JP2023083122A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Shingo Akita
真吾 江藤
Shingo Eto
友宏 珍部
Tomohiro Chinbe
拓眞 杉野
Takuma Sugino
雄二 今永
Yuji Imanaga
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Abstract

【課題】摩擦係合装置の係合状態への切替えに際して、摩擦係合装置の耐久性の低下を抑制する。【解決手段】電動駆動モードで走行しているときには、変速機の入力回転部材の回転速度が所定回転速度以下となるように、変速機の使用可能な変速比を制限する低車速側の限界の変速比が設定されるので、摩擦係合装置の差回転速度が大きくなることが抑制され、摩擦係合装置が係合状態へ切り替えられる際の摩擦材の発熱が抑制される。よって、摩擦係合装置の係合状態への切替えに際して、摩擦係合装置の耐久性の低下を抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと電動機との間に設けられた摩擦係合装置と、エンジン及び電動機を含む動力源からの動力を伝達する変速機と、を備えた車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた摩擦係合装置と、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の制御装置がそれである。この特許文献1には、車両を駆動する駆動モードとして、摩擦係合装置の解放状態において、エンジンの運転が停止させられた状態で電動機のみを動力源に用いて走行することが可能な電動駆動モードを成立させること、又、変速機の変速比を制御することが開示されている。
特開2014-151909号公報
ところで、電動駆動モードで走行しているときに、変速機の入力回転部材の回転速度が高くされると、摩擦係合装置の差回転速度が大きくされる。電動駆動モードで走行しているときに、例えばエンジン始動の為に摩擦係合装置を係合状態へ切り替える際、摩擦係合装置の差回転速度の大きさによっては、摩擦係合装置の摩擦材の発熱による摩擦係合装置の耐久性の低下が懸念される。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、摩擦係合装置の係合状態への切替えに際して、摩擦係合装置の耐久性の低下を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた摩擦係合装置と、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記車両を駆動する駆動モードとして、前記摩擦係合装置の解放状態において、前記エンジンの運転が停止させられた状態で前記電動機のみを動力源に用いて走行することが可能な電動駆動モードを成立させる動力源制御部と、(c)要求された変速比を成立させるように、前記変速機の変速比を制御する変速機制御部と、を含んでおり、(d)前記変速機制御部は、前記電動駆動モードで走行しているときには、前記変速機の入力回転部材の回転速度が所定回転速度以下となるように、前記変速機の使用可能な変速比を制限する低車速側の限界の変速比を設定することにある。
前記第1の発明によれば、電動駆動モードで走行しているときには、変速機の入力回転部材の回転速度が所定回転速度以下となるように、変速機の使用可能な変速比を制限する低車速側の限界の変速比が設定されるので、摩擦係合装置の差回転速度が大きくなることが抑制され、摩擦係合装置が係合状態へ切り替えられる際の摩擦材の発熱が抑制される。よって、摩擦係合装置の係合状態への切替えに際して、摩擦係合装置の耐久性の低下を抑制することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 エンジン始動制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、K0クラッチの係合状態への切替えに際してK0クラッチの耐久性の低下を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図であって、イナーシャ相の開始前にBEVギヤ段制限が解除される場合である。 図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図であって、イナーシャ相の実施中にBEVギヤ段制限が解除される場合である。
本発明の実施形態において、前記変速機における変速比は、「入力回転部材の回転速度/出力回転部材の回転速度」である。前記変速機のハイ側の変速比は、変速比が小さくなる側である高車速側の変速比である。前記変速機のロー側の変速比は、変速比が大きくなる側である低車速側の変速比である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力源SPとして機能する、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。バッテリ54は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギーも同意である。前記動力は、特に区別しない場合には駆動力、トルク、及び力も同意である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、K0クラッチ20、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備えている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ22は、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。自動変速機24は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた変速機である。又、動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された1対のドライブシャフト32等を備えている。又、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結する電動機連結軸36等を備えている。
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸36に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路、特にはK0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。見方を換えれば、電動機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。
トルクコンバータ22は、電動機連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、及び自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。トルクコンバータ22は、動力源SPからの動力を流体を介して電動機連結軸36から変速機入力軸38へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結する、つまり電動機連結軸36と変速機入力軸38とを連結する直結クラッチとしてのLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、公知のロックアップクラッチである。
自動変速機24は、例えば不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば複数の油圧式の係合装置例えば公知の摩擦係合装置を含んでいる。係合装置CBは、各々、車両10に備えられた油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの作動状態つまり制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて、係合装置CBのうちの自動変速機24の変速に関与する係合装置の制御状態が切り替えられることで、形成されるギヤ段が切り替えられる。つまり、自動変速機24の変速制御においては、例えば変速に関与する係合装置の掴み替えにより変速が実行される、すなわち解放側係合装置の解放と係合側係合装置の係合とにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。解放側係合装置は、変速に関与する係合装置のうちの自動変速機24の変速前には係合状態とされていた係合装置であって、自動変速機24の変速過渡において係合状態から解放状態に向けて制御される係合装置である。係合側係合装置は、変速に関与する係合装置のうちの自動変速機24の変速前には解放状態とされていた係合装置であって、自動変速機24の変速過渡において解放状態から係合状態に向けて制御される係合装置である。AT入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Niは、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Ntと同値である。AT入力回転速度Niは、タービン回転速度Ntで表すことができる。AT出力回転速度Noは、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
K0クラッチ20は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両10において、K0クラッチ20の係合状態では、エンジン12とトルクコンバータ22とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ20の解放状態では、エンジン12とトルクコンバータ22との間の動力伝達が遮断される。電動機MGはトルクコンバータ22に連結されているので、K0クラッチ20は、エンジン12を電動機MGと断接するクラッチとして機能する。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合された場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、電動機連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。又、電動機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、電動機連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、動力源SPにより回転駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動する為のEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0などを供給する。
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、クラッチ制御用、変速機制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、バッテリセンサ84、油温センサ86など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、AT入力回転速度Niと同値であるタービン回転速度Nt、車速Vに対応するAT出力回転速度No、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧制御回路56内の作動油OILの温度である作動油温THoilなど)が、それぞれ供給される。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、係合装置CBを制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御する為のLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御する為のEOP制御指令信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
各油圧制御指令信号Sについて、K0油圧制御指令信号Sk0を例示して説明する。電子制御装置90は、K0油圧PRk0の指令値として、油圧制御回路56から調圧されたK0油圧PRk0を供給させる為のK0クラッチ20の指示圧であるK0クラッチ指示圧Spk0を算出する。指示圧とは、係合装置に供給される作動油OILに対して電子制御装置90から指示される目標油圧であって、この指示圧に応じて係合装置に供給される実際の油圧である実油圧が変化する。電子制御装置90は、K0クラッチ指示圧Spk0を、油圧制御回路56に備えられたK0ソレノイドSLk0を駆動する為のK0指示電流値Sik0に変換する。K0ソレノイドSLk0は、K0油圧PRk0を出力するK0クラッチ20用のソレノイドバルブである。K0指示電流値Sik0は、電子制御装置90に備えられた、K0ソレノイドSLk0を駆動する駆動回路であるソレノイド用ドライバに対する指示電流である。K0油圧制御指令信号Sk0は、K0指示電流値Sik0に基づいて、ソレノイド用ドライバがK0ソレノイドSLk0を駆動する為の駆動電流又は駆動電圧である。つまり、K0クラッチ指示圧Spk0は、K0油圧制御指令信号Sk0に変換されて油圧制御回路56へ出力される。本実施例では、便宜上、K0クラッチ指示圧Spk0とK0油圧制御指令信号Sk0とを同意に取り扱う。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、クラッチ制御手段すなわちクラッチ制御部94、及び変速機制御手段すなわち変速機制御部96を備えている。
動力源制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部92aとしての機能と、インバータ52を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御手段すなわち電動機制御部92bとしての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行するハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部である。
動力源制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdem[Nm]は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、変速機出力軸26における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良い。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。
動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、車両10を駆動する駆動モードとしてモータ駆動モードつまりBEV駆動モードを成立させる。BEV駆動モードは、K0クラッチ20の解放状態において、エンジン12の運転が停止させられた状態で電動機MGのみを動力源SPに用いて走行するモータ走行つまり電動走行(=BEV走行)が可能な電動駆動モードである。一方で、動力源制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、駆動モードとしてエンジン駆動モードつまりHEV駆動モードを成立させる。HEV駆動モードは、K0クラッチ20の係合状態において、少なくともエンジン12を動力源SPに用いて走行するエンジン走行つまりハイブリッド走行(=HEV走行)が可能なハイブリッド駆動モードである。他方で、動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、バッテリ54の充電が必要な場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、駆動モードとしてHEV駆動モードを成立させる。
動力源制御部92は、エンジン12の制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン12の始動要求であるエンジン始動要求の有無を判定する。例えば、動力源制御部92は、BEV駆動モード時に、要求駆動トルクTrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲よりも増大したか否か、又は、エンジン12等の暖機が必要であるか否か、又は、バッテリ54の充電が必要であるか否かなどに基づいて、エンジン始動要求が有るか否かを判定する。
クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにK0クラッチ20を制御する。例えば、クラッチ制御部94は、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達する為のK0トルクTk0が得られるように、解放状態のK0クラッチ20を係合状態に向けて制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0を油圧制御回路56へ出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。
動力源制御部92は、エンジン始動要求が有ると判定した場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにエンジン12及び電動機MGを制御する。例えば、動力源制御部92は、K0クラッチ20の係合状態への切替えに合わせて、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smをインバータ52へ出力する。又、動力源制御部92は、エンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。
図2は、エンジン12の始動制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。図2において、t1a時点は、例えばBEV走行中に、運転者によるアクセルペダルの踏み増し操作に伴ってエンジン始動要求が有ると判定されたことにより、エンジン始動制御が開始された時点を示している。エンジン始動制御の開始後、K0クラッチ20のパック詰め制御すなわちK0パック詰め制御が実行される(t1a時点-t2a時点参照)。パック詰め制御は、摩擦係合装置を、摩擦係合装置の摩擦プレート等におけるパッククリアランスが詰められた、パック詰めが完了した状態すなわちパック詰め完了状態とする制御である。摩擦係合装置のパック詰め完了状態は、そのパック詰め完了状態から摩擦係合装置へ供給する油圧を増大させれば摩擦係合装置がトルク容量を持ち始める状態である。K0パック詰め制御では、先ず、K0油圧PRk0の初期応答性を向上させる為に、一時的に高いK0クラッチ指示圧Spk0を出力するクイックアプライが実行され(a部参照)、次いで、K0クラッチ20のパック詰めを完了させる為に、一定圧で待機するパック詰め用定圧待機が実行される(b部参照)。破線に示すK0クラッチ指示圧Spk0では、K0クラッチ20をパック詰め完了状態に維持する為のK0油圧PRk0が出力されている。実線に示すK0クラッチ指示圧Spk0では、パック詰め完了状態に維持する為のK0油圧PRk0に、クランキングトルクTcrに相当するK0油圧PRk0分を加えた合計のK0油圧PRk0が出力されている。破線に示すK0クラッチ指示圧Spk0と実線に示すK0クラッチ指示圧Spk0とでは、K0パック詰め制御の期間は本来は異なるが、図2では便宜上同じ長さとしている。K0パック詰め制御の終了後、エンジン12をクランキングする為に、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達するK0クラッチ20によるクランキングすなわちK0クランキングが実行される(t2a時点-t3a時点参照)。K0クランキング時において、エンジン回転速度Neが引き上げられると、エンジン点火などが開始されてエンジン12が初爆させられる。
K0クランキングの終了後、K0クラッチ20の係合状態への切替えを待機する為に、K0トルクTk0をクランキングトルクTcrよりも低下させて所定トルクTk0fに維持するクランキング後定圧待機が実行される(t3a時点-t4a時点参照)。クランキング後定圧待機時のK0クラッチ指示圧Spk0は、例えばK0クラッチ20をパック詰め完了状態に維持するK0油圧PRk0と同程度又はそれよりも大きく、エンジン12の完爆の外乱とならないK0トルクTk0を実現する為のK0クラッチ指示圧Spk0である。クランキング後定圧待機の実行中、エンジン回転速度Neは、K0トルクTk0によってではなく、専らエンジン12の燃焼トルクによって上昇させられる。本実施例では、クランキング後定圧待機の実行に先立って、K0油圧PRk0の初期応答性を向上させる為に、一時的に低いK0クラッチ指示圧Spk0を出力するクイックドレンが実行されている(c部参照)。クランキング後定圧待機の実行中に、エンジン12の爆発による自立回転が安定した状態となると、すなわちエンジン12が完爆した状態となると、エンジン12と電動機MGとの回転同期制御、つまりエンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとを同期させるK0クラッチ20による同期制御すなわちK0同期制御が実行される(t4a時点以降参照)。エンジン回転速度Neは、エンジン連結軸34の回転速度であって、K0クラッチ20の入力回転速度と同値である。MG回転速度Nmは、電動機連結軸36の回転速度であって、K0クラッチ20の出力回転速度と同値である。つまり、エンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとを同期させることとは、K0クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度とを同期させることと同意である。K0クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度との同期すなわちK0同期が完了した後、つまりK0クラッチ20の係合状態への切替えすなわちK0係合が完了した後、K0クラッチ20を完全係合状態へ移行するK0係合スイープ制御(=K0係合SW制御)が実行される(t4a時点-t5a時点参照)。K0係合SW制御によってK0クラッチ20が完全係合状態とされた後、エンジン12の始動制御が完了させられ(t5a時点参照)、K0クラッチ20の完全係合状態を維持するK0完全係合制御が実行される(t5a時点以降参照)。尚、本実施例では、エンジン12の始動タイプとして、クランキング後定圧待機を実行してエンジン12の自立回転でエンジン回転速度Neを上昇させる始動タイプが採用されているが、クランキング後定圧待機を実行せず、K0クランキングやK0同期制御の実行によってエンジン回転速度NeをMG回転速度Nmと同期させるまで引き上げるようにK0クラッチ指示圧Spk0を出力し、K0同期近傍まで又はK0同期までエンジン回転速度Neを引き上げた後にエンジン12の点火を開始する始動タイプが採用されても良い。
変速機制御部96は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じてつまりその変速判断の結果に応じて自動変速機24の変速制御を実行する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。すなわち、変速機制御部96は、例えば変速マップを用いて成立させるべき自動変速機24のギヤ段を判断し、その判断したギヤ段が成立させられるように係合装置CBの制御状態を制御する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速機制御部96は、自動変速機24の変速制御では、例えば係合装置CBのうちの解放側係合装置の解放状態への切替えと、係合装置CBのうちの係合側係合装置の係合状態への切替えと、によって自動変速機24の変速を行う。このように、変速機制御部96は、要求された変速比を成立させるように、自動変速機24の変速比を制御する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
自動変速機24の変速の進行段階すなわちフェーズについて、ダウンシフトを例示して説明する。変速機制御部96は、自動変速機24のダウンシフトを判断した場合には、ダウンシフトのフェーズを、解放側係合装置を自動変速機24への入力トルクTinを受け持つことができるトルク容量で待機させると共に係合側係合装置をパック詰め完了状態とする準備段階すなわち準備フェーズとする為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力してダウンシフトを開始する。準備フェーズは、解放側係合装置が解放状態へ切り替えられる為の準備と、係合側係合装置がトルク容量を持つ為の準備と、を行うクラッチ準備制御である。変速機制御部96は、準備フェーズの開始時点から所定準備時間が経過したか否かに基づいて、準備フェーズが完了したか否かを判定する。この所定準備時間は、例えば係合側係合装置がパック詰め完了状態となる為の予め定められた時間である。変速機制御部96は、準備フェーズが完了したと判定した場合には、解放側係合装置のトルク容量を漸減させると共に係合側係合装置のトルク容量を漸増させる為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力してトルク相を開始する。このトルク相は、ダウンシフトの場合、係合側係合装置がトルク容量を持ち出して、自動変速機24の出力トルクに変化が生じるフェーズである。ダウンシフトの過渡中にタービン回転速度Nt(=AT入力回転速度Ni)がダウンシフト後同期回転速度(=No×ダウンシフト後のγat)に向けて上昇させられると、ダウンシフトのフェーズはトルク相からイナーシャ相に遷移させられる。変速機制御部96は、イナーシャ相では、例えば変速時間と変速ショックとを考慮して予め定められた上昇勾配でタービン回転速度Ntを変化させる為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速機制御部96は、タービン回転速度Ntがダウンシフト後同期回転速度に一致したか否かに基づいて、ダウンシフトが終了したか否かを判定する。変速機制御部96は、ダウンシフトが終了したと判定した場合には、解放側係合装置のCB油圧PRcbをゼロとすると共に係合側係合装置のCB油圧PRcbを係合側係合装置を完全係合状態に維持するCB油圧PRcbとする為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力して、ダウンシフトに関わる一連の変速制御を完了する。
ところで、例えばBEV走行中又はエンジン始動制御中に、タービン回転速度Ntの同期回転速度(=No×γat)が高くされることにより、K0クラッチ20の差回転速度であるK0差回転速度ΔNk0(=Nm-Ne)が拡大していると、K0クラッチ20によるエンジン12のクランキングに際して、K0クラッチ20の摩擦材の発熱によるK0クラッチ20の耐久性の低下が懸念される。タービン回転速度Ntの同期回転速度は、例えば自動変速機24のダウンシフトによって高くされたり、AT出力回転速度Noが高くされることによって高くされる。この際、K0クラッチ20が解放状態であると、例えばBEV走行中であると、K0差回転速度ΔNk0が大きくされる。
そこで、電子制御装置90は、BEV走行中には、K0クラッチ20の耐久性の低下が懸念される程にK0差回転速度ΔNk0が大きくされないように、タービン回転速度Ntの同期回転速度が比較的高くされる自動変速機24のギヤ段の使用を禁止する、つまり自動変速機24の使用可能なギヤ段を制限する。タービン回転速度Ntの同期回転速度が比較的高くされる自動変速機24のギヤ段の使用を禁止することは、例えばタービン回転速度Ntの同期回転速度が比較的高くされる自動変速機24のギヤ段へのダウンシフトを禁止することである。自動変速機24の使用可能なギヤ段を制限することは、自動変速機24のダウンシフト先のギヤ段を制限することである。すなわち、変速機制御部96は、BEV駆動モードで走行しているときには、タービン回転速度Ntが所定回転速度Ntf以下となるように、自動変速機24の使用可能な変速比例えばギヤ段を制限する低車速側の限界の変速比例えばギヤ段を設定する、BEVギヤ段制限を実施する。自動変速機24の使用可能な変速比は、例えば自動変速機24のダウンシフト可能な変速比である。所定回転速度Ntfは、例えばK0差回転速度ΔNk0がK0許容差回転速度ΔNk0pとなる予め定められた閾値である。K0許容差回転速度ΔNk0pは、例えばK0クラッチ20の耐久性の低下に対して許容される予め定められたK0差回転速度ΔNk0の上限値である。BEVギヤ段制限における低車速側の限界のギヤ段は、BEV走行中に使用可能なギヤ段の下限のギヤ段であって、AT出力回転速度Noに応じて、タービン回転速度Ntが所定回転速度Ntf以下となるロー側ギヤ段の限界すなわち下限ギヤ段である。BEV走行中に使用可能なギヤ段の下限のギヤ段は、例えばBEV走行中のダウンシフト先ギヤ段の下限のギヤ段である。
変速機制御部96は、K0クラッチ20の制御状態、及び/又は、自動変速機24の変速状態例えば変速のフェーズの状態、に基づいて、BEVギヤ段制限を解除する。適切なタイミングでBEVギヤ段制限が解除されることによって、例えばパワーオンダウンシフトの開始時点でギヤ段制限が継続されている為に狙いのギヤ段へダウンシフトできないことによる加速応答遅れの発生が抑制される。通常のパワーオンダウンシフトにおいては、変速過渡の加速度の状況や応答性を考慮して最適となるように、ダウンシフト先のギヤ段や飛び変速時の経由ギヤ段が選定されている。適切なタイミングでBEVギヤ段制限が解除されることによって、パワーオンダウンシフト時にBEVギヤ段制限が外乱となって狙いでないギヤ段が選定されてしまうことが適切に解消される。これにより、ハード保護性能と、レスポンス例えば加速応答性等のドライバビリティーと、を両立することができる。
具体的には、動力源制御部92は、駆動モードがHEV駆動モードであるか否かを判定する。又、動力源制御部92は、エンジン始動制御の過渡中であるか否かを判定する。
変速機制御部96は、動力源制御部92により駆動モードがHEV駆動モードではないと判定された場合には例えばBEV駆動モードであると判定された場合には、BEVギヤ段制限を実施する。
クラッチ制御部94は、BEVギヤ段制限の実施中に、動力源制御部92によりエンジン始動制御の過渡中であると判定された場合には、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているか否かを判定する。
変速機制御部96は、BEVギヤ段制限の実施中に、動力源制御部92によりエンジン始動制御の過渡中であると判定されたときに、クラッチ制御部94によりK0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達していると判定された場合には、BEVギヤ段制限を解除する。これにより、K0クラッチ20が係合状態とされるまでBEVギヤ段制限が継続される。特に、自動変速機24の変速状態がイナーシャ相の実施中である場合、タービン回転速度Ntが変化し易い状況にある為、変速機制御部96は、K0クラッチ20が係合状態とされるまでBEVギヤ段制限を継続し、加速応答性よりもハード保護を優先する。
但し、変速機制御部96は、K0クラッチ20が係合状態とされる前であっても、自動変速機24の変速状態が定常状態つまりイナーシャ相の開始前であり例えば準備フェーズであり、且つ、K0クラッチ20の係合状態への切替え完了が予測される場合には、BEVギヤ段制限を解除する。これにより、自動変速機24のパワーオンダウンシフトにおいて、イナーシャ相の開始前にBEVギヤ段制限が解除されるので、下限ギヤ段が設定されていない状況下でイナーシャ相が開始され、加速応答性が優先され得る。
クラッチ制御部94は、BEVギヤ段制限の実施中に、動力源制御部92によりエンジン始動制御の過渡中であると判定されたときに、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達していないと判定した場合には、自動変速機24のパワーオンダウンシフトの状態が準備フェーズの実施中であり、且つ、K0クラッチ係合予測判定が成立しているか否かを判定する。K0クラッチ係合予測判定は、K0クラッチ20の係合状態への切替え完了が予測されるという判定である。クラッチ制御部94は、K0差回転速度ΔNk0が所定差回転速度ΔNk0f未満であり、且つ、エンジン回転速度Neが所定エンジン回転速度Nefであるか否かに基づいて、K0クラッチ係合予測判定が成立しているか否かを判定する。所定差回転速度ΔNk0fは、例えばK0差回転速度ΔNk0がK0クラッチ20の耐久性が低下し難い程に小さな値となったことを判断する為の予め定められた閾値である。所定エンジン回転速度Nefは、例えばクランキング用のK0トルクTk0がK0クラッチ20の耐久性が低下し難い程に小さくされるエンジン回転速度Neであることを判断する為の予め定められた閾値である。自動変速機24のパワーオンダウンシフトの状態が準備フェーズの実施中であるかの判定における準備フェーズは、イナーシャ相の開始前であれば良く、トルク相が含まれても良い。
変速機制御部96は、BEVギヤ段制限の実施中に、動力源制御部92によりエンジン始動制御の過渡中であると判定され、且つ、クラッチ制御部94によりK0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達していないと判定されたときに、クラッチ制御部94により、自動変速機24のパワーオンダウンシフトの状態が準備フェーズの実施中であり、且つ、K0クラッチ係合予測判定が成立していると判定された場合には、BEVギヤ段制限を解除する。これにより、パワーオンダウンシフト時は、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているという通常の係合判定とは別の係合判定つまりK0クラッチ係合予測判定により、BEVギヤ段制限解除の早期化を図ることができる。
図3は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、K0クラッチ20の係合状態への切替えに際してK0クラッチ20の耐久性の低下を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。図4及び図5は、各々、図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図3において、先ず、動力源制御部92の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、駆動モードがHEV駆動モードであるか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が否定される場合は変速機制御部96の機能に対応するS20において、BEVギヤ段制限が実施される。次いで、動力源制御部92の機能に対応するS30において、エンジン始動制御の過渡中であるか否かが判定される。このS30の判断が否定される場合はこのS30が繰り返し実行される。このS30の判断が肯定される場合はクラッチ制御部94の機能に対応するS40において、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているか否かが判定される。このS40の判断が否定される場合はクラッチ制御部94の機能に対応するS50において、自動変速機24のパワーオンダウンシフトの状態がクラッチ準備制御つまり準備フェーズの実施中であり、且つ、K0クラッチ係合予測判定が成立しているか否かが判定される。このS50の判断が否定される場合は上記S40に戻される。上記S40の判断が肯定される場合は、又は、上記S50の判断が肯定される場合は、変速機制御部96の機能に対応するS60において、BEVギヤ段制限が解除される。
図4は、イナーシャ相の開始前にBEVギヤ段制限が解除される場合の一例を示す図である。図4において、t1b時点は、BEV走行中に、例えば運転者によるアクセルペダルの踏み増し操作に伴うパワーオンダウンシフトが開始された時点を示している。t1b時点では、例えばアクセルペダルの踏み増し操作に伴うエンジン始動要求が為されている状態であり、又、BEVギヤ段制限が実施中の状態とされている。エンジン始動要求に伴ってエンジン始動制御が開始されると、エンジン回転速度Neが上昇させられ、自動変速機24のパワーオンダウンシフトの状態がクラッチ準備制御つまり準備フェーズの実施中であるときにK0クラッチ係合予測判定が成立させられてBEVギヤ段制限が解除される(t2b時点参照)。その後、K0クラッチ20が係合状態とされ、自動変速機24のパワーオンダウンシフトにおいてイナーシャ相が開始される(t3b時点参照)。自動変速機24のパワーオンダウンシフトにおいてイナーシャ相が終了させられると、変速が終了させられる(t4b時点参照)。このように、イナーシャ相の開始前であり、又、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているという通常の係合判定の前に、K0クラッチ係合予測判定が成立させられることによりBEVギヤ段制限が解除される。これにより、加速応答性つまりレスポンスが向上させられる。
図5は、イナーシャ相の実施中にBEVギヤ段制限が解除される場合の一例を示す図である。図5において、t1c時点は、BEV駆動モードでの減速走行中に、例えば運転者によるアクセルペダルの踏み増し操作に伴うパワーオンダウンシフトが開始された時点を示している。このパワーオンダウンシフトでは、例えば現在のギヤ段である第n速ギヤ段から3段ロー側の第n-3速ギヤ段への飛び変速が要求されている。t1c時点では、例えばアクセルペダルの踏み増し操作に伴うエンジン始動要求が為されている状態であり、又、BEVギヤ段制限が実施中の状態とされている。このBEVギヤ段制限では、第n速ギヤ段から2段ロー側の第n-2速ギヤ段が下限ギヤ段として設定されている。t2c時点は、自動変速機24のパワーオンダウンシフトにおいてイナーシャ相が開始された時点を示している。この際のパワーオンダウンシフトでは、下限ギヤ段である第n-2速ギヤ段への飛び変速が実行される。このイナーシャ相の実施中に、エンジン始動要求に伴うエンジン始動制御が開始され、エンジン回転速度Neが上昇させられて、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているという通常の係合判定が成立させられると、BEVギヤ段制限が解除される(t3c時点参照)。その為、第n-2速ギヤ段が一旦成立させられた後、本来の狙いのギヤ段である第n-3速ギヤ段へのダウンシフトが実行される(t3c時点以降)。第n-3速ギヤ段へのダウンシフトにおいてイナーシャ相が終了させられると、変速が終了させられる(t4c時点参照)。このように、K0クラッチ20の制御がK0係合SW制御まで到達しているという係合判定が成立させられることによりBEVギヤ段制限が解除される。これにより、BEVギヤ段制限が早期に解除されることでタービン回転速度Ntが所定回転速度Ntfを超えて上昇してしまうこと、つまりMG回転速度Nmが閾値より大きくされてK0差回転速度ΔNk0がK0許容差回転速度ΔNk0pを超えてしまうことが、回避又は抑制される。
上述のように、本実施例によれば、BEV駆動モードで走行しているときには、タービン回転速度Ntが所定回転速度Ntf以下となるように、自動変速機24の使用可能なギヤ段を制限する下限ギヤ段が設定されるので、K0差回転速度ΔNk0が大きくなることが抑制され、K0クラッチ20が係合状態へ切り替えられる際の摩擦材の発熱が抑制される。よって、K0クラッチ20の係合状態への切替えに際して、K0クラッチ20の耐久性の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、要求された変速比として、運転者のアクセル操作や車速Vに基づいて要求された変速比を例示したが、この態様に限らない。例えば、要求された変速比は、公知のクルーズコントロールを含む自動運転制御によって要求された変速比などであっても良い。
また、前述の実施例では、自動変速機24として遊星歯車式の自動変速機を例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機24は、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)を含む同期噛合型平行2軸式自動変速機、公知のベルト式無段変速機などであっても良い。要は、エンジンと電動機とを含む動力源と、エンジンと電動機との間に設けられた摩擦係合装置と、動力源の動力を駆動輪へ伝達する変速機と、を備え、電動機のみを動力源に用いて走行することが可能な車両であれば、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ22が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ22に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又は、流体式伝動装置は、必ずしも備えられている必要はなく、例えば発進用のクラッチに置き換えられても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
20:K0クラッチ(摩擦係合装置)
24:自動変速機(変速機)
38:変速機入力軸(入力回転部材)
90:電子制御装置(制御装置)
92:動力源制御部
96:変速機制御部
MG:電動機

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた摩擦係合装置と、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の、制御装置であって、
    前記車両を駆動する駆動モードとして、前記摩擦係合装置の解放状態において、前記エンジンの運転が停止させられた状態で前記電動機のみを動力源に用いて走行することが可能な電動駆動モードを成立させる動力源制御部と、
    要求された変速比を成立させるように、前記変速機の変速比を制御する変速機制御部と、
    を含んでおり、
    前記変速機制御部は、前記電動駆動モードで走行しているときには、前記変速機の入力回転部材の回転速度が所定回転速度以下となるように、前記変速機の使用可能な変速比を制限する低車速側の限界の変速比を設定することを特徴とする車両の制御装置。
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