JP7491744B2 - 空間用エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、空間用エアゾール組成物に関する。より詳細には、本発明は、空間に噴霧された粒子が拡散してその効果を発揮するとともに、落下する粒子を減らして床面の濡れを防止する空間用エアゾール組成物に関する。
従来、灯油などの炭化水素系溶剤に殺虫成分などの有効成分を添加した原液と、液化石油ガスなどの噴射剤とからなる空間用エアゾール組成物が知られている。この空間用エアゾール組成物は、噴霧された粒子が空間でしばらく拡散してその効果を発揮し、その後自然落下する。灯油などの炭化水素系溶剤は、乾燥性が悪いため床面を濡らしやすく、滑り易くなるなどの問題がある。特許文献1には、殺虫成分と流動パラフィンとHFO系溶剤と噴射剤を含有する殺虫エアゾール製品が開示されている。
特開2018-115114号公報
特許文献1に記載の殺虫エアゾール製品は、HFO系溶剤を使用しているものの、HFO系溶剤と流動パラフィンとを含有することでノックダウン時間を短縮することを目的としており、その含有量は非常に少なく、使用感を改善できるものではない。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、空間に噴霧された粒子が拡散してその効果を発揮するとともに、落下する粒子を減らして床面の濡れを防止することのできる空間用エアゾール組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)原液と噴射剤とからなり、前記原液は、引火点が30~70℃である油性溶剤と、沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとを含み、前記ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、原液中、5~30質量%である、空間用エアゾール組成物。
このような構成によれば、原液が特定の引火点を有する油性溶剤と特定の沸点を有するハイドロフルオロオレフィンを特定量含有している。このような原液を、噴射剤で噴霧することにより、空間に噴霧された粒子は、適度な粒子径となって拡散してその効果を発揮するとともに、拡散時に揮発が進行して床面に落下する粒子が少なくなり床面の濡れを防止することができる。また、原液は、ハイドロフルオロオレフィンが油性溶剤に溶解しやすく、ハイドロフルオロオレフィンの沸点より高温になっても原液中に残留しやすい。そのため、原液は、引火点が高くなり、火気への安全性が高くなる。
(2)前記油性溶剤は、炭化水素系溶剤を含む、(1)記載の空間用エアゾール組成物。
このような構成によれば、原液は、ハイドロフルオロオレフィンが炭化水素系溶剤に溶解しやすい。そのため、空間に噴霧された粒子は、より揮発しやすく、落下する粒子が少なくなりやすい。
(3)前記噴射剤の含有量は、エアゾール組成物中、50~90質量%である、(1)または(2)記載の空間用エアゾール組成物。
このような構成によれば、空間に噴霧される粒子は、適度な粒子径になりやすく、空間で拡散してその効果を発揮しつつ、揮発して床面に落下しにくい。
本発明によれば、空間に噴霧された粒子が拡散してその効果を発揮するとともに、落下する粒子を減らして床面の濡れを防止することのできる空間用エアゾール組成物を提供することができる。
図1は、実施例1の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射直後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。 図2は、実施例1の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射2秒後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。 図3は、比較例4の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射直後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。 図4は、比較例4の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射2秒後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。
<空間用エアゾール組成物>
本発明の一実施形態の空間用エアゾール組成物は、原液と噴射剤とからなる。原液は、引火点が30~70℃である油性溶剤と、沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとを含む。ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、原液中、5~30質量%である。以下、それぞれについて説明する。
(原液)
原液は、引火点が30~70℃である油性溶剤と、沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとを含む。
・引火点が30~70℃である油性溶剤
油性溶剤は、引火点が30~70℃であるものが用いられる。引火点が上記範囲内にあることにより、空間用エアゾール組成物は、空間に噴霧されると適度な粒子径になりやすく、また空間での拡散中に揮発しやすくなり、落下して床面に付着する粒子が少なくなる効果が得られやすい。また、引火点が30~70℃である油性溶剤が含まれることにより、原液は、油性溶剤の引火点付近にまで温度上昇しても、原液中にハイドロフルオロオレフィンを保持しやすく、引火しにくくなる。
引火点が30~70℃である油性溶剤は、特に限定されない。一例を挙げると、油性溶剤は、エクソールDSP145/160(引火点32℃)、エクソールD40(引火点45℃)、エクソールD60(引火点68℃)などのナフテン系炭化水素、ノルパー10(引火点52℃)などのノルマルパラフィン系炭化水素、出光スーパーゾルFP25(引火点49℃)、出光スーパーゾルLA25(引火点42℃)、アイソパーG(引火点44℃)、アイソパーH(引火点54℃)、アイソパーL(引火点64℃)、IPソルベント1620(引火点49℃)、IPクリーンLX(引火点45℃)などのイソパラフィン系炭化水素、ティーソル100(引火点48℃)、ティーソル150(引火点66℃)、ソルベッソ150ND(引火点64℃)などの芳香族系炭化水素、ケロシン(引火点65~70℃)などの炭化水素の混合物、トリシロキサン(引火点46℃)などのシリコーンオイルなどである。これらの中でも、油性溶剤は、ハイドロフルオロオレフィンの溶解性が優れている点から、炭化水素系溶剤を含むことが好ましい。ハイドロフルオロオレフィンが炭化水素系溶剤に溶解することにより、ハイドロフルオロオレフィンは、ハイドロフルオロオレフィンの沸点より高温になっても原液中に残留しやすくなる。その結果、原液は、引火点が高くなり、火気への安全性がより高くなる。
引火点が30~70℃である油性溶剤の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、油性溶剤は、原液中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、油性溶剤は、原液中、93質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。油性溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、原液は、油性溶剤の引火点付近にまで温度上昇しても、原液中にハイドロフルオロオレフィンを保持しやすい。これにより、原液は、引火しにくくなる。また、噴霧された粒子は拡散中に揮発しやすくなり、落下する粒子が少なくなる効果が得られやすい。
・沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィン
沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンは、油性溶剤に溶解して原液を引火しにくくする、空間に噴霧された粒子が拡散中に揮発しやすくするなどの目的で用いられる。ハイドロフルオロオレフィンの沸点が上記範囲内であることにより、原液は、油性溶剤の引火点付近にまで温度上昇しても、引火しにくくなる。また、空間に噴霧された粒子は拡散中に揮発しやすくなり、落下する粒子を少なくする効果が得られやすい。
沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンは特に限定されない。一例を挙げると、沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンは、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HFO-1233zd(Z)、沸点39℃)などである。なお、噴霧された粒子の粒子径を小さくする、拡散中の揮発を速くして落下する粒子を少なくするなどの効果が得られる範囲で、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HFO-1233zd(E)、沸点19℃)などの沸点が25℃未満であるハイドロフルオロオレフィンを添加してもよい。
沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンの含有量は、原液中、5質量%以上であればよく、7質量%以上であることが好ましい。また、ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、原液中、30質量%以下であればよく、25質量%以下であることが好ましい。ハイドロフルオロオレフィンの含有量が上記範囲内であることにより、空間に噴霧された粒子が適度な粒子径になり、拡散中に揮発しやすく、落下する粒子を少なくする効果が得られやすい。また、原液は引火点が高くなりやすい。特にハイドロフルオロオレフィンの含有量が、原液中、7質量%以上である場合は、原液は、沸騰するまで引火点が無くなりやすく、消防法上の非危険物になる。沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンの含有量が原液中30質量%以下である場合は、噴霧粒子が細かくなりすぎず、使用者の吸入を防止できる。
本実施形態のエアゾール組成物は、ハイドロフルオロオレフィンの沸点が、油性溶剤の引火点よりも低いことが好ましい。これにより、原液は、温度が上昇した場合において、油性溶剤の引火点に到達する前にハイドロフルオロオレフィンが気化し始めることとなる。この場合、原液の周囲には、気化したハイドロフルオロオレフィンが多く存在する。その結果、原液は、引火が妨げられ、より引火しにくくなる。
・任意成分
原液は、上記した油性溶剤およびハイドロフルオロオレフィン以外に、引火点が70℃以上である油剤、アルコール、グリコールエーテル、グリコール、有効成分などが配合されてもよい。
・引火点が70℃以上である油剤
引火点が70℃以上である油剤は、噴霧された粒子の粒子径を調整する、拡散中の揮発速度を調整するなどのために好適に配合される。
引火点が70℃以上である油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、エクソールD80(引火点81℃)などのナフテン系炭化水素、ノルパー12(引火点75℃)、ノルパー13(引火点95℃)などのノルマルパラフィン系炭化水素、出光スーパーゾルFP30(引火点87℃)、出光スーパーゾルLA30(引火点84℃)、アイソパーM(引火点94℃)、IPソルベント2028(引火点86℃)などのイソパラフィン系炭化水素、ネオチオゾール(引火点98℃)などの炭化水素の混合物、ジメチコン(粘度2ct、引火点96℃)、シクロペンタシロキサン(引火点77℃)、シクロメチコン(引火点77℃)、ジメチコン(粘度5sc以上)、カプリリルメチコンなどのシリコーンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソステアリル、ジ-2-ヘチルヘキサン酸ネオペンチレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、サリチル酸メチルなどのエステル油、オリーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油等の油脂などである。
引火点が70℃以上である油剤が配合される場合、引火点が70℃以上である油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、原液中、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。引火点が70℃以上である油剤の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、油剤を配合することによる効果が得られやすい。
アルコールは、噴霧された粒子の揮発性を調整する、などの目的で好適に配合される。
アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコール等である。
アルコールが配合される場合、アルコールの含有量は原液が引火点を有さない範囲を採用することができる。一例を挙げると、アルコールの含有量は、原液中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、原液中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、アルコールを配合することによる効果が得られやすい。
グリコールエーテルは、高温になったときに原液に引火しにくくするなどの目的で好適に配合される。
グリコールエーテルは特に限定されない。一例を挙げると、グリコールエーテルは、エチレングリコールモノエチルエーテル(引火点45℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(引火点63.5℃)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(引火点71℃)、エチレングリコールフェニルエーテル(引火点128℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(引火点117℃)などである。
グリコールエーテルが配合される場合、グリコールエーテルの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、グリコールエーテルの含有量は、原液中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、グリコールエーテルの含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。グリコールエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、グリコールエーテルを配合することによる効果が得られやすい。
グリコールは、高温になったときに原液に引火しにくくするなどの目的で好適に配合される。
グリコールは、特に限定されない。一例を挙げると、グリコールエーテルは、グリセリン、エチレングリコール(引火点111℃)、ジエチレングリコール(引火点124℃)、プロピレングリコール(引火点99℃)などである。
グリコールが配合される場合、グリコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、グリコールの含有量は、原液中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、グリコールの含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。グリコールの含有量が上記範囲内であることにより、グリコールを配合することによる効果が得られやすい。
有効成分は、製品の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。
有効成分は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分は、天然香料、合成香料などの各種香料、フタルスリン、イミプロトリン、アレスリン、ペルメトリン、シスメスリン、プロパルスリン、レスメトリン、d-フェノトリン、テフルスリン、ベンフルスリン、ネオピナミンフォルテ、クリスロンフォルテなどの殺虫成分、サイネピリン、ピペロニルブトキサイト、オクタクロロジプロピルエーテルなどの殺虫効力増強剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭成分、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの殺菌成分、2-(メタ)アクリロイロキシエチルホスホリルコリン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸ブチルエステル共重合体、N-ホスホリルコリン-N’-エチレンジオキシ-ビス-イソプロピルアクリルアミド-N-イソプロピルアクリルアミド共重合体などの花粉吸着防止成分等である。
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、有効成分を配合することによる効果が得られやすい。
本実施形態の原液は、特定の引火点を有する油性溶剤と、特定の沸点を有するハイドロフルオロオレフィンとを特定量含む。そのため、原液は、空間に噴霧されると適度な粒子径となり、拡散中に揮発しやすく、床面に落下する粒子を少なくする効果が得られやすい。また、原液は、ハイドロフルオロオレフィンが油性溶剤に溶解しやすい。その結果、原液は、温度上昇しても引火しにくく、安全性が高い。
原液の調製方法は特に限定されない。原液は、油性溶剤に、必要に応じて油剤や有効成分等の任意成分を添加し、さらにハイドロフルオロオレフィンを添加して混合することにより調製することができる。
原液の含有量は、エアゾール組成物中10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、原液の含有量は、エアゾール組成物中、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。原液の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、空間に噴霧されたときに適度な粒子径になりやすい。その結果、エアゾール組成物は、空間で拡散して効果を発揮しやすい。
(噴射剤)
噴射剤は、空間に噴霧した粒子を適度な粒子径にして、拡散しやすくするために配合される。
噴射剤は、特に限定されない。一例を挙げると、噴射剤は、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234ze、沸点-19℃)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234yf、沸点-29℃)などの沸点が10℃未満のハイドロフルオロオレフィン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、ジメチルエーテル、およびこれらの混合物等の液化ガスがあげられる。
噴射剤(液化ガス)の含有量は、エアゾール組成物中、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましい。また、噴射剤の含有量は、エアゾール組成物中、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。噴射剤の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、空間に噴霧された粒子が適度な粒子径になりやすい。
なお、噴霧の勢いを強くする、粒子を遠くに拡散させるなどの目的で、エアゾール製品は、圧縮ガスで加圧してもよい。圧縮ガスとしては、炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素、圧縮空気およびこれらの混合物等である。圧縮ガスの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、圧縮ガスの含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。圧縮ガスの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、容器内の圧力を0.3~1.0MPaに調整されやすく、空間に勢いよく噴霧することができ、粒子を遠くに拡散させやすい。
エアゾール組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、エアゾール組成物は、原液を耐圧容器に充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封し、噴射剤をバルブから充填し、このエアゾール容器内で原液と噴射剤を混合することにより調製することができる。なお、耐圧容器の開口部にバルブを取り付ける前に、噴射剤を耐圧容器の開口部とバルブの隙間から充填してから、バルブを取り付けてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
以下の処方(単位:質量%)に従って、原液1を調製した。50gの原液1をブリキ製耐圧容器に充填し、バルブを取り付け、バルブから噴射剤1(液化石油ガスとジメチルエーテルの混合物:90/10(質量比))150gを充填し、空間用エアゾール組成物を調製した。
<原液1>
スーパーゾルFP25(*1) 90.0
シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(*2) 10.0
合計 100.0(質量%)
*1:イソパラフィン系炭化水素、引火点49℃、出光興産(株)製
*2:HFO-1233zd(Z)、沸点39℃、セントラル硝子(株)製
(実施例2)
原液を表1に記載の処方に変更した原液2を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液2と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(実施例3)
原液を表1に記載の処方に変更した原液3を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液3と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(実施例4)
原液を表1に記載の処方に変更した原液4を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液4と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(実施例5)
実施例1と同様の方法により、80gの原液1と120gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(実施例6)
実施例1と同様の方法により、80gの原液3と120gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
Figure 0007491744000001
(比較例1)
原液の処方およびハイドロフルオロオレフィンの配合比率を表2に記載の処方に変更した原液5を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液5と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(比較例2)
原液の処方およびハイドロフルオロオレフィンの配合比率を表2に記載の処方に変更した原液6を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液6と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(比較例3)
原液の処方およびハイドロフルオロオレフィンの配合比率を表2に記載の処方に変更した原液7を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液7と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
(比較例4)
原液の処方およびハイドロフルオロオレフィンの配合比率を表2に記載の処方に変更した原液8を調製し、実施例1と同様の方法により、50gの原液8と150gの噴射剤を充填して空間用エアゾール組成物を調製した。
Figure 0007491744000002
実施例1~6および比較例1~4において調製した原液およびエアゾール組成物を用いて、原液の引火点を測定し、エアゾール組成物の噴霧粒子の拡散状態を評価した。結果を表3に示す。
<原液の引火点>
原液の引火点は、25℃から80℃までをタグ密閉式引火点測定器にて測定した。さらに、密閉式で引火しなかった原液については、原液が沸騰するまでをクリーブランド開放式引火点測定装置にて測定した。
<レーザー照射>
エアゾール容器を25℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を25℃に調整し、DPSS Green Laser((株)日本レーザー製)を用いて噴射物にレーザーを照射させて、噴射時と2秒後の噴霧粒子の拡散状態を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:噴射物は、噴射直後は広範囲に拡がり、2秒後は大部分が消失し、床面はほとんど濡れていなかった。
×:噴射物は、噴射直後は広範囲に拡がり、2秒後は半分以上が空気中に滞留し、床面は濡れていた。
<使用感>
エアゾール容器を25℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を25℃に調整し、空間に噴射したときの使用感を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:噴霧粒子の吸入を気にすることなく使用できた。
×:噴霧粒子の吸入により違和感を感じた。
Figure 0007491744000003
図1は、実施例1の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射直後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。図2は、実施例1の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射2秒後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。図1~図2および表3に示されるように、実施例1~6の空間用エアゾール組成物の原液1~4は、いずれも引火せず、また、エアゾール組成物の噴射物は、空気中に広がった後に消失しやすく、床面を濡らしにくかった。さらに、これらのエアゾール組成物は、噴霧粒子の吸入を気にすることなく使用することができた。
図3は、比較例4の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射直後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。図4は、比較例4の空間用エアゾール組成物の噴射物の噴射2秒後の噴霧粒子の拡散状態を示す写真である。表3に示されるように、比較例1~2の空間用エアゾール組成物の原液5、6は、引火しやすかった。また、比較例3の空間用エアゾール組成物の噴射物は、噴霧粒子が細かくなり、使用者が吸入しやすく、使用感が悪かった。さらに、図3~図4にも示されるように、比較例4の空間用エアゾール組成物の原液8は、引火性があり、空気中に滞留しやすく、床面を濡らした。

Claims (3)

  1. 原液と噴射剤とからなり、
    前記原液は、引火点が30~70℃である油性溶剤と、沸点が25~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとを含み、
    前記油性溶剤は、炭化水素系溶剤またはシリコーンオイルのうち少なくともいずれかを含み、
    前記ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、原液中、5~30質量%である、空間用エアゾール組成物。
  2. 前記油性溶剤は、炭化水素系溶剤を含む、請求項1記載の空間用エアゾール組成物。
  3. 前記噴射剤の含有量は、エアゾール組成物中、50~90質量%である、請求項1または2記載の空間用エアゾール組成物。
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