JP2023127795A - サージカルマーカー用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】サージカルマーカー用インクにおいて、身体への安全性を確保しつつ、視認性を確保し、しかも迅速に乾燥して掠れることはなく、周囲への汚損や不鮮明化を防止する。【解決手段】サージカルマーカー用インクを、少なくとも、揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤、外原規に認められる単独又は複数の水溶性染料、及び界面活性剤からなるものとし、特に水溶性染料は青色1号(AcidBlue9)又は該青色1号と赤色104号(AcidRed92)との混合物であって、且つその重量百分率を2~16wt%とし、さらに有機溶媒をエタノールとし、且つ水の重量百分率に対するエタノールの重量百分率の比を0.2~1.5とすることで、身体への安全性を確保しつつ、マーキングの色味は鮮明となって視認性は確保され、しかも迅速に乾燥して、誤って触れても掠れず、周囲への汚損及び不鮮明化を防止できる。【選択図】なし

Description


本願発明は、外科手術等において皮膚又は皮膚に貼付されるドレープシートに対して手術箇所をマーキングするサージカルマーカー用インクに関する。

上記サージカルマーカー用インクは、通常直接皮膚に対して手術箇所を示すマーキングを施すものであるが、近年、外科手術に際しては、血液や体液の飛散等による感染症の感染を防止するために、予め手術箇所に相当する範囲の皮膚にポリエチレン製のドレープシートを貼付した上でマーキングを施す場合もある。

そのため、外科手術等に際してのマーキングによる身体への安全性を確保するために、前記サージカルマーカー用インクは、医薬部外品原料規格(以下、「外原規」という)で認められる薬品によるものと規制されており、しかもサージカルマーカー用インクの色味については、視認性を確保するために青又は紫に限定されているものである。

そこで、外科手術等のマーキングを行う場所が皮膚又はドレープシートであるのかに拘わらず、掠れることなく、迅速にマーキングができるように、上記サージカルマーカー用インクの一例として、膜成形に係る樹脂材であるポリビニルピロリドン、該ポリビニルピロリドンを溶解する溶剤としてのアルコール類、及び色素としてのメチルロザリニン塩化物であるクリスタルバイオレットとからなるものがある(特許文献1参照)。

その結果、上記サージカルマーカー用インクは、皮膚又はドレープシート上にマーキングを施すと、溶剤であるアルコール類の蒸発に伴って、該皮膚又はドレープシート表面上には、手術箇所を示すにクリスタルバイオレットにより染色され、誤って触れても掠れることのない膜状のマーキングを迅速に形成するものである。

ところが、上記サージカルマーカー用インクに含有されるクリスタルバイオレットついては、世界保健機関(WHO)や外国の関係諸機関によって遺伝毒性を示す可能性又は発がん性が示唆されていることから、我が国はサージカルマーカー用インクに含有される色素としての使用が規制されることになった。

従って、サージカルマーカー用インクに含有される色素について、外科手術等に際しての身体への安全性を十分に確保するために、上記外原規に認められる色素の中から新たな色素を選択する必要が生じた。

ここで、新たな色素を選択する基準の一つとして、人体に関わりのある材料であることとしたため、例えば食物に入れられる色素(即ち、天然色素や法定色素の一部)や医薬品、化粧品、シャンプー等に使われている色素(法定色素や外原規の一部の顔料)等が選択の対象となった。

ところが、前記選択の対象となる色素のうち、天然色素及び顔料は、サージカルマーカー用インクに加工した際に貯蔵安定性に欠けることが予想されたため除外したところ、法定色素のみが残ることになった。

そして、サージカルマーカー用インクの色素として使用する際には、その視認性を十分に確保するために色味が青又は紫に限定されるので、色素としては水溶性染料の青色1号(即ち、「Acid Blue 9」のことであり、以下同じである。)、又は赤色104号(即ち、「Acid Red 92」のことであり、以下同じである。)を選択せざるを得なくなった。

ところで、上記外原規で認められる青色1号又は赤色104号は水溶性染料であるので、サージカルマーカー用インクに加工するにあたっては、青色1号又は赤色104号を溶解させるための水が必要となる。

そのため、前記青色1号又は赤色104号を含有することとなるサージカルマーカー用インクではマーキングの乾燥が非常に遅くなってしまうので、該マーキングに誤って触れてしまうと、周囲を汚損するとともに、不鮮明になるおそれがある。

さらに、ドレープシート上でのマーキングでは、サージカルマーカー用インクはドレープシートに弾かれてしまい、不鮮明になり易いものである。

そこで、上記水溶性染料である青色1号又は赤色104号を含有することになるサージカルマーカー用インクが迅速に乾燥するように、揮発性の高い水溶性の有機溶剤を配合することが考えられる。

ここで、前記新たに配合される揮発性の高い水溶性の有機溶剤において、上記サージカルマーカー用インクに使用する色素の選択において採用した基準、すなわち人体に関わりのある材料であるとの基準に基づくものとすると、必然的に外原規で認められるものから選択せざるを得なくなる。

その結果、前記水溶性染料である青色1号又は赤色104号は水に対して容易に溶解することになるが、そこへ新たに揮発性の高い水溶性の有機溶剤を過剰に配合すると、すでに水に溶解していた前記青色1号又は赤色104号は再度析出してしまうので、サージカルマーカー用インクの色味は薄くなり、マーキングの視認性が低下するものとなる。

特許第5888658号公報

解決しようとする課題は、サージカルマーカー用インクにおいて、身体への安全性を確保しつつ、皮膚のみならず該皮膚に貼付するドレープシートにマーキングをしても、迅速に乾燥して、掠れることなく、周囲への汚損とともに不鮮明となることを防止し、さらにマーキングの色味が薄くなって、視認性が低下することを防止するものである。

第1の特徴として、

少なくとも、揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤、医薬部外品原料規格(以下、「外原規」という。)に認められる単独又は複数の水溶性染料、及び界面活性剤からなるものである。

そのため、上記サージカルマーカー用インクにおける単独又は複数の水溶性染料はいずれも外原規で認められているので、外科手術等において皮膚や該皮膚に貼付するドレープシートに対してマーキングしても、身体への安全性を十分に確保できる。

そして、上記水溶性染料を溶解する溶剤は揮発性の高い水溶性の有機溶剤と水とを混合するものであるので、前記水溶性染料は水に対して完全、且つ均一に溶解するとともに、前記水溶性の有機溶媒は揮発性が高く迅速に蒸発して乾燥し、皮膚又は該皮膚に貼付するドレープシート上にマーキングを迅速に形成するので、マーキングの色味が薄くなって視認性が低下することを防止でき、誤って触れても掠れず、周囲を汚損し、しかも不鮮明になることを防止できる。

さらに、上記溶剤に含まれる界面活性剤によって、マーキングは皮膚又は皮膚に貼付するドレープシートにおいて弾かれることがなくなるので、マーキングは皮膚又は皮膚に貼付するドレープシート上で鮮明に形成されて視認性を向上させることができる。

第1の特徴を踏まえて、第2の特徴として、

上記揮発性の高い水溶性の有機溶媒をエタノールとするものである。

そのため、サージカルマーカー用インクの溶剤とするエタノールは外原規に認められているので、身体への安全性を十分に確保できるとともに、マーキングは迅速に乾燥し、誤って触れても掠れず、周囲を汚損せず、しかも不鮮明になることを防止できる。

なお、外原規には水より早く乾燥する有機溶媒として、前記エタノールの他、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール、又は酢酸ブチルが挙げられているが、エタノールを除く他の3つの有機溶媒は、水に対する水溶性染料の溶解を妨げるので、サージカルマーカー用インクとしての色味を十分に得られなくなるおそれがある。

第1の特徴又は第2の特徴のいずれか1つを踏まえて、第3の特徴として、

上記外原規に認められる単独又は複数の水溶性染料を、青色1号(即ち、「Acid Blue 9」のことであり、以下同じである。)又は該青色1号と赤色104号(即ち、「Acid Red 92」のことであり、以下同じである。)との混合物とするものである。

そのため、溶剤の水に対して完全、且つ均一に溶解するので、サージカルマーカー用インクの色味は青又は紫となって、皮膚又はドレープシート上に形成されるマーキングの視認性を十分に確保することができる。

なお、前記水溶性染料として選択する赤色104号の代わりには、水に対する溶解度という点から赤色105号(即ち、「Acid Red 94」のことである。)、又は赤色106号(即ち、「Acid Red 52」のことである。)を選択することもできる。

第1の特徴乃至第3の特徴のいずれか1つを踏まえて、第4の特徴として、

さらに、防腐剤を添加するものである。

そのため、冷間又は温間の環境下において、上記サージカルマーカー用インクを一定期間保管しても品質の低下が防止されるので、サージカルマーカー用インクとして一定期間安全に使用することができる。

ここで、添加する防腐剤としては、例えばフェノキシエタノールである。

第1の特徴乃至第4の特徴のいずれか1つを踏まえて、第5の特徴として、

上記揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤において、水の重量百分率に対する揮発性の高い水溶性の有機溶媒の重量百分率の比を0.2以上1.5以下とするものである。

そのため、上記サージカルマーカー用インクでは、水溶性染料は溶剤の水に対して有機溶媒の影響により析出することなく完全、且つ均一に溶解し、しかもマーキングは溶剤のエタノールにより迅速に乾燥するものとなる。

その結果、マーキングの色味は鮮明な青又は紫となるので、視認性を十分に確保できるようになるとともに、誤って触れてしまっても掠れず、周囲を汚損せず、しかも不鮮明になることを防止できる。

なお、水の重量百分率に対するエタノールの重量百分率の比が0.2未満であると、上記水溶性染料は溶解し易くなる反面、サージカルマーカー用インクとしての乾燥は非常に遅くなるので、誤って触れてしまうと掠れ、周囲を汚損し、しかも不鮮明になるおそれがある。

また、水の重量百分率に対するエタノールの重量百分率の比が1.5超であると、サージカルマーカー用インクは迅速に乾燥する反面、上記水溶性染料が溶剤の水に対して溶解し難くなるので、サージカルマーカー用インクの色味は薄くなり、マーキングの視認性が低下するおそれがある。

第1の特徴乃至第5の特徴のいずれか1つを踏まえて、第6の特徴として、

上記外原規に認められる水溶性染料が青色1号、又は青色1号と赤色104号との混合物の何れかであっても、該水溶性染料の重量百分率を2.0wt%以上16wt%以下とするものである。

そのため、上記サージカルマーカー用インクにおいては、単独又は複数の水溶性染料は溶剤に対して完全、且つ均一に溶解するものとなる。

その結果、前記サージカルマーカー用インクからなるマーキングにおいては、青又は紫の色味を十分に発揮するものとなるので、視認性を十分に確保することができる。

なお、上記サージカルマーカー用インクの水溶性染料である青色1号、又青色1号と赤色104号との混合物の重量百分率を2wt%未満とすると、該サージカルマーカー用インクの青又は紫の色味は薄くなってしまい、マーキングの視認性を十分に確保できなくなるおそれがある。

また、上記サージカルマーカー用インクにおける青色1号、又青色1号と赤色104号との混合物の重量百分率を16wt%超とすると、溶剤中の水に対して前記単独又は複数の水溶性染料は完全且つ均一に溶解することなく析出又は残留して色味はそれ以上濃くならないので、無駄になるおそれがある。

即ち、サージカルマーカー用インクにおける乾燥性確保の観点からは水の重量百分率に対する揮発性の高い水溶性の有機溶媒の重量百分率の比は最大で1.5となるが、この状態において視認性を確保するためには水溶性染料の重量百分率を増大させるべきところである。ところが、前記溶剤中の水に対する該水溶性染料の溶解度には限界があることから、水溶性染料が単独、つまり青色1号のみ、又は複数、つまり青色1号と赤色104号との混合物の何れかであっても、その重量百分率は16wt%が上限となるものである。

本願発明のサージカルマーカー用インクは、少なくとも揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤、外原規に認められる単独又は複数の水溶性染料、及び界面活性剤からなるので、外科手術等におけるマーキングの身体への安全性を確保しつつ、皮膚又は該皮膚に貼付するドレープシートに弾かれることなくマーキングされ、しかもその色味は鮮明な青又は紫となって十分に視認性を確保し、マーキングは迅速に乾燥して、誤って触れても掠れることなく、周囲への汚損及び不鮮明になることを防止して、外科手術等において安全に使用することができる優れた効果を有するものである。

サージカルマーカー用インクを、皮膚又は皮膚に貼付するドレープシートに対してマーキングしても、身体への安全性を確保しつつ、その色味を青又は紫として視認性を確保し、さらに迅速に乾燥し、誤って触れても掠れず、しかも周囲への汚損とともに不鮮明になることがないように、少なくとも、揮発性の高い水溶性の有機溶剤と水との混合からなる溶剤、外原規に認められる単独又は複数の水溶性染料、及び界面活性剤からなるものとする。

本願発明のサージカルマーカー用インクにおける以下の実施例では、溶剤に揮発性の高い水溶性の有機溶媒としてエタノール(純度99.5%であり、以下、「エタノール」という。)と水とを混合してなるものを、色素として医療部外品原料規格(以下、「外原規」という。)に認められる法定色素であって、単独又は複数の水溶性染料、つまり粉状の青色1号(即ち、「Acid Blue 9」のことであり、以下同じである。)であればその重量百分率を16wt%とし、又は該青色1号と粉状の赤色104号(即ち、「Acid Red 92」のことであり、以下同じである。)の混合物であれば、その重量百分率を青色1号4wt%及び赤色104号2wt%とするものである。

ここで、上記エタノールと水とを混合する溶剤(以下、「溶剤」という。)は、溶解する水溶性染料である青色1号、又は該青色1号と赤色104号との混合物とするものとでは、各々エタノールに対する水の最適な重量百分率の比は異なるものである。

即ち、上記水溶性染料が青色1号のみの場合、重量百分率が15、30又は47wt%となるエタノールに対して重量百分率が各々66、51、又は34wt%となって、水とのエタノール/水の重量百分率の比が各々0.23、0.59又は1.38としてなる溶剤である。また、上記青色1号と赤色104号との混合物の場合、重量百分率が18、48、又は54wt%となるエタノールに対して重量百分率が各々73、43、又は37wt%となる水となって、エタノール/水の重量百分率の比が各々0.25、1.12、又は1.46としてなる溶剤である。

なお、上記サージカルマーカー用インクには、上記溶剤及び法定色素である水溶性染料の他に、レベリング剤として重量百分率が1wt%である界面活性剤、及び防腐剤として重量百分率が2wt%であるフェノキシエタノールが各々添加されるものである(表1参照)。

そして、本願発明の実施例である上記サージカルマーカー用インクは次のようにして調製する。

まず、上記溶解する水溶性染料に応じてエタノールと水との最適な重量百分率比である溶剤に対して、水溶性染料の青色1号では、その重量百分率を16wt%とし、又は青色1号と赤色104号との混合物では、青色1号をその重量百分率で4wt%、赤色104号をその重量百分率を2wt%とする。

さらに、上記各々の水溶性染料に応じて最適とされるエタノール/水の重量百分率の比を有する溶剤に溶解し、均一になるように撹拌する。

その上で、重量百分率が1wt%であるレベリング剤としての界面活性剤、及び重量百分率が2wt%である防腐剤としてのフェノキシエタノールを各々添加し、再度十分に撹拌し、濾過するものである。

そこで、調製したサージカルマーカー用インクにおいて、水溶性染料が青色1号のみの場合、それらサージカルマーカー用インクの試料を各々「No.SM-215」、「No.SM-219」、又は「No.SM-270」とし、また青色1号と赤色104号との混合物の場合、それらサージカルマーカー用インクの試料を各々「No.SM-216」、「No.SM-262」、又は「No.SM-271」とした。

以上のようにして調製された本願発明の実施例であるSM-215、SM-216、SM-219、SM-262、SM-270並びにSM-271と、溶剤としてイソプロピルアルコール(以下、「IPA」という。)、染料としてクリスタルバイオレット、そして膜剤としてポリビニールプロピレン(以下、「PVP」という。)からなる現行品のサージカルマーカー用インク、及び上記青色1号、又は青色1号と赤色104号との混合物とする水溶性染料に対して、エタノール/水の重量百分率比が0.2未満又は1.5超、即ち0.14、0.17、1.61及び1.68とするサージカルマーカー用インクの試料(以下、「No.SM-213」、「No.SM-214」、「No.SM-272」並びに「No.SM-273」とする。)である比較例とを比較しながら発明の効果を確認した(表1参照)。

Figure 2023127795000001

ここで、前記本願発明の実施例と、現行品並びに比較例との比較において確認することとした発明の効果は、表2外に示す判断基準に従い、冷間環境としての冷蔵庫内(2℃)又は温間環境としての恒温槽(50℃)における水溶性染料の析出を有無に関する貯蔵安定性、皮膚又は該皮膚に貼付するドレープシートにおける乾燥度合いに関する乾燥性、筆記した縦横1cmの数字が1m離れて読み取れるか否かの視認性、及び筆記した線に掠れがあるかないかの掠れ性である。

以上のとおり、本願発明の実施例であるサージカルマーカー用インク(試料No.SM-215、SM-216、SM-219、SM-262、SM-270及びSM-271)は、現行品のサージカルマーカー用インク及び比較例(SM-213、SM-214、SM-272及びSM-273)との比較により、貯蔵安定性、乾燥性、視認性及び掠れ性は現行品と同等であることが確認された(表2参照)。

Figure 2023127795000002

Claims (6)


  1. 少なくとも、揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤、医薬部外品原料規格(以下、「外原規」という。)に認められる単独又は複数の水溶性染料、及び界面活性剤からなる

    ことを特徴とするサージカルマーカー用インク。

  2. 上記揮発性の高い水溶性の有機溶媒をエタノールとする

    ことを特徴とする上記請求項1記載のサージカルマーカー用インク。

  3. 上記外原規に認められる単独又は複数の水溶性染料を、青色1号(即ち、「Acid Blue 9」のことであり、以下同じである。)又は該青色1号と赤色104号(即ち、「Acid Red 92」のことであり、以下同じである。)との混合物とする

    ことを特徴とする上記請求項1又は2のいずれか1つに記載のサージカルマーカー用インク。

  4. さらに、防腐剤を添加する

    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のサージカルマーカー用インク。

  5. 上記揮発性の高い水溶性の有機溶媒と水とを混合してなる溶剤において、水の重量百分率に対する揮発性の高い水溶性の有機溶媒の重量百分率の比を0.2以上1.5以下とする

    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のサージカルマーカー用インク。

  6. 上記外原規に認められる水溶性染料が青色1号、又は青色1号と赤色104号との混合物の何れかであっても、該水溶性染料の重量百分率を2.0wt%以上16wt%以下とする ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のサージカルマーカー用インク。

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