JP2023107636A - 生産支援装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明の課題は、業者の生産計画の策定に要する時間と負担を抑えた上で、CO2排出量の削減を考慮した生産を可能にすることである。【解決手段】この発明の一態様は、生産設備による生産物の生産動作を支援する際に、前記生産動作に対し使用が想定される複数の電力供給源の各々について、日時別の単位電力量当たりの電力料金およびCO2排出量の予測情報を取得し、生産依頼者の端末から、前記生産物の生産条件を指定する情報を取得する。そして、取得された前記電力予測情報と、前記生産条件を指定する情報とに基づいて、少なくとも、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報を生成し、生成された前記第1の生産計画情報を出力するようにしたものである。【選択図】図3
Description
この発明の一態様は、例えば工業製品等の生産物を生産するシステムに対する生産支援を行う生産支援装置、方法およびプログラムに関する。
例えば、完成品や部品等の工業製品を製造する製造業では、設備の自動化が推進されている。この傾向は、工業製品以外に各種食品の製造業や農水産物の育成・養殖等を行うその他の生産業においても同様である。
一方、近年では脱炭素社会の実現やSDGsの早期達成に向け、製造業を始めとするあらゆる生産業に対しCO2排出量の削減目標が設定され、その達成が求められるようになっている。ところが、現状の生産システムでは、生産物の仕様、納期および価格に基づいて生産計画を策定し、生産を行うものが一般的となっている(例えば特許文献1または2を参照)。このため、現在の多くの生産システムでは、CO2排出量の削減を生産計画に反映させるところまでは対応できない。
そこで、一部の製造業者では、生産計画にCO2排出量の削減を反映させるために、業者が自ら生産設備によるCO2排出量を計測または推定し、その結果を生産計画に反映させる試みもなされている。
ところが、生産業者が自らCO2排出量を計測または推定することは業者にとって大きな負担となり、その結果生産計画を策定し生産を開始するまでに多くの時間と労力が必要となっていた。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、業者の生産計画の策定に要する時間と負担を抑えた上で、CO2排出量の削減を考慮した生産を可能にする技術を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、この発明に係る生産支援装置または生産支援方法の第1の態様は、使用が想定される複数の電力供給源の各々について、日時ごとの単位電力量当たりの電力料金およびCO2排出量の予測情報を取得すると共に、生産依頼者の端末から、前記生産物の生産条件を指定する情報を取得する。そして、取得された前記電力予測情報と、前記生産条件を指定する情報とに基づいて、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報を生成し、生成された前記第1の生産計画情報を出力するようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、生産支援装置により、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報が自動的に生成されて出力される。このため、例えば生産業者は、独自に生産設備により生産物を生産する際のCO2排出量を計測してCO2排出量を反映した生産計画を策定する作業が不要となる。従って、生産計画の策定に要する時間を短縮し、かつ作業負荷を軽減した上で、CO2排出量の削減を考慮した生産を行うことが可能となる。
この発明の第2の態様は、前記第1の生産計画情報に加え、納期を優先する第2の生産計画情報および生産コストを優先する第3の生産計画情報の少なくとも一方をさらに生成し、生成された前記第1の生産計画情報と、前記第2の生産計画情報および前記第3の生産計画情報の少なくとも一方を出力するようにしたものである。
この発明の第2の態様によれば、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報に加え、納期を優先する第2の生産計画情報と生産コストを優先する第3の生産計画情報の少なくとも一方がさらに生成されて出力される。このため、例えば生産依頼者は、必要に応じて、第2の生産計画情報または第3の生産計画情報を選択して生産を依頼することが可能となる。
すなわちこの発明の各態様によれば、業者の生産計画の策定に要する時間と負荷を抑制しつつ、CO2排出量の削減を考慮した生産を可能にする技術を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る生産支援装置を備えた生産管理システムの全体構成の一例を示す図である。
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る生産支援装置を備えた生産管理システムの全体構成の一例を示す図である。
一実施形態に係る生産管理システムは、生産業者が運用する生産システムCSに対し、生産支援装置としての機能を有するサーバ装置SVをネットワークNWを介して接続し、さらにこのサーバ装置SVに対しネットワークNWを介して生産依頼者の端末TMを接続可能にしたものである。
生産システムCSは、例えば、生産設備WSと、複数台のコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)PL1,PL2と、電力計測器PDと、生産制御装置CPとを備えている。生産設備WSは、例えば、ワークフィーダと、複数台のコンベアおよびロボットとを備えたパンチャシステムからなる。
コントローラPL1,PL2は、予め設定された製造ロジックに従い上記生産設備WSの動作を制御する。電力計測器PDは、上記生産設備WSが消費する電力を計測し、計測された電力消費量とその計測時刻を含む計測データを生産制御装置CPへ出力する。
生産制御装置CPは、例えばパーソナルコンピュータからなり、生産システムCS全体の動作を管理および制御する。例えば、生産制御装置CPは、後述するサーバ装置SVから送られる生産計画情報に従い、上記コントローラPL1,PL2に対し生産のための制御ロジックを設定すると共に、上記生産設備WSに供給する電力の供給源を選択する処理を行う。また生産制御装置CPは、上記生産設備WSの動作期間中に電力計測器PDから電力消費量の計測データを取得し、取得された計測データをサーバ装置SVからの取得要求に応じてサーバ装置SVへ送信する処理を行う。
生産依頼者の端末TMは、パーソナルコンピュータからなり、生産依頼者がサーバ装置SVとの間で生産の依頼や指示等に係る種々情報データを送受信するために使用される。例えば、生産依頼者の端末TMは、サーバ装置SVに対し製品の生産条件を含む生産依頼情報を送信する。また、生産依頼者の端末TMは、サーバ装置SVから送られる生産計画情報の候補および生産計画変更情報の候補をそれぞれ受信して表示し、これに対し生産依頼者が入力した生産計画の選択情報および生産計画変更に対する許否情報をサーバ装置SVへ送信する。
ネットワークNWは、例えばインターネットを中核とする広域ネットワークと、この広域ネットワークにアクセスするためのアクセスネットワークとを備える。アクセスネットワークとしては、例えば、有線または無線を使用する公衆通信ネットワーク、有線または無線を使用するLAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)ネットワークが使用される。
なお、生産設備WSはパンチャシステムに限らず、他にも製品または半製品の加工や塗装、組立、パッケージング等を行うシステムであってもよく、さらには工業製品に限らず農産物や畜産物、水産物を育成および生産するシステム等であってもよい。また、生産システムSCの構成等についても上記構成に限らない。
(2)サーバ装置SV
図2および図3は、それぞれサーバ装置SVのハードウェアおよびソフトウェアの構成の一例を示すブロック図である。
図2および図3は、それぞれサーバ装置SVのハードウェアおよびソフトウェアの構成の一例を示すブロック図である。
サーバ装置SVは、例えばクラウド上、エッジ上またはWeb上に配置されるサーバコンピュータからなる。サーバ装置SVは、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部1を備え、この制御部1に対し、バス5を介して、プログラム記憶部2およびデータ記憶部3を有する記憶ユニットと、通信インタフェース(以後インタフェースをI/Fと記載する)部4を接続したものとなっている。
通信I/F部4は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、生産システムCSの生産制御装置CPおよび生産依頼者の端末TMとの間で、それぞれ情報データの送受信を行う。
プログラム記憶部2は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なアプリケーション・プログラムを格納する。
データ記憶部3は、例えば、記憶媒体としてHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリとRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、一実施形態に係る記憶領域として、電力予測情報記憶部31と、生産条件記憶部32と、生産計画情報記憶部33とを備える。
電力予測情報記憶部31は、今後生産システムCSにおいて生産動作のために使用が想定される複数の電力供給源(例えば電力会社に相当)の各々について、供給予定の電力に係る電力料金とCO2排出量の予測値を表す電力予測情報を記憶するために使用される。
生産条件記憶部32は、生産依頼者の端末TMから送られる生産依頼情報を、少なくとも生産が終了するまで保存するために使用される。
生産計画情報記憶部33は、制御部1により生成される生産計画情報およびその変更情報を、少なくとも生産が終了するまで保存するために使用される。
制御部1は、この発明の一実施形態に係る処理機能として、電力予測情報取得処理部11と、生産条件取得処理部12と、生産計画生成処理部13と、生産計画提示・選択受付処理部14と、生産実行指示送信処理部15と、実績値取得処理部16と、中間報告送信処理部17と、生産計画変更処理部18とを備える。これらの処理部11~18は、何れも、プログラム記憶部2に格納されたアプリケーション・プログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
電力予測情報取得処理部11は、例えば、生産システムCSにおいて使用が想定される複数の電力供給源(例えば電力会社)の各々から、過去の電力供給実績を表す電力プロファイル情報を取得する。そして、電力予測情報取得処理部11は、取得された上記電力プロファイル情報をもとに、上記複数の電力供給源の各々について、今後の日時ごとの単位電力量当たりの電力料金とCO2排出量を予測し、その各予測値を電力予測情報として電力予測情報記憶部31に記憶させる処理を行う。
生産条件取得処理部12は、生産依頼者の端末TMから送信される生産依頼情報を通信I/F部4を介して受信し、受信された上記生産依頼情報を生産条件記憶部32に記憶させる処理を行う。生産依頼情報には、生産対象の生産物の識別情報と生産数量、その生産条件、および生産依頼者の名称や連絡先等を含む生産依頼者属性情報が含まれる。上記生産条件には、納期、コストおよびCO2排出量の目標値が含まれる。
生産計画生成処理部13は、上記生産依頼情報により指定される生産対象の生産物について、上記生産条件記憶部32に記憶された生産条件と、上記電力予測情報記憶部31に記憶された電力予測情報とに基づいて、生産計画情報の候補を生成する。そして、生産計画生成処理部13は、生成された上記生産計画情報の候補を生産計画情報記憶部33に記憶させる処理を行う。
生産計画情報の候補には、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報と、納期を優先する第2の生産計画情報と、生産コストを優先する第3の生産計画情報とがある。なお、生産計画情報の候補としては、第1の生産計画情報と、第2の生産計画情報および第3の生産計画情報の少なくとも一方が生成されてもよい。上記各生産計画情報の生成処理の一例は動作例において説明する。
生産計画提示・選択受付処理部14は、上記生産計画情報記憶部33から上記生産計画情報の候補を読み出し、読み出された上記生産計画情報の候補を通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する処理を行う。
また、生産計画提示・選択受付処理部14は、生成された上記生産計画情報の候補のうち、生産依頼者が選択した生産計画情報を表す選択情報を端末TMから通信I/F部4を介して受信する。そして、受信された上記選択情報により表される生産計画情報を生産実行指示送信処理部15へ出力する処理を行う。
生産実行指示送信処理部15は、上記生産計画提示・選択受付処理部14から出力された生産計画情報を、生産システムCSの生産制御装置CPへ生産実行指示と共に送信する処理を行う。
実績値取得処理部16は、生産システムCSにおいて生産物の生産動作が実行されている期間に、定期的または任意のタイミングで、生産制御装置CPから納期、生産コストおよびCO2排出量の各実績値を取得する処理を行う。
中間報告送信処理部17は、上記実績値取得処理部16により取得された上記納期、生産コストおよびCO2排出量の各実績値を、生産依頼者から生産条件として指定された納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値と共に中間報告情報に含め、この中間報告情報を通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する処理を行う。
生産計画変更処理部18は、上記実績値取得処理部16により取得された上記納期、生産コストおよびCO2排出量の各実績値と、生産条件において指定された上記納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値とに基づいて、上記各目標値に対する上記各実績値の乖離度合いを求め、この乖離度合いを縮小するべく生産計画を変更する処理を行う。この変更処理の一例は動作例において説明する。
(動作例)
次に、以上のように構成されたサーバ装置SVの動作例を説明する。
次に、以上のように構成されたサーバ装置SVの動作例を説明する。
図4および図5は、サーバ装置SVの制御部1が実行する生産支援処理の処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
(1)供給予定の電力に係る情報の予測
サーバ装置SVの制御部1は、電力予測情報取得処理部11の制御の下、定期的または任意のタイミングで、生産システムCSにおいて使用が想定される複数の電力供給源の各々について、今後の供給予定の電力に係る電力料金とCO2排出量の予測を行う。
サーバ装置SVの制御部1は、電力予測情報取得処理部11の制御の下、定期的または任意のタイミングで、生産システムCSにおいて使用が想定される複数の電力供給源の各々について、今後の供給予定の電力に係る電力料金とCO2排出量の予測を行う。
例えば、電力予測情報取得処理部11は、先ずステップS10において、生産システムCSで使用が想定される複数の電力供給源(例えば電力会社)の各々から、過去の電力供給実績を表す電力プロファイル情報を取得する。そして、電力予測情報取得処理部11は、ステップS11において、取得された上記電力プロファイル情報をもとに、上記複数の電力会社の各々について、今後の日時ごとの単位電力量当たりの電力料金とCO2排出量を予測し、その予測値を電力予測情報として電力予測情報記憶部31に記憶させる。
図6は、上記電力予測情報取得処理部11により生成された電力予測情報の一例を示すもので、この例では電力供給源として、A電力、B電力、C電力、D電力、E太陽光発電(確率30%:晴)、F太陽光発電(確率70%:曇)の各電力会社の利用を想定した場合を例示している。図6に示すように、各電力会社が供給する電力は、発電方式に応じて日時ごとの単位電力量当たりの電力料金とCO2排出量が異なる。
(2)生産条件の取得
生産依頼者は、生産業者に生産物の生産を依頼する際に、生産対象の生産物の識別情報と、生産数量と、その生産条件と、生産依頼者の名称や連絡先等を含む生産依頼者属性情報とを含む生産依頼情報を生成する。上記生産条件としては、納期、コストおよびCO2排出量の各目標値が指定される。そして、生成された上記生産依頼情報を、端末TMからネットワークNWを介してサーバ装置SVへ送信する。
生産依頼者は、生産業者に生産物の生産を依頼する際に、生産対象の生産物の識別情報と、生産数量と、その生産条件と、生産依頼者の名称や連絡先等を含む生産依頼者属性情報とを含む生産依頼情報を生成する。上記生産条件としては、納期、コストおよびCO2排出量の各目標値が指定される。そして、生成された上記生産依頼情報を、端末TMからネットワークNWを介してサーバ装置SVへ送信する。
これに対し、サーバ装置SVの制御部1は、ステップS12において端末TMからの上記生産依頼情報の到来を監視している。この状態で、生産依頼者の端末TMから生産依頼情報が送信されると、サーバ装置SVの制御部1は、生産条件取得処理部12の制御の下、ステップS13において、上記生産依頼情報を通信I/F部4を介して受信し、受信された上記生産依頼情報を生産条件記憶部32に記憶させる。
(3)生産計画情報の生成
上記生産依頼情報を取得するとサーバ装置SVの制御部1は、生産計画生成処理部13の制御の下、ステップS14において生産計画情報の生成を以下のように実行する。
上記生産依頼情報を取得するとサーバ装置SVの制御部1は、生産計画生成処理部13の制御の下、ステップS14において生産計画情報の生成を以下のように実行する。
すなわち、生産計画生成処理部13は、先ず上記生産条件記憶部32から上記生産依頼情報に含まれる生産条件を読み込む。この生産条件には、先に述べたように納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値が含まれている。
生産計画生成処理部13は、次に上記生産条件により指定された上記納期、生産コストおよびCO2排出量に対する重み付けをそれぞれ所定量ずつステップ的に変化させることで、CO2排出量の削減を優先する第1の生産パターンと、納期を優先する第2の生産パターンと、生産コストを優先する第3の生産パターンをそれぞれ生成する。
続いて生産計画生成処理部13は、生成された上記第1、第2および第3の各生産パターンの各々について、上記電力予測情報記憶部31に記憶された電力予測情報と、生産システムCSから事前に取得した生産速度の範囲を示す情報とに基づいて、生産開始時刻、時間帯ごとの生産速度および電力供給源の組合せの最適解を計算し設定する。そして、この最適解が反映された生産計画を第1、第2および第3の生産計画情報とする。
例えば、いま生産依頼者から指定された生産条件の目標値が、納期(翌日12:00まで)、生産コスト(100円以下)、CO2排出量(10kg以下)だったとする。この生産条件のもとで、各目標値を満たしかつCO2排出量が最小となる第1の生産パターンを生成すると、例えば図7に示す生産パターンが生成される。この第1の生産パターンによれば、生産は翌日11:31に終了し、生産コストは99円、そしてCO2排出量は4.91kgとなる。そして、上記第1の生産パターンに対し生産速度と電力会社の最適値を設定すると、第1の生産計画情報は例えば図8に示すようになる。
また、上記生産条件のもとで、納期(翌日12:00まで)、生産コスト(100円以下)、CO2排出量(10kg以下)の各目標値を満たし、かつ納期が最短となる第2の生産パターンを生成すると、例えば図9に示すような生産パターンが生成される。この第2の生産パターンによれば、生産コストは93円、CO2排出量は9.42kg、納期は最短の20:38分となる。そして、上記第2の生産パターンに対し生産速度と電力会社の最適値を設定すると、第2の生産計画情報は例えば図10に示すようになる。
以下同様に、上記生産条件のもとで、納期(翌日12:00まで)、生産コスト(100円以下)、CO2排出量(10kg以下)の各目標値を満たし、かつ生産コストが最小となる第3の生産パターンが生成され、さらにこの第3の生産パターンに対応する第3の生産計画情報が生成される。
なお、上記生産計画情報を生成する際に生産計画生成処理部13は、生産速度および電力供給源の組合せの最適解が、生産条件により指定された目標値を満たすか否かを判定し、満たさないと判定される場合には、生産コストに追加コストを加算する。例えば、CO2排出量の目標値を満たさない場合や、納期を満たさない場合には、予め定められた違約金を生産コストに加算する。
(4)生産計画情報の候補の提示およびその選択情報の取得
上記第1、第2および第3の各生産計画情報の生成が終了すると、サーバ装置SVの制御部1は、続いて生産計画提示・選択受付処理部14の制御の下、ステップS15において、生産計画情報の候補を生産依頼者に提示する処理を行う。
上記第1、第2および第3の各生産計画情報の生成が終了すると、サーバ装置SVの制御部1は、続いて生産計画提示・選択受付処理部14の制御の下、ステップS15において、生産計画情報の候補を生産依頼者に提示する処理を行う。
例えば、生産計画提示・選択受付処理部14は、生産計画情報記憶部33から上記第1、第2のおよび第3の各生産計画情報を読み出す。そして、読み出された上記各生産計画情報を、生産計画の候補として通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する。この結果、生産依頼者の端末TMでは、上記第1、第2のおよび第3の各生産計画情報が、生産計画の候補として例えばディスプレイに表示される。
この状態で、生産依頼者のオペレータが、端末TMにおいて、表示された上記各生産計画情報のうち、希望する生産計画情報を選択指定したとする。そうすると、生産計画情報の選択情報が端末TMからネットワークNWを介してサーバ装置SVへ送信される。
これに対し、サーバ装置SVの制御部1は、生産計画提示・選択受付処理部14の制御の下、ステップS16において生産依頼者の端末TMによる選択情報の送信を監視し、選択情報が送られると、ステップS17において上記選択情報を受信する。
(5)生産システムCSに対する生産動作の実行指示
サーバ装置SVの制御部1は、生産依頼者から上記選択情報を受信すると、次に生産実行指示送信処理部15の制御の下、ステップS18において、受信された上記選択情報により指示される生産計画情報を、生産システムCSの生産制御装置CPに対し生産実行指示と共に送信する。
サーバ装置SVの制御部1は、生産依頼者から上記選択情報を受信すると、次に生産実行指示送信処理部15の制御の下、ステップS18において、受信された上記選択情報により指示される生産計画情報を、生産システムCSの生産制御装置CPに対し生産実行指示と共に送信する。
この結果、生産制御装置CPは、サーバ装置SVから送られた生産計画情報に従い、コントローラPL1,PL2に対し生産のための制御ロジックを設定すると共に、上記生産設備WSに電力を供給する電力供給源(例えば電力会社)の組合せを選択する。かくして、生産設備WSでは、上記生産計画情報に基づく生産パターンに従い、生産対象として指定された生産物の生産動作が開始される。
例えば、サーバ装置SVからCO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報が与えられた場合、生産制御装置CPは上記第1の生産計画情報に従い、CO2排出量が最小となるように生産速度を設定し、かつCO2排出量の少ない電力会社の組合せを選択する。従って、生産設備WSでは、上記第1の生産計画情報に基づく生産パターンに従い、CO2排出量が最小となるように生産物の生産動作が行われる。
また、サーバ装置SVから納期を優先する第2の生産計画情報が与えられた場合、生産制御装置CPは上記第2の生産計画情報に従い、納期が最短となるように生産速度を高速に設定し、かつこの生産速度に対応する電力会社の組合せを選択する。従って、生産設備WSでは、上記第2の生産計画情報に基づく生産パターンに従い、納期が最多となるように生産物の生産動作が行われる。
同様に、サーバ装置SVから納期を優先する第3の生産計画情報が与えられた場合、生産制御装置CPは上記第3の生産計画情報に従い、生産コストが最小となるように生産速度を設定し、かつ電力料金が安価な電力会社の組合せを選択する。この結果、生産設備WSでは、上記第2の生産計画情報に基づく生産パターンに従い、生産コストが最小となるように生産物の生産動作が行われる。
(6)生産動作中の中間報告
生産動作が開始されると生産システムCSでは、生産動作中に、生産設備WSおよび各コントローラPL1,PL2における電力消費量が電力計測器PDにより時系列で計測され、生産制御装置CPに通知される。なお、この場合、通知される電力消費量には、生産制御装置CP自体の電力消費量も含まれる。生産制御装置CPは、上記電力消費量に対応する電気料金に、生産に必要な種々の固定費等を加味して、生産コストを算出する。また、それと共に生産制御装置CPは、コントローラPL1,PL2から生産物の生産数量を取得し、さらに電力の供給を受けている電力会社から生産開始時刻から現時点までのCO2排出量を取得または算出する。
生産動作が開始されると生産システムCSでは、生産動作中に、生産設備WSおよび各コントローラPL1,PL2における電力消費量が電力計測器PDにより時系列で計測され、生産制御装置CPに通知される。なお、この場合、通知される電力消費量には、生産制御装置CP自体の電力消費量も含まれる。生産制御装置CPは、上記電力消費量に対応する電気料金に、生産に必要な種々の固定費等を加味して、生産コストを算出する。また、それと共に生産制御装置CPは、コントローラPL1,PL2から生産物の生産数量を取得し、さらに電力の供給を受けている電力会社から生産開始時刻から現時点までのCO2排出量を取得または算出する。
これに対し、サーバ装置SVの制御部1は、上記生産システムCSによる生産動作中に、ステップS20により生産動作の終了を監視しながら、実績値取得処理部16の制御の下、ステップS19において中間報告タイミングになったか否かを監視する。そして、この状態で中間報告タイミングになると、実績値取得処理部16はステップS21において、生産制御装置CPに対し中間実績値の取得要求を送信する。
上記取得要求を受信すると生産制御装置CPは、この時点での生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値を、サーバ装置SVへ送信する。サーバ装置SVの実績値取得処理部16は、上記生産制御装置CPから送信された生産数量、生産コストおよびCO2排出量の実績値を通信I/F部4を介して受信する。
上記中間実績値が受信されるとサーバ装置SVの制御部1は、中間報告送信処理部17の制御の下、ステップS22において、受信された上記生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値と、生産依頼者から事前に生産条件として指定されている納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値とを対応付けて中間報告情報を生成する。そして、生成された中間報告情報を、通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する。
なお、上記中間報告情報を生成する際に中間報告送信処理部17は、上記生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値をもとに、生産動作終了時の最終的な納期、生産コストおよびCO2排出量を予測し、この予測値を生産条件で指定された各目標値と共に中間報告情報に含めるようにしてもよい。
また中間報告送信処理部17は、生産条件で指定された納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値から、上記中間報告時点での生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間目標値を算出し、算出された中間目標値を上記生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値と共に中間報告情報に含めるようにしてもよい。
その他、中間報告情報には、上記生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値のみを含めるようにしてもよい。
上記中間報告情報は、生産依頼者の端末TMにおいて受信され、例えばディスプレイに表示される。従って、生産依頼者は、生産動作中において生産の進捗状況を確認することが可能となる。そして生産依頼者は、上記進捗状況を確認した結果、目標値を達成するために生産計画の変更が必要と判断した場合、端末TMからサーバ装置SVに対し生産計画の変更要求を送信することができる。
(7)生産計画の変更
上記生産動作中にサーバ装置SVの制御部1は、生産計画変更処理部18の制御の下、生産計画の変更に係る処理を次のように実行する。
上記生産動作中にサーバ装置SVの制御部1は、生産計画変更処理部18の制御の下、生産計画の変更に係る処理を次のように実行する。
すなわち、生産計画変更処理部18は、ステップS23において、生産依頼者の端末TMから生産計画の変更要求を監視する。この状態で、生産計画の変更要求が受信されると、生産計画変更処理部18は、ステップS24において生産計画変更情報の候補を生成する。
例えば、生産計画変更処理部18は、先ず上記実績値取得処理部16により取得された生産数量、生産コストおよびCO2排出量の各中間実績値から、生産終了後の最終的な納期、生産コストおよびCO2排出量を予測する。そして生産計画変更処理部18は、上記納期、生産コストおよびCO2排出量の各予測値と、生産依頼者から送られた生産条件により指定された納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値との間の乖離の度合いを求める。具体的には、乖離度合いとして差分値を算出する。そして、算出された上記差分値を縮小するための生産計画変更情報の候補を生成する。次に生産計画変更処理部18は、ステップS25において、生成された上記生産計画変更情報の候補を通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する。
この結果、生産依頼者の端末TMでは、上記生産計画変更情報の候補が例えばディスプレイに表示される。生産依頼者は、表示された上記生産計画変更情報の候補に対し、変更内容を許諾するか、或いは拒否するかを回答情報として端末TMに入力する。端末TMは、入力された上記回答情報を、ネットワークNWを介してサーバ装置SVへ送信する。
これに対し、サーバ装置SVの制御部1は、生産計画変更処理部18の下、ステップS26により上記回答情報の到来を監視する。そして、回答情報が受信され、かつその内容が変更に許諾することを示すものであれば、生産計画変更処理部18は生産計画情報記憶部33に記憶されている生産計画情報を更新する。また、それと共に生産計画変更処理部18は、ステップS18に戻り、許諾された上記生産計画変更情報を、生産システムCSの生産制御装置CPに対し生産計画の変更指示と共に送信する。
この結果、生産システムCSの生産制御装置CPでは、上記サーバ装置SVから送られた生産計画変更情報に従い、コントローラPL1,PL2に対し生産のための制御ロジックの変更を指示すると共に、電力供給源(例えば電力会社)の組合せの変更を指示する。かくして、生産設備WSでは、上記変更された生産計画情報に対応する生産パターンに従い、生産動作の途中で生産パターンが変更される。
従って、例えばCO2排出量の実績値から推定される最終的なCO2排出量が、生産条件により指定されたCO2排出量の目標値を超えると予測される場合に、生産システムCSでは、サーバ装置SVから送られる生産計画変更情報に基づいて、生産動作の途中でCO2排出量の削減を優先した生産パターンに変更される。この結果、電力供給源は例えばCO2排出量の少ない電力会社に切り替えられ、これにより最終的なCO2排出量を目標値未満に抑えることが可能となる。
但し、CO2排出量の少ない電力会社に切り替えることで、例えば電力料金が増加して生産コストが上昇することが予想される。しかし、この生産コストの上昇は、生産計画変更情報に事前に記載される。これにより生産依頼者は、CO2排出量を目標値未満に抑えるというメリットと共に、生産コストの上昇というデメリットについても確認した上で、生産計画の変更の許否を判断することが可能となる。
また、納期が生産条件により指定される目標値以内にならないと予想される場合に、生産システムCSでは、サーバ装置SVから送られる生産計画変更情報に基づいて、生産動作の途中で生産パターンが変更され、これにより例えば生産設備WSの生産速度が高速化される。これにより生産納期を間に合わせることが可能となる。
但し、生産速度を高速化することで、例えば電力消費量が増加して生産コストが高くなることが予想される。また、同時にCO2排出量の増加を招くことも予想される。しかし、この生産コストの上昇およびCO2排出量の増加は、生産計画変更情報に事前に記載される。従って生産依頼者は、納期遅れを防止するというメリットと共に、生産コストの上昇およびCO2排出量の増加というデメリットについても確認した上で、生産計画の変更の許否を判断することが可能となる。
同様に、生産コストが生産条件により指定される目標値を超えると予想される場合に、生産システムCSでは、サーバ装置SVから送られる生産計画変更情報に基づいて、生産動作の途中で生産設備WSにおける生産パターンが変更され、これにより例えば電力料金の安価な電力会社に切り替えられる。これにより生産コストを目標値未満に抑えることが可能となる。
但し、電力料金の安価な電力会社に切り替えることによって、CO2排出量の増加を招くことが予想される。しかし、このCO2排出量の増加は、生産計画変更情報に記載される。これにより生産依頼者は、生産コストを抑えるというメリットと共に、CO2排出量の増加というデメリットについても確認した上で、生産計画の変更の許否を判断することが可能となる。
(8)生産終了後の処理
生産設備WSにおいて生産計画情報またはその変更情報に基づく生産動作が終了し、生産制御装置CPから生産終了が送信されると、サーバ装置SVの制御部1はステップS20で上記生産終了を受信する。
生産設備WSにおいて生産計画情報またはその変更情報に基づく生産動作が終了し、生産制御装置CPから生産終了が送信されると、サーバ装置SVの制御部1はステップS20で上記生産終了を受信する。
そして、サーバ装置SVの制御部1は、ステップS28により生産終了通知を生成し、生成された生産終了通知を通信I/F部4から生産依頼者の端末TMへ送信する。生産終了通知には、例えば、生産制御装置CPから取得された生産終了後の納期、生産コストおよびCO2排出量の最終結果が、生産依頼者から生産条件として指定された納期、生産コストおよびCO2排出量の目標値と共に挿入される。なお、生産終了通知には、生産終了後の納期、生産コストおよびCO2排出量の最終結果のみが挿入されてもよい。
(効果)
以上述べたように一実施形態では、生産支援装置としての機能を有するサーバ装置SVにおいて、以下のような処理が行われる。
以上述べたように一実施形態では、生産支援装置としての機能を有するサーバ装置SVにおいて、以下のような処理が行われる。
すなわち、生産システムCSで使用が想定される複数の電力会社の各々について、日時ごとの単位電力量当たりの電力料金とCO2排出量が予測され、この予測結果が電力予測情報として保存される。そして、生産依頼者の端末TMから、納期、生産コストおよびCO2排出量の目標値を指定する生産条件を受け取った場合に、上記電力予測情報と生産設備の生産速度の範囲を示す情報とに基づいて、3種類の生産計画情報が生成される。3種類の生産計画情報とは、上記生産条件により指定された各目標値を満たしかつCO2排出量が最小となる第1の生産計画情報と、上記各目標値を満たしかつ納期が最短となる第2の生産計画情報と、上記各目標値を満たしかつ生産コストが最小となる第3の生産計画情報である。次に、生成された上記各生産計画情報が生産依頼者の端末TMへ送信される。そして、上記各生産計画情報のうち、生産依頼者が選択指定した生産計画情報を生産システムCSに送り、この生産計画情報により表される生産パターンに従い生産設備WSに生産動作を実行される処理が行われる。
従って、一実施形態によれば、生産依頼者および生産業者は、いずれも生産計画情報を自力で生成する作業か不要となり、これにより少ない作業負荷でかつ短時間のうちに、自己の希望に適した生産計画に従い生産システムCSに生産動作を開始させることが可能となる。特に、CO2排出量の目標値の達成を主目的とする場合に生産依頼者は、サーバ装置SVから提示された、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報を選択するだけで、CO2排出量の削減を重視した生産動作を生産システムCSに行わせることができる。一方、納期或いは生産コストを優先した生産を希望する場合に生産依頼者は、それぞれ第2または第3の生産計画情報を選択するだけで、納期または生産コストを重視した生産動作を生産システムCSに行わせることが可能となる。
また一実施形態では、サーバ装置SVにおいて、生産システムCSから生産動作中に生産数量、生産コストおよびCO2排出量の実績値を取得し、この中間実績値またはこの中間実績値から計算される納期、生産コストおよびCO2排出量の最終的な予測値を中間報告情報に含めて生産依頼者の端末TMへ送信するようにしている。このため、生産依頼者は、生産システムCSの生産動作中に、上記中間報告情報をもとに、生産数量、生産コストおよびCO2排出量の途中経過、または最終的な予測値を確認することが可能となり、必要に応じて生産計画の途中変更を要求することが可能となる。
さらに一実施形態では、生産依頼者から生産計画の途中変更の要求を受信した場合に、サーバ装置SVにおいて、生産条件により指定された納期、生産コストおよびCO2排出量の目標値と、上記生産数量、生産コストおよびCO2排出量の中間実績値から計算される上記最終的な予測値との間の差分値を求め、この差分値を縮小するための生産計画変更情報を生成する。そして、生成された上記生産計画変更情報を生産依頼者の端末TMへ送信し、生産依頼者の許諾を得て生産システムCSの生産計画を途中変更するようにしている。
従って、生産システムCSにおける生産動作の実情に応じて生産計画を適宜変更することが可能となり、これにより当初指定した納期、生産コストおよびCO2排出量の目標値を達成することが可能となる。
[その他の実施形態]
(1)前記一実施形態では、サーバ装置SVにおいて、生産システムCSで使用が想定される複数の電力供給源(例えば電力会社)から電力プロファイル情報を取得し、この電力プロファイル情報をもとに、各電力会社について供給予定の電力に係る電力料金とCO2排出量を予測する場合を例にとって説明した。しかし、それに限らず、例えば各電力会社が、供給予定の電力に係る電力料金およびCO2排出量を示す電力供給予定情報を保持している場合には、サーバ装置SVは上記電力予測処理を行わずに、上記各電力会社から上記電力供給予定情報を取得するようにしてもよい。
(1)前記一実施形態では、サーバ装置SVにおいて、生産システムCSで使用が想定される複数の電力供給源(例えば電力会社)から電力プロファイル情報を取得し、この電力プロファイル情報をもとに、各電力会社について供給予定の電力に係る電力料金とCO2排出量を予測する場合を例にとって説明した。しかし、それに限らず、例えば各電力会社が、供給予定の電力に係る電力料金およびCO2排出量を示す電力供給予定情報を保持している場合には、サーバ装置SVは上記電力予測処理を行わずに、上記各電力会社から上記電力供給予定情報を取得するようにしてもよい。
(2)前記一実施形態では、サーバ装置SVにおいて、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報に加え、納期を優先する第2の生産計画情報と、生産コストを優先する第3の生産計画情報をそれぞれ生成し、これらを生産計画情報の候補として生産依頼者に提示するようにした。しかし、それに限らず、第1の生産計画情報のみを生成して生産依頼者に提示するようにしてもよく、また第1の生産計画情報に加えて、第2および第3の各生産計画情報の一方のみを生成して生産依頼者に提示するようにしてもよい。
(3)前記一実施形態では、サーバ装置SVが、生成した第1、第2または第3の各生産計画情報を生産依頼者に提示し、生産依頼者が選択指定した生産計画情報に従い、生産システムCSに対し生産動作の実行指示を与える場合を例にとって説明した。しかし、これに限らず、例えば生産依頼者の選択指定処理を経ずに、サーバ装置SVから生産システムCSへ生産計画情報を直接送信して生産動作を実行させるようにしてもよい。
(4)前記一実施形態では、サーバ装置SVが、生産依頼者の端末TMから生産計画の途中変更の要求を受信した場合に、生産計画変更情報を生成して生産依頼者の端末TMへ送信する場合を例にとって説明した。しかし、それに限らず、サーバ装置SVが、例えば生産システムCSから取得される中間実績値と生産条件により指定された目標値との差分をもとに生産計画の変更の要否を判定し、生産計画の変更が必要と判定された場合に生産計画変更情報を生成して生産依頼者の端末TMへ送信するようにしてもよい。
(5)前記一実施形態では、生産支援装置が備える各処理機能をクラウド、エッジまたはWeb上のサーバ装置SVに備えた場合を例にとって説明した。しかし、生産支援装置の各処理機能を生産システムCS内の生産制御装置CPに備えるようにしてもよい。また、生産支援装置の各処理機能を複数のサーバ装置やパーソナルコンピュータに分散配置するようにしてもよい。
(6)その他、生産支援装置が備える各処理機能による処理手順と処理内容、生産システムの構成と処理機能、生産物や生産動作の種類、生産依頼者の端末の処理機能等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
以上、この発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点においてこの発明の例示に過ぎない。この発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、この発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
SV…サーバ装置
TM…生産依頼者の端末
CS…生産システム
CP…生産制御装置
PL1,PL2…コントローラ
PD…電力計測器
WS…生産設備
NW…ネットワーク
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…通信I/F部
5…バス
11…電力予測情報取得処理部
12…生産条件取得処理部
13…生産計画生成処理部
14…生産計画提示・選択受付処理部
15…生産実行指示送信処理部
16…実績値取得処理部
17…中間報告送信処理部
18…生産計画変更処理部
31…電力予測情報記憶部
32…生産条件記憶部
33…生産計画情報記憶部
TM…生産依頼者の端末
CS…生産システム
CP…生産制御装置
PL1,PL2…コントローラ
PD…電力計測器
WS…生産設備
NW…ネットワーク
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…通信I/F部
5…バス
11…電力予測情報取得処理部
12…生産条件取得処理部
13…生産計画生成処理部
14…生産計画提示・選択受付処理部
15…生産実行指示送信処理部
16…実績値取得処理部
17…中間報告送信処理部
18…生産計画変更処理部
31…電力予測情報記憶部
32…生産条件記憶部
33…生産計画情報記憶部
Claims (11)
- 生産設備による生産物の生産動作を支援する生産支援装置であって、
前記生産動作に対し使用が想定される複数の電力供給源の各々について、日時別の単位電力量当たりの電力料金およびCO2排出量の予測情報を取得する第1の処理部と、
生産依頼者の端末から、前記生産物の生産条件を指定する情報を取得する第2の処理部と、
取得された前記予測情報と、前記生産条件を指定する情報とに基づいて、少なくとも、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報を生成する第3の処理部と、
生成された前記第1の生産計画情報を出力する第4の処理部と
を具備する生産支援装置。 - 前記第3の処理部は、前記第1の生産計画情報に加え、納期を優先する第2の生産計画情報および生産コストを優先する第3の生産計画情報の少なくとも一方をさらに生成し、
前記第4の処理部は、前記第1の生産計画情報と、生成された前記第2の生産計画情報および前記第3の生産計画情報の少なくとも一方を出力する、
請求項1に記載の生産支援装置。 - 前記第1の処理部は、前記複数の電力供給源の過去の電力供給実績を表す情報をもとに、前記複数の電力供給源の各々について日時ごとの単位電力量当たりの電力料金およびCO2排出量を予測し、その予測結果を前記予測情報とする、請求項1に記載の生産支援装置。
- 前記第3の処理部は、
前記生産条件を指定する情報に含まれる、納期、生産コストおよびCO2排出量の各目標値に対する重み付けを変化させることにより、前記CO2排出量の削減を優先する第1の生産パターンと、前記納期を優先する第2の生産パターンおよび前記生産コストを優先する第3の生産パターンの少なくとも一方を生成する処理部と、
生成された前記第1の生産パターンと、前記第2の生産パターンおよび前記第3の生産パターンの少なくとも一方に対し、前記予測情報および前記生産設備の生産速度を表す情報に基づいて、前記電力供給源および前記生産速度の最適解を適用することで、前記第1の生産計画情報と、前記第2の生産計画情報および前記第3の生産計画情報の少なくとも一方を生成する処理部と
を備える請求項2に記載の生産支援装置。 - 前記第3の処理部は、前記最適解が、前記生産条件を指定する情報に含まれる、前記納期、前記生産コストおよび前記CO2排出量の各目標値を満たすか否かを判定し、満たさないと判定された場合に、追加コストを前記生産コストに加算する処理を行う、請求項4に記載の生産支援装置。
- 前記生産依頼者の前記端末から、前記第1の生産計画情報と、前記第2の生産計画情報および前記第3の生産計画情報の少なくとも一方に対し、前記生産依頼者が選択した生産計画情報を表す選択情報を取得する第5の処理部を、さらに具備する請求項2に記載の生産支援装置。
- 前記生産動作が行われている期間に、前記納期、前記生産コストおよび前記CO2排出量の各実績値を取得し、取得された前記各実績値を含む中間報告情報を前記生産依頼者の前記端末へ出力する第6の処理部を、さらに具備する請求項2に記載の生産支援装置。
- 前記生産動作が行われている期間に、前記納期、前記生産コストおよび前記CO2排出量の各実績値を取得し、取得された前記各実績値と、前記生産条件を指定する情報に含まれる前記納期、前記生産コストおよび前記CO2排出量の各目標値とに基づいて、前記各目標値に対する前記各実績値の乖離度合いを算出し、算出された前記乖離度合いを縮小するための生産計画変更情報を生成する第7の処理部を、さらに具備する請求項2に記載の生産支援装置。
- 生産設備による生産物の生産動作を情報処理装置が支援する生産支援方法であって、
前記生産動作に対し使用が想定される複数の電力供給源の各々について、日時別の単位電力量当たりの電力料金およびCO2排出量の予測情報を取得する第1の処理過程と、
生産依頼者の端末から、前記生産物の生産条件を指定する情報を取得する第2の処理過程と、
取得された前記予測情報と、前記生産条件を指定する情報とに基づいて、少なくとも、CO2排出量の削減を優先する第1の生産計画情報を生成する第3の処理過程と、
生成された前記第1の生産計画情報を出力する第4の処理過程と
を具備する生産支援方法。 - 前記第3の処理過程は、前記第1の生産計画情報に加え、納期を優先する第2の生産計画情報および生産コストを優先する第3の生産計画情報の少なくとも一方をさらに生成し、
前記第4の処理過程は、前記第1の生産計画情報と、生成された前記第2の生産計画情報および前記第3の生産計画情報の少なくとも一方を出力する、
請求項9に記載の生産支援方法。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の生産支援装置が具備する前記第1の処理部乃至前記第7の処理部による処理の少なくとも1つを、前記生産支援装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
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