JPH022908B2

JPH022908B2 -

Info

Publication number: JPH022908B2
Application number: JP57038395A
Authority: JP
Inventors: Susumu Takeuchi
Original assignee: Daiwa Maakanto Kogyo Kk
Current assignee: Daiwa Maakanto Kogyo Kk
Priority date: 1982-03-10
Filing date: 1982-03-10
Publication date: 1990-01-19
Also published as: JPS58154772A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、人体の皮膚に直接マークをするイン
キ組成物に係り、さらに詳しくは昭和54年特許願
45189号に対する追加特許に関するものである。

化学物質が人体に吸収される経路は、呼吸器皮
膚、消化器に別けられる。そして、有害物は皮膚
に付着すると、汗腺、皮脂線、毛嚢等を通つて体
内に溶け込み、毛細血管から血液中に入り全身を
循環して障害を起こす。特に皮膚に外傷や湿疹等
があると、吸収を促進する事になる。従つて、ス
キンマーク用インキは毒性の少ない物質で構成さ
れなければならない。

又、マーキング箇所を消毒液で拭いた際、マー
ク跡が鮮明に残る必要がある。この点原特許発明
において、セルロース誘導体、各種デキストリン
及びアミロース等の補助調整剤によつて皮膚への
固着強化を図つている。しかしこれらの補助調整
剤は、水に対して流れないのであるが、消毒液例
えばヨードやクレゾールなどを用いて擦つた場合
に、容易に皮膚から流れ落ちてしまうのである。
医師が患者に対して手術や注射を行うときに消毒
液を使用する事が当たり前である以上、原特許に
開示された範囲内では、固着性の面で十分とはい
えないものであつた。即ち原特許においては安全
性確保を主眼に置き、皮膚への固着性という点で
十分な検討が為されているとはいえず、現実の使
用に十分耐えうるものとは言い難かつた。

本発明は、上記実情に鑑み、これら種々の欠点
を解消する事を目的として、毒性の少ない塩基性
染料、特にトリフエニルメタン系塩基性染料の一
種又は二種以上の色素を含み、溶剤としてエチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ノルマル
プロピルアルコール及び水等を使用し、乾燥性及
び粘性の調整剤としてグリセリン、プロピレング
リコール、ポリオキシエチレン又はその誘導体、
ポリオキシプロピレン又はその誘導体等を添加
し、且つ、化濃防止剤、止血剤、或は塩基性染料
の定着助剤としてタンニン酸を適量配合したスキ
ンマーク用インキ組成物を提供するものであり、
外科手術時のマーキング、或は市場及びスーパー
マーケツトにおける果物、野菜等の表面に直接マ
ーキングする用途に最適なものである。

以下、本発明の実施例を説明する。尚、実施例
中部とあるのは重量部を示す。

実施例１青色インキメチレンブルー 3.5部エチルアルコール 50部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム１部タンニン酸 0.5部蒸留水 50部実施例２緑色インキマラカイトグリーン 5.0部エチルアルコール 30部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム 0.6部タンニン酸 0.6部蒸留水 55部実施例３緑色インキマラカイトグリーン 5.0部エチルアルコール 27部イソプロピルアルコール３部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム 0.6部タンニン酸 0.6部蒸留水 55部実施例４緑色インキダイヤモンドグリーン 5.0部エチルアルコール 30部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム 0.6部タンニン酸 0.6部蒸留水 55部実施例５紫色インキメチルバイオレツト 3.5部エチルアルコール 20部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム 0.5部タンニン酸 0.3部蒸留水 50部実施例６紫色インキメチルバイオレツト 3.5部エチルアルコール 20部食添プロピレングリコール 15部食添グリセリン５部安息香酸ナトリウム 0.5部タンニン酸 0.3部蒸留水 50部実施例７紫色インキクリスタルバイオレツト 3.5部エチルアルコール 20部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム 0.5部タンニン酸 0.3部蒸留水 50部実施例８紫色インキクリスタルバイオレツト 3.5部エチルアルコール 20部食添プロピレングリコール 17部ポリオキシエチレン３部安息香酸ナトリウム 0.5部タンニン酸 0.3部蒸留水 50部実施例９黄緑インキメチレンブルー 1.5部オーラミン 1.5部エチルアルコール 30部食添プロピレングリコール 20部安息香酸ナトリウム１部タンニン酸 0.6部蒸留水 55部実施例 10 黄緑インキメチレンブルー 1.5部オーラミン 1.5部エチルアルコール 30部食添プロピレングリコール 18部ポリオキシプロピレン２部安息香酸ナトリウム１部タンニン酸 0.6部蒸留水 55部溶剤として使用するエチルアルコール、イソプ
ロピルアルコールは一般に殺菌消毒剤として用い
られ、ノルマルプロピルアルコールは化粧品或い
は歯科用ローシヨンとして用いられている。上記
実施例に示した如く、アルコールと水との配合比
によつて、マーキング後の溶媒の揮発速度が異な
り、従つてインキの乾燥速度を自在に調整出来
る。更に調整剤によつて、インキの乾燥速度及び
粘性を調整して過度にインキが乾くのを防止しマ
ーキング後の色素を皮膚等に固着する役割を果た
す。調整剤として使用するグリセリン及びプロピ
レングリコールは共にLD₅₀（ねずみ、服用）が30
ｇ／Kg前後であり、毒性は極めて低い。又、ポリ
オキシエチレン、ポリオキシプロピレンは、一般
に基剤として軟コウ、座剤、クリーム剤、ローシ
ヨン等に用いられ且つ低毒性であり、これらの誘
導体として、C₁₂〜C₁₈の高級アルコール及びC₈〜
C₉のアルキルフエノールから導かれた各種のポ
リオキシエチレンエーテル等が挙げられる。

然して、上記調整剤のみに於いては、色素の皮
膚等への固着強度は必ずしも竪固でなく、摩擦等
により又は、水分を含んだ布切れ等による弱い拭
掃によつてはげ落ちてしまう虞れがある。依つ
て、上記の各種インキにタンニン酸を補助調整剤
として添加する事によつてインキをより確実に皮
膚等に固着させる事ができる。尚、防腐剤として
安息香酸ナトリウムが用いられている。

これらの配合による組成物は、特に消毒液で拭
いてもマーク跡が鮮明に残ることを特徴としてい
る。マーキングは消毒液（１種又は２種）の塗布
前に行われる場合と塗布後の二通りあるが、後者
の場合消毒液で拭いた際にマークが薄れる虞れが
ある。しかし、本考案では塩基性染料、特にトリ
フエニルメタン系塩基性染料にタンニン酸を作用
させることにより消失し難いインキが得られる。
又、緑色インキは黒人用スキンマークに特に有効
である。

患者によつては傷ついた皮膚にマーキングしな
ければならないこともあり、マーキング用のペン
先に菌が付着して残留するので、同一ペンを他の
人へ使用することができない。この問題を解決す
るためには下記のスキンマーク用インキ組成物が
適用される。

色素（各色）３〜10部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部該スキンマーク用インキ組成物は消毒作用を有
している。以下に、個々の色素について実施例を
列挙する。

実施例 11 青色インキメチレンブルー３部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部実施例 12 緑色インキマラカイトグリーン５部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部実施例 13 紫色インキダイヤモンドグリーン５部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部実施例 14 紫色インキメチルバイオレツト４部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部実施例 15 紫色インキクリスタルバイオレツト４部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部実施例 16 黄緑インキメチレンブルー 1.5部オーラミン 1.5部エチルアルコール 100部食添プロピレングリコール 40部タンニン酸１部斯くしてなる本願インキ組成物は、着色剤とし
て毒性の少ない塩基性染料、特にトリフエニルメ
タン系塩基性染料を使用し、アルコール及び水等
の溶剤が揮発した後に、色素はグリセリン及びプ
ロピレングリコール等の調整剤により、更にはタ
ンニン酸によつてより確実に皮膚等に固着され、
その筆跡がヨード、クレゾールを用いて擦する事
によつては容易にはげ落ちる事がなく、消去する
際にはアルコール及び水洗や濡れた布切れ等で拭
掃して確実に消す事が出来る。従つて、外科手術
時の切開箇所のマーキング、ボデイ・ペインテイ
ング及び果物・野菜等の食品類への直接的なマー
キング等に最適であり、各組成物が各々低毒性で
ある為に安全性が高く、幼児等に持たせる時誤つ
て口腔内にインキが入つても比較的安全なインキ
である。以上の点をまとめ本願発明の効果を述べ
ると、本発明は、ヨード、クレゾール等の消毒液
によつて容易に流れ落ず、人体に無害なマーキン
グを可能せしめたものである。更にタンニン酸を
補助調整剤として用いる事により、染料の一部が
レーキを形成して固着性を増すと共に、皮膚の収
れん作用を高め毛穴を閉ざす事によつて、染料の
固着に適した皮膚状態を得る事が出来るものであ
る。

叙上の如く、本願発明に係るインキ組成物は新
規にしてその実用上の効果は著大である。

追加の関係原特許発明は、エチルアルコール等を溶剤と
し、グリセリン等を調整剤として、毒性の低い食
用色素等を添加したスキンマーク用インキ組成物
であるが、本願発明は該毒性の低い食用色素等と
して毒性の低い塩基性染料を用い、更にタンニン
酸を適量配合したスキンマーク用インキ組成物で
ある。

即ち、本願発明は原特許発明の構成に欠くこと
ができない事項の全部又は主要部をその構成に欠
くことができない事項の全部又は主要部としてい
る発明であつて、原特許発明と同一の目的を達成
するものである。

Claims

【特許請求の範囲】

１エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ノルマルプロピルアルコール及び水の内、少
なくとも一つ又は二つ以上の成分を溶剤とし、グ
リセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエ
チレン又はその誘導体、ポリオキシプロピレン又
はその誘導体の内、少なくとも一つ又は二つ以上
の成分を調整剤として、トリフエニルメタン系塩
基性染料の一種又は二種以上の色素を添加し、更
にタンニン酸を補助調整剤として適量添加した事
を特徴とするスキンマーク用インキ組成物。