JP2023120675A - 弁装置 - Google Patents

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Noboru Ito
啓晃 藤原
Hiroaki Fujiwara
王憲 森田
Kiminori Morita
政浩 松尾
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Abstract

Figure 2023120675000001
【課題】スプールを手動で移動させることが可能な弁装置において、弁装置を容易に組み立てることが可能な弁装置を提供する。
【解決手段】この弁装置100は、軸線方向に移動して、液体の流路の切り替えまたは液体の流量の調整を行うスプール20と、スプール20に接続され、スプール20の軸線方向の移動に伴って回動軸線A1周りに回動する操作ピン40と、操作ピン40の回動軸線A1に沿って移動することにより、操作ピン40に対して連結されて操作ピン40とともに回動する連結状態と、操作ピン40に対して連結されずに操作ピン40を回動自在に支持する非連結状態とに切り替えられる操作軸50と、を備える。操作軸50は、連結状態で回動軸線A1周りに回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動して、スプール20が移動する。
【選択図】図9

Description

本開示は、弁装置に関し、特に、液体の流路の切り替えまたは液体の流量の調整を行うスプールを備える弁装置に関する。
従来、液体の流路を切り替えるスプールを備える弁装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、液体の流路を切り替えるスプールと、スプールに接続されてスプールの軸線方向における移動に伴って揺動する操作ピンと、操作ピンに接続されて操作ピンの揺動に伴って回転する回転軸と、回転軸に連結される連結状態と回転軸に連結されない非連結状態とを切り替え可能な連結プラグと、連結プラグに接続された操作レバーとを備える弁装置が開示されている。この特許文献の弁装置は、操作ピンと回転軸とが固定ピンで接続されており、連結プラグを連結状態に切り替えた状態で、操作レバーを手動により操作することにより、スプールを軸線方向に沿って移動させることが可能である。
特開2020-041660号公報
上記特許文献1の弁装置は、スプールが設けられるカバー内において、固定ピンで操作ピンと回転軸とを接続する作業を行う必要があるため、弁装置を組み立てる際の作業が煩雑となる。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本開示の1つの目的は、スプールを手動で移動させることが可能な弁装置において、弁装置を容易に組み立てることが可能な弁装置を提供することである。
上記目的を達成するために、一の局面による弁装置は、軸線方向に移動して、液体の流路の切り替えまたは液体の流量の調整を行うスプールと、スプールに接続され、スプールの軸線方向の移動に伴って回動軸線周りに回動する操作ピンと、操作ピンの回動軸線に沿って移動することにより、操作ピンに対して連結されて操作ピンとともに回動する連結状態と、操作ピンに対して連結されずに操作ピンを回動自在に支持する非連結状態とに切り替えられる操作軸と、を備え、操作軸は、連結状態で回動軸線周りに回動されることにより、操作ピンが回動軸線周りに回動して、スプールが移動する。
これにより、スプールを手動で移動させる際に作業者が操作する操作軸を操作ピンに対して直接連結する連結状態と、操作軸を操作ピンに対して連結しない非連結状態とに、操作軸を回動軸線に沿って移動させることにより切り替えることができるので、従来の構成と異なり、操作ピンに接続する回転軸を別途設ける必要がない。その結果、弁装置を組み立てる際に、スプールが設けられるカバー内において、操作ピンと回転軸とを接続する作業を行う必要がないので、弁装置を容易に組み立てることができる。
本開示によれば、上記のように、スプールを手動で移動させることが可能な弁装置において、弁装置を容易に組み立てることができる。
第1実施形態による弁装置の概略を示した図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 第1実施形態による弁装置の操作軸が配置される部分を示した図である。 第1実施形態による弁装置の操作軸を示した図である。 図4のV-V線に沿った断面図である。 第1実施形態による弁装置の操作ピンを示した正面図である。 第1実施形態による弁装置の操作ピンを示した側面図である。 第1実施形態による弁装置の非連結状態の操作軸および操作ピンを示した図である。 第1実施形態による弁装置の連結状態の操作軸および操作ピンを示した図である。 第2実施形態による弁装置の操作軸が配置される部分を示した図である。 第2実施形態による弁装置の操作軸に接続される操作レバーを示した図である。 第2実施形態による弁装置の非連結状態の操作軸および操作ピンを示した図である。 第2実施形態による弁装置の連結状態の操作軸および操作ピンを示した図である。
(第1実施形態)
図1~図9を参照して、第1実施形態による弁装置100の構成について説明する。
図1に示すように、弁装置100は、負荷部200に油などの作動液を供給するための流路を切り替えて、負荷部200を動作させる。なお、弁装置100は、流路を切り替えずに作動液の流量を調整してもよい。負荷部200は、たとえば、農業機械、建設機械などに搭載される機器を含んでいる。たとえば、負荷部200は、アームやフォークを昇降させたり、掘削を行うために動作される。負荷部200は、弁装置100を介して作動液が供給されて、シリンダ内においてロッドを移動させることにより動作する。また、負荷部200は、建機用の旋回モータなどの油圧モータを含み、弁装置100を介して作動液が供給されることにより回転駆動する。
弁装置100は、筐体10と、スプール20とを備えている。筐体10は、第1部分10aと、第2部分10bと、第3部分10cを含んでいる。筐体10の第1部分10aには、作動液が流通する流路11、12、13、14、15、16、17および18が形成されている。スプール20は、軸線方向に移動して作動液の流路を切り替える。
弁装置100には、傾転制御部30と、ポンプ31と、ポンプ32とが設けられ、作動液が送られる。ポンプ31は、たとえば、斜板を有する可変容量型の斜板ポンプである。傾転制御部30は、ポンプ31の斜板の傾転角を変えるために設けられている。ポンプ31は、エンジンや電動機などの駆動部に連結されており、駆動部の回転により回転される。また、ポンプ31は、駆動部の回転数およびポンプ31の吐出容量に応じた流量の作動液を吐出する。吐出された作動液は、ポンプ31から流路13を介して弁装置100に流入する。
ポンプ31から弁装置100の流路13に流入した作動液は、スプール20の位置に応じて、流路11または12の一方から負荷部200に送られる。また、負荷部200から弁装置100に送られる作動液は、流路11または12の他方から、流路14または15を介してタンク19に戻される。
スプール20は、円柱状に形成され、中立位置、上げ位置、および、下げ位置の3つの位置に移動可能である。また、3つの位置において、流路11~15の接続状態が切り替えられる。具体的には、スプール20を上げ位置に移動させた場合、流路13が流路11に接続され、流路12が流路15に接続される。また、スプール20を下げ位置に移動させた場合、流路13が流路12に接続され、流路11が流路14に接続される。これにより、上げ位置の場合と、下げ位置の場合とで、負荷部200のロッドが互いに反対の方向に移動される。また、スプール20を中立位置に戻すと、流路11~15の全てが遮断される。これにより、負荷部200に対する作動液の流入および流出が止められる。これにより、負荷部200の動作が止められる。なお、図1において、スプール20が左側に移動した状態が上げ位置にある状態であり、右側に移動した状態が下げ位置にある状態である。
スプール20は、その両端部分にパイロット圧が作用する。スプール20は、作用するパイロット圧、および、第3部分10cのバネ機構80の復元力により、中立位置、上げ位置、および、下げ位置の3つの位置の間で移動する。具体的には、スプール20は、パイロット圧が作用しない場合に、バネ機構80の復元力により、中立位置に移動される。また、スプール20は、パイロット圧の作用により、上げ位置または下げ位置に移動される。
バネ機構80は、第3部分10cに設けられている。バネ機構80は、スプール20を中立位置に復帰させる。また、バネ機構80は、スプリング81と、一対のばね座82aおよび82bと、を有している。
スプリング81は、一対のばね座82aおよび82bに挟まれるように配置されている。一対のばね座82aおよび82bは、直径方向内側においてスプール20に当接し、直径方向外側において、スプリング81に当接している。スプリング81は、圧縮コイルばねであり、スプール20を中立位置に位置させるように、付勢力を作用させる。つまり、スプール20が左側に移動して上げ位置に位置した場合に、スプール20に対して右側への付勢力を作用させる。また、スプール20が右側に移動して下げ位置に位置した場合に、スプール20に対して左側への付勢力を作用させる。
弁装置100には、ポンプ32と、電磁弁33および34と、が設けられており、弁装置100にパイロット圧を作用させるパイロット液の圧力が制御される。パイロット液は、たとえば、負荷部200に送られる作動液と同じ液体である。ポンプ32は、たとえば、斜板ポンプまたはギヤポンプなどの定容量型のポンプである。また、ポンプ32は、エンジンや電動機などの駆動部に連結されており、駆動部の回転により回転される。また、ポンプ32は、駆動部の回転数およびポンプ32の吐出容量に応じた流量のパイロット液を吐出する。吐出されたパイロット液は、ポンプ32から流路を介して弁装置100に流入する。
電磁弁33を開にし、電磁弁34を閉にすることにより、パイロット液は、流路17から弁装置100に流入する。また、電磁弁33を閉にし、電磁弁34を開にすることにより、パイロット液は、流路18から弁装置100に流入する。これにより、スプール20に作用させるパイロット圧が切り替えられる。
また、弁装置100は、図2に示すように、並んで複数配置されていてもよい。複数の弁装置100は、複数の負荷部200に対応するように設けられる。
ここで、弁装置100は、図1に示すように、スプール20に接続され、スプール20の軸線方向の移動に伴って回動軸線A1周りに回動する操作ピン40を備えている。
操作ピン40は、被係合部41を含んでいる。操作ピン40は、スプール20の端部近傍に設けられた係合部21に、被係合部41が係合している。操作ピン40は、筐体10の第2部分10b内に収容されている。
また、弁装置100は、図3~図5に示すように、操作ピン40の回動軸線A1に沿って設けられた操作軸50を備えている。ここで、第1実施形態では、操作軸50は、操作ピン40の回動軸線A1に沿って移動することにより、操作ピン40に対して連結されて操作ピン40とともに回動する連結状態(図9参照)と、操作ピン40に対して連結されずに操作ピン40を回動自在に支持する非連結状態(図8参照)とに切り替えられる。
操作ピン40は、図6および図7に示すように、被係合部41と、貫通孔42と、複数の溝部43と、を含む。被係合部41は、スプール20の係合部21に係合する。貫通孔42には、操作軸50が挿入される。溝部43は、操作軸50に係合する。具体的には、溝部43は、操作軸50に設けられた凸部54が嵌りこんで係合する。なお、溝部43は、特許請求の範囲の「第1係合部」の一例である。
操作ピン40の溝部43は、回動軸線A1を挟んで複数設けられている。具体的には、溝部43は、貫通孔42の径方向における両端部に設けられている。なお、溝部43は、貫通孔42の径方向における一端部のみに設けられていてもよい。また、凸部54は、操作軸50の径方向における一端部のみに設けられていてもよい。
図9に示すように、操作ピン40は、溝部43に凸部54が係合することにより連結状態となる。また、図8に示すように、操作ピン40は、溝部43に凸部54が係合しないことにより非連結状態となる。
操作ピン40は、応急時などに回動軸線A1周りに回動させることにより、スプール20を手動で移動させることが可能である。具体的には、操作ピン40と操作軸50とが連結状態で、操作軸50が回動軸線A1周りに回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動する。これにより、スプール20が移動する。また、操作軸50は、弁装置100の通常運用時において、操作ピン40に連結されない非連結状態となる。これにより、スプール20がパイロット圧の作用により移動する場合において、スプール20の移動に伴って操作ピン40が回動しても、操作軸50は回動されない。
操作軸50は、図4に示すように、大径部51と、小径部52とを含む。小径部52は、操作ピン40を貫通するとともに大径部51よりも直径が小さい。また、操作軸50は、操作ピン40の溝部43に係合する凸部54を含む。また、操作軸50は、回動軸線A1方向における一方側の端部に設けられたおねじ部53と、おねじ部53に螺合するめねじ部材55と、を含む。また、操作軸50は、回動軸線A1方向における他方側の端部に設けられ、工具60が係合する工具係合部56を含む。なお、凸部54は、特許請求の範囲の「第2係合部」の一例である。
図4および図5に示すように、操作軸50の凸部54は、操作軸50に対して操作軸50の径方向に挿入された連結ピン54aを有する。連結ピン54aは、操作軸50に対して操作軸50の径方向に圧入されている。連結ピン54aが操作軸50に圧入されることにより、操作軸50に対して、凸部54が小径部52の径方向における両方の端部に形成される。
連結ピン54aは、円柱形状に形成されている。つまり、操作軸50の凸部54は、曲面を有している。また、図5に示すように、操作軸50の凸部54は、最大外形寸法の大きさL1が、大径部51の直径D1より小さく、かつ、小径部52の直径D2より大きい。
図3に示すように、おねじ部53には、めねじ部材55が螺合する。また、おねじ部53には、座金55aおよび止め輪55bが設けられる。めねじ部材55は、たとえば、六角ナットである。図9に示すように、めねじ部材55は、工具60を用いて回転される。工具60は、たとえば、六角スパナや六角レンチである。
操作軸50は、おねじ部53に対してめねじ部材55を回動軸線A1周りに回転させることにより、回動軸線A1に沿って移動して、連結状態と非連結状態とが切り替えられる。
具体的には、おねじ部53に対してめねじ部材55を締め付けるように回転させることにより、操作軸50が移動して連結状態に切り替えられる。また、おねじ部53に対してめねじ部材55を緩めるように回転させることにより、操作軸50が移動して非連結状態に切り替えられる。具体的には、おねじ部53に対してめねじ部材55を緩めた後、筐体10b内部にパイロット圧が作用することにより、操作軸50が左方向に移動して非連結状態に切り換えられる。
工具係合部56は、応急時に工具60を係合させて、操作軸50を回動させることにより、操作ピン40を介してスプール20を移動させるために設けられている。つまり、操作軸50は、連結状態で工具係合部56に係合された工具60が回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動する。これにより、スプール20が移動する。工具係合部56は、たとえば、六角ボルトのヘッド部である。また、工具係合部56は、めねじ部材55を回転させる際に、工具60が係合される。これにより、操作軸50が回転しないように保持される。
図3に示すように、操作ピン40を収容する筐体10の第2部分10bは、第1軸受110および第2軸受120を含む。第1軸受110は、操作軸50の回動軸線A1方向の移動をガイドするとともに操作軸50を回動軸線A1周りに回動可能に支持する。第2軸受120は、操作ピン40を挟んで第1軸受110とは反対側に配置されている。また、第2軸受120は、操作軸50の回動軸線A1方向の移動をガイドするとともに操作軸50を回動軸線A1周りに回動可能に支持する。
第1軸受110は、操作軸50の大径部51を回動可能に支持している。第2軸受120は、操作軸50の小径部52を回動可能に支持している。
操作軸50には、操作軸50を取り囲むように配置されたシール部材57aおよび57bが設けられている。シール部材57aは、操作軸50の大径部51を取り囲むように設けられている。つまり、シール部材57aは、第1軸受110に配置されている。また、シール部材57bは、操作軸50の小径部52を取り囲むように設けられている。つまり、シール部材57bは、第2軸受120に配置されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、操作ピン40の回動軸線A1に沿って移動することにより、操作ピン40に対して連結されて操作ピン40とともに回動する連結状態と、操作ピン40に対して連結されずに操作ピン40を回動自在に支持する非連結状態とに切り替えられる操作軸50を設ける。また、操作軸50は、連結状態で回動軸線A1周りに回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動して、スプール20が移動する。これにより、スプール20を手動で移動させる際に作業者が操作する操作軸50を操作ピン40に対して直接連結する連結状態と、操作軸50を操作ピン40に対して連結しない非連結状態とに、操作軸50を回動軸線A1に沿って移動させることにより切り替えることができるので、従来の構成と異なり、操作ピン40に接続する回転軸を別途設ける必要がない。その結果、弁装置を組み立てる際に、スプール20が設けられるカバー内において、操作ピン40と回転軸とを接続する作業を行う必要がないので、弁装置を容易に組み立てることができる。また、操作ピン40に接続する回転軸を別途設ける必要がない分、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作ピン40は、操作軸50に係合する第1係合部としての溝部43を含み、操作軸50は、操作ピン40の溝部43に係合する第2係合部としての凸部54を含む。また、操作ピン40は、第1係合部に第2係合部が係合することにより連結状態となり、第1係合部に第2係合部が係合しないことにより非連結状態となる。これにより、操作軸50の第2係合部を、操作ピン40の第1係合部に係合させることにより、操作ピン40および操作軸50を容易に連結状態にすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作ピン40の第1係合部は、溝部43を有し、操作軸50の第2係合部は、溝部43に係合する凸部54を有する。これにより、操作ピン40の溝部43に対して操作軸50の凸部54が入り込むように、操作軸50を移動させることにより、操作ピン40の第1係合部に対して操作軸50の第2係合部を容易に係合させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作軸50の凸部54は、操作軸50に対して操作軸50の径方向に挿入された連結ピン54aを有する。これにより、操作軸50に対して連結ピン54aを挿入することにより、操作軸50に容易に凸部54を設けることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、連結ピン54aは、円柱形状に形成されている。これにより、円柱形状の凸部54を、溝部43に係合させる際に、円柱形状の凸部54の側面の幅が小さい部分から凸部54を溝部43に入り込ませることができるので、凸部54の中心位置が溝部43の中心位置に対してずれている場合でも、凸部54を溝部43に入り込ませることができる。これにより、操作軸50の凸部54を操作ピン40の溝部43に容易、かつ、確実に係合させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作ピン40の溝部43は、回動軸線A1を挟んで複数設けられている。これにより、回動軸線A1を挟んで設けられた複数の溝部43に、凸部54を係合させることができるので、操作ピン40に対して操作軸50を安定して係合させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作軸50は、大径部51と、小径部52とを含む。小径部52は、操作ピン40を貫通するとともに大径部51よりも直径が小さい。また、操作軸50の凸部54は、最大外形寸法の大きさL1が、大径部51の直径D1より小さく、かつ、小径部52の直径D2より大きい。これにより、操作軸50の小径部52により操作ピン40を回動可能に支持することができるとともに、操作軸50の凸部54を小径部52から径方向に突出させることにより凸部54を容易に設けることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作ピン40を収容する筐体10は、操作軸50の回動軸線A1方向の移動をガイドするとともに操作軸50を回動軸線A1周りに回動可能に支持する第1軸受110と、操作ピン40を挟んで第1軸受110とは反対側に配置され操作軸50の回動軸線A1方向の移動をガイドするとともに操作軸50を回動軸線A1周りに回動可能に支持する第2軸受120とを含む。これにより、操作ピン40を挟むように配置された第1軸受110および第2軸受120により操作軸50を移動可能に支持するので、操作軸50を安定して支持および移動時のガイドを行うことができる。また、操作軸50を手動で操作する場合に、第1軸受110および第2軸受120により、操作軸50を安定して回動させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作軸50は、回動軸線A1方向における一方側の端部に設けられたおねじ部53と、おねじ部53に螺合するめねじ部材55と、を含む。また、操作軸50は、おねじ部53に対してめねじ部材55を回動軸線A1周りに回転させることにより、回動軸線A1に沿って移動して、連結状態と非連結状態とが切り替えられる。これにより、おねじ部53に対してめねじ部材55を回転させることにより、操作軸50が操作ピン40に対して連結状態となるように容易に切り替えることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作軸50は、回動軸線A1方向における他方側の端部に設けられ、工具60が係合する工具係合部56を含む。これにより、応急時などにおいてスプール20を手動で移動させる場合に、工具60を工具係合部56に係合させることにより、操作軸50を手動で操作することができる。また、手動で操作を行うためのレバーなどを常時設けておく場合と異なり、弁装置の小型化を図ることができるとともに、弁装置を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、操作軸50は、連結状態で工具係合部56に係合された工具60が回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動する。これにより、スプール20が移動する。これにより、応急時などにおいてスプール20を手動で移動させる場合に、工具60を工具係合部56に係合させて回動することにより、スプール20を容易に移動させることができる。
(第2実施形態)
次に、図10~図13を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、工具60を工具係合部56に係合させて、操作軸50が連結状態において、工具60により操作軸50を回動させて、スプール20を手動で移動させる上記第1実施形態とは異なり、操作軸70に接続された操作レバー75により操作軸70を回動させて、スプール20を手動で移動させる例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図10に示すように、弁装置300は、筐体10と、スプール20(図1参照)とを備えている。また、弁装置300は、図12および図13に示すように、スプール20に接続され、スプール20の軸線方向の移動に伴って回動軸線A1周りに回動する操作ピン40を備えている。操作ピン40は、応急時などに回動軸線A1周りに回動させることにより、スプール20を手動で移動させることが可能である。
また、弁装置300は、図10に示すように、操作ピン40の回動軸線A1に沿って設けられた操作軸70を備えている。ここで、第2実施形態では、操作軸70は、操作ピン40の回動軸線A1に沿って移動することにより、操作ピン40に対して連結されて操作ピン40とともに回動する連結状態(図13参照)と、操作ピン40に対して連結されずに操作ピン40を回動自在に支持する非連結状態(図12参照)とに切り替えられる。
また、操作軸70は、連結状態で回動軸線A1周りに回動されることにより、操作ピン40が回動軸線A1周りに回動する。これにより、スプール20が移動する。
操作軸70は、図10に示すように、大径部71と、小径部52とを含む。小径部52は、操作ピン40を貫通するとともに大径部51よりも直径が小さい。また、図12および図13に示すように、操作軸70は、操作ピン40の溝部43に係合する凸部73を含む。また、操作軸70には、操作レバー75が接続されている。なお、凸部73は、特許請求の範囲の「第2係合部」の一例である。
操作軸70には、操作軸70を取り囲むように配置されたシール部材74が設けられている。シール部材74は、操作軸70の大径部71を取り囲むように設けられている。つまり、シール部材74は、第1軸受110に配置されている。
操作レバー75は、図11に示すように、ピン75aにより、操作軸70に接続されている。操作レバー75は、ピン75aを中心に、操作軸70に対して回動可能である。また、操作レバー75は、操作軸70に接続されて操作軸70を回動軸線A1に沿って移動させる。具体的には、図13に示すように、操作レバー75は、操作軸70と操作ピン40とを連結させる際に、当接部76を支点として傾動して操作軸70を回動軸線A1に沿って移動させる。これにより、操作軸70が押し込まれて、操作軸70が操作ピン40に連結する連結状態に切り替えられる。また、操作レバー75は、逆に傾動させることにより、操作軸70と操作ピン40との連結状態を解除する。つまり、操作軸70が引き出されて、操作軸70が操作ピン40に連結されない非連結状態に切り替えられる。
また、操作レバー75は、操作軸70が操作ピン40に連結されている連結状態において、回動させることにより、操作ピン40を回動軸線A1周りに回動させる。これにより、スプール20が移動する。
当接部76は、操作レバー75の外側に設けられている。図11に示すように、当接部76は、円弧状に形成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、スプール20を手動で移動させることが可能な弁装置300において、弁装置を容易に組み立てることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、操作軸70に接続されて操作軸70を回動軸線A1に沿って移動させる操作レバー75と、操作レバー75に当接する当接部76と、を備える。また、操作レバー75は、操作軸70と操作ピン40とを連結させる際に、当接部76を支点として傾動して操作軸70を回動軸線A1に沿って移動させる。これにより、応急時などにおいてスプール20を手動で移動させる場合に、操作レバー75の操作により、操作軸70が操作ピン40に対して連結状態となるように容易に切り替えることができる。また、連結状態とした状態で、操作レバー75を移動することにより、スプール20を容易に移動させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、操作ピンの第1係合部が溝部を有し、操作軸の第2係合部が凸部を有する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、操作ピンの第1係合部が凸部を有し、操作軸の第2係合部が溝部を有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、操作軸の第2係合部の連結ピンが円柱形状に形成されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、操作軸の第2係合部の連結ピンは、円柱形状以外の形状であってもよい。たとえば、連結ピンは、角柱形状に形成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、操作ピンの第1係合部が回動軸線を挟んで2つ設けられている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、操作ピンの第1係合部が1つまたは3つ以上設けられていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、操作軸が大径部と小径部を含み、操作軸の直径の大きさが途中で変わっている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、操作軸の直径が一定の大きさであってもよい。
10 筐体
20 スプール
40 操作ピン
43 溝部(第1係合部)
50、70 操作軸
51、71 大径部
52、72 小径部
53 おねじ部
54、73 凸部(第2係合部)
54a 連結ピン
55 めねじ部材
56 工具係合部
60 工具
75 操作レバー
75a 当接部
100、300 弁装置
110、210 第1軸受
120、220 第2軸受

Claims (12)

  1. 軸線方向に移動して、液体の流路の切り替えまたは液体の流量の調整を行うスプールと、
    前記スプールに接続され、前記スプールの前記軸線方向の移動に伴って回動軸線周りに回動する操作ピンと、
    前記操作ピンの前記回動軸線に沿って移動することにより、前記操作ピンに対して連結されて前記操作ピンとともに回動する連結状態と、前記操作ピンに対して連結されずに前記操作ピンを回動自在に支持する非連結状態とに切り替えられる操作軸と、を備え、
    前記操作軸は、前記連結状態で前記回動軸線周りに回動されることにより、前記操作ピンが前記回動軸線周りに回動して、前記スプールが移動する、弁装置。
  2. 前記操作ピンは、前記操作軸に係合する第1係合部を含み、
    前記操作軸は、前記操作ピンの前記第1係合部に係合する第2係合部を含み、前記第1係合部に前記第2係合部が係合することにより前記連結状態となり、前記第1係合部に前記第2係合部が係合しないことにより前記非連結状態となる、請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記操作ピンの前記第1係合部は、溝部を有し、
    前記操作軸の前記第2係合部は、前記溝部に係合する凸部を有する、請求項2に記載の弁装置。
  4. 前記操作軸の前記凸部は、前記操作軸に対して前記操作軸の径方向に挿入された連結ピンを有する、請求項3に記載の弁装置。
  5. 前記連結ピンは、円柱形状に形成されている、請求項4に記載の弁装置。
  6. 前記操作ピンの前記第1係合部は、前記回動軸線を挟んで複数設けられている、請求項2~5のいずれか1項に記載の弁装置。
  7. 前記操作軸は、大径部と、小径部とを含み、
    前記小径部は、前記操作ピンを貫通するとともに前記大径部よりも直径が小さく、
    前記操作軸の前記第2係合部は、最大外形寸法の大きさが、前記大径部の直径より小さく、かつ、前記小径部の直径より大きい、請求項2~6のいずれか1項に記載の弁装置。
  8. 前記操作ピンを収容する筐体をさらに備え、
    前記筐体は、前記操作軸の前記回動軸線方向の移動をガイドするとともに前記操作軸を前記回動軸線周りに回動可能に支持する第1軸受と、前記操作ピンを挟んで前記第1軸受とは反対側に配置され前記操作軸の前記回動軸線方向の移動をガイドするとともに前記操作軸を前記回動軸線周りに回動可能に支持する第2軸受とを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の弁装置。
  9. 前記操作軸は、前記回動軸線方向における一方側の端部に設けられたおねじ部と、前記おねじ部に螺合するめねじ部材と、を含み、前記おねじ部に対して前記めねじ部材を前記回動軸線周りに回転させることにより、前記回動軸線に沿って移動して、前記連結状態と前記非連結状態とが切り替えられる、請求項1~8のいずれか1項に記載の弁装置。
  10. 前記操作軸は、前記回動軸線方向における他方側の端部に設けられ、工具が係合する工具係合部をさらに含む、請求項9に記載の弁装置。
  11. 前記操作軸は、前記連結状態で前記工具係合部に係合された前記工具が移動されることにより、前記操作ピンが前記回動軸線周りに回動して、前記スプールが移動する、請求項10に記載の弁装置。
  12. 前記操作軸に接続されて前記操作軸を前記回動軸線に沿って移動させる操作レバーと、
    前記操作レバーに当接する当接部と、をさらに備え、
    前記操作レバーは、前記操作軸と前記操作ピンとを連結させる際に、前記当接部を支点として傾動して前記操作軸を前記回動軸線に沿って移動させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の弁装置。
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