JP2023128417A - 脱塩装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱塩装置の脱塩性能の低下を防止することができる脱塩装置の運転方法を提供する。【解決手段】第1脱塩装置と第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法において、第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離する通常運転工程と、該第2脱塩装置の補正透過水量が低下する前に、第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する希薄水通水運転工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、脱塩装置の運転方法に係り、特に第1脱塩装置と第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法に関する。
逆浸透膜等の脱塩装置では、長期間の運転により炭酸カルシウム、シリカ、フッ化カルシウム等のスケールの析出や、有機物による膜閉塞が発生し、塩除去率の低下や透過水量の低下等の脱塩装置の性能低下をもたらす。スケール閉塞の場合、脱塩装置の性能低下を防ぐために原水中のイオン濃度を測定し、脱塩装置の濃縮水において飽和指数を超えないように運転する方法が採用される。ここで飽和指数とは、スケール生成に関与する各イオン種の濃度・イオン強度の積を溶解度積で割った値の対数値を一般的に指す。この飽和指数をゼロより超えないような範囲で脱塩装置を運転する。さらに飽和指数がゼロを超えるような場合においては、例えばスケール防止剤の添加によってスケールの生成を抑制し、脱塩装置を運転する。
スケール防止剤の添加によっても抑制不可能であるような飽和指数を大きく超える水質である場合、従来ではスケールを除去するために酸洗浄やアルカリ洗浄の薬品洗浄が行われてきた。しかし一般的な洗浄では、装置を止め、洗浄液を調整してから洗浄し、洗浄液を回収した後に通水を開始するという過程であることから、洗浄コストが大きくなることが問題となる。そこで、長期間運転しても脱塩装置の性能が低下することなく、薬品洗浄を必要としない脱塩装置の運用が望まれていた。
脱塩装置の運転方法の一つとして、フラッシング法が挙げられる。ここでフラッシングとは、給水ポンプの稼働を継続したまま、濃縮水排出配管の開閉弁を開とすることにより、濃縮水排出配管から給水を系外へ排出させる操作を指す。通常運転時より速い流速で通水することにより、膜面を閉塞させる汚れを効果的に洗い流すことができる。フラッシングは、1~10回/日の頻度で、30~120秒/回で行うことが一般である。しかし、数分/回程度のフラッシングでは性能低下した脱塩装置を回復させることは不十分であり、結局洗浄を実施せざるをえないことが問題となる。またフラッシングを行う場合、濃縮水配管の開閉弁を開とすることから、フラッシングを行う間は、透過水の生産を行うことができず、脱塩装置の回収率は低下してしまう。

さらに、RO給水相当の塩類濃度では、フラッシングによる性能低下した脱塩装置を回復させることは不十分であり、塩類濃度の低い水でフラッシングを行うことが望ましい。
その他の方法として、モジュールの被処理水の流れ方向を反転させる方法がある。この方法によると、原水スペーサーに蓄積した濁質を容易に剥がすことが可能となり、脱塩装置の安定性が向上する(特許文献1、2)。しかし、流れを反転させるため必要なバルブ数は大幅に増えイニシャルコストが大幅に増加してしまうことが問題となる。また、バルブに故障が生じた場合、バルブの切り替えを行うことができず、装置の安定性が大きく損なわれてしまう。さらに流れ反転によるスケール物質に対する剥離効果については言及されていない。
特許文献3には、Fイオン、Alイオン、及びNaイオン濃度の低い洗浄水を通水してスケールを洗浄する方法が記載されている。この方法では、逆浸透膜処理工程における流量、圧力、水温の値から算出される標準化透過水量(補正透過水量)と、予め設定された初期標準化透過水量との比率が規定値となったときに、洗浄水の通水に切り替える。しかし、この方法では、低下した脱塩装置の性能を十分に回復させることはできないことが判明した。
特開2004-141846号公報 特開2004-261724号公報 特開2020-121278号公報
本発明は、上記問題に鑑み、脱塩装置の脱塩性能の低下を防止することができる脱塩装置の運転方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様の脱塩装置の運転方法は、第1脱塩装置と第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法において、
第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離する通常運転工程と、
該第2脱塩装置の補正透過水量が低下する前に、第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する希薄水通水運転工程と
を有する。
本発明の一態様では、前記第2脱塩装置が複数台並列に設置されており、第1脱塩装置と一部の第2脱塩装置とで前記通常運転工程を行っている間に他の第2脱塩装置で前記希薄水通水運転工程を行う。
本発明の一態様の脱塩装置の運転方法は、第1脱塩装置と2台の第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法において、
第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を一方の第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離し、他方の第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する第1通水パターンと、
第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を他方の第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離し、一方の第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する第2通水パターンと、
を交互に行う方法であって、
第1通水パターンと第2通水パターンとの切り替えを30~180分に1回の頻度で行う。
本発明の一態様では、希薄水として溶解塩類濃度が飽和溶解度未満となっている水を用いる。
本発明の一態様では、希薄水として、前記第1脱塩装置又は第1脱塩装置と第2脱塩装置の脱塩水を用いる。
本発明の一態様では、希薄水にスケール防止剤を添加する。
本発明の一態様では、前記脱塩装置は、逆浸透膜装置である。
本発明の一態様では、希薄水の水温が25℃以上である。
本発明の一態様では、前記第1の濃縮水が、水温20℃以上、pH<6.0、カルシウムイオン濃度:50~500mg/L、アルミニウムイオン濃度:0.01~0.5mg/L、鉄イオン濃度:0.01~0.25mg/L、シリカ濃度:500~1500mg/Lである。
本発明の脱塩装置の運転方法の通常運転工程では、被処理水を第1脱塩装置に通水して第1脱塩水と第1濃縮水とに分離し、第1濃縮水を第2脱塩装置に通水して第2脱塩水と第2濃縮水とに分離する。通常運転工程を行うことによって第2脱塩装置の脱塩性能が実質的に低下する前に、第2脱塩装置に希薄水を通水することにより、第2脱塩装置の脱塩性能低下を防止することができる。
なお、第2脱塩装置のフラックス回復運転を行う際の希薄水として第1又は第2脱塩装置の脱塩水を用いる態様にあっては、タンク等の付帯設備が不要であり、装置構成が簡易となる。また、第1脱塩装置の透過水という塩類濃度の低い水を希薄水として用いることで、被処理水を希薄水として用いる場合よりも、第2脱塩装置の付着スケールを十分に溶解除去することができる。
実施の形態に係る脱塩装置の運転方法を説明するフロー図である。 実施の形態に係る脱塩装置の運転方法を説明するフロー図である。 実施例の脱塩装置の運転方法を説明するフロー図である。 実施例の脱塩装置の運転方法を説明するフロー図である。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
以下、図1,2を参照して第1の実施の形態について説明する。本実施の形態では、脱塩装置として逆浸透膜装置(RO装置)を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、逆浸透膜としては芳香族ポリアミド系逆浸透膜が好適であるが、これに限定されない。逆浸透膜装置以外の脱塩装置としては、ナノろ過膜装置、正浸透膜装置、膜蒸留装置、電気透析装置、電気脱イオン装置などが例示される。また、被処理水としては、塩類濃度が10~5000mg/L特に50~1000mg/L程度の工業用水、井戸水、フッ素含有排水等が例示されるが、これに限定されない。
図1、2は実施の形態に係る脱塩装置の運転方法に用いられる脱塩装置の構成を示すものである。なお、運転時の水の流れを太実線で示す。図中のPIは圧力センサ、FIは流量センサを示す。
この実施の形態では、第1RO装置4と、第2RO装置とが直列に設置されている。第2RO装置として、2個の第2RO装置21,22が並列に設置されている。図1では一方の第2RO装置21が通常運転し、他方の第2RO装置22が希薄水通水運転しており、図2では該一方の第2RO装置21が、希薄水通水運転し、該他方の第2RO装置22が通常運転している。
[図1の運転時]
図1の通り、原水タンク1内の原水は、ポンプ2、配管3を介して第1RO装置4に供給され、脱塩水(透過水)が配管31、バルブ32、配管33を介して脱塩水として取り出される。
第1RO装置4の濃縮水(第1濃縮水)は、配管34、35、バルブ36、配管37を介して一方の第2RO装置21に供給される。
第2RO装置21の脱塩水(透過水)は、配管61、62を介して前記配管33に合流し、脱塩水として取り出される。第2RO装置21の濃縮水は、配管63、バルブ64、配管65、バルブ66、配管67を介して濃縮水として取り出される。
配管34から分岐した配管38がバルブ39、配管40を介して他方の第2脱塩装置22の給水口に接続されている。図1ではバルブ39は閉とされている。
配管31、37間が配管41、バルブ42によって接続されている。また、前記配管31、40間が配管43、バルブ44によって接続されている。図1ではバルブ42は閉、バルブ44は開とされている。そのため、配管31の第1脱塩水の一部は、配管43、40を介して第2脱塩装置22の給水口に供給され、第2脱塩装置22が希薄水通水運転される。
この他方の第2RO装置22の希薄水通水運転時には、該他方の第2RO装置22の脱塩水は、配管73、62を介して配管33に合流し、脱塩水として取り出される。第2RO装置22の濃縮水は、配管74、77、バルブ78、配管79、71を介して原水タンク1に返送される。
[図2の運転時]
図1とは逆に、図2では該一方の第2脱塩装置21が希薄水通水運転し、該他方の第2脱塩装置22が通常運転している。この場合も、原水タンク1内の原水は、ポンプ2、配管3を介して第1RO装置4に供給され、脱塩水(透過水)が配管31、バルブ32、配管33を介して脱塩水として取り出される。
図2では、バルブ36が閉、バルブ39が開とされている。そのため、第1RO装置4の濃縮水(第1濃縮水)は、配管34、38、バルブ39、配管40を介して他方の第2RO装置22に供給される。
第2RO装置22の脱塩水(透過水)は、配管73、62を介して前記配管33に合流し、脱塩水として取り出される。第2RO装置22の濃縮水は、配管74、75,バルブ76を介して、配管65に流れ、濃縮水として取り出される。
また、図2ではバルブ42は開、バルブ44は閉とされている。そのため、配管31の第1脱塩水の一部は、配管42、37を介して一方の第2脱塩装置21の給水口に供給され、第2脱塩装置21が希薄水通水運転される。該一方の第2RO装置21の脱塩水は、配管61、62を介して配管33に合流し、脱塩水として取り出される。該一方の第2RO装置21の濃縮水は、配管63、68、バルブ69、配管70、71を介して原水タンク1に返送される。
このように、図1、2の脱塩装置の運転方法においては、並列設置された2台の第2脱塩装置21、22のうち一方で通常運転しながら、他方で第1脱塩水を通水して希薄水通水運転を行うことで、脱塩装置を停止することなく、第2RO装置の性能低下を防ぐことができる。
図1、2では、第1RO装置4が1基設置され、第2RO装置21、22が合計2基設置されているが、それ以上ずつ設置されてもよい。また、図1、2では、第2RO装置21,22それぞれが希薄水通水運転しているときには、希薄水は濃縮水と脱塩水とに分離されているが、脱塩水流路のバルブ(図示せず)を閉じることで希薄水は濃縮水と脱塩水とに分離せず、第2RO装置21,22からは濃縮水のみを排出するようにしても良い。
[希薄水の通水速度]
希薄水の通水速度は、脱塩装置の閉塞状態に応じて適宜決定することができるが、例えば逆浸透膜の場合、0.001~1m/s、特に0.02~0.2m/sが好ましい。具体的には、4インチモジュールでは1本あたり300~2000L/Hrであることが好ましく、8インチモジュールでは1本あたり1.8~10m/Hrであることが好ましい。また、脱塩装置の濃縮水排出側での圧力は0.1~2MPaであることが好ましい。
[希薄水を通水する第2脱塩装置の切り替えタイミング]
第2RO装置の補正透過フラックスが運転初期から低下する前に、具体的には運転初期から5%以上低下するよりも前に、希薄水を通水する第2RO装置を切り替える。なお、この5%は一例であり、1~5%の間から選択された値であればよい。特に、第2RO装置において最も濃縮のかかる末端ROの透過フラックスの変化を測定することが好ましい。補正透過フラックスは、後述の実施例に記載の通りである。
補正透過フラックスの減少量を検知するのではなく、所定時間、一方の第2RO装置を所定時間通常運転し他方の第2RO装置を希薄水通水運転した後に、該一方の第2RO装置を通常運転とし該他方の第2RO装置を希薄水通水運転に切り替えることも可能である。この所定時間としては、10~240分、特に30~180分、例えば約90分が例示される。
[希薄水の水質]
上記実施の形態では、希薄水として第1脱塩水を用いているが、本発明では、希薄水は、溶解塩類が飽和溶解度未満となっていればよい。したがって、第2脱塩水(第2RO装置の透過水)を希薄水として用いてもよい。また、第1RO装置または第2RO装置の透過水と原水とを混合したものを希薄水として用いてもよい。更には第1RO装置または第2RO装置の透過水と第1濃縮水とを混合したものを希薄水として用いてもよい。溶解塩類の飽和溶解度とは、Xのモル濃度[X]及びYのモル濃度[Y]に関してスケール種XYの溶解度積Kspについて、[X][Y]=Kspを満たすものである。
なお、希薄水の水温が低い場合は透過水量の回復効果は小さいため、希薄水の水温は20℃以上特に25℃以上であることが好ましい。
[希薄水に添加するスケール防止剤]
希薄水にはスケール防止剤を添加してもよい。スケール防止剤を添加することでスケールの溶解力の向上および溶解したスケールの再付着防止という効果を得ることができる。
スケール防止剤は、用いる脱塩装置の種類や原水によって適宜選択することができる。脱塩装置として逆浸透膜装置を用い、炭酸カルシウムスケールが生成するような被処理水の場合には、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸等のホスホン酸やアクリル酸と2―アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の共重合ポリマー、ポリアクリル酸などを用いることができ、フッ化カルシウムスケールが生成するような被処理水の場合には、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸等のホスホン酸、ポリアクリル酸などを用いることができる。また、これらスケール防止剤の添加量は10~1000mg/L程度である。
なお、希薄水にpH調整剤を添加し、スケールの溶解力の向上および溶解したスケールの再付着防止という効果を得るようにしてもよい。
[希薄水の通水方向]
図1のように希薄水として原水を通水する場合は、第2RO装置の給水側から通水するのが好ましいが、第2RO装置の濃縮水出口側から通水しても構わない。また希薄水を通水している間は、脱塩装置の濃縮水が飽和溶解度未満の範囲内で回収率を維持し、処理水を生産しながら通水しても構わない。
上記実施の形態では、RO装置が2段に設置されているが、3段以上に設置されてもよい。なお、3段以上に設置した場合には、希薄水を通水する脱塩装置は最後段のものとすることが好ましい。
[第1濃縮水の水質]
本発明は、第2RO装置でフッ化カルシウムスケールまたは炭酸カルシウムスケールが生成する場合に好適に用いることができる。具体的には、第2RO装置に供給される第1濃縮水が以下の場合に好適に用いることができる。
水温20℃以上
pH<6.0
カルシウムイオン濃度:50~500mg/L(好ましくは100~250mg/L)アルミニウムイオン濃度:0.01~0.5mg/L(好ましくは0.1~0.25mg/L)
鉄イオン濃度:0.01~0.25mg/L(好ましくは0.1~0.25mg/L)シリカ濃度:500~1500mg/L(好ましくは700~1200mg/L)
図3,4に示す試験装置を用いて模擬原水の処理運転(図3)及び第2RO装置への希薄水通水運転(図4)を交互に行った。なお、本試験では、フラックス値として補正透過フラックス値を用いる。
[補正透過フラックス]
実際の透過フラックスは、運転圧力、水温、給水中の塩類濃度の影響を受けるため、RО装置の性能を示すデータとして補正透過フラックスで規定することが望ましい。
ここで、補正透過フラックスはJIS K 38021990に示されるような逆浸透膜エレメント及びモジュール透過水量性能データの標準化方法に記載の方法で算出することが一般的である。
すなわち、透過水量性能データは以下の式(1)によって補正することで、補正透過フラックスFpsとして算出する。
Figure 2023128417000002
ここで、Qpa:実運転条件での透過水量(m/d)
fa:実運転条件での操作圧力(kPa)
ΔPfba:実運転条件でのモジュール差圧(kPa)
pa:実運転条件での透過水側の圧力(kPa)
Πfba:実運転条件での供給側、濃縮側の平均溶質濃度の浸透圧(kPa)
TCF:実運転条件での温度換算係数
fs:標準運転条件での操作圧力(kPa)
ΔPfbs:標準運転条件でのモジュール差圧(kPa)
ps:標準運転条件での透過水側の圧力(kPa)
Πfbs:標準運転条件での供給側、濃縮側の平均溶質濃度の浸透圧(kPa)
TCF:標準運転条件での温度換算係数
<図3,4の純水製造装置の構成>
原水タンク81内の原水が、ポンプ82、配管83を介して送水可能とされている。配管83は配管84,85に分岐し、第1RO装置86,87に接続されている。第1RO装置86,87の透過水は、配管88,89及び合流配管90を介して脱塩水として取り出し可能とされている。
第1RO装置86,87の濃縮水は、配管91,92及び合流配管93を介して第2RO装置94に供給される。第2RO装置94の透過水は、配管95から配管90に合流する。第2RO装置94の濃縮水は、配管96を介して系外に排出される。
希薄水タンク97内の希薄水がポンプ98、配管99及び前記配管93を介して第2RO装置94に供給可能とされている。この試験例では、希薄水として上記脱塩水を用いる。
図3は、通常の原水処理運転状態を示しており、ポンプ82が作動し、ポンプ98は停止している。原水は、第1RO装置86,87あるいはさらに第2RO装置94でRO処理され、透過水(脱塩水)と濃縮水とに分離される。
図4は、第2RO装置94に希薄水を通水している状態を示している。図4では、ポンプ82を停止し、ポンプ98のみを作動させ、第1RO装置86,87への原水供給を停止している。第2RO装置94に希薄水タンク98内の希薄水が通水されることにより、第2RO装置94のスケールが溶解除去される。
なお、図4では、第2RO装置94に希薄水を通水しているときに透過水を配管95に流出させないようにしているが、第2RO装置94に希薄水を通水しているときに透過水を配管95に流出させるようにしてもよい。
<模擬原水>
模擬原水として、塩化カルシウム(110mg/L)、炭酸水素ナトリウム(70mg/L)、メタケイ酸ナトリウム(1610mg/L)、塩化アルミニウム6水和物(0.45mg/L)、塩化第二鉄(0.4mg/L)、スケール防止剤(2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)を10mg/Lを含有する水溶液を調整し、更に、水酸化ナトリウム水溶液又は硫酸水溶液でpHを5.5に調整したもの(水温20℃)を用いた。
<希薄水>
希薄水として、模擬原水を図3のようにRO装置に通水したときの透過水を用いた。なお、上記スケール防止剤を10mg/L添加した。
[実施例1]
図3,4の純水製造装置に、上記模擬原水と模擬希薄水とを次の順序及び条件で通水した。
<通水順序>
模擬原水通水工程(図3):模擬原水を初期透過フラックス0.45m/D、通水流速0.1m/sとなるように通水し、回収率73%で運転を90分行った。(補正透過フラックスは、運転90分では、実質的には低下しない。)
希薄水通水工程(図4):模擬原水通水工程を90分行った後に、希薄水を模擬原水通水工程と同一の圧力、通水量にて30分通水する。その後、図3の模擬原水通水工程に戻る。
[比較例1]
図3の模擬原水通水工程において、初期標準化透過水量との比率が90%となったときに、図4の希薄水の通水(30分通水)に切り替えるようにしたこと以外は実施例1と同様にして図3の模擬原水通水及び図4の希薄水通水を交互に行った。
[結果及び考察]
模擬原水通水工程終了直前における第2RO装置94のフラックスFと初期フラックスFとの比F/Fを「補正透過水量比」として図5に示す。図5の通り、実施例1のように、RO膜のフラックスが低下する前に希薄水通水工程を行うことにより、RO膜の性能低下を防ぐことが可能となる。これに対し、予め設定された初期標準化透過水量との比率が90%となったときに、希薄水の通水に切り替えるようにした場合には、性能低下した脱塩装置の性能を十分に回復させることはできない(比較例2)。
1 原水タンク
4 第1RO装置
10 中継タンク
21,22 第2RO装置
81 原水タンク
86,87 第1RO装置
94 第2RO装置
97 希薄水タンク
[結果及び考察]
模擬原水通水工程終了直前における第2RO装置94のフラックスFと初期フラックスFとの比F/Fを「補正透過水量比」として図5に示す。図5の通り、実施例1のように、RO膜のフラックスが低下する前に希薄水通水工程を行うことにより、RO膜の性能低下を防ぐことが可能となる。これに対し、予め設定された初期標準化透過水量との比率が90%となったときに、希薄水の通水に切り替えるようにした場合には、性能低下した脱塩装置の性能を十分に回復させることはできない(比較例)。
1 原水タンク
4 第1RO装
21,22 第2RO装置
81 原水タンク
86,87 第1RO装置
94 第2RO装置
97 希薄水タンク

Claims (9)

  1. 第1脱塩装置と第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法において、
    第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離する通常運転工程と、
    該第2脱塩装置の補正透過水量が低下する前に、第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する希薄水通水運転工程と
    を有することを特徴とする脱塩装置の運転方法。
  2. 前記第2脱塩装置が複数台並列に設置されており、第1脱塩装置と一部の第2脱塩装置とで前記通常運転工程を行っている間に他の第2脱塩装置で前記希薄水通水運転工程を行う請求項1の脱塩装置の運転方法。
  3. 第1脱塩装置と2台の第2脱塩装置とを有する脱塩装置の運転方法において、
    第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を一方の第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離し、他方の第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する第1通水パターンと、
    第1脱塩装置に被処理水を供給して第1の濃縮水と第1の脱塩水とに分離し、該第1の濃縮水を他方の第2脱塩装置に供給して第2の濃縮水と第2の脱塩水とに分離し、一方の第2脱塩装置に第1の濃縮水よりも濃度の低い希薄水を通水する第2通水パターンと、
    を交互に行う方法であって、
    第1通水パターンと第2通水パターンとの切り替えを30~180分に1回の頻度で行う請求項1の脱塩装置の運転方法。
  4. 希薄水として溶解塩類濃度が飽和溶解度未満となっている水を用いる、請求項1~3のいずれかの脱塩装置の運転方法。
  5. 希薄水として、前記第1脱塩装置又は第1脱塩装置と第2脱塩装置の脱塩水を用いる、請求項1~3のいずれかの脱塩装置の運転方法。
  6. 希薄水にスケール防止剤を添加する、請求項1~5のいずれかの脱塩装置の運転方法。
  7. 前記脱塩装置は、逆浸透膜装置である、請求項1~6のいずれかの脱塩装置の運転方法。
  8. 希薄水の水温が25℃以上である、請求項1~7のいずれかの脱塩装置の運転方法。
  9. 前記第1の濃縮水が、水温20℃以上、pH<6.0、カルシウムイオン濃度:50~500mg/L、アルミニウムイオン濃度:0.01~0.5mg/L、鉄イオン濃度:0.01~0.25mg/L、シリカ濃度:500~1500mg/Lである請求項1~8のいずれかの脱塩装置の運転方法。
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