JP2023097141A - マーキング用インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 消毒効果と発色性と経時性能が高いマーキング用インキ組成物を提供する。【解決手段】 少なくとも水と、炭素数4以下の第一級アルコールと、アシッドレッド92と、アシッドブルー9の2種類の染料からなるマーキング用インキ組成物。【選択図】なし
Description
本願発明は、外科手術等において皮膚に貼付されるドレープや直肌に対して手術箇所をマーキングする際に使用するサージカルスキンマーカーに用いるマーキング用インク組成物に関するものである。
近年、手術などの際に術野・切開部を清潔に保つ目的でドレープが使われている。ドレープとは、手術などの際、患者の術野・切開部以外を覆うカバーのことで、ドレープが術野・切開部以外を覆うことで不潔域からの汚染を防ぎ、術野・切開部を清潔に保つことができるものであり、術野・切開部はドレープに周りを囲まれた状態となる。ドレープは緑色または青色または青と緑の中間色であることが多い。これは、術者が赤い血液や臓器を長時間見続けることで起きる補色残像効果を防ぐためである。
一方、サージカルスキンマーカーは手術する際に患者の皮膚にマーキングすることや、ドレープに手術箇所をマーキングする目的で使われることが多い。インキの色は術野・切開部の付近にあるドレープの色と異なる色、及び血液が飛散しても筆記線が消えないような色である紫色が筆記線の視認性を確保できるため好んで用いられている。
従来、サージカルスキンマーカーの染料としてクリスタルバイオレットを用いられることが多い。クリスタルバイオレットは紫色である為、前記の筆記環境下で視認しやすい色でありながら、日本薬局方に従った量をインキ組成物中に配合する事で消毒効果を得ることもできる。しかし、日本薬局方に従った濃度では発色性が低く、筆記線が見にくい問題があった。発色を高めようとクリスタルバイオレットの濃度を日本薬局方に従った濃度よりも高くすると生体へ悪影響が出てしまっていた。また、近年、クリスタルバイオレットは発がん性物質であることがわかり、代替が求められている。
これらの課題に対して特許文献1では発色性を高める為に染料を食用染料に代替する事で発色性の高い筆記線とすることが出来ていた。しかし、クリスタルバイオレットを使わなくなったことで消毒効果が失われてしまっていた。他方では、日本薬局方に従いエタノール濃度を高くすることで消毒効果を得る方法もあったが、高濃度のエタノール溶液には染料が上手く溶解できず、発色性を高めることができなかった。また、高濃度エタノール溶液に無理に染料を溶かしても、経時的に染料が析出してしまう問題もあった。従って、従来の発明では、消毒効果と発色性と経時性能の全てを高めることが出来ていなかった。本発明は、消毒効果と発色性と経時性能が高いマーキング用インキ組成物の提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、少なくとも水と、炭素数4以下の第一級アルコールと、アシッドレッド92と、アシッドブルー9との2種類の染料からなるマーキング用インキ組成物を第1の要旨とし、前記アルコールがエタノールであることを第2の要旨とし、前記エタノール濃度が67.5重量%以上70.5重量%以下であることを第3の要旨とし、前記2種類の染料の合計が6重量%以上8重量%未満であることを第4の要旨とする。
作用は明らかではないが、本発明の構成であると、高いアルコール濃度であっても高濃度の染料を溶かすことができ、経時的に染料が析出する事がない。その為、筆記線の発色性が高く、視認しやすく、長期的に保管しても筆跡がかすれない。また、一部のサンプルは日本薬局方の基準を満たすエタノール濃度となっている為、消毒効果がある。
本発明で使用される炭素数4以下の第一級アルコールは、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びn-プロピルアルコールの少なくとも一種又は二種以上を用いることができる。これらの溶剤は消毒効果を有しており、特にエチルアルコールは皮膚刺激性が少ないという点で好ましい。これらの溶剤はインキ組成中に10重量%以上90重量%以下、好ましくは67.5重量%以上70.5重量%以内の範囲であると染料の溶解性と消毒効果を担保できるようになる。67.5重量%よりも少ないと消毒効果があるとは言えなくなってしまう。70.5重量%を超えると消毒される前にアルコールが揮発してしまい消毒効果が弱くなってしまう。
本発明で使用される溶剤としては上記の溶剤以外にもグリセリン、プロピレングリコール及び水から選ばれる溶剤も用いても良い。
本発明で使用されるアシッドレッド92とアシッドブルー9は、インキ組成物中に合計で6重量%以上8重量%未満であることが好ましい。調色を目的に前記2種類の染料の配合比率を変えても良い。
本発明で使用される着色剤は上記以外の染料を用いても良い。染料は法定色素ハンドブックでクラス1に分類されている安全性の高い染料が良い。具体的には赤色2号、3号、102号、104号(1)、105号(1)、106号、黄色4号、5号、緑色3号、青色1号、2号などが挙げられる。
更に、本発明のインキ組成物には、定着樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、増粘剤、酸化防止剤、増感剤、レベリング剤、溶解助剤、香料、界面活性剤、防腐剤等を、適宜添加することもできる。
(インキ組成物製造方法)
本発明のインキ組成物は、表1に記載の成分を混合し、染料を溶解させた後に濾過することで得られる。
本発明のインキ組成物は、表1に記載の成分を混合し、染料を溶解させた後に濾過することで得られる。
試験サンプルは、表1に示される組成の実施例インキ及び比較例インキを上記の方法で調製し、繊維収束体をペン先とする筆記具で、丸芯・細字のぺんてる(株)製マーカー NMS50に充填して、下記の試験を行った。結果を表2に示す。
(経時試験方法)
50℃30%の環境下で3ヵ月間、実施例と比較例のサンプル(各3本)を静置した後、上質紙に塗布し、視認可能な筆記線が書けるか以下の判定方法で評価した。
(判定方法)
5点:筆記線を視認でき、かすれがない
4点:筆記線を視認できるが、かすれが点在している
3点:筆記線を視認できるが、かすれが目立つ
2点:筆記線の視認が難しく、大部分がかすれている。
1点:インキ組成物が固まり、吐出できておらず、筆記線を視認できない。
50℃30%の環境下で3ヵ月間、実施例と比較例のサンプル(各3本)を静置した後、上質紙に塗布し、視認可能な筆記線が書けるか以下の判定方法で評価した。
(判定方法)
5点:筆記線を視認でき、かすれがない
4点:筆記線を視認できるが、かすれが点在している
3点:筆記線を視認できるが、かすれが目立つ
2点:筆記線の視認が難しく、大部分がかすれている。
1点:インキ組成物が固まり、吐出できておらず、筆記線を視認できない。
(発色性試験)
サンプルを用いて上質紙に塗布し、発色性を目視で評価した。
5点:筆記線が濃く、視認できる。
4点:筆記線を良く視認できる。
3点:筆記線を視認できる。
2点:筆記線が薄く、視認し難い。
1点:筆記線が視認できない。
サンプルを用いて上質紙に塗布し、発色性を目視で評価した。
5点:筆記線が濃く、視認できる。
4点:筆記線を良く視認できる。
3点:筆記線を視認できる。
2点:筆記線が薄く、視認し難い。
1点:筆記線が視認できない。
(消毒エタノール用濃度)
日本薬局方によると、15℃で76.9v/v%以上81.4v/v%以下のエタノール濃度であると、消毒殺菌効果があると定められている。重量で表記するならば67.3重量%以上70.6重量%以下である。適合するかどうかを表2に記載した。
適合:エタノール濃度が日本薬局方における消毒エタノール用濃度に適合する。
非適合:エタノール濃度が日本薬局方における消毒エタノール用濃度に適合しない。
日本薬局方によると、15℃で76.9v/v%以上81.4v/v%以下のエタノール濃度であると、消毒殺菌効果があると定められている。重量で表記するならば67.3重量%以上70.6重量%以下である。適合するかどうかを表2に記載した。
適合:エタノール濃度が日本薬局方における消毒エタノール用濃度に適合する。
非適合:エタノール濃度が日本薬局方における消毒エタノール用濃度に適合しない。
比較例1と2は消毒殺菌効果があるとは言えない反面、発色性が高く、経時試験においても良好な結果となっている。実施例4と5は比較例1と2と比べると消毒殺菌効果があると言え、さらに発色性が高く、経時試験で良好な結果となっている。実施例2と3は実施例4と5と比べると経時安定性を維持したまま、発色性を高めることが出来ている。実施例2と3はエタノールの配合比率が67.5重量%以上70.5重量%以下となっており、高濃度のエタノールでありながら高濃度の染料を溶解できる溶液状態となっている。さらに実施例1は実施例2と3よりも経時安定性が増している。染料の合計濃度を6重量%以上8重量%未満とすることで、発色性を維持しながら経時安定性を高めることができている。
実施例1~5はエタノールと水との比率の調整と、エタノール/水系媒体に対して何故か溶解性の高いアシッドレット92とアシッドブルー9を組み合わせることで、高濃度のエタノール、高濃度の染料を含有させながらも経時安定性を維持させ、高い発色性を実現している。その作用は明らかではないが、一般的に水とエタノールの混合溶液は水素結合による特別な混合状態になっていると考えられている。本発明において、前記の混合溶液にアシッドレット92とアシッドブルー9を加えることで水素結合混合溶液に対して良好な溶解性と発色性となる事を見つけた。
Claims (4)
- 少なくとも水と、炭素数4以下の第一級アルコールと、アシッドレッド92と、アシッドブルー9の2種類の染料からなるマーキング用インキ組成物。
- 前記アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項1に記載のマーキング用インキ組成物。
- 前記エタノール濃度が67.5重量%以上70.5重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載のマーキング用インキ組成物。
- 前記アシッドレッド92と、前記アシッドブルー9の合計の濃度が6重量%以上8重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のマーキング用インキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021213319A JP2023097141A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | マーキング用インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021213319A JP2023097141A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | マーキング用インキ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023097141A true JP2023097141A (ja) | 2023-07-07 |
Family
ID=87005969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021213319A Pending JP2023097141A (ja) | 2021-12-27 | 2021-12-27 | マーキング用インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023097141A (ja) |
-
2021
- 2021-12-27 JP JP2021213319A patent/JP2023097141A/ja active Pending
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