JP2023107118A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチのパック詰め学習を行う機会を確保しつつ安定してパック詰め学習を行う。【解決手段】電動機クリープ走行中に、ロックアップクラッチの解放状態からパック詰め制御が実行させられて、パック詰め学習が行われるので、ロックアップクラッチが解放状態からスリップ状態又は係合状態へ切り替えられる走行状況下とは別に、運転者が発進加速を意図していると考え難く、エンジンの始動が行われ難い走行状況下で、ロックアップクラッチのパック詰め学習を行うことができる。よって、ロックアップクラッチのパック詰め学習を行う機会を確保しつつ安定してパック詰め学習を行うことができる。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと電動機との間に設けられた断接クラッチと、電動機と駆動輪との間に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、を備えた車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた、前記エンジンを前記電動機と断接する断接クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた、ロックアップクラッチを有する流体式伝動装置と、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用の制御装置がそれである。この特許文献1には、ロックアップクラッチをスリップさせた状態で、断接クラッチを解放状態から係合状態へ切り替えつつエンジンを点火してエンジンを始動することが開示されている。
特開2014-73705号公報
ところで、ロックアップクラッチの解放状態からスリップ状態又は係合状態への切替えに際して、ロックアップクラッチの制御精度を向上する為に、ロックアップクラッチのパック詰め制御に用いられるロックアップクラッチの指示圧を学習によって補正するパック詰め学習を行うことがある。一方で、エンジンの運転が停止させられた状態で電動機のみを動力源に用いて走行する電動走行(=BEV走行)中は、断接クラッチが解放状態とされており、エンジンストールを回避する為の制御が不要であるので、停車中や停車付近以外では動力伝達効率の向上の為にロックアップクラッチを解放状態としないことが好ましい。そうすると、ロックアップクラッチのパック詰め制御を実行する場面が限定され、パック詰め学習を行う機会が少なくされてしまう。他方で、車両を発進加速する場面では、ロックアップクラッチの解放状態からスリップ状態又は係合状態への切替えを行うことがあり、パック詰め学習を行うことが可能であるが、エンジンの始動が重なってしまう場合がある。この場合、断接クラッチが係合状態へ切り替えられる為、電動機の回転速度が変動し、ロックアップクラッチの入力側回転速度も同様に変動する。その為、ロックアップクラッチの差回転速度の変動がロックアップクラッチのパック詰め完了以外の要因でも発生し得る状態となる。そうすると、パック詰め完了を適切に判断することが難しくなる為、ロックアップクラッチのパック詰め学習を安定して行うことができない、つまりロックアップクラッチの指示圧を誤学習してしまうおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ロックアップクラッチのパック詰め学習を行う機会を確保しつつ安定してパック詰め学習を行うことができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた、前記エンジンを前記電動機と断接する断接クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた、ロックアップクラッチを有する流体式伝動装置と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)解放状態、スリップ状態、及び係合状態のうちの何れかの制御状態となるように前記ロックアップクラッチを制御するロックアップクラッチ制御部と、(c)前記断接クラッチの解放状態且つ前記エンジンの停止状態でアクセルオフとされた状況下のときに、前記ロックアップクラッチの解放状態において、クリープ現象を生じさせる所定トルクを前記電動機から出力させる電動機制御部と、(d)前記ロックアップクラッチの解放状態からスリップ状態又は係合状態への切替えに際して、前記ロックアップクラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするように制御するパック詰め制御に用いられる前記ロックアップクラッチの指示圧を学習によって補正するパック詰め学習を行う学習制御部と、を含んでおり、(e)前記学習制御部は、前記電動機から出力された前記所定トルクによって走行する電動機クリープ走行中に、前記ロックアップクラッチの解放状態から前記パック詰め制御を実行させて、前記パック詰め学習を行うことにある。
前記第1の発明によれば、電動機クリープ走行中に、ロックアップクラッチの解放状態からパック詰め制御が実行させられて、パック詰め学習が行われるので、ロックアップクラッチが解放状態からスリップ状態又は係合状態へ切り替えられる走行状況下とは別に、運転者が発進加速を意図していると考え難く、エンジンの始動が行われ難い走行状況下で、ロックアップクラッチのパック詰め学習を行うことができる。よって、ロックアップクラッチのパック詰め学習を行う機会を確保しつつ安定してパック詰め学習を行うことができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 加速時スリップ制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、LUクラッチパックエンド圧学習を行う機会を確保しつつ安定してLUクラッチパックエンド圧学習を行う為の制御作動を説明するフローチャートである。 図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力源SPとして機能する、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。バッテリ54は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギも同意である。前記動力は、特に区別しない場合には駆動力、トルク、及び力も同意である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、K0クラッチ20、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備えている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ22は、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。又、動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された1対のドライブシャフト32等を備えている。又、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結する電動機連結軸36等を備えている。
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸36に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路、特にはK0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。見方を換えれば、電動機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。
トルクコンバータ22は、電動機連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、及び自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。ポンプ翼車22aはトルクコンバータ22の入力部材であり、タービン翼車22bはトルクコンバータ22の出力部材である。電動機連結軸36は、トルクコンバータ22の入力回転部材でもある。変速機入力軸38は、タービン翼車22bによって回転駆動されるタービン軸と一体的に形成されたトルクコンバータ22の出力回転部材でもある。トルクコンバータ22は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた、動力源SPからの動力を流体を介して電動機連結軸36から変速機入力軸38へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結する、つまり電動機連結軸36と変速機入力軸38とを連結するLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、トルクコンバータ22の入出力回転部材を連結する直結クラッチ、すなわち公知のロックアップクラッチである。
LUクラッチ40は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。LUクラッチ40は、車両10に備えられた油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるLU油圧PRluによりLUクラッチ40のトルク容量であるLUトルクTluが変化させられることで、作動状態つまり制御状態が切り替えられる。LUクラッチ40の制御状態としては、LUクラッチ40が解放された状態である解放状態(完全解放状態ともいう)、LUクラッチ40が滑りを伴って係合された状態であるスリップ状態、及びLUクラッチ40が係合された状態である係合状態(完全係合状態ともいう)がある。LUクラッチ40が解放状態とされることにより、トルクコンバータ22はトルク増幅作用が得られるトルクコンバータ状態とされる。又、LUクラッチ40が係合状態とされることにより、トルクコンバータ22はポンプ翼車22a及びタービン翼車22bが一体回転させられるロックアップ状態とされる。
自動変速機24は、例えば不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば複数の公知の油圧式の摩擦係合装置を含んでいる。係合装置CBは、各々、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて形成されるギヤ段が切り替えられる。AT入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Niは、トルクコンバータ22の出力回転速度すなわちトルコン出力回転速度であるタービン回転速度Ntと同値である。AT入力回転速度Niは、タービン回転速度Ntで表すことができる。AT出力回転速度Noは、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
K0クラッチ20は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両10において、K0クラッチ20の係合状態では、エンジン12とトルクコンバータ22とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ20の解放状態では、エンジン12とトルクコンバータ22との間の動力伝達が遮断される。電動機MGはトルクコンバータ22に連結されているので、K0クラッチ20は、エンジン12を電動機MGと断接する断接クラッチとして機能する。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合された場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、電動機連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。又、電動機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、電動機連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、動力源SPにより回転駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動する為のEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0、LU油圧PRluなどを供給する。
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、クラッチ制御用、変速機制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、バッテリセンサ84、油温センサ86、シフトポジションセンサ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、AT入力回転速度Niと同値であるタービン回転速度Nt、車速Vに対応するAT出力回転速度No、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧制御回路56内の作動油OILの温度である作動油温THoil、車両10に備えられたシフトレバー64が操作された位置を示す操作位置(=操作ポジション)POSopなど)が、それぞれ供給される。MG回転速度Nmは、トルクコンバータ22の入力回転速度すなわちトルコン入力回転速度と同値である。
シフトレバー64は、複数の操作ポジションPOSopのうちの何れかの操作ポジションへ運転者によって操作されるシフト操作部材である。操作ポジションPOSopは、自動変速機24のシフト位置(=シフトポジション)を選択する状態を表す信号である。操作ポジションPOSopは、例えば自動変速機24の複数のシフトポジションとしてのP、R、N、Dポジションに各々対応した、P、R、N、D操作ポジションを含んでいる。自動変速機24のシフトポジションは、自動変速機24における動力伝達状態を表している。
P操作ポジションは、自動変速機24の駐車位置であるパーキングポジション(=Pポジション)を選択するパーキング操作ポジションである。自動変速機24のPポジションは、自動変速機24がニュートラル状態とされ且つ変速機出力軸26の回転が機械的に阻止された、自動変速機24のシフトポジションである。自動変速機24のニュートラル状態は、自動変速機24が動力を伝達不能な状態であり、例えば係合装置CBが何れも解放状態とされて自動変速機24における動力伝達が遮断されることで実現される。変速機出力軸26の回転が機械的に阻止された状態は、変速機出力軸26が車両10に備えられた公知のパーキングロック機構により回転不能に固定されたパーキングロックの状態である。R操作ポジションは、自動変速機24の後進走行位置である後進走行ポジション(=Rポジション)を選択する後進走行操作ポジションである。自動変速機24のRポジションは、車両10の後進走行を可能とする自動変速機24のシフトポジションである。つまり、自動変速機24のRポジションは、複数の変速段のうちの車両10の後進走行を可能とする後進走行用変速段が形成された自動変速機24の動力伝達状態を表している。N操作ポジションは、自動変速機24のニュートラル位置であるニュートラルポジション(=Nポジション)を選択するニュートラル操作ポジションである。自動変速機24のNポジションは、自動変速機24がニュートラル状態とされた自動変速機24のシフトポジションである。D操作ポジションは、自動変速機24の前進走行位置である前進走行ポジション(=Dポジション)を選択する前進走行操作ポジションである。自動変速機24のDポジションは、自動変速機24の自動変速制御を実行して車両10の前進走行を可能とする自動変速機24のシフトポジションである。つまり、自動変速機24のDポジションは、複数の変速段のうちの車両10の前進走行を可能とする前進走行用変速段が形成された自動変速機24の動力伝達状態を表している。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、係合装置CBを制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御する為のLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御する為のEOP制御指令信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
各油圧制御指令信号Sについて、LU油圧制御指令信号Sluを例示して説明する。電子制御装置90は、LU油圧PRluの指令値として、油圧制御回路56から調圧されたLU油圧PRluを供給させる為のLUクラッチ40の指示圧であるLUクラッチ指示圧Spluを算出する。指示圧とは、係合装置に供給される作動油OILに対して電子制御装置90から指示される目標油圧であって、この指示圧に応じて係合装置に供給される実際の油圧である実油圧が変化する。電子制御装置90は、LUクラッチ指示圧Spluを、油圧制御回路56に備えられたLUソレノイドSLluを駆動する為のLU指示電流値Siluに変換する。LUソレノイドSLluは、LU油圧PRluを出力するLUクラッチ40用のソレノイドバルブである。LU指示電流値Siluは、電子制御装置90に備えられた、LUソレノイドSLluを駆動する駆動回路であるソレノイド用ドライバに対する指示電流である。LU油圧制御指令信号Sluは、LU指示電流値Siluに基づいて、ソレノイド用ドライバがLUソレノイドSLluを駆動する為の駆動電流又は駆動電圧である。つまり、LUクラッチ指示圧Spluは、LU油圧制御指令信号Sluに変換されて油圧制御回路56へ出力される。本実施例では、便宜上、LUクラッチ指示圧SpluとLU油圧制御指令信号Sluとを同意に取り扱う。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、K0クラッチ制御手段すなわちK0クラッチ制御部94、変速機制御手段すなわち変速機制御部96、LUクラッチ制御手段すなわちLUクラッチ制御部98、及び学習制御手段すなわち学習制御部99を備えている。
動力源制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部92aとしての機能と、インバータ52を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御手段すなわち電動機制御部92bとしての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行するハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部である。
動力源制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdem[Nm]は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、変速機出力軸26における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良い。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。
動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、車両10を駆動する駆動モードとしてモータ駆動モードつまりBEV駆動モードを成立させる。BEV駆動モードは、K0クラッチ20の解放状態において、エンジン12の運転が停止させられた状態で電動機MGのみを動力源SPに用いて走行するモータ走行つまり電動走行(=BEV走行)が可能な電動駆動モードである。一方で、動力源制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、駆動モードとしてエンジン駆動モードつまりHEV駆動モードを成立させる。HEV駆動モードは、K0クラッチ20の係合状態において、少なくともエンジン12を動力源SPに用いて走行するエンジン走行つまりハイブリッド走行(=HEV走行)が可能なハイブリッド駆動モードである。他方で、動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、バッテリ54の充電が必要な場合やエンジン12等の暖機が必要な場合や作動油温THoilが極低温時である場合などには、駆動モードとしてHEV駆動モードを成立させる。
電動機制御部92bは、例えばエンジン12が停止状態とされている場合には、電動機MGのアイドリング制御であるMGアイドリング制御を実行する。MGアイドリング制御は、例えばMG回転速度Nmの目標値である目標MG回転速度Nmtgtを予め定められた所定MGアイドリング回転速度Nmidlf以上となる電動機MGのアイドリング回転速度に設定し、目標MG回転速度NmtgtにMG回転速度Nmを制御して電動機MGをアイドリング状態とする制御である。MGアイドリング制御は、例えばK0クラッチ20の解放状態且つエンジン12の停止状態でアクセルオフとされた状況下のときに、LUクラッチ40の解放状態において、一時的な停車中にブレーキオフとされたことによって、アクセルオフの状態のままで車両10がゆっくり動くクリープ現象を生じさせる為の所定クリープトルクTcpfを電動機MGから出力させる制御である。所定クリープトルクTcpfは、例えば車両停止状態においてブレーキオフ操作が為され且つアクセルオフのままであるときに所謂クリープ走行にて車両10を走行させる為の予め定められた所定トルクである。電動機制御部92bによるMGアイドリング制御は、例えばBEV駆動モードにおいて、前記駆動要求量がゼロと判断できる予め定められたゼロ判定閾値以下であって、自動変速機24がDポジション又はRポジションであるときに実行される。前記駆動要求量が前記ゼロ判定閾値以下であるときは、例えばアクセル開度θaccがゼロと判定されるアクセルオフのときである。
動力源制御部92特にはエンジン制御部92aは、エンジン12の制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン12の始動要求であるエンジン始動要求の有無を判定する。例えば、特にはエンジン制御部92aは、BEV駆動モード時に、要求駆動トルクTrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲よりも増大したか否か、又は、エンジン12等の暖機が必要であるか否か、又は、バッテリ54の充電が必要であるか否かなどに基づいて、エンジン始動要求が有るか否かを判定する。
K0クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにK0クラッチ20を制御する。例えば、K0クラッチ制御部94は、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達する為のK0トルクTk0が得られるように、解放状態のK0クラッチ20を係合状態に向けて制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0を油圧制御回路56へ出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。
動力源制御部92は、エンジン始動要求が有ると判定した場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにエンジン12及び電動機MGを制御する。例えば、電動機制御部92bは、K0クラッチ20の係合状態への切替えに合わせて、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smをインバータ52へ出力する。又、エンジン制御部92aは、エンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。
変速機制御部96は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じてつまりその変速判断の結果に応じて自動変速機24の変速制御を実行する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速機制御部96は、自動変速機24の変速制御では、例えば係合装置CBのうちの解放側係合装置の解放状態への切替えと、係合装置CBのうちの係合側係合装置の係合状態への切替えと、によって自動変速機24の変速を行う。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
LUクラッチ制御部98は、解放状態、スリップ状態、及び係合状態のうちの何れかの制御状態となるようにLUクラッチ40を制御する、つまりLUクラッチ40の制御状態を制御するロックアップクラッチ制御部である。具体的には、LUクラッチ制御部98は、例えば予め定められた関係であるロックアップ領域線図を用いて制御領域の判断を行い、その判断した制御領域に対応する制御状態が実現されるLU油圧PRluをLUクラッチ40へ供給する為のLU油圧制御指令信号Sluを油圧制御回路56へ出力する。前記ロックアップ領域線図は、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、完全解放領域すなわちロックアップオフ領域、スリップ領域、完全係合領域すなわちロックアップ領域を有する所定の関係である。BEV走行中は、K0クラッチ20が解放状態とされており、エンジンストールを回避する為の制御が不要であるので、BEV駆動モードにおいては、停車中や停車付近ではロックアップオフ領域が設定され、停車中や停車付近以外では動力伝達効率の向上の為にLUクラッチ40が解放状態とされないようにスリップ領域又はロックアップ領域が設定されている。停車付近は、例えば電動機MGから出力された所定クリープトルクTcpfによって走行する電動機クリープ走行中つまりBEVクリープ走行中、車速Vがゼロ近傍まで低下した減速走行中などである。
LUクラッチ制御部98は、制御領域がロックアップ領域であると判断した場合には、LUクラッチ40への入力トルクすなわちLU入力トルクTinluを伝達可能なLUトルクTluが得られる為のLU油圧PRluを設定してLUクラッチ40を完全係合状態とする、LUクラッチ40のロックアップ制御を実行する。LU入力トルクTinluは、HEV走行時にはエンジントルクTeとMGトルクTmとの合計トルクであり、BEV走行時にはMGトルクTmである。LU入力トルクTinluを伝達可能なLUトルクTluは、例えばLU入力トルクTinluに安全率(>1)を乗算したトルク値である。
LU入力トルクTinluに対してLUトルクTluが小さいと、LUクラッチ40に滑りが生じる。LUクラッチ制御部98は、制御領域がスリップ領域であると判断した場合には、LU入力トルクTinluに対して、LUクラッチ40のスリップ量すなわちLUスリップ量Nslpluの目標値である目標LUスリップ量Nslplutを実現させる為のLU油圧PRluを設定してLUクラッチ40を狙いのスリップ状態とする、LUクラッチ40のスリップ制御を実行する。LUスリップ量Nslpluは、トルコン入力回転速度(=MG回転速度Nm)とトルコン出力回転速度(=タービン回転速度Nt)との差(=Nm-Nt)である。HEV走行時には、MG回転速度Nmに替えてエンジン回転速度Neが用いられても良い。前記ロックアップ領域線図において、スリップ領域は、例えばロックアップ領域と比較して低車速領域にて設定されており、ロックアップ制御の実行が難しい領域でスリップ状態としてエネルギー効率向上やドライバビリティ向上を図る為の領域である。又、スリップ領域は、ドライバビリティやこもり音等(例えばNV(騒音・振動)性能)を考慮して設定されている領域でもある。
LUクラッチ制御部98は、LUクラッチ40のスリップ制御の実行中には、LUスリップ量Nslpluの実際値である実LUスリップ量Nslplurが目標LUスリップ量Nslplutとなるようにフィードバック制御によってLU油圧PRluつまりLUトルクTluを補正する。LUクラッチ制御部98は、LU油圧PRluのフィードフォワード量としてのフィードフォワードLU油圧PRluffに、フィードバック量としてのフィードバックLU油圧PRlufbを加えることで、LUトルクTluを補正する。フィードバックLU油圧PRlufbは、フィードフォワードLU油圧PRluffを補正するLU油圧PRluの補正量である。LUクラッチ制御部98は、例えばLU入力トルクTinluや目標LUスリップ量Nslplutに応じた値が予め定められたマップ又は関数を用いてフィードフォワードLU油圧PRluffを算出する。上記マップ又は関数は、例えばLU入力トルクTinluが大きい程、フィードフォワードLU油圧PRluffが大きな値となるように予め定められている。LUクラッチ制御部98は、例えば実LUスリップ量Nslplurと目標LUスリップ量Nslplutとの差としてのスリップ量差(=Nslpr-Nslpt)に基づく、比例項(P成分)、積分項(I成分)、及び微分項(D成分)を有する予め定められたフィードバック制御式を用いてフィードバックLU油圧PRlufbを算出する。LUクラッチ40のスリップ制御としては、発進加速後に制御領域がスリップ領域特には加速時スリップ領域に到達した場合の加速時スリップ制御、アクセルオフの減速走行時に実行される減速時スリップ制御などがある。
図2は、加速時スリップ制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。図2において、t1a時点は、例えばBEV駆動モードにおける発進加速中に、制御領域が加速時スリップ領域に到達したと判定されたことにより、LUクラッチ40のパック詰め制御すなわちLUパック詰め制御が開始された時点を示している。パック詰め制御は、摩擦係合装置を、摩擦係合装置の摩擦プレート等におけるパッククリアランスが詰められた、パック詰めが完了した状態すなわちパック詰め完了状態とする制御である。摩擦係合装置のパック詰め完了状態は、そのパック詰め完了状態から摩擦係合装置へ供給する油圧を増大させれば摩擦係合装置がトルク容量を持ち始める状態である。LUパック詰め制御は、LUクラッチ40を解放状態からスリップ状態又は係合状態へ切り替える過渡中に、LUクラッチ40をパック詰め完了状態とするように制御するパック詰め制御つまり係合準備制御である。LUパック詰め制御では、先ず、LU油圧PRluの初期応答性を向上させる為に、一時的に高い急速充填圧となるLUクラッチ指示圧Spluを出力するクイックアプライ(=QA)が実行され(t1a時点-t2a時点参照)、次いで、LUクラッチ40のパック詰めを完了させる為に、一定圧で待機する、つまり定圧待機圧となるLUクラッチ指示圧Spluを出力するパック詰め用定圧待機が実行される(t2a時点-t3a時点参照)。LUパック詰め制御の開始時点から、LUパック詰め制御に必要な時間である所定のQA時間及び定圧待機時間Aが経過した後、加速時スリップ制御が開始される(t3a時点参照)。加速時スリップ制御では、実LUスリップ量Nslplurを目標LUスリップ量Nslplutに近づけるように、パック詰め用定圧待機時よりも高い定圧待機圧となるLUクラッチ指示圧Spluを出力するスリップ制御用定圧待機が実行され(t3a時点-t4a時点参照)、次いで、LUクラッチ指示圧Spluを漸増するスイープアップが実行される(t4a時点-t5a時点参照)。その後、実LUスリップ量Nslplurが目標LUスリップ量Nslplutとされるようにフィードバック制御によってLUクラッチ指示圧Spluを補正する差回転制御が実行される(t5a時点-t6a時点参照)。制御領域がロックアップ領域に到達したと判定されると、LUクラッチ40を完全係合状態とするようにLUクラッチ指示圧Spluがステップ的に増大させられ(t6a時点参照)、LUクラッチ40をロックアップ状態に維持する為のLUクラッチ40のロックアップ制御が実行される(t6a時点以降参照)。
学習制御部99は、LUクラッチ40の解放状態からスリップ状態又は係合状態への切替えに際して、LUパック詰め制御に用いられるLUクラッチ指示圧SpluすなわちLUパック詰め制御用指示圧Splupkを学習によって補正するパック詰め学習、つまりLUクラッチ40のパック詰め学習を行う。LUクラッチ40をパック詰め完了状態とするLUパック詰め制御用指示圧SplupkはLUクラッチ40のパックエンド圧であり、本実施例では、LUクラッチ40のパック詰め学習をLUクラッチパックエンド圧学習と称する。
具体的には、学習制御部99は、LUパック詰め制御の開始時点からLUクラッチ40がパック詰め完了状態となるまでに要した時間すなわちLUパック詰め完了時間TMlupkに基づいて、LUパック詰め制御用指示圧Splupkを補正する。学習制御部99は、例えば実LUスリップ量Nslplurの変化速度が所定変化速度ΔNslpf以上となったか否かに基づいて、LUクラッチ40がパック詰め完了状態となったか否かを判定する。所定変化速度ΔNslpfは、実LUスリップ量Nslplurの変化量がLUクラッチ40がパック詰め完了状態になったと判断できる為の予め定められた閾値である。学習制御部99は、LUパック詰め制御の開始時点からLUクラッチ40がパック詰め完了状態となったと判定した時点までの期間を、LUパック詰め完了時間TMlupkとして算出する。学習制御部99は、例えばLUパック詰め制御における急速充填圧、QA時間、定圧待機圧、及び定圧待機時間Aのうちの少なくとも1つを補正することによって、LUパック詰め制御用指示圧Splupkを補正する。学習制御部99は、LUパック詰め完了時間TMlupkが予め定められた目標パック詰め時間範囲TMlupkt内である場合には、今回用いたLUパック詰め制御用指示圧Splupkを維持する。学習制御部99は、LUパック詰め完了時間TMlupkが目標パック詰め時間範囲TMlupktよりも長い場合には、今回用いたLUパック詰め制御用指示圧Splupkに対して、急速充填圧を高くすること、QA時間を長くすること、定圧待機圧を高くすること、及び定圧待機時間Aを長くすることのうちの少なくとも1つによって、次回用いるLUパック詰め制御用指示圧Splupkを補正する。学習制御部99は、LUパック詰め完了時間TMlupkが目標パック詰め時間範囲TMlupktよりも短い場合には、今回用いたLUパック詰め制御用指示圧Splupkに対して、急速充填圧を低くすること、QA時間を短くすること、定圧待機圧を低くすること、及び定圧待機時間Aを短くすることのうちの少なくとも1つによって、次回用いるLUパック詰め制御用指示圧Splupkを補正する。
ところで、前述したように、停車中や停車付近以外ではLUクラッチ40が解放状態とされない為、LUパック詰め制御が実行される場面は、例えば発進加速後に制御領域が加速時スリップ領域に到達した場面に限定されてしまうおそれがある。そうすると、LUクラッチパックエンド圧学習を行う機会が少なくされてしまう。一方で、発進加速時には、エンジン12が始動させられる場合がある。エンジン12の始動制御の過渡中は、K0クラッチ20が係合状態へ切り替えられる為、MG回転速度Nmつまりトルコン入力回転速度が変動し、LUスリップ量Nslpluが変動するおそれがある。つまり、LUクラッチ40がパック詰め完了状態となること以外の要因でもLUスリップ量Nslpluの変動が発生し得る状態となる。そうすると、LUパック詰め完了時間TMlupkを安定して算出することが難しくなり、LUパック詰め制御用指示圧Splupkを誤学習してしまうおそれがある。
そこで、学習制御部99は、BEVクリープ走行中に、LUクラッチ40の解放状態からLUパック詰め制御を実行させて、LUクラッチパックエンド圧学習を行う。つまり、学習制御部99は、BEVクリープ走行中に、LUクラッチ40の解放状態からLUパック詰め制御を開始させて、LUパック詰め完了時間TMlupkに基づいて、LUパック詰め制御用指示圧Splupkを学習によって補正する。BEVクリープ走行中は、LUクラッチ40が解放状態とされていると共に、エンジン12の始動が生じ難いと考えられるので、LUクラッチパックエンド圧学習を行う機会が得られ、又、LUクラッチパックエンド圧学習が安定して行われ易くされる。
具体的には、学習制御部99は、BEV走行中であるか否かを判定する。又、学習制御部99は、アクセルオフであるか否かを、例えばアクセル開度θaccがゼロと判定できるか否かに基づいて判定する。学習制御部99は、BEV走行中且つアクセルオフであるか否かを判定することで、BEVクリープ走行中であるか否かを判定する。自動変速機24のPポジションやNポジションでは、自動変速機24がニュートラル状態とされる為、実LUスリップ量Nslplurが生じず、LUクラッチ40のパック詰め完了状態を判定することができない為、LUクラッチパックエンド圧学習を行うことができない。一方で、自動変速機24のRポジションでは、LUクラッチパックエンド圧学習を行うことが可能であるが、LUクラッチ40がパック詰め完了状態とされるまでにシフトレバー64が操作される可能性が高い為、LUクラッチパックエンド圧学習を行うことは実用的でない。その為、本実施例では、自動変速機24のDポジションに限定してLUクラッチパックエンド圧学習を行う。従って、学習制御部99は、BEV走行中且つ自動変速機24のDポジションであるか否かを判定する。
LUクラッチ40が既にパック詰め完了状態であるとLUクラッチパックエンド圧学習を開始できない。学習制御部99は、LUクラッチ40がパック詰め完了状態でないか否か、つまりLUクラッチ40がパック詰め未完了状態であるか否かを判定する。学習制御部99は、自動変速機24のDポジションにおけるBEVクリープ走行中であると判定したときに、LUクラッチ40がパック詰め未完了状態であると判定した場合には、LUクラッチパックエンド圧学習を開始する。学習制御部99は、LUパック詰め制御を開始する指令をLUクラッチ制御部98へ出力し、LUクラッチパックエンド圧学習を開始する。学習制御部99は、LUパック詰め制御の開始後、LUクラッチ40がパック詰め未完了状態でないと判定した場合には、つまりLUクラッチ40がパック詰め完了状態であると判定した場合には、LUクラッチパックエンド圧学習を終了する。
LUクラッチ40がトルク容量を持ち始めると、BEVクリープ走行中の所定クリープトルクTcpfによる駆動トルクTrに変化が生じる可能性がある。その為、学習制御部99は、BEVクリープ走行中の駆動トルクTrに変化が生じないように、LUクラッチ40がパック詰め完了状態となったと判定した場合には、LUパック詰め制御を終了し、LUクラッチ40を解放状態とする指令をLUクラッチ制御部98へ出力する。LUクラッチ制御部98は、LUクラッチ指示圧Spluを、パック詰め用定圧待機時の定圧待機圧からゼロに向けて所定勾配で漸減する。この所定勾配は、例えばLUクラッチ40を解放状態とするときのショックを回避又は抑制する為の予め定められた変化速度である。
BEVクリープ走行中のMGアイドリング制御における目標MG回転速度Nmtgtつまりトルコン入力回転速度(=MG回転速度Nm)の目標値が変化すると、トルコン入力回転速度がばらつき、実LUスリップ量Nslplurも変化する。そうすると、実LUスリップ量Nslplurの変化速度に基づくLUクラッチ40がパック詰め完了状態になったか否かの判定が安定せず、LUパック詰め完了時間TMlupkの算出精度が低下するおそれがある。その為、学習制御部99は、LUパック詰め完了時間TMlupkの算出精度を向上させる為に、目標MG回転速度Nmtgtが所定時間以上変化していない場合に、LUクラッチパックエンド圧学習を継続する。これにより、トルコン入力回転速度のばらつきが低減された状態でLUクラッチパックエンド圧学習が実行され得る。
LUパック詰め制御の開始からのトルコン出力回転速度(=タービン回転速度Nt)の変化量が大きいと、実LUスリップ量Nslplurの変化速度に基づくLUクラッチ40がパック詰め完了状態になったか否かの判定が安定せず、LUパック詰め完了時間TMlupkの算出精度が低下するおそれがある。その為、学習制御部99は、LUパック詰め完了時間TMlupkの算出精度を向上させる為に、LUパック詰め制御の開始からのトルコン出力回転速度の変化量が所定範囲内にある場合に、LUクラッチパックエンド圧学習を継続する。これにより、トルコン出力回転速度のばらつきが低減された状態で、例えばBEVクリープ走行中の車速Vが安定している状態で、LUクラッチパックエンド圧学習が実行され得る。尚、繰り返し実行される制御作動においては、変化量を変化速度と読み替えても良い。
学習制御部99は、自動変速機24のDポジションにおけるBEVクリープ走行中でないと判定した場合には、LUクラッチパックエンド圧学習を実行しないか、又、LUクラッチパックエンド圧学習を終了する。又、学習制御部99は、自動変速機24のDポジションにおけるBEVクリープ走行中であると判定したときに、LUクラッチ40がパック詰め未完了状態でないと判定した場合には、LUクラッチパックエンド圧学習を実行しないか、又、LUクラッチパックエンド圧学習を終了する。
図3は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、LUクラッチパックエンド圧学習を行う機会を確保しつつ安定してLUクラッチパックエンド圧学習を行う為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。図4は、図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図3において、フローチャートの各ステップは学習制御部99の機能に対応している。ステップ(以下、ステップを省略する)S10において、BEV走行中且つ自動変速機24のDポジションであるか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合はS20において、アクセルオフであるか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合はS30において、トルコン入力回転速度の目標値(=目標MG回転速度Nmtgt)が所定時間以上変化していないか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合はS40において、トルコン出力回転速度(=タービン回転速度Nt)の変化量が所定範囲内にあるか否かが判定される。このS40の判断が肯定される場合はS50において、LUクラッチ40がパック詰め未完了状態であるか否かが判定される。このS50の判断が肯定される場合はS60において、LUクラッチパックエンド圧学習が開始又は継続される。上記S10の判断、上記S20の判断、上記S30の判断、上記S40の判断、及び上記S50の判断のうちの何れかの判断が否定される場合はS70において、LUクラッチパックエンド圧学習が終了させられるか又は実行されない。
図4は、BEVクリープ走行中にLUクラッチパックエンド圧学習が行われた場合の一例を示す図である。図4において、t1b時点は、自動変速機24のDポジションにおけるBEVクリープ走行中に、LUクラッチパックエンド圧学習が開始された時点を示している。LUクラッチパックエンド圧学習の開始に伴って、LUクラッチ40の解放状態からLUパック詰め制御が開始される。LUパック詰め制御では、急速充填圧を出力するQAが実行され(t1b時点-t2b時点参照)、次いで、定圧待機圧を出力するパック詰め用定圧待機が実行される(t2b時点-t3b時点参照)。LUパック詰め制御の実行中に、実LUスリップ量Nslplurの変化速度が所定変化速度ΔNslpf以上となると、LUクラッチ40がパック詰め完了状態となったと判定され、LUクラッチパックエンド圧学習が終了させられると共に、LUパック詰め制御が終了させられる(t3b時点参照)。LUパック詰め制御の終了後、LUクラッチ指示圧Spluを定圧待機圧からゼロに向けて所定勾配で漸減するオフ過渡(=OFF過渡)制御が実行される(t3b時点-t4b時点参照)。LUクラッチパックエンド圧学習では、LUパック詰め完了時間TMlupkに応じて、今回のLUパック詰め制御用指示圧Splupkが次回も維持されたり、又は、LUパック詰め制御における急速充填圧、QA時間、定圧待機圧、及び定圧待機時間Aのうちの少なくとも1つが補正されることによって次回のLUパック詰め制御用指示圧Splupkが補正される。
上述のように、本実施例によれば、BEVクリープ走行中に、LUクラッチ40の解放状態からLUパック詰め制御が実行させられて、LUクラッチパックエンド圧学習が行われるので、LUクラッチ40が解放状態からスリップ状態又は係合状態へ切り替えられる走行状況下とは別に、例えば加速時スリップ制御が行われる走行状況下とは別に、運転者が発進加速を意図していると考え難く、エンジン12の始動が行われ難い走行状況下で、LUクラッチパックエンド圧学習を行うことができる。よって、LUクラッチパックエンド圧学習を行う機会を確保しつつ安定してLUクラッチパックエンド圧学習を行うことができる。つまり、LUクラッチ40が解放状態とされる頻度が低い、車両10のようなハイブリッド車両においても、エンジン12の始動制御が実行され難い走行状況下で、LUクラッチパックエンド圧学習を実施でき、LUクラッチパックエンド圧学習における誤学習を回避又は抑制することができる。又、BEVクリープ走行中にLUクラッチパックエンド圧学習を実施することで、LUクラッチ40を係合状態とするときのショック軽減と、レスポンス向上と、を両立することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、HEV走行中でもLUクラッチパックエンド圧学習を行うことは可能である。但し、HEV走行中ではエンジンストールのおそれがある為、トルコン入力回転速度又はトルコン出力回転速度が、エンジンストールが生じる可能性のある予め定められエンスト回転速度以下となった場合には、LUクラッチパックエンド圧学習を終了する必要がある。
また、前述の実施例では、自動変速機24として遊星歯車式の自動変速機を例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機24は、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)を含む同期噛合型平行2軸式自動変速機、公知のベルト式無段変速機などであっても良い。
また、前述の実施例では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ22が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ22に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。要は、エンジンと電動機とを含む動力源と、エンジンと電動機との間に設けられた断接クラッチと、電動機と駆動輪との間に設けられた、ロックアップクラッチを有する流体式伝動装置と、を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
20:K0クラッチ(断接クラッチ)
22:トルクコンバータ(流体式伝動装置)
40:LUクラッチ(ロックアップクラッチ)
90:電子制御装置(制御装置)
92b:電動機制御部
98:LUクラッチ制御部(ロックアップクラッチ制御部)
99:学習制御部
MG:電動機

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた、前記エンジンを前記電動機と断接する断接クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた、ロックアップクラッチを有する流体式伝動装置と、を備えた車両の、制御装置であって、
    解放状態、スリップ状態、及び係合状態のうちの何れかの制御状態となるように前記ロックアップクラッチを制御するロックアップクラッチ制御部と、
    前記断接クラッチの解放状態且つ前記エンジンの停止状態でアクセルオフとされた状況下のときに、前記ロックアップクラッチの解放状態において、クリープ現象を生じさせる所定トルクを前記電動機から出力させる電動機制御部と、
    前記ロックアップクラッチの解放状態からスリップ状態又は係合状態への切替えに際して、前記ロックアップクラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするように制御するパック詰め制御に用いられる前記ロックアップクラッチの指示圧を学習によって補正するパック詰め学習を行う学習制御部と、
    を含んでおり、
    前記学習制御部は、前記電動機から出力された前記所定トルクによって走行する電動機クリープ走行中に、前記ロックアップクラッチの解放状態から前記パック詰め制御を実行させて、前記パック詰め学習を行うことを特徴とする車両の制御装置。
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