JP3656677B2 - 車両用動力伝達装置及びその駆動制御方法 - Google Patents

車両用動力伝達装置及びその駆動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等の内燃機関と回転電機を駆動源として、車両を駆動伝達する車両用動力伝達装置に関し、特に、内燃機関と回転電機との間に差動歯車機構を介して構成した車両用動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油資源の枯渇などのエネルギー問題、および車両の排気ガスなどよる環境汚染問題が深刻化するにしたがい、ガソリンなどを燃料とする内燃機関を備えた車両に対し、その燃費の改善や排気ガスの低減が強く求められている。
従来の車両に搭載されている内燃機関のエネルギー効率は、一般の回転電機などと比較するとかなり劣っていることは広く知られている。これは、内燃機関が車両の速度路面負荷などの走行状態に応じて、その回転数や出力を頻繁に変動しなくてはならないからである。内燃機関を通常の車両走行状態にて運転した場合と、最高効率点で定出力、定回転で運転した場合ではそのエネルギー効率は著しく改善されることが示されている。
【0003】
車両用内燃機関を効率良く運転するための手段を備えた車両としては、内燃機関を最高効率点付近で運転し、この内燃機関により発電機を回して生じた電気エネルギーで電動機を駆動し、車両を走らせる、いわゆるSHV(シリーズハイブリッド車)や内燃機関の出力軸に電動機を機械的に連結して、両者共同で車両を駆動するいわゆるPHV(パラレルハイブリッド車)などがある。
【0004】
さらに特開平7−15805号公報、あるいは『a hybrid drive based on a structure variable arrangement』(12th international electric vehicle symposeum 論文集December 5-7 1994) に記載された発明のように、内燃機関の出力と車両の要求する出力との差を吸収あるいは付加するために、差動歯車機構と単体もしくは複数の回転電機やクラッチ機構を組合せて前記SHVとPHVの機能を合わせ持つような装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平7−15805号公報などに記載された発明は、内燃機関を略定回転、略定出力で運転できるので内燃機関そのもののエネルギー効率改善には有効である。しかしながら、現実に自動車等の車両の製品に適用しようとした場合、従来の動力伝達装置や補機に加えて、クラッチ、およびそれらを駆動制御する油圧制御装置などを搭載しなくてはならず、車両への搭載性を大きく損ねてしまう。また、従来の動力伝達装置においては、エンジンと車輪との回転数の比の変更や、前進・後退の切換えを行う変速装置と、さらにエンジンと車輪の間で動力伝達の流れを遮断するクラッチの大きさは特に顕著であり、クラッチを多用するシステムにおいては装置の大型化が避けられない。
【0006】
そのため、本発明は付加する装置の小型・軽量化のみならず、変速装置、クラッチなどの従来の装置の簡素化もしくは廃止によって装置全体の小型化を図ることができる車両用動力伝達装置を提供することを目的とし、さらにそのような装置を利用して最適な車両の駆動制御を実現できる駆動制御方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は懸かる課題を解決するために、請求項1に記載のように、第1の回転電機と前記第2の回転電機の回転軸のいづれか一方を他方の内部に回転自在に挿入し、前記差動歯車機構と両回転電機の軸を同一軸上に配置することで、車両駆動装置をコンパクトに構成するものであり、このような構成により、エンジン等の内燃機関からの入力はまず差動歯車機構に入力され、副回転電機としての第2の回転電機と、車輪軸の2方向に分離され、出力される。差動歯車機構と第2の回転電機は、第2の回転電機の回転数を制御することにより、内燃機関からの入力回転数を一定に保ったまま車輪軸の回転数を連続的に変えることができる。また第1の回転電機は、その回転軸が車輪軸と一体であるから、トルク制御により必要に応じて車輪軸にトルクを与えたり、車輪軸に負荷を与えて車輪軸の伝達トルクを減じたりできる。
【0008】
このことにより、車両走行において刻々と変化する車輪の回転数と負荷に対し、エンジン回転数と出力を略一定に維持することが可能となる。
また、請求項6のごとく、回転電機への負荷トルクを略零にすることにより内燃機関からの回転力を車輪軸へ伝えないようにする事により、スタータによる内燃機関の起動が実現できる。
【0009】
さらに、請求項7に示すように、回転電機の回転方向を逆方向にするだけで、車両の走行を前進から後退へ変化させることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図にもとづいて以下本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明を搭載した車両のシステム図である。
本実施例ではFR車を基本にしている。
エンジン100の出力は駆動軸を介して差動歯車機構101に伝達され、さらに差動歯車機構101の内部で2方向に配分され、第2の回転電機としての副回転電機102および 第1の回転電機としての主回転電機103にそれぞれ伝達される。主回転電機103の回転軸は、車輪軸104と一体、もしくはスプラインなどにより相対回転を抑止された形で常に同期して回転されるよう結合されている。車輪軸104はプロペラシャフト105を介して、汎用差動歯車機構106に駆動力を伝達する。プロペラシャフト105および汎用差動歯車機構106は従来公知のものとほぼ同じであり、特に汎用差動歯車機構106は、プロペラシャフト105から受けた駆動力を1/6に減速したあと左右の駆動輪に分配する機能を果す。副回転電機制御装置107と主回転電機制御装置108はそれぞれ三相ブリッジ回路を備えたインバータであり、パルス幅変調などの技法により正弦波に近い交流電力をそれぞれ、副回転電機102、主回転電機103に供給する能力を持つ。
【0011】
蓄電池109は電解液を封入した化学バッテリであり、自動車用の鉛−酸蓄電池である。電子制御装置110は、図示しないセンサ群(回転速度センサ、アクセル踏量センサ、ブレーキセンサなど)からの信号を受け、あらかじめ定められたアルゴリズムにしたがい運転者が要求している車両の走行状態を実現するのに必要な指令を副回転電機制御装置107、および主回転電機制御装置108に送る。この指令を受けて両回転電機制御装置は、それぞれの回転電機の固定子に適切な周波数と電圧を有する交流電力を印加する。この結果、副回転電機102および主回転電機103は、発電機もしくは電動機として、適切な回転数と出力で運転される。本実施例の場合、副および主回転電機は三相誘導電動/発電機を想定しているが、界磁に永久磁石を利用したブラシレス電動/発電機を用いても良い。 図2は第1の実施形態における動力伝達装置の要部の構造図である。
【0012】
図中図1と同じ符号のものは、同図中の同じ構成要素を示している。
差動歯車機構101を遊星歯車機構により実現し、副回転電機102と主回転電機103を軸を共通として、ハウジング111、112、113、205により構成される略円筒状の空間に配置した。差動歯車機構101は3種類の歯車群より構成される遊星歯車機構である。図中201は遊星歯車202を支える円盤状の部材で一般に腕(=キャリア)と呼ばれる。
【0013】
腕201の面上には、腕201の回転軸を中心としたひとつのピッチ円上に等間隔の角度、すなわち120度毎に3本の遊星歯車軸212が固定されている。固定方法はセレーション溝を利用した打ち込み、焼ばめ、あるいは腕201と一体に成形するなど、十分な強度が得られる方法ならばいずれでもよい。
円筒状の平歯車である遊星歯車202は、その中心の穴に遊星歯車軸212を挿入される形で回転自在に組付けられている。
【0014】
遊星歯車202は円筒状の内歯平歯車である内歯歯車203および円筒状の平歯車である太陽歯車204と噛合っている。
本実施例では遊星歯車、太陽歯車、内歯歯車の歯数比は1対2対4とし(具体的には歯数20枚、40枚、80枚とした)、潤滑剤を封入したハウジング205内にベアリング206によって回転自在に保持される。
【0015】
シャフト207はその外周部に形成されたスプライン207aにより腕201と結合され、内歯歯車203、および太陽歯車204もそれぞれ副回転電機軸208に形成されたスプライン208a、主回転電機軸209に形成されたスプライン209aにそれぞれ結合されている。特に副回転電機102の回転子が固着されている副回転電機軸208は中空になっており、この中を主回転電機103の回転子が固着されている主回転電機軸209が回転自在に挿入、貫通している。
【0016】
エンジン100の駆動力は、シャフト207によって腕201に伝達され遊星歯車202を介して内歯歯車203および太陽歯車204に分配される。太陽歯車204とスプライン結合されている主回転電機軸209は車輪軸104と一体的に連結されている。
エンジン100の始動は、図示しない車両のブレーキによってタイヤを固定、もしくは主回転電機103を制動制御して車輪軸104の回転を抑止した状態で、副回転電機102を電動機として駆動することによりエンジンに回転を与えて行う。
【0017】
車輪軸104が固定されていれば太陽歯車204は動かないから、内歯歯車203の回転に伴い遊星歯車202が自転するので、腕201はシャフト207の軸を中心として、内歯歯車203の回転方向と同方向に回転し、腕201とスプライン結合されているエンジンの出力軸207も同方向に回転させられる。
これにより、副回転電機102はエンジンのスタータとしての機能を果たす。
【0018】
エンジン100が始動し、走行状態から車両を停止する場合には、フットブレーキが踏まれることから運転者が車両を停止させたいと希望していることがわかるので、副回転電機102の負荷トルクを副回転電機制御装置107により減じて、高速に回転させることにより、車輪軸の回転数を0にすることができる。
たとえばエンジン100が2000rpmで回転しているとしよう。このときエンジン出力軸と直結している腕201もまた2000rpmで回転している。いま内歯歯車203を腕201と同方向に3000rpmで回転させると、遊星歯車の機構により太陽歯車203の回転は0となる。
【0019】
一度この状態が実現されれば、あとは副回転電機102を発電機として用い、エンジン出力を電気に変換して蓄電池を充電する。しかし、この場合はトルク反力が発生しているので、車両が動き出す可能性がある。これは、オートマチック車においてクリープトルクが発生する状況に似ている。ゆえにさらに確実に車両を停止させるためにブレーキを併用させてもよい。
【0020】
その後フットブレーキやサイドブレーキが開放されても、アクセルペダルが踏込まれるまで車輪軸104を主回転電機103の制動制御により停止させるよう制御することも可能である。
通常の車両におけるニュートラルに相当するモードを実現するには、副回転電機102の負荷トルクを十分に減じてやればよい。そうすると差動歯車の機構によって車輪軸104に伝達されるトルクも減少し、車両を動かすには小さすぎる値となる。なおこの場合、エンジンの負荷が軽くなりすぎてオーバーランする可能性もあるので、エンジン100への燃料供給を減じてエンジントルクを減ずるよう制御してもよい。
【0021】
アクセルペダルが踏込まれると、副回転電機102を制御して減速させることにより、差動歯車101の特性にしたがって、車輪軸104の回転速度が加速される。同時に主回転電機103が蓄電池109の電力をエネルギー源として電動機として車輪軸104を駆動するので、エンジン本来のトルクに主回転電機103のトルクを加えた大きなトルクを利用できる。このため車両の加速性能は向上する。たとえば内歯歯車203の回転数を3000rpmより2500rpmにすると、腕201の回転数が2000rpmのとき太陽歯車204の回転数は、腕201と同方向に0から1000rpmに増加する。このときのエンジン出力トルクが180Nmとすれば、太陽歯車204に伝達されるトルクは60Nmである。車輪軸と駆動輪(トルクの場合は左右の合計)との減速比は1/6であるから、車輪は約167rpm、360Nmで駆動される。この速度は車両速度にして時速20キロ弱である。このとき主回転電機103が300Nmのトルクを補うとすれば、本車両はエンジントルクの2倍のトルクで駆動されることになる。これは主回転電機103の出力が、30kW程度であれば十分達成できる性能である。
【0022】
逆に減速する場合は、アクセルペダル踏量の減少に応じて主回転電機103が発電機として車輪軸104を減速させると同時に、もともと発電機として運転されていた副回転電機102を増速するよう制御するので、車両は減速し、車両の運動エネルギーは電気エネルギーに変換され蓄電池の充電に充てられる。
たとえば、太陽歯車201の回転数を2000rpm(時速35キロ程度)より、1000rpmにすると、腕201の回転数が2000rpmのとき内歯歯車204の回転数は、腕201と同方向に2000rpmから2500rpmに増加する。
【0023】
巡航時エンジン100の回転数に対して、車両走行に要する車輪軸104の回転数が一致しない場合には、副回転電機102の回転数を制御して両者の差を吸収する、また走行抵抗など車両走行に要する駆動トルクの差は、主回転電機103を電動機もしくは発電機として運転することにより吸収する。走行抵抗がはなはだ小さい状態が長く続く場合は、エンジン出力の余剰を電気に変換しても蓄電池109が吸収しきれなくなるので、このときはエンジン100への燃料供給を絞り、エンジントルクを減少させてもっぱら主回転電機103を蓄電池のエネルギーで電動機として運転して得た駆動力で車両を走行させる。
【0024】
上記状況以外の時で時速100キロで巡航するには、太陽歯車204の回転数を、約6000rpmとしなくてはならない。このとき腕201の回転数が2000rpmならば、内歯歯車203の回転数は0となり、エンジンの出力は機械的損失を除き、すべて車輪軸104に配分される。
後退時には、主回転電機103を電動機として前進方向とは逆の方向に車輪軸を回転駆動するよう運転し、その駆動力で車両を後退させる。
【0025】
このとき車輪軸104が前進時とは逆方向に回転するため、内歯歯車203は車輪軸104が停止している時よりも速く回転する。したがって主回転電機103は内歯歯車203から遊星歯車202を介してトルク反力を受ける。動力を効率的に車両後退に用いるには、前記トルク反力は小さい方が良いので、この場合
エンジントルクを減少させるように、エンジンへの燃料供給を絞る制御をする。
【0026】
なお、このとき運転者の後退したいという希望を電子制御装置110に電気信号として伝えるためのスイッチのようなもの(通常の自動車ではシフトレバーのリバースモードに相当する)が必要とされる。
図2に示すように、副回転電機102が何らかの形でロックすれば、内歯歯車203が固定され、車輪軸104は腕201の2倍の速度で回転しようとする。これはマニュアルトランスミッション付の車両においてセカンドギヤからいきなりトップギヤに入れるようなものであるから、車両の慣性などによりエンジンの負荷が増大するので、エンジンが負荷に耐えられずエンストし、車両は惰性で走行しながら減速する場合があり得る。
【0027】
ところが、内歯歯車からエンジン駆動力が入力され、腕が副回転電機と、太陽歯車が車輪軸とそれぞれ結合されている場合を考えると、副回転電機がロックした場合には、太陽歯車はそれまでの回転を逆転しなくてはならないが、これはたとえば、マニュアルトランスミッション付の車両でトップギヤからいきなりリバースギヤに入れるようなもので、車両がたとえば時速100キロで走行していた場合などは、この運動エネルギーが歯車の歯面に衝撃力としてかかるので、歯車が破損する可能性がある。また車両は急ブレーキをかけた状態となる。
【0028】
したがって本実施形態では、副回転電機がロックした場合でも車輪軸が逆転しないような配置とすることにより、上記のような状態を回避する構成となっている。
図3に本発明の第2の実施形態における要部の構造図を示す。
第1の実施形態に示した装置はどちらかといえば、高速巡航においてエンジン出力を直接車両走行に供するのに適した車両のものであったが、本例はやや低速(=中速域)においてエンジン出力を直接車両走行に供するのに適した、車両のものである。
【0029】
図中図1および図2と同じ符号のものは、同図中の同じ構成要素を示している。
エンジン出力はシャフト207を介して内歯歯車302に伝達され、2方に分離される。一方は太陽歯車303を介して副回転電機102の回転軸に伝達され、他方は遊星歯車304、腕305を介して主回転電機回転軸と一体化された車輪軸104に伝達される。301は遊星歯車群によって構成される差動歯車機構全体を示す。
【0030】
本実施形態における歯車の歯数などの仕様は第1の実施形態と同じである。
第2の実施形態の特徴は、差動歯車機構にこのような構成をとることにより、第1の実施形態の巡航時の説明で述べたような、エンジン出力のほぼすべてが車輪軸104に伝達される場合の車両巡航速度を第1の実施形態に比較して低めに設定できるという点である。さらに、差動歯車機構301におけるトルクの配分が、第1の実施形態では構造上副回転電機102の方が、車輪軸104よりもどうしても多くなっていたが、本第2実施例においては、等分に分配できる。また、歯車の歯数比によっては、車輪軸104へ多めにトルクを分配することも可能である。
【0031】
他の条件がすべて等しければ、本実施形態の場合、時速70キロ程度の走行において副回転電機102の回転数が0となる。すなわち、歯車の配置を変えることで最高効率点の巡航速度域を変更することができるのである。ちなみに第1の実施形態の場合この速度は時速100キロ程度である。
図4に本発明の第3の実施形態における要部の構造図を示す。
【0032】
本実施形態は、低速域でのエネルギー効率が優れている。
図中図1、図2および図3と同じ符号のものは、同図中の同じ構成要素を示している。エンジン出力はシャフト207を介して太陽歯車402に伝達され、2方に分離される。一方は内歯歯車403を介して副回転電機102の回転軸に伝達され、他方は遊星歯車404、腕405を介して主回転電機回転軸と一体化された車輪軸104に伝達される。401は遊星歯車群によって構成される差動歯車機構全体を示す。
【0033】
本実施形態における歯車の歯数などの仕様は第1の実施形態と同じである。
第3の実施形態の特徴は、差動歯車機構にこのような構成をとることにより、回転機軸間に回転数差が有る場合には、エンジン回転が減速されて副回転電機102と車軸104に伝達される点にある。したがって低速でトルクが要求される走行に適している。
【0034】
図5に本発明の第4の実施形態における要部の構造図を示す。
本実施形態は、第1の実施形態の差動歯車機構に改良を加えて、副回転電機の増速を行い結果的に同一出力で小型の副回転電機を実現させたものである。
図中図1、図2、図3および図4と同じ符号のものは、同図中の同じ構成要素を示している。
【0035】
エンジンの駆動力は差動歯車機構501中の腕201にまず伝達される。腕201に固定されている3本の回転軸212にはそれぞれ遊星歯車202が回転自在に配置され、3個の遊星歯車202は内歯歯車502および太陽歯車204と同時に噛合っている内歯歯車502は図2の内歯歯車203と異なり、幅が広くしかも203のような深皿形状ではなく、円環形状である。内歯歯車502は遊星歯車202と同時に第2遊星歯車503に噛合っている。第2遊星歯車503は、歯数30、個数4個でその回転軸504はハウジング壁面に固定されている。第2遊星歯車503は第2太陽歯車505と噛合い、第2太陽歯車505(歯数は20である)は、副回転電機軸208とスプライン結合されている。したがって、内歯歯車502と太陽歯車505の間で4倍の増速が行われる。一般に回転電機は出力が同じならば、大トルク低回転型より小トルク高回転型の方が小型化できるので、前記増速機構を追加することで、装置全体としては小型化できる。副回転電機の小型により開いた空間506を利用して、冷却水を通したり、あるいは回転電機制御装置(=インバータ)を配置して電源ケーブル長を節約したりできる。
【0036】
図6に、作動歯車機構と、主回転電機、副回転電機をそれぞれ別体に配置構成した例を示す。
エンジン100からの駆動力は差動歯車機構601に伝達され、直角方向にそれぞれ出力軸を設けて、上述の実施例と同様な遊星歯車機構により2つに配分される。それぞれの出力軸には主回転電機603、副回転電機602が接続されており、主回転軸603にはさらに車輪軸605、汎用差動歯車機構606を介して駆動輪を回転駆動するよう連結されている。
【0037】
両回転電機は、上述の実施例と同様なインバータ607、608により蓄電池609をエネルギー源として電子制御装置610の制御信号に基づき、適宜回転数及びトルクが制御される。従って、機能的には上述の実施例における制御と同等の制御を実現できるものである。このような構成とすることにより、全体的なスペースは上述の差動歯車機構、両回転電機一体型に比べてやや大きくなるが、それぞれの配置に自由度ができ、補機等他の構成要素との兼ね合いでより機能的に配置させることが可能である。
【0038】
以上述べてきたように、本発明になる動力伝達装置においては、車両の走行を実現する上で、従来の変速装置、クラッチ、車両用交流発電機、スタータモータが不要となる。
また、エンジン起動専用のスタータモータを別途設け、スタータモータでエンジンを起動し、はじめから副回転電機の負荷を軽くしておいてエンジンの駆動力を副回転電機を加速する方向に逃すような起動方法を採用するようにしてもよい。このようにすればエンジン起動時に主回転電機が故障しても、エンジンの駆動力は車両の走行に使われないので、電子制御を用いて主回転電機をすみやかに停止することにより、車両の安全を保つことができる。
【0039】
また、以上のような構成により、従来のクラッチおよび変速機構が不要となるので、開いた空隙に本発明品を搭載すれば、居住性を損う恐れはない。また、一方の回転電機で生じた電気エネルギーは他方の回転電機で消費されるので、蓄電池も電気自動車やSHVに比較すればはるかに小さい容量のものでよい。
また、従来の車両において必ず必要とされていた車両用の交流発電機も不要となる。さらにエンジンの制御装置は、従来の自動変速装置における複数のクラッチの制御との複合的な制御方法にくらべ、その制御が容易になるので従来よりも低機能のもので良く、本発明の電子制御装置の機能の一部として実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を搭載した車両のシステム図である。
【図2】本発明の第1の実施例の構造を説明するための要部構造図である。
【図3】本発明の第2の実施例の構造を説明するための要部構造図である。
【図4】本発明の第3の実施例の構造を説明するための要部構造図である。
【図5】本発明の第4の実施例の構造を説明するための要部構造図である。
【図6】本発明を搭載した車両の他の実施例におけるシステム図である。
【符号の説明】
100 エンジン
101 差動歯車機構
102 副回転電機
103 主回転電機
104 車輪軸
105 プロペラシャフト
106 汎用差動歯車機構
107 副回転電機制御装置(=インバータ)
108 主回転電機制御装置(=インバータ)
109 蓄電池
110 電子制御装置(=コンピュータ)
211 回転センサ

Claims (7)

  1. 内燃機関に連結され、前記内燃機関の駆動力を入力とし、前記内燃機関の駆動力が少なくとも2つの出力軸に分離して出力する差動歯車機構と、
    前記出力軸のうち、少なくとも一方の出力軸に機械的に連結される車輪軸と、
    前記車輪軸に連結される駆動輪と、
    前記内燃機関とは独立して回転数及びトルクを制御して前記車輪軸に駆動力または制動力を供給する第1の回転電機と、
    前記差動歯車機構における前記出力軸のうち、他方の出力軸に連結され、前記内燃機関とは独立して回転数及びトルクを制御して前記一方の出力軸の回転数を制御する第2の回転電機と、
    前記内燃機関の出力に応じて前記両回転電機の回転数及びトルクを制御する回転電機制御装置を備えるとともに、
    前記第1の回転電機と前記第2の回転電機の回転軸のいづれか一方を他方の内部に回転自在に挿入し、前記差動歯車機構と両回転電機の軸を同一軸上に配置することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記差動歯車機構を遊星歯車機構により構成し、前記内燃機関からの入力は前記遊星歯車機構における遊星歯車群の腕から伝えられ、前記車輪軸への出力は太陽歯車を介して伝達されるとともに、前記第2の回転電機への出力は前記遊星歯車機構における内歯歯車を介して伝えられる配置としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記差動歯車機構を遊星歯車機構により構成し、前記内燃機関の入力は前記遊星歯車機構における内歯歯車から伝えられ、前記車輪軸への出力は前記遊星歯車機構における遊星歯車群の腕を介して伝達されるとともに、前記第2の回転電機への出力は太陽歯車を介して伝えられる配置としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記差動歯車機構を遊星歯車機構により構成し、前記内燃機関からの入力は前記遊星歯車機構における太陽歯車から伝えられ、前記車輪軸への出力は前記遊星歯車機構における遊星歯車群の腕を介して伝達されるとともに、前記第2の回転電機への出力は前記遊星歯車機構における内歯歯車を介して伝えられる配置としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記差動歯車機構を遊星歯車機構により構成し、前記遊星歯車機構における内歯歯車の幅を他の歯車より広くし、前記内燃機関の入力を伝える第1の遊星歯車群と、腕がハウジングに固定された第2の遊星歯車群とに同時に噛合うよう配置し、さらに前記第2の遊星歯車群は前記第2の回転電機の回転軸に連結された太陽歯車と噛合うよう配置して、前記第2の回転電機の増速を行うことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  6. 前記内燃機関の起動時は前記第2の回転電機の負荷を略零にして、前記内燃機関の回転力によって前記車輪軸が回されないようにした上で、前記第1,第2の回転電機とは別体に設けたスタータモータにより前記内燃機関を起動することを特徴とする請求項1記載の車両用動力伝達装置の駆動制御方法。
  7. 車両の後退時には、前記第1の回転電機を電動機として前記車輪軸を前進時とは逆方向に回転させることにより車両を後退させることを特徴とする請求項1記載の車両用動力伝達装置の駆動制御方法。
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