JP2023113073A - Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法 - Google Patents

Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023113073A
JP2023113073A JP2022015210A JP2022015210A JP2023113073A JP 2023113073 A JP2023113073 A JP 2023113073A JP 2022015210 A JP2022015210 A JP 2022015210A JP 2022015210 A JP2022015210 A JP 2022015210A JP 2023113073 A JP2023113073 A JP 2023113073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
module
layer
conductive plate
antenna
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022015210A
Other languages
English (en)
Inventor
健太 淵
Kenta Fuchi
真彦 藤原
Masahiko Fujiwara
崇弘 尾島
Takahiro Ojima
誠 安原
Makoto Yasuhara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2022015210A priority Critical patent/JP2023113073A/ja
Publication of JP2023113073A publication Critical patent/JP2023113073A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】ICモジュールと導電プレートを確実に導通させる。【解決手段】ICカード積層体はアンテナ25と、アンテナ内蔵層12とを備えている。アンテナ内蔵層12にICモジュール用凹部30が形成され、凹部の段部32に導電プレート40が配置されている。導電プレート40はプレート本体41と銀めっき層42とを有し、銀めっき層42上であって凹部30の側壁30a側にアンテナ内蔵層12の一部が残存部45として残存する。【選択図】図1

Description

本開示は、例えばクレジットカード、キャッシュカード、IDカード等のICモジュールを含む積層体からなるICカード積層体およびICカード積層体の製造方法に関する。
近年、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、顧客向けポイントサービスカード等のICモジュールを含む各種プラスチックカード等のICカード積層体が、様々な分野や業界で採用されている。ICカード積層体はアンテナを内蔵するアンテナ内蔵層と、アンテナ内蔵層の両面に設けられた一対のコア層とを備え、一方のコア層およびアンテナ内蔵層を切削加工して形成された凹部内にICモジュールが実装される。またICカード積層体の凹部にICモジュールとアンテナとを電気的に接続する導電プレートが配置され、導電プレートとICモジュールとは導電性接着剤により接着される。
このようなICカード積層体において、導電プレートはプレート本体と、プレート本体上のめっき層と、を有するが、従来より、ICモジュールと導電プレートとを確実に導通させることが求められている。
特開2000-71658 特開2000-71659
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、ICモジュールと導電プレートを確実に導通させることができるICカード積層体、およびICカード積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、ICモジュールを内蔵したICカード積層体において、前記ICモジュールに接続されたアンテナと、前記アンテナを内蔵するアンテナ内蔵層とを備え、前記アンテナ内蔵層に、前記ICカード積層体の外方に向かう開口と、前記ICモジュールが載置される段部とを有し、前記ICモジュールを収納するICモジュール用凹部が形成されて、前記ICモジュール用凹部内に前記ICモジュールが実装され、前記ICモジュール用凹部の段部に、前記アンテナと前記ICモジュールを電気的に接続する導電プレートが配置され、前記導電プレートは、プレート本体と、前記プレート本体の前記開口側に設けられためっき層とを有し、前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層上であって前記ICモジュール用凹部の側壁側に、前記アンテナ内蔵層の一部が残存部として残存する、ICカード積層体である。
本開示は、前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層は、前記残存部を除いて前記ICモジュール用凹部内へ露出する、ICカード積層体である。
本開示は、前記ICモジュールと前記導電プレートとの間に導電性接着シートが介在される、ICカード積層体である。
本開示は、前記導電性接着シートは異方性導電フィルムからなる、ICカード積層体である。
本開示は、前記めっき層は前記プレート本体に比べて高い耐食性を有する材料からなる、ICカード積層体である。
本開示は、前記プレート本体は銅製となっており、前記めっき層は銀めっきからなる、ICカード積層体である。
本開示は、ICモジュールを内蔵したICカード積層体の製造方法において、前記ICモジュールに接続されたアンテナと、前記アンテナを内蔵するアンテナ内蔵層とを有する積層体を準備する工程と、前記アンテナ内蔵層に前記積層体の外方に向かう開口と、前記ICモジュールが載置される段部とを有するICモジュール用凹部を切削刃を用いた切削加工により形成するとともに、導電プレートが前記段部に配置される工程と、前記ICモジュール用凹部内に前記ICモジュールを実装する工程とを備え、前記導電プレートはプレート本体と、前記プレート本体の前記開口側に設けられためっき層とを有し、前記ICモジュール用凹部を切削加工により形成する際、前記切削刃の先端を前記導電プレートの前記めっき層から所定距離だけ離間させて切削加工と施し、前記導電プレートの前記めっき層上であって前記ICモジュール用凹部の側壁側に、前記アンテナ内蔵層の一部を残存部として残存させる、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層は、前記残存部を除いて前記ICモジュール用凹部内へ露出する、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記ICモジュール用凹部を切削加工により形成する際、前記切削刃の先端を前記導電プレートの前記めっき層から前記めっき層の厚み×n(1<n<40)だけ離間させる、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記ICモジュールと前記導電プレートとの間に導電性接着シートが介在される、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記導電性接着シートは異方性導電フィルムからなる、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記めっき層は前記プレート本体に比べて高い耐食性を有する材料からなる、ICカード積層体の製造方法である。
本開示は、前記プレート本体は銅製となっており、前記めっき層は銀めっきからなる、ICカード積層体の製造方法である。
以上のように本開示によれば、ICモジュールと導電プレートを確実に導通させることができる。
図1は本実施の形態を示すICカードの側断面図。 図2はICモジュールを示す概略図。 図3Aはアンテナと導電プレートの接続関係を示す図。 図3BはアンテナとICモジュールの接続関係を示す図。 図4AはICカード積層体の製造方法を示す図。 図4BはICカード積層体の製造方法を示す図。 図4CはICカード積層体の製造方法を示す図。 図5Aは切削刃を用いた切削加工作業を示す側面図。 図5Bは切削刃を用いた切削加工作業を示す側面図。 図5Cは切削刃を用いた切削加工作業を示す側面図。 図5Dは切削加工後の導電プレートを示す平面図。 図6Aは比較例1の切削加工作業を示す側面図。 図6Bは比較例1の切削加工後の導電プレートを示す平面図。 図7Aは比較例2の切削加工作業を示す側面図。 図7Bは比較例2の切削加工後の導電プレートを示す平面図。 図8Aは切削加工により積層体に凹部を形成する状態を示す図。 図8Bは積層体の凹部にICモジュールを実装した状態を示す図。 図9はICカードを示す平面図。
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。
図1乃至図9は本開示によるICカード積層体の実施の形態を示す図である。まず図10に示す平面図によりICモジュールを内蔵したICカード積層体の一例として、ICモジュールを内蔵した積層体を有するICカード10について説明する。
図9に示すように、ICカード10はICモジュール20を内蔵するとともに、このICモジュール20はICカード10の表面に表れて、外方へ露出している。本実施の形態において、ICカード10は接触式および非接触式の両方を兼ね備えたデュアルインターフェース型のICカードである。
ICカード10は、磁気記録部19を含み、ICカード10の表面には、絵柄印刷16Aが表れている。
次にICモジュールを内蔵したICカード積層体を構成するICカード10の断面構成について、図1乃至図4Cにより説明する。
ICカード10はICモジュール20を含み、このICカード10は、ICモジュール20に接続されたアンテナ25と、アンテナ25を内蔵するアンテナ内蔵層12と、アンテナ内蔵層12の両面に設けられた一対のコア層13a,13bと、各コア層13a,13bの両面に設けられた一対のオーバーシート層14a,14bとを備えている。
このうちアンテナ内蔵層12は、上述のように内部にICモジュール20に接続されたアンテナ25を内蔵するものであり、アンテナ25を載置する第1アンテナ層12aおよび第2アンテナ層12bと、第1アンテナ層12aの表面に設けられ第1アンテナ層12aとの間でアンテナ25を挟持して保持する第1インナー層12cと、第2アンテナ層の裏面に設けられた第2インナー層12dとを有する。
また、一対のオーバーシート層14a,14bのうち、表面側のオーバーシート層14a上には隠蔽層15と、隠蔽層15上に位置し絵柄印刷16Aを含む絵柄印刷層16と、絵柄印刷層16上に位置する透明体からなる剥離層17とが設けられている。
また表面側のオーバーシート層14aおよび裏面側のオーバーシート層14bには、磁気記録部19が設けられ、表面側の磁気記録部19は隠蔽層15により覆われて外方から見えないようになっている。
また第1アンテナ層12a、第2アンテナ層12b、第1インナー層12c、第2インナー層12dからなるアンテナ内蔵層12と、一対のコア層13a,13bと、一対のオーバーシート層14a,14bと、隠蔽層15と、絵柄印刷層16と、剥離層17とにより、積層体10Aが構成される。
このような構成からなる積層体10Aに表面側から凹部(ICモジュール用凹部ともいう)30が形成され、この凹部30内に上述したICモジュール20が実装されて、ICカード10が得られる。なお、図1における凹部30では、ICモジュール20と各層12,13a,13b,14a,14b,15,16,17との間に幅広く空間(隙間)があるように図示しているが、実際にはほとんど隙間はない。後述の図4A乃至図4Cにおける隙間も同様である。
次に図2により、積層体10Aの凹部30内に実装されるICモジュール20について述べる。
ICモジュール20は基板21と、基板21上に設けられたICチップ22aと、基板21上に設けられた導電部23とを有し、ICチップ22aと導電部23の一部は封止樹脂22bにより覆われている。またICチップ22aと導電部23とは配線22cにより接続されている。そしてICチップ22aと、封止樹脂22bと、配線22cとによりICチップ体22を構成している(図2参照)。
このような構造をもつICモジュール20は凹部30内に実装され、ICモジュール20は、アンテナ内蔵層12内に内蔵されたアンテナ25に接続される。この場合、アンテナ内蔵層12の第1アンテナ層12aには導電プレート40が設けられ、ICモジュール20は、導電性接着シート27および導電プレート40を介してアンテナ25に接続されている。なお、導電性接着シート27の代わりに、導電性ペーストを用いてもよい。図3Aおよび図3Bにアンテナ25と、ICモジュール20と、導電プレート40の配置関係を示す。ここでアンテナ25は上述のように第1アンテナ層12aと第1インナー層12cとの間に挟持されており、銅製となっている。
図3Aおよび図3Bに示すように、ICカード積層体10は長方形状の外形形状をもち、ICカード積層体10の周縁部に沿って3重に巻かれたアンテナ25が延びている。そして図3Aおよび図3Bにおいて、ICカード積層体10の左側に一対の導電プレート40が配置され、アンテナ25は各導電プレート40に接続されている。そして一対の導電プレート40上にICモジュール20が実装される。図3Bにおいて、表面からみたICモジュール20と、裏面からみたICモジュール20が並べて示されている。
次に積層体10Aの凹部30と、この凹部30内に実装されたICモジュール20の構成について更に述べる。図1に示すように、積層体10Aに形成された凹部30は、積層体10Aの表面側から剥離層17と、絵柄印刷層16と、隠蔽層15と、一方のオーバーシート層14aと、一方のコア層13aと、第1インナー層12cと、第1アンテナ層12aと、第2アンテナ層12bと、第2インナー層12dとからなるアンテナ内蔵層12まで、後述する切削刃50を用いて切削加工を施すことにより形成される。本実施の形態において凹部30は積層体10Aの表面側から形成され、積層体10Aの外方に向かう開口31と、ICモジュール20が載置される段部32とを有している。
そして凹部30の段部32には、上述した導電プレート40が配置されている。すなわち凹部30は第1インナー層12cと第1アンテナ層12aとの間に形成された段部32を有し、この段部32を形成する第1アンテナ層12a上に導電プレート40が配置されている。
上述のように切削加工により凹部30を形成した場合、導電プレート40の凹部30側の部分40Aは凹部30内へ露出し、他の部分40Bは凹部30内へ露出することなく第1アンテナ層12a内に埋め込まれ、凹部30内へ露出する導電プレートの部分40Aが段部32上に配置されることになる。
また導電プレート40は銅製のプレート本体41と、プレート本体41の開口31側表面に設けられた銀めっき層42とを有する。
本実施の形態において、導電プレート40の銅製のプレート本体41はその厚みが90 μm~110μmとなっている。また銀めっき層の厚みは0.5μm~1.0μmとなっている。本実施の形態において、導電プレート40のプレート本体41として銅製のものを用いることにより、プレート本体として銀製のものを用いる場合に比べてコスト低減を図ることができる。また銅製のプレート本体41上に銀めっき層42を施すことにより、時間の経過により導電プレート40が酸化してハンダ濡れ性が低減することを防止することができる。
このため、後述のように導電プレート40とICモジュール20を導電性接着シート27により接着させる際、導電プレート40とICモジュール20を確実に導通させながら接着させることができる。
本実施の形態において、導電プレート40として、銅製のプレート本体41と、銀めっき層42とを有するものを用いた例を示したが、これに限らずプレート本体と、このプレート本体よりも高い耐食性を有するめっき層とを有するものを用いてもよい。
また段部32上に設けられた導電プレート40、すなわち凹部30内へ露出する導電プレート40の部分40Aにおいて、銀めっき層42上には凹部30の側壁30a側に、切削加工を施すことにより凹部30を形成する際に残る第1インナー層12cの一部(アンテナ内蔵層の一部ともいえる)が残存部45として残存している。
積層体10Aに対して切削刃50を用いて切削加工する際、第1アンテナ層12a上に設けられた導電プレート40まで上方から切削刃50を接近させて凹部30を形成する。この際、凹部30は開口31と段部32とを有し、この段部32上に導電プレート40がくるよう凹部30を加工しながら形成する。
この場合、切削刃50は上方から導電プレート40の直上まで達するが、導電プレート40の銀めっき層42は厚みが小さいため、切削加工誤差により、加工中に銀めっき層42まで切削刃50が達して銀めっき層42を切削してしまうことも考えられる。
本実施の形態においては、切削刃50を用いて切削加工により凹部30を形成する場合、切削刃50の先端(下端)を導電プレート40の銀めっき層42から所定距離、例えば銀めっき層42の厚み×n(1<n<40)、好ましくは銀めっき層42の厚みが5~6μmの場合、30μm程度まで離間させる。
このことにより、切削刃50の先端が銀めっき層42まで達して、銀めっき層42を切削することはない。また、切削刃50を用いた切削加工中に導電プレート40の銀めっき層42上に第1インナー層12cが薄膜状に残るが、銀めっき層42上の第1インナー層12cの薄膜は切削加工中の振動により大部分が銀めっき層42から剥離され、凹部30側壁30a側に第1インナー層12cの薄膜が一部残存して残存部45を形成する。この場合、残存部45の厚みは30μmであり、その幅Wは1mmとなっている(図1では残存部45の厚みを幅Wに比べて誇張して示す)。
本実施の形態においては、積層体10Aに凹部30を形成した際、この凹部30内にICモジュール20を実装する前に、導電プレート40の銀めっき層42上に残る残存部45を目視により確認することができる。このことにより、切削刃50により銀めっき層42を切削していないこと、および銀めっき層42上から第1インナー層12cの薄膜が剥離したことを確認することができる。
ところで積層体10Aの凹部30内に実装されたICモジュール20は、導電性接着シート27および導電プレート40を介してアンテナ25に接続される。
この場合、導電性接着シート27としては異方性導電フィルムを用いることができ、内部に混入されたハンダ粒子27bを含む接着剤27aを有する。
次に積層体10Aを構成する各部材の材料について述べる。第1アンテナ層12a、第2アンテナ層12b、第1インナー層12cおよび第2インナー層12dからなるアンテナ内蔵層12と、一対のコア層13a,13bの材料となる樹脂としては、特に制限はないが、具体的にはポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ブタジエン樹脂、アクリルニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリビニールアルコール、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂またはこれらの混合物などの合成樹脂を挙げることができる。
また一対のオーバーシート層14a,14bはいずれもポリカーボネート樹脂からなる。
上述のように、表面側のオーバーシート層14a上には、隠蔽層15と、絵柄印刷層16と、剥離層17とが、この順で内側から外側へ向かって順次設けられている。
本実施の形態において、隠蔽層15は例えば銀色、黒色、金色または赤色を含み銀色の隠蔽層はアルミニウム製となっている。
また絵柄印刷層16はインキを塗布して絵柄印刷16Aを形成することにより得られる。なお、図1では絵柄印刷層16が層全面にベタな印刷となっているが、絵柄印刷層16は、図5の絵柄印刷16Aのような部分的な印刷からなっていてもよい。
上記の隠蔽層15と絵柄印刷層16は、予め剥離層17を介して転写シート基材(図示せず)上に設けられており、隠蔽層15と絵柄印刷層16は、転写シート基材上の隠蔽層15と絵柄印刷層16を剥離層17とともに表面側のオーバーシート層14a上に転写することによりオーバーシート層14a上に形成される。
本実施の形態において、剥離層17は透明体からなりインキから得られる。このうち、剥離層を形成するインキとしては、以下のような構成のものが考えられる。
樹脂1(アクリル樹脂)含有量20~30%、樹脂2(塩酢ビ樹脂)含有量5%以下、樹脂3(ポリエステル樹脂)含有量1%以下、紫外線吸収剤、含有量2%以下、メチルエチルケトン、含有量30~40%、トルエン(300)、含有量34.0~36.0%、ポリエチレンワックス、含有量1%以下。
<ICカード積層体の製造方法>
次にこのような構成からなるICカード積層体10の製造方法について図4A乃至図4Cにより説明する。
まず図4Aに示すように、ICモジュール20に接続されるアンテナ25と、アンテナ25を内蔵するアンテナ内蔵層12と、アンテナ内蔵層12の両面に設けられた一対のコア層13a,13bと、一対のコア層13a,13bの両面に設けられた一対のオーバーシート層14a,14bとを備えた積層体10Aを準備する。
この場合、積層体10Aのアンテナ内蔵層12は第1アンテナ層12aおよび第2アンテナ層12bと、第1インナー層12cおよび第2インナー層12dとを有し、第1アンテナ層12aと第1インナー層12cとの間でアンテナ25が挟持されている。
また積層体10Aは更に表面側のオーバーシート層14a上に設けられた隠蔽層15と、絵柄印刷層16と、剥離層17とを有し、さらに表面側および裏面側に設けられた磁気記録部19を有する。
次に図4Bに示すように、積層体10Aに対して積層体10Aの表面側から切削刃50を用いて切削加工を施して凹部30を形成する。この場合、積層体10Aの表面側(上方)から切削刃50を降下させ、切削刃50を導電プレート40の直上まで接近させて凹部30を形成する。この際、凹部30は開口31と段部32とを有し、この段部32上に導電プレート40がくるよう凹部30を切削刃50により加工しながら形成する。
ここで図5A乃至図5Cにより、切削刃50を用いて積層体10Aに凹部30を形成する切削加工作業について具体的に述べる。
まず図5Aに示すように積層体10Aの第1アンテナ層12aと第1インナー層12cとの間に導電プレート40が設けられている。そして切削加工中、切削刃50は第1インナー層12cを切削する。この場合、切削刃50の先端(下端)は導電プレート40の銀めっき層42から所定距離、例えば銀めっき層42の厚み×n(ここでは1<n<40)だけ離間した位置で第1インナー層12cを切削して凹部30を形成する。
本実施の形態において、例えば銀めっき層42の厚みが5~6μmの場合、切削刃50の先端は銀めっき層42まで達することなく、切削刃50の先端の最下端位置が銀めっき層42から30μmの所定距離だけ離れた位置にくるよう切削加工を行う。
このことにより、切削加工中に切削刃50が銀めっき層42に達して銀めっき層42が切削されることを防止できる。
また図5Bに示すように切削刃50を用いた切削加工中に、導電プレート40の銀めっき層42上に第1インナー層12cの一部が薄膜45Aとして残る。この銀めっき層42上の第1インナー層12cの薄膜45Aは、切削加工中の振動により大部分が導電プレート40の銀めっき層42から剥離される。そして凹部30の側壁30a側にその一部が残存して残存部45を形成する(図5C参照)。
なお、このように第1インナー層12cの薄膜45Aの大部分が切削加工中の振動により導電プレート40の銀めっき層42から剥離される理由は、導電プレート40と第1インナー層12cとの間に何らの接着剤も介在されていないためである。
本実施の形態においては、積層体10Aに凹部30を形成した後、この凹部30内にICモジュール20を実装する前に、導電プレート40の銀めっき層42上に残る残存部45を上方から目視により確認する。このことにより、切削刃50により銀めっき層42を切削していないこと、および銀めっき層42上から第1インナー層12cの薄膜45Aが剥離したことを確認することができる。そしてこのような確認を行った後に凹部30内にICモジュール20を問題なく実装することができる。
図5Dは図5Cに示す凹部30内に配置された導電プレート40の平面図である。図5Dに示すように、凹部30内に配置された導電プレート40のプレート本体41には、銀めっき層42が明確に残っており、銀めっき層42上の凹部30の側壁30a側に第1インナー層12cの残存部45が形成されている。
次に切削刃50を用いた具体的な切削加工作業について、図8Aおよび図8Bによりさらに説明する。図8Aに示すように、積層体10A内に導電プレート40が積層体10Aと平行に配置され、この積層体10Aの表面と導電プレート40の上面との間の距離が200μmとなっている。この場合、切削加工中、切削刃50の最下端位置が積層体10Aの表面から170μmとなるよう切削刃50の位置を調整しながら切削加工を施す。
このことにより、切削刃50の先端の最下端位置が銀めっき層42から30μmだけ離れるよう調整しながら積層体10Aに対して切削加工を施すことができる。このことにより切削刃50が銀めっき層42に達することはなく、これにより銀めっき層42が切削されることを未然に防止することができる。次に、積層体10Aの凹部30内に、基板21と、ICチップ22aと封止樹脂22bを有するICチップ体22とからなるICモジュール20を実装する(図8B参照)。
ここで図8Aは切削刃50を用いた切削加工により、積層体10Aに開口31と段部32とを有する凹部30を形成する状態を示す図であり、図8Bは積層体10Aの凹部30内にICモジュール20を実装した状態を示す図である。
次に本実施例の作用効果を比較例と対比させながら説明する。
図6Aおよび図6Bは比較例1を示す側面図および平面図であり、図7Aおよび図7Bは比較例2を示す側面図および平面図である。
図6Aおよび図6Bに示す比較例1において、切削刃50を用いた切削加工中、切削刃50の先端の最下端位置は導電プレート40の銀めっき層42上面にくるよう調整される。
図6Aおよび図6Bに示すように、切削加工中、切削刃50の先端が導電プレート40の銀めっき層42上面に達するため、銀めっき層42上に切削刃50の切削刃痕42aが残る。あるいは切削加工精度により切削刃50の先端が導電プレート40の銀めっき層42の中まで達することがあり、この場合は、銀めっき層の厚みが小さいこともあり、切削刃50によりプレート本体41上から銀めっき層42が剥離されることも考えられる。
また図7Aおよび図7Bに示す比較例2において、切削刃50を用いた切削加工中、切削刃50の先端の最下端位置は、導電プレート40の銀めっき層42の上面よりわずか下方にくるよう調整される。
図7Aおよび図7Bに示すように、比較例2では銀めっき層42の厚みが小さいため、切削加工中、切削刃50の先端がプレート本体41まで達することがあり、この場合、銀めっき層42は完全に切削されてプレート本体41から除去される。そしてプレート本体41上に切削刃50の切削刃痕41aが残る。
これに対して本実施の形態によれば、図5A乃至図5Dに示すように切削刃50の先端の最下端位置が銀めっき層42から30μmの所定位置だけ離れた位置にくるよう積層体10Aに対して切削加工が行われて凹部30が形成される。このため切削加工中に切削刃50が銀めっき層42に達して銀めっき層42が切削されて除去されることを確実に防止することができる。また切削刃50を用いた切削加工中に導電プレート40の銀めっき層42上に第1インナー層12cの一部が薄膜45Aとして残るが、この銀めっき層42上の第1インナー層12cの薄膜45Aは、切削加工中の振動により大部分が導電プレート40の銀めっき層42から剥離される。このため、銀めっき層42上に第1インナー層12cの薄膜45Aが残存してICモジュール20と導電プレート40との間の導通に支障が生じることはない。
その後、図4Cに示すように積層体10Aの凹部30内にICモジュール20が実装される。そして積層体10Aの凹部30に実装されたICモジュール20は導電性接着シート27により凹部30の段部32上に載置されかつ接着される。このときICモジュール20はその導電部23が導電性接着シート27のハンダ粒子と導通して導電プレート40に電気的に接続される。このようにしてICモジュール20は、導電性接着シート27および導電プレート40を介してアンテナ25に確実に電気的に接続される。このように積層体10Aの凹部30内にICモジュール20を実装することにより、ICカード(ICカード積層体)10が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、切削刃50の先端は銀めっき層42まで達することなく、切削刃50の先端の最下端位置が銀めっき層42から所定距離だけ離れた位置にくるよう切削加工が施されて凹部30が形成される。
このことにより、切削加工中に切削刃50が銀めっき層42に達して銀めっき層42が切削されることを防止できる。このことにより、導電プレート40の銀めっき層42を確実に残すことができる。
また切削刃50を用いた切削加工中に導電プレート40の銀めっき層42上に第1インナー層12cの一部が薄膜45Aとして残るが、この銀めっき層42上の第1インナー層12cの薄膜45Aは、切削加工中の振動により大部分が導電プレート40の銀めっき層42から剥離される。そして凹部30の側壁30a側にその一部が残存して残存部45を形成する。このため、銀めっき層42上に第1インナー層12cの薄膜45Aが残存してICモジュール20と導電プレート40との間の導通に支障が生じることはない。
本実施の形態においては、積層体10Aに凹部30を形成した後、この凹部30内にICモジュール20を実装する前に、導電プレート40の銀めっき層42上に残る残存部45を目視により確認する。そして切削刃50により銀めっき層42を切削していないこと、および銀めっき層42上から第1インナー層12cの薄膜45Aが剥離したことを確認することができる。そしてこのような確認を行った後に凹部30内にICモジュール20を問題なく実装することができる。
その後、図4Cに示すように積層体10Aの凹部30内にICモジュール20が実装される。この場合、導電プレート40に銀めっき層42を確実に残すことができ、このため、導電プレート40のハンダ濡れ性を維持することができる。このことにより、ICモジュール20の導電部23が導電性接着シート27を介して導電プレート40に接続される際、導電性接着シートのハンダ粒子と導電プレート40とを確実に導通させることができる。
10 ICカード
10A 積層体
12 アンテナ内蔵層
12a 第1アンテナ層
12b 第2アンテナ層
12c 第1インナー層
12d 第2インナー層
13a コア層
13b コア層
14a オーバーシート層
14b オーバーシート層
15 隠蔽層
16 絵柄印刷層
17 剥離層
19 磁気記録部
20 ICモジュール
21 基板
22 ICチップ体
22a ICチップ
22b 封止樹脂
22c 配線
23 導電部
25 アンテナ
27 導電性接着シート
30 凹部
31 開口
32 段部
40 導電プレート
41 プレート本体
42 銀めっき層
45 残存部
50 切削刃

Claims (13)

  1. ICモジュールを内蔵したICカード積層体において、
    前記ICモジュールに接続されたアンテナと、
    前記アンテナを内蔵するアンテナ内蔵層とを備え、
    前記アンテナ内蔵層に、前記ICカード積層体の外方に向かう開口と、前記ICモジュールが載置される段部とを有し、前記ICモジュールを収納するICモジュール用凹部が形成されて、前記ICモジュール用凹部内に前記ICモジュールが実装され、
    前記ICモジュール用凹部の段部に、前記アンテナと前記ICモジュールを電気的に接続する導電プレートが配置され、
    前記導電プレートは、プレート本体と、前記プレート本体の前記開口側に設けられためっき層とを有し、
    前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層上であって前記ICモジュール用凹部の側壁側に、前記アンテナ内蔵層の一部が残存部として残存する、ICカード積層体。
  2. 前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層は、前記残存部を除いて前記ICモジュール用凹部内へ露出する、請求項1記載のICカード積層体。
  3. 前記ICモジュールと前記導電プレートとの間に導電性接着シートが介在される、請求項1または2記載のICカード積層体。
  4. 前記導電性接着シートは異方性導電フィルムからなる、請求項3記載のICカード積層体。
  5. 前記めっき層は前記プレート本体に比べて高い耐食性を有する材料からなる、請求項1記載のICカード積層体。
  6. 前記プレート本体は銅製となっており、前記めっき層は銀めっきからなる、請求項5記載のICカード積層体。
  7. ICモジュールを内蔵したICカード積層体の製造方法において、
    前記ICモジュールに接続されたアンテナと、前記アンテナを内蔵するアンテナ内蔵層とを有する積層体を準備する工程と、
    前記アンテナ内蔵層に前記積層体の外方に向かう開口と、前記ICモジュールが載置される段部とを有するICモジュール用凹部を切削刃を用いた切削加工により形成するとともに、導電プレートが前記段部に配置される工程と、
    前記ICモジュール用凹部内に前記ICモジュールを実装する工程とを備え、
    前記導電プレートはプレート本体と、前記プレート本体の前記開口側に設けられためっき層とを有し、
    前記ICモジュール用凹部を切削加工により形成する際、前記切削刃の先端を前記導電プレートの前記めっき層から所定距離だけ離間させて切削加工を施し、前記導電プレートの前記めっき層上であって前記ICモジュール用凹部の側壁側に、前記アンテナ内蔵層の一部を残存部として残存させる、ICカード積層体の製造方法。
  8. 前記段部に設けられた前記導電プレートの前記めっき層は、前記残存部を除いて前記ICモジュール用凹部内へ露出する、請求項7記載のICカード積層体の製造方法。
  9. 前記ICモジュール用凹部を切削加工により形成する際、前記切削刃の先端を前記導電プレートの前記めっき層から前記めっき層の厚み×n(1<n<40)だけ離間させる、請求項7記載のICカード積層体の製造方法。
  10. 前記ICモジュールと前記導電プレートとの間に導電性接着シートが介在される、請求項7記載のICカード積層体の製造方法。
  11. 前記導電性接着シートは異方性導電フィルムからなる、請求項10記載のICカード積層体の製造方法。
  12. 前記めっき層は前記プレート本体に比べて高い耐食性を有する材料からなる、請求項7乃至11のいずれか記載のICカード積層体の製造方法。
  13. 前記プレート本体は銅製となっており、前記めっき層は銀めっきからなる、請求項12記載のICカード積層体の製造方法。
JP2022015210A 2022-02-02 2022-02-02 Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法 Pending JP2023113073A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022015210A JP2023113073A (ja) 2022-02-02 2022-02-02 Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022015210A JP2023113073A (ja) 2022-02-02 2022-02-02 Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023113073A true JP2023113073A (ja) 2023-08-15

Family

ID=87565432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022015210A Pending JP2023113073A (ja) 2022-02-02 2022-02-02 Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023113073A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9583459B2 (en) Method for producing a printed circuit, printed circuit obtained by this method and electronic module comprising such a printed circuit
US20070117261A1 (en) Multilayer printed wiring board and method for producing the same
CN108885709B (zh) 制造芯片卡和芯片卡天线支撑件的方法
JP2000182017A (ja) 接触型非接触型共用icカードおよびその製造方法
JP2022507119A (ja) チップカード用電子モジュール
JP2023113073A (ja) Icカード積層体およびicカード積層体の製造方法
JP4170491B2 (ja) 接触型非接触型共用icカードの製造方法
JP2013215947A (ja) インクカートリッジ
JP4286945B2 (ja) 接触型非接触型共用icカードとその製造方法
CN213522561U (zh) 一种电路板
JP4306352B2 (ja) 接触型非接触型ハイブリットicモジュールとそれを使用した接触型非接触型ハイブリットicカード
JP4952266B2 (ja) デュアルインターフェースicカードとその製造方法、接触・非接触兼用icモジュール
JP3769332B2 (ja) Icカードの製造方法
JP4198245B2 (ja) 電子回路用基板、電子回路およびその製造方法
JP2003099744A (ja) Icモジュール及びicカード
JPS622706Y2 (ja)
JP2009140387A (ja) Icカード
JP2008269648A (ja) 接触型非接触型共用icカード
CN112492777B (zh) 电路板及其制作方法
JP2023124721A (ja) 積層体、ic付き積層体、積層体の製造方法、ic付き積層体の製造方法
CN114269082A (zh) 一种电路板及其制造方法
JPH07164787A (ja) Icカードの製造方法
CN117320306A (zh) 一种便捷覆膜的pcb板制作方法
JP2013205902A (ja) Icラベル
JP2023113044A (ja) デュアルインターフェースicカードおよびその製造方法