JP2023122952A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決手段】処理槽10内に基板Wが存在している状態で処理槽10に処理液のアップフローを行う処理液供給工程では、処理槽10内の上側位置に基板Wが保持される。一方、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する浸漬処理工程では、処理槽10内の下側位置に基板Wが保持される。温処理液中に基板Wを浸漬するときには、基板Wの保持位置を低くして処理液の液面から基板Wまでの距離である液深を大きくしているため、浸漬処理中に水分の蒸発によって温処理液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの処理液からの露出を確実に防止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、処理槽内で基板に対して処理液によるエッチング等の表面処理を行う基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、例えば、半導体基板、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などに用いるflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
従来より、半導体装置の製造工程では、半導体基板(以下、単に「基板」と称する)に対して種々の処理を行う基板処理装置が用いられている。そのような基板処理装置の1つとして、単一の処理槽の中で複数の基板に対して薬液による薬液処理と純水によるリンス処理とを順次に行う、いわゆるワンバス方式の基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ワンバス方式の基板処理装置は、典型的には処理槽に貯留された薬液中に複数の基板を一括して浸漬し、処理槽の底部から薬液を供給しつつ処理槽の上部から薬液をオーバーフローさせることにより、基板に対してエッチング処理等の薬液処理を行う。また、ワンバス方式の基板処理装置は、所定時間の薬液処理が終了すると、処理槽の底部から純水を供給しつつ処理槽の上部から液体をオーバーフローさせることにより、処理槽の内部の液体を薬液から純水に徐々に置換する。そして、純水に置換された後の処理槽の内部において、基板に対して純水によるリンス処理を行う。ワンバス方式の基板処理装置においては、処理槽からオーバーフローさせた処理液は基本的には廃棄される。
一方、近年は持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みも注目されており、廃棄される処理液をなるべく低減することが求められている。このような要求に応えるべく、より少量の処理液で基板処理が可能な処理槽が開発されている。具体的には、処理槽の長さおよび深さの寸法を短くして槽容量を約5%削減した処理槽が用いられている。
特開2010-232244号公報
このような容量を削減した処理槽では、処理槽の寸法が小さくなっているため、処理槽の底面と基板との間隔が従来よりも狭くなり、処理液の流れが偏ることがあった。その結果、基板に対するエッチング特性等が不均一になることがある。これを解決するためには、処理槽内における基板の保持位置を高くして、処理槽の底面と基板との間隔を従来と同程度にすることが考えられる。しかし、処理槽内における基板の保持位置を高くすると、処理液の液面から基板の上端部が露出するおそれがあるという問題が生じる。特に、ワンバス方式の基板処理装置においては、加熱された温処理液中に基板を浸漬する処理を行うことがある。そのような処理中には温処理液から水分が盛んに蒸発するために液面が次第に低くなるため、処理液の液面から基板の上端部が露出しやすくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法において、前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、を備え、前記処理液供給工程では前記処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持され、前記浸漬処理工程では前記処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、前記第2の高さ位置は前記第1の高さ位置よりも低いことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法において、前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、を備え、前記浸漬処理工程を実行するときには、前記処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深を標準値よりも大きくすることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法において、前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、を備え、レシピにて前記浸漬処理工程を実行する指示が検出されたときには、前記処理槽内における基板の保持位置を下降させることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記処理液供給工程では、前記処理槽の底部に配置されたノズル管から上方に向けて処理液を吐出することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る基板処理方法において、前記処理液供給工程では、前記ノズル管から第1の処理液を吐出して前記処理槽に貯留されている第2の処理液を第1の処理液に置換することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る基板処理方法において、前記浸漬処理工程では、前記ノズル管からの処理液の吐出が停止されていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記温処理液の温度は30℃以上85℃以下であることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置において、前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、前記昇降部の動作を制御する制御部と、を備え、前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理液供給部が前記処理槽に処理液を供給するときには前記処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持されるとともに、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには前記処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、前記制御部は、前記第2の高さ位置が前記第1の高さ位置よりも低くなるように前記昇降部を制御することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置において、前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、前記昇降部の動作を制御する制御部と、を備え、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには、前記処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深が標準値よりも大きくなるように前記制御部が前記昇降部を制御することを特徴とする。
また、請求項10の発明は、処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置において、前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、前記昇降部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する工程を実行する指示をレシピに検出したときには、前記処理槽内における基板の保持位置が下降するように前記昇降部を制御することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項8から請求項10のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記処理液供給部は、前記処理槽の底部に配置されて上方に向けて処理液を吐出するノズル管を有することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項8から請求項11のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記温処理液の温度は30℃以上85℃以下であることを特徴とする。
請求項1および請求項4~7の発明によれば、処理液供給工程では処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持され、浸漬処理工程では処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、第2の高さ位置は第1の高さ位置よりも低いため、浸漬処理工程で水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
請求項2の発明によれば、浸漬処理工程を実行するときには、処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深を標準値よりも大きくするため、浸漬処理工程で水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
請求項3の発明によれば、レシピにて浸漬処理工程を実行する指示が検出されたときには、処理槽内における基板の保持位置を下降させるため、浸漬処理工程で水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
請求項8および請求項11,12の発明によれば、処理槽内に基板が存在している状態で処理液供給部が処理槽に処理液を供給するときには処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持されるとともに、処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、第2の高さ位置は第1の高さ位置よりも低いため、浸漬処理時に水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
請求項9の発明によれば、処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには、処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深を標準値よりも大きくするため、浸漬処理時に水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
請求項10の発明によれば、制御部は、処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する工程を実行する指示をレシピに検出したときには、処理槽内における基板の保持位置が下降するように昇降部を制御するため、浸漬処理時に水分の蒸発によって温処理液の液面が多少低下したとしても基板が温処理液から露出することはなく、温処理液による基板の浸漬処理中にも基板の露出を確実に防止することができる。
本発明に係る基板処理装置の構成を示す図である。 第1実施形態の基板処理装置における処理手順を示すフローチャートである。 処理槽の内槽に処理液が貯留された状態を模式的に示す図である。 基板が処理槽内の上側位置に保持された状態を模式的に示す図である。 基板が処理槽内の下側位置に保持された状態を模式的に示す図である。 基板のシャワーリンスが行われる様子を模式的に示す図である。 第2実施形態の基板の処理手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の基板の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る基板処理装置1の構成を示す図である。基板処理装置1は、複数枚の半導体ウェハーなどの基板Wに対して一括して処理液による表面処理を行うバッチ式の基板処理装置である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
基板処理装置1は、1つの処理槽10の中で複数枚の基板Wに対して薬液を用いた薬液処理と純水によるリンス処理とを順次に行う、いわゆるワンバス方式の基板処理装置である。上記の薬液としては、例えば、エッチング処理を行うための液、または、パーティクルを除去するための液などが含まれ、具体的には、SC-1液(水酸化アンモニウムと過酸化水素水と純水との混合溶液)、SC-2液(塩酸と過酸化水素水と純水との混合溶液)、または、フッ酸などが用いられる。薬液は、純水によって希釈されたものも含む。また、本明細書では各種の薬液および純水を総称して「処理液」とする。
図1に示すように、基板処理装置1は、主として、処理液を貯留する処理槽10と、複数枚の基板(以下、単に「基板」とする)Wを保持して上下に昇降するリフタ20と、処理槽10に処理液を供給する処理液供給部30と、処理槽10から処理液を回収する処理液回収部40と、処理槽10を内部に収容するチャンバ50と、チャンバ50の内部に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部60と、装置内の各部の動作を制御する制御部70とを備える。
処理槽10は、石英等の耐薬性の材料により構成された貯留容器である。処理槽10は、各種処理液を順次に貯留してその内部に基板Wを浸漬させる内槽11と、内槽11の上端外周部に形成された外槽12とを有している。
内槽11の底部には、内槽11の内部に処理液を吐出する一対のノズル管13a,13bが配置されている。各ノズル管13a,13bは長尺円筒形状の管状部材である。各ノズル管13a,13bには、長手方向に沿って等間隔で複数の吐出口(図示省略)が形設されている。ノズル管13a,13bに供給された処理液は、それら複数の吐出口から内槽11内に吐出されて内槽11の内部に貯留される。ノズル管13a,13bは、処理槽10内に保持される基板Wに向けて、つまり斜め上方に向けて処理液を吐出する。内槽11の内部に処理液が貯留されている状態でノズル管13a,13bから処理液が吐出されると、内槽11内に上方へと向かう処理液の流れが形成される(アップフロー)。また、内槽11の上端まで処理液が貯留されている状態でノズル管13a,13bから処理液が吐出されると、内槽11の上部から処理液が溢れて外槽12へとオーバーフローする。
また、内槽11の上方には、内槽11の内部に向けて処理液を吐出する一対のシャワーノズル14a,14bが設けられている。シャワーノズル14a,14bも、上記のノズル管13a,13bと同様に、長尺円筒形状の管状部材である。各シャワーノズル14a,14bには、長手方向に沿って等間隔で複数の吐出口(図示省略)が形設されている。シャワーノズル14a,14bに供給された処理液は、それら複数の吐出口から内槽11の内部に向けて吐出される。シャワーノズル14a,14bは、処理槽10内に保持される基板Wに向けて、つまり斜め下方に向けて処理液を吐出する。
また、内槽11の内部には、処理液の比抵抗値を計測する比抵抗計15が設置されている。比抵抗計15は、一対の金属電極を有しており、処理液に浸漬された金属電極間の電気抵抗を計測することにより、処理液の比抵抗値を計測する。比抵抗計15は、処理槽10内を薬液から純水に置換する際に、処理槽10の内部に貯留された処理液の比抵抗値を計測し、取得された比抵抗値の情報を制御部70に送信する。なお、比抵抗計15は、金属電極中に温度センサを内蔵し、所定温度における比抵抗値の換算値を制御部70に送信するものであってもよい。
本実施形態の処理槽10は、消費する処理液量を削減するため、従来より使用されている典型的な処理槽よりも槽容量が少ない。具体的には、内槽11の上端から底面までの深さが小さくなっているとともに、図1の紙面と直交する方向の内槽11の長さも短くなっている。これにより、処理槽10は、従来より使用されている典型的な処理槽(以下、「従来槽」とする)よりも槽容量を約5%少なくすることができている。
リフタ20は、チャンバ50の内部において基板Wを保持しつつ上下に搬送するための搬送機構である。リフタ20は、図1において紙面と直交する方向にのびる3本の保持棒21を有しており、各保持棒21には複数(例えば、50個)の保持溝が刻設されている。基板Wは、その周縁部を保持溝に嵌合させた状態で3本の保持棒21上に互いに平行に起立姿勢(主面の法線が水平方向となる姿勢)で保持される。また、リフタ20は、図1において概念的に示した駆動機構22と接続されている。駆動機構22を動作させるとリフタ20は上下に移動し、基板Wは矢印AR1にて示すように、処理槽10の内部の浸漬位置(図1の状態)と、処理槽10の上方の引き上げ位置との間で昇降移動される。また、リフタ20は、上下に微小移動することによって、処理槽10内における基板Wの保持位置を昇降させる昇降部としても機能する。
処理液供給部30は、ノズル管13a,13bおよびシャワーノズル14a,14bのそれぞれへ処理液を供給するための配管系である。図1に示すように、処理液供給部30は、純水供給源31、薬液供給源37、ミキシングバルブ32、ヒータ33、配管35a,35b,36、および、バルブ39a,39b等を組み合わせて構成されている。純水供給源31には、配管36の基端側が接続されている。配管36の先端側は配管35aおよび配管35bの二叉に分岐される。配管35aの先端側はさらに二叉に分岐して一対のノズル管13a,13bにそれぞれ接続されている。配管35aの経路途中には、バルブ39a、ミキシングバルブ32およびヒータ33が介挿されている。一方、配管35bの先端側は二叉に分岐して一対のシャワーノズル14a,14bにそれぞれ接続されている。配管35bの経路途中には、バルブ39bが介挿されている。
ミキシングバルブ32には、純水を送給する配管35aが接続されるとともに、バルブ38を介して1以上の薬液供給源37が接続されている。1以上の薬液供給源37は、例えば、水酸化アンモニウムの供給源、塩酸の供給源、過酸化水素水の供給源、フッ酸の供給源等を含む。バルブ39aおよび選択されたバルブ38を開放すると、純水供給源31から供給される純水と薬液供給源37(当該選択されたバルブ38に対応する薬液供給源37)から供給される薬液とがミキシングバルブ32において所定の比率で混合される。これにより処理液として用いられる、純水により希釈された薬液が生成される。ミキシングバルブ32にて生成された処理用の薬液は、配管35aを流れて一対のノズル管13a,13bに供給され、ノズル管13a,13bの複数の吐出口から処理槽10へと供給される。なお、薬液生成時に選択されるバルブ38は2以上であっても良い。例えば、塩酸の供給源および過酸化水素水の供給源に対応する2つのバルブ38が選択されて開放されると、ミキシングバルブ32では塩酸と過酸化水素水と純水とが混合されてSC-2液が生成される。
一方、全てのバルブ38を閉止するとともにバルブ39aのみを開放すると、ミキシングバルブ32における混合は行われず、純水供給源31から供給された純水はそのままミキシングバルブ32を通過して配管35aを流れて一対のノズル管13a,13bに供給される。この場合、ノズル管13a,13bの複数の吐出口からは純水が処理槽10に供給される。
また、ヒータ33は、制御部70の制御により、配管35aを流れる処理液を加熱することができる。ミキシングバルブ32にて生成された薬液が配管35aを流れているときにヒータ33がその薬液を加熱すると、ノズル管13a,13bから処理槽10に加熱された温薬液が供給されることとなる。一方、ミキシングバルブ32での混合が行われずに純水が配管35aを流れているときにヒータ33がその純水を加熱すると、ノズル管13a,13bから処理槽10に加熱された温純水が供給されることとなる。本明細書では、温薬液および温純水を総称して「温処理液」とする。
また、バルブ39bを開放すると、純水供給源31から供給された純水は配管35bを流れて一対のシャワーノズル14a,14bに供給され、シャワーノズル14a,14bの複数の吐出口から処理槽10に吐出される。なお、バルブ39aとバルブ39bとはいずれか一方が択一的に開放されることに限定されるものではなく、それらが同時に開放されても良い。
処理液回収部40は、処理槽10から処理液を回収し、回収した処理液を排出させるための配管系である。図1に示すように、処理液回収部40は、配管41,42,43と、バルブ44,45とを備えている。
配管41の先端側は外槽12に接続されている。一方、配管42の先端側は内槽11の底部に接続されている。配管41および配管42はそれらの基端側で合流して配管43に接続されている。配管41の経路途中にはバルブ44が介挿されている。配管42の経路途中にはバルブ45が介挿されている。配管43の基端側は、基板処理装置1が設置される工場の排液設備に接続されている。
このような処理液回収部40において、バルブ44を開放すると、内槽11からオーバーフローして外槽12に流れ込んだ処理液は配管41に回収されて配管43を通って排液設備へと排出される。また、バルブ45を開放すると、内槽11内に貯留されていた処理液が配管42に急速排出され、配管43を通って排液設備へと排出される。
チャンバ50は、気密性の材料により構成された筐体である。チャンバ50の内部は、基板Wの処理を行うための処理空間となっており、処理空間に処理槽10が配置されている。チャンバ50の上部には、基板Wを搬入または搬出させるための開口部51が形成されている。開口部51は、スライド式の蓋部52によって閉鎖および開放される。開口部51が開放されたときには、開口部51を介して基板Wを搬入・搬出することができ、また、開口部51が閉鎖されたときには、チャンバ50の内部の処理空間を外部から隔離された密閉空間とすることができる。なお、スライド式の蓋部52は、図1において概念的に示した駆動機構53によりスライド移動する。
チャンバ50の内部において処理槽10の上方には、チャンバ50の内部に窒素ガスを吐出する一対の窒素ガスノズル54a,54bが配置されている。各窒素ガスノズル54a,54bには、複数の吐出口(図示省略)が形成されている。このため、窒素ガスノズル54a,54bに窒素ガスが供給されると、窒素ガスが窒素ガスノズル54a,54bの複数の吐出口からチャンバ50の内部に向けて吐出される。また、チャンバ50の底部付近には、排気用の配管55が接続されている。配管55の経路途中にはバルブ56が介挿されており、配管55の下流側は工場内の排気設備に接続されている。このため、バルブ56を開放することにより、チャンバ50の内部の気体を、配管55を介して排気設備へ排出することができる。
窒素ガス供給部60は、不活性ガスである窒素ガスを窒素ガスノズル54a,54bに供給するための配管系である。図1に示すように、窒素ガス供給部60は、窒素ガス供給源61と、配管62と、バルブ63とを有している。配管62の基端側は窒素ガス供給源61に接続されており、配管62の経路途中にはバルブ63が介挿されている。また、配管62の先端側は2本に分岐して一対の窒素ガスノズル54a,54bにそれぞれ接続されている。このため、バルブ63を開放すると、窒素ガス供給源61から配管62を通って一対の窒素ガスノズル54a,54bへ窒素ガスが供給され、窒素ガスノズル54a,54bの複数の吐出口からチャンバ50の内部へ窒素ガスが吐出される。
制御部70は、基板処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部70のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部70は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく記憶部(例えば、磁気ディスク)を備えている。制御部70は、リフタ20の駆動機構22やバルブ39a,39b等と電気的に接続されている。
また、制御部70の記憶部には、基板Wを処理する手順および条件を定めたレシピ(以下「処理レシピ」という)が記憶されている。処理レシピは、例えば、装置のオペレータが、後述する入力部72を介して入力して記憶部に記憶させることによって、基板処理装置1に取得される。或いは、複数の基板処理装置1を管理するホストコンピュータから基板処理装置1に処理レシピが通信により引き渡されて記憶部に記憶されても良い。制御部70は、記憶部に格納されている処理レシピの記述に基づいて、駆動機構22やバルブ39a,39b等の動作を制御することにより、処理レシピに記述された通りに基板Wの表面処理を進行させる。
また、制御部70には、表示部71および入力部72が接続されている。表示部71および入力部72は、基板処理装置1のユーザーインターフェイスとして機能する。制御部70は、表示部71に種々の情報を表示する。基板処理装置1のオペレータは、表示部71に表示された情報を確認しつつ、入力部72から種々のコマンドやパラメータを入力することができる。入力部72としては、例えばキーボードやマウスを用いることができる。表示部71としては、例えば液晶ディスプレイを用いることができる。本実施形態においては、表示部71および入力部72として、基板処理装置1の外壁に設けられた液晶のタッチパネルを採用して双方の機能を併せ持たせるようにしている。
次に、基板処理装置1における処理動作について説明する。図2は、第1実施形態の基板処理装置1における処理手順を示すフローチャートである。以下に示す処理手順は、制御部70が基板処理装置1の各動作機構を制御することによって進行する。
まず、処理槽10に温純水を貯留する(ステップS10)。具体的には、制御部70がバルブ38を閉止した状態でバルブ39aおよびバルブ44を開放する。これにより、純水供給源31から配管36,35aを介してノズル管13a,13bに純水が供給される。また、ヒータ33が配管35aを流れる純水を加熱する。よって、ノズル管13a,13bから処理槽10の内槽11の内部には加熱された温純水が吐出される。ノズル管13a,13bから吐出された温純水は、内槽11の内部に徐々に貯留され、やがて内槽11の上部から外槽12へオーバーフローする。図3は、処理槽10の内槽11に処理液(ここでは温純水)が貯留された状態を模式的に示す図である。
次に、制御部70は、駆動機構53を動作させて蓋部52をスライド移動させ、チャンバ50の開口部51を開放する。そして、装置外部の搬送機構によって前工程より搬送されてきた複数の基板Wが開口部51を介してチャンバ50の内部に搬入される。チャンバ50の内部では、処理槽10の上方においてリフタ20が待機しており、上記搬送機構によってチャンバ50内に搬入された基板Wはリフタ20に受け渡されてリフタ20の3本の保持棒21上に載置される。基板Wの搬入が完了すると上記搬送機構はチャンバ50から退出し、制御部70は再び蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を閉鎖する。これにより、チャンバ50の内部は密閉空間となる。
続いて、制御部70は、駆動機構22を動作させてリフタ20を下降させ、処理槽10の内部に貯留された温純水中に基板Wを浸漬する。この段階では、基板Wはリフタ20によって処理槽10内の上側位置(第1の高さ位置)に保持される(ステップS11)。図4は、基板Wが処理槽10内の上側位置に保持された状態を模式的に示す図である。「上側位置」とは、後述する「下側位置」よりも相対的に高い位置である。処理槽10に貯留されている温純水の液面から上側位置に保持されている基板Wの上端までの距離である液深d1は例えば4mmである。上述したように、本実施形態の処理槽10は、従来より使用されている典型的な処理槽よりも深さが小さいのであるが、基板Wが上側位置に保持されているときには、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔は従来槽におけるそれと同じである。換言すれば、「上側位置」とは、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が従来槽におけるそれと同じになる基板Wの保持位置である。
また、制御部70は、バルブ63を開放して窒素ガスノズル54a,54bからチャンバ50の内部に窒素ガスを吐出するとともに、バルブ56を開放してチャンバ50からの排気を行う。これにより、チャンバ50の内部の処理空間は窒素ガス雰囲気となる。このような窒素ガスの吐出およびチャンバ50からの排気は、以降の処理においても継続して行われる。このため、チャンバ50の内部の処理空間は、常に窒素ガスが充填された状態とされる。
基板Wが処理槽10内の上側位置に保持された後、制御部70は、バルブ39a,44の開放状態を維持しつつ、所定のバルブ38を開放する(開放するバルブ38は複数であっても良い)。これにより、純水供給源31から供給される純水と所定の薬液供給源37(開放されたバルブ38に対応する薬液供給源37)から供給される薬液とがミキシングバルブ32において所定の比率で混合されて処理用の薬液が生成される。ミキシングバルブ32にて生成された処理用の薬液は、ヒータ33によって加熱されて温薬液としてノズル管13a,13bに送給される。送給された温薬液は、ノズル管13a,13bから内槽11の内部に吐出される。
処理槽10に温純水が貯留されている状態でノズル管13a,13bから斜め上方に向けて温薬液が吐出されると、処理槽10内には下方から上方へと向かう温薬液の流れが形成される。すなわち、温薬液のアップフローが実行される(ステップS12)。また、ノズル管13a,13bから温薬液が吐出されるにつれて、内槽11に貯留されていた温純水は外槽12へとオーバーフローして処理液回収部40によって排液される。そして、ノズル管13a,13bからの温薬液の吐出量が増えるにつれて、処理槽10の内部に貯留されていた温純水は徐々に処理用の薬液に置換され、処理槽10内の処理液中における薬液濃度が高まる。
温薬液のアップフローが実行されると、基板Wの表面が薬液に曝されることとなり、基板Wの表面処理(本実施形態ではエッチング処理)が進行する。ここで、本実施形態では、基板Wが処理槽10内の上側位置に保持された状態で温薬液のアップフローが実行される。基板Wの保持位置が低くてリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が狭い状態で温薬液のアップフローが行われると、温薬液の流れに偏りが生じてエッチング処理の均一性が低下するおそれがある。本実施形態においては、基板Wが上側位置に保持されてリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が従来槽におけるそれと同じであるため、温薬液の流れに偏りが生じることはなく、エッチング処理の均一性を維持することができる。
また、温薬液のアップフローが行われているときには、絶えず内槽11の上端から外槽12へと処理液がオーバーフローしているため、処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d1が短くても、基板Wの上端が処理液の液面から露出する懸念はない。
温薬液のアップフローを開始してから所定時間が経過し、処理槽10内の薬液濃度が所定値に達した時点で制御部70がバルブ39aおよびバルブ38を閉止して温薬液のアップフローを停止する(ステップS13)。温薬液のアップフローが停止すると、内槽11から外槽12へのオーバーフローも生じないため、バルブ44も閉止するようにしても良い。
温薬液のアップフローが停止すると、処理槽10の内槽11に所定濃度の温薬液が静かに貯留された状態となる。このときの温薬液の温度は30℃以上85℃以下である。そして、温薬液のアップフローが停止した後、制御部70は、駆動機構22を動作させてリフタ20を下降させ、基板Wを処理槽10内の下側位置(第2の高さ位置)に下降させる(ステップS14)。具体的には、制御部70は、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が上側位置から下側位置に下降するようにリフタ20を制御する。
図5は、基板Wが処理槽10内の下側位置に保持された状態を模式的に示す図である。「下側位置」は、図4に示した「上側位置」よりも相対的に低い位置である。処理槽10に貯留されている温薬液の液面から下側位置に保持されている基板Wの上端までの距離である液深d2は例えば9mmである。基板Wが下側位置に保持されているときには、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔は従来槽におけるそれよりも短い。なお、基板Wが下側位置に保持されているときの液深d2は、従来槽における液深と等しい。
処理液供給を停止し、かつ、処理槽10に温薬液が貯留されている状態で基板Wが下側位置に保持されると、基板Wの全体が温薬液中に浸漬されて浸漬処理が進行する(ステップS15)。本実施形態では、温薬液による基板Wのエッチング処理が進行する。基板Wが下側位置に保持されてリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が従来槽におけるそれよりも狭くなっているときに温薬液のアップフローを行うと、温薬液の流れに偏りが生じてエッチング処理の均一性が低下するおそれがある。しかし、浸漬処理時には温薬液のアップフローが停止されているため、温薬液の流れに偏りが生じることはなく、エッチング処理の均一性を維持することができる。
また、浸漬処理時には、処理槽10に新たな温薬液の供給がなされない一方で、30℃以上85℃以下に昇温している温薬液からは水分が持続的に蒸発しているため、処理槽10に貯留されている温薬液の液面レベルが徐々に低下する。仮に、浸漬処理時に基板Wが上側位置に保持されて液深d1が4mmであったとすると、温薬液の液面レベルが少し低下しただけでも基板Wの上端が液面から露出するおそれがある。そうすると、液面から露出した部位ではエッチングが停止するため、エッチング処理の面内均一性が損なわれることとなる。本実施形態では、浸漬処理時には基板Wが下側位置に保持されて液深d2が9mmであるため、水分の蒸発によって温薬液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの上端が温薬液の液面から露出することはなく、エッチング処理の均一性を維持することができる。
浸漬処理を開始してから所定時間が経過した時点で制御部70がリフタ20を上昇させて基板Wを再び処理槽10内の上側位置(図4参照)に上昇させる(ステップS16)。具体的には、制御部70は、基板Wのリンス処理工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が下側位置から上側位置に上昇するようにリフタ20を制御する。
また、制御部70は、基板Wを上側位置に上昇させるのと同時に、バルブ38を閉止したままバルブ39aおよびバルブ44を開放する。これにより、純水供給源31から配管36,35aを介してノズル管13a,13bに純水が供給され、ノズル管13a,13bから処理槽10内に純水が吐出される。このときには、ヒータ33による純水の加熱は行わない。処理槽10に温薬液が貯留されている状態でノズル管13a,13bから斜め上方に向けて純水が吐出されると、処理槽10内には下方から上方へと向かう純水の流れが形成され、純水のアップフローが実行される。これにより、純水による基板Wのリンス処理が進行する(ステップS17)。
リンス処理時には、ノズル管13a,13bから純水が吐出されるにつれて、内槽11に貯留されていた温薬液は外槽12へとオーバーフローして処理液回収部40によって排液される。そして、ノズル管13a,13bからの純水の吐出量が増えるにつれて、処理槽10の内部に貯留されていた温薬液は徐々に純水に置換され、処理槽10内の処理液中における薬液濃度が低下する。
また、リンス処理時には、比抵抗計15によって処理槽10内の処理液の比抵抗値が計測されている。比抵抗計15によって測定された比抵抗値は制御部70に伝達される。純水のアップフローが開始されて処理槽10内の純水の純度が高くなるにつれて(つまり、薬液濃度が低くなるにつれて)、比抵抗計15から取得される比抵抗値は徐々に高くなる。制御部70は、比抵抗計15の測定結果に基づいて処理槽10内の置換状態を監視している。比抵抗計15によって測定された比抵抗値が所定の閾値を超えると、処理槽10内の処理液が薬液から純水へ置換されたとみなすことができる。処理槽10内の処理液が純水に置換されることにより、基板Wのエッチングが停止するとともに、エッチングされた基板Wの表面が純水によって洗浄されることとなる。
制御部70は、比抵抗計15によって測定された比抵抗値が所定の閾値を超えたことを検知してから所定時間が経過した時点でバルブ39aを閉止するとともにバルブ39bを開放する。バブル39aが閉止されると、ノズル管13a,13bからの純水吐出が停止される。一方、バルブ39bが開放されると、純水供給源31から配管36,35bを介してシャワーノズル14a,14bに純水が供給され、シャワーノズル14a,14bから処理槽10内の上側位置に保持されている基板Wに向けて純水が吐出される。
続いて、制御部70は、バルブ45を開放する。バルブ45が開放されると、処理槽10の内槽11に貯留されていた純水が急速に排出される。シャワーノズル14a,14bから吐出される純水の流量よりも急速排水にともなう排出流量の方が顕著に多いため、処理槽10内の液面レベルも急速に低下する。処理槽10内の液面レベルが低下するにつれて、基板Wが液面から露出し、その露出部分にシャワーノズル14a,14bから純水が供給されて基板Wが洗浄される。これにより、基板Wのシャワーリンス処理が進行する(ステップS18)。図6は、基板Wのシャワーリンスが行われる様子を模式的に示す図である。
所定時間のシャワーリンス処理が終了した後、制御部70は、バルブ39bを閉止してシャワーノズル14a,14bからの純水吐出を停止するとともに、駆動機構22を動作させてリフタ20を上昇させ、処理槽10から基板Wを引き上げる(ステップS19)。その後、制御部70は、駆動機構53を動作させて蓋部52をスライド移動させ、チャンバ50の開口部51を開放する。続いて、装置外部の搬送機構が開口部51からチャンバ50内に進入してリフタ20から処理後の基板Wを受け取る。そして、基板Wを受け取った当該搬送機構は、チャンバ50から退出して基板Wを後工程(例えば、減圧乾燥処理)へと搬送する。以上のようにして基板処理装置1における一連の処理が完了する。
第1実施形態においては、処理槽10内に基板Wが存在している状態で処理槽10に温薬液のアップフローを行う処理液供給工程(ステップS12)では、処理槽10内の上側位置に基板Wが保持される(図4)。このため、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が従来槽におけるそれと同じになり、処理槽10内における温薬液の流れに偏りが生じることはなくなり、エッチング処理の均一性を維持することができる。
一方、処理液供給を停止した状態で処理槽10に貯留されている温薬液中に基板Wを浸漬する浸漬処理工程(ステップS15)では、処理槽10内の下側位置に基板Wが保持される(図5)。すなわち、処理液供給工程のときよりも浸漬処理工程のときの方が基板Wの保持位置が低い。浸漬処理工程では処理槽10内の下側位置に基板Wが保持されるため、処理中に水分の蒸発によって温薬液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの上端が温薬液の液面から露出するおそれはない。また、浸漬処理工程ではノズル管13a,13bからの処理液の吐出が停止されているため、処理槽10内に処理液の流れが形成されることはなく、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が狭かったとしても、処理液の流れに偏りが生じることはない。
要するに、処理液供給を実行している基板Wの上端が液面から露出するおそれのない工程では、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持してリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔を従来槽におけるそれと同程度に確保しているのである。そして、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持しているときの処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d1が液深の基準値となる。一方、温処理液を用いた浸漬処理、つまり水分の蒸発に起因した液面レベルの低下によって基板Wの上端が液面から露出するおそれのある工程を実行するときのみ、処理槽10内の下側位置に基板Wを下降させて処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d2を基準値よりも大きくしているのである。これにより、温処理液による基板Wの浸漬処理中にも基板Wの露出を確実に防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の基板処理装置1の構成は第1実施形態(図1)と同じである。第2実施形態では、基板Wの処理シーケンスが第1実施形態とは異なる。
図7は、第2実施形態の基板Wの処理手順を示すフローチャートである。まず、処理槽10に温純水を貯留する(ステップS20)。この処理は第1実施形態(図2)のステップS10と同じである。ヒータ33によって加熱された温純水がノズル管13a,13bから吐出されて処理槽10に貯留される。
続いて、第2実施形態においては、基板Wを処理液に浸漬することなく、薬液のアップフローを実行する(ステップS21)。すなわち、処理槽10内に基板Wが存在していない状態で制御部70がバルブ39aおよび所定のバルブ38を開放することにより、ミキシングバルブ32において薬液と純水とが所定の比率で混合されて処理用の薬液が生成される。生成された処理用の薬液は、ヒータ33によって加熱されて温薬液としてノズル管13a,13bに送給される。送給された温薬液は、ノズル管13a,13bから基板Wの存在していない処理槽10の内部に吐出される。ノズル管13a,13bから吐出された温薬液は処理槽10内にて下方から上方へと向かう温薬液の流れを形成する。すなわち、温薬液のアップフローが行われる。ノズル管13a,13bから温薬液が吐出されるにつれて、処理槽10の内部に貯留されていた温純水は徐々に処理用の薬液に置換される。
温薬液のアップフローを開始してから所定時間が経過し、処理槽10内の薬液濃度が所定値に達した時点で温薬液のアップフローを停止する(ステップS22)。温薬液のアップフローが停止すると、処理槽10の内槽11に所定濃度の温薬液が静かに貯留された状態となる。このときの温薬液の温度は30℃以上85℃以下である。第2実施形態では、ステップS20~S22までの処理が基板Wに本処理を行う前の準備処理となる。
次に、制御部70が蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を開放し、装置外部の搬送機構が複数の基板Wをチャンバ50内に搬入する。リフタ20は処理槽10の上方において当該搬送機構から基板Wを受け取る。基板Wの搬入が完了すると上記搬送機構はチャンバ50から退出し、制御部70は再び蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を閉鎖する。
続いて、制御部70は、駆動機構22を動作させてリフタ20を下降させ、処理槽10の内部に貯留された温薬液中に基板Wを浸漬する。この段階では、基板Wはリフタ20によって処理槽10内の下側位置(図5参照)に保持される(ステップS23)。具体的には、制御部70は、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が下側位置となるようにリフタ20を制御する。第1実施形態と同じく、処理槽10に貯留されている温薬液の液面から下側位置に保持されている基板Wの上端までの距離である液深d2は例えば9mmである。
処理液供給を停止し、かつ、処理槽10に温薬液が貯留されている状態で基板Wが下側位置に保持されると、基板Wの全体が温薬液中に浸漬されて浸漬処理が進行する(ステップS24)。第2実施形態においても、浸漬処理時には温薬液による基板Wのエッチング処理が進行する。浸漬処理時には基板Wが下側位置に保持されて液深d2が9mmであるため、水分の蒸発によって温薬液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの上端が温薬液の液面から露出することはなく、エッチング処理の均一性を維持することができる。
浸漬処理を開始してから所定時間が経過した時点で制御部70がリフタ20を上昇させて基板Wを処理槽10内の上側位置(図4参照)に上昇させる(ステップS25)。具体的には、制御部70は、基板Wのリンス処理工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が下側位置から上側位置に上昇するようにリフタ20を制御する。
また、制御部70は、基板Wを上側位置に上昇させるのと同時に、バルブ39aおよびバルブ44を開放してノズル管13a,13bから処理槽10内に純水を吐出させる。このときには、ヒータ33による純水の加熱は行わない。処理槽10に温薬液が貯留されている状態でノズル管13a,13bから斜め上方に向けて純水が吐出されると、処理槽10内には下方から上方へと向かう純水の流れが形成され、純水のアップフローが実行される。これにより、純水による基板Wのリンス処理が進行する(ステップS26)。
リンス処理時には、ノズル管13a,13bから純水が吐出されるにつれて、内槽11に貯留されていた温薬液は外槽12へとオーバーフローして処理液回収部40によって排液される。そして、ノズル管13a,13bからの純水の吐出量が増えるにつれて、処理槽10の内部に貯留されていた温薬液は徐々に純水に置換され、処理槽10内の処理液中における薬液濃度が低下する。処理槽10内の置換が進行するにつれて、比抵抗計15から取得される比抵抗値は徐々に高くなる。比抵抗計15によって測定された比抵抗値が所定の閾値を超えると、処理槽10内の処理液が薬液から純水へ置換されたとみなすことができる。
制御部70は、比抵抗計15によって測定された比抵抗値が所定の閾値を超えたことを検知してから所定時間が経過した時点でバルブ39aを閉止するとともにバルブ39bを開放する。バブル39aが閉止されると、ノズル管13a,13bからの純水吐出が停止される。一方、バルブ39bが開放されると、シャワーノズル14a,14bから処理槽10内の上側位置に保持されている基板Wに向けて純水が吐出される。
続いて、制御部70は、バルブ45を開放する。バルブ45が開放されると、処理槽10の内槽11に貯留されていた純水が急速に排出される。シャワーノズル14a,14bから吐出される純水の流量よりも急速排水にともなう排出流量の方が顕著に多いため、処理槽10内の液面レベルも急速に低下する。処理槽10内の液面レベルが低下するにつれて、基板Wが液面から露出し、その露出部分にシャワーノズル14a,14bから純水が供給されて基板Wが洗浄される。これにより、基板Wのシャワーリンス処理が進行する(ステップS27)。第2実施形態では、ステップS23~S27までの処理が基板Wに対する本処理となる。
所定時間のシャワーリンス処理が終了した後、制御部70は、バルブ39bを閉止してシャワーノズル14a,14bからの純水吐出を停止するとともに、駆動機構22を動作させてリフタ20を上昇させ、処理槽10から基板Wを引き上げる(ステップS28)。その後、制御部70は、再び蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を開放する。続いて、装置外部の搬送機構が開口部51からチャンバ50内に進入してリフタ20から処理後の基板Wを受け取る。そして、基板Wを受け取った当該搬送機構は、チャンバ50から退出して基板Wを後工程へと搬送する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、基板Wの上端が液面から露出するおそれのない工程では、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持してリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔を従来槽におけるそれと同程度に確保している。そして、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持しているときの処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d1が液深の基準値となる。一方、温処理液を用いた浸漬処理、つまり水分の蒸発に起因した液面レベルの低下によって基板Wの上端が液面から露出するおそれのある工程を実行するときには、処理槽10内の下側位置に基板Wを下降させて処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d2を基準値よりも大きくしている。これにより、温処理液による基板Wの浸漬処理中にも基板Wの露出を確実に防止することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の基板処理装置1の構成は第1実施形態(図1)と同じである。第3実施形態では、基板Wの処理シーケンスが第1実施形態とは異なる。
図8は、第3実施形態の基板Wの処理手順を示すフローチャートである。まず、処理槽10に温純水を貯留する(ステップS30)。この処理は第1実施形態(図2)のステップS10と同じである。すなわち、制御部70がバルブ38を閉止した状態でバルブ39aおよびバルブ44を開放する。これにより、純水供給源31から配管36,35aを介してノズル管13a,13bに純水が供給される。また、ヒータ33が配管35aを流れる純水を加熱する。よって、ノズル管13a,13bから処理槽10の内槽11の内部には加熱された温純水が吐出される。ノズル管13a,13bから吐出された温純水は、内槽11の内部に徐々に貯留される。内槽11の上端にまで温純水が貯留されたら、制御部70はバルブ39aを閉止してノズル管13a,13bからの温純水の供給を停止する。これにより、処理槽10に温純水が静かに貯留された状態となる。処理槽10に貯留された温純水の温度は30℃以上85℃以下である。第2実施形態では、ステップS30の処理が基板Wに本処理を行う前の準備処理となる。
次に、制御部70が蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を開放し、装置外部の搬送機構が複数の基板Wをチャンバ50内に搬入する。リフタ20は処理槽10の上方において当該搬送機構から基板Wを受け取る。基板Wの搬入が完了すると上記搬送機構はチャンバ50から退出し、制御部70は再び蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を閉鎖する。
続いて、制御部70は、駆動機構22を動作させてリフタ20を下降させ、処理槽10の内部に貯留された温純水中に基板Wを浸漬する。この段階では、基板Wはリフタ20によって処理槽10内の下側位置(図5参照)に保持される(ステップS31)。具体的には、制御部70は、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が下側位置となるようにリフタ20を制御する。第1実施形態と同じく、処理槽10に貯留されている温純水の液面から下側位置に保持されている基板Wの上端までの距離である液深d2は例えば9mmである。
処理液供給を停止し、かつ、処理槽10に温純水が貯留されている状態で基板Wが下側位置に保持されると、基板Wの全体が温純水中に浸漬されて1回目の浸漬処理が進行する(ステップS32)。第3実施形態においては、浸漬処理時に温純水中に基板Wが浸漬されるのであるが、温純水であってもわずかに基板Wのエッチング処理が進行する。このような温純水を用いたエッチング処理は極微量なエッチングを行いときに好適である。浸漬処理時には基板Wが下側位置に保持されて液深d2が9mmであるため、水分の蒸発によって温薬液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの上端が温純水の液面から露出することはない。
浸漬処理を開始してから所定時間が経過した時点で制御部70がリフタ20を上昇させて基板Wを処理槽10内の上側位置(図4参照)に上昇させる(ステップS33)。基板Wが処理槽10内の上側位置に上昇された後、制御部70がバルブ38を閉止した状態でバルブ39aおよびバルブ44を開放するとともに、ヒータ33が配管35aを流れる純水を加熱する。これにより、ノズル管13a,13bから処理槽10の内槽11の内部に加熱された温純水が吐出される。
処理槽10に温純水が貯留されている状態でノズル管13a,13bから斜め上方に向けて温純水が吐出されると、処理槽10内には下方から上方へと向かう温純水の流れが形成される。すなわち、温純水のアップフローが実行される(ステップS34)。温薬液のアップフローが実行されると、基板Wの表面が温純水の流れに曝されることとなる。第3実施形態では、基板Wが処理槽10内の上側位置に保持された状態で温純水のアップフローが実行される。基板Wが上側位置に保持されている状態では、リフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔が従来槽におけるそれと同じであるため、温薬液の流れに偏りが生じることは防がれる。
温純水のアップフローを開始してから所定時間が経過した時点で制御部70がバルブ39aを閉止して温純水のアップフローを停止する。温純水のアップフローが停止すると、処理槽10に再び温純水が静かに貯留された状態となる。このときの温純水の温度は30℃以上85℃以下である。そして、温純水のアップフローが停止した後、制御部70は、駆動機構22を動作させてリフタ20を下降させ、基板Wを処理槽10内の下側位置に下降させる(ステップS35)。具体的には、制御部70は、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する工程を実行する指示を処理レシピの記述に検出したときに、処理槽10内における基板Wの保持位置が上側位置から下側位置に下降するようにリフタ20を制御する。このときにも、処理槽10に貯留されている温純水の液面から下側位置に保持されている基板Wの上端までの距離である液深d2は例えば9mmである。
処理液供給を停止し、かつ、処理槽10に温純水が貯留されている状態で基板Wが下側位置に保持されると、基板Wの全体が温純水中に浸漬されて2回目の浸漬処理が進行する(ステップS36)。このときにも、温純水によって基板Wが微量にエッチングされる。また、2回目の浸漬処理時にも基板Wが下側位置に保持されて液深d2が9mmであるため、水分の蒸発によって温薬液の液面レベルが多少低下したとしても、基板Wの上端が温純水の液面から露出することはない。
2回目の浸漬処理を開始してから所定時間が経過した時点で制御部70がリフタ20を上昇させて基板Wを処理槽10内の上側位置に上昇させる(ステップS37)。制御部70は、基板Wを上側位置に上昇させるのと同時に、バルブ39aおよびバルブ44を開放してノズル管13a,13bから処理槽10内に純水を吐出させる。このときには、ヒータ33による純水の加熱は行わない。処理槽10に温純水が貯留されている状態でノズル管13a,13bから斜め上方に向けて純水が吐出されると、処理槽10内には下方から上方へと向かう純水の流れが形成され、純水のアップフローが実行される。これにより、純水による基板Wのリンス処理が進行する(ステップS38)。
リンス処理時には、ノズル管13a,13bから純水が吐出されるにつれて、内槽11に貯留されていた温純水は外槽12へとオーバーフローして処理液回収部40によって排液される。制御部70は、リンス処理を開始してから所定時間が経過した時点でバルブ39aを閉止するとともにバルブ39bを開放する。バブル39aが閉止されると、ノズル管13a,13bからの純水吐出が停止される。一方、バルブ39bが開放されると、シャワーノズル14a,14bから処理槽10内の上側位置に保持されている基板Wに向けて純水が吐出される。
続いて、制御部70は、バルブ45を開放する。バルブ45が開放されると、処理槽10の内槽11に貯留されていた純水が急速に排出される。シャワーノズル14a,14bから吐出される純水の流量よりも急速排水にともなう排出流量の方が顕著に多いため、処理槽10内の液面レベルも急速に低下する。処理槽10内の液面レベルが低下するにつれて、基板Wが液面から露出し、その露出部分にシャワーノズル14a,14bから純水が供給されて基板Wが洗浄される。これにより、基板Wのシャワーリンス処理が進行する(ステップS39)。第3実施形態では、ステップS31~S39までの処理が基板Wに対する本処理となる。
所定時間のシャワーリンス処理が終了した後、制御部70は、バルブ39bを閉止してシャワーノズル14a,14bからの純水吐出を停止するとともに、駆動機構22を動作させてリフタ20を上昇させ、処理槽10から基板Wを引き上げる(ステップS40)。その後、制御部70は、再び蓋部52をスライド移動させてチャンバ50の開口部51を開放する。続いて、装置外部の搬送機構が開口部51からチャンバ50内に進入してリフタ20から処理後の基板Wを受け取る。そして、基板Wを受け取った当該搬送機構は、チャンバ50から退出して基板Wを後工程へと搬送する。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、基板Wの上端が液面から露出するおそれのない工程では、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持してリフタ20の下端と処理槽10の底面との間隔を従来槽におけるそれと同程度に確保している。そして、処理槽10内の上側位置に基板Wを保持しているときの処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d1が液深の基準値となる。一方、温処理液を用いた浸漬処理、つまり水分の蒸発に起因した液面レベルの低下によって基板Wの上端が液面から露出するおそれのある工程を実行するときには、処理槽10内の下側位置に基板Wを下降させて処理槽10に貯留されている処理液の液面から基板Wの上端までの距離である液深d2を基準値よりも大きくしている。これにより、温処理液による基板Wの浸漬処理中にも基板Wの露出を確実に防止することができる。
また、第1および第2実施形態では温薬液中に基板Wを浸漬するときに処理槽10内の下側位置に基板Wを保持していたが、第3実施形態では温純水中に基板Wを浸漬するときに処理槽10内の下側位置に基板Wを保持している。すなわち、処理槽10に貯留されている温処理液中に基板Wを浸漬する浸漬処理工程において、処理槽10内の下側位置に基板Wを保持するようにすれば、水分の蒸発に起因した温処理液の液面レベルの低下によって基板Wの上端が温処理液の液面から露出するのを防止することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、基板Wが上側位置に保持されているときの液深d1が4mmであり、基板Wが下側位置に保持されているときの液深d2が9mmであったが、これに限定されるものではなく、少なくとも液深d2は液深d1よりも大きければ良い。これにより、温処理液中に基板Wを浸漬する浸漬処理工程において、処理槽10内の下側位置に基板Wを保持することにより、基板Wの処理液からの露出を防止することができる。
また、上記実施形態においては、処理液による基板Wの表面処理としてエッチング処理を行っていたが、これに限定されるものではなく、例えば処理液によって基板Wの洗浄処理を行うようにしても良い。
また、処理層10に温度計を設け、浸漬処理時に温処理液の温度に応じて基板Wの保持位置を変化させるようにしても良い。具体的には、浸漬処理時の温処理液の温度が高いほど水分の蒸発が盛んになるため、基板Wの保持位置が低くなるように制御部70がリフタ20を制御するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、処理槽10の槽容量が従来槽よりも少ないものであったが、容量の大きな従来槽において温処理液中に基板Wを浸漬するときに処理槽内の基板の保持位置を下降させるようにしても良い。
1 基板処理装置
10 処理槽
11 内槽
12 外槽
13a,13b ノズル管
14a,14b シャワーノズル
15 比抵抗計
20 リフタ
30 処理液供給部
33 ヒータ
40 処理液回収部
50 チャンバ
60 窒素ガス供給部
70 制御部

Claims (12)

  1. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法であって、
    前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、
    を備え、
    前記処理液供給工程では前記処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持され、
    前記浸漬処理工程では前記処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、
    前記第2の高さ位置は前記第1の高さ位置よりも低いことを特徴とする基板処理方法。
  2. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法であって、
    前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、
    を備え、
    前記浸漬処理工程を実行するときには、前記処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深を標準値よりも大きくすることを特徴とする基板処理方法。
  3. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理方法であって、
    前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理槽に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する浸漬処理工程と、
    を備え、
    レシピにて前記浸漬処理工程を実行する指示が検出されたときには、前記処理槽内における基板の保持位置を下降させることを特徴とする基板処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記処理液供給工程では、前記処理槽の底部に配置されたノズル管から上方に向けて処理液を吐出することを特徴とする基板処理方法。
  5. 請求項4記載の基板処理方法において、
    前記処理液供給工程では、前記ノズル管から第1の処理液を吐出して前記処理槽に貯留されている第2の処理液を第1の処理液に置換することを特徴とする基板処理方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の基板処理方法において、
    前記浸漬処理工程では、前記ノズル管からの処理液の吐出が停止されていることを特徴とする基板処理方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記温処理液の温度は30℃以上85℃以下であることを特徴とする基板処理方法。
  8. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置であって、
    前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、
    前記昇降部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記処理槽内に基板が存在している状態で前記処理液供給部が前記処理槽に処理液を供給するときには前記処理槽内の第1の高さ位置に基板が保持されるとともに、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには前記処理槽内の第2の高さ位置に基板が保持され、
    前記制御部は、前記第2の高さ位置が前記第1の高さ位置よりも低くなるように前記昇降部を制御することを特徴とする基板処理装置。
  9. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置であって、
    前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、
    前記昇降部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬するときには、前記処理槽に貯留されている処理液の液面から基板までの距離である液深が標準値よりも大きくなるように前記制御部が前記昇降部を制御することを特徴とする基板処理装置。
  10. 処理槽内で基板に対して処理液による表面処理を行う基板処理装置であって、
    前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記処理槽内における基板の保持位置を昇降させる昇降部と、
    前記昇降部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記処理槽に貯留されている加熱された温処理液中に基板を浸漬する工程を実行する指示をレシピに検出したときには、前記処理槽内における基板の保持位置が下降するように前記昇降部を制御することを特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項8から請求項10のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給部は、前記処理槽の底部に配置されて上方に向けて処理液を吐出するノズル管を有することを特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項8から請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記温処理液の温度は30℃以上85℃以下であることを特徴とする基板処理装置。
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