JP2023120930A - 電解処理方法及び電解処理装置 - Google Patents

電解処理方法及び電解処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】処理液中の被処理イオンを用いて、被処理体に対する所定の電解処理を効率よく行う。【解決手段】めっき液M中に直接電極20と対向電極22を配置すると共に、当該めっき液Mに電界を形成する間接電極21を配置する。間接電極21に電圧を印加してめっき液Mに電界を形成し、めっき液M中の銅イオンCを対向電極22側に移動させる。直接電極20と間接電極21を接続して、対向電極22側に移動した銅イオンCを還元する。直接電極20の一部はめっき液Mに露出し、直接電極20の他部は絶縁膜23で覆われる。直接電極20は絶縁膜23を介して対向電極22に接続される。直接電極20は絶縁膜23を介して接地される。【選択図】図1

Description

本発明は、処理液に含まれる被処理イオンを用いて所定の処理を行う電解処理方法、及び当該電解処理方法を行うための電解処理装置に関する。
電解プロセス(電解処理)は、めっき処理やエッチング処理等の種々の処理に用いられる技術である。
上述しためっき処理を行うため、例えば特許文献1に記載されためっき処理が提案されている。このめっき処理では、めっき液中に直接電極と間接電極を二重に配置すると共に、これら直接電極と間接電極に対してめっき液を挟むように対向電極(被処理体)を配置する。その後、間接電極に電圧を印加してめっき液に電界を形成することで、めっき液中の金属イオンを対向電極側に移動させ、さらに直接電極と対向電極との間に電流を流すことで、対向電極側に移動した金属イオンを還元する。
特許文献1に記載されためっき処理では、金属イオンの移動(以下、「移動工程」という場合がある)と金属イオンの還元(以下、「還元工程」という場合がある)を個別に行おうとしているが、移動工程において金属イオンを対向電極側に移動させ集積させる間にも、当該対向電極側で金属イオンの還元が行われる場合がある。すなわち、移動工程中に還元工程が進んでしまう場合がある。
移動工程では、間接電極に電圧を印加することでめっき液に形成された電界により、直接電極と対向電極の間にも電界が生じる。その際、直接電極と対向電極が共に導体であるので、直接電極と対向電極におけるイオンの電荷交換が進んでしまう場合がある。この電荷交換量は、直接電極と対向電極の間の電位差相当分となる。一方で、直接電極の電位は間接電極と対向電極によって形成される電界分布によって決まり、この電界は間接電極と対向電極の間に生じる電気力線分布によって決まる。そうすると、直接電極の配置が電気力線に沿って間接電極に近いほど、当該直接電極の電位は高くなる。特許文献1に記載のめっき処理では、直接電極は間接電極に近接して配置されているので直接電極の電位が高くなり、その結果、移動工程中に対向電極側で金属イオンの電荷交換が進み、当該金属イオンが還元されてしまう。
そこで、例えば特許文献2に記載されためっき処理が提案されている。このめっき処理では、めっき液中に直接電極と対向電極(被処理体)を近接して配置すると共に、これら直接電極と対向電極から離間して間接電極を配置する。また、間接電極と電源の接続と、間接電極と直接電極の接続とを切り替える第1のスイッチを配置すると共に、直接電極と間接電極の接続を切り替える第2のスイッチを配置する。その後、第1のスイッチによって間接電極と電源を接続して電圧を印加すると共に、第2のスイッチによって直接電極と対向電極を接続して、めっき液中の金属イオンを対向電極側に移動させる。さらにその後、第1のスイッチによって間接電極との接続を電源から直接電極に切り替えると共に、第2のスイッチによって直接電極との接続を対向電極から間接電極に切り替えて、直接電極と前記間接電極を接続し、対向電極側に移動した金属イオンを還元する。
特許文献2に記載されためっき処理では、移動工程において、直接電極と対向電極を接続することで、直接電極と対向電極はほぼ等電位となる。このため、直接電極と対向電極における電荷交換(還元)を抑制する。
特開2016-113652号公報 特開2018-3133号公報
しかしながら、特許文献2に記載されためっき処理では、移動工程において、直接電極と対向電極が接続されるので、めっき効率が低下する。例えば直接電極の表面積と対向電極の表面積が等しい場合、直接電極と対向電極の電荷量は等価となり、さらに間接電極の電荷量はこれら直接電極と対向電極の電荷量の合計となる。すなわち、直接電極と対向電極にはそれぞれ電荷量Qの負の電荷が蓄積され、間接電極には電荷量2Qの正の電荷が蓄積される。そして、還元工程において、間接電極から直接電極に電荷量2Qの正の電荷が移動し、当該移動した電荷量Qの正の電荷は直接電極の電荷量Qの負の電荷で中和されて、直接電極には電荷量Qの正の電荷が残存することになる。さらに、この直接電極に残存する電荷量Qの正の電荷は、還元工程において電荷交換が完了し、直接電極に電荷は残存しない。
このように中和により電荷が消費されるため、移動工程で蓄積される電荷を有効利用できない。しがたがって、従来のめっき処理には、効率面で改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、処理液中の被処理イオンを用いて、被処理体に対する所定の電解処理を効率よく行うことを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、処理液に含まれる被処理イオンを用いて所定の処理を行う電解処理方法であって、前記処理液中に直接電極と対向電極を配置すると共に、当該処理液に電界を形成する間接電極を配置する配置工程と、前記間接電極に電圧を印加して前記処理液に電界を形成し、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる被処理イオン移動工程と、前記直接電極と前記間接電極を接続して、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元する被処理イオン処理工程と、を有し、前記直接電極の一部は前記処理液に露出し、当該直接電極の他部は絶縁膜で覆われ、前記直接電極は前記絶縁膜を介して前記対向電極に接続され、前記直接電極は前記絶縁膜を介して接地されることを特徴としている。
本発明によれば、直接電極が絶縁膜を介して対向電極に接続されているので、被処理イオン移動工程において、直接電極と対向電極がほぼ等電位となる。このため、処理液に露出している直接電極と対向電極における電荷交換(酸化還元)を抑制することができる。
また、直接電極は一部が処理液に露出し、他部が絶縁膜で覆われており、直接電極は絶縁膜容量と電気二重層容量の直列接続を構成する。この直接電極の直列構造により静電容量は大幅に小さくなる。かかる場合、被処理イオン処理工程において、直接電極と間接電極を接続すると間接電極から直接電極に電荷が移動するが、直接電極の静電容量が小さいため、当該直接電極において無駄に消費される電荷が少なくなる。換言すれば、間接電極に蓄積された電荷の無駄な消費を抑制し、対向電極における配列電荷量と反応析出電荷量をほぼ等量化することができる。したがって、間接電極に蓄積された電荷を有効利用することができ、電解処理を効率よく行うことができる。
さらに、被処理イオン移動工程において対向電極側に十分な被処理イオンが集積し、当該対向電極の表面に被処理イオンを均一に配列させた状態で、被処理イオン処理工程において被処理イオンの電荷交換が行われ、当該被処理イオンが酸化又は還元される。したがって、電解処理を均一に行うことができる。
前記配置工程において、前記間接電極と電源の接続と、前記間接電極と前記直接電極の接続とを切り替える第1のスイッチを配置すると共に、前記直接電極と前記間接電極の接続と切断を切り替える第2のスイッチを配置し、前記被処理イオン移動工程において、前記第1のスイッチによって前記間接電極と前記電源を接続して前記間接電極に電圧を印加すると共に、前記第2のスイッチによって前記直接電極と前記間接電極の接続を切断して、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させ、前記被処理イオン処理工程において、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチによって前記直接電極と前記間接電極を接続し、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元してもよい。
前記処理液はめっき液であり、前記被処理イオン処理工程において、前記被処理イオンを還元して前記対向電極側にめっきを形成し、前記電解処理方法は、前記被処理イオン処理工程の後、前記間接電極に電圧を印加して前記被処理イオン移動工程における電界と逆方向の逆電界を前記処理液に形成し、前記対向電極側に前記めっきを密着させるめっき密着工程を有していてもよい。
前記被処理イオン移動工程と前記被処理イオン処理工程を含むサイクルを繰り返し行い、前記めっき密着工程は、前記サイクルごとに行ってもよい。また、前記被処理イオン移動工程と前記被処理イオン処理工程を含むサイクルを繰り返し行い、前記めっき密着工程は、最後の前記サイクルの後に行ってもよい。
前記配置工程において、前記間接電極に電圧を印加して前記処理液に電界を形成してもよい。
別な観点による本発明は、処理液に含まれる被処理イオンを用いて所定の処理を行う電解処理装置であって、前記処理液中に配置された直接電極と、前記処理液中に配置された対向電極と、前記処理液に電界を形成する間接電極と、を有し、前記間接電極は、電圧が印加されることで前記処理液に電界を形成し、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させ、前記直接電極と前記間接電極は、当該直接電極と間接電極が接続されることで、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元し、前記直接電極の一部は前記処理液に露出し、当該直接電極の他部は絶縁膜で覆われ、前記直接電極は前記絶縁膜を介して前記対向電極に接続され、前記直接電極は前記絶縁膜を介して接地されることを特徴としている。
前記電解処理装置は、前記間接電極と電源の接続と、前記間接電極と前記直接電極の接続とを切り替える第1のスイッチと、前記直接電極と前記間接電極の接続と切断を切り替える第2のスイッチと、を有し、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる際、前記第1のスイッチは前記間接電極と前記電源を接続して前記間接電極に電圧を印加し、前記第2のスイッチは前記直接電極と前記間接電極の接続を切断し、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元する際、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、前記直接電極と前記間接電極を接続してもよい。
前記処理液はめっき液であり、前記被処理イオンを還元して前記対向電極側にめっきを形成し、前記間接電極は、電圧が印加されることで、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる際の電界と逆方向の逆電界を前記処理液に形成し、前記対向電極側に前記めっきを密着させてもよい。
本発明によれば、処理液中の被処理イオンを用いて、被処理体に対する所定の電解処理を効率よく行うことができる。
めっき処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 充電時において、間接電極と直流電源を接続すると共に、直接電極と間接電極の接続を切断した様子を示す説明図である。 放電時において、直接電極と間接電極を接続した様子を示す説明図である。 銅めっきを形成後、めっき液に逆静電界を形成した様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、本実施形態では、本発明にかかる電解処理としてめっき処理を行う場合について説明する。
<めっき処理装置の構成>
先ず、本実施形態にかかる電解処理装置としてのめっき処理装置の構成について説明する。図1は、めっき処理装置1の概略を示す縦断面図である。なお、以下の説明で用いる図面において、各構成要素の寸法は、技術の理解の容易さを優先させるため、必ずしも実際の寸法に対応していない。
めっき処理装置1は、内部に処理液としてのめっき液Mを貯留するめっき槽10を有している。めっき液Mとしては、例えば硫酸銅を溶解した溶液が用いられる。すなわち、めっき液M中には、被処理イオンとして銅イオンが含まれている。
めっき槽10の内部には、直接電極20、間接電極21及び対向電極22がそれぞれめっき液Mに浸漬して設けられている。直接電極20は、対向電極22に近接して配置されている。間接電極21は、直接電極20及び対向電極22から離間して配置されている。
直接電極20の一部はめっき液Mに露出し、直接電極20の他部は絶縁膜23で覆われている。以下の説明では、直接電極20においてめっき液Mに露出する部分を露出部20aといい、直接電極20において絶縁膜23で覆われている部分を絶縁部20bという場合がある。そして、露出部20aの表面と絶縁部20bの裏面が絶縁膜23を介して当接し、露出部20aと絶縁部20bが一体構造を有している。すなわち、直接電極20は、絶縁膜容量と電気二重層容量の直列接続を構成している。
直接電極20(絶縁部20b)は、絶縁膜23を介して対向電極22に接続されている。すなわち、直接電極20は、コンデンサを介して対向電極22に接続された状態である。また、直接電極20(絶縁部20b)は、絶縁膜23を介して接地されている。
間接電極21は、絶縁膜24で覆われている。また、対向電極22は、めっき処理される被処理体である。
間接電極21と対向電極22には、直流電源30が接続されている。間接電極21は、直流電源30の正極側に接続されている。対向電極22は、直流電源30の負極側に接続されている。
間接電極21には、第1のスイッチ31が設けられている。第1のスイッチ31は、間接電極21と直流電源30の接続と、間接電極21と直接電極20の接続とを切り替える。第1のスイッチ31の切り替えは、制御部40によって制御される。
直接電極20には、第2のスイッチ32が設けられている。第2のスイッチ32は、直接電極20の露出部20aと間接電極21の接続と切断を切り替える。第2のスイッチ32の切り替えは、制御部40によって制御される。
制御部40は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、めっき処理装置1におけるめっき処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部40にインストールされたものであってもよい。
<めっき処理方法>
次に、以上のように構成されためっき処理装置1を用いためっき処理について説明する。
先ず、図2に示すように第1のスイッチ31によって間接電極21と直流電源30(対向電極22)を接続すると共に、第2のスイッチ32によって直接電極20と間接電極21の接続を切断する。そして、間接電極21を陽極とし、対向電極22を陰極として直流電圧を印加して、めっき液Mに電界(静電界)を形成する。そうすると、間接電極21に正の電荷が蓄積され、間接電極21側に負の荷電粒子である陰イオンA(硫酸イオン)が集まる。一方、対向電極22及び直接電極20にはそれぞれ負の電荷が蓄積され、対向電極22側に正の荷電粒子である銅イオンCが移動する。なお、以下の説明において、このように電極に電荷が蓄積される状態を「充電」という場合がある。
この充電時では、直接電極20(絶縁部20b)と対向電極22が絶縁膜23を介して接続されているので、直接電極20と対向電極22はほぼ等電位となる。このため、直接電極20の露出部20aと対向電極22における電荷交換(酸化還元)を抑制することができる。
そして、第1のスイッチ31による間接電極21と直流電源30の接続、及び第2のスイッチ32による直接電極20と間接電極21の切断は、間接電極21と対向電極22に十分な電荷が蓄積されるまで、すなわち満充電されるまで行われる。上述したように充電時には対向電極22における電荷交換が抑制されるので、対向電極22の表面に銅イオンCが均一に配列される。また、間接電極21と対向電極22との間に電圧を印可する際の電界を高くすると水の電気分解が進行することが懸念されるが、本実施形態では、対向電極22の表面で銅イオンCの電荷交換が行われず、水の電気分解も抑制されるので、上記電界を高くすることができる。この高電界によって銅イオンCの移動を速くできる。さらに、この電界を任意に制御することで、対向電極22表面に配列される銅イオンCも任意に制御される。
その後、図3に示すように第1のスイッチ31と第2のスイッチ32によって直接電極20と間接電極21を接続する。そうすると、間接電極21に蓄積された正の電荷が直接電極20に移動し、間接電極21側に集まった陰イオンAの電荷が交換されて、陰イオンAは酸化される。これに伴い、対向電極22の表面に配列されている銅イオンCの電荷が交換されて、銅イオンCが還元される。そして、対向電極22の表面に銅めっき50が析出する。なお、以下の説明において、このように電極間で電荷が移動する状態を「放電」という場合がある。
ここで、直接電極20は絶縁膜容量と電気二重層容量の直列接続の構造により静電容量は大幅に小さくなる。ここで、静電容量CはC=εS/d(d:絶縁膜の厚み)で表されるところ、液界面の電気二重層のdが1nm以下であるのに対し、絶縁膜23のdは1μm以上である。そうすると、電気二重層の静電容量は、絶縁膜容量に比べて大幅に大きくなる。したがって、直接電極20の静電容量は、対向電極22の静電容量より大幅に小さくなる。このように直接電極20の静電容量が小さいため、放電時、直接電極20において無駄に消費される電荷が少なくなる。換言すれば、間接電極21に蓄積された電荷の無駄な消費を抑制し、対向電極22における配列電荷量と反応析出電荷量をほぼ等量化することができる。
そして、対向電極22の表面に十分な銅イオンCが集積し、均一に配列された状態で還元されるので、対向電極22の表面に銅めっき50を均一に析出させることができる。結果的に、銅めっき50における結晶の密度が高くなり、品質の良い銅めっき50を形成することができる。
その後、充電時の銅イオンCの移動集積と放電時の銅イオンCの還元が繰り返し行われることで、銅めっき50が所定の膜厚に成長する。こうして、めっき処理装置1における一連のめっき処理が終了する。
以上の実施形態によれば、直接電極20(絶縁部20b)が絶縁膜23を介して対向電極22に接続されているので、充電時に銅イオンCを移動させる際、直接電極20と対向電極22がほぼ等電位となる。このため、直接電極20の露出部20aと対向電極22における電荷交換(酸化還元)を抑制することができる。その結果、充電時においては、対向電極22の表面に銅イオンCを均一に配列させた状態で、当該銅イオンCが還元される。したがって、めっき処理を均一に行うことができ、銅めっき50の膜厚を均一にすることができる。しかも、銅イオンCが均一に配置されるので、銅めっき50中の結晶を密に配置することができる。したがって、めっき処理後の銅めっき50の品質を向上させることができる。
また、直接電極20は絶縁膜容量と電気二重層容量の直列接続の構造により静電容量は大幅に小さくなるので、放電時に、直接電極20において無駄に消費される電荷が少なくなり、間接電極21に蓄積された電荷の無駄な消費を抑制して、対向電極22における配列電荷量と反応析出電荷量をほぼ等量化することができる。したがって、充電時に直流電源30から印可される電圧(エネルギー)を有効利用して、さらに間接電極21に蓄積された電荷を有効利用することができ、めっき処理を効率よく行うことができる。
<めっきの密着性向上>
以上の実施形態においては、対向電極22と銅めっき50を密着させることが重要である。この点、例えば対向電極22と銅めっき50が異なる種類の金属であると、対向電極22に対して銅めっき50が密着し難い場合がある。或いは、例えば対向電極22が高いアスペクト比の微細溝や微細孔である場合も同様に、対向電極22に対して銅めっき50が密着し難い場合がある。
このように異種金属へのめっき、或いは微細溝、微細孔へのめっき埋め込みの際、下地膜に対するめっきの密着性が問題となり得る理由は、めっき液中の金属イオンが還元されて下地膜の表面に吸着して拡散する際、当該金属イオンがめっきの結晶に取り込まれるまでに不安定に移動するためである。ここで、金属原子は一般的に、電子の流れ方向に移動する。本発明者は、この金属原子の特性を利用し、めっき液に対して、充電時の電界(以下、「正静電界」という場合がある。)と逆方向の電界(以下、「逆静電界」という場合がある。)を形成することで、不安定な金属原子を下地膜に密着させることを想到した。
以下、上記実施形態のめっき処理装置1を用いて説明する。先ず、図2に示したように充電時、間接電極21を陽極とし、対向電極22を陰極として直流電圧を印加して、めっき液Mに正静電界を形成する。そして、対向電極22側に銅イオンCを移動させる。次に、図3に示したように放電時、直接電極20と間接電極21を接続する。そして、対向電極22の表面において銅イオンCが還元されて、銅めっき50が析出する。
次に、図4に示すように直流電源30の正極と負極の向きを反対にして、当該当該直流電源30を配置する。すなわち、間接電極21は直流電源30の負極側に接続され、対向電極22は直流電源30の正極側に接続される。また、間接電極21は、絶縁膜24を介して接地される。
続いて、第1のスイッチ31によって間接電極21と直流電源30(対向電極22)を接続すると共に、第2のスイッチ32によって直接電極20と間接電極21の接続を切断する。そして、間接電極21を陰極とし、対向電極22を陽極として直流電圧を印加して、めっき液Mに逆静電界を形成する。この逆静電界は、充電時の正静電界と逆方向の静電界である。逆静電界により、銅めっき50において銅原子の電子は対向電極22側に分極移動する。そうすると、対向電極22に銅原子を密着させることができ、対向電極22に対する銅めっき50の密着性を向上させることができる。
なおこの際、めっき液Mに形成される電界が静電界であるため、銅めっき50において銅原子がめっき液M側に分極移動し、銅めっき50の表面側に陰イオンAが移動しても、当該銅原子が酸化されることはない。
ここで、対向電極22に対する銅めっき50の密着性を向上させるため、めっき液Mに直接電界を形成することも考えられる。しかしながら、かかる場合、直接電界によって銅めっき50が削られるおそれがある。この点、本実施形態によれば、めっき液Mに静電界を形成するので、銅めっき50が削られることを防止しつつ、銅めっき50の密着性を向上させることができる。
なお、上述したようにめっき処理では、充電時の銅イオンCの移動集積と放電時の銅イオンCの還元を含むサイクルを繰り返し行って、銅めっき50が所定の膜厚に成長する。本実施形態における逆静電界による銅めっき50の密着処理は、サイクルごとに行ってもよい。すなわち、充電時の銅イオンCの移動集積、放電時の銅イオンCの還元、及び逆静電界による銅めっき50の密着処理をこの順で繰り返し行ってもよい。或いは、逆静電界による銅めっき50の密着処理は、最後のサイクルの後に行ってもよい。すなわち、複数回のサイクルを行って銅めっき50を所望の膜厚に成長させた後、逆静電界による銅めっき50の密着処理をおこなってもよい。
<対向電極側の剥がれ及び置換めっき対策>
以上の実施形態において、対向電極22に銅めっき50を形成する前に、当該対向電極22の表面には所定の下地膜が形成されている場合がある。例えば半導体装置において、銅めっき50からなる配線を形成する場合、半導体基板(対向電極22)の表面には例えばコバルトめっきからなるバリア膜(下地膜)が形成されている。この下地膜の金属のイオン化傾向が、めっき液Mの銅のイオン化傾向より小さい場合、無電解の置換めっきが行われ、当該下地膜が剥がれる場合がある。
一方、この置換めっきを防止するためには適正な電圧を印加する必要があるが、この電圧によって電解めっきが進行し、電解めっき処理が均一に行われない場合がある。すなわち、上述しためっき処理装置1において、例えば対向電極22をめっき液M中に配置する際など、対向電極22に集積しためっき液Mの銅イオンCが不均一に分布している状態や、電界が不安定な状態で電解めっきを行うと、めっき金属が不均一に析出し、めっき処理が均一に行われない。したがって、対向電極22をめっき液M中に配置する際には、無電解の置換めっきを防止しつつ、電解めっきも進行させないようにする必要がある。
そこで、めっき処理装置1において、対向電極22をめっき液M中に配置する際、図2に示したように第1のスイッチ31によって間接電極21と直流電源30を接続すると共に、第2のスイッチ32によって直接電極20と間接電極21の接続を切断する。そして、間接電極21を陽極とし、対向電極22を陰極として直流電圧を印加して、めっき液Mに電界(静電界)を形成する。これにより、例えば対向電極22の表面に下地膜が形成されている場合でも、無電解の置換めっきを防止して下地膜の剥がれを抑制することができ、めっき液Mによる電解めっきも進行しない。その結果、めっき処理を均一に行うことができる。
<他の実施形態>
以上の実施形態のめっき処理装置1において、その構成部材は上記の例に限定されない。各構成部材は、その機能を発揮できれば任意の構成を取り得る。例えば、間接電極21はめっき液Mに電界を形成できればよく、めっき槽10の外部に設けられていてもよい。
<他の実施形態>
以上の実施形態では、電解処理としてめっき処理を行う場合について説明したが、本発明は例えばエッチング処理、洗浄処理等の種々の電解処理に適用することができる。
また、以上の実施形態では対向電極22側において銅イオンCを還元する場合について説明したが、本発明は対向電極22側において被処理イオンを酸化する場合にも適用できる。
かかる場合、被処理イオンは陰イオンであり、上記実施形態において陽極と陰極を反対にして同様の電解処理を行えばよい。すなわち、間接電極と対向電極の間に電圧を印加して電界を形成し、対向電極側に被処理イオンを移動させる。その後、直接電極と間接電極を接続する。そうすると、対向電極側に移動した被処理イオンの電荷が交換されて、被処理イオンが酸化される。
本実施形態においても、被処理イオンの酸化と還元の違いはあれ、上記実施形態と同様の効果を享受することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 めっき処理装置
10 めっき槽
20 直接電極
20a 露出部
20b 絶縁部
21 間接電極
22 対向電極
23 絶縁膜
24 絶縁膜
30 直流電源
31 第1のスイッチ
32 第2のスイッチ
40 制御部
50 銅めっき
A 陰イオン
C 銅イオン
M めっき液

Claims (9)

  1. 処理液に含まれる被処理イオンを用いて所定の処理を行う電解処理方法であって、
    前記処理液中に直接電極と対向電極を配置すると共に、当該処理液に電界を形成する間接電極を配置する配置工程と、
    前記間接電極に電圧を印加して前記処理液に電界を形成し、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる被処理イオン移動工程と、
    前記直接電極と前記間接電極を接続して、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元する被処理イオン処理工程と、を有し、
    前記直接電極の一部は前記処理液に露出し、当該直接電極の他部は絶縁膜で覆われ、
    前記直接電極は前記絶縁膜を介して前記対向電極に接続され、
    前記直接電極は前記絶縁膜を介して接地されることを特徴とする、電解処理方法。
  2. 前記配置工程において、前記間接電極と電源の接続と、前記間接電極と前記直接電極の接続とを切り替える第1のスイッチを配置すると共に、前記直接電極と前記間接電極の接続と切断を切り替える第2のスイッチを配置し、
    前記被処理イオン移動工程において、前記第1のスイッチによって前記間接電極と前記電源を接続して前記間接電極に電圧を印加すると共に、前記第2のスイッチによって前記直接電極と前記間接電極の接続を切断して、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させ、
    前記被処理イオン処理工程において、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチによって前記直接電極と前記間接電極を接続し、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元することを特徴とする、請求項1に記載の電解処理方法。
  3. 前記処理液はめっき液であり、
    前記被処理イオン処理工程において、前記被処理イオンを還元して前記対向電極側にめっきを形成し、
    前記被処理イオン処理工程の後、前記間接電極に電圧を印加して前記被処理イオン移動工程における電界と逆方向の逆電界を前記処理液に形成し、前記対向電極側に前記めっきを密着させるめっき密着工程を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電解処理方法。
  4. 前記被処理イオン移動工程と前記被処理イオン処理工程を含むサイクルを繰り返し行い、
    前記めっき密着工程は、前記サイクルごとに行うことを特徴とする、請求項3に記載の電解処理方法。
  5. 前記被処理イオン移動工程と前記被処理イオン処理工程を含むサイクルを繰り返し行い、
    前記めっき密着工程は、最後の前記サイクルの後に行うことを特徴とする、請求項3に記載の電解処理方法。
  6. 前記配置工程において、前記間接電極に電圧を印加して前記処理液に電界を形成することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電解処理方法。
  7. 処理液に含まれる被処理イオンを用いて所定の処理を行う電解処理装置であって、
    前記処理液中に配置された直接電極と、
    前記処理液中に配置された対向電極と、
    前記処理液に電界を形成する間接電極と、を有し、
    前記間接電極は、電圧が印加されることで前記処理液に電界を形成し、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させ、
    前記直接電極と前記間接電極は、当該直接電極と間接電極が接続されることで、前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元し、
    前記直接電極の一部は前記処理液に露出し、当該直接電極の他部は絶縁膜で覆われ、
    前記直接電極は前記絶縁膜を介して前記対向電極に接続され、
    前記直接電極は前記絶縁膜を介して接地されることを特徴とする、電解処理装置。
  8. 前記間接電極と電源の接続と、前記間接電極と前記直接電極の接続とを切り替える第1のスイッチと、
    前記直接電極と前記間接電極の接続と切断を切り替える第2のスイッチと、を有し、
    前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる際、前記第1のスイッチは前記間接電極と前記電源を接続して前記間接電極に電圧を印加し、前記第2のスイッチは前記直接電極と前記間接電極の接続を切断し、
    前記対向電極側に移動した前記被処理イオンを酸化又は還元する際、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、前記直接電極と前記間接電極を接続することを特徴とする、請求項7に記載の電解処理装置。
  9. 前記処理液はめっき液であり、
    前記被処理イオンを還元して前記対向電極側にめっきを形成し、
    前記間接電極は、電圧が印加されることで、前記処理液中の前記被処理イオンを前記対向電極側に移動させる際の電界と逆方向の逆電界を前記処理液に形成し、前記対向電極側に前記めっきを密着させることを特徴とする、請求項7又は8に記載の電解処理装置。
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