JP2023125376A - 搬送装置及び印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ベルトに作用する負荷を抑制することと、搬送ベルトの表面の異物の除去性能を高めることとを両立するには、改善の余地がある。【解決手段】搬送部20は、グルーベルト24を移動させることで媒体Mを搬送する。搬送部20は、蒸気付与部26と、清掃部46とを備える。蒸気付与部26は、媒体Mから離れたグルーベルト24の表面24Aに、加熱された蒸気VPを付与する。清掃部46は、蒸気付与部26によって蒸気VPが付与された表面24Aを清掃する。【選択図】図1

Description

本発明は、搬送装置及び印刷装置に関する。
特許文献1の記録媒体搬送装置は、記録媒体を搬送する搬送ベルトと、記録媒体が剥離された後の搬送ベルトに洗浄液を塗布する洗浄液塗布部と、搬送ベルトの洗浄液を除去する除去部材と、除去部材をベルトに接触させる圧力を可変とする圧力可変機構とを含む。洗浄液塗布部は、散水パイプとポンプ等によって構成される。
特開2021-134071号公報
特許文献1の洗浄液塗布部のように、移動中の搬送ベルトの表面に洗浄液を塗布する構成において、表面の異物の除去性能を高める方法として、洗浄液の圧力を高める方法がある。
しかし、洗浄液の圧力を高めた場合、高圧の洗浄液が搬送ベルトに衝突することで、洗浄液が記録媒体搬送装置の周囲に飛び散る虞がある。
上記課題を解決する為の、本発明に係る搬送装置は、搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置であって、前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決する為の、本発明に係る印刷装置は、搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置と、移動する前記媒体に記録する記録部とを備える印刷装置であって、前記搬送装置は、前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、を備えることを特徴とする。
実施形態1に係るプリンターの内部構造の概略図。 実施形態1に係るプリンターの各部を示すブロック図。 実施形態1に係る蒸気付与部及びグルーベルトの概略図。 実施形態1に係る清掃部の概略図。 実施形態2に係るプリンターの内部構造の概略図。 実施形態2に係る清掃部の概略図。 実施形態2の変形例に係る清掃部の概略図。 実施形態3に係るプリンターの内部構造の概略図。 実施形態3に係るプリンターの各部を示すブロック図。 実施形態3に係るプリンターにおける蒸気の流れを示す概略図。 実施形態4に係るプリンターの各部を示すブロック図。 実施形態5に係るプリンターの各部を示すブロック図。 他の変形例1に係るプリンターの各部を示すブロック図。 他の変形例2に係る清掃部の部分斜視図。 他の変形例3に係る蒸気付与部の概略図。 他の変形例4に係るプリンターの部分斜視図。
以下、本発明について概略的に説明する。
第1の態様に係る搬送装置は、搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置であって、前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記搬送ベルトの表面に付着した異物が、前記蒸気によって当該表面から浮きやすくなる。すなわち、前記搬送ベルトの表面に付着した異物を除去するために液体ではなく前記蒸気が用いられるので、洗浄液(液体)が用いられる場合に生じる、搬送装置の周囲への、異物を含む液体の飛散が抑制された状態で、異物を除去しやすい状態を作り出すことができる。
第2の態様に係る搬送装置は、第1の態様において、前記表面において、前記蒸気が付与される第1領域から前記清掃部により清掃される第2領域までを対象領域として、前記対象領域の少なくとも一部を冷却する冷却部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記冷却部によって前記対象領域の少なくとも一部が冷却されることで、空気中の水分及び前記蒸気に含まれる水分の一部が、前記対象領域において結露される。これにより、前記対象領域に水分が供給されることで、既述の異物が覆われる等して、異物を除去し易くなるので、異物の除去性能を高めることができる。
第3の態様に係る搬送装置は、第2の態様において、前記冷却部は、前記第2領域を冷却することを特徴とする。
本態様によれば、前記第1領域と前記第2領域との間では結露されにくく、前記第2領域において結露されることになる。そして、前記第2領域において結露した水分は、前記清掃部によって回収される。これにより、前記第1領域と前記第2領域との間において、前記表面から水滴が落下することを抑制できる。
第4の態様に係る搬送装置は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記表面の状態に応じて前記蒸気付与部の動作を制御することを特徴とする。
本態様によれば、前記表面の状態が、異物が多く付着する状態であった場合、前記制御部が前記蒸気付与部によって付与される前記蒸気の加熱量及び前記蒸気の供給量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。前記蒸気付与部における加熱量を増加させることで、前記蒸気の温度が上昇し、前記蒸気の分子の運動エネルギーが増加する。温度が高い前記蒸気の分子の激しい熱運動によって、温度の低い異物に含まれる物質の分子の熱運動が激しくなり、異物に含まれる物質の分子間の結合力が弱まる。つまり、温度上昇された異物が軟化する。また、前記搬送ベルトへの前記蒸気の供給量を増加させることで、異物が前記蒸気によって希釈され易くなる。このため、異物の除去性能をさらに高めることができる。
第5の態様に係る搬送装置は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記搬送ベルトの移動速度に応じて前記蒸気付与部の動作を制御することを特徴とする。
本態様によれば、前記搬送ベルトの移動速度が上がった場合、前記制御部が前記蒸気付与部によって付与される前記蒸気の加熱量及び前記蒸気の供給量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。これにより、前記蒸気が前記表面に付与される時間が短くなっても、異物の除去に必要な温度の前記蒸気、及び異物の除去に必要な量の前記蒸気の少なくとも一方を前記表面に付与できるので、異物の除去性能の低下を抑制できる。
第6の態様に係る搬送装置は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記媒体は、画像が記録される記録媒体であり、前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記画像のデューティーに応じて前記蒸気付与部の動作を制御することを特徴とする。
前記デューティーが大きい場合、記録に用いられる記録材の使用量が増えるため、前記表面に付着する異物の量が増える可能性がある。
本態様によれば、前記表面の状態が、異物が多く付着する状態であった場合、前記制御部が前記蒸気付与部によって付与される前記蒸気の加熱量及び前記蒸気の供給量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。前記蒸気付与部における加熱量を増加させることで、温度上昇された異物が軟化する。また、前記蒸気付与部における前記蒸気の供給量を増加させることで、異物が前記蒸気によって希釈され易くなる。このため、異物の除去性能をさらに高めることができる。
第7の態様に係る搬送装置は、第4の態様から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記搬送ベルトにおける前記表面とは反対の裏面に向けて気流を発生させる気流発生部を備え、前記制御部は、前記蒸気付与部からの前記蒸気の発生量に応じて、前記気流発生部における前記気流の発生量を調整することを特徴とする。
本態様によれば、前記蒸気付与部から前記表面に供給される前記蒸気の一部が、前記搬送ベルトの端部より外側を経由して前記裏面に流れようとした場合、前記気流発生部において発生した前記気流が、前記蒸気の一部を前記表面側の領域に押し戻す。
ここで、前記蒸気付与部からの前記蒸気の発生量が多い場合、前記気流発生部における前記気流の発生量を増加させる制御が可能となるので、前記蒸気の一部が前記裏面側の領域を経由して他の部位に拡散することを抑制できる。
第8の態様に係る搬送装置は、第7の態様において、前記裏面における前記気流が到達する到達領域を加熱する加熱部を備え、前記制御部は、前記気流の発生量に応じて、前記加熱部における加熱の温度を制御することを特徴とする。
本態様によれば、前記気流による温度低下の作用によって結露が生じ易い構成であっても、前記加熱部によって前記到達領域が加熱されることで、前記裏面に結露が生じることを抑制できる。
第9の態様に係る搬送装置は、第1の態様から第8の態様のいずれか一つにおいて、前記清掃部は、前記表面に付着する異物を前記表面に接触しながら掻取る掻取部材と、前記掻取部材に掻取られた前記異物を回収する回収部と、を有し、前記掻取部材には、前記異物を前記回収部に案内する案内部が設けられることを特徴とする。
本態様によれば、前記掻取部材によって掻取られた前記異物は、前記案内部に沿って流下され前記回収部に回収される。これにより、前記掻取部材と前記表面との間に前記異物が滞留されにくくなるので、前記清掃部による清掃性能の低下を抑制できる。
第10の態様に係る搬送装置は、第9の態様において、前記清掃部は、前記回収部に向けて送風する送風部を有し、前記掻取部材の少なくとも一部は、前記送風部と前記回収部との間において送風されることを特徴とする。
本態様によれば、前記掻取部材に付着した前記異物は、前記送風部による送風の圧力を受けることで前記回収部に向けて移動され、前記回収部に回収される。これにより、前記掻取部材に付着した前記異物が、前記表面に再度、付着することを抑制できる。
第11の態様に係る印刷装置は、搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置と、移動する前記媒体に記録する記録部とを備える印刷装置であって、前記搬送装置は、前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様における作用と同様の作用により、異物を含む液体の飛散が抑制された状態で、前記異物を除去しやすい状態を作り出すことができる。つまり、飛散した前記異物を含む液体によって前記印刷装置の内部が汚損されることを抑制できる。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係る印刷装置の一例であるプリンター10について具体的に説明する。
図1に示されるように、プリンター10は、工場1の床部2に設置される。プリンター10は、媒体Mに記録を行う。媒体Mの例として、布帛や用紙がある。また、媒体Mは、一例として、プリンター10の正面から引き出される。尚、各図において示すX-Y-Z座標系は、直交座標系である。
X方向は、プリンター10の装置幅方向であり、水平方向である。プリンター10を正面から見てX方向の左に向かう方向を+X方向、右に向かう方向を-X方向とする。また、X方向は、媒体Mの幅方向に相当する。
Y方向は、プリンター10の奥行き方向であり、水平方向である。プリンター10を正面から見て、手前方向を+Y方向とし、奥方向を-Y方向とする。
Z方向は、重力が作用する重力方向に沿う。Z方向の上に向かう方向を+Z方向、下に向かう方向を-Z方向とする。+Z方向は、プリンター10の装置高さ方向である。
プリンター10は、記録部16と、搬送装置の一例としての搬送部20とを備える。さらに、プリンター10は、一例として、装置本体部12と、本体カバー14と、操作部15(図2)とを含んで構成される。プリンター10は、一例として、媒体Mに記録を行う記録モードと、プリンター10の清掃や部品交換等を行うためのメンテナンスモードとを有する。
装置本体部12は、プリンター10の各部が設けられる基部として構成される。
本体カバー14は、プリンター10の各部を覆う外装部材である。
操作部15は、不図示のタッチパネル及び操作ボタンを含んで構成される。操作部15では、プリンター10の各部の動作について設定が可能である。
記録部16は、装置本体部12に設けられる。また、記録部16は、+Y方向に移動する媒体Mに記録する。具体的には、記録部16は、記録ヘッド17と、記録ヘッド17をX方向に沿って往復移動が可能に支持するキャリッジ18とを含む。
記録ヘッド17は、不図示の複数のノズルを有し、後述するグルーベルト24に対する+Z方向に配置される。また、記録ヘッド17は、不図示の複数のノズルから媒体Mの被記録面に液滴の一例としてのインクKを吐出することで、媒体Mへの画像の記録が可能である。換言すると、媒体Mは、画像が記録される記録媒体である。尚、インクKは、記録材の一例でもある。
図1及び図2に示されるように、搬送部20は、一例として、ベルトユニット21と、蒸気付与部26と、表面検知部42と、冷却部44と、清掃部46と、移動部62と、制御部64とを備える。搬送部20は、後述するグルーベルト24を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部20は、装置本体部12に設けられる。
尚、制御部64は、一例として、搬送部20の動作を制御するだけでなく、プリンター10の各部の動作を制御する制御部としても機能する。
図1に示されるように、ベルトユニット21は、一例として、駆動ローラー22と、従動ローラー23と、グルーベルト24と、不図示のモーターとを含んで構成される。
駆動ローラー22は、+Y方向の下流に配置される。従動ローラー23は、+Y方向の上流に配置される。駆動ローラー22及び従動ローラー23は、いずれもX方向に沿った回転軸を有する。駆動ローラー22の回転は、後述する制御部64によって制御される。
グルーベルト24は、搬送ベルトの一例であり、弾性を有する平板の両端を接合した無端ベルトとして構成される。また、グルーベルト24は、駆動ローラー22及び従動ローラー23に巻き掛けられる。換言すると、グルーベルト24は、装置本体部12に設けられ、周回移動されることで媒体Mを+Y方向に搬送可能である。グルーベルト24が周回移動する方向を+R方向とする。グルーベルト24の外周面を表面24Aとし、内周面を裏面24Bとする。グルーベルト24が周回移動する経路の全体を周回経路としたとき、当該周回経路は、媒体Mを貼り付けて搬送する搬送経路と、当該搬送経路以外の経路である非搬送経路と、を有する。媒体Mは、搬送経路において+Y方向に搬送される。非搬送経路を移動するグルーベルト24は、後述の清掃部46によって清掃される。
表面24Aは、一例として、不図示の粘着剤が塗布されることで粘着性を有しており、媒体Mを支持可能で且つ吸着可能である。粘着性とは、他の部材と一時的に接着可能であり且つ接着状態からの剥離が可能となる特性を意味する。
表面24Aのうち、駆動ローラー22の中心よりも+Z方向に位置し且つX-Y面に沿った部位を上面部25Aとする。上面部25Aは、媒体Mを支持する。また、表面24Aのうち、駆動ローラー22に巻き掛けられた部位を曲面部25Bとする。さらに、表面24Aのうち、駆動ローラー22の中心よりも-Z方向に位置し且つX-Y面に沿った部位を下面部25Cとする。
ベルトユニット21では、不図示の巻取ローラーが媒体Mを巻き取ることで、曲面部25Bから媒体Mを剥離させる。
蒸気付与部26は、一例として、下面部25CとZ方向に対向する位置のうち、+Y方向の下流端部に位置する。また、蒸気付与部26は、+R方向における曲面部25Bよりも下流に位置する。蒸気付与部26は、媒体Mから離れたグルーベルト24の表面24Aに、加熱された蒸気VP(図3)を付与する。すなわち、蒸気付与部26は、非搬送経路を移動するグルーベルト24の表面24Aの少なくとも一部に蒸気VPを付与する。なお、蒸気VPは、水Wの粒子が大気中を浮遊する状態も含む。
図3に示されるように、蒸気付与部26は、一例として、貯留槽28と、ヒーター32と、複数の孔部34Aが形成されたベースプレート34と、供給パイプ37と、供給ポンプ38と、加圧パイプ39と、コンプレッサー41とを備える。
貯留槽28は、一例として、X方向に延びる中空の直方体として構成される。貯留槽28のX方向の長さは、グルーベルト24のX方向の長さよりも長い。貯留槽28の側部には、供給パイプ37の一端部及び加圧パイプ39の一端部が接続される。貯留槽28の+Z方向の上壁29には、表面24Aに向けて貫通する開口部29Aが設けられる。尚、開口部29Aは、X方向に間隔をあけて並ぶ。換言すると、上壁29において、X方向に隣り合う開口部29Aの間は、閉じられている。
ヒーター32は、貯留槽28の-Z方向の底部に設けられる。ヒーター32は、不図示の電源から電力を供給された場合に発熱する。不図示の電源の制御は、制御部64(図2)により行われる。貯留槽28の内部に水Wが貯留されている状態において、ヒーター32が発熱することで、蒸気VPが生成される。蒸気VPは、後述する孔部34A及び開口部29Aを通って表面24Aに付与される。ここで、ヒーター32は、グルーベルト24の表面24Aに負荷が生じない程度の温度の蒸気VPが付与されるように、制御部64によって発熱を制御されることが好ましい。具体的には、ヒーター32は、蒸気VPの温度が140℃を超えないように、制御部64によって発熱が制御されることが好ましい。
ベースプレート34は、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。ベースプレート34は、貯留槽28の内部において、上壁29に対する-Z方向に位置する。ベースプレート34には、Z方向に貫通する複数の孔部34Aが設けられる。孔部34Aの大きさは、蒸気VPが通過可能な大きさである。
また、本実施形態では、ベースプレート34に形成された孔部34Aの少なくとも一部を覆い隠すことができる不図示のシャッター部材が設けられている。シャッター部材は、一例として、X方向にスライド可能に設けられる。尚、シャッター部材のX方向のスライド方法は、ユーザーが手動で行う方法、不図示のモーター等を用いて自動で行う方法のいずれであってもよい。シャッター部材がX方向にスライドされることで、蒸気VPが通過可能な孔部34Aの数及び開口面積が変更可能である。換言すると、表面24Aに付与される蒸気VPの量が調整可能となっている。
ここで、ユーザーが手動でシャッター部材をX方向にスライドさせる場合には、X方向に沿ってベースプレート34に目盛が形成され、媒体Mの表面の異物Gの付着状況に応じて、シャッター部材のX方向の縁端を当該目盛に合わせるように調整する構造としてもよい。
尚、シャッター部材をX方向にスライドするのではなく、Y方向にスライドさせて表面24Aに付与される蒸気VPの量を調整可能とする構成にしてもよい。
供給パイプ37の他端部は、不図示のタンクに接続される。不図示のタンクの内部には、水Wが貯留される。
供給ポンプ38は、供給パイプ37に接続される。供給ポンプ38が動作されることで、水Wが供給パイプ37を通って貯留槽28の内部に供給される。供給ポンプ38の動作は、制御部64によって制御される。
加圧パイプ39には、コンプレッサー41が接続される。
コンプレッサー41は、空気を圧縮すると共に、加圧パイプ39の内部に圧縮された空気を送り込む。これにより、貯留槽28の内部が加圧される。コンプレッサー41の動作は、制御部64によって制御される。つまり、コンプレッサー41における加圧力の制御によっても、表面24Aに付与される蒸気VPの量を制御可能となっている。
ここで、プリンター10をX方向から見て、表面24Aにおいて蒸気VPが付与されるY方向の領域を第1領域S1とする。
第1領域S1は、一例として、+Y方向の端に位置する孔部34Aから、-Y方向の端に位置する孔部34Aまでの部位と対向する領域である。換言すると、第1領域S1は、蒸気VPを付与可能な領域である。
図2に示されるように、表面検知部42は、一例として、不図示のCCD(Charge Coupled Device)ラインカメラにより構成される。表面検知部42は、媒体Mが剥離された後の表面24A(図3)の状態を検知する。
表面検知部42は、一例として、後述するように、表面24Aの画像データを取得及び解析することで、表面24Aに付着する異物G(図3)を検知する。尚、画像データの解析は、制御部64によって行われてもよいし、表面検知部42の内部に他の制御部を設けて行ってもよい。
異物Gは、表面24A及び表面24Aに塗布された粘着剤とは異なる物を意味しており、例えば、媒体Mの一部、埃、インクKの一部を含む物である。
表面検知部42において得られた画像データは、制御部64において、濃淡補正、ノイズ除去、コントラスト強調等の各フィルタ処理が行われる。そして、表面検知部42は、フィルタ処理後の画像データに基づいて、表面24Aにおける異物Gの有無を検知する。
尚、異物Gが無い場合とは、異物Gの数が0個の場合に限らず、予め設定された単位面積当たりの異物Gの数が許容個数よりも少ない場合を含む。
一方、異物Gが有る場合とは、予め設定された単位面積当たりの異物Gの数が許容個数以上有る場合を意味する。
尚、異物Gが有る場合について、異物Gの許容個数の閾値を複数設定しておき、異物Gが有る状態を多段階で区別してもよい。
図1に示されるように、X方向から見て、後述する清掃部46により清掃される領域を第2領域S2とする。さらに、第1領域S1の+Y方向の端から、第2領域S2の-Y方向の端までの領域を、対象領域Sとする。換言すると、対象領域Sは、第1領域S1及び第2領域S2を含む領域である。
冷却部44は、表面24Aに対する-Z方向に位置する。冷却部44は、X方向から見て、対象領域Sの一部を冷却可能である。冷却部44は、一例として、不図示のエアークーラー及び複数のノズルを含んで構成される。不図示のエアークーラーは、空気を送り込むコンプレッサー部と、送り込まれた空気によって渦流を発生させる渦流発生部と、渦流発生部から表面24Aに向けて流れる冷風の量を調整する調整弁とを備える。
冷却部44は、具体的には、対象領域Sのうち、第1領域S1と第2領域S2との間の領域の一部を冷却する。換言すると、冷却部44は、表面24Aにおいて、蒸気VPが付与された部位であって且つ清掃部46によって清掃される前の部位を冷却可能である。さらに、冷却部44は、表面24Aの周辺に存在する蒸気VPが結露するまで冷却が可能である。
図3及び図4に示されるように、清掃部46は、蒸気付与部26によって蒸気VPが付与された表面24Aを清掃する。具体的には、清掃部46は、一例として、回収槽48と、区画壁49と、縦壁部51と、ゴムブレード54と、洗浄ブラシ56と、エアーノズル58とを備える。尚、清掃部46は、後述する移動部62(図2)によってZ方向に移動可能に支持される。
回収槽48は、+Z方向に開口する箱状の部材である。回収槽48は、底壁48A、前壁48B、後壁48C及び側壁48Dを備える。
底壁48Aは、X-Y面に沿うと共にX方向に延びる。前壁48Bは、底壁48Aの+Y方向の端部において+Z方向に向けて延びる。後壁48Cは、底壁48Aの-Y方向の端部において+Z方向に向けて延びる。側壁48Dは、底壁48AのX方向の両端部において+Z方向に延びる。底壁48A、前壁48B、後壁48C及び側壁48Dによって、室部47が形成される。室部47には、一例として、洗浄液が貯留されていない。
区画壁49は、底壁48Aに設けられる。区画壁49は、後述する洗浄ブラシ52に対して-Y方向且つ-Z方向の位置にある。区画壁49は、X方向から見て、室部47の底部を2つの空間部52A、52Bに分割する。空間部52Aは、区画壁49に対して+Y方向に位置する。空間部52Bは、区画壁49に対して-Y方向に位置する。
縦壁部51は、後壁48Cに設けられており、後壁48Cに対する-Y方向に位置する。後壁48Cと縦壁部51との間には、空間部53が形成される。
ゴムブレード54は、X方向の両端部が不図示のブラケットに支持されており、空間部53においてZ方向に直立する。ゴムブレード54の+Z方向の端部は、縦壁部51より+Z方向に突出されると共に、表面24Aに接触する。ゴムブレード54の+Z方向の端部には、傾斜面55が形成される。傾斜面55は、+Y方向の端部が-Y方向の端部よりも-Z方向に位置するように傾斜された面である。ゴムブレード54は、洗浄ブラシ56による清掃後の表面24Aに残留した水分等を表面24Aから掻き落とす。
洗浄ブラシ56は、表面24Aを清掃する部材である。具体的には、洗浄ブラシ56は、円柱状の軸部56Aと、軸部57の軸方向の両端部を除く外周面から放射状に延びるブラシ部56Bとを有する。軸部56Aは、X方向に延びる。また、軸部56Aは、側壁48Dに回転可能に支持されることで、回収槽48に回転可能に支持される。
ブラシ部56Bは、清掃部46が+Z方向に上昇した状態において、下面部25Cの表面24Aと接触する。そして、洗浄ブラシ56は、不図示のモーターによって回転されることにより、表面24Aに残留する水滴D及び異物Gを清掃可能である。洗浄ブラシ56によって除去された水滴D及び異物Gは、回収槽48の一部に回収される。
尚、洗浄ブラシ56は、下面部25Cとの接触位置において、ブラシ部56Bがグルーベルト24の移動方向とは反対の方向に移動するように回転される。洗浄ブラシ56の回転方向を+B方向とする。
エアーノズル58は、一例として、後壁48Cに取り付けられる。エアーノズル58は、不図示のコンプレッサーによって送り込まれた空気を洗浄ブラシ56に向けて噴射する。具体的には、エアーノズル58は、後壁48Cの+Z方向の部位から+Y方向且つ-Z方向の位置に向けて空気を噴射する。エアーノズル58から噴射された空気は、洗浄ブラシ56に対して、洗浄ブラシ56のほぼ接線方向で且つ洗浄ブラシ56の+B方向に対するカウンター方向に吹き付けられる。これにより、洗浄ブラシ56に付着している異物G等が、洗浄ブラシ56から除去されるようになっている。洗浄ブラシ56から除去された異物G等は、回収槽48の底部に落下することで回収される。
図2に示されるように、移動部62は、後述する制御部64によって昇降動作が制御される。移動部62は、不図示のモーター及びカムを含む昇降台として構成される。移動部62は、プリンター10におけるメンテナンスモードにおいて、清掃部46を表面24A(図4)に対して-Z方向に降下させる。また、移動部62は、プリンター10における記録モードにおいて、清掃部46を表面24Aに対して+Z方向に上昇させる。尚、メンテナンスモードにおいて、清掃部46を降下させずに、清掃部46の高さを維持することが可能である。
制御部64は、コンピューターとして機能するCPU(Central Processing Unit)66と、メモリー68と、不図示のストレージとを備える。また、制御部64は、制御部64がプログラムPRを実行することで、プリンター10の各部における搬送、記録、排出、清掃等の各種の動作を制御する。
メモリー68には、CPU66が実行するプログラムPRを含む各種データが格納されている。メモリー68の一部において、プログラムPRの展開が可能である。
制御部64は、蒸気付与部26の動作を制御可能である。具体的には、制御部64は、表面検知部42において検知された表面24A(図4)の状態に応じて、蒸気付与部26の動作を制御可能である。制御部64は、一例として、表面検知部42において異物Gが無いと検知された場合、蒸気付与部26を停止状態で維持する。制御部64は、表面検知部42において異物Gが有ると検知された場合、蒸気付与部26を動作させる。具体的には、ヒーター32(図3)に通電させることで、ヒーター32を発熱させる。
尚、制御部64は、蒸気付与部26を動作させることで、異物Gが無い場合に少量の蒸気VPを表面24Aに付与させ、異物Gが有る場合に多量の蒸気VPを表面24Aに付与させる制御を行ってもよい。
次に、プリンター10及び搬送部20の作用について、図1から図4までを参照して説明する。なお、個別の図番の記載を省略する。
媒体Mは、搬送部20において搬送される。搬送される媒体Mには、記録部16により記録が行われる。このとき、表面検知部42において異物Gが有りと検知された場合、蒸気付与部26の動作が制御部64により制御されることでヒーター32が発熱する。発生した蒸気VPは、媒体Mが剥離された表面24Aに付与される。ヒーター32による水Wの加熱量は、制御部64によって調整される。
表面24Aのうち蒸気VPが付与された部分では、蒸気VPによって異物Gが覆われる。そして、蒸気VPが付与された部分は、グルーベルト24の移動に伴い、冷却部44と対向する位置に移動する。
表面24Aの周囲に存在する蒸気VP及び空気中の水分は、冷却部44によって冷却される。これにより、蒸気VPが結露状態となり、異物Gが水滴Dで覆われる。
表面24Aでは、異物Gと表面24Aとの隙間に蒸気VPが進入すること、蒸気VPから生じた水滴Dが異物Gを覆うこと、蒸気VPの有する熱エネルギーが異物Gに付与されること等の作用により、異物Gが表面24Aに対して浮いた状態となる。
表面24Aに付着している異物G及び水滴Dは、グルーベルト24の移動に伴い、清掃部36と対向する位置に移動する。そして、表面24Aに付着している異物G及び水滴Dは、清掃部36の洗浄ブラシ56及びゴムブレード54により、表面24Aから除去される。このようにして、表面24Aが清掃される。
洗浄ブラシ56に付着した異物G及び水滴Dは、洗浄ブラシ56の回転の途中において、エアーノズル58から吹き付けられる空気により除去される。除去された異物G及び水滴Dは、回収槽48に回収される。
以上、説明した通り、搬送部20によれば、グルーベルト24の表面24Aに付着した異物Gが、蒸気VPによって表面24Aから浮きやすくなる。すなわち、グルーベルト24の表面24Aに付着した異物Gを除去するために液体ではなく蒸気VPが用いられるので、洗浄液(液体)が用いられる場合に生じる、搬送部20の周囲への異物Gを含む液体の飛散が抑制された状態で、異物Gを除去しやすい状態を作り出すことができる。これにより、飛散した異物Gを含む液体によって搬送部20の周囲が汚損されることを抑制できる。なお、蒸気VPの分子の熱運動によって、異物Gに含まれる物質の分子の熱運動が激しくなり、異物Gに含まれる物質の分子間の結合力が弱まることも考えられる。すなわち、蒸気VPを用いる場合、圧力に加えて、熱エネルギーも異物除去性能の向上に寄与すると考えられる。このため、同じ異物除去性能を確保する場合においても、蒸気VPを用いる場合に必要な圧力は、洗浄液を用いる場合に必要な圧力に比べて低くすることができる。したがって、グルーベルト24に作用する負荷は、蒸気付与部26によって蒸気VPが表面24Aに付与される場合の方が、高圧の洗浄液が表面24Aに噴射される場合に比べて小さくなる。
さらに、上述の通り、蒸気付与部26によってグルーベルト24に付与された蒸気VPの熱エネルギーによって、異物Gに含まれる物質の分子間の結合力が弱まるため、蒸気VPが、表面24Aに付着した異物Gと、表面24Aとの間に入り込み易くなり、異物Gが表面24Aに対して浮き易くなる。つまり、異物Gが除去され易くなる。これにより、蒸気VPを付与した後で清掃部36が表面24Aを清掃した場合、清掃部36によって除去される異物Gの量が増えるので、異物Gの除去性能を高めることができる。
このように、搬送部20によれば、グルーベルト24に作用する負荷を抑制することと、グルーベルト24の表面24Aにおける異物Gの除去性能を高めることとを両立することができる。
搬送部20によれば、冷却部44によって対象領域Sの少なくとも一部が冷却されることで、空気中の水分及び蒸気VPに含まれる水分の一部が、対象領域Sにおいて結露される。これにより、対象領域Sに水分が供給されることで、異物Gが覆われる等して、異物Gを除去し易くなるので、異物Gの除去性能を高めることができる。
搬送部20によれば、表面24Aの状態が、異物Gが多く付着する状態であった場合、制御部64が蒸気付与部26によって付与される蒸気VPの加熱量及び蒸気VPの蒸気量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。蒸気付与部26における加熱量を増加させることで、蒸気VPの温度が上昇し、蒸気VPの分子の運動エネルギーが増加する。温度が高い蒸気VPの分子の激しい熱運動によって、温度の低い異物Gに含まれる物質の分子の熱運動が激しくなり、異物Gに含まれる物質の分子間の結合力が弱まる。つまり、温度上昇された異物Gが軟化する。また、グルーベルト24への蒸気VPの供給量を増加させることで、異物Gが蒸気VPによって希釈され易くなる。このため、異物Gの除去性能をさらに高めることができる。
プリンター10によれば、搬送部20の作用と同様の作用により、異物Gを含む液体の飛散が抑制された状態で、異物Gを除去しやすい状態を作り出すことができる。つまり、飛散した異物Gを含む液体によってプリンター10の内部が汚損されることを抑制できる。
〔実施形態2〕
以下、実施形態2の搬送部70を具体的に説明する。尚、実施形態1のプリンター10及び搬送部20と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
図5に示されるように、搬送部70は、プリンター10において、搬送部20(図1)に換えて設けられる。プリンター10における搬送部70以外の構成は、実施形態1の構成と同様である。
搬送部70は、一例として、ベルトユニット21と、蒸気付与部26と、表面検知部42(図2)と、冷却部74と、清掃部76と、移動部62及び制御部64(図2)とを備える。搬送部70は、グルーベルト24を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部70は、装置本体部12(図1)に設けられる。
冷却部74は、一例として、グルーベルト24の内側において装置本体部12(図1)に固定される。冷却部74は、グルーベルト24の裏面24Bに対して、+R方向における蒸気付与部26よりも下流の位置から清掃部76の一部とZ方向に並ぶ位置まで接触される。冷却部74は、一例として、不図示のペルチェ素子及び電源を含んで構成される。
冷却部74は、ペルチェ素子に通電されることで、吸熱部分がグルーベルト24の裏面24Bから吸熱を行い、放熱部分が放熱を行う。これにより、グルーベルト24及びグルーベルト24の周囲の空間が冷却されるようになっている。冷却部74は、一例として、対象領域Sにおいて、後述する第2領域S3と、第1領域S1と第2領域S3との間の一部の領域とを冷却可能である。
X方向から見て、清掃部76により清掃される領域を第2領域S3とする。
清掃部76は、一例として、掻取部材78と、回収部86と、送風部88とを有する。
掻取部材78は、表面24Aに付着する異物G及び水滴Dを表面24Aから掻取る。
回収部86は、掻取部材78に掻取られた異物Gを回収する。
送風部88は、掻取部材78及び回収部86に向けて送風する。
図6に示されるように、掻取部材78は、一例として、Z方向に延びる直方体の+Z方向端部を斜めに切断した形状の部材である。掻取部材78は、斜面79を有する。斜面79は、掻取部材78の-Y方向の端部且つ+Z方向の端部から、+Y方向且つ-Z方向の位置に向けて延びる。
掻取部材78には、斜面79から-Z方向に窪んだ集約部82と、集約部82から-Z方向に延びる案内溝84とが設けられる。
集約部82は、底面82Aと、2つの側面82Bとを有する。
底面82Aは、掻取部材78の-Y方向の端部且つ+Z方向の端部から、+Y方向且つ-Z方向の位置に向けて延びる斜面である。底面82AのX-Y面に対する傾斜角度の大きさは、斜面79のX-Y面に対する傾斜角度の大きさより大きい。尚、底面82Aを曲面として構成してもよい。
底面82Aの外形は、-Z方向に見て、+Y方向に上底が位置し且つ-Z方向に下底が位置する台形状である。換言すると、底面82Aの+Y方向端部におけるX方向の幅は、底面82Aの-Y方向端部におけるX方向の幅より狭い。
底面82Aの+Y方向の端部には、Z方向に開放された開口83が形成される。
2つの側面82Bは、底面82AのX方向の両端から+Z方向に直立される。2つの側面82Bは、-Z方向に見て、底面82Aの台形の斜辺に位置する。2つの側面82Bの+Z方向の高さは、+Y方向に向かって高くなる。
このように、集約部82の形状は、+Y方向に向かうほど-Z方向に下がる傾斜を有する形状であり、且つ+Y方向に向かってZ方向の深さが深くなる形状である。さらに、集約部82の+Y方向端部は、+Y方向に解放されている。
案内溝84は、開口83から-Z方向に延びる。案内溝84は、開口83から掻取部材78の-Z方向の下端まで貫通されている。また、案内溝84は、+Y方向にも開口されている。案内溝84は、X方向に間隔をあけて複数設けられる。案内溝84は、異物G及び水滴Dが通過可能な大きさを有する。複数の案内溝84は、それぞれ異物Gを後述する回収部86(図5)に案内する案内部の一例である。
図5に示されるように、回収部86は、一例として、+Z方向に開口するトレイ87を有する。
トレイ87は、掻取部材78に対する-Z方向に位置する。トレイ87は、+Z方向に見て、掻取部材78を覆う大きさを有する。これにより、底面82Aから、掻取部材78の+Y方向の側面または案内溝84に沿って-Z方向に流れた異物G及び水滴Dは、掻取部材78から落下すると共にトレイ87に回収されるようになっている。
送風部88は、装置本体部12(図1)において、下面部25Cに対する-Z方向の位置に設けられる。送風部88は、不図示のエアーノズル及びコンプレッサーを含んで構成される。送風部88は、コンプレッサーによって送り込まれた空気を掻取部材78に向けて送風する。具体的には、送風部88は、複数の案内溝84に向けて送風する。換言すると、掻取部材78の少なくとも一部は、送風部88と回収部86との間において送風されるように構成される。
実施形態2の搬送部70の作用について説明する。尚、搬送部20(図1)と同様の構成及び作用については、説明を省略する。
図5に示されるように、蒸気VPが付与された部分は、グルーベルト24の移動に伴い、冷却部74と対向する位置に移動される。尚、異物Gの一部は、蒸気VPが作用することで、既に水滴Dにより覆われている。表面24Aの周囲に存在する蒸気VP及び空気中の水分は、冷却部74によって冷却される。これにより、蒸気VPが結露状態となり、異物Gが水滴Dで覆われる。
水滴Dで覆われた異物G、及び水滴Dで覆われていない異物Gは、掻取部材78によって掻取られることで、表面24Aから除去される。掻取られた異物G及び水滴Dは、自重の作用により、底面82Aに沿って+Y方向且つ-Z方向の位置へ流下する。このとき、異物G及び水滴Dは、集約部82によって案内されるため、掻取部材78からX方向の外側へ流れ出ることはない。そして、異物G及び水滴Dは、自重の作用及び送風部88から受ける送風の圧力の作用によって案内溝84を流下し、回収部86にて回収される。
以上、説明したように、搬送部70によれば、第1領域S1と第2領域S3との間では結露されにくく、第2領域S3において結露されることになる。そして、第2領域S3において結露した水分は、清掃部76によって回収される。これにより、第1領域S1と第2領域S3との間において、表面24Aから水滴Dが落下することを抑制できる。また、粘着剤の硬化が促進され、掻取部材78によってグルーベルト24が掻き取られる際に粘着剤の耐久性が向上する。なお、当該作用は、少なくとも実施形態1における洗浄ブラシ56によってグルーベルト24が掻き取られる場合にも有効である。すなわち、清掃部がグルーベルト24の表面24Aに接触する構成を含む場合において、粘着剤の耐久性が向上した状態でグルーベルト24の表面24Aを清掃できる。
搬送部70によれば、掻取部材78によって掻取られた異物Gは、案内溝84に沿って流下され回収部86に回収される。これにより、掻取部材78と表面24Aとの間に異物Gが滞留されにくくなるので、清掃部76による清掃性能の低下を抑制できる。
搬送部70によれば、掻取部材78に付着した異物Gは、送風部88による送風の圧力を受けることで回収部86に向けて移動され、回収部86に回収される。これにより、掻取部材78に付着した異物Gが、表面24Aに再度、付着することを抑制できる。
〔実施形態2の変形例〕
図7に示されるように、清掃部92は、実施形態2の清掃部76(図6)の変形例である。なお、清掃部76と同様の構成については、同じ符号を付与して図番の記載を省略する。
清掃部92は、一例として、掻取部材94と、回収部86と、吸引部96とを有する。
掻取部材94は、掻取部材78において、案内溝84の+Y方向端部が閉じられることで、複数の案内路95が形成された構成を有する。案内路95の形状は、Z方向に延びる角筒形状である。案内路95のZ方向の両端部は開口されている。
吸引部96は、ファン98及びファン98を回転させる不図示のモーターを含んで構成される。吸引部96は、ファン98の回転により案内路95の内部に生じる負圧を利用して、案内路95から回収部86に向けて異物G及び水滴D等の吸引を行う。このように、案内路95内の異物G及び水滴Dを、送風ではなく、吸引によって回収部86へ強制的に移動させてもよい。
〔実施形態3〕
以下、実施形態3の搬送部100を具体的に説明する。尚、実施形態1、2のプリンター10及び搬送部20、70と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
図8及び図9に示されるように、搬送部100は、プリンター10において、搬送部70(図5)に換えて設けられる。プリンター10における搬送部70以外の構成は、実施形態1、2の構成と同様である。
搬送部100は、一例として、ベルトユニット21と、蒸気付与部26と、表面検知部42(図9)と、冷却部74と、清掃部76と、移動部62及び制御部64(図9)と、気流発生部102と、加熱部104とを備える。搬送部100は、グルーベルト24を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部100は、装置本体部12(図1)に設けられる。
実施形態3の表面検知部42は、表面24Aに付着する水滴Dの量を画像解析によって検知可能に構成される。表面検知部42において得られる水滴Dの量は、実際の量ではなく、表面24Aの状態が異なる場合に相対的な比較が可能となる想定量である。
表面検知部42において得られる水滴Dの量は、制御部64において、蒸気付与部26による蒸気VPのグルーベルト24への供給量と関連付けされている。一例として、表面検知部42において得られる水滴Dの量が比較的多い場合、蒸気VPの供給量が多いことを意味する。また、表面検知部42において得られる水滴Dの量が比較的少ない場合、蒸気VPの供給量が少ないことを意味する。
尚、水滴Dの量と蒸気VPの供給量とを関連付ける場合分けは、上記のような2段階の場合分けに限らず、3段階以上の場合分けとしてもよい。
図8に示されるように、気流発生部102は、Z方向において、グルーベルト24に対する蒸気付与部26とは反対に位置する。気流発生部102は、グルーベルト24における表面24Aとは反対の裏面24Bに向けて気流を発生可能に構成される。
具体的には、気流発生部102は、一例として、X方向及びY方向に並ぶ複数の不図示のノズルと、複数のノズルへ送風する不図示のファンとを含んで構成される。複数のノズルは、裏面24Bに向けて開口する。このように、気流発生部102は、裏面24BのX方向の全体に対して気流F(図10)を発生可能となっている。
加熱部104は、Z方向において、グルーベルト24に対する蒸気付与部26とは反対に位置する。加熱部104は、裏面24Bと接触する。換言すると、加熱部104は、Z方向においてグルーベルト24と気流発生部102との間に位置する。
具体的には、加熱部104は、Z方向に所定の厚さを有し、X方向に延びる板状のヒーターとして構成される。加熱部104は、裏面24Bにおける気流Fが到達する到達領域E(図10)を加熱可能に構成される。
図9に示されるように、実施形態3の制御部64は、蒸気付与部26からの蒸気VPの発生量に応じて、気流発生部102における気流Fの発生量を調整する。また、制御部64は、気流Fの発生量に応じて、加熱部104における加熱の温度を制御する。
具体的には、制御部64は、表面検知部42において得られた水滴Dの想定量に基づいて、蒸気VPの発生量を予測する。そして、制御部64は、蒸気VPの発生量に応じて気流Fの発生量を調整する。例えば、蒸気VPの発生量が多い場合、気流Fの発生量を増加させる。逆に、蒸気VPの発生量が少ない場合、気流Fの発生量を減少させる。
さらに、制御部64は、一例として、気流Fの発生量が多い場合、加熱部104による加熱を行わせる。逆に、気流Fの発生量が少ない場合、加熱部104による加熱を停止させる。
このように、実施形態3の制御部64は、表面検知部42における検知情報に基づいて、気流発生部102及び加熱部104を制御可能に構成される。
実施形態3の搬送部100の作用について説明する。尚、既述の搬送部20、70と同様の構成及び作用については、説明を省略する。
図9及び図10に示されるように、表面24Aにおける蒸気VPが付与された部分は、表面検知部42により検知される。そして、制御部64において、蒸気VPの供給量が想定される。
制御部64は、一例として、蒸気VPの発生量が多い場合、気流発生部102における気流Fの発生量を増加させる。これにより、-Z方向に向けて流れる気流Fが、+Z方向に向けて流れる蒸気VPの上昇を抑制する。つまり、蒸気VPの拡散が抑制される。
さらに、制御部64は、気流Fの発生量が多い場合、加熱部104による加熱を行わせる。これにより、気流Fによって温度低下された蒸気VPの一部が、結露しにくい温度となるので、裏面24Bへの結露が抑制される。
以上、説明した通り、搬送部100によれば、蒸気付与部26から表面24Aに供給される蒸気VPの一部が、グルーベルト24の端部より外側を経由して裏面24Bに流れようとした場合、気流発生部102において発生した気流Fが、蒸気VPの一部を表面24A側の領域に押し戻す。ここで、蒸気付与部26からの蒸気VPの発生量が多い場合、気流発生部102における気流Fの発生量を増加させる制御が可能となるので、蒸気VPの一部が裏面24B側の領域を経由して他の部位に拡散することを抑制できる。
搬送部100によれば、気流Fによる温度低下の作用によって結露が生じ易い構成であっても、加熱部104によって到達領域Eが加熱されることで、裏面24Bに結露が生じることを抑制できる。
〔実施形態4〕
以下、実施形態4の搬送部110を具体的に説明する。尚、実施形態1、2、3のプリンター10及び搬送部20、70、100と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
図11に示されるように、搬送部110は、プリンター10において、搬送部100(図9)に換えて設けられる。プリンター10における搬送部100以外の構成は、実施形態1、2、3の構成と同様である。
搬送部110は、一例として、ベルトユニット21(図8)と、蒸気付与部26と、速度測定部112と、冷却部74と、清掃部76と、移動部62と、制御部64と、気流発生部102と、加熱部104とを備える。搬送部110は、グルーベルト24(図8)を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部110は、装置本体部12(図1)に設けられる。
速度測定部112は、一例として、グルーベルト24の移動量を検出する不図示のエンコーダーを含んで構成される。エンコーダーは、例えば、従動ローラー23(図1)の回転量を光学的または磁気的に検出するロータリーエンコーダーであってもよい。また、速度測定部112は、グルーベルト24の移動速度として、単位時間当たりのベルト移動量である平均速度を測定可能である。
制御部64は、速度測定部112において得られたグルーベルト24の移動速度に応じて、蒸気付与部26の動作を制御する。
具体的には、制御部64は、グルーベルト24の移動速度が設定速度V1〔m/s〕である場合、ヒーター32(図8)による水Wの加熱温度が通常の設定温度T1となるように、ヒーター32を発熱させる構成とされている。これにより、蒸気VPが所定温度となる。また、制御部64は、グルーベルト24の移動速度が設定速度V1〔m/s〕である場合、蒸気VPが通過可能な孔部34Aの数(または、開口面積)が通常の設定数n1(または、設定面積S1)となるように、不図示のシャッター部材をX方向にスライドさせる構成とされている。これにより、蒸気VPが所定量得られる。
また、制御部64は、グルーベルト24の移動速度が設定速度V1よりも高速である場合、ヒーター32による水Wの加熱温度が通常の設定温度T1〔K〕よりも高い温度T2〔K〕となるように、ヒーター32を発熱させる構成とされている。これにより、所定よりも温度の高い蒸気VPが得られる。また、制御部64は、グルーベルト24の移動速度が設定速度V1よりも高速である場合、蒸気VPが通過可能な孔部34Aの数(または、開口面積)が通常の設定数n1(または、設定面積S1)よりも多い数n2(または、大きい面積S2)となるように、不図示のシャッター部材をX方向にスライドさせる構成とされている。これにより、所定量よりも多い蒸気VPが得られる。
尚、設定速度V1、設定温度T1及び温度T2、設定数n1、n2(設定面積S1、S2)の図示は省略する。
実施形態4の搬送部110の作用について説明する。尚、既述の搬送部20、70、100と同様の構成及び作用については、説明を省略する。
搬送部110によれば、グルーベルト24の移動速度が設定速度V1よりも上がった場合、制御部64が蒸気付与部26によって付与される蒸気VPの加熱量及び蒸気VPの供給量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。これにより、蒸気VPが表面24Aに付与される時間が短くなっても、異物Gの除去に必要な温度の蒸気VP、及び異物Gの除去に必要な量の蒸気VPの少なくとも一方を表面24Aに付与できるので、異物Gの除去性能の低下を抑制できる。
〔実施形態5〕
以下、実施形態5の搬送部116を具体的に説明する。尚、実施形態1、2、3、4のプリンター10及び搬送部20、70、100、110と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
図12に示されるように、搬送部116は、プリンター10において、搬送部100(図9)に換えて設けられる。プリンター10における搬送部100以外の構成は、実施形態1、2、3、4の構成と同様である。
搬送部116は、一例として、ベルトユニット21(図8)と、蒸気付与部26と、冷却部74と、清掃部76と、移動部62と、制御部64と、気流発生部102と、加熱部104とを備える。搬送部116は、グルーベルト24(図8)を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部116は、装置本体部12(図1)に設けられる。
制御部64は、媒体Mに記録される画像のデューティーに応じて、蒸気付与部26の動作を制御する。
尚、デューティーとは、記録部16が媒体Mに対してインクKを吐出する際の単位面積当たりの吐出量を示す平均吐出量を、最大値100%として表される値である。デューティーの値は、媒体Mの記録に用いられる記録データを、制御部64が解析することで取得される。
具体的には、制御部64は、媒体Mに対する記録におけるデューティーが、予め設定された閾値より大きい場合、ヒーター32(図8)による水Wの加熱温度が通常の設定温度T1〔K〕よりも高い温度T2〔K〕となるように、ヒーター32を発熱させる構成とされている。これにより、所定よりも温度の高い蒸気VPが得られる。また、制御部64は、媒体Mに対する記録におけるデューティーが、予め設定された閾値より大きい場合、蒸気VPが通過可能な孔部34Aの数(または、開口面積)が通常の設定数n1(または、設定面積S1)よりも多い数n2(または、大きい面積S2)となるように、不図示のシャッター部材をX方向にスライドさせる構成とされている。これにより、所定量よりも多い蒸気VPが得られる。また、制御部64は、媒体Mに対する記録におけるデューティーが、予め設定された閾値より小さい場合、ヒーター32による水Wの加熱温度が通常の設定温度T1〔K〕よりも低い温度T0〔K〕となるように、ヒーター32を発熱させる構成とされている。これにより、所定よりも温度の低い蒸気VPが得られる。また、制御部64は、媒体Mに対する記録におけるデューティーが、予め設定された閾値より小さい場合、蒸気VPが通過可能な孔部34Aの数(または、開口面積)が通常の設定数n1(または、設定面積S1)よりも少ない数n0(または、小さい面積S0)となるように、不図示のシャッター部材をX方向にスライドさせる構成とされている。これにより、所定量よりも少ない蒸気VPが得られる。
尚、設定温度T1及び温度T2、T0、設定数n1、数n2、n0(設定面積S1、面積S2、S0)の図示は省略する。
実施形態5の搬送部116の作用について説明する。尚、既述の搬送部20、70、100、110と同様の構成及び作用については、説明を省略する。
画像のデューティーが大きい場合、記録に用いられるインクKの使用量が増えるため、表面24Aに付着する異物Gの量が増える可能性がある。
搬送部116によれば、表面24Aの状態が、異物Gが多く付着する状態であった場合、制御部64が蒸気付与部26によって付与される蒸気VPの加熱量及び蒸気VPの供給量の少なくとも一方を増加させる制御を行うことが可能となる。蒸気付与部26における蒸気VPの加熱量を増加させることで、温度上昇された異物Gが軟化する。また、蒸気付与部26における蒸気VPの供給量を増加させることで、異物Gが蒸気VPによって希釈され易くなる。このため、異物Gの除去性能をさらに高めることができる。
また、蒸気VPが表面24Aに付与される時間が短くなっても、異物Gの除去に必要な温度の蒸気VP、及び異物Gの除去に必要な量の蒸気VPの少なくとも一方を表面24Aに付与できるので、異物Gの除去性能の低下を抑制できる。
〔他の変形例〕
本発明の実施形態1、2、3、4、5に係る搬送部20、70、100、110、120及びプリンター10は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更、省略、組合せ等を行うことも勿論可能である。以下、他の変形例について説明する。同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
<他の変形例1>
図13に示されるように、搬送部120は、プリンター10において、搬送部100(図9)に換えて設けられる。プリンター10における搬送部100以外の構成は、実施形態1、2、3、4、5の構成と同様である。
搬送部120は、一例として、ベルトユニット21(図8)と、蒸気付与部26と、冷却部74と、清掃部76と、移動部62と、制御部64と、気流発生部102と、加熱部104とを備える。搬送部120は、グルーベルト24(図8)を移動させることで媒体Mを搬送する搬送装置の一例である。搬送部120は、装置本体部12(図1)に設けられる。
搬送部120は、蒸気付与部26(図2)において、ベースプレート34(図3)に代えて吐出部122が設けられる構成とされてもよい。
吐出部122は、蒸気付与部26に設けられ蒸気VPを吐出してもよい。吐出部122は、一例として、不図示の複数のノズルによって構成されてもよい。複数のノズルは、流量を調整可能であってもよい。つまり、吐出部122から吐出される蒸気VPの吐出量は、調整可能であってもよい。
例えば、表面検知部42(図2)における検知情報や、速度測定部112(図11)において得られたグルーベルト24の移動速度、媒体Mに記録される画像のデューティーに応じて、吐出部122から吐出される蒸気VPの吐出量を調整可能に構成されていてもよい。
<他の変形例2>
図14に示されるように、清掃部130を構成してもよい。清掃部130は、清掃部46(図4)において、洗浄ブラシ56を清掃する清掃ブラシ132が追加された構成を有する。
清掃ブラシ132は、不図示のリニアスライダによって、X方向の往復移動が可能である。清掃ブラシ132は、半円筒の基部133と、ブラシ134とを有する。
基部133は、X方向から見て、半円状に形成される。基部133は、洗浄ブラシ56の外周におけるZ方向の中央よりも-Z方向の部分に対して、径方向の外側に位置する。基部133は、洗浄ブラシ56と対向する内周面133Aを有する。
ブラシ134は、内周面133Aから軸部57の中心に向けて延びる複数の毛部134Aから成る。ブラシ134の長さは、洗浄ブラシ56と接触可能な長さに設定される。
清掃ブラシ132は、洗浄ブラシ56の回転に伴って、既述のリニアスライダによってX方向に往復移動されることで、洗浄ブラシ56に付着している異物G等を清掃する。
<他の変形例3>
図15に示されるように、蒸気付与部136を構成してもよい。
蒸気付与部136は、蒸気付与部26(図3)において、ベースプレート34に代えてベースプレート138が設けられる。ベースプレート138は、Z方向に所定の厚さを有する板状に形成される。尚、グルーベルト24のY方向の中央を通りZ方向に延びる線を仮想線Cとする。
ベースプレート138は、貯留槽28の内部において、上壁29に対する-Z方向に位置する。また、ベースプレート138は、X方向にスライド可能である。ベースプレート138には、複数の孔部138Aが設けられる。
X方向から見て、複数の孔部138Aは、仮想線Cに対して線対称に設けられる。また、複数の孔部138Aは、それぞれ仮想線Cに向かうように、Z方向に対して交差する斜め方向にベースプレート138を貫通している。孔部138Aの大きさは、蒸気VPが通過可能な大きさである。
このように、複数の孔部138Aを仮想線Cに向けた構成とすることで、蒸気VPをグルーベルト24の中央に向けて集約させてもよい。
<他の変形例4>
図16に示されるように、プリンター10において、グルーベルト24の周方向の一部と蒸気付与部26とを覆うカバー部材142を設けてもよい。
カバー部材142は、中空の直方体として構成される。カバー部材142には、Y方向に貫通する入口143及び出口144が設けられる。グルーベルト24は、入口143からカバー部材142の内部に進入され、出口144を通ってカバー部材142の外側へ進出される。
蒸気付与部26は、カバー部材142の内部且つ底部に配置される。カバー部材142の底部は、一例として閉じられている。
このように、グルーベルト24及び蒸気付与部26の周囲をカバー部材142で覆うことにより、蒸気VPの飛散が抑制されると共に、グルーベルト24に付与される蒸気VPの量を確保できる。
媒体Mの例としては、布帛、用紙以外に、例えばフィルムがある。媒体Mの搬送の位置合わせ方式としては、X方向の中央位置を基準とするセンターレジスト方式、X方向の一端の位置を基準とするサイドレジスト方式のいずれでもよい。
記録部16は、記録ヘッド17のようにシリアル方式で記録を行うものに限らず、ラインヘッド方式で記録を行うものでもよい。
搬送ベルトは、グルーベルト24に限らず、電圧印加により生じる静電気力を用いた静電吸着方式、コンプレッサーを用いた真空吸引方式、複数の微小な突起を用いた分子間力方式等、種々の吸着力発現機構を利用したベルトを使用可能である。
洗浄ブラシ52に代えて、清掃部材としてスポンジローラーを用いてもよい。
搬送部20は、冷却部44を備えていないものであってもよい。また、搬送部20において、表面検知部42を用いずに、例えば、搬送部20の使用時間が長くなるほど、蒸気VPの量が多くなるように、蒸気付与部26を制御してもよい。あるいは、蒸気付与部26からグルーベルト24に付与される蒸気VPの量を制御しない構成としてもよい。
搬送部70は、掻取部材78が無いものであってもよい。また、搬送部70は、送風部88を備えていなくてもよい。
搬送部100は、加熱部104を備えていなくてもよい。あるいは、搬送部100は、加熱部104を備えて、気流発生部102を備えていないものであってもよい。
蒸気付与部26に代えて、丸ボイラー(炉筒ボイラー、煙管ボイラー、炉筒煙管ボイラー、立てボイラー)、水管ボイラー(自然循環式水管ボイラー、強制循環式水管ボイラー、貫流ボイラー)、特殊ボイラー(鋳鉄製ボイラー、廃熱、特殊燃料ボイラー、特殊流体ボイラー)等を用いてもよい。
蒸気付与部26における複数の孔部34Aは、開口面積または開口の有無を個別に制御可能に構成されてもよい。
グルーベルト24の表面24Aの表面エネルギーを調整する薬液を塗ってもよい。
水W以外の洗剤が含まれる洗浄液を蒸気VPとして付与してもよい。
冷却部44において、水滴Dや異物Gを回収するための部材を設けてもよい。
洗浄ブラシ56は、上記の実施形態における回転方向とは逆の方向に回転してもよい。
冷却部44において、冷却のために送風する方向は、蒸気付与部26から離れる方向とすることが好ましい。
グルーベルト24の移動方向において、蒸気付与部26よりも上流から蒸気付与部26及び冷却部44に向けて送風してもよい。
メンテナンスモードにおいて、グルーベルト24の移動速度を記録モードにおける移動速度よりも低下させ、且つ記録モードよりも蒸気VPの加熱量や供給量、発生量を少なくして、グルーベルト24の清掃を行ってもよい。この構成において、記録モードにおいて、グルーベルト24の移動速度をメンテナンスモードにおける移動速度よりも上げると共に、メンテナンスモードよりも蒸気VPの加熱量や供給量、発生量を多くして、グルーベルト24の清掃を行ってもよい。
1…工場、2…床部、10…プリンター、12…装置本体部、14…本体カバー、
15…操作部、16…記録部、17…記録ヘッド、18…キャリッジ、20…搬送部、
21…ベルトユニット、22…駆動ローラー、23…従動ローラー、24…グルーベルト、
24A…表面、24B…裏面、25A…上面部、25B…曲面部、25C…下面部、
26…蒸気付与部、28…貯留槽、29…上壁、29A…開口部、32…ヒーター、
34…ベースプレート、34A…孔部、36…清掃部、37…供給パイプ、
38…供給ポンプ、39…加圧パイプ、41…コンプレッサー、42…表面検知部、
44…冷却部、46…清掃部、47…室部、48…回収槽、48A…底壁、
48B…前壁、48C…後壁、48D…側壁、49…区画壁、51…縦壁部、
52…洗浄ブラシ、52A…空間部、52B…空間部、53…空間部、
54…ゴムブレード、55…傾斜面、56…洗浄ブラシ、56A…軸部、
56B…ブラシ部、57…軸部、58…エアーノズル、62…移動部、64…制御部、
66…CPU、68…メモリー、70…搬送部、74…冷却部、76…清掃部、
78…掻取部材、79…斜面、82…集約部、82A…底面、82B…側面、
83…開口、84…案内溝、86…回収部、87…トレイ、88…送風部、
92…清掃部、94…掻取部材、95…案内路、96…吸引部、98…ファン、
100…搬送部、102…気流発生部、104…加熱部、110…搬送部、
112…速度測定部、116…搬送部、120…搬送部、122…吐出部、
130…清掃部、132…清掃ブラシ、133…基部、133A…内周面、
134…ブラシ、134A…毛部、136…蒸気付与部、138…ベースプレート、
138A…孔部、142…カバー部材、143…入口、144…出口、C…仮想線、
D…水滴、E…到達領域、F…気流、G…異物、K…インク、M…媒体、S…対象領域、
S1…第1領域、S2…第2領域、S3…第2領域、T1…設定温度、T2…温度、
V1…設定速度、VP…蒸気、W…水

Claims (11)

  1. 搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置であって、
    前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、
    前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、
    を備える、
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記表面において、前記蒸気が付与される第1領域から前記清掃部により清掃される第2領域までを対象領域として、
    前記対象領域の少なくとも一部を冷却する冷却部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記冷却部は、前記第2領域を冷却する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
  4. 前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記表面の状態に応じて前記蒸気付与部の動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
  5. 前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記搬送ベルトの移動速度に応じて前記蒸気付与部の動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
  6. 前記媒体は、画像が記録される記録媒体であり、
    前記蒸気付与部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記画像のデューティーに応じて前記蒸気付与部の動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
  7. 前記搬送ベルトにおける前記表面とは反対の裏面に向けて気流を発生させる気流発生部を備え、
    前記制御部は、前記蒸気付与部からの前記蒸気の発生量に応じて、前記気流発生部における前記気流の発生量を調整する、
    ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の搬送装置。
  8. 前記裏面における前記気流が到達する到達領域を加熱する加熱部を備え、
    前記制御部は、前記気流の発生量に応じて、前記加熱部における加熱の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。
  9. 前記清掃部は、
    前記表面に付着する異物を前記表面に接触しながら掻取る掻取部材と、
    前記掻取部材に掻取られた前記異物を回収する回収部と、
    を有し、
    前記掻取部材には、前記異物を前記回収部に案内する案内部が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の搬送装置。
  10. 前記清掃部は、前記回収部に向けて送風する送風部を有し、
    前記掻取部材の少なくとも一部は、前記送風部と前記回収部との間において送風される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の搬送装置。
  11. 搬送ベルトを移動させることで媒体を搬送する搬送装置と、移動する前記媒体に記録する記録部とを備える印刷装置であって、
    前記搬送装置は、
    前記媒体から離れた前記搬送ベルトの表面に、加熱された蒸気を付与する蒸気付与部と、
    前記蒸気付与部によって前記蒸気が付与された前記表面を清掃する清掃部と、
    を備える、
    ことを特徴とする前記印刷装置。
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