JP2021037480A - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents

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勇規 中村
彰朗 横溝
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Abstract

【課題】水処理システムによる原水のRO膜処理を停止せず、かつ洗浄に供した水を系外に排出しないで、RO膜表面に生じたスケールを洗浄・除去できる水処理システム及び水処理方法の提供。【解決手段】被処理水を処理する逆浸透膜装置A(以下RO装置A)と、RO装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置B(以下RO装置B)、および、逆浸透膜装置C(以下RO装置C)、RO装置Aの濃縮水側とRO装置Bの供給側をつなぐ濃縮水通水ラインAB1、RO装置Aの透過水側とRO装置Cの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAC1、RO装置Aの透過水側とRO装置Bの供給側をつなぐ透過水通水ラインAB2、RO装置Aの濃縮水側とRO装置Cの供給側をつなぐ濃縮水通水ラインAC2を含み、ラインAB1及びラインAC1に通水させる第1接続ライン、ラインAB2及びラインAC2に通水させる第2接続ラインを切り替え可能とする水処理システム。【選択図】図1

Description

水処理システム及び水処理方法に関する。
逆浸透膜(RO膜)を用いた水処理において、被処理水中の溶存塩等がRO膜の濃縮水側表面に析出することによってRO膜を閉塞させるスケーリングが問題になる。スケーリングを抑制する技術として、被処理水にpH調整剤を添加したり、スケール発生を抑制するスケール分散剤を添加したりすることが広く知られている(例えば特許文献1参照)。
一方、RO膜表面に生じたスケールを、RO膜透過水を利用して洗浄する方法が知られている。例えば特許文献2には、シリカスケールを抑制するために、RO膜の透過水側から透過水を流して逆洗を実施することが開示されている。また、特許文献3には、多段に設置されたRO膜バンクを有するRO膜装置において、各段のRO膜バンクに濃縮側から透過水を通水して各段のRO膜バンク洗浄することが開示されている。
特開2005−169372号公報 特開平11−290849号公報 特開2017−209654号公報
原水(被処理水)にpH調整剤やスケール分散剤を添加しても、薬品の注入不良や原水の性状の変動等によってRO膜表面へのスケーリングを十分に抑制できない場合がある。特許文献2及び3に記載されるように、RO膜装置の透過水のような低TDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形物)水をRO膜に通水することにより、RO膜表面に生じたスケールを洗浄・除去することができる。しかし、当該特許文献に記載された方法は、洗浄のためにRO膜装置の通常運転を停止する必要がある。また、洗浄に供したRO膜透過水を系外に排出している。このため、上記特許文献記載の洗浄方法では、洗浄時に通常運転を停止する必要があり、また、洗浄に用いた透過水を系外に排出することを前提としており、RO膜装置の運転効率や回収率が低下してしまう。
そこで本発明は、水処理システムによる原水のRO膜処理を停止することなく、かつ洗浄に供した水を系外に排出することなく、RO膜表面に生じたスケールを洗浄・除去することができる水処理システム及び水処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、一のRO膜バンク(A)の濃縮水を、濃縮水通水ラインを通して別のRO膜バンク(B)に通水することによって濃縮水からさらに透過水を得ることで回収率を高め、上記RO膜バンク(A)の透過水については透過水通水ラインを通して別のRO膜バンク(C)に通水することによって透過水の純度をさらに高め、このような多段RO膜装置において、RO膜バンク(B)のRO膜表面に生じたスケールの程度に応じて、濃縮水通水ラインと透過水通水ラインとを切り替えることにより、RO膜装置の通常運転を停止することなくRO膜表面に生じたスケールを効果的に除去できることを見出した。すなわち、所望の純度の純水を、連続的に、また、透過水を無駄にすることなく優れた回収率で得ることができることを見出した。
本発明は、上記知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
[1]
被処理水を処理する逆浸透膜装置Aと、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置Bと、
前記逆浸透装置Aの透過水又は濃縮水を処理する逆浸透膜装置Cと、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAB1と、
前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAC1と、
前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAB2と、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAC2とを含み、
前記ラインAB1及び前記ラインAC1に通水させる第1接続ラインと、前記ラインAB2及び前記ラインAC2に通水させる第2接続ラインとを切り替え可能とする水処理システム。
[2]
前記逆浸透膜装置Aは2段のバンクを有し、
前記逆浸透膜装置Aの1段目のバンクの少なくとも一部の濃縮水側と前記逆浸透膜装置Aの2段目のバンクの濃縮水側とに前記ラインAB1が接続され、前記逆浸透膜装置Aの各透過水側に前記ラインAC1が接続され、
前記逆浸透膜装置Aの各透過水側に前記ラインAB2が接続され、前記逆浸透膜装置Aの1段目のバンクの少なくとも一部の濃縮水側と前記逆浸透膜装置Aの2段目のバンクの濃縮水側とに前記ラインAC2が接続される[1]に記載の水処理システム。
[3]
前記第2接続ラインは、前記第1接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Bの逆浸透膜表面のスケールを、該第2接続ラインを用いた通水により除去するラインであり、前記第1接続ラインは、前記第2接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Cの逆浸透膜表面のスケールを、該第1接続ラインを用いた通水により除去するラインである、[1]又は[2]に記載の水処理システム。
[4]
前記第2接続ラインに切り替えた状態において前記逆浸透膜装置Bの濃縮水側と前記被処理水を貯液する原水タンクとを接続する原水戻しラインと、前記第1接続ラインに切り替えた状態にて前記逆浸透膜装置Cの濃縮水側と前記原水タンクとを接続する原水戻しラインとを有する[1]〜[3]のいずれかに記載の水処理システム。
[5]
前記逆浸透膜装置B及び前記逆浸透膜装置Cの供給水、濃縮水及び透過水のいずれか一つ以上について、イオン濃度、導電率、pH、圧力及び透過水量のいずれか一つ以上を測定する測定部と、
前記測定部によって測定した値の経時変化及び/又は差分を算出する演算部とを有し、
制御部によって、前記演算部によって算出した数値に基づいて、前記第1接続ライン及び前記第2接続ラインを切り替える[4]に記載の水処理システム。
[6]
前記逆浸透膜装置Aの透過水に酸性薬液又はアルカリ性薬液を添加する薬液添加部を有し、
前記制御部は、前記算出した数値に基づいて、前記薬液添加部の酸性薬液又はアルカリ性薬液の添加量を制御する機能も備える[5]に記載の水処理システム。
[7]
被処理水を処理する逆浸透膜装置Aと、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置Bと、
前記分離装置Aの透過水又は濃縮水を処理する逆浸透膜装置Cと、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAB1と、
前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAC1と、
前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAB2と、
前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAC2とを含む水処理システムを用いた水処理方法であって、
前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Bとを前記ラインAB1を用いて接続するとともに、前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Cとを前記ラインAC1を用いて接続する第1接続ラインと、
前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Bとを前記ラインAB2を用いて接続するとともに、前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Cとを前記ラインAC2を用いて接続する第2接続ラインとを、
濃縮水の処理により生じたRO膜表面のスケールの程度に応じて交互に切り替えて、当該スケールを透過水により洗浄する水処理方法。
[8]
前記第1接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Bの逆浸透膜表面のスケールを、前記第2接続ラインを用いた通水により除去し、前記第2接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Cの逆浸透膜表面のスケールを、前記第1接続ラインを用いた通水により除去する、[7]に記載の水処理方法。
[9]
前記第2接続ラインに切り替えてから一定時間は、前記逆浸透膜装置Bの濃縮水を前記被処理水が貯液される原水タンクに戻し、前記第1接続ラインに切り替えてから一定時間は、前記逆浸透膜装置Cの濃縮水を前記原水タンクに戻す[7]又は[8]に記載の水処理方法。
[10]
前記逆浸透膜装置B及び前記逆浸透膜装置Cの供給水、濃縮水及び透過水のいずれか一つ以上について、イオン濃度、導電率、pH、圧力及び透過水量のいずれか一つ以上を測定し、
前記測定した値の経時変化及び/又は差分に基づいて、前記第1接続ライン及び前記第2接続ラインを切り替える[7]〜[9]のいずれかに記載の水処理方法。
本発明の水処理システム及び水処理方法によれば、原水のRO膜処理を停止することなく、かつ洗浄に供した水を系外に排出することなく、RO膜表面に生じたスケールを洗浄・除去することができる。これによって、効率的に水処理を行うことができる。
本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した概略構成図である。 本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第2実施形態)を示した概略構成図である。 本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第3実施形態)を示した概略構成図である。 本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第4実施形態)を示した概略構成図である。
本発明に係る水処理システムの好ましい一実施形態(第1実施形態)を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、水処理システム1(1A)は、被処理水を処理する逆浸透膜装置A、逆浸透膜装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置B及び逆浸透膜装置Aの透過水又は濃縮水を処理する逆浸透膜装置Cを備える。以下、逆浸透膜装置A、B、CをRO膜装置とも称して説明する。
被処理水としての原水が貯液される原水タンク51を備える。原水タンク51には原水が供給されるタンク供給ライン53が接続される。また原水タンク51には原水供給ライン55を介してRO膜装置Aの供給側Asが接続される。原水供給ライン55には第1ポンプP1が配されることが好ましい。したがって、原水タンク51に貯液されている原水は第1ポンプP1によってRO膜装置Aの各供給側Asに圧力をかけて供給される。本発明における「ライン」とは水が通る流路を意味する。
水処理システム1Aは、RO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Bの供給側BsとをつなぐラインAB1が配される。またRO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Cの供給側CsとをつなぐラインAC1が配される。さらにRO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Bの供給側BsとをつなぐラインAB2、及びRO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Cの供給側CsとをつなぐラインAC2が配される。図面におけるライン構成では、ラインAB2の一部(入口側と出口側)はラインAC1の一部及びラインAB1の一部と共用となっており、ラインAC2の一部(入口側と出口側)はラインAB1の一部及びラインAC1の一部と共用となっている。さらに合流点C1から第2ポンプP2を経て分岐点B2までは、ラインAB2とラインAC1とが共用になっている。
水処理システム1Aは、ラインAB1及びラインAC1に通水させる第1接続ラインと、ラインAB2及びラインAC2に通水させる第2接続ラインとを交互に切り替え可能な構成となっている。
「第1接続ラインと第2接続ラインとを交互に切り替える」とは、以下の意味である。すなわち、第1接続ラインのラインAB1によってRO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Bの供給側Bsとを接続し、第1接続ラインのラインAC1によってRO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Cの供給側Csとを接続する。そしてラインを切り替えることによって、第2接続ラインのラインAB2によってRO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Bの供給側Bsとを接続し、第2接続ラインのラインAC2によってRO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Cの供給側Csとを接続する。
さらに第2接続ラインを第1接続ラインに切り替えることによって、第1接続ラインの接続に戻すことができる。このように第1接続ラインと第2接続ラインとを交互に切り替えることができる。
上記第1接続ラインと第2接続ラインとの切り替えは、例えば弁操作によって行うことができる。例えば、上記ラインAB1には仕切弁V1が配され、ラインAC1には仕切弁V2が配され、ラインAB2には仕切弁V3が配され、ラインAC2には仕切弁V4が配されることが好ましい。
上記仕切弁V1〜V4を適宜開閉することによって、ラインAB1及びラインAC1の第1接続ラインと、ラインAB2及びラインAC2の第2接続ラインとが切り替え可能となる。
一例として、ラインAB1には、RO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Bの供給側Bsとをつなぐ配管が用いられ、この配管には仕切弁V1が配される。ラインAC1には、RO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Cの供給側Csとをつなぐ配管が用いられ、この配管には仕切弁V2が配される。ラインAB2には、RO膜装置Aの透過水側AtとRO膜装置Bの供給側Bsとをつなぐ配管が用いられ、この配管には仕切弁V3が配される。ラインAC2には、RO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Cの供給側Csとをつなぐ配管が用いられ、この配管には仕切弁V4が配される。
仕切弁V1、V2を開けることで第1接続ラインを開通させることができ、仕切弁V3、V4を閉じることでと第2接続ラインを止めることができる。さらに切り替えによって、仕切弁V1、V2を閉じることで第1接続ラインを止めることができ、仕切弁V3、V4を開けることでと第2接続ラインを開通させることができる。上記弁操作を繰り返し行うことで、第1接続ラインと第2接続ラインとの切り替えを交互に繰り返し行うことが可能となる。
第1接続ラインと第2接続ラインとを切り替えることによって、第1接続ラインの接続によってスケーリングが進行したRO膜装置Bは、第2接続ラインのラインAB2が接続される。これによってRO膜装置BにRO膜装置Aの透過水が供給されて、RO膜装置BのRO膜表面に生じたスケールが透過水により徐々に溶解され、RO膜装置Bが洗浄される。一方、RO膜装置CにはRO膜装置Aの濃縮水が供給されるため、RO膜装置Cはスケーリングが進行する。そして、例えば一定時間が経過したところで、さらに第2接続ラインと第1接続ラインとを切り替える。この切り替えは、RO膜装置Bのスケールが透過水の作用により所望のレベルまで除去され、かつRO膜装置Cがスケールによって機能しなくなる前に行うことが好ましい。
上記接続ラインの更なる切り替えによって、当初の第1接続ラインの接続に戻る。すなわち、透過水によって洗浄されたRO膜装置Bの供給側BsにRO膜装置Aの濃縮水が供給される。一方、RO膜装置Cの供給側CsにはRO膜装置Aの透過水が供給される。これによって、RO膜装置Cのスケールが供給された透過水によって徐々に溶解されRO膜装置Cが洗浄される。一方、RO膜装置BによってRO膜装置Aの濃縮水がさらに処理され、RO膜装置Bにおいてはスケーリングが進行する。
このように接続ラインの切り替えを行うことにより、RO膜装置の透過水によりスケールを適時に除去することができる。
上記水処理システム1のより詳細な構成を、図1を参照して説明する。
RO膜装置A、B、Cが上記説明したように配される。
RO膜装置Aは、複数本(図示例は3本)の並列に配した逆浸透膜ベッセル(以下、ベッセルという)Va1〜Va3によって逆浸透膜バンク(以下バンクという)が構成される。各ベッセルVa1〜Va3には、通常は複数本のRO膜エレメント(図示せず、以下、エレメントという)が直列に配される。
RO膜装置Bは、通常は複数本(図示例は2本)の並列に配したベッセルVb1〜Vb2によってバンクが構成される。各ベッセルVb1〜Vb2には、それぞれに複数本のエレメント(図示せず)が直列に配される。
RO膜装置Cは、通常は複数本(図示例は2本)の並列に配したベッセルVc1〜Vc2によってバンクが構成される。各ベッセルVc1〜Vc2には、それぞれに複数本のエレメント(図示せず)が直列に配される。
上記エレメントは、スパイラル型、中空糸型、管状型、平板状型等のいかなる型式のものであってもよい。
なお、上記各ベッセル内に配されるエレメントは1本であってもよい。エレメントの本数は、ベッセルに供給される供給水の処理量によって適宜決定される。また、上記各RO膜装置内のベッセルの本数は1本であってもよい。ベッセルの本数は、RO膜装置に供給される供給水の流量等によって適宜決定される。
上記ラインAB1には仕切弁V1が配され、上記ラインAC1には、RO膜装置A側から順に、仕切弁V2、仕切弁V6、第2ポンプP2、仕切弁V8が配される。
またラインAB2は、RO膜装置Aの透過水側AtからラインAC1との分岐点B1、仕切弁V3、ラインAC1との合流点C1を通り第2ポンプP2に至るラインである。さらに、第2ポンプP2からラインAC1との分岐点B2、仕切弁V7、ラインAB1との合流点C2を通り、RO膜装置Bの供給側Bsまでのラインである。このラインAB2は、例えば、RO膜装置Aの透過水側AtからラインAC1との分岐点B1までのライン、及び合流点C1から第2ポンプP2を通り分岐点B2までのラインはラインAC1との共通ラインとすることができる。また合流点C2からRO膜装置Bの供給側BsまでのラインはラインAB1との共通ラインとすることができる。
ラインAC2は、RO膜装置Aの濃縮水側Acから、分岐点B3、仕切弁V4、合流点C3、仕切弁V9を通りRO膜装置Cの供給側Csまでのラインである。このラインAC2は、例えば、RO膜装置Aの濃縮水側Acから分岐点B3までのラインはラインAB1との共通ラインとすることができ、合流点C3から分岐点B4まではラインAC1と共通ラインとすることができる。さらに、合流点B4からRO膜装置Cの供給側CsまでのラインはラインAC1との共通ラインとすることができる。
上記のように、図1に示す形態においては、ラインAB2はラインAC1と、ラインAC2はラインAB1、ラインAC1と、ラインの一部分が共用されているが、本発明において上記各ラインは独立した単独ラインとして形成してもよい。
RO膜装置Bの各濃縮水側Bcは、各濃縮水側Bcから順に、圧力調整弁VC1、仕切弁V17を配したラインLC1によって、ブローラインLBに接続される。さらに、圧力調整弁VC1と仕切弁V17との間から分岐して、仕切弁V15を配した原水戻しラインLFが原水タンク51に接続される。一方、透過水側Btは、分岐点B5の一方側に、仕切弁V11を配したラインLPによって、第2ポンプP2の入力側に接続され、分岐点B5の他方側に、仕切弁V12を配したラインLA1によって、処理水ラインLAに接続される。
RO膜装置Cの各濃縮水側Ccは、各濃縮水側Ccから順に、圧力調整弁VC2、仕切弁V18を配したラインLC2によって、ブローラインLBに接続される。さらに、圧力調整弁VC2と仕切弁V18との間から分岐して、仕切弁V16を配した原水戻しラインLFが原水タンク51に接続される。一方、透過水側Ctは、分岐点B6の一方側に、仕切弁V13を配したラインLPによって、第2ポンプP2の入力側に接続され、分岐点B6の他方側に、仕切弁V14を配したラインLA2によって、処理水ラインLAに接続される。上記ラインLPは、仕切弁V11、V13の下流側と第2ポンプP2との間を、RO膜装置B及びCの各透過水を通水する共通ラインとすることができる。
上記処理水ラインLAは、例えばROバンクを2度透過した一定レベル以上の純度に到達した水を流すラインである。当該水は、使用目的にもよるが、例えば、導電率が20μS/cm以下、イオン濃度が10ppm以下であることが好ましい。
上記ブローラインLBは、RO膜による処理によって得た濃縮水をさらにRO膜に供給して得られた濃縮水を供給するラインである。
上記水処理システム1Aの弁操作について、以下に詳細を説明する。
第1接続ラインの場合、図1に示す形態において、白抜きに描いた仕切弁V1、V2、V6、V8、V11、V14、V16、V17を開けて、黒塗りに描いた仕切弁V3、V4、V7、V9、V12、V13、V15、V18を閉じる。この状態において、原水タンク51内の原水を第1ポンプP1によってRO膜装置A(第1段目のバンク)に供給し、各ベッセルVa1〜Va3によって処理する。RO膜装置Aの各濃縮水側Acから濃縮水が得られ、この濃縮水を、ラインAB1を通してRO膜装置B(第2段目のバンク)に供給する。そしてRO膜装置Bによって処理し、処理して得た濃縮水を濃縮水側BcからラインLC1を通してブローラインLBに送り、透過水を透過水側BtからラインLPを経て第2ポンプP2に送り、ラインAC1を経てRO膜装置C(第2段目RO)に供給する。このとき、合流点C1において、ラインAB2とラインLPによって透過水を合流するが、透過水の圧力がほぼ大気圧であるため、ともに第2ポンプP2に吸引されてRO膜装置Cに大気圧より高い圧力をかけて供給する。RO膜装置CのRO膜種にもよるが、通常は、0.5〜4MPa程度かけることが好ましい。
一方、RO膜装置Aの透過水側Atから透過水を得て、この透過水をラインAC1からRO膜装置Cに供給する。このとき、ラインAC1に第2ポンプP2によって供給するため、所望の圧力に加圧してRO膜装置Cの供給側Csに供給する。このRO膜装置Cにおいてさらに処理し、RO膜装置Cにて得た透過水を、透過水側CtからラインLT2、ラインLA2を通して処理水ラインLAに送る。一方、RO膜装置Cにおいて得た濃縮水を、濃縮水側Ccから原水戻しラインLFを経て原水タンク51に戻す。
第2接続ラインの場合、図1に示す形態において、白抜きに描いた仕切弁V1、V2、V6、V8、V11、V14、V16、V17を閉じ、黒塗りに描いた仕切弁V3、V4、V7、V9、V12、V13、V15、V18を開ける。この状態において、原水タンク51内の原水を第1ポンプP1によってRO膜装置A(第1段目のバンク)に供給して、各ベッセルVa1〜Va3によって処理する。そして各ベッセルVa1〜Va3の各濃縮水側Acから得た濃縮水をラインAB1、AC2、AC1を通してRO膜装置Cに供給する。
RO膜装置Cによって処理し、RO膜装置Cの各ベッセルVc1〜Vc2の各濃縮水側Ccから濃縮水を得て、この濃縮水を、ラインLC2、圧力調整弁VC2、仕切弁V16を通して原水戻しラインLFを経て原水タンク51に戻す。一方、RO膜装置Cの各ベッセルVc1〜Vc2の各透過水側Ctからは透過水を得て、この透過水を、ラインLT2を通して分岐点B6に送り、さらにラインLP、ラインAB2を通してRO膜装置Bに供給する。このとき、第2ポンプP2によって透過水を供給するため、所望の圧力に加圧してRO膜装置Bの供給側Bsに供給される。

RO膜装置Aの各透過水側Atから得た透過水を、ラインAC1、AB2を経て第2ポンプP2に送り、さらにラインAB2、AB1を経てRO膜装置Bに供給する。このとき、合流点C1において、ラインAB2とラインLPとによって透過水が合流するが、透過水の圧力はほぼ大気圧であるため、ともに第2ポンプP2によって吸引されて大気圧より高い圧力をかけてRO膜装置Bに供給する。RO膜装置BのRO膜種にもよるが、通常は、0.5〜4MPa程度の圧力をかけることが好ましい。
そしてRO膜装置Bによって処理され、RO膜装置Bの濃縮水側Bcから得た濃縮水をラインLC1、圧力調整弁VC1、仕切弁V15を通し、原水戻しラインLFを経て原水タンク51に戻す。一方、RO膜装置Bの各透過水側Btから得た透過水を、ラインLT1、仕切弁V12から処理水ラインLAに供給する。
上記水処理システム1は、二方弁の仕切弁を用いた構成であるが、例えば、三方弁を用いた構成としてもよい。この場合、弁数を削減することができ、弁操作が簡単になる。図示はしていないが、例えば、仕切弁V1、V4の代わりに分岐点B3に三方弁を配し、仕切弁V2、V3の代わりに分岐点B1に三方弁を配し、仕切弁V6、V9の代わりに分岐点B4に三方弁を配することができる。また、仕切弁V11、V12の代わりに分岐点B5に三方弁を配し、仕切弁V13、V14の代わりに分岐点B6に三方弁を配することもできる。さらに仕切弁V15、V17の代わりに三方弁を配し、仕切弁V16、V18の代わりに三方弁を配することもできる。上記三方弁を配する箇所は1箇所であっても、複数個所であってもよい。
次に、上記水処理システム1Aにおいて、RO膜装置Aが第1段目のバンクA(A1)と第2段目のバンクA(A2)とを備えた水処理システム1(1B)の好ましい一実施形態(第2実施形態)について、図2を参照して以下に説明する。
水処理システム1Bは、上記水処理システム1Aにおいて、RO膜装置Aが第1段目のバンクA(A1)と第2段目のバンクA(A2)とを備える。したがって、RO膜装置A以外の構成は水処理システム1Aと同様である。以下では、RO膜装置Aについて説明する。
RO膜装置Aは、一例として、第1段目のバンクA1が3本のベッセルVa1〜Va3を備える。第1段目のバンクA1内のベッセルVa1の濃縮水側AcがラインAB1に接続され、ベッセルVa2〜Va3の各濃縮水側Acが第2段目のバンクA2の供給側A2sに接続される。ベッセルVa1〜Va3の各透過水側AtがラインAC1に接続される。第2段目のバンクA2内のベッセルVab1〜Vab2の各濃縮水側A2cがラインAB1に接続され、ベッセルVab1〜Vab2の各透過水側A2tがラインAC1に接続される。その他の接続形態は、水処理システム1Aと同様である。このように、第1段目のバンクA1の一部の濃縮水側Acは第2段目のバンクA2の供給側A2sに接続されるが、第1段目のバンクA1の残りの濃縮水側Acと第2段目のバンクA2の濃縮水側A2cの全てはラインAB1に接続される。すなわち、第1実施形態のRO膜装置Aの濃縮水側Acに接続するのと同様に、ラインAB1に接続される。また第1段目のバンクA1の透過水側Atの全てと第2段目のバンクA2の透過水側A2tの全ては、第1実施形態のRO膜装置Aの透過水側Atに接続するのと同様に、ラインAC1に接続される。すなわち、第2実施形態においても、RO膜装置Aの濃縮水側AcとRO膜装置Bの供給側Bsとが接続され、RO膜装置Aの透過水側とRO膜装置Cの供給側Csとが接続される。
次に水処理システム1Bの弁操作について、以下に説明する。
第1接続ラインの場合、図2に示す形態において、白抜きに描いた仕切弁V1、V2、V6、V8、V11、V14、V16、V17を開けて、黒塗りに描いた仕切弁V3、V4、V7、V9、V12、V13、V15、V18を閉じる。
各ラインの接続は、RO膜装置Aの1段目のバンクA1の少なくとも一部のベッセル(例えばベッセルVa1)の濃縮水側AcとRO膜装置Aの2段目のバンクA2の濃縮水側A2cとにラインAB1を接続する。この状態にて、原水タンク51内の原水を第1ポンプP1によってRO膜装置A(第1段目のバンクA1)に供給して、各ベッセルVa1〜Va3によって処理する。
そしてRO膜装置A1の各濃縮水側Acから濃縮水を得る。その際、ベッセルVa1において得た濃縮水を、ラインAB1を通してRO膜装置Bに供給する。また、ベッセルVa2〜Va3の濃縮水を第2段目のバンクA2の供給側A2sに供給し、各ベッセルVab1〜Vab2によって処理する。このベッセルVab1〜Vab2の処理によって得られた濃縮水を、濃縮側A2cからラインAB1、仕切弁V1を通ってRO膜装置Bに供給する。そして供給された濃縮水をRO膜装置Bによって処理し、RO膜装置Bによって得られた濃縮水を、濃縮水側BcからラインLC1、圧力調整弁VC1、仕切弁V17を通してブローラインLBに送る。
一方、RO膜装置Bによって得られた透過水を、透過水側Btから仕切弁V11、ラインLPを経て第2ポンプP2に送り、さらにラインAC1、仕切弁V8を経てRO膜装置C(第2段目RO)に供給する。このとき、合流点C1において、ラインAB2とラインLPによって透過水が合流されるが、透過水の圧力はほぼ大気圧であるため、ともに第2ポンプP2に吸引されてRO膜装置Cに大気圧より高い圧力がかけられて供給されることが好ましい。その圧力は上記RO膜装置Cにかかる圧力も同様である。
一方、RO膜装置Aの第1段目のバンクA1の透過水側Atから透過水を得て、また、第2段目のバンクA2の透過水側A2tからも透過水を得て、いずれの透過水もラインAC1(仕切弁V6、V8も含む)を通してRO膜装置Cに供給する。このとき、いずれの透過水もラインAC1に配した第2ポンプP2によって供給するため、所望の水圧を得てRO膜装置Cの供給側Csに供給される。そしてRO膜装置Cにおいて透過水はさらに処理され、このRO膜装置Cによる処理によって得られた透過水は透過水側CtからラインLA2を通して処理水ラインLAに送られる。一方、RO膜装置Cによって得た濃縮水を、濃縮水側Ccから原水戻しラインLFを経て原水タンク51に戻す。このようにして、洗浄に供したRO膜装置Aの透過水を系外に排出することなく、RO膜装置Cの洗浄を行うことができる。
すなわち、第1接続ラインの場合、第1水処理システム1Aと同様の弁操作が行われる。
第2接続ラインの場合、図2に示す形態において、白抜きに描いた仕切弁V1、V2、V6、V8、V11、V14、V16、V17を閉じ、黒塗りに描いた仕切弁V3、V4、V7、V9、V12、V13、V15、V18を開ける。この状態にて、原水タンク51内の原水を第1ポンプP1によってRO膜装置A(第1段目のバンクA1)に供給して、RO膜装置Aの各ベッセルVa1〜Va3によって処理する。
第1段目のバンクA1の各濃縮水側Acから濃縮水を得て、ベッセルVa1の濃縮水をラインAB1、仕切弁V4、ラインAC2、仕切弁V9、ラインAC1を通してRO膜装置Cに供給する。また、ベッセルVa2〜Va3の濃縮水を第2段目のバンクA2の供給側A2sに供給し、各ベッセルVab1〜Vab2によって処理する。このベッセルVab1〜Vab2の処理によって得られた濃縮水を、濃縮水側A2cからラインAB1、仕切弁V4、AC2、仕切弁V9、AC1を通してRO膜装置Cに供給する。
そしてRO膜装置Cによって処理し、RO膜装置Cの各濃縮水側Ccから濃縮水を得て、ラインLC2、圧力調整弁VC2、仕切弁V18を通しブローラインLBに送る。一方、RO膜装置Cの各透過水側Ctから透過水を得て、ラインLT2を通して分岐点B6に送り、仕切弁V13、ラインLP、ラインAB2、第2ポンプP2、仕切弁V7を通してRO膜装置Bに供給する。このとき、第2ポンプP2によって供給するため、所望の水圧を得てRO膜装置Bの供給側Bsに供給される。所望の水圧とは、上記したRO膜装置Bの供給側Bsにかかる圧力と同様である。
RO膜装置A(1段目、2段目のバンクA1、A2)の各透過水側Atから透過水を得て、その透過水をラインAC1、仕切弁V3、ラインAB2を経て第2ポンプP2に送り、さらにラインAB2、仕切弁V7、ラインAB1を経てRO膜装置Bに供給する。このとき、合流点C1にて、ラインAB2とラインLPによって透過水を合流するが、透過水の圧力はほぼ大気圧であるため、ともに第2ポンプP2に吸引されて、RO膜装置Bに大気圧より高い圧力がかけられて供給される。その圧力は上記した第2ポンプP2により供給される透過水の圧力と同様である。
そして上記透過水をRO膜装置Bによって処理し、RO膜装置Bにて得た濃縮水を濃縮水側BcからラインLC1、圧力調整弁VC1、仕切弁V15を通り原水戻しラインLFを経て原水タンク51に戻す。一方、RO膜装置Bによって得た透過水を各透過水側BtからラインLT1、仕切弁V12から処理水ラインLAに供給する。
すなわち、第2接続ラインの場合、第1水処理システム1Aと同様の弁操作が行われる。
次に、上記水処理システム1Aにおいて第1接続ラインと第2接続ラインとの切り替えを好ましい切り替えタイミングにて実施する水処理システム1(1C)の一実施形態(第3実施形態)について、図3を参照して以下に説明する。
水処理システム1Cは、上記水処理システム1Aにおいて、水処理ラインLAへの供給タイミングと原水タンクへ戻すタイミングとを制御するものである。
具体的には、処理水ラインLAに仕切弁V21を備え、仕切弁V12と仕切弁V14とを結ぶラインから原水戻しラインLFに接続する戻しラインLF2を配し、この戻しラインLF2に仕切弁V22を備えたものである。その他の構成は水処理システム1Aと同様である。
水処理システム1Cでは、第1接続ラインから第2接続ラインに切り替わってからの所定の時間は、仕切弁V21を閉じ、仕切弁V22を開ける。「所定の時間」とは、第1接続ラインから第2接続ラインに切り替えた場合、ラインLT1に残っていた透過水を流しきる時間を意味する。具体的に説明すると、ラインLT1には、RO膜装置Aの濃縮水をRO膜装置Bによって処理した透過水が流れるが、第2接続ラインに切り替えた場合、ラインLT1にはその透過水が残っている。この透過水は、目的の純度にもよるが、処理水ラインLAに流すレベルの水質に処理されていない場合がある。この状態でRO膜装置Aの透過水をRO膜装置Bによって処理した透過水を流すと、切り替え初期には、上記のラインLT1に残っていた透過水が処理水ラインLAに流れ込むことになり、処理水ラインLAの水質が劣化する可能性がある。そこで、ラインLT1に残っていた処理水ラインLAに流せないレベルの透過水を流しきるまでの時間、仕切弁V21を閉じ、仕切弁V22を開けて、残っていた透過水を原水タンク51に戻しているのである。言い換えれば、ラインの切り替えによって、処理水ラインLAに流せるレベルの水質になるまで、ラインLT1を通る透過水を原水タンク51に戻しているのである。
所定の時間が経過後は、仕切弁V21は開け、仕切弁V22を閉じて、RO膜装置B(第2段目のバンク)の透過水を処理水ラインLAに導く。
第2接続ラインから第1接続ラインに切り替えた初期には、RO膜装置Aの濃縮水をRO膜装置Cにおいて処理して得たRO膜を1回しか透過していない透過水がラインLT2に残っている。この透過水は、目的の純度にもよるが、処理水ラインLAに流すレベルの水質に処理されていない場合がある。この状態でRO膜装置Aの透過水をRO膜装置Cにおいて処理して得た透過水を流すと、切り替え初期には、上記のラインLT2に残っていた透過水が処理水ラインLAに流れることになり、処理水ラインLAの水質が劣化する可能性がある。そこで、ラインLT2に残っていた処理水ラインLAに流せないレベルの透過水を流しきるまでの時間、仕切弁V21を閉じ、仕切弁V22を開けて、残っていた透過水を原水タンク51に戻しているのである。
このように上記「所定の時間」は、ライン切り替え当初に、ラインLT1,ラインLT2に残っていた透過水が処理水ラインLAに流れないようにするための時間である。その間は、仕切弁V22が開けられているため、透過水は戻しラインLF2、原水戻しラインLFを通して原水タンク51に戻される。
上記のように、第1接続ラインから第2接続ラインに切り替えるとき、またはその逆のとき、切り替え初期の透過水を原水タンク51に戻すことによって、透過水を系外に排出しなくても済み、回収率を向上させることができる。
また、これによって、処理水ラインLAの水質を高レベルに保持することができる。
次に、上記水処理システム1AにおいてRO膜装置Bのベッセル数を適切にした水処理システム1(1D)の一実施形態(第4実施形態)について、図4を参照して以下に説明する。ベッセル数を適切にするとは、例えば、ベッセル数を必要最小限にして用いることである。
水処理システム1Dは、上記水処理システム1Aにおいて、RO膜装置BのベッセルVb1〜Vb2のそれぞれの供給側Bs、濃縮水側Bc及び透過水側Btに仕切弁V31〜V36を配した構成としたものである。
具体的には、ベッセルVb1の供給側Bs、濃縮水側Bc及び透過水側Btに、順に仕切弁V31〜V33を配し、ベッセルVb2の供給側Bs、濃縮水側Bc及び透過水側Btに、順に仕切弁V34〜V36を配したものである。その他の構成は水処理システム1Aと同様である。
水処理システム1Dでは、第1接続ラインから第2接続ラインに切り替わってからの所定の時間は、ベッセルVb1の各仕切弁V31〜V33を閉じ、ベッセルVb2の各仕切弁V34〜V36を開けて洗浄する。「所定の時間」とは、予め設定した時間であり、第1接続ラインから第2接続ラインに切り替えた場合、例えば、ベッセルVb2が十分に洗浄される時間である。所定の時間後にベッセルVb1の各仕切弁V31〜V33を開け、ベッセルVb2の各仕切弁V34〜V36を閉じてベッセルVb1を洗浄する。
第2接続ラインから第1接続ラインに切り替えた場合、切り替わってからの所定の時間は、ベッセルVc1の各仕切弁V41〜V43を閉じ、ベッセルVc2の各仕切弁V44〜V46を開ける。この場合の所定の時間とは、たとえば、ベッセルVc2が十分に洗浄される時間である。所定の時間後にベッセルVc1の各仕切弁V41〜V43を開け、ベッセルVc2の各仕切弁V44〜V46を閉じてベッセルVc1を洗浄する。
上記予め設定した時間は、例えばタイマーを用いて設定することができる。
または、洗浄中のRO膜装置について、供給水、濃縮水、透過水のいずれか一つ以上について、導電率、イオン濃度、pH、圧力、透過水量のいずれか1つ以上を測定する。その測定値の経時変化から経時変化速度を算出して洗浄完了予定時間を推定することもできる。
上記のように、RO膜装置Bの各ベッセルのうち、一部のベッセルとして例えばベッセルVb1を機能しないようにし、RO膜装置B内のベッセルにおける処理をベッセルVb2に限定する。具体的には、ベッセルVb1の供給側Bs、濃縮水側Bc、透過水側Btの各仕切弁V31〜V33を閉じることによって、ベッセルVb2に処理を限定することができる。
このように、使用するベッセルを限定することによって、透過水による洗浄を効率良く行うことができるようになる。
上記説明では、一つのRO膜装置内のベッセル数は2本であるが、ベッセル数は2本に限定されず、3本以上であってもよい。図示していないが、例えばベッセルVb1〜Vb6の6本のベッセルが配されている場合、ベッセルVb1、Vb2を第1ベッセル群、ベッセルVb3、Vb4を第2ベッセル群、ベッセルVb5、Vb6を第3ベッセル群とする。この場合、例えば、所定の時間、第1ベッセル群の仕切弁を開けて第1ベッセル群を洗浄し、その間第2、第3ベッセル群の仕切弁は閉じておく。所定の時間経過後、第1ベッセル群の仕切弁を閉じて、第2ベッセル群の仕切弁を開け、第3ベッセル群の仕切弁を閉じたままとし、第2ベッセル群を洗浄する。そして、所定の時間経過後、第1ベッセル群の仕切弁を閉じたままとし、第2ベッセル群の仕切弁を閉じ、第3ベッセル群の仕切弁を開け、第3ベッセル群を洗浄する。このようにベッセル数が多い場合には、いくつかのベッセル群に分けて、ベッセル群ごとに順に洗浄してもよい。また、ベッセル群は1本のベッセルで構成されてもよい。
そして、RO膜装置内の全てのベッセルの洗浄が終了した後、第1接続ラインと第2接続ラインとの切り替えを行うことが好ましい。
上記RO膜装置Bの各ベッセルVb1〜Vb2に適用した仕切弁V31〜V36の構成は、RO膜装置Cの各ベッセルVc1〜Vc2にも適用することができる。具体的には、ベッセルVc1の供給側Bs、濃縮水側Bc及び透過水側Btに、順に仕切弁V41〜V43を配し、ベッセルVc2の供給側Bs、濃縮水側Bc及び透過水側Btに、順に仕切弁V44〜V46を配したものである。
この構成においても、上記RO膜装置Bの場合と同様に、使用するベッセルを限定することによって、スケーリングによるRO膜の閉塞を限定的にして、透過水による洗浄を効率良く行うことができるようになる。
上記各水処理システム1において、各仕切弁は、図示していない制御部によって開閉を制御することができる。そのため、各仕切弁は、制御部によって開閉可能となる自動弁であることが好ましい。自動弁の中でも動作速度の観点から電磁弁であることが好ましい。各仕切弁の開閉タイミングは、タイマーによって設定することが好ましい。タイマーによって設定された開閉タイミングになった時点で制御部から各仕切弁に開閉動作を指示して、各仕切弁を開閉することができる。
またRO膜装置A〜Cに被処理水を供給する際、急激な圧力変動があると、RO膜が壊れる可能性がある。そのため、仕切弁の開閉をゆっくり行う必要がある。また急激な圧力変動によるRO膜の損傷を避けるために流量制御装置として機能するポンプインバータ(図示せず)を介して、第1ポンプP1を動作させることが好ましい。例えば、仕切弁操作の前に、第1ポンプP1のインバータ値を一時的に下げることによりRO膜にかかる圧力、流量を低下させておき、その後、仕切弁を操作してインバータ値を戻すことによって、急激な圧力変動を予防することができる。また第2ポンプP2についても第1ポンプP1と同様にポンプインバータによって制御させることが好ましい。
上記各水処理システム1においては、洗浄時に、RO膜装置Bに供給水(RO膜装置Aの透過水)を流すラインAB2、RO膜装置Bの濃縮水を流すラインLC1及び透過水を流すラインLT1のいずれか一つ以上に、測定部(図示せず)を備えることが好ましい。同様に、RO膜装置Cに供給水(RO膜装置Aの透過水)を流すラインAC1、RO膜装置Cの濃縮水を流すラインLC2及び透過水を流すラインLT2のいずれか一つ以上に、測定部(図示せず)を備えることが好ましい。
具体的には、各測定部は、ラインAB2、AC1及びラインLC1、LC2には、導電率、イオン濃度、pHのいずれかの測定部を配することが好ましく、ラインLT1、LT2には透過水量を測定する測定部を配することが好ましい。
例えば、ラインAB1、AC1にイオン濃度(例えば、カルシウム(Ca)イオン濃度)又は導電率を測定する測定部を配し、さらにラインLC1、LC2にイオン濃度(例えば、Caイオン濃度)又は導電率を測定する測定部を配することができる。この場合、供給水濃度×濃縮倍率(回収率より推算)=濃縮水濃度になっていれば洗浄完了とすることができる。
「供給水濃度」とはRO膜装置Bに供給される供給水のCaイオン濃度であり、「濃縮水濃度」はRO膜装置Bの濃縮水のCaイオン濃度である。導電率を測定した場合、測定した導電率からCaイオン濃度を推算することができる。
または、ラインLC1、LC2にイオン濃度としてCaイオン濃度又は導電率を測定する測定部を配することができる。この場合、濃縮水濃度が徐々に低下していき、変化幅が好ましくは25%以内、より好ましくは15%以内、さらに好ましくは10%以内になったところで洗浄完了とすることができる。この場合も測定した導電率からCaイオン濃度を推算することができる。
上記Caイオンの測定には、例えば、堀場アドバンスドテクノ社製ポータブル水質計LAQUA(商品名)、エンバイロ・ビジョン社製テストマートECO(商品名)等を用いることができる。また導電率の測定には、例えば、堀場アドバンスドテクノ社製HE−200C(商品名)、横河電機社製導電率計FLXA402(商品名)、等を用いることができる。
ラインAB1、AC1、ラインLC1、LC2、ラインLT1、LT2には圧力を測定する測定部(図示せず)を配することも好ましい。インバータ等により透過水量を一定に調整する運転を行っている場合、膜の閉塞に伴い、RO膜の一次側圧力(供給圧力、濃縮圧力の平均値)や膜間差圧(1次側平均圧力と透過圧力の差)が上昇する。1次側圧力もしくは膜間差圧が、RO膜新品の時の圧力に対して、好ましくは120%以内、より好ましくは110%以内、さらに好ましくは105%以内になったところで洗浄完了とすることができる。
ラインLT1、LT2には透過水量を測定する測定部(図示せず)を配することも好ましい。この場合、透過水量がRO膜新品のときの透過水量に対して、好ましくは80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%になったところで洗浄完了とすることができる。
上記透過水量の測定には、面積式、超音波式、コリオリ式、渦巻き式など、一般的な流体に用いられる流量計を用いることができる。
RO膜装置Bの供給側に供給水(RO膜装置Aの透過水)を導入するラインAB2、AC1にpHを測定する測定部(図示せず)を配し、RO膜装置Bの濃縮水を流すラインLC1、LC2にpHを測定する測定部(図示せず)を配することができる。例えば、RO膜のスケール中に炭酸カルシウムを含む場合、供給水のpHに対して濃縮水のpHが好ましくは+2.0以内、より好ましくは+1.5以内、さらに好ましくは+1.0以内になったところで洗浄完了とすることができる。
または、ラインLC1、LC2にpHを測定する測定部を配することができる。この場合、RO膜装置Bの濃縮水のpHが徐々に変化していき、変化幅が好ましくは10%以内、より好ましくは8%以内、さらに好ましくは5%以内になったところで洗浄完了とすることができる。RO膜装置Cについても、RO膜装置Bと同様である。
上記pHの測定にはpH計を用いる。pH計としては、例えば、堀場アドバンスドテクノ社製HP−200(商品名)、横河電機社製FLXA402(商品名)等を用いることができる。
RO膜装置Aの濃縮水を通水中のRO膜装置Bの透過水量の流量表示があらかじめ任意に設定された透過水量を下回ること(もしくは、RO膜装置Bの一次側平均圧力や膜間差圧があらかじめ設定された圧力を上回ること)、かつ、RO膜装置Aの透過水を流して洗浄中のRO膜装置Cが洗浄完了であることを接続ライン切り替えのトリガーとすることができる。このトリガーによって、第1接続ラインと第2接続ラインとを切り替えて、通水、洗浄を切り替えることができる。
ラインLT1、LT2には透過水量を測定する測定部を配することができる。この場合、上記のpHの測定による洗浄完了条件を満たすとともに、透過水量がRO膜新品の好ましくは80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%まで回復したところで洗浄完了とすることができる。
上記各測定部によって、所定の時間間隔で測定された上記各値は、演算部(図示せず)に入力される。演算部に入力された値によって、イオン濃度、導電率、pH、圧力、透過水量等の少なくとも一つの経時変化及び/又は差分を算出することができる。差分としては、イオン濃度、導電率、pH等についてRO膜装置Bの供給側と濃縮水側とで測定した測定値の差分が挙げられる。その差分が一定値以下になったところで洗浄完了とすることができる。圧力の場合は、RO膜装置Bの一次側平均圧力や膜間差圧と、あらかじめ設定した一次側平均圧力や膜間差圧との差分が一定値以下になったところで洗浄完了とすることができる。また透過水量の場合は、RO膜装置Bの透過水側の透過水量と、あらかじめ設定した透過水量との差分が一定値以下になったところで洗浄完了とすることができる。上記操作は、RO膜装置Cの洗浄時についても同様に行うことが好ましい。
演算部によって算出された数値に基づいて、洗浄が完了した状態を検出し、洗浄が完了したタイミングにおいて、上記制御部から第1接続ライン及び第2接続ラインの切り替えをする弁操作を指示することが好ましい。
上記説明では、イオン濃度の測定においてCaイオン濃度を測定したが、イオン濃度に変えてシリカ濃度を測定することもできる。この場合、シリカ濃度測定器としては、例えば、日機装社製シリカ計7028型(商品名)、HACH社製シリカアナライザーPolymetro9610SC(商品名)等を用いることができる。
また、透過水にpH調整剤として酸性薬液を添加することによって、Caの溶解度を上げることができる。また、シリカの溶解度を上げるためには、アルカリ性薬液を添加することも好ましい。RO膜装置Aの透過水にCa濃度、シリカ濃度に応じて、pH調整剤を添加することは、本発明の好ましい実施の形態である。
洗浄中のRO膜装置について、供給水、濃縮水、透過水のいずれか一つ以上について、導電率、イオン濃度、pH、圧力、透過水量のいずれか1つ以上を測定することが好ましい。それらの測定した値の経時変化及び/又は差分を演算部によって算出する。算出した数値に基づいて上記pH調整剤の添加量を決定することができる。例えば、洗浄中のRO膜装置Bへの供給水(RO膜装置Aの透過水)およびRO膜装置Bの濃縮水のそれぞれのpHを測定し、その測定値の差分の経時変化を算出する。算出された差分の経時変化からその経時変化速度を算出し、さらに洗浄完了予定時間を算出する。この洗浄完了予定時間と、あらかじめ設定された所定の洗浄完了目標時間との差分から、仮に洗浄完了予定時間が洗浄完了目標時間を超過するようであれば、pH調整剤の添加量を増加させる。このような制御により、あらかじめ決定された洗浄完了目標時間内に洗浄を完了させることででき、水処理システム1を安定運転することができる。上記操作は、RO膜装置Cの洗浄時についても同様に行うことが好ましい。
<pHの調整>
RO膜装置Aの透過水に薬液としてpH調整剤を添加し、RO膜の洗浄効率を高めることができる。例えばスケールが炭酸カルシウム(CaCO)を含む場合は、上記pH調整剤として、酸性の薬液の、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)等を添加することによって、Caの溶解度を高めることができる。例えば、RO膜装置Bの供給水および濃縮水のpHを測定するためのRO膜装置Bの供給側Bs及び濃縮水側BcにpH計(図示せず)を設置し、測定したpHの差分を求める。このpHの差分と、洗浄時間経過ごとの理想的なpH差分との差から、例えばPID制御(Proportional−Integral−Differential 制御)を実施し、塩酸の注入量を制御することが好ましい。PID制御は、制御工学におけるフィードバック制御の一種であり、入力値の制御を出力値と目標値との偏差、その積分、および微分の3つの要素によって制御を行う方法のことである。上記制御はPID制御に限定されず、入力値の制御を出力値と目標値とのP(偏差)制御、I(積分)制御、D(微分)制御、それらの組合せであってもよく、一般的なフィードバック制御を用いることができる。また、スケールがシリカ(二酸化ケイ素)を含む場合は、アルカリ性の薬液として、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を添加することで、アルカリ性化し、シリカの溶解度を高めることができる。この場合も上記と同様に、透過水のpHを制御することでアルカリ性の薬液の添加量を制御することができる。
<逆浸透膜における被処理水の回収率>
被処理水の回収率(流量%)=[透過水量(流量)/被処理水量(流量)]×100(%)である。以下、回収率の「%」は「流量%」を示す。RO膜装置に供給する被処理水量(流量)に対するRO膜装置を透過した透過水量(流量)の割合(被処理水の回収率)を高めて、より効率的な運転をすることもできる。
回収率は、ポンプインバータ(図示せず)の出力調整および圧力調整バルブの開度調整を実施することによって調整することができる。例えばポンプインバータによって第1ポンプP1の出力を制御することにより、RO透過水、RO濃縮水の流量を制御して回収率を調整することができる。
<RO膜にかかる供給水の供給圧力>
RO膜装置Aに被処理水を供給する際の供給圧力を上昇させる場合には、急激な圧力上昇を避けるために流量制御装置として機能するポンプインバータ(図示せず)を介して、第1ポンプP1を動作させることが好ましい。その際、急激な圧力変化が生じないように、ポンプインバータによって、ポンプを駆動する電動機の出力(例えば、回転数)を制御して被処理水の流量を多くして水圧を高めることができる。第2ポンプP2についても第1ポンプP1と同様にポンプインバータによって制御させることが好ましい。
RO膜装置における被処理水の回収率は、純水製造の場合、コスト低減の観点から、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。回収率を「75%以上」とすることによって被処理水に対してより多くの透過水量を得られるという利点がある。また、排水回収の場合、総じて原水中の膜汚染の原因物質が多く、膜洗浄頻度や切り替え回数が増加する。したがって、回収率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
上記RO膜装置は特に制限されず、極超低圧型、超低圧型、低圧型、中圧型、高圧型のいずれのRO膜装置であってもよい。RO膜装置に用いるRO膜の一例として、ダウケミカル社製BWシリーズ(BW30XLE−440、BW30HR−440、BW30XFR−400/34i)(商品名)SWシリーズ(SW30HRLE−440i、SW30ULE−440i)、東レ社製TMGシリーズ(TMG20、TMG−20D)、TMLシリーズ(TML20、TML−20D)(商品名)TM800シリーズ(TM820M−440、TM820K−400)、日東電工社製ESシリーズ(ES20‐D8、ES15−D8)(商品名)HYDRANAUTICS製LFCシリーズ(LFC3−LD)、CPAシリーズ(CPA5−LD)、SWCシリーズ(SWC5−LD、SWC4−MAX)等が挙げられる。
上記RO膜装置Aは1段又は2段構成であるが、多段構成であってもよい。この場合、RO膜を直列に多段に配することが好ましい。
RO膜装置A、B、Cに使用されるRO膜は、使用用途や被処理水水質、求められる透過水水質、回収率によって同一銘柄に限らずそれぞれ最適な膜を選定することができる。たとえば、RO膜装置Aに高圧型逆浸透膜を使用し、RO膜装置B及びCには超低圧型逆浸透膜を使用することも可能である。このとき、RO膜装置BとCは切り替えて使用されるので、同一種類(例えば、同一製品同一型番)のRO膜が使用されることが好ましい。
本発明における洗浄方法は、膜へのスケーリングに対する洗浄方法として効果的である。スケーリングとは、原水中の難溶解性成分がRO膜処理により膜表面に堆積もしくは析出することで、膜の性能を低下させるものである。膜面にスケーリングする物質に特に制限はないが、スケーリング物質として、カルシウム塩(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、フッ化カルシウムなど)、マグネシウム塩(水酸化マグネシウムなど)、バリウム塩(硫酸バリウム、など)、アルミニウム塩(リン酸アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウムなど)、シリカなどが挙げられる。
[実施例1]
実施例1は、Ca濃度20ppm、シリカ濃度15ppm、導電率200μS/cm、pH=8.5の原水を、図1に示した水処理システム1Aを用いてRO処理した。RO膜に日東電工社製ES20−D8(商品名)を用いた。RO膜装置Aの回収率を50%、RO膜装置B及びRO膜装置Cの回収率を50%として、システム全体の回収率を75%とした。RO膜装置B及びRO膜装置Cの濃縮水ランゲリア指数は1.0であり、スケールが生じやすい条件であった。水処理システム1Aを第1接続ラインにして本条件で200時間(h)運転した。その後、RO膜装置BのラインとRO膜装置Cのラインとを切り替え(第1接続ラインから第2接続ラインに切り替え)、RO膜装置BにRO膜装置Aの透過水を供給し、RO膜装置Bを洗浄した。さらに200h供給経過後、再びラインを切り替え(第2接続ラインから第1接続ラインに切り替え)、RO膜装置Aの濃縮水をRO膜装置Bに通水した際のRO膜装置Bの透過水量Jと、RO膜装置Bの初期(運転開始時)の透過水量J0とを比較した。また、400h経過時の供給水量と得られた透過水量から、システム回収率を算出した。
[実施例2]
実施例2は、図1に示した水処理システム1Aを用い、RO膜装置Aの透過水中に塩酸を注入し、透過水のpHを5.5に調整した。そして第1接続ラインから第2接続ラインに切り替えた後はこの透過水をRO膜装置Bに供給し、RO膜装置Bを洗浄した。また、第2接続ラインから第1接続ラインに切り替えた後はRO膜装置Cを洗浄した。それ以外は、実施例1と同様の条件にて通水を実施し、RO膜装置Bの透過水量Jと、RO膜装置Bの初期(運転開始時)の透過水量J0とを比較した。また、400h経過時の供給水量と得られた透過水量から、システム回収率を算出した。
[実施例3]
RO膜装置Bの供給水および濃縮水にpH計を設置し、pHの差分を測定した。このpHの差分と、洗浄時間経過ごとの理想的なpH差分との差からPID制御を実施し、塩酸の注入量を制御した。それ以外は、実施例2と同様の条件にて通水を実施し、RO膜装置Bの透過水量Jと、RO膜装置Bの初期(運転開始時)の透過水量J0とを比較した。また、400h経過時の供給水量と得られた透過水量から、システム回収率を算出した。
[比較例1]
比較例1は、RO膜装置BとCの切り替えを行わず、400hの間、RO膜装置Aの濃縮水をRO膜装置Bに供給した以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。
[比較例2]
比較例2は、RO膜装置A、Bを用いて200h運転を実施した後にいったん装置を停止し、RO膜装置Aの透過水をRO膜装置Bに1h、100kPaの圧力にて圧送し、RO膜装置Bを洗浄した。RO膜装置Bに供給した透過水量は、実施例1と同等とした。本運転を2回繰り返した。その他運転条件は実施例1と同様の条件で通水を実施した。
運転を400h行った後のRO膜装置BのJ/J0(%)及びシステム回収率の測定結果を表1に示す。
Figure 2021037480
実施例1〜3では、運転時間400h後のJ/J0が十分に回復していた。比較例1は、透過水による洗浄を実施していないため透過水量が減少したままであった。比較例2は透過水による洗浄時間が足りず透過水量が十分に回復しておらず、また、洗浄水をブローする必要がありシステム回収率も低下した。
1、1A、1B、1C、1D 水処理システム
51 原水タンク
53 タンク供給ライン
55 原水供給ライン
A、B、C 逆浸透膜装置(RO膜装置)
A1 第1段目のバンク
A2 第2段目のバンク
As、A2s、Bs、Cs 供給側
Ac、A2c、Bc、Cc 濃縮水側
At、A2t、Bt、Ct 透過水側
AB1、AB2、AC1、AC2、LP、LA1、LA2 ライン
B1〜B6 分岐点
C1〜C4 合流点
LA 処理水ライン
LB ブローライン
LF 原水戻しライン
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
V1〜V4、V6〜V9、V11〜V16、V21、V22、V31〜V36、V41〜V46 仕切弁
VC1、VC2 圧力調整弁
Va1〜Va3、Vb1〜Vb2、Vc1〜Vc2
逆浸透膜ベッセル(ベッセル)

Claims (10)

  1. 被処理水を処理する逆浸透膜装置Aと、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置Bと、
    前記逆浸透装置Aの透過水又は濃縮水を処理する逆浸透膜装置Cと、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAB1と、
    前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAC1と、
    前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAB2と、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAC2とを含み、
    前記ラインAB1及び前記ラインAC1に通水させる第1接続ラインと、前記ラインAB2及び前記ラインAC2に通水させる第2接続ラインとを切り替え可能とする水処理システム。
  2. 前記逆浸透膜装置Aは2段のバンクを有し、
    前記逆浸透膜装置Aの1段目のバンクの少なくとも一部の濃縮水側と前記逆浸透膜装置Aの2段目のバンクの濃縮水側とに前記ラインAB1が接続され、前記逆浸透膜装置Aの各透過水側に前記ラインAC1が接続され、
    前記逆浸透膜装置Aの各透過水側に前記ラインAB2が接続され、前記逆浸透膜装置Aの1段目のバンクの少なくとも一部の濃縮水側と前記逆浸透膜装置Aの2段目のバンクの濃縮水側とに前記ラインAC2が接続される請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記第2接続ラインは、前記第1接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Bの逆浸透膜表面のスケールを、該第2接続ラインを用いた通水により除去するラインであり、前記第1接続ラインは、前記第2接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Cの逆浸透膜表面のスケールを、該第1接続ラインを用いた通水により除去するラインである、請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 前記第2接続ラインに切り替えた状態において前記逆浸透膜装置Bの濃縮水側と前記被処理水を貯液する原水タンクとを接続する原水戻しラインと、前記第1接続ラインに切り替えた状態にて前記逆浸透膜装置Cの濃縮水側と前記原水タンクとを接続する原水戻しラインとを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理システム。
  5. 前記逆浸透膜装置B及び前記逆浸透膜装置Cの供給水、濃縮水及び透過水のいずれか一つ以上について、イオン濃度、導電率、pH、圧力及び透過水量のいずれか一つ以上を測定する測定部と、
    前記測定部によって測定した値の経時変化及び/又は差分を算出する演算部とを有し、
    制御部によって、前記演算部によって算出した数値に基づいて、前記第1接続ライン及び前記第2接続ラインを切り替える請求項4に記載の水処理システム。
  6. 前記逆浸透膜装置Aの透過水に酸性薬液又はアルカリ性薬液を添加する薬液添加部を有し、
    前記制御部は、前記算出した数値に基づいて、前記薬液添加部の酸性薬液又はアルカリ性薬液の添加量を制御する機能も備える請求項5に記載の水処理システム。
  7. 被処理水を処理する逆浸透膜装置Aと、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水又は透過水を処理する逆浸透膜装置Bと、
    前記分離装置Aの透過水又は濃縮水を処理する逆浸透膜装置Cと、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAB1と、
    前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAC1と、
    前記逆浸透膜装置Aの透過水側と前記逆浸透膜装置Bの供給側とをつなぐ透過水通水ラインAB2と、
    前記逆浸透膜装置Aの濃縮水側と前記逆浸透膜装置Cの供給側とをつなぐ濃縮水通水ラインAC2とを含む水処理システムを用いた水処理方法であって、
    前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Bとを前記ラインAB1を用いて接続するとともに、前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Cとを前記ラインAC1を用いて接続する第1接続ラインと、
    前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Bとを前記ラインAB2を用いて接続するとともに、前記逆浸透膜装置Aと前記逆浸透膜装置Cとを前記ラインAC2を用いて接続する第2接続ラインとを、
    濃縮水の処理により生じたRO膜表面のスケールの程度に応じて交互に切り替えて、当該スケールを透過水により洗浄する水処理方法。
  8. 前記第1接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Bの逆浸透膜表面のスケールを、前記第2接続ラインを用いた通水により除去し、前記第2接続ラインを用いた通水時に生じた前記逆浸透膜装置Cの逆浸透膜表面のスケールを、前記第1接続ラインを用いた通水により除去する、請求項7に記載の水処理方法。
  9. 前記第2接続ラインに切り替えてから一定時間は、前記逆浸透膜装置Bの濃縮水を前記被処理水が貯液される原水タンクに戻し、前記第1接続ラインに切り替えてから一定時間は、前記逆浸透膜装置Cの濃縮水を前記原水タンクに戻す請求項7又は8に記載の水処理方法。
  10. 前記逆浸透膜装置B及び前記逆浸透膜装置Cの供給水、濃縮水及び透過水のいずれか一つ以上について、イオン濃度、導電率、pH、圧力及び透過水量のいずれか一つ以上を測定し、
    前記測定した値の経時変化及び/又は差分に基づいて、前記第1接続ライン及び前記第2接続ラインを切り替える請求項7〜9のいずれか1項に記載の水処理方法。

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