JP2023120276A - ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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寛子 小林
Hiroko Kobayashi
和人 中村
Kazuto Nakamura
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Abstract

【課題】積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の製造において、少ない添加量でも高い粘度を発現して過剰の溶剤なしでも高い塗工性を有する組成物を作製可能であり、薄層とした場合でも優れた機械的強度のセラミックグリーンシートを作製可能なポリビニルアセタール樹脂を提供する。また、該ポリビニルアセタール樹脂を用いてなるセラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】平均重合度が4500を超え、10000以下であり、アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が0.5~20モル%である、ポリビニルアセタール樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の製造において、少ない添加量でも高い粘度を発現して過剰の溶剤なしでも高い塗工性を有する組成物を作製可能であり、薄層とした場合でも優れた機械的強度のセラミックグリーンシートを作製可能なポリビニルアセタール樹脂に関する。また、該ポリビニルアセタール樹脂を用いてなるセラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサに関する。
近年、種々の電子機器に搭載される電子部品の小型化、積層化が進んでおり、多層回路基板、積層コイル、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品が広く使用されている。
なかでも、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て製造されている。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え、ビーズミル、ボールミル等の混合装置により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、またはSUSプレート等の支持体面に流延して、これを加熱等により、溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次に、得られたセラミックグリーンシート上に、内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製する。その後、積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行い、焼成して得られるセラミック焼結体の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セラミックコンデンサが得られる。
また、電子機器の多機能化、小型化に伴い、積層セラミックコンデンサは、大容量化小型化が求められている。これに対応して、セラミックグリーンシートは、より微細な粒径(例えば、0.5μm以下)のセラミック粉末が用いられ、より薄膜状(例えば、5μm以下)に剥離性の支持体上に塗工する試みがなされている。
しかしながら、微細なセラミック粉末は径の減少によって充填密度が著しく増加し、その表面積も同様に増加するものであるので、使用するバインダー樹脂量が増加し、セラミックグリーンシート用スラリー組成物の粘度が増大し、塗工工程を難しくするばかりか、セラミック粉末自体の分散不良が発生するおそれがある。従って、上記粘度の調整のために希釈剤として過剰の有機溶剤を添加することとなり、そのために、セラミックグリーンシート作製時の乾燥に必要以上のエネルギーと時間が必要となる。
また、セラミックグリーンシート作製時の諸工程において、薄膜状のセラミックグリーンシートに引張りや曲げ等の応力が負荷される。これらの応力に耐え得る強度を賦与するためには、バインダー樹脂として重合度の高いものが好ましいが、重合度の高いバインダー樹脂は、セラミックグリーンシート用スラリー組成物の粘度が増大する方向に作用するものであり、希釈剤として過剰の有機溶剤を添加することとなる。
これに対して、特許文献1及び2には、重合度、アセチル基量、アセタール基量を所定の範囲とすることで、過剰の有機溶剤を添加することなく、塗工性に優れたスラリー組成物が得られることが記載されている。
しかしながら、このようなスラリー組成物であっても、セラミックグリーンシート用スラリー組成物の粘度が高く均一な薄膜を形成することが困難であるという問題があった。また、得られるセラミックグリーンシートの強度が不充分となり、支持体から剥離する際に破損するという問題があった。
特許第3193022号公報 特許第4870919号公報
本発明は、上記現状に鑑み、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の製造において、少ない添加量でも高い粘度を発現して過剰の溶剤なしでも高い塗工性を有する組成物を作製可能であり、薄層とした場合でも優れた機械的強度のセラミックグリーンシートを作製可能なポリビニルアセタール樹脂を提供することを目的とする。また、該ポリビニルアセタール樹脂を用いてなるセラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、平均重合度が4500を超え、10000以下であり、アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が0.5~20モル%であるポリビニルアセタール樹脂である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、平均重合度、アセタール基量、水酸基量及びアセチル基量が所定の範囲内であるポリビニルアセタール樹脂は、少量の添加でも充分な粘度を発現して高い塗工性を付与することができ、薄層とした場合でも優れた機械的強度の樹脂シートを作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が4500を超え、10000以下である。
上記平均重合度が4500を超える範囲であると厚さ5μm以下のような薄膜樹脂シートを作製する場合にも、充分な機械的強度を付与することができる。上記平均重合度が10000以下であると有機溶剤への溶解を充分に向上させて、塗工性、分散性に優れたものとすることができる。
上記平均重合度の好ましい下限は5001、より好ましい下限は5050、更に好ましい下限は5500、好ましい上限は8000、より好ましい上限は7000である。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、下記一般式(1)で表されるアセタール基を有する構成単位、下記一般式(2)で表される水酸基を有する構成単位、及び、下記一般式(3)で表されるアセチル基を有する構成単位を有する。
Figure 2023120276000001
上記式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
上記式(1)中、Rが炭素数1~20のアルキル基である場合、該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、n-プロピル基が好ましい。
本発明のポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(1)で表されるアセタール基を有する構成単位の含有量(以下、「アセタール基量」ともいう)の下限は45モル%、上限は80モル%である。
上記アセタール基量が45モル%以上であると、有機溶剤への溶解性を向上させることができる。上記アセタール基量が80モル%以下であると、強靭性に優れたポリビニルアセタール樹脂とすることができる。
上記アセタール基量は、好ましい下限が47モル%、より好ましい下限が49モル%、好ましい上限が78モル%、より好ましい上限が76モル%である。
なお、本明細書において、アセタール基量の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が、ポリビニルアルコール樹脂の2個の水酸基を有する構成単位をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を有する構成単位を数える方法を採用してアセタール基量を計算する。
本発明のポリビニルアセタール樹脂において、上記ポリビニルアセタール樹脂1分子当たりのアセタール基数は、好ましい下限が2350、より好ましい下限が2695、好ましい上限が6240、より好ましい上限が5320である。
上記アセタール基数は、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度及びアセタール基量に基づいて算出することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(2)で表される水酸基を有する構成単位の含有量(以下、「水酸基量」ともいう)の下限は18モル%、上限は50モル%である。
上記水酸基量が18モル%以上であると、強靭性に優れたポリビニルアセタール樹脂とすることができる。上記水酸基量が50モル%以下であると、有機溶剤への溶解性を充分に向上させることができる。
上記水酸基量は、好ましい下限が20モル%、より好ましい下限が22モル%、好ましい上限が48モル%、より好ましい上限が46モル%である。
本発明のポリビニルアセタール樹脂において、上記一般式(3)で表されるアセチル基を有する構成単位の含有量(以下、「アセチル基量」ともいう)の下限は0.5モル%、上限は20モル%である。
上記アセチル基量が0.5モル%以上であると、ポリビニルアセタール樹脂中の水酸基の分子内及び分子間の水素結合によるセラミックグリーンシート用組成物の高粘度化を抑制することができる。上記アセチル基量が20モル%以下であると、ポリビニルアセタール樹脂の柔軟性が上がりすぎることなく、ハンドリング性を向上させることができる。
上記アセチル基量は、好ましい下限が1.0モル%、好ましい上限が18モル%である。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、エタノール:トルエン=1:1(重量比)の混合溶剤に3重量%で溶解した溶液粘度の好ましい下限が200mPa・s、より好ましい下限が220mPa・s、好ましい上限が4000mPa・s、より好ましい上限が3000mPa・sである。
上記粘度は、例えば、溶液温度20℃の条件でB型粘度計を用いることで測定することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2.7未満であることが好ましい。高重合度の樹脂においては、一般的に分子量分布が広くなりやすいが、上記Mz/Mwが2.7未満であると、高重合度の樹脂であっても溶剤への溶解性を高めることができ、過剰の溶剤を追加することなく溶解することができる。
上記Mz/Mwのより好ましい上限は2.5、さらに好ましい上限は2.2である。
上記Mz/Mwの下限は特に限定されないが、好ましい下限は1.0である。
なお、Z平均分子量(Mz)とは、樹脂中に含まれるポリマーの分子量をM、ポリマーの分子数をNとしたとき、下記式(4)により定義されるものであり、重量平均分子量(Mw)とは、下記式(5)により定義されるものである。
Mz=Σ(M ×N)/Σ(M ×N) (4)
Mw=Σ(M ×N)/Σ(M×N) (5)
上記Mz、Mwは例えば、適切な標準(例えば、ポリスチレン標準)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。上記Mz及びMwを測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工製)等が挙げられる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、Z平均分子量(Mz)の好ましい下限が1.5×10、より好ましい下限が1.7×10、好ましい上限が5.0×10、より好ましい上限が4.7×10である。
上記Mzが上記下限以上であると得られるシートの強度を大きく向上させることができる。上記Mzが上記上限以下であると溶剤への溶解性を大きく損なうことなく溶解できる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が7.5×10、より好ましい下限が7.8×10、好ましい上限が2.0×10、より好ましい上限が1.8×10である。
上記Mwが上記下限以上であると得られるシートの強度を大きく向上させることができる。上記Mwが上記上限以下であると溶剤への溶解性を大きく損なうことなく溶解できる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより製造することができる。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、酸触媒の存在下でポリビニルアルコール樹脂の水溶液、アルコール溶液、水/アルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をアルカリ、酸、アンモニア水等によりけん化することにより製造された樹脂等の従来公知のポリビニルアルコール樹脂を用いることができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、完全けん化されていてもよいが、少なくとも主鎖の1カ所にメソ、ラセモ位に対して2連の水酸基を有するユニットが最低1ユニットあれば完全けん化されている必要はなく、部分けん化ポリビニルアルコール樹脂であってもよい。また、上記ポリビニルアルコール樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、部分けん化エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂等、ビニルアルコールと共重合可能なモノマーとビニルアルコールとの共重合体も用いることができる。
上記ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、通常、けん化の際に発生した塩基性成分であるカルボン酸塩を含有しているため、これを洗浄除去又は中和してから使用することが好ましい。カルボン酸塩を洗浄除去又は中和することによって、塩基性条件で触媒作用を受けるアルデヒドの縮合反応を効果的に抑制することができるために樹脂の着色をより抑えることができる。
上記洗浄工程における洗浄方法としては、例えば、溶剤によって塩基性成分を抽出する方法や、樹脂を良溶媒に溶解させた後に貧溶媒を投入して樹脂のみを再沈させる方法や、ポリビニルアルコール樹脂を含有する溶液中に吸着剤を添加して塩基性成分を吸着除去する方法等が挙げられる。
上記中和工程に用いる中和剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、炭酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸や、ベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、フェノール等のフェノール類等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール樹脂スラリー中のポリビニルアルコール樹脂の濃度の上限は10重量%である。ポリビニルアルコール樹脂の濃度10重量%以下とすることにより、ポリビニルアルコール樹脂を充分に溶解させることができ、極めて均一なアセタール基量のポリビニルアセタール樹脂を得ることができる。ポリビニルアルコール樹脂の濃度が10重量%より高いと、溶解が不充分な状態が発生し均一なアセタール基量のポリビニルアセタール樹脂を得ることができず、目的の重合度を有するポリビニルアセタール樹脂を得ることができないといった問題が発生する。上記ポリビニルアルコール樹脂スラリー中のポリビニルアルコール樹脂の濃度の好ましい上限は8重量%、より好ましい下限は5重量%である。
上記ポリビニルアルコール樹脂スラリーは、水系媒体を含有することが好ましい。水系媒体を含有することにより、よりアセタール化反応を促進することができる。
上記水系媒体としては、水、アルコール又はその混合媒体が挙げられる。なかでも、反応を効率よく進めることができ、副生成物を抑制できることから、水が好適である。
上記ポリビニルアルコール樹脂スラリーが上記水系媒体を含有する場合において、上記記ポリビニルアルコール樹脂スラリー中の水系媒体の含有量の下限は90重量%である。水系媒体の含有量が90重量%より少ないと、ポリビニルアルコール樹脂を充分に溶解させることができず、均一なアセタール化度のポリビニルアセタール樹脂を得ることができず、目的の重合度を有するポリビニルアセタール樹脂を得ることができないといった問題が発生する。
上記アルデヒドとしては、例えば、炭素数1~19の直鎖状、分枝状、環状飽和、環状不飽和、又は、芳香族のアルデヒド等が挙げられる。具体的には例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオニルアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、tert-ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド等が挙げられる。上記アルデヒドは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記アルデヒド化合物はホルムアルデヒドを除き、1以上の水素原子がハロゲン等により置換されたものであってもよい。
別の態様の本発明は、Z平均分子量が1.5×10以上5.0×10以下であり、アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が0.5~20モル%であるポリビニルアセタール樹脂である。
上記のようなポリビニルアセタール樹脂は、溶剤への溶解性が高く、少ない添加量でも高い粘度を発現する。このため、過剰の溶剤なしでも高い塗工性を付与することができる。
別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂は、Z平均分子量(Mz)の下限が1.5×10、上限が5.0×10である。
上記Mzが上記下限以上であると得られるシートの強度を大きく向上させることができる。上記Mzが上記上限以下であると溶剤への溶解性を優れたものとすることができる。
上記Mzの好ましい下限は1.7×10、好ましい上限は4.7×10である。
別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が4500を超えることが好ましく、5001以下であることがより好ましく、5050以下であることが更に好ましく、5500以下であることが更により好ましい。また、平均重合度が10000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましく、7000以下であることが更に好ましい。
上記平均重合度が4500を超える範囲であると厚さ5μm以下のような薄膜樹脂シートを作製する場合にも、充分な機械的強度を付与することができる。上記平均重合度が10000以下であると有機溶剤への溶解を充分に向上させて、塗工性、分散性に優れたものとすることができる。
別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂において、アセタール基を有する構成単位、水酸基を有する構成単位及びアセチル基を有する構成単位の構造としては、上述した本発明のポリビニルアセタール樹脂と同様の構成を採用することができる。
また、別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂において、アセタール基量、1分子当たりのアセタール基数、水酸基量、アセチル基量、溶液粘度、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)としては、上述した本発明のポリビニルアセタール樹脂と同様の構成を採用することができる。
別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂は、例えば、上述した本発明のポリビニルアセタール樹脂と同様の方法により製造することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂又は別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂、及び、有機溶剤を混合することでセラミックグリーンシート用組成物を作製することができる。
このようなセラミックグリーンシート用組成物もまた本発明の1つである。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類が挙げられる。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。更に、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酪酸2-エチルヘキシル等のエステル類等が挙げられる。また、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。特に、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類及びこれらの混合溶剤が塗工性、乾燥性の面から見て好ましい。なかでも、エタノールとトルエンの混合溶剤やメチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤がより好ましい。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物において、上記有機溶剤の含有量は好ましい下限が95重量%、より好ましい下限が96重量%、好ましい上限が98.5重量%、より好ましい上限が98重量%である。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物において、上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましい下限が2重量%、より好ましい下限が2.25重量%、好ましい上限が3重量%、より好ましい上限が2.75重量%である。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物は、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤を添加することで、得られるセラミックグリーンシートの機械的強度、及び、柔軟性を大幅に向上させることができる。
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)等のフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート等のアジピン酸ジエステル、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、テトラエチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、テトラエチレングリコール-ジ-ヘプタノエート、トリエチレングリコール-ジ-ヘプタノエート等のアルキレングリコールジエステル等が挙げられる。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物において、上記可塑剤の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限が7重量部、より好ましい下限が8.5重量部、好ましい上限が13重量部、より好ましい上限が11.5重量部である。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリビニルアセタール樹脂以外のポリビニルアセタール樹脂や、アクリル樹脂、エチルセルロース等の他の樹脂を含有していてもよい。このような場合、全バインダー樹脂に対する本発明のポリビニルアセタール樹脂の含有量が50重量%以上であることが好ましい。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物は、エポキシ樹脂を含有していてもよい。
ポリビニルアセタール樹脂をバインダーとして使用する際に、エポキシ樹脂を可塑剤として使用することにより、シート強度が高く、かつ、耐シートアタック性に優れたものとすることができる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、一分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。また、上記エポキシ樹脂は、例えば、シリコーン骨格、ウレタン骨格、ポリイミド骨格、ポリアミド骨格等を有していてもよい。
上記エポキシ樹脂としては、一分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を使用することができる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、及び、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等のグリシジエルエーテル型エポキシ樹脂や、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート及びテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、上記エポキシ樹脂は、含有する全ハロゲン量が1000ppm以下であることが好ましい。全ハロゲン量が1000ppmを超えると、熱分解性が悪化したり、また得られた積層セラミック部品に電圧をかけた場合、イオン成分が多いためにショートすることがある。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量の好ましい下限は150、好ましい上限は300である。上記エポキシ樹脂のエポキシ当量が150未満もしくは300を超えると、エポキシ樹脂の極性とポリビニルアセタール樹脂の極性の差が大きく異なり、相分離することがある。
また、上記エポキシ樹脂は液状タイプのものが好ましい。上記エポキシ樹脂が液状タイプである場合、ブルックフィールド粘度計を用いて、50℃、100rpmの条件で測定した粘度の好ましい上限は2000mPa・sである。上記粘度が2000mPa・sを超えると、セラミックグリーンシート用組成物の粘度が上昇したり、経時での粘度安定性に欠けたりすることがある。
上記エポキシ樹脂の添加量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して2~15重量部であることが好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が2重量部未満であると、耐シートアタック性が不充分となり、上記エポキシ樹脂の含有量が15重量部を超えると、熱分解性が低下して、分解残渣が多量に残ったり、セラミックグリーンシート用組成物が溶液状態で増粘してしまい成形できなくなったりする。上記エポキシ樹脂の添加量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物には、必要に応じて、セラミック粉末、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、充填剤等を適宜添加してもよく、場合によってはアクリル樹脂やウレタン樹脂等の他樹脂を少量添加してもよい。
特に、セラミック粉末を添加したスラリー組成物は、分散性に優れるため、好適に用いることができる。
上記セラミック粉末としては、セラミックの製造に使用される金属または非金属の酸化物もしくは非酸化物の粉末が挙げられる。また、これらの粉末の組成は単一組成、化合物の状態のものを単独または混合して使用しても差し支えない。なお、金属の酸化物または非酸化物の構成元素はカチオンまたはアニオンともに単元素でも複数の元素から成り立っていてもよく、さらに酸化物または非酸化物の特性を改良するために加えられる添加物を含んでいてもよい。具体的には、Li、K、Mg、B、Al、Si、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Ga、In、Y、ランタノイド、アクチノイド、Ti、Zr、Hf、Bi、V、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、Ni等の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物等が挙げられる。
また、通常複酸化物と称される複数の金属元素を含む酸化物粉末の具体的なものを結晶構造から分類すると、ペロブスカイト型構造をとるものとしてNaNbO、SrZrO、PbZrO、SrTiO、BaZrO、PbTiO、BaTiO等が挙げられる。スピネル型構造をとるものとしてMgAl、ZnAl、CoAl、NiAlO4、MgFe等が挙げられる。イルメナイト型構造をとるものとしてはMgTiO、MnTiO、FeTiO等が挙げられる。ガーネット型構造をとるものとしてはGdGa12、YFe12等が挙げられる。この中でも、本発明のポリビニルアセタール樹脂及び別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂は、BaTiOの粉末と混合したセラミックグリーンシートに対し、高い特性を示す。
上記セラミック粉末の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、例えば、薄層セラミックグリーンシート(厚さ5μm以下)の作製用としては、0.5μm以下であることが好ましい。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、本発明のポリビニルアセタール樹脂又は別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及び必要に応じて添加する各種添加剤をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物を塗工した後、加熱し乾燥させることで樹脂シートが得られる。
本発明のセラミックグリーンシート用組成物を塗工する場合の方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の方法が挙げられる。なお、その他の具体的な方法については、従来公知の方法を用いることができる。
セラミック粉末を含む樹脂シートはセラミックグリーンシートとして用いることができる。本発明のポリビニルアセタール樹脂又は別の態様の本発明のポリビニルアセタール樹脂、有機溶剤及びセラミック粉末を含むセラミックグリーンシートは、好適な表面粗さを有し、また、優れた機械的強度を有する。このようなセラミックグリーンシートもまた本発明の1つである。
上記セラミックグリーンシートを用いて、セラミック電子部品を製造することができる。例えば、セラミックグリーンシートの表面に電極層用ペーストを塗工する工程、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを積層し加熱圧着して得られた積層体を脱脂、焼成する工程を行うことで、セラミック電子部品を製造することができる。
上記セラミック電子部品としては特に限定されず、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、キャパシタ、圧電アクチュエーター、積層バリスタ、積層サーミスタ、EMIフィルタ、窒化アルミニウム多層基板、アルミナ多層基板等が挙げられる。このような積層セラミックコンデンサもまた本発明の1つである。
上記セラミック電子部品の製造方法では、上記セラミックグリーンシートの表面に電極層用ペーストを塗工する工程を行う。
電極層用ペーストとしては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂やエチルセルロース、アクリル樹脂等をバインダー樹脂として有機溶剤に溶解し、導電粉末等を分散させることで得ることができる。これらの樹脂は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。ポリビニルアセタール樹脂を含有する電極層用ペーストは、加熱圧着工程において、セラミックグリーンシートに優れた接着性を示すので好ましい。
上記セラミック電子部品の製造方法では、上述した、電極層が形成されたセラミックグリーンシートを作製した後、同様にして作製した電極層が形成されたセラミックグリーンシートを積層し加熱圧着して得られた積層体を脱脂、焼成することで、シートアタックやクラック等の問題が解決された積層セラミック電子部品が得られる。
なお、上記加熱圧着工程、積層体を脱脂、焼成する工程については特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の製造において、少ない添加量でも高い粘度を発現して過剰の溶剤なしでも高い塗工性を有する組成物を作製可能であり、薄層とした場合でも優れた機械的強度のセラミックグリーンシートを作製可能なポリビニルアセタール樹脂を提供することができる。また、該ポリビニルアセタール樹脂を用いてなるセラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
平均重合度5100、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂145gに純水3070gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド80gとを添加してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
(セラミックグリーンシート用組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂1.25重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)48.75重量部に加え、攪拌溶解しセラミックグリーンシート用組成物を得た。
(樹脂シートの作製)
得られたセラミックグリーンシート用組成物を、コーターを用いて乾燥後の厚みが2μmとなるように離型処理したPETフィルム上に塗工した後、70℃で2分加熱乾燥させることにより、樹脂シートを作製した。
(スラリー組成物の作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂2重量部、及び、ジオクチルフタレート(DOP)2重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)96重量部に加え、攪拌溶解することにより、樹脂溶液を作製した。
また、ポリビニルアセタール樹脂「BL-1」(積水化学工業社製)3重量部をエタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)40重量部に加え、攪拌溶解した。次いで、チタン酸バリウム粉末(堺化学工業社製、BT02)100重量部を加え、ビーズミル(アイメックス社製レディーミル)にて180分間攪拌することにより、無機分散液を作製した。
得られた無機分散液に上記樹脂溶液100重量部を加えてビーズミルにて攪拌することにより、スラリー組成物を得た。なお、攪拌中、5分毎にサンプリングを実施し、得られたスラリー組成物0.1重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)10重量部に添加し、超音波分散機(エスエヌディ社製 US-303)にて撹拌することにより、分散評価用溶液を作製した。レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製、LA-910)を用いて粒度分布測定を行い、粒度分布のD50値が1.0μmに達した時点で攪拌を終了した。
(実施例2)
平均重合度8000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂100gに純水3100gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド60gとを添加してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例3)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度5000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例4)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度8000、ケン化度98.5モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例5)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を200gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例6)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例7)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度95モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例8)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例9)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4700、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例10)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度8000、ケン化度85モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例1)
平均重合度3300、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂193gに純水2900gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド115gとを添加し、液温を15℃に下げ、この温度を保持しつつアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂3.5重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)46.5重量部に加え、攪拌溶解しセラミックグリーンシート用組成物を得た。
得られたセラミックグリーンシート用組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂シートを得た。また、得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてスラリー組成物を作製した。
(比較例2)
平均重合度3000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂193gに純水2900gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド115gとを添加し、液温を15℃に下げ、この温度を保持しつつアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は比較例1と同様にして、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例3)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を140gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例4)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例5)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度11000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例6)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度90モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例7)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例8)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例9)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度78モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例10)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度90モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を90gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例11)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を55gとした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シートについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)アセタール基量、水酸基量、アセチル基量
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO-dに10重量%の濃度で溶解し、13C-NMRを用いて、アセタール基量、水酸基量、アセチル基量を測定した。
(2)粘度(3重量%溶液粘度)
得られたポリビニルアセタール樹脂をエタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)に3重量%で溶解した溶液について、溶液温度20℃の条件でB型粘度計を用いて粘度を測定した。
(3)Z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)、Mz/Mw
得られたポリビニルアセタール樹脂をテトラヒドロフランに0.05重量%の濃度で溶解させ、GPC装置HLC-8220(東ソー製)にて測定を行い、得られた測定結果から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して、Z平均分子量Mz、重量平均分子量Mw、Mz/Mwを算出した。なお、カラムとして、カラムShodex LF-804(昭和電工製)を用いた。
(4)剥離性
得られた樹脂シートをPETフィルムから剥離し、樹脂シートの状態を目視にて確認し、以下の基準で剥離性を評価した。
〇:樹脂シートをPETフィルムからきれいに剥離でき、剥離したシートに切れや剥がれは全く観察されなかった。
△:樹脂シートをPETフィルムからきれいに剥離でき、剥離したシートのごく一部に、小さな切れが観察された。
×:樹脂シートをPETフィルムから剥離できない、又は、剥離したシートの大部分に切れや剥がれが観察された。
(5)最大応力、破断点歪み
得られた樹脂シートをダンベル1号(JIS K 6771準拠)の形状の試験片とし、引張試験機(島津製作所製、AUTOGRAPH AGS-J)を用いて引っ張り速度500%/分で引っ張り、測定温度20℃で破断抗張力(kg/cm)を測定した。得られた値から応力σ(MPa)-歪みε(%)曲線を求めた。なお、500%/分とは、1分間に試験片のチャック間距離の5倍の距離を動かす速度を意味する。得られた応力-歪み曲線から最大応力及び破断点歪みを求めた。
(6)弾性率
JIS K 7113に準拠して、引張試験機(島津製作所製、AUTOGRAPH AGS-J)を用い、引張速度20mm/分の条件にて引張弾性率(MPa)の測定を行った。
(7)柔軟性
得られた樹脂シートの中央部を直径2mmのガラス芯棒で押さえ、これを中心とする180°の折り曲げ試験を行い、以下の基準で柔軟性を評価した。
〇:クラックの発生は確認できなかった。
△:樹脂シートのごく一部に、クラックの発生が確認された。
×:樹脂シートに破断が確認された。
(8)分散性評価
(分散性評価溶液の作製)
得られたスラリー組成物0.1重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)10重量部に添加し、超音波分散機(エスエヌディ社製 US-303)にて撹拌することにより、分散評価用溶液を作製した。
(分散性評価)
得られた分散評価用溶液について、粒度分布のD50値が1.0μm以下になるまでの時間が60分未満のものを○、60分以上90分未満のものを△、90分間攪拌しても平均粒子径が1.0μm以下にならなかったものを×とした。なお、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製、LA-910)を用いて粒度分布測定を行い、D50値を測定した。
(9)グリーンシートの評価
(グリーンシートの作製)
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られたスラリー組成物を乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工、乾燥してセラミックグリーンシートを作製した。
(9-1)表面粗さ
得られたセラミックグリーンシートについて、JIS B 0601(1994)に基づいて表面粗さRaを測定し、セラミックスラリーの表面粗さを評価した。
(9-2)引張弾性率
JIS K 7113に準拠して、引張試験機(島津製作所製、AUTOGRAPH AGS-J)を用いて、引張速度20mm/分の条件にて最大応力、引張弾性率の測定を行った。
Figure 2023120276000002
本発明によれば、積層セラミックコンデンサ等の積層型電子部品の製造において、少ない添加量でも高い粘度を発現して過剰の溶剤なしでも高い塗工性を有する組成物を作製可能であり、薄層とした場合でも優れた機械的強度のセラミックグリーンシートを作製可能なポリビニルアセタール樹脂を提供することができる。また、該ポリビニルアセタール樹脂を用いてなるセラミックグリーンシート用組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを提供することができる。
本発明は、平均重合度が5001以上、10000以下であり、下記一般式(1)で表されるアセタール基を有する構成単位を有し、アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が1.0~20モル%であるポリビニルアセタール樹脂である。
式(1)中、R はメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びn-ブチル基から選択される少なくとも1つである。
以下に本発明を詳述する。
別の態様の本発明は、Z平均分子量が1.5×10以上5.0×10以下であり、平均重合度が5001以上であり、上記一般式(1)で表されるアセタール基を有する構成単位を有し、アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が1.0~20モル%であるポリビニルアセタール樹脂である。
式(1)中、R はメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びn-ブチル基から選択される少なくとも1つである。
上記のようなポリビニルアセタール樹脂は、溶剤への溶解性が高く、少ない添加量でも高い粘度を発現する。このため、過剰の溶剤なしでも高い塗工性を付与することができる。
参考例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
平均重合度5100、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂145gに純水3070gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド80gとを添加してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
(実施例2)
平均重合度8000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂100gに純水3100gを加え、90℃で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn-ブチルアルデヒド60gとを添加してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、40℃で、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は参考例1と同様にして、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
参考例3)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度5000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例4)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度8000、ケン化度98.5モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
参考例5)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4700、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を200gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例6)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例7)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度95モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例8)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度9200、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
参考例9)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4700、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(実施例10)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度8000、ケン化度85モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂3.5重量部を、エタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)46.5重量部に加え、攪拌溶解しセラミックグリーンシート用組成物を得た。
得られたセラミックグリーンシート用組成物を用いた以外は参考例1と同様にして、樹脂シートを得た。また、得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は参考例1と同様にしてスラリー組成物を作製した。
(比較例3)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を140gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例4)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度4000、ケン化度88モル%のポリビニルアルコール樹脂200gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を120gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例5)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度11000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例6)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度90モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を60gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例7)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を100gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例8)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例9)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度78モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用いた以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例10)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度90モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を90gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(比較例11)
ポリビニルアルコール樹脂として平均重合度6000、ケン化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを用い、n-ブチルアルデヒドの添加量を55gとした以外は参考例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シート、スラリー組成物を作製した。
(評価)
実施例、参考例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、セラミックグリーンシート用組成物、樹脂シートについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2023120276000005

Claims (6)

  1. 平均重合度が4500を超え、10000以下であり、
    アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が0.5~20モル%である、ポリビニルアセタール樹脂。
  2. Z平均分子量が1.5×10以上5.0×10以下であり、
    アセタール基量が45~80モル%、水酸基量が18~50モル%、アセチル基量が0.5~20モル%である、ポリビニルアセタール樹脂。
  3. ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定したZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比Mz/Mwが2.7未満である、請求項1又は2に記載のポリビニルアセタール樹脂。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有する、セラミックグリーンシート用組成物。
  5. 請求項4記載のセラミックグリーンシート用組成物を用いてなる、セラミックグリーンシート。
  6. 請求項5記載のセラミックグリーンシートを用いてなる、積層セラミックコンデンサ。
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