾール製品を得たことと、スプレーパターン試験において各エアゾール製品を恒温槽にて5℃に調整したこと以外は実施例5と同様に、エアゾール製品を得て、スプレーパターン試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 2023130685000005
表5中、(数値)×(数値)で表される箇所は、スプレーパターンの(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。かっこ内に(数値)×(数値)で表される箇所は、中抜け部分の(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。
<比較例6>
ハイドロフルオロオレフィンとしてHCFO-1224ydの代わりにHFO-1233zdを用いたこと以外は実施例6と同様に、エアゾール製品を得て、スプレーパターン試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2023130685000006
表6中、(数値)×(数値)で表される箇所は、スプレーパターンの(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。かっこ内に(数値)×(数値)で表される箇所は、中抜け部分の(縦の長さ)×(横の長さ)(mm)を示す。
表3~6に示すスプレーパターン試験の結果から、ハイドロフルオロオレフィンとしてモノクロロテトラフルオロプロペンを用いた場合は、(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを用いた場合と比較して、常温下及び極低温下において、中抜け部分が生じにくく、中抜け部分が生じた場合であっても中抜け部分がより小さく、スプレーパターンの面積がより小さいため、より均一なスプレーパターンが得られることが示された。
使用した材料は以下の通り。
(ハイドロフルオロオレフィン)
HCFO-1224yd:(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1233zd:(E)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン
(引火性液体)
99%アルコール(エタノール)(日本アルコール販売株式会社)
IPソルベント2028(出光興産株式会社)
IPクリーンLX(出光興産株式会社)
ヘプタン(n-ヘプタン)(富士石油株式会社)

Claims (9)

  1. エアゾール組成物であって、
    該エアゾール組成物が、引火性液体を含む原液組成物と、モノクロロテトラフルオロプロペンとを含み、
    該モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))及び(E)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(E))からなる群から選択される少なくとも一であり、
    該引火性液体が、引火点が-12℃~200℃の有機溶剤である、エアゾール組成物。
  2. 前記モノクロロテトラフルオロプロペンが、(Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))である、請求項1に記載のエアゾール組成物。
  3. さらに圧縮ガスを含む請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
  4. 前記圧縮ガスが、炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素、アルゴン、ヘリウム及び圧縮空気からなる群から選択される少なくとも一である請求項3に記載のエアゾール組成物。
  5. 前記エアゾール組成物中の前記引火性液体の含有割合が、5.0質量%~55.0質量%である請求項1~4のいずれか一項に記載のエアゾール組成物。
  6. 前記エアゾール組成物における、前記モノクロロテトラフルオロプロペンの含有量の、前記引火性液体の含有量に対する質量比(モノクロロテトラフルオロプロペン/引火性液体)が、0.8~19.0である請求項1~5のいずれか一項に記載のエアゾール組成物。
  7. 前記引火性液体が、油性溶剤及び炭素数が1~6である1価のアルコールから選択される少なくとも一を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアゾール組成物。
  8. 噴霧用である、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアゾール組成物。
  9. エアゾール組成物が充填された容器、及び
    該容器に備えられ、該エアゾール組成物を吐出させる吐出機構
    を有するエアゾール製品であって、
    該エアゾール組成物が、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアゾール組成物であるエアゾール製品。
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