JP2023117872A - 動力伝達機構 - Google Patents

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則之 尾崎
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Abstract

【課題】車両の動力伝達機構において、軸受部材の負荷を低減する。
【解決手段】動力伝達機構5は、走行モータ3によって回転駆動される第1回転軸51と、第1回転軸51の回転を減速して第2回転軸52に伝達する第1変速機構T1と、第2回転軸52の回転を減速して車両Vの駆動輪6に接続された第3回転軸53に伝達する第2変速機構T2と、を備える。第1変速機構T1は、第1回転軸51に固定された第1ギア11と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第1ギア11と動力伝達を行う第2ギア12と、第2ギア12と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第1クラッチC1と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達機構に関する。
特許文献1には、内燃エンジンと、内燃エンジンの動力を受けて発電可能に配設された発電モータと、発電モータが生じさせた電力により駆動可能に配設された走行モータと、を備えた電動車両が開示されている。
特許文献1に記載された電動車両では、内燃エンジンの動力により発電モータを駆動し、発電モータで生成した電力により走行モータを作動させるシリーズハイブリッドモードと、内燃エンジンの動力および発電モータの動力を駆動輪に伝達させて走行するエンジン直結モードと、が切換可能に構成されている。
特開2021-20599号公報
特許文献1に記載された電動車両は、走行モータの回転を二段階の変速機構によって減速して、駆動輪に伝達するように構成されている。また、特許文献1に記載された電動車両では、エンジン直結モードで走行する際には、クラッチを解放して、走行モータと駆動輪の動力伝達を遮断している。
エンジン直結モードで走行している場合には、駆動輪の回転が、二段階の変速機構によって増速されて走行モータ側に伝達されることになる。このとき、クラッチが解放されており、かつ、走行モータの回転軸が停止しているため、走行モータの回転軸と走行モータの回転軸に対して空回りしている変速機構のギアとの回転速度差が大きくなる。このように、走行モータの回転軸と走行モータの回転軸に対して空回りしている変速機構のギアとの回転速度差が大きくなると、走行モータの回転軸とこのギアとの間に設けられた軸受部材の負荷が大きくなってしまう。
本発明の目的は、車両の動力伝達機構において、軸受部材の負荷を低減することを目的とする。
本発明のある態様によれば、動力伝達機構は、モータによって回転駆動される第1回転軸と、第1回転軸の回転を減速して第2回転軸に伝達する第1変速機構と、第2回転軸の回転を減速して車両の駆動輪に接続された第3回転軸に伝達する第2変速機構と、を備える。第1変速機構は、第1回転軸に固定された第1ギアと、第2回転軸に軸受部材を介して第2回転軸と相対回転可能に支持され、第1ギアと動力伝達を行う第2ギアと、第2ギアと第2回転軸との相対回転を規制または許容する第1クラッチと、を有する。
上記態様によれば車両の動力伝達機構において、軸受部材の負荷を低減することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る車両の駆動システムの概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達機構の概略構成図である。 図3は、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達機構の外観正面図である。 図4は、比較例に係る車両の動力伝達機構の概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両Vの駆動システムSの概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る駆動システムSは、車両Vに搭載されて、車両Vの推進装置を構成する。駆動システムSは、エンジン1と、発電用の電気モータ(以下「発電モータ」という)2と、走行用の電気モータ(以下「走行モータ」という)3と、バッテリ4と、動力伝達機構5と、コントローラ9と、を備える。
エンジン1は、例えば、ガソリンを燃料とする内燃機関である。エンジン1は、そのクランク軸1aが複数のギアからなる変速機構7を介して発電モータ2の回転軸2aに接続される。エンジン1のトルクは、変速機構7を通じて所定の変速比で発電モータ2に伝達され、発電モータ2を作動させる。
発電モータ2は、例えば、三相交流の永久磁石型同期モータによって構成される。発電モータ2は、エンジン1からの回転動力を受けた場合には、発電機として機能する。また、発電モータ2は、バッテリ4から電力の供給を受けた場合には、エンジン1のスタータモータとしての機能やエンジン1を回転駆動させるモータリング運転としての機能を発揮することができる。
発電モータ2によって発電された電力は、バッテリ4に充電される。また、発電モータ2によって発電された電力は、走行モータ3に直接供給することも可能である。発電モータ2による発電は、バッテリ4の充電状態や車両Vの運転状態等に応じて制御される。
走行モータ3は、例えば、三相交流の永久磁石型同期モータによって構成される。走行モータ3は、バッテリ4からインバータ(図示せず)を介して供給される電力により駆動する。走行モータ3による回転動力は、後述する複数の変速機構を介して駆動輪6に伝達される。また、走行モータ3は、車両Vの減速時やブレーキ時において、駆動輪6からの回転動力を受けてバッテリ4に充電する電力を発生させる回生機能を有している。
バッテリ4は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。バッテリ4は、発電モータ2によって発電された電力及び走行モータ3によって回生された電力が充電されるとともに、充電された電力を発電モータ2や走行モータ3に供給する。
バッテリ4のSOC(充電率)は、SOCセンサ(図示せず)によって検出され、コントローラ9に送信される。コントローラ9は、SOC(充電率)に基づいてバッテリ4の充電制御を行う。バッテリ4のSOCが充電制御の下限値まで低下すると、コントローラ9は、エンジン1を駆動する。これにより、発電モータ2が駆動し、発電モータ2によって発電された電力がバッテリ4に供給され、バッテリ4は充電される。これに対し、バッテリ4のSOCが充電制御の上限値まで上昇すると、コントローラ9は、エンジン1を停止する。これにより、発電モータ2が停止し、発電モータ2による発電が停止する。
コントローラ9は、エンジン1、発電モータ2、走行モータ3、及び動力伝達機構5の動作を制御される。コントローラ9は、例えば、中央演算ユニット(CPU)、ROMおよびRAM等の各種記憶ユニット、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータにより構成される。
コントローラ9には、車両Vの運転状態を示す各種パラメータの情報が入力される。具体的には、コントローラ9には、運転者によるアクセルペダルの操作量を示す信号、車両Vの走行速度を示す信号、エンジン1の回転速度を示す信号、発電モータ2の回転速度を示す信号、走行モータ3の回転速度を示す信号、バッテリ4のSOCを示す信号などが、入力される。
コントローラ9は、入力された各種信号に基づき、所定の演算を実行して、エンジン1、発電モータ2、走行モータ3、及び動力伝達機構5の動作を制御する。
次に、図1から図3を参照して、動力伝達機構5の具体的な構成について説明する。
動力伝達機構5は、エンジン1及び走行モータ3の回転動力を減速して駆動輪6に伝達する。動力伝達機構5は、走行モータ3の回転軸3aに連結され、走行モータ3の回転軸3aと一体となって回転する第1回転軸51と、第1回転軸51の回転が伝達される第2回転軸52と、ドライブシャフト及びディファレンシャル機構8を介して駆動輪6と動力伝達を行う第3回転軸53と、エンジン1によって回転駆動される第4回転軸54と、第1回転軸51の回転を減速して第2回転軸52に伝達する第1変速機構T1と、第2回転軸52の回転を減速して第3回転軸53に伝達する第2変速機構T2と、第4回転軸54の回転を減速して第2回転軸52に伝達する第3変速機構T3と、を備える。第1回転軸51の軸心と第4回転軸54の軸心は、同一になるように配置される。
図2に示すように、第1変速機構T1は、第1回転軸51に固定された第1ギア11と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第1ギア11と動力伝達を行う第2ギア12と、第2ギア12と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第1クラッチC1と、を有する。なお、軸受部材B1としては、例えば、ころ軸受が用いられる。
第1ギア11の歯数は、第2ギア12の歯数より少なく形成される。これにより、走行モータ3(第1回転軸51)の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52の回転は、増速されて走行モータ3(第1回転軸51)に伝達される。
第1クラッチC1は、例えば、第2回転軸52の外周面に沿って軸方向に移動するスリーブ10と、第2回転軸52に固定されたハブ10aと、第2ギア12に設けられたクラッチギア12aと、により構成される。スリーブ10は、ハブ10aを介して第2回転軸52と一体に回転するとともに、ハブ10aによって第2回転軸52の軸方向に移動可能に支持される。スリーブ10の移動は、図示しないアクチュエータによって制御される。スリーブ10が第2ギア12に設けられたクラッチギア12aに係合することで、第2ギア12と第2回転軸52との相対回転が規制され、第2ギア12と第2回転軸52とが一体となって回転する。これにより、第1変速機構T1による第1回転軸51と第2回転軸52との動力伝達が可能になる。これに対し、スリーブ10とクラッチギア12aとの係合が解除されると、第2ギア12は、第2回転軸52に対して相対回転が可能になる、言い換えると、第2ギア12は、第2回転軸52に対して空回りする。これにより、第1変速機構T1による第1回転軸51と第2回転軸52の動力伝達が遮断される。
第2変速機構T2は、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持される第3ギア21と、第3回転軸53に固定され、第3ギア21と動力伝達を行う第4ギア22と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持される第5ギア23と、第3回転軸53に固定され、第5ギア23と動力伝達を行う第6ギア24と、第3ギア21と第2回転軸52との相対回転、及び第5ギア23と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第2クラッチC2と、を有する。
第3ギア21の歯数は、第4ギア22の歯数より少なく形成される。これにより、第3ギア21と第4ギア22とを介する動力伝達では、第2回転軸52の回転は、減速されて第3回転軸53に伝達される。反対に、第3回転軸53の回転は、増速されて第2回転軸52に伝達される。
第5ギア23の歯数は、第6ギア24の歯数より少なく形成される。これにより、第5ギア23と第6ギア24とを介する動力伝達では、第2回転軸52の回転は、減速されて第3回転軸53に伝達される。反対に、第3回転軸53の回転は、増速されて第2回転軸52に伝達される。なお、本実施形態では、第5ギア23と第6ギア24との変速比は、第3ギア21と第4ギア22との変速比より小さく設定されている。
第2変速機構T2では、第2クラッチC2を切り換えることで、第3ギア21と第4ギア22とによって構成される高速段と、第5ギア23と第6ギア24とによって構成される低速段と、の二段階の変速を行うことが可能である。
第2クラッチC2は、例えば、第2回転軸52の外周面に沿って軸方向に移動するスリーブ20、第2回転軸52に固定されたハブ20a、第3ギア21に設けられたクラッチギア21a、及び第5ギア23に設けられたクラッチギア23aにより構成される。スリーブ20は、ハブ20aを介して第2回転軸52と一体に回転するとともに、ハブ20aによって第2回転軸52の軸方向に移動可能に支持される。スリーブ20の移動は、図示しないアクチュエータによって制御される。スリーブ20が第3ギア21に設けられたクラッチギア21aに係合することで、第3ギア21と第2回転軸52との相対回転が規制され、第3ギア21と第2回転軸52とが一体となって回転する。これにより、第2変速機構T2における第3ギア21と第4ギア22とを介する動力伝達経路を通じて、第2回転軸52と第3回転軸53の動力伝達が可能になる。これに対し、スリーブ20と第3ギア21に設けられたクラッチギア21aとの係合が解除されると、第3ギア21は、第2回転軸52に対して相対回転が可能になる、言い換えると、第3ギア21は、第2回転軸52に対して空回りする。これにより、第2変速機構T2における第3ギア21と第4ギア22とを介する動力伝達経路を通じた第2回転軸52と第3回転軸53の動力伝達が遮断される。
また、スリーブ20が第5ギア23に設けられたクラッチギア23aに係合することで、第5ギア23と第2回転軸52との相対回転が規制され、第5ギア23と第2回転軸52とが一体となって回転する。これにより、第2変速機構T2における第5ギア23と第6ギア24とを介する動力伝達経路を通じて、第2回転軸52と第3回転軸53の動力伝達が可能になる。これに対し、スリーブ20と第5ギア23に設けられたクラッチギア23aとの係合が解除されると、第5ギア23は、第2回転軸52に対して相対回転が可能になる、言い換えると、第5ギア23は、第2回転軸52に対して空回りする。これにより、第2変速機構T2における第5ギア23と第6ギア24とを介する動力伝達経路を通じた第2回転軸52と第3回転軸53の動力伝達が遮断される。
第3変速機構T3は、第4回転軸54に固定された第7ギア31と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第7ギア31と動力伝達を行う第8ギア32と、第4回転軸54に固定された第9ギア33と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第9ギア33と動力伝達を行う第10ギア34と、第8ギア32と第2回転軸52との相対回転、及び第10ギア34と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第3クラッチC3と、を有する。
第7ギア31の歯数は、第8ギア32の歯数より少なく形成される。これにより、第7ギア31と第8ギア32とを介する動力伝達では、第4回転軸54の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52の回転は、増速されて第4回転軸54に伝達される。
第9ギア33の歯数は、第10ギア34の歯数より少なく形成される。これにより、第9ギア33と第10ギア34とを介する動力伝達では、第4回転軸54の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52の回転は、減速されて第4回転軸54に伝達される。なお、本実施形態では、第9ギア33と第10ギア34との変速比は、第7ギア31と第8ギア32との変速比より小さく設定されている。
第3変速機構T3では、第3クラッチC3を切り換えることで、第7ギア31と第8ギア32とによって構成される低速段と、第9ギア33と第10ギア34とによって構成される高速段と、の二段階の変速を行うことが可能である。
第3クラッチC3は、例えば、第2回転軸52の外周面に沿って軸方向に移動するスリーブ30、第2回転軸52に固定されたハブ30a、第8ギア32に設けられたクラッチギア32a、及び第10ギア34に設けられたクラッチギア34aにより構成される。スリーブ30は、ハブ30aを介して第2回転軸52と一体に回転するとともに、ハブ30aによって第2回転軸52の軸方向に移動可能に支持される。スリーブ30の移動は、図示しないアクチュエータによって制御される。スリーブ30が第8ギア32に設けられたクラッチギア32aに係合することで、第8ギア32と第2回転軸52との相対回転が規制され、第8ギア32と第2回転軸52とが一体となって回転する。これにより、第3変速機構T3における第7ギア31と第8ギア32とを介する動力伝達経路を通じて、第4回転軸54と第2回転軸52の動力伝達が可能になる。これに対し、スリーブ30と第8ギア32に設けられたクラッチギア32aとの係合が解除されると、第8ギア32は、第2回転軸52に対して相対回転が可能になる、言い換えると、第8ギア32は、第2回転軸52に対して空回りする。これにより、第3変速機構T3における第7ギア31と第8ギア32とを介する動力伝達経路を通じた第4回転軸54と第2回転軸52の動力伝達が遮断される。
また、スリーブ30が第10ギア34に設けられたクラッチギア34aに係合することで、第10ギア34と第2回転軸52との相対回転が規制され、第10ギア34と第2回転軸52とが一体となって回転する。これにより、第3変速機構T3における第9ギア33と第10ギア34とを介する動力伝達経路を通じて、第4回転軸54と第2回転軸52の動力伝達が可能になる。これに対し、スリーブ30と第10ギア34に設けられたクラッチギア34aとの係合が解除されると、第10ギア34は、第2回転軸52に対して相対回転が可能になる、言い換えると、第10ギア34は、第2回転軸52に対して空回りする。これにより、第3変速機構T3における第9ギア33と第10ギア34とを介する動力伝達経路を通じた第4回転軸54と第2回転軸52の動力伝達が遮断される。
本実施形態では、図3に示すように、第3回転軸53は、第1回転軸51より下方に設けられ、第2回転軸52は、第1回転軸51及び第3回転軸53の軸心を通過する平面Pよりも下側に設けられる。このような構成とすることにより、第1回転軸51と第3回転軸53の間に、第2回転軸52に設けられたスリーブ10,20,30を制御するアクチュエータを設置する空間Aを確保することができる。これにより、アクチュエータを極力、車両Vの下方に設けることができるので、車室が狭くなることを抑制できる。
このように構成された車両Vでは、走行状態として、シリーズハイブリッドモードとエンジン直結モードとで走行モードを切り換えることが可能である。シリーズハイブリッドモードでは、走行モータ3の動力によって車両Vが走行する。エンジン直結モードでは、基本的には、エンジン1の動力によって車両Vが走行する。
シリーズハイブリッドモードでは、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を締結し、第3クラッチC3を解放する。具体的には、第1クラッチC1を第2ギア12に係合するとともに、第2クラッチC2を第3ギア21及び第5ギア23のいずれかに締結する。これにより、走行モータ3のトルクが、第1変速機構T1、第2変速機構T2、ドライブシャフトを通じて駆動輪6に伝達可能となる。また、このとき、第3クラッチC3と第8ギア32及び第10ギア34との係合が解除される。これにより、第4回転軸54と第2回転軸52との第3変速機構T3を通じた動力伝達が遮断される。つまり、エンジン1のトルクが、第3変速機構T3を通じて、走行モータ3や駆動輪6に伝達されることが阻止される。
シリーズハイブリッドモードでは、このように第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び第3クラッチC3を制御することにより、車両Vが、走行モータ3のトルクのみによって駆動輪6を駆動して走行する。また、シリーズハイブリッドモードでは、必要に応じて、エンジン1を駆動して発電モータ2により発電を行う。このとき、エンジン1と駆動輪6との間の動力伝達は、第3変速機構T3によって遮断されているため、エンジン1のトルクが駆動輪6に伝達されることがない。なお、走行モータ3は、駆動輪6の回転動力がドライブシャフト、第2変速機構T2、及び第1変速機構T1を通じて伝達されると、発電機として機能する。走行モータ3が生じさせた電力は、バッテリ4に供給され、バッテリ4の充電に充てられる。
エンジン直結モードでは、第1クラッチC1を解放し、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を締結する。具体的には、第3クラッチC3を第8ギア32及び第10ギア34のいずれかに締結するとともに、第2クラッチC2を第4ギア22及び第6ギア24のいずれかに締結する。これにより、エンジン1のトルクが、第3変速機構T3、第2変速機構T2、ドライブシャフトを通じて駆動輪6に伝達可能となる。また、このとき、第1クラッチC1と第2ギア12との係合が解除される。これにより、第1回転軸51と第2回転軸52との第1変速機構T1を通じた動力伝達が遮断される。つまり、走行モータ3のトルクが、第1変速機構T1を通じてエンジン1や駆動輪6に伝達されることが阻止される。
エンジン直結モードでは、このように第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び第3クラッチC3を制御することにより、車両Vが、エンジン1のトルクのみによって駆動輪6を駆動して走行する。また、エンジン直結モードでは、必要に応じて、発電モータ2により発電を行うことができる。なお、発電モータ2がモータジェネレータによって構成される場合には、エンジン1だけでなく、発電モータ2のトルクを、第3変速機構T3、第2変速機構T2、及びドライブシャフトを通じて駆動輪6に伝達させることも可能である。
動力伝達機構5におけるシリーズハイブリッドモードとエンジン直結モードとの切り換えは、コントローラ9によって制御される。コントローラ9は、走行モードに応じて、スリーブ10,20,30を駆動するアクチュエータ(図示せず)を制御することにより、第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び第3クラッチC3の締結および解放の状態を切り換える。
ところで、例えば、車両Vがエンジン直結モードで走行している場合には、上述のように、第1クラッチC1は解放されている。このため、第2ギア12は、第2回転軸52に対して空回りしている。このとき、軸受部材B1によって、第2ギア12と第2回転軸52との回転速度差を吸収させることになる。ここで、本願の動力伝達機構5の作用を図4に示す比較例を参照しつつ説明する。
まず、図4に示す比較例の構成について説明する。図4に示す比較例における動力伝達機構105では、第1変速機構T11及び第3変速機構T31が、図1及び図2に示す本実施形態の第1変速機構T1及び第3変速機構T3と相違している。具体的には、本実施形態の第1変速機構T1では、第1クラッチC1が第2回転軸52に設けられているのに対し、比較例における第1変速機構T11では、第1クラッチC11が第1回転軸51に設けられている点で相違している。また、本実施形態の第3変速機構T3では、第3クラッチC3が第2回転軸52に設けられているのに対し、比較例における第3変速機構T31では、第3クラッチC31が第4回転軸54に設けられている点で相違している。なお、図4に示す比較例における動力伝達機構105では、上記実施形態における動力伝達機構5と同一の構成については、同じ番号を付している。
第1変速機構T11は、第1回転軸51に軸受部材B1を介して第1回転軸51と相対回転可能に支持された第1ギア111と、第2回転軸52に固定され、第1ギア111と動力伝達を行う第2ギア112と、第1ギア111と第1回転軸51との相対回転を規制または許容する第1クラッチC11と、を有する。
第1ギア111の歯数は、第2ギア112の歯数より少なく形成される。これにより、走行モータ3(第1回転軸51)の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52の回転は、増速されて走行モータ3(第1回転軸51)に伝達される。
第1クラッチC11の構成及び動作は、第1クラッチC1と同様であるので、説明を省略する。
第3変速機構T31は、第4回転軸54に軸受部材B1を介して第4回転軸54と相対回転可能に支持された第7ギア131と、第2回転軸52に固定され、第7ギア131と動力伝達を行う第8ギア132と、第4回転軸54に軸受部材B1を介して第4回転軸54と相対回転可能に支持された第9ギア133と、第2回転軸52に固定され、第9ギア133と動力伝達を行う第10ギア134と、第7ギア131と第4回転軸54との相対回転、及び第9ギア133と第4回転軸54との相対回転を規制または許容する第3クラッチC31と、を有する。
第7ギア131の歯数は、第8ギア132の歯数より少なく形成される。これにより、第7ギア131と第8ギア132とを介する動力伝達では、第4回転軸54の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52回転は、増速されて第4回転軸54に伝達される。
第9ギア133の歯数は、第10ギア134の歯数より少なく形成される。これにより、第9ギア133と第10ギア134とを介する動力伝達では、第4回転軸54の回転は、減速されて第2回転軸52に伝達される。反対に、第2回転軸52の回転は、減速されて第4回転軸54に伝達される。
第3クラッチC31の構成及び動作は、第3クラッチC3と同様であるので、説明を省略する。
このように構成された図4に示す比較例では、例えば、エンジン直結モードで、車両Vが走行している(駆動輪6が回転している)と、駆動輪6に接続された第3回転軸53の回転は、第2変速機構T2によって増速されて第2回転軸52に伝達される。第2回転軸52の回転は、さらに第1変速機構T11によって増速されて、第1ギア111に伝達される。
エンジン直結モードでは、第1クラッチC11が解放されているので、第1ギア111は、停止している第1回転軸51に対して空回りする。このとき、第1回転軸51と第1ギア111の回転速度差は、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2及び第1変速機構T11によって二段階増速された回転速度分の差になる。この結果、第1回転軸51と第1ギア111との間に設けられた軸受部材B1には、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2及び第1変速機構T11によって二段階増速された回転速度分の回転速度差が作用するため、大きな負荷がかかる。
これに対して、本実施形態の動力伝達機構5では、駆動輪6が回転していると、駆動輪6に接続された第3回転軸53の回転は、第2変速機構T2によって増速されて第2回転軸52に伝達される。しかしながら、第1クラッチC1が解放されているので、第2回転軸52の回転は、第1回転軸51に伝達されない。
エンジン直結モードでは、走行モータ3が停止しているので、第2ギア12は停止している。また、第1クラッチC1が解放されているので、第2ギア12は、回転している第2回転軸52に対して相対回転(空回り)する。このとき、第2回転軸52と第2ギア12の回転速度差は、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2によって増速された回転速度分の差になる。つまり、本実施形態の動力伝達機構5によれば、図4に示す比較例に比べて、回転軸と空回りするギアとの回転速度差を第1変速機構T1による増速分、小さくすることができる。これにより、軸受部材B1の負荷を小さくすることができるので、軸受部材B1の寿命を向上させることができる。
また、図4に示す比較例では、シリーズハイブリッドモードで、車両Vが走行している(駆動輪6が回転している)と、駆動輪6に接続された第3回転軸53の回転は、第2変速機構T2によって増速されて第2回転軸52に伝達される。第2回転軸52の回転は、さらに第3変速機構T31によって増速されて、第7ギア131及び第9ギア133に伝達される。
シリーズハイブリッドモードでは、エンジン1が発電のため駆動しているので第4回転軸54は回転しているが、第3クラッチC31が解放されているので、第7ギア131及び第9ギア133は、第4回転軸54に対して相対回転(空回り)する。これにより、第4回転軸54と第7ギア131及び第9ギア133の回転速度差は、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2及び第3変速機構T31によって二段階増速された回転速度と第4回転軸54の回転速度との差になる。この結果、第4回転軸54と第7ギア131及び第9ギア133との間に設けられた軸受部材B1には、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2及び第3変速機構T31によって二段階増速された回転速度と第4回転軸54の回転速度との回転速度差が作用するため、大きな負荷がかかる。
これに対して、本実施形態の動力伝達機構5では、駆動輪6が回転していると、駆動輪6に接続された第3回転軸53の回転は、第2変速機構T2によって増速されて第2回転軸52に伝達される。しかしながら、第3クラッチC3が解放されているので、第2回転軸52の回転は、第4回転軸54に伝達されない。
また、シリーズハイブリッドモードでは、エンジン1が発電のため駆動しているので第4回転軸54は回転している。本実施形態の動力伝達機構5では、第4回転軸54の回転は、第7ギア31及び第9ギア33を通じて、第8ギア32及び第10ギア34に伝達され、第8ギア32及び第10ギア34が回転する。このとき、第3クラッチC3が解放されているので、第8ギア32及び第10ギア34は、第2回転軸52に対して相対回転(空回り)する。そして、第2回転軸52と第8ギア32及び第10ギア34の回転速度差は、第3回転軸53の回転が第2変速機構T2によって増速された回転速度と第4変速機構T4によって減速された回転速度との差になる。つまり、本実施形態の動力伝達機構5によれば、図4に示す比較例に比べて、回転軸と空回りするギアとの回転速度差を第3変速機構T3による増速分、小さくすることができる。これにより、軸受部材B1の負荷を小さくすることができるので、軸受部材B1の寿命を向上させることができる。
このように、本実施形態の動力伝達機構5によれば、空回りするギア(第2ギア12、第8ギア32、第10ギア34)と第2回転軸52との間に設けられた軸受部材B1が吸収する回転速度差を小さくできるので、軸受部材B1に作用する負荷を小さくできる。これにより、軸受部材B1の寿命を向上させることができる。
また、図4に示す比較例の動力伝達機構105では、第1クラッチC11、第2クラッチC2、及び第3クラッチC31が、異なる回転軸に設けられているため、これらを制御するアクチュエータを設ける空間を個別に確保する必要がある。これに対し、本実施形態の動力伝達機構5では、第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び第3クラッチC3が、第2回転軸52上に設けられているので、アクチュエータを設置する空間をまとめることができる。
なお、上記実施形態では、第2変速機構T2及び第3変速機構T3において、二段階の変速を行うことができるように構成していたが、これらを一段階の変速としてもよい。この場合には、第2クラッチC2及び第3クラッチC3のいずれかを設けなくてもよい。また、第2変速機構T2及び第3変速機構T3における一方のギア列を減速とし、他方のギア列を増速とするように構成してもよい。
上記実施形態では、車両Vの走行モードとして、シリーズハイブリッドモードと、エンジン直結モードのみを説明したが、エンジン1と走行モータ3の両方の動力によって走行するパラレルハイブリッドモードを含むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、軸受部材Bとして、ころ軸受を例に説明したが、軸受部材Bは、ボールベアリングなどであってもよい。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
動力伝達機構5は、走行モータ3によって回転駆動される第1回転軸51と、第1回転軸51の回転を減速して第2回転軸52に伝達する第1変速機構T1と、第2回転軸52の回転を減速して車両Vの駆動輪6に接続された第3回転軸53に伝達する第2変速機構T2と、を備える。第1変速機構T1は、第1回転軸51に固定された第1ギア11と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第1ギア11と動力伝達を行う第2ギア12と、第2ギア12と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第1クラッチC1と、を有する。
この構成では、第2ギア12が第2回転軸52に対して空回りした場合において、第2ギア12と第2回転軸52と第2回転軸52との間に設けられた軸受部材B1が吸収する回転速度差を小さくできるので、軸受部材B1に作用する負荷を小さくできる。これにより、軸受部材B1の寿命を向上させることができる。
動力伝達機構5では、第2変速機構T2は、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持される第3ギア21と、第3回転軸53に固定され、第3ギア21と動力伝達を行う第4ギア22と、第3ギア21と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第2クラッチC2と、を有する。
この構成では、第2クラッチC2によって、第2回転軸52と第3回転軸53との動力伝達を遮断することができるので、第2回転軸52と第3回転軸53との動力伝達が不必要に行われることを防止できる。
動力伝達機構5では、第2変速機構T2は、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持される第5ギア23と、第3回転軸53に固定され、第5ギア23と動力伝達を行う第6ギア24と、をさらに有する。第2クラッチC2は、第5ギア23と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する。
この構成では、第2回転軸52の回転速度を一つの第2クラッチC2で二段階の変速ができる。
動力伝達機構5は、エンジン1によって回転駆動される第4回転軸54と、第4回転軸54の回転を減速して第2回転軸52に伝達する第3変速機構T3と、をさらに備える。 第3変速機構T3は、第4回転軸54に固定された第7ギア31と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第7ギア31と動力伝達を行う第8ギア32と、第8ギア32と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する第3クラッチC3と、を有する。
この構成では、第1クラッチC1に加え、第3クラッチC3に係る構成を第2回転軸52に設けることで、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を制御するアクチュエータの設置場所を集約することができる。さらに、第2回転軸52との相対回転する第8ギア32が第2回転軸52に支持されているので、駆動輪6からの回転が第2変速機構T2によって増速されて第2回転軸52に伝達した場合に、第8ギア32と第2回転軸52との回転速度差を小さくできる。これにより、軸受部材B1の負担を小さくできる。
動力伝達機構5では、第3変速機構T3は、第4回転軸54に固定された第9ギア33と、第2回転軸52に軸受部材B1を介して第2回転軸52と相対回転可能に支持され、第9ギア33と動力伝達を行う第10ギア34と、をさらに有する。第3クラッチC3は、第10ギア34と第2回転軸52との相対回転を規制または許容する。
この構成では、エンジン1の回転速度を一つの第3クラッチC3で二段階の変速ができる。
動力伝達機構5では、第1回転軸51と第4回転軸54は、同軸上に設けられる。また、第2回転軸52は、第1回転軸51及び第3回転軸53の軸心を通過する平面Pよりも下側に設けられる。
この構成では、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を制御するアクチュエータを設置する空間を、第1回転軸51及び第3回転軸53の間に確保することができる。これにより、アクチュエータを極力下方に設けることができるので、車室が狭くなることを抑制できる。
動力伝達機構5では、第3回転軸53は、第1回転軸51より下方に設けられる。
この構成では、第3回転軸53を最も下方に設けているので、アクチュエータをより下方に設けることができる。これにより、車室が狭くなることを抑制できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
上記実施形態では、第1~第3変速機構T1,T2,T3において、2つのギアが噛合することによって変速する構成を例に説明したが、これに限らず、3つ以上のギアが噛合する構成であってもよい。
1・・・エンジン、2・・・発電モータ、3・・・走行モータ、4・・・バッテリ、5・・・動力伝達機構、6・・・駆動輪、9・・・コントローラ、11・・・第1ギア、12・・・第2ギア、21・・・第3ギア、22・・・第4ギア、23・・・第5ギア、24・・・第6ギア、31・・・第7ギア、31・・・第7クラッチ、32・・・第8ギア、33・・・第9ギア、34・・・第10ギア、51・・・第1回転軸、52・・・第2回転軸、53・・・第3回転軸 、54・・・第4回転軸、T1・・・第1変速機構、B1・・・軸受部材、C1・・・第1クラッチ、C2・・・第2クラッチ、C3・・・第3クラッチ

Claims (7)

  1. モータによって回転駆動される第1回転軸と、
    前記第1回転軸の回転を減速して第2回転軸に伝達する第1変速機構と、
    前記第2回転軸の回転を減速して車両の駆動輪に接続された第3回転軸に伝達する第2変速機構と、を備え、
    前記第1変速機構は、
    前記第1回転軸に固定された第1ギアと、
    前記第2回転軸に軸受部材を介して前記第2回転軸と相対回転可能に支持され、前記第1ギアと動力伝達を行う第2ギアと、
    前記第2ギアと前記第2回転軸との相対回転を規制または許容する第1クラッチと、を有する動力伝達機構。
  2. 請求項1に記載された動力伝達機構であって、
    前記第2変速機構は、
    前記第2回転軸に軸受部材を介して前記第2回転軸と相対回転可能に支持される第3ギアと、
    前記第3回転軸に固定され、前記第3ギアと動力伝達を行う第4ギアと、
    前記第3ギアと前記第2回転軸との相対回転を規制または許容する第2クラッチと、を有する動力伝達機構。
  3. 請求項2に記載された動力伝達機構であって、
    前記第2変速機構は、
    前記第2回転軸に軸受部材を介して前記第2回転軸と相対回転可能に支持される第5ギアと、
    前記第3回転軸に固定され、前記第5ギアと動力伝達を行う第6ギアと、をさらに有し、
    前記第2クラッチは、前記第5ギアと前記第2回転軸との相対回転を規制または許容する動力伝達機構。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載された動力伝達機構であって、
    エンジンによって回転駆動される第4回転軸と、
    前記第4回転軸の回転を減速して前記第2回転軸に伝達する第3変速機構と、をさらに備え、
    前記第3変速機構は、
    前記第4回転軸に固定された第7ギアと、
    前記第2回転軸に軸受部材を介して前記第2回転軸と相対回転可能に支持され、前記第7ギアと動力伝達を行う第8ギアと、
    前記第8ギアと前記第2回転軸との相対回転を規制または許容する第3クラッチと、を有する動力伝達機構。
  5. 請求項4に記載された動力伝達機構であって、
    前記第3変速機構は、
    前記第4回転軸に固定された第9ギアと、
    前記第2回転軸に軸受部材を介して前記第2回転軸と相対回転可能に支持され、前記第9ギアと動力伝達を行う第10ギアと、をさらに有し、
    前記第3クラッチは、前記第10ギアと前記第2回転軸との相対回転を規制または許容する動力伝達機構。
  6. 請求項4または5に記載された動力伝達機構であって、
    前記第1回転軸と前記第4回転軸は、同軸上に設けられ、
    前記第2回転軸は、前記第1回転軸及び前記第3回転軸の軸心を通過する平面よりも下側に設けられた動力伝達機構。
  7. 請求項6に記載された動力伝達機構であって、
    前記第3回転軸は、前記第1回転軸より下方に設けられた動力伝達機構。
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