JP2015013954A - マーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペン - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性に優れると共に、耐水性、特に水に長時間浸潰された被筆記面から筆記線が容易に落ちないといった耐水性に充分優れ、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面に確実に筆記でき、しかも固着性に優れたマーキングペン用油性インキを提供することを課題とする。
【解決手段】顔料のみからなる着色剤と、アルキルシクロパラフィン系炭化水素と、前記アルキルシクロパラフィン系炭化水素に可溶なテルペンフェノール樹脂と、固着助剤としてHLB値が5以下であるポリエーテル変性シリコーン及び/又はマイクロクリスタンワックスとを含有する。
【選択図】図1
【解決手段】顔料のみからなる着色剤と、アルキルシクロパラフィン系炭化水素と、前記アルキルシクロパラフィン系炭化水素に可溶なテルペンフェノール樹脂と、固着助剤としてHLB値が5以下であるポリエーテル変性シリコーン及び/又はマイクロクリスタンワックスとを含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペンに関し、更に詳しくは、分散安定性に優れると共に、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面に筆記しても確実に筆記、固着でき、しかも、濡れた面に対しても筆記、固着可能なマーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペンに関する。
従来より、プラスチックやクラフトテープに筆記可能な油性マーキングペンとして、着色剤に顔料のみを用いたインキを使用したものが知られている。しかしながら、そのマーキングペンで上記のような難付着物質に筆記した場合、筆記面を擦ったりすると、容易に描線が剥がれてしまうという問題があった。
また、濡れた面に対しても筆記可能な油性マーキングペンが知られている。しかしながら、そのマーキングペンで上記のような難付着物質に筆記した場合は、描線の付着力が弱いだけでなく、着色剤に染料を使用しているために、耐光性に欠けるという問題があった。
これらの問題点を解決するために、種々のマーキングペン用油性インキが提案されている。例えば、特許文献1(特許第5116316号公報)では、描線の固着性向上を目的とした、カーボンブラック又は有機顔料と、特定の分散剤と、低級アルコール類と、特定の樹脂と、常温で固体(融点が40℃以上)のポリエーテル変性シリコーンとを含有する油性マーキングペン用インキが提案されている。
しかるに、この特許文献1に記載の油性マーキングペン用インキの場合、確かに難付着物質への固着性は改善されているものの、使用しているポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシエチレンの平均重合度が20〜50の範囲であり、HLB値が約7〜15程度と親水性があるため、描線が完全に乾燥したとしても耐水性が悪くなってしまい、また、溶剤として水に溶解するアルコール類を使用しているため、水で濡れた面には筆記できないという問題がある。更に、アルコール類に溶解する樹脂を使用しているため、濡れティッシュ(一般に、アルコール類を40〜60%程度含む)で描線を誤って拭いた場合、消去されてしまうという欠点もある。
また、特許文献2(特許第4975911号公報)には、特許文献1と同様の意図から、着色剤と、有機溶剤と、シリコーン変性アクリル樹脂と、130〜240の水酸基価を有するテルペンフェノール樹脂と、シリコーン変性アクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂と、を含有するマーキングペン用油性インキが提案されている。
しかるに、この特許文献2に記載のマーキングペン用油性インキの場合、確かにはじきや固着性の点は改善されているが、使用しているテルペンフェノール樹脂は、水酸基価が130〜240であり、水との親和力がかなり強いため描線の耐水性が悪くなるおそれがある。また、特許文献1の場合と同様の理由で、濡れた面に対して筆記することができず、濡れティッシュで描線が消去されてしまうという欠点を有する。
更に、特許文献3(特許第5132926号公報)には、描線の耐水性と固着性向上を目的として、顔料のみからなる着色剤と非アルコール系溶剤であるイソパラフィン系炭化水素と、特定の石油樹脂と、を含有するマーキングペン用油性インキが開示されている。
この特許文献3に記載のマーキングペン用油性インキの場合は、上記のような欠点がなく、シリコーンコーティングされたクラフトテープ面及び水に濡れた面に筆記可能であり、且つ、不飽和炭化水素の石油樹脂の効果により固着性も高い。しかしながら、前記石油樹脂を油性インキに使用し、中綿式マーキングペンのインキとして用いた場合には、顔料、特にカーボンブラックの保存安定性が悪く、ペン体内の中綿中で濃度差が発生し易いという問題がある。
また、そこにおいて用いられるイソパラフィン系炭化水素からなる有機溶剤は、欧州経済共同体理事会で制定された危険物の取扱いに関する指令(Council Directive 67/548/EEC
of 27 June 1967 on the approximation of laws)における、発がん性物質の区分2(人への発がん性があるとみなされるべき物質で、十分なデータがある。)に該当するものである。従って、子供達も使用するマーキングペン用油性インキとしては使用すべきではないという重大な欠点を有する。また、石油樹脂だけでは、はじきや耐水性が不十分であることも判明している。
of 27 June 1967 on the approximation of laws)における、発がん性物質の区分2(人への発がん性があるとみなされるべき物質で、十分なデータがある。)に該当するものである。従って、子供達も使用するマーキングペン用油性インキとしては使用すべきではないという重大な欠点を有する。また、石油樹脂だけでは、はじきや耐水性が不十分であることも判明している。
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消するためになされたものであり、保存安定性に優れると共に、耐水性、特に水に長時間浸潰された被筆記面から筆記線が容易に落ちないというような耐水性に充分優れ、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面に確実に筆記でき、しかも固着性に優れたマーキングペン用油性インキ、並びに、前記マーキングペン用油性インキをインキとして用いた中綿式マーキングペンを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、顔料のみからなる着色剤と、アルキルシクロパラフィン系炭化水素と、前記アルキルシクロパラフィン系炭化水素に可溶なテルペンフェノール樹脂と、固着助剤としてHLB値が5以下であるポリエーテル変性シリコーン及び/又はマイクロクリスタンワックスと、を含有することを特徴とするマーキングペン用油性インキである。
好ましくは、前記テルペンフェノール樹脂は、100以下の水酸基価を有するものとされ(請求項2)、前記ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーン鎖に分岐部を持つポリエーテル変性シリコーンであって、油性インキ全体量に対して、0.1〜5重量%含有するものとされる(請求項3)。また、好ましくは、前記マイクロクリスタンワックスは65〜90℃の融点範囲を有するマイクロクリスタンワックスであって、油性インキ全体量に対して0.1〜5重量%含有するものとされる(請求項4)。
上記課題を解決するための請求項5に係る発明は、インキとして、請求項1乃至4のいずれかに記載のマーキングペン用油性インキを用いていることを特徴とする中綿式マーキングペンである。
本発明によれば、分散安定性や保存安定性に優れると共に、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面に筆記しても確実に筆記且つ固着でき、しかも、筆記面を水に長時間浸漬しても耐水性にも優れ、更に、水に濡れた面にも明瞭に筆記、且つ、固着できる優れたマーキングペン用油性インキ及び前記マーキングペン用油性インキをインキとして用いた中綿式マーキングペンを提供できる。
以下に、本発明に係るマーキングペン用油性インキ、及び、このインキを用いた中綿式マーキングペンの好ましい実施形態について詳述する。なお、本発明に係るマーキングペン用油性インキは、以下の実施形態及び実施例に限られるものではないことは言うまでもない。
本発明のマーキングペン用油性インキは、顔料のみからなる着色剤と、非アルコール系溶剤であるアルキルシクロパラフィン系炭化水素と、前記アルキルシクロパラフィン系炭化水素に可溶なテルペンフェノール樹脂と、固着助剤として、HLB値が5以下であるポリエーテル変性シリコーン及び/又はマイクロクリスタンワックスとを含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる着色剤は、一般に油性インキに用いられる顔料であれば、特に限定されない。例えば、カーボンブラック、酸化チタン、パール顔料等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサン系、蛍光顔料等の有機顔料が挙げられる。これらの顔料は市販のものを入手可能であり、粉体や溶剤に分散した液状品が使用可能である。
顔料は、単独又は2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。染料は、油性インキの耐光性や安定性を悪くするため併用はしない。これらの顔料は、インキ組成物全量に対して、2〜25重量%、好ましくは、5〜18重量%とすることが望ましい。
本発明に用いる顔料の分散剤としては、一般に油性インキに用いられている分散剤を使用することができる。例えば、日本ルーブリゾール社製のソルスパースシリーズ、ビック・ケミー社製のDisperbykシリーズ、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズが好適に使用できる。これらの分散剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%とすることが望ましい。
本発明に用いる溶剤としては、安全性が高く、低臭かつ速乾性を有するアルキルシクロパラフィン系炭化水素を使用する。アルキルシクロパラフィン系炭化水素は、イソパラフィン系炭化水素、低級アルコール類やグリコールエーテル類に比べ、樹脂の溶解力や浸透力が強いため、安定性が高い優れた油性インキを作ることができる。商業的に入手が容易であり、適度な速乾性のあるアルキルシクロパラフィン系炭化水素としては、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサンを挙げることができる。特に、エチルシクロヘキサンが好適に使用できる。これらのアルキルシクロパラフィン系炭化水素の含有量は、インキ組成物全量に対して40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%とすることが望ましい。
本発明において用いる固着樹脂としては、優れた耐水性や耐摩擦性を持つ油性インキとするために、軟化点が100℃以上のテルペンフェノール樹脂を使用する。更に、濡れティッシュ(一般にアルコール類を40〜60%含有する)に対する耐性(又は耐アルコール性)や、更なる耐水性の向上を目的として、低級アルコール類に難溶であって、100以下の水酸基価を有するテルペンフェノール樹脂を使用する。
本発明者らは、鋭意研究した結果、水酸基価が100以下のテルペンフェノール樹脂とシクロパラフィン系炭化水素とを用いることにより、ポリプロピレンやクラフトテープに対する固着力が高い油性インキが作れることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
市販品では、ヤスハラケミカル社製のYSポリスターU115、U130、T115、T130及びT145、荒川化学社製のタマノール803L及び901等を用いることができる。テルペンフェノール樹脂は、単独又は2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。これらのテルペンフェノール樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して10〜40重量%、好ましくは20〜35重量%とすることが望ましい。
本発明において用いるポリエーテル変性シリコーンは、HLB値が5以下で、シリコーン鎖に分岐部を持つポリエーテル変性シリコーンである。具体的には、HLB値が5以下になるのは、ポリオキシエチレン鎖、即ち、ポリエーテル鎖の平均重合度が10以下のものである。このポリエーテル変性シリコーンは、特許文献1に使用されているポリエーテル変性シリコーンに比べ、ポリエーテル鎖が半分以下と短いため、耐水性や耐アルコール性が高い、より優れた油性インキとすることができる。
更に、シリコーン鎖に分岐部を持つもの、即ち、シリコーン鎖が分岐したポリエーテル変性シリコーン、及び、分岐したシリコーン鎖の一部をアルキル鎖に変えた構造を有するシリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーンを用いることにより、非アルコール系である油性インキの保存性や安定性を高めると共に、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面に筆記した場合に、確実に筆記でき、しかも、100以下の水酸基価をもつテルペンフェノール樹脂と相俟って、固着性に優れたマーキングペン用油性インキとすることができる。
市販品では、信越シリコーン社製のKF-6028(シリコーン鎖が分岐したもの、HLB=4)、KF−6038(シリコーン・アルキル鎖共変性タイプ、HLB=3)を用いることができる。
これらのポリエーテル変性シリコーンの含有量は、インキ組成物全量に対して0.1〜5重量%、好ましくは、0.3〜2重量%とすることが望ましい。このポリエーテル変性シリコーンの含有量が0.1重量%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、一方、5重量%を超えると、耐摩擦性が悪くなり好ましくない。
本発明において用いるマイクロクリスタンワックスは、65〜90℃の融点範囲を有するものとする。その融点が65℃以下のものでは筆記線の耐熱性が悪くなり、一方、90℃以上のものでは、溶剤に対する溶解性が悪くなるので、本発明において用いるのに好ましくない。マイクロクリスタンワックスは、ポリプロピレンやクラフトテープ等の難付着部表面への固着力を高める固着助剤として、また、濡れた面に筆記する際の撥水剤や固着助剤として使用する。
マイクロクリスタンワックスを用いることにより、前記のテルペンフェノール樹脂と相俟って、耐水性や固着性に優れ、かつ濡れた面にも明瞭に筆記、固着できる優れたマーキングペン用油性インキとすることができる。マイクロクリスタンワックスの市販品としては、日本精鑞社製のHi-Mic-1045(融点70℃)、Hi-Mic-1080(融点79℃)、Hi-Mic-3080(融点84℃)、Hi-Mic-3090(融点89℃)等を挙げることができる。
これらのマイクロクリスタンワックスは、単独で、あるいは、2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、これらのマイクロクリスタンワックスの含有量は、インキ組成物全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%であることが望ましい。その含有量が0.1%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、一方、その含有量が10重量%を超えると、インキの粘度が高くなり好ましくない。
本発明に係るマーキングペン用油性インキには、上記各成分の他、顔料分散性を更に向上させるための顔料表面処理剤や、色分離を防止するための添加剤等を適宣量選択して使用することができる。
本発明に係るマーキングペン用油性インキの粘度は、カスレなく筆記できるようにするという点から、中綿式マーキングペン用の場合には3〜15mPa・S(25℃)とし、バルブ機構式マーキングペン用の場合には10〜40mPa・S(25℃)とすることが望ましい。本発明に係るマーキングペン用油性インキは、安定性を損なうことなく粘度調整が可能である。
上記のように構成される本発明に係るマーキングペン用油性インキの場合は、顔料系インキ組成物であっても、100以下の水酸基価を有するテルペンフェノール樹脂と、シリコーン鎖に分岐部を持つポリエーテル変性シリコーン、及び/又は、マイクロクリスタンワックスとを含有することにより、従来の石油系樹脂を含有する非アルコール系溶剤であるイソパラフィン系炭化水素を使用したインキの系より、安定性や安全性の点において優れると共に、固着性や耐水性の点においても優れたものとなる。
次に、本発明につき、その実施例と比較例との比較により、更に詳述する。下記表1は本発明に係る中綿式マーキングペン用油性インキの実施例を示すものであり、表2は比較例を示すものである。
比較例1は、本発明の実施例から変性シリコーン又はマイクロクリスタンワックスを除いた配合例を、比較例2は、変性シリコーンA又はBを特許文献1に記載されている変性シリコーンC(HLB=9)のものに変更した例を、比較例3は、テルペンフェノール樹脂を特許文献2に記載のテルペンフェノール樹脂D(水酸基価:150)に変更した配合例をそれぞれ示す。また、比較例4〜6は特許文献3に記載の配合例を、比較例7、8は特許文献2に記載の配合例を、比較例9、10は特許文献1に記載の配合例をそれぞれ示す。なお、比較例としては、容易に比較できるよう、黒色(カーボンブラック)の例のみを示す。
≪マーキングペン用油性インキの調整≫
表1及び表2に示す各成分を配合比(重量%)で混合し、2時間以上攪拌して溶剤中に各成分を十分溶解・分散させることにより、実施例及び比較例のマーキングペン用油性インキを得た。各成分としては以下のものを用いた。
表1及び表2に示す各成分を配合比(重量%)で混合し、2時間以上攪拌して溶剤中に各成分を十分溶解・分散させることにより、実施例及び比較例のマーキングペン用油性インキを得た。各成分としては以下のものを用いた。
顔料・黒:カーボンブラック
顔料・赤:ピグメントレッド170
顔料・青:ピグメントブルー15
溶剤:イソパラフィン系炭化水素、IPソルベント1016(出光興産社製)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMと略記する)
テルペンフェノール樹脂A:YSポリスターT130
(ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃、水酸基価=60)、
テルペンフェノール樹脂B:YSポリスターT145
(ヤスハラケミカル社製、軟化点145℃、水酸基価=70)、
テルペンフェノール樹脂C:タマノール803L
(荒川化学工業社製、軟化点150℃、水酸基価=13)、
テルペンフェノール樹脂D:YSポリスターN125
(ヤスハラケミカル社製、軟化点125℃、水酸基価=150)、
テルペンフェノール樹脂E:マイティエースK125
(ヤスハラケミカル社製、軟化点125℃、水酸基価=200)、
石油樹脂A:Quintone D200(日本ゼオン社製)、
石油樹脂B:Quintone A100(日本ゼオン社製)、
石油樹脂C:トーホーハイレジンRS−9(東邦化学工業社製)、
ケトン樹脂:レジンSK(デグサ社製)、
シリコーン変性アクリル樹脂:ケミトリーLSI−60(総研化学社製)、
アクリル樹脂:アクリベース(藤倉化成社製)、
変性シリコーンA:KF−6028(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・分岐タイプ、HLB=4)、
変性シリコーンB:KF−6038(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・アルキル共変性分岐タイプ、HLB=3)、
変性シリコーンC:KF−6004(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・直鎖タイプ、HLB=9、融点45℃、固形)、
マイクロクリスタンワックスA:Hi−Mic−1080
(日本精蝋社製、融点79℃)、
マイクロクリスタンワックスB:Hi−Mic−3080
(日本精蝋社製、融点84℃)、
分散剤A:ソルスパース20000(日本ルーブリゾール社製)
分散剤B:Disperbyk161(ビック・ケミー社製)
顔料・赤:ピグメントレッド170
顔料・青:ピグメントブルー15
溶剤:イソパラフィン系炭化水素、IPソルベント1016(出光興産社製)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMと略記する)
テルペンフェノール樹脂A:YSポリスターT130
(ヤスハラケミカル社製、軟化点130℃、水酸基価=60)、
テルペンフェノール樹脂B:YSポリスターT145
(ヤスハラケミカル社製、軟化点145℃、水酸基価=70)、
テルペンフェノール樹脂C:タマノール803L
(荒川化学工業社製、軟化点150℃、水酸基価=13)、
テルペンフェノール樹脂D:YSポリスターN125
(ヤスハラケミカル社製、軟化点125℃、水酸基価=150)、
テルペンフェノール樹脂E:マイティエースK125
(ヤスハラケミカル社製、軟化点125℃、水酸基価=200)、
石油樹脂A:Quintone D200(日本ゼオン社製)、
石油樹脂B:Quintone A100(日本ゼオン社製)、
石油樹脂C:トーホーハイレジンRS−9(東邦化学工業社製)、
ケトン樹脂:レジンSK(デグサ社製)、
シリコーン変性アクリル樹脂:ケミトリーLSI−60(総研化学社製)、
アクリル樹脂:アクリベース(藤倉化成社製)、
変性シリコーンA:KF−6028(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・分岐タイプ、HLB=4)、
変性シリコーンB:KF−6038(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・アルキル共変性分岐タイプ、HLB=3)、
変性シリコーンC:KF−6004(信越シリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン・直鎖タイプ、HLB=9、融点45℃、固形)、
マイクロクリスタンワックスA:Hi−Mic−1080
(日本精蝋社製、融点79℃)、
マイクロクリスタンワックスB:Hi−Mic−3080
(日本精蝋社製、融点84℃)、
分散剤A:ソルスパース20000(日本ルーブリゾール社製)
分散剤B:Disperbyk161(ビック・ケミー社製)
≪油性マーキングペンの作製≫
得られた実施例1〜8及び比較例1〜10のマーキングペン用油性インキを市販の中綿式マーキングペンに充填して、油性マーキングペン10を作製した(図1参照)。但し、比較例3に使用したテルペンフェノール樹脂D(水酸基価:150)は、エチルシクロヘキサンに殆ど溶解しなかったため、マーキングペンが作製できなかった。なお、図1における符号1はキャップ、2はペン芯、3はペン芯抑えリブ、4は軸筒、5は中綿、そして6は尾栓を示す。
得られた実施例1〜8及び比較例1〜10のマーキングペン用油性インキを市販の中綿式マーキングペンに充填して、油性マーキングペン10を作製した(図1参照)。但し、比較例3に使用したテルペンフェノール樹脂D(水酸基価:150)は、エチルシクロヘキサンに殆ど溶解しなかったため、マーキングペンが作製できなかった。なお、図1における符号1はキャップ、2はペン芯、3はペン芯抑えリブ、4は軸筒、5は中綿、そして6は尾栓を示す。
≪クラフトテープへの筆記性の評価≫
表面にシリコーンコーティングを施された市販のクラフトテープに直線を筆記し、インキのハジキ具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:インキハジキは見られない。
△:一部インキハジキが見られる。
×:かなりインキハジキが見られる。
表面にシリコーンコーティングを施された市販のクラフトテープに直線を筆記し、インキのハジキ具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:インキハジキは見られない。
△:一部インキハジキが見られる。
×:かなりインキハジキが見られる。
≪固着性の評価≫
ポリプロピレン板(300×300×2mm)及び上記のクラフトテープに直線を筆記し、10分後に3cm角のデニムの布地を貼った重さ500gの鉄製の錘りで擦過した。描線の色が薄くなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった
△:5往復擦過でうすくなった。
×:2往復擦過でうすくなった。
ポリプロピレン板(300×300×2mm)及び上記のクラフトテープに直線を筆記し、10分後に3cm角のデニムの布地を貼った重さ500gの鉄製の錘りで擦過した。描線の色が薄くなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった
△:5往復擦過でうすくなった。
×:2往復擦過でうすくなった。
≪筆記線の耐水性の評価≫
ガラス板(300×300×5mm)に直線を筆記し、1時間乾燥後、室温の水に浸漬した。24時間経過後、水中から引き上げたガラス板の水分をティッシュで充分に吸い取り、板面の筆記線を3cm角のデニムの布地を貼った重さ100gの鉄製の錘りで擦過した。下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:5回擦過してもほとんど変化しなかった
△:2回擦過でうすくなった。
×:1回擦過でうすくなった。
ガラス板(300×300×5mm)に直線を筆記し、1時間乾燥後、室温の水に浸漬した。24時間経過後、水中から引き上げたガラス板の水分をティッシュで充分に吸い取り、板面の筆記線を3cm角のデニムの布地を貼った重さ100gの鉄製の錘りで擦過した。下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:5回擦過してもほとんど変化しなかった
△:2回擦過でうすくなった。
×:1回擦過でうすくなった。
≪濡れた面に対する筆記性の評価≫
ガラス板(300×300×5mm)を入れた水槽に水深が10mmとなるまで水を入れた後、直ちに直線を筆記して、目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:明瞭に筆記できる。
△:筆記線がにじむが一応筆記できる。
×:筆記不能
ガラス板(300×300×5mm)を入れた水槽に水深が10mmとなるまで水を入れた後、直ちに直線を筆記して、目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:明瞭に筆記できる。
△:筆記線がにじむが一応筆記できる。
×:筆記不能
≪濡れた面に対する固着性の評価≫
前記の水中で筆記したガラス板を水槽から取り出しティッシュで水分を取り除く。10分放置後、固着性を前記と同様に3cm角のデニムの布地を貼った重さ500gの鉄製の錘りで擦過した。描線の色がうすくなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった。
△:5往復擦過でうすくなった。
×:2往復擦過でうすくなった。
−:判定できず
前記の水中で筆記したガラス板を水槽から取り出しティッシュで水分を取り除く。10分放置後、固着性を前記と同様に3cm角のデニムの布地を貼った重さ500gの鉄製の錘りで擦過した。描線の色がうすくなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった。
△:5往復擦過でうすくなった。
×:2往復擦過でうすくなった。
−:判定できず
≪安定性の評価≫
マーキングペンのペン先側を下向きにした状態にて、50℃、1ヶ月保存後、紙に筆記し、その初筆性を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:カスレは見られず、正常に筆記できる。
△:カスレが少し見られる。
×:全く筆記できない。
マーキングペンのペン先側を下向きにした状態にて、50℃、1ヶ月保存後、紙に筆記し、その初筆性を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:カスレは見られず、正常に筆記できる。
△:カスレが少し見られる。
×:全く筆記できない。
≪濡れティッシュに対する耐性の評価≫
ポリプロピレン板(300×300×5mm)に直線を筆記し、10分後、60%のアルコール類を含む市販の濡れティッシュで軽く擦過した。描線の色がうすくなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった。
△:5往復擦過でうすくなった。
×:1往復擦過でうすくなった。
ポリプロピレン板(300×300×5mm)に直線を筆記し、10分後、60%のアルコール類を含む市販の濡れティッシュで軽く擦過した。描線の色がうすくなる具合を目視にて下記評価基準で評価した。
評価基準
〇:10往復擦過してもほとんど変化しなかった。
△:5往復擦過でうすくなった。
×:1往復擦過でうすくなった。
≪評価結果≫
本発明及び比較例の評価結果を表3に示す。表3の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比較例1〜10に較べ、クラフトテープへの固着性や筆記線の耐水性及び濡れた面に対する筆記性に優れると共に、濡れた面に対する固着性やペン先下向き安定性にも優れたものであることが判明した。
本発明及び比較例の評価結果を表3に示す。表3の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比較例1〜10に較べ、クラフトテープへの固着性や筆記線の耐水性及び濡れた面に対する筆記性に優れると共に、濡れた面に対する固着性やペン先下向き安定性にも優れたものであることが判明した。
比較例を個別的に見ると、比較例1は、本発明の分岐鎖を持つ変性シリコーン又はマイクロクリスタンワックスを含有しないインキ組成物、比較例2はHLB値が高い直鎖の変性シリコーンを含有するインキ組成物、比較例3はエチルシクロヘキサンに難溶である水酸基価の高いテルペンフェノール樹脂を含有するインキ組成物である。比較例4〜6は石油樹脂を含有するインキ組成物、比較例7、8及び比較例9、10は、アルコールやグリコールエーテルを含有するインキ組成物である。これらの場合、本発明の効果を発揮できないことが判明した。
本発明のマーキングペン用油性インキ組成物は、従来のマーキングペン用油性インキ組成物に較べ筆記線の耐水性や濡れた面に対する筆記性に優れると共に、クラフトテープや濡れた面に対する固着性にも優れるので、その産業上の利用性は極めて高いものである。
1…キャップ
2…ペン芯
3…ペン芯抑えリブ
4…軸筒
5…中綿
6…尾栓
10…マーキングペン
2…ペン芯
3…ペン芯抑えリブ
4…軸筒
5…中綿
6…尾栓
10…マーキングペン
Claims (5)
- 顔料のみからなる着色剤と、アルキルシクロパラフィン系炭化水素と、前記アルキルシクロパラフィン系炭化水素に可溶なテルペンフェノール樹脂と、固着助剤としてHLB値が5以下であるポリエーテル変性シリコーン及び/又はマイクロクリスタンワックスと、を含有することを特徴とするマーキングペン用油性インキ。
- 前記テルペンフェノール樹脂は、100以下の水酸基価を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載のマーキングペン用油性インキ。
- 前記ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーン鎖に分岐部を持つポリエーテル変性シリコーンであり、油性インキ全体量に対して、0.1〜5重量%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマーキングペン用油性インキ。
- 前記マイクロクリスタンワックスは65〜90℃の融点範囲を有するマイクロクリスタンワックスであり、油性インキ全体量に対して0.1〜5重量%含有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のマーキングペン用油性インキ。
- インキとして、請求項1乃至4のいずれかに記載のマーキングペン用油性インキを用いていることを特徴とする中綿式マーキングペン
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013141959A JP2015013954A (ja) | 2013-07-05 | 2013-07-05 | マーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペン |
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JP2013141959A JP2015013954A (ja) | 2013-07-05 | 2013-07-05 | マーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペン |
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JP2015013954A true JP2015013954A (ja) | 2015-01-22 |
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JP2013141959A Pending JP2015013954A (ja) | 2013-07-05 | 2013-07-05 | マーキングペン用油性インキ及びそれを用いた中綿式マーキングペン |
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---|---|
JP (1) | JP2015013954A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017149836A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容した筆記具 |
JP2019014769A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 大日精化工業株式会社 | 筆記具用の水性顔料インキ組成物及び該インキ組成物を搭載した中綿式サインペン |
WO2020065501A1 (en) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 3M Innovative Properties Company | Pressure-sensitive adhesive and pressure-sensitive adhesive tape |
JP2021006627A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-21 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 |
JP2022025419A (ja) * | 2020-07-29 | 2022-02-10 | 株式会社ミルキーファーマシー | マーキングペン用インキ組成物 |
-
2013
- 2013-07-05 JP JP2013141959A patent/JP2015013954A/ja active Pending
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