以下、本発明の実施形態に係る熱処理設備を、添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る熱処理設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
(実施形態1)
実施形態1に係る熱処理設備においては、図1~図3に示すように、熱処理する被処理物Wを装入させる装入装置10と、被処理物Wを熱処理する複数(図に示す例では5つ)の処理装置20(20a~20e)と、処理装置20において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置30と、前記の装入装置10と処理装置20と抽出装置30との間で移動して、装入装置10における被処理物Wを処理装置20に装入させ、処理装置20において熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させる搬送装置40とを備えている。
そして、この実施形態1における前記の搬送装置40は、被処理物Wを前記の処理装置20と装入装置10と抽出装置30との間で出し入れさせる搬送室41を備えている。
そして、この実施形態1に係る熱処理設備においては、初期段階として、前記の装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に順々に装入させ、このように搬送室41に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を順々に各処理装置20(20a~20e)の位置に移動させ、熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41に通して、各処理装置20(20a~20e)に順々に装入させて、被処理物Wを各処理装置20(20a~20e)において熱処理させるようにしている。
ここで、この実施形態1に係る熱処理設備においては、熱処理する前の被処理物を装入させない状態で搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置20の位置に移動させる時間Tx1と、処理装置20において熱処理された被処理物Wを搬送装置40に装入させる時間Tx2と、熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させる時間Tx3と、搬送装置40から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させる時間Tx4と、熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Tx5と、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入させる時間Tx6と、熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を処理装置20の位置に移動させる時間Tx7と、搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させる時間Tx8と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Tx9との合計時間を搬送サイクル時間TSX(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5+Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)とし、また、前記の搬送サイクル時間TSXから、熱処理する前の被処理物を装入させない状態で搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置20の位置に移動させる時間Tx1と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Tx9を引いた時間を入替操作時間BX(Tx2+Tx3+Tx4+Tx5+Tx6+Tx7+Tx8)としている。
そして、この実施形態1に係る熱処理設備においては、前記の各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理する時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、制御装置50によってそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSXの倍数から前記の入替操作時間BXを引いた時間になるように調整している。このようにすると、熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)=(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5+Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)×n-(Tx1+Tx9)の式で表すことができるようになり、従来はバラバラであった熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、搬送サイクル時間TSXを用いて規則性を持たせることができる。
ここで、この実施形態1の熱処理設備において、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了し、この処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作を行う場合には、図2に示すように、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを装入させない状態で、搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させて(Tx1)、前記の処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40に装入させ(Tx2)、このように熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させて(Tx3)、この搬送装置40から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させ(Tx4)、その後、この搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Tx5)抽出操作(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5)を行うようにする。
また、この実施形態1の熱処理設備において、前記のように熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる場合には、図3に示すように、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入させ(Tx6)、この搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させて(Tx7)、前記の搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20cに装入させ(Tx8)、その後、前記の搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Tx9)装入操作(Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)を行うようにする。
次に、図4(A),(B)においては、搬送装置40の動作状態と各処理装置20(20a~20e)における熱処理状態を、時間の流れを横軸(行)として示している。
ここで、この実施形態1に係る熱処理設備では、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理するにあたり、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了すると、制御装置50により、この処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かを判定する。
続いて、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かを判定する。
そして、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)が重ならず、且つ各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が重ならない場合には、前記の図2に示すように、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5)を行い、続けて、前記の図3に示すように、熱処理された被処理物Wを抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる装入操作(Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)を行うようにする。
ここで、図4(A),(B)においては、処理する前の被処理物Wが装入されていない搬送装置40を被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cの位置に移動させる操作を行う時間(Tx1)を操作時間AXとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40に装入し(Tx2)、このように熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Tx3)、この搬送装置40から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させ(Tx4)、この搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させ(Tx5)、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入し(Tx6)、この搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させ(Tx7)、前記の搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20cに装入させる(Tx8)一連の入替操作を行う時間(Tx2+Tx3+Tx4+Tx5+Tx6+Tx7+Tx8)を入替操作時間BXとし、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる操作を行う時間(Tx9)を操作時間CXとして示している。
一方、前記の処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なる場合、或いは抽出装置30で前記の被処理物Wが滞在する時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30で滞在する時刻と重なる場合には、例えば、図4(A)に示すように、他の処理装置20aにおいて熱処理されている被処理物Wの熱処理完了時刻Ta’と重なる場合には、前記の図2に示すように、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5)だけを行い、この状態で前記の搬送装置40を装入装置10の位置に待機させる。
次いで、前記のように制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かと、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを、搬送サイクル時間ごとに判定する。
そして、前記の制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重ならず、且つ各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないと判断された場合には、前記の図3に示すように、熱処理された被処理物Wを抽出された処理装置20cに、熱処理する前の被処理物Wを装入させる装入操作(Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)を行うようにする。
ここで、前記のように被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作(Tx1+Tx2+Tx3+Tx4+Tx5)だけ行う場合、図4(A),(B)においては、処理する前の被処理物Wが装入されていない搬送装置40を被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cの位置に移動させる操作を行う時間(Tx1)を操作時間DXとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40に装入し(Tx2)、このように熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Tx3)、この搬送装置40から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させ(Tx4)、この搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Tx5)一連の操作時間(Tx2+Tx3+Tx4+Tx5)を操作時間EXとし、また、熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる装入操作(Tx6+Tx7+Tx8+Tx9)だけを行う場合には、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入し(Tx6)、この熱処理された搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させ(Tx7)、前記の搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20cに装入させる(Tx8)一連の操作時間(Tx6+Tx7+Tx8)を操作時間FXと、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる操作を行う時間(Tx9)を操作時間GXとし、また処理装置20cにおいて、熱処理された被処理物Wが抽出された後、熱処理する前の被処理物Wが装入されるまでの間を「待ち時間」として示している。
また、図示していないが、前記の処理装置20c以外の他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいても、被処理物Wの熱処理が完了した場合には、前記の処理装置20cの場合と同様に、前記の制御装置50により、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重なるか否かと、処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを判定し、前記の処理装置20cの場合と同様にして、各処理装置20a,20b,20d,20eにおいて被処理物Wを熱処理させるようにする。
そして、この実施形態1に示すように、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理させる時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、それぞれ制御装置50により前記の搬送サイクル時間TSXの倍数から入替操作時間BXを引いた時間になるように調整すると共に、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40により各処理装置20(20a~20e)に装入させて熱処理するにあたり、前記の制御装置50により、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wが熱処理される時間に基づいて、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならず、且つ被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないように、搬送サイクル時間TSXごとに制御すると、各処理装置20(20a~20e)において処理時間が異なる被処理物Wを熱処理する場合であっても、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20(20a~20e)から熱処理された被処理物Wを搬送サイクル時間TSXに対応したタイミングで適切に取り出すことができると共に、熱処理する前の被処理物Wを搬送サイクル時間TSXに対応した適切なタイミングで装入装置10から搬送装置40を介して処理装置20(20a~20e)内に装入させて熱処理することができ、各処理装置20(20a~20e)において効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを作成できるようになり、前記の制御装置50により、このような効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを自動的に作成して、被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならないように制御できるようになる。
なお、被処理物Wが熱処理される時間やタイミングによっては、搬送装置40は、搬送サイクル時間TSXの全時間、装入装置10の位置で止まっていることもある。
また、突発的に被処理物Wを装入装置10に準備するタイミングが遅れた場合でも、搬送サイクル時間TSXを採用したことによって、回復が簡単に考えられるようになる。
例えば、図4(B)の処理装置20dにおいて、三角印(▲)の時刻に被処理物Wが装入装置10に準備できなかった場合、図5に示すように、処理装置20dで熱処理が完了した被処理物Wの抽出のみを行い、その後、装入装置10に準備できた被処理物WはTe’で示す時刻にTeと入替を行い、処理装置20eで熱処理される。そして、処理装置20dでは、他の処理装置20a,20b,20c,20eで被処理物Wの入替が行われない最初の搬送サイクル時間TSXを利用して、被処理物Wを星印(★)で示す時刻に装入のみを行う。
このようにすると、被処理物Wの準備が遅れても、図5に示すように、装入を予定していた処理装置20に故意に待ち時間2をつくり、被処理物Wを装入する処理装置20を他の処理装置20にずらすことにより、全ての処理装置20(20a~20e)の空き時間を総合的に最短にしながら操業を回復することができる。
この実施形態1の熱処理設備においては、以上のような制御を行うために、設備および熱処理の条件、例えば搬送サイクル時間(TSX)、入替操作時間BX(Tx2+Tx3+Tx4+Tx5+Tx6+Tx7+Tx8)、各被処理物Wの熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)、抽出装置30での滞在時間などを制御装置50へ入力することにより適切な搬送タイムチャートを自動的に作成し、被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならないように制御できるようにすれば、簡単に処理装置20(20a~20e)での処理時間が異なる被処理物Wを効率良く熱処理できるようになる。
(実施形態2)
実施形態2に係る熱処理設備においては、図6~図8に示すように、熱処理する被処理物Wを装入させる装入装置10と、被処理物Wを熱処理する複数(図に示す例では5つ)の処理装置20(20a~20e)と、処理装置20において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置30と、前記の装入装置10と処理装置20と抽出装置30との間で移動して、装入装置10における被処理物Wを処理装置20に装入させ、処理装置20において熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させる搬送装置40とを備えている。
そして、この実施形態2における前記の搬送装置40は、被処理物Wを前記の処理装置20と装入装置10と抽出装置30との間で出し入れさせる搬送室41と、熱処理された被処理物Wを高温状態で保持する保温室42とを備えている。
また、この実施形態2に係る熱処理設備においても、初期段階として、前記の装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40により、各処理装置20(20a~20e)に順々に装入させて、被処理物Wを各処理装置20(20a~20e)において熱処理させるようにしている。
ここで、この実施形態2に係る熱処理設備においては、熱処理する前の被処理物Wを装入させない状態で搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Ty1と、処理装置20において熱処理された被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して保温室42に装入させる時間Ty2と、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された状態で搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Ty3と、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された搬送装置40の搬送室41に装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを装入させる時間Ty4と、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入されると共に搬送室41に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を被処理物Wの熱処理を行う処理装置20の位置に移動させる時間Ty5と、搬送室41に装入された熱処理する前の被処理物Wを前記の搬送装置40から処理装置20に装入させる時間Ty6と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた前記の搬送装置40を抽出装置の位置に移動させる時間Ty7と、保温室42に装入された熱処理された被処理物Wを、搬送室41を通して搬送装置40から抽出装置30に装入させる時間Ty8と、熱熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Ty9との合計時間を搬送サイクル時間TSY(Ty1+Ty2+Ty3+Ty4+Ty5+Ty6+Ty7+Ty8+Ty9)とし、前記の搬送サイクル時間TSYから、搬送装置40を熱処理する前の被処理物Wを装入させない状態で装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20の位置に移動させる時間Ty1と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させる時間Ty7と、保温室42に装入された熱処理された被処理物Wを、搬送室41を通して搬送装置40から抽出装置30に装入させる時間Ty8と、熱熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Ty9を引いた時間を入替操作時間BY(Ty2+Ty3+Ty4+Ty5+Ty6)としている。
そして、この実施形態2に係る熱処理設備においては、前記の各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理する時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、制御装置50によってそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSYの倍数から前記の入替操作時間BYを引いた時間になるように調整している。このようにすると、熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)=(Ty1+Ty2+Ty3+Ty4+Ty5+Ty6+Ty7+Ty8+Ty9)×n-(Ty2+Ty3+Ty4+Ty5+Ty6)の式で表すことができるようになり、従来はバラバラであった熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、搬送サイクル時間TSYを用いて規則性を持たせることができる。
ここで、この実施形態2の熱処理設備において、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了し、この処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作を行う場合には、図7に示すように、装入装置10から搬送装置40に熱処理する前の被処理物Wを装入させないで、この搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させて(Ty1)、前記の処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して保温室42に装入させ(Ty2)、このように熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させて(Ty7)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の保温室42から搬送室41を通して抽出装置30に装入させ(Ty8)、その後、この搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Ty9)抽出操作(Ty1+Ty2+Ty7+Ty8+Ty9)を行うようにする。
また、この実施形態2の熱処理設備において、前記のように熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる場合には、図8に示すように、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させ(Ty4)、この搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させて(Ty5)、前記の搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20cに装入させ(Ty6)、その後、前記の搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Ty3)装入操作(Ty4+Ty5+Ty6+Ty3)を行うようにする。
次に、図9(A),(B)においては、搬送装置40の動作状態と各処理装置20(20a~20e)における熱処理状態を、時間の流れを横軸(行)として示している。
ここで、この実施形態2に係る熱処理設備では、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理するにあたり、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了すると、制御装置50により、この処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かを判定する。
続いて、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かを判定する。
そして、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重ならず、且つ各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないと判断された場合には、前記の図6に示すように、熱処理する前の被処理物Wを装入させない状態で搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させ(Ty1)、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して保温室42に装入させ(Ty2)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された状態で搬送装置40を装入装置10の位置に移動させ(Ty3)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された搬送装置40の搬送室41に装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを装入させ(Ty4)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入されると共に搬送室41に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を被処理物Wの熱処理を行う処理装置20cの位置に移動させ(Ty5)、搬送室41に装入された熱処理する前の被処理物Wを前記の搬送装置40から処理装置20cに装入させ(Ty6)、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた前記の搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Ty7)、保温室42における熱処理された被処理物Wを、搬送室41を通して搬送装置40から抽出装置30に装入させ(Ty8)、熱熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる(Ty9)一連の搬送サイクル操作を行うようにする。
ここで、図9(A),(B)においては、処理する前の被処理物Wが装入されていない搬送装置40を被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cの位置に移動させる操作を行う時間(Ty1)を操作時間AYとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して保温室42に装入させ(Ty2)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された状態で搬送装置40を装入装置10の位置に移動させ(Ty3)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された搬送装置40の搬送室41に装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを装入させ(Ty4)、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入されると共に搬送室41に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を被処理物Wの熱処理を行う処理装置20cの位置に移動させ(Ty5)、搬送室41に装入された熱処理する前の被処理物Wを前記の搬送装置40から処理装置20cに装入させる(Ty6)一連の入替操作を行う時間(Ty2+Ty3+Ty4+Ty5+Ty6)を入替操作時間BYとし、熱処理された被処理物Wが保温室42に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Ty7)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の保温室42から搬送室41を通して抽出装置30に装入させ(Ty8)、この搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる(Ty9)一連の操作時間(Ty7+Ty8+Ty9)を操作時間CYとして示している。
一方、前記の処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なる場合、或いは抽出装置30で前記の被処理物Wが滞在する時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30で滞在する時刻と重なる場合、例えば、図9(A)に示すように、他の処理装置20aにおいて熱処理されている被処理物Wの熱処理完了時刻Ta’と重なる場合には、前記の図7に示すように、搬送装置40を熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させ、この処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる前記の抽出操作(Ty1+Ty2+Ty7+Ty8+Ty9)だけ行い、この状態で前記の搬送装置40を装入装置10の位置に待機させる。
次いで、前記のように制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かと、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを、搬送サイクル時間ごとに判定する。
そして、前記の制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重ならず、且つ抽出装置30での滞在時刻が重ならないと判断された場合には、前記の図8に示すように、熱処理された被処理物Wを抽出された処理装置20cに、熱処理する前の被処理物Wを装入させる前記の装入操作(Ty4+Ty5+Ty6+Ty3)を行うようにする。
ここで、前記のように被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作(Ty1+Ty2+Ty7+Ty8+Ty9)だけを行う場合、図9(A),(B)においては、処理する前の被処理物Wが装入されていない搬送装置40を被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cの位置に移動させる操作を行う時間(Ty1)を操作時間DYとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41を通して保温室42に装入し(Ty2)、このように熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Ty7)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の保温室42から搬送室41を通して抽出装置30に装入させ(Ty8)、この搬送装置40を元の装入装置10の位置に移動させる(Ty9)一連の操作時間(Ty2+Ty7+Ty8+Ty9)を操作時間EYとし、また、熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる装入操作(Ty4+Ty5+Ty6+Ty3)だけを行う場合には、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入し(Ty4)、この搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させ(Ty5)、前記の搬送装置40から熱処理する前の被処理物Wを処理装置20cに装入させる(Ty6)一連の操作時間(Ty4+Ty5+Ty6)を操作時間FYとし、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる操作を行う時間(Ty3)を操作時間GYとし、また処理装置20cにおいて、熱処理された被処理物Wが抽出された後、熱処理する前の被処理物Wが装入されるまでの間を「待ち時間」として示している。
また、図示していないが、前記の処理装置20c以外の他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいても、被処理物Wの熱処理が完了した場合には、前記の処理装置20cの場合と同様に、前記の制御装置50により、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重なるか否かと、処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを判定し、前記の処理装置20cの場合と同様にして、各処理装置20a,20b,20d,20eにおいて被処理物Wを熱処理させるようにする。
そして、この実施形態2に示すように、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理させる時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、それぞれ制御装置50により前記の搬送サイクル時間TSYの倍数から入替操作時間BYを引いた時間になるように調整すると共に、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40により各処理装置20(20a~20e)に装入させて熱処理するにあたり、前記の制御装置50により、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wが熱処理される時間に基づいて、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならず、且つ被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないように、搬送サイクル時間TSYごとに制御すると、各処理装置20(20a~20e)において処理時間が異なる被処理物Wを熱処理する場合であっても、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20(20a~20e)から熱処理された被処理物Wを搬送サイクル時間TSYに対応したタイミングで適切に取り出すことができると共に、熱処理する前の被処理物Wを搬送サイクル時間TSYに対応した適切なタイミングで装入装置10から搬送装置40を介して処理装置20(20a~20e)内に装入させて熱処理することができ、各処理装置20(20a~20e)において効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを作成できるようになり、前記の制御装置50により、このような効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを自動的に作成して、被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならないように制御できるようになる。
なお、この実施形態2の熱処理設備においても、前記の実施形態1の熱処理設備と同様に、この被処理物Wが熱処理される時間やタイミングによっては、搬送装置40は、搬送サイクル時間TSYの全時間、装入装置10の位置で止まっていることもあり、また突発的に被処理物Wを装入装置10に準備するタイミングが遅れた場合でも、搬送サイクル時間TSYを採用したことによって、回復が簡単に考えられるようになる。
(実施形態3)
実施形態3に係る熱処理設備においては、図10~図12に示すように、熱処理する被処理物Wを装入させる装入装置10と、被処理物Wを熱処理する複数(図に示す例では5つ)の処理装置20(20a~20e)と、処理装置20において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置30と、前記の装入装置10と処理装置20と抽出装置30との間で移動して、装入装置10における被処理物Wを処理装置20に装入させ、処理装置20において熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させる搬送装置40とを備えている。
そして、この実施形態3における前記の搬送装置40は、被処理物Wを前記の処理装置20と装入装置10と抽出装置30との間で出し入れさせる搬送室41と、搬送室41に装入された熱処理前の被処理物Wを待機させる待機室43とを備えている。
また、この実施形態3に係る熱処理設備においても、初期段階として、前記の装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40により、各処理装置20(20a~20e)に順々に装入させて、被処理物Wを各処理装置20(20a~20e)において熱処理させるようにしている。
ここで、この実施形態3に係る熱処理設備においては、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して待機室43に装入させる時間Tz1と、搬送装置40を被処理物の熱処理が完了した処理装置20の位置に移動させる時間Tz2と、処理装置20において熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させる時間Tz3と、搬送室41に熱処理された被処理物Wが装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させる時間Tz4と、搬送装置40の搬送室41から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させる時間Tz5と、熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させた搬送装置40を被処理物Wの熱処理を行う処理装置20の位置に移動させる時間Tz6と、搬送装置40の待機室43に装入された熱処理する前の被処理物Wを前記の処理装置20に装入させる時間Tz7と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる時間Tz8との合計時間を搬送サイクル時間TSZ(Tz1+Tz2+Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz7+Tz8)とし、前記の搬送サイクル時間TSZから、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して待機室43に装入させる時間Tz1と、前記の搬送装置40を熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Tz2と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を前記の装入装置10の位置に移動させる時間Tz8を引いた時間を入替操作時間BZ(Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz7)としている。
そして、この実施形態3に係る熱処理設備においては、前記の各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理する時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、制御装置50によってそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSZの倍数から前記の入替操作時間BZを引いた時間になるように調整している。このようにすると、熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)=(Tz1+Tz2+Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz7+Tz8)×n-(Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz7)の式で表すことができるようになり、従来はバラバラであった熱処理時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、搬送サイクル時間TSZを用いて規則性を持たせることができる。
ここで、この実施形態3の熱処理設備において、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了し、この処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる場合には、図11に示すように、熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入させない状態で、搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させて(Tz2)、前記の処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させ(Tz3)、このように熱処理された被処理物Wが搬送室41に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させて(Tz4)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41から抽出装置30に装入させ(Tz5)、その後、この搬送装置40を前記の処理装置20c位置に移動させ(Tz6)、さらに搬送装置40を前記の処理装置20c位置から装入装置10の位置に移動させる(Tz8)抽出操作(Tz2+Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz8)を行うようにする。なお、図11においては、熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40に装入させない状態で、この搬送装置40を熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させる状態を示したが、熱処理する前の被処理物Wが搬送装置40の待機室43に装入された状態で、搬送装置40を熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させることもできる。
また、この実施形態3の熱処理設備において、前記のように熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに熱処理する前の被処理物Wを装入させる場合には、図12に示すように、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して待機室43に装入させ(Tz1)、待機室43に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させて(Tz2)、前記の搬送装置40の待機室43に装入された熱処理する前の被処理物Wを、搬送室41を通して前記の処理装置20に装入させ(Tz7)と、熱処理する前の被処理物Wを処理装置20に装入させた搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる(Tz8)装入操作(Tz1+Tz2+Tz7+Tz8)を行うようにする。
次に、図13(A),(B)においては、搬送装置40の動作状態と各処理装置20(20a~20e)における熱処理状態を、時間の流れを横軸(行)として示している。
ここで、この実施形態3に係る熱処理設備では、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理するにあたり、例えば、1つの処理装置20cにおいて被処理物Wの熱処理が完了すると、制御装置50により、この処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かを判定する。
続いて、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かを判定する。
そして、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重ならず、且つ各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならない場合には、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して待機室43に装入させ(Tz1)、この状態で、搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させて(Tz2)、前記の処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させ(Tz3)、このように熱処理された被処理物Wが搬送室41に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させて(Tz4)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41から抽出装置30に装入させ(Tz5)、その後、この搬送装置40を前記の処理装置20c位置に移動させ(Tz6)、この搬送装置40の待機室43に装入されている熱処理する前の被処理物Wを、搬送室41を通して前記の処理装置20cに装入させて(Tz7)、この搬送装置40を前記の処理装置20c位置から装入装置10の位置に移動させる(Tz8)ようにする。
ここで、図13(A),(B)においては、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40の搬送室41を通して待機室43に装入させ(Tz1)、この搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させる(Tz2)一連の操作時間(Tz1+Tz2)を操作時間AZとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させ(Tz3)、熱処理された被処理物Wが搬送室41に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させ(Tz4)、この搬送装置40の搬送室41から熱処理された被処理物Wを抽出装置30に装入させ(Tz5)、この搬送装置40を前記の処理装置20c位置に移動させて(Tz6)、待機室43に装入されている熱処理する前の被処理物Wを、搬送室41を通して搬送装置40から処理装置20cに装入させる(Tz7)一連の入替操作を行う時間(Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz7)を入替操作時間BZとし、この搬送装置40を装入装置10の位置に移動させる操作を行う時間(Tz8)を操作時間CZとして示している。
一方、前記の処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なる場合、或いは抽出装置30で前記の被処理物Wが滞在する時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30で滞在する時刻と重なる場合、例えば、図13(A)に示すように、他の処理装置20aにおいて熱処理されている被処理物Wの熱処理完了時刻Ta’と重なる場合には、前記の図11に示すように、搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させ、この処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる前記の抽出操作(Tz2+Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz8)だけ行い、この状態で前記の搬送装置40を装入装置10の位置に待機させる。
次いで、前記のように制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重なるか否かと、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを、搬送サイクル時間ごとに判定する。
そして、前記の制御装置50により、処理装置20cに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻(Tc’)が、他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻(Ta’,Tb’,Td’,Te’)と重ならず、且つ各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないと判断された場合には、前記の図12に示すように、熱処理された被処理物Wを抽出された処理装置20cに、熱処理する前の被処理物Wを装入させる前記の装入操作(Tz1+Tz2+Tz7+Tz8)を行うようにする。
ここで、図13(A),(B)においては、前記のように被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20cから熱処理された被処理物Wを抽出させる抽出操作(Tz2+Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz8)だけを行う場合、搬送装置40を装入装置10の位置から熱処理された被処理物Wを抽出させる処理装置20cの位置に移動させる操作を行う時間(Tz2)を操作時間DZとし、処理装置20cにおいて熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41に装入させ(Tz3)、熱処理された被処理物Wが搬送室41に装入された搬送装置40を抽出装置30の位置に移動させて(Tz4)、熱処理された被処理物Wを搬送装置40の搬送室41から抽出装置30に装入させ(Tz5)、この搬送装置40を前記の処理装置20c位置に移動させ(Tz6)、さらに搬送装置40を前記の処理装置20c位置から装入装置10の位置に移動させる(Tz8)一連の操作時間(Tz3+Tz4+Tz5+Tz6+Tz8)を操作時間EZとし、また、熱処理された被処理物Wが抽出された処理装置20cに、熱処理する前の被処理物Wを装入させる装入操作(Tz1+Tz2+Tz7+Tz8)だけを行う場合、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40における搬送室41を通して待機室43に装入させ(Tz1)、待機室43に熱処理する前の被処理物Wが装入された搬送装置40を前記の処理装置20cの位置に移動させて(Tz2)、搬送装置40の待機室43に装入された熱処理する前の被処理物Wを、搬送室41を通して前記の処理装置20に装入させる(Tz7)一連の操作時間(Tz1+Tz2+Tz7)を操作時間FZと、搬送装置40を前記の処理装置20c位置から装入装置10の位置に移動させる操作を行う時間(Tz8)を操作時間GZとし、また処理装置20cにおいて、熱処理された被処理物Wが抽出された後、熱処理する前の被処理物Wが装入されるまでの間を「待ち時間」としている。
また、図示していないが、前記の処理装置20c以外の他の処理装置20a,20b,20d,20eにおいても、被処理物Wの熱処理が完了した場合には、前記の処理装置20cの場合と同様に、前記の制御装置50により、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの熱処理完了時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重なるか否と、処理装置20a,20b,20d,20eに新たに装入させて熱処理する被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻が、他の処理装置20a,20b,20c,20d,20eにおいて熱処理されている各被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻と重なるか否かとを判定し、前記の処理装置20cの場合と同様にして、各処理装置20a,20b,20d,20eにおいて被処理物Wを熱処理させるようにする。
そして、この実施形態3に示すように、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wを熱処理させる時間(Ta,Tb,Tc,Td,Te)を、それぞれ制御装置50により前記の搬送サイクル時間TSZの倍数から入替操作時間BZを引いた時間になるように調整すると共に、装入装置10から熱処理する前の被処理物Wを搬送装置40により各処理装置20(20a~20e)に装入させて熱処理するにあたり、前記の制御装置50により、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wが熱処理される時間に基づいて、各処理装置20(20a~20e)において被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならず、且つ被処理物Wの抽出装置30での滞在時刻についても重ならないように、搬送サイクル時間TSZごとに制御すると、各処理装置20(20a~20e)において処理時間が異なる被処理物Wを熱処理する場合であっても、被処理物Wの熱処理が完了した処理装置20(20a~20e)から熱処理された被処理物Wを搬送サイクル時間TSYに対応したタイミングで適切に取り出すことができると共に、熱処理する前の被処理物Wを搬送サイクル時間TSZに対応した適切なタイミングで装入装置10から搬送装置40を介して処理装置20(20a~20e)内に装入させて熱処理することができ、各処理装置20(20a~20e)において効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを作成できるようになり、前記の制御装置50により、このような効率のよい熱処理設備の搬送タイムチャートを自動的に作成して、被処理物Wの熱処理が完了する時刻が重ならないように制御できるようになる。
なお、この実施形態3の熱処理設備においも、前記の実施形態1、2の熱処理設備と同様に、この被処理物Wが熱処理される時間やタイミングによっては、搬送装置40は、搬送サイクル時間TSZの全時間、装入装置10の位置で止まっていることもあり、また突発的に被処理物Wを装入装置10に準備するタイミングが遅れた場合でも、搬送サイクル時間TSZを採用したことによって、回復が簡単に考えられるようになる。
また、前記の実施形態1~3における搬送サイクル時間TSX,TSY,TSZは、必要なサイクルに要する時間よりも長くしても差し支えない。特に、抽出装置30での滞在時間が搬送サイクル時間TSX,TSY,TSZよりも長い場合には、搬送サイクル時間TSX,TSY,TSZを、抽出装置30での滞在時間の約数倍(1倍を含む)に延長することが好ましい。
本発明における第1の熱処理設備においては、前記のような課題を解決するために、熱処理する被処理物を装入させる装入装置と、被処理物を熱処理する複数の処理装置と、処理装置において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置と、前記の装入装置と処理装置と抽出装置との間で移動して、装入装置における被処理物を処理装置に装入させ、処理装置において熱処理された被処理物を抽出装置に装入させる搬送装置とを備えた熱処理設備において、前記の搬送装置が、被処理物を前記の処理装置と装入装置と抽出装置との間で出し入れするための搬送室を備え、搬送装置を熱処理する前の被処理物を装入させない状態で装入装置の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Tx1と、処理装置において熱処理された被処理物を搬送装置に装入させる時間Tx2と、熱処理された被処理物が装入された搬送装置を抽出装置の位置に移動させる時間Tx3と、搬送装置から熱処理された被処理物を抽出装置が装入させる時間Tx4と、熱処理された被処理物を抽出装置に装入させた搬送装置を装入装置に移動させる時間Tx5と、装入装置から熱処理する前の被処理物を搬送装置に装入させる時間Tx6と、熱処理する前の被処理物が装入された搬送装置を処理装置の位置に移動させる時間Tx7と、搬送装置から熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させる時間Tx8と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を装入装置の位置に移動させる時間Tx9との合計時間を搬送サイクル時間TSXとすると共に、前記の搬送サイクル時間TSXから、搬送装置を熱処理する前の被処理物を装入させない状態で装入装置の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Tx1と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を前記の装入装置の位置に移動させる時間Tx9を引いた時間を入替操作時間BXとし、前記の各処理装置において被処理物を熱処理する時間を、制御装置によりそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSXの倍数から前記の入替操作時間BXを引いた時間に調整すると共に、前記の装入装置から熱処理する前の被処理物を前記の搬送装置を介して処理装置に装入させて熱処理するにあたり、制御装置により、各処理装置において被処理物を熱処理する時間に基づいて、処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の熱処理完了時刻が、他の熱処理装置において熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重ならず、且つ処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の抽出装置での滞在時刻が、他の処理装置において熱処理されている各被処理物の抽出装置での滞在時刻と重ならないように、搬送サイクル時間ごとに制御するようにした。
また、本発明における第2の熱処理設備においては、前記のような課題を解決するために、熱処理する被処理物を装入させる装入装置と、被処理物を熱処理する複数の処理装置と、処理装置において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置と、前記の装入装置と処理装置と抽出装置との間で移動して、装入装置における被処理物を処理装置に装入させ、処理装置において熱処理された被処理物を抽出装置に装入させる搬送装置とを備えた熱処理設備において、前記の搬送装置が、被処理物を前記の処理装置と装入装置と抽出装置との間で出し入れするための搬送室と、熱処理された被処理物を高温状態で保持する保温室とを備え、熱処理する前の被処理物を装入させない状態で搬送装置を装入装置の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Ty1と、処理装置において熱処理された被処理物を搬送装置における搬送室を通して保温室に装入させる時間Ty2と、熱処理された被処理物が保温室に装入された状態で搬送装置を装入装置の位置に移動させる時間Ty3と、熱処理された被処理物が保温室に装入された搬送装置の搬送室に装入装置から熱処理する前の被処理物を装入させる時間Ty4と、熱処理された被処理物が保温室に装入されると共に搬送室に熱処理する前の被処理物が装入された搬送装置を被処理物の熱処理を行う処理装置の位置に移動させる時間Ty5と、搬送室に装入された熱処理する前の被処理物を搬送装置から処理装置に装入させる時間Ty6と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を抽出装置の位置に移動させる時間Ty7と、保温室に装入された熱処理された被処理物を、搬送室を通して搬送装置から抽出装置に装入させる時間Ty8と、熱熱処理された被処理物を抽出装置に装入させた搬送装置を装入装置の位置に移動させる時間Ty9との合計時間を搬送サイクル時間TSYとすると共に、前記の搬送サイクル時間TSYから、搬送装置を熱処理する前の被処理物を装入させない状態で装入装置の位置から熱処理された被処理物を抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Ty1と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を抽出装置の位置に移動させる時間Ty7と、保温室に装入された熱処理された被処理物を、搬送室を通して搬送装置から抽出装置に装入させる時間Ty8と、熱熱処理された被処理物を抽出装置に装入させた搬送装置を装入装置の位置に移動させる時間Ty9を引いた時間を入替操作時間BYとし、前記の各処理装置において被処理物を熱処理する時間を、制御装置によりそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSYの倍数から前記の入替操作時間BYを引いた時間に調整すると共に、前記の装入装置から熱処理する前の被処理物を前記の搬送装置を介して処理装置に装入させて熱処理するにあたり、制御装置により、各処理装置において被処理物を熱処理する時間に基づいて、処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の熱処理完了時刻が、他の熱処理装置において熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重ならず、且つ処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の抽出装置での滞在時刻が、他の処理装置において熱処理されている各被処理物の抽出装置での滞在時刻と重ならないように、搬送サイクル時間ごとに制御するようにした。
また、本発明における第3の熱処理設備においては、前記のような課題を解決するために、熱処理する被処理物を装入させる装入装置と、被処理物を熱処理する複数の処理装置と、処理装置において熱処理された被処理物を抽出させる抽出装置と、前記の装入装置と処理装置と抽出装置との間で移動して、装入装置における被処理物を処理装置に装入させ、処理装置において熱処理された被処理物を抽出装置に装入させる搬送装置とを備えた熱処理設備において、前記の搬送装置が、被処理物を前記の処理装置と装入装置と抽出装置との間で出し入れするための搬送室と、搬送室に装入された熱処理前の被処理物を待機させる待機室とを備え、装入装置から熱処理する前の被処理物を搬送装置における搬送室を通して待機室に装入させる時間Tz1と、搬送装置を被処理物の熱処理が完了した処理装置の位置に移動させる時間Tz2と、処理装置において熱処理された被処理物を搬送装置の搬送室に装入させる時間Tz3と、搬送室に熱処理された被処理物が装入された搬送装置を抽出装置の位置に移動させる時間Tz4と、搬送装置の搬送室から熱処理された被処理物を抽出装置の装入させる時間Tz5と、熱処理された被処理物を抽出装置に装入させた搬送装置被処理物の熱処理を行う処理装置の位置に移動させる時間Tz6と、搬送装置の待機室に装入された熱処理する前の被処理物を前記の処理装置に装入させる時間Tz7と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を装入装置の位置に移動させる時間Tz8の合計時間を搬送サイクル時間TSZとすると共に、前記の搬送サイクル時間TSZから、装入装置から熱処理する前の被処理物を搬送装置における搬送室を通して待機室に装入させる時間Tz1と、前記の搬送装置を熱処理された被処理物を抽出させる処理装置の位置に移動させる時間Tz2と、熱処理する前の被処理物を処理装置に装入させた搬送装置を前記の装入装置の位置に移動させる時間Tz8を引いた時間を入替操作時間BZとし、前記の各処理装置において被処理物を熱処理する時間を、制御装置によりそれぞれ前記の搬送サイクル時間TSZの倍数から前記の入替操作時間BZを引いた時間に調整すると共に、前記の装入装置から熱処理する前の被処理物を前記の搬送装置を介して処理装置に装入させて熱処理するにあたり、制御装置により、各処理装置において被処理物を熱処理する時間に基づいて、処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の熱処理完了時刻が、他の熱処理装置において熱処理されている各被処理物Wの熱処理完了時刻と重ならず、且つ処理装置に新たに装入させて熱処理する被処理物の抽出装置での滞在時刻が、他の処理装置において熱処理されている各被処理物の抽出装置での滞在時刻と重ならないように、搬送サイクル時間ごとに制御するようにした。