JP2023114836A - 軟x線多層膜回折格子 - Google Patents

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Masahito Koike
正己 寺内
Masami Terauchi
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Abstract

【課題】高い回折効率をもつ軟X線回折格子を提供する。【解決手段】回折格子溝面22上に高密度物質層23,25と低密度物質層24,26からなる複数の膜対からなる多層膜を付加して、使用目的軟X線のうち高エネルギー部分の光を反射させるとともに、最上層に、該軟X線中の低エネルギー部分を反射し高エネルギー部分を透過させる金属膜27を設けたことにより軟X線領域で幅広いエネルギーを持つ光に対する回折効率を向上させる。【選択図】図2

Description

本発明は、波長が0.1 nm~10 nmである軟X線領域のうち、波長0.4 nm~2 nmの比較的高エネルギー(0.6 keV~3 keV)の広いエネルギー領域において、回折格子が受光する光束幅(又は立体角)が大きい条件で使用することができ、高い回折効率を持つ、多数の平行溝を持つ反射型の軟X線回折格子の表面物質構造に関する。
軟X線の光が物質表面に照射された後の反射光、薄膜で吸収を受けた透過光、さらにレーザーによる光励起や電子ビーム等の様様な方法で物質が励起されることにより生じる軟X線発光(蛍光)を分光して波長や光の強さを解析することにより物質の成り立ちに関する有用な情報が得られる。軟X線の分光には、主に物質表面に設けた多数の平行溝の反射により回折を生じさせる反射型の回折格子が用いられる。
軟X線領域では回折格子の表面に反射膜として積層する物質の屈折率nMは1より小さくなるが、表面における反射は、表面に垂直な法線方向から測った入射角αが不等式
sinα≧nM …(1)
を満たすと全反射条件を満たすことになり、反射率が高くなる。αがπ/2 = 90°に近い領域では式(1)は次のように近似することができる。
α≧π/2-{2(1- nM)}1/2 …(2)
nMは1に近い値であるため、αは90°に近い値となる。従って、反射型回折格子では、回折格子面から計った斜入射角θ(= 90°- α)が小さい、すれすれの方向から軟X線を入射させる斜入射条件で使用される。
試料の分析には一般的に1 %以上の回折効率が必要とされる。反射型回折格子において、回折される光のエネルギーは、正反射条件を満たす零次光や多くの次数光に分散されるだけでなく、表面物質内に吸収される成分も存在するため、分析に利用される1次光(または-1次光)の強度は回折格子溝のない鏡の全反射の場合の強度に比較して非常に弱くなる。このため、格子溝形状が矩形波状のラミナー型回折格子においては、溝の深さ、凹凸の山面と谷面の面積比(デューティ比)を最適化し、山面と谷面からの光が所望の回折次数の光の回折光方向で強め合う正の干渉を起こすように設計される。
軟X線領域で高い回折効率を得る別の方法として、回折格子表面に消衰係数が小さい低密度物質層と、前記低密度物質層よりも密度が高く反射率が高い高密度物質層を交互に周期的に積層して形成された構造を具備する軟X線多層膜回折格子を用いる方法がある(特許文献1、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2)。この方法では、高密度物質層で回折された各光が干渉し、光が強められるという現象を利用する。このためには、入射光を数十nm程度多層膜の膜内部まで侵入させる必要があるが、軟X線領域の全反射条件前後の入射角においては硬X線に比較して侵入深さが小さいために膜内部まで光が侵入できず、多層膜の効果を活かすことができない。このことが軟X線多層膜を用いて広いエネルギー領域で高い回折効率を呈する回折格子を得ることを困難にさせていた。
さらに、斜入射条件では回折格子の幅をwとすると入射光方向から見た回折格子面の見た実効的な幅がw×cosαと十分の一以上に狭くなるため、光束の幅に比べて約一桁大きい幅の回折格子が必要になる。
特開平06-308308号公報 特開2021-089218号公報
反射型の軟X線回折格子においては、回折格子の表面が金(Au)等の金属の場合、入射角αがおおよそ89°以上の極端な斜入射条件でないと全反射条件を満たさず1 %以上の実用的な回折効率を得ることができない。また、回折格子が受光する光束幅(又は立体角)が小さくなる欠点がある。一方、多層膜回折格子は硬X線領域で高い回折効率を示すが、数十nmの厚さの多層膜構造の深くまで光が到達する必要があり、数keVの比較的低エネルギーの軟X線では消衰係数が大きく、さらに全反射条件では、入射光は回折格子表面から深くは侵入しないため、多層膜の効果で回折効率を高めることが困難である。
以上の理由から、波長0.4 nm~2 nmの比較的高エネルギー(0.6 keVから3 keV)の広いエネルギー領域において高い回折効率を持つ軟X線反射型回折格子を得ることは困難であった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、 上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、平行溝構造を持つ回折格子基板上に、物質内への侵入深さが比較的深い高エネルギーの光を反射する軟X線域で反射率の高い高密度物質の層とスペーサー層となる消衰係数が小さい低密度物質の層の二つの物質の層の対からなる多層膜を設け、最上層に低エネルギー軟X線を反射する一方、高エネルギー軟X線を透過させる金属膜を設けた軟X線反射型多層膜回折格子を提供し課題を解決する。
軟X線域で反射率の高い高密度物質としてはニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、タングステン(W)の単体又はそれらの化合物があり、消衰係数が小さい低密度物質としては炭素(C)、炭化ケイ素(B4C)、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiO2)の単体又はそれらの化合物がある。軟X線域で反射率の高い高密度物質としては、概ね密度が5 g/cm3以上の物質が該当する。高密度物質層及び低密度物質層の厚さは、ともに対象とする軟X線の波長の1~10倍程度としておくことができる。
低エネルギー軟X線を反射する一方、高エネルギー軟X線を透過させる金属膜としては金(Au)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)などがある。ここで、最上層の金属膜が反射するのは入射軟X線のうち概ね1.5 keV以下の低エネルギー部分とし、それ以上の高エネルギー部分を透過させて下層の多層膜に届けるのがよい。
本発明では、最上層に低エネルギー軟X線を反射させる一方、高エネルギー軟X線を透過させ、透過した高エネルギー軟X線を下層の一又は複数の膜対からなる多層膜で反射させることにより、軟X線の広いエネルギー領域において高い回折効率を持つ軟X線反射型多層膜回折格子を提供する。
本発明によれば、軟X線の入射角を極端な斜入射角とする必要がなくなるため、入射光方向から見た回折格子面の実効的な幅をかせぐことができ、大きな幅の回折格子を必要とすることがなくなる。そして、定入射角、定偏角の何れの使用条件においても軟X線域で用いられる回折格子の回折効率を改善することができる。
従来の形態であるラミナー型回折格子の構造を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の全体的な構造とそれを構成する異なる多層構造を持つゾーン及びそれぞれの物質の膜厚を示す記号との関係を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の金表面に対する入射光のエネルギーと臨界斜入射角との関係を示す図(a)と、無限大(∞)及び4 nm厚の金膜で斜入射角が2.5°の場合の反射率と透過率のエネルギー依存性を示す図(b)である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の溝深さと多層膜を構成するそれぞれの物質膜の膜厚の数値の例を示す図である。 図4で示した本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の多層膜を構成するタングステン(W)と炭化ケイ素(B4C)の物質対の周期長(a)と、それぞれの周期長に対応する反射エネルギーの関係(b)を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子を定入射角の条件で使用する場合の、入射光のエネルギーに対する回折効率(実線)を示す図である。比較のため同一の外形を持つ金表面層のみの従来の回折格子の回折効率のエネルギー依存性(破線)も示す。 反射型回折格子を定偏角条件(分光器)で使用する場合の偏角(2K)、入射角(α)及び回折角(β)の関係を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子を定偏角の条件で使用した場合の回折効率のエネルギー依存性を示す図である。 本発明の実施の別の形態である、複数の設計による多層膜を付加したラミナー型回折格子を示す斜視図である。
まず、本発明の実施の一形態である多層膜回折格子についての説明を容易にするため、以下で用いる記号等の意味について従来型の軟X線用ラミナー型回折格子の構造を示す図1を用いて詳細に説明する。回折格子10の最表面(以下、これを回折格子面とする。)の1点を原点Oとして直交座標系を構成し、x軸を回折格子面の垂線(法線)方向、y軸を回折格子面の接線方向であって、溝に垂直な方向、z軸を回折格子面の接線方向であって、溝に平行な方向(紙面に垂直な軸)とする。入射光は、その光軸iがx-y面内から原点Oに入射するものとし、x軸から入射光の光軸iへ張る角度を入射角αとする。したがって、回折格子面(y軸)から入射光の光軸iに張る斜入射角θとの間にはθ = 90°-αの関係がある。また、x軸から入射光の波長(λ)の回折次数(m)が+1次の回折光の光軸m(λ)方向へ張る角度を回折角βとする。角度αとβの双方について符号はx軸から反時計廻りを正とする。回折格子溝はラミナー型と一般に称される矩形波状であり、材質がSiO2等の基板11の表面に、溝の山部の長さ(幅)がa、溝深さがhの格子溝が、溝周期である格子定数σで多数、平行に形成されている。因みに、角度α、β及び波長λ、格子定数σ、回折次数mの間には回折格子式(又は回折格子方程式)と称される
sinα+sinβ = mλ/σ …(3)
の関係がある。
従来型のラミナー型回折格子10及び後述の本発明の実施の一形態となる回折格子20の基板11として、格子定数σ = 416.67 nm(1/σ = 2,400 本/mm)、溝深さh = 2.654 nm、デューティ比(a/σ) = 0.46(a = 191.67 nm)のラミナー型の格子溝を用いる。その基板11上に反射膜層12として金(Au)をd= 30.0 nmの厚さで堆積しただけのものは、前記従来型の回折格子10である。
図2は本発明の一形態である回折格子20を説明する図である。図1で説明した従来型のラミナー型回折格子10の金反射膜層12(22)上に、反射を担う(すなわち、使用する軟X線の反射率が高い)膜厚 dHi (i=1, …, n)の高密度物質層23、25と、反射率が低く、透過率が高くスペーサーとして機能する膜厚 dLi (i=1, …, n)の低密度物質層24、26から構成される多層膜を付加したものである。多層膜を構成する高密度物質層と低密度物質層の対の膜厚di = dHi+dLi (i=1, …, n)は周期長と呼ばれる。鏡面と考える場合は、その1つの対の層の周期長とその層で反射される次数mの波長λとは mλ ≒ 2di sinθの関係がある。
多層膜の周期長は、多層膜中において同一であってもよいが、各対ごとに異なっていてもよい。また、下層から上層に向けて徐々に大きくなるようにしてもよい。さらに、図2に示すように、周期長が短く高エネルギーの光を反射する等周期長とした下層部28と、比較的低エネルギー光を反射する不等周期長を持っている上層部29の大きな2部構造としてもよい。
本発明の一形態では、これら高密度物質層と低密度物質層で構成される多層膜の上に、最上層として金(Au)の薄膜27を用いる。図3(a)は金表面に対する入射光(軟X線)のエネルギーと臨界斜入射角θとの関係を示す図である。この図から、約1.5 keV以下では臨界斜入射角が2.5°より大きく、約1.5 keV以上では臨界斜入射角が2.5°より小さい。従って、図2の例では、最上層7に斜入射角2.5°で軟X線を入射する場合、軟X線のエネルギーが約1.5 keV以下では全反射が生じて反射率が高い一方、約1.5 keV以上では反射せずに光エネルギーは表面を透過し物質内に侵入する。
図3(b)は金層の膜厚と光の反射率、透過率の関係を示す図であり、金層の厚さを無限大とした場合と4 nmとした場合に、斜入射角を2.5°としたときの約0.5~4 keVの軟X線の反射率と透過率を示す図である。この図からわかるように約1.5keV以下のエネルギーにおいては4 nmの厚さを持つ金の反射率は無限大の厚さの金の反射率の8~10割である一方、約1.5 keV以上のエネルギーにおいては高エネルギーに向かって透過率が高くなる。この図からすると、最上層の金層27の膜厚は4 nmで十分であるが、その前後+/-50 %程度の厚さまで許容できると考えられる。
以上の結果から発明者は、金薄膜の下に高エネルギー領域で高い反射率を持つ多層膜を配することにより、斜入射角θが2.5°(入射角αが87.5°)の場合において、1.5 keVより低エネルギー側では最上層の金の薄膜の鏡面反射で、それよりも高エネルギー側ではそれよりも下の多層膜の反射によって、広いエネルギー領域で高い回折効率をもつ多層膜回折格子を得ることができることを見出した。
図4は多層膜における高密度物質としてタングステン(W)を、低高密度物質として炭化ケイ素(B4C)を仮定し、数値計算による最適化の結果に基づき定めた多層膜内の各層の厚さを示す図である。計算に於いては全てのW層の厚さdHiは一定として、B4C層の厚さdLiを変化させることにより周期長を変化させた。下層から4周期までの多層膜の周期長は同―の等周期長で、その上の2周期は不等周期長である。
この周期長の様子をわかりやすく示したのが図5(a)である。また、図5(b)は各周期が対応するエネルギーを示す図である。このエネルギーよりも低いエネルギーの軟X線はその層で反射され、それよりも高いエネルギーの軟X線はそれを透過する。下層から1~4周期目の多層膜は2.0 keV に対応し、5、6周期目はそれぞれ0.65 keVと1.4 keVに対応する。
図6は図2と図4で示す本発明の実施の一形態となる多層膜回折格子20を入射角α = 87.50°(斜入射角θ = 2.50°)として使用した場合の+1次光の回折効率のエネルギー依存性を示す(実線)。1~2 keVの領域で平均5 %の回折効率を示している。比較のため、これまで述べた本発明を実施するための形態の説明で用いた回折格子と同じ格子溝形状をもち30 nm厚の金膜を表面に持つ従来型回折格子10(図1参照)の+1次光のエネルギー依存性も破線で示す。
図7は本発明の実施の一形態となる定偏角分光器(単色計)の場合における偏角2K、入射角α及び回折角βの関係を示す図である。分光器から取り出す光のエネルギー(波長)に関わらず2Kを一定とし、2K = α - βの関係が維持するように入射角及び回折角を変化させ、分光を行う。
図8は図2と図4で示す本発明の実施の一形態である多層膜回折格子20を2K = 86.768°×2の定偏角条件で使用した場合の+1次光の回折効率のエネルギー依存性を示す。この図から、図6で示したのとほぼ同じエネルギー領域で高い回折効率を示すことがわかる。
図9は使用エネルギー領域の拡張や、回折効率の変化を少なくするため、回折格子面上を区分し、異なる設計による多層膜A領域30及び多層膜B領域40を付加した回折格子の例を示す斜視図である。最上層が入射軟X線の低エネルギー部分を反射し、高エネルギー部分を透過させる金属膜である点については、A領域30とB領域40は共通である。
以上、いずれも格子溝形状が矩形波状のラミナー型回折格子について説明したが、本発明は格子溝形状が鋸歯波状のブレーズド型回折格子についても同様な考え方が原理的に成立する。
10…従来の反射型回折格子
20…本発明の実施の一形態である反射型回折格子
11、21…回折格子基板
12、22…基本反射膜層
23…多層膜領域の1番目の高密度物質層
24…多層膜領域の1番目の低密度物質層
25…多層膜領域のn番目の高密度物質層
26…多層膜領域のn番目の低密度物質層
27…最上層金薄膜
28…多層膜領域の等周期長の下層部
29…多層膜領域の不等周期長の上層部
30…多層膜Aの付加領域
40…多層膜Bの付加領域
軟X線域で反射率の高い高密度物質としてはニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、タングステン(W)の単体又はそれらの化合物があり、消衰係数が小さい低密度物質としては炭素(C)、炭化ホウ素(B4C)、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiO2)の単体又はそれらの化合物がある。軟X線域で反射率の高い高密度物質としては、概ね密度が5 g/cm3以上の物質が該当する。高密度物質層及び低密度物質層の厚さは、ともに対象とする軟X線の波長の1~10倍程度としておくことができる。
従来の形態であるラミナー型回折格子の構造を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の全体的な構造とそれを構成する異なる多層構造を持つゾーン及びそれぞれの物質の膜厚を示す記号との関係を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の金表面に対する入射光のエネルギーと臨界斜入射角との関係を示す図(a)と、無限大(∞)及び4 nm厚の金膜で斜入射角が2.5°の場合の反射率と透過率のエネルギー依存性を示す図(b)である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の溝深さと多層膜を構成するそれぞれの物質膜の膜厚の数値の例を示す図である。 図4で示した本発明の実施の一形態である多層膜回折格子の多層膜を構成するタングステン(W)と炭化ホウ素(B4C)の物質対の周期長(a)と、それぞれの周期長に対応する反射エネルギーの関係(b)を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子を定入射角の条件で使用する場合の、入射光のエネルギーに対する回折効率(実線)を示す図である。比較のため同一の外形を持つ金表面層のみの従来の回折格子の回折効率のエネルギー依存性(破線)も示す。 反射型回折格子を定偏角条件(分光器)で使用する場合の偏角(2K)、入射角(α)及び回折角(β)の関係を示す図である。 本発明の実施の一形態である多層膜回折格子を定偏角の条件で使用した場合の回折効率のエネルギー依存性を示す図である。 本発明の実施の別の形態である、複数の設計による多層膜を付加したラミナー型回折格子を示す斜視図である。
図4は多層膜における高密度物質としてタングステン(W)を、低密度物質として炭化ホウ素(B4C)を仮定し、数値計算による最適化の結果に基づき定めた多層膜内の各層の厚さを示す図である。計算に於いては全てのW層の厚さdHiは一定として、B4C層の厚さdLiを変化させることにより周期長を変化させた。下層から4周期までの多層膜の周期長は同―の等周期長で、その上の2周期は不等周期長である。

Claims (7)

  1. 軟X線光の分光に用いる反射型の回折格子であって、平行溝構造を持つ回折格子基板上に、前記軟X線域で反射率の高い高密度物質の層と該高密度物質よりも密度の低い物質の層であって前記軟X線域で消衰係数が該高密度物質の30%以下の低密度物質の層の対の1以上からなる多層膜を設け、最上層に前記軟X線中の低エネルギー部分を反射し高エネルギー部分を透過させる金属膜を設けた軟X線反射型多層膜回折格子。
  2. 請求項1に記載の軟X線反射型多層膜回折格子において、前記平行溝構造が矩形波状のラミナー型であることを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
  3. 請求項1に記載の軟X線反射型多層膜回折格子において、前記平行溝構造が鋸歯波状のブレーズド型であることを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の軟X線反射型多層膜回折格子において、前記多層膜を構成する高密度物質がニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)又は金(Au)の単体又は化合物であり、低密度物質が炭素(C)、炭化ケイ素(B4C)、ケイ素(Si)又は酸化ケイ素(SiO2)の単体又は化合物であることを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の軟X線反射型多層膜回折格子において、前記多層膜において低密度物質層と高密度物質層からなる対が複数積層されており、各対の厚さである周期長が対ごとに異なることを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
  6. 請求項5に記載の軟X線反射型多層膜回折格子において、所定値未満の低エネルギーの軟X線を反射する不等周期長とした上層部と、前記所定値以上の高エネルギーの軟X線を反射する前記不等周期長よりも周期長が小さい等周期長とした下層部の2部構造としたことを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の軟X線反射型多層膜回折格子であって、回折格子表面が複数に区分され、それぞれの区分における前記多層膜の構成が異なることを特徴とする軟X線反射型多層膜回折格子。
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