JP2023056428A - 車両の制御装置 - Google Patents

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智也 稲吉
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Abstract

【課題】急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避する。【解決手段】急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる場合には、急速ガレージ制御の過渡中にパック詰め完了状態とするようにクラッチが制御されると共に、電動機の回転速度がエンジン始動制御の際にエンジンストールの発生を回避する予め定められた第2所定回転速度以上に上昇させられた後にクランキングトルクをクラッチが伝達するようにクラッチが制御されるので、電動機の回転速度が第2所定回転速度以上に上昇させられるまでは、クラッチがトルク容量を持たない範囲でクラッチによるクランキングの直前までクラッチの係合作動が進行させられる。【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンと電動機との間に設けられたクラッチと、エンジン及び電動機を含む動力源からの動力を伝達する変速機と、を備えた車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備え、前記変速機は、所定係合装置を有し、前記所定係合装置が係合状態とされることで前記電動機からの動力を伝達可能とする走行位置がシフト位置として形成される車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の駆動装置がそれである。この特許文献1には、変速機のシフト位置の選択を切り替える操作時に、所定係合装置を係合した後に、クラッチを係合することによって、両者の係合作動を並行して行う場合よりも必要な作動油の流量を低下させることが開示されている。
特開2015-217914号公報
ところで、変速機の入力回転部材が回転している状態でシフト位置の切替えに伴う所定係合装置の係合作動を実行すると、係合ショックが生じる可能性がある。一方で、係合ショックを緩和する為に所定係合装置の係合作動を徐々に進行させると、シフト位置の切替えの応答性が低下してしまう可能性がある。これに対して、変速機の入力回転部材の回転速度と連動する電動機の回転速度を所定係合装置の係合ショックが抑制される為の所定回転速度以下とした状態で、所定係合装置を速やかに係合するように所定係合装置の指示圧をステップ的に増加する、急速ガレージ制御を実行することで、シフト位置の切替えの応答性を確保しつつ係合ショックを抑制することが考えられる。この急速ガレージ制御の実行と、クラッチの係合作動を伴うエンジン始動制御の実行と、が重なる場合がある。この場合、急速ガレージ制御の実行中は電動機の回転速度を下げている為、エンジンストールの回避等を考慮すれば、特許文献1の技術を参照して、例えば急速ガレージ制御の終了後にクラッチの係合作動を開始し、エンジン始動を遅延することが考えられる。しかしながら、エンジンの始動要求がアクセルオン等の緊急度の高い始動要求であったときには、エンジン始動の遅延はもたつき感に繋がるおそれがあり、エンジン始動の応答性の観点において改善の余地がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備え、前記変速機は、所定係合装置を有し、前記所定係合装置が係合状態とされることで前記電動機からの動力を伝達可能とする走行位置がシフト位置として形成される車両の、制御装置であって、(b)前記クラッチの制御状態を解放状態から係合状態へ切り替える過渡中に、前記クラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするように前記クラッチを制御した後、前記エンジンの回転速度を引き上げるクランキングに必要なクランキングトルクを前記クラッチが伝達するように前記クラッチを制御すると共に、前記クランキングトルクを前記電動機が出力するように前記電動機を制御し、前記クランキングに連動して前記エンジンが運転を開始するように前記エンジンを制御する、エンジン始動制御を実行する始動制御部と、(c)前記変速機の前記走行位置とは異なる別シフト位置を選択する状態から前記走行位置を選択する状態への所定切替操作が運転者により為された場合には、前記電動機の回転速度を前記所定係合装置の係合ショックが抑制される予め定められた第1所定回転速度以下とした状態で、前記所定係合装置を速やかに係合するように前記所定係合装置の指示圧をステップ的に増加する、急速ガレージ制御を実行するガレージ制御部と、を含んでおり、(d)前記始動制御部は、前記急速ガレージ制御の実行と前記エンジン始動制御の実行とが重なる場合には、前記急速ガレージ制御の過渡中に前記パック詰め完了状態とするように前記クラッチを制御すると共に、前記電動機の回転速度が前記エンジン始動制御の際にエンジンストールの発生を回避する、前記第1所定回転速度よりも高い予め定められた第2所定回転速度以上に上昇させられた後に前記クランキングトルクを前記クラッチが伝達するように前記クラッチを制御することにある。
前記第1の発明によれば、急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる場合には、急速ガレージ制御の過渡中にパック詰め完了状態とするようにクラッチが制御されると共に、電動機の回転速度がエンジン始動制御の際にエンジンストールの発生を回避する予め定められた第2所定回転速度以上に上昇させられた後にクランキングトルクをクラッチが伝達するようにクラッチが制御されるので、電動機の回転速度が第2所定回転速度以上に上昇させられるまでは、クラッチがトルク容量を持たない範囲でクラッチによるクランキングの直前までクラッチの係合作動が進行させられる。これにより、仮にエンジンの始動要求が緊急度の高い始動要求であっても、エンジン始動のもたつき感が抑制される。加えて、エンジンストールの発生が懸念される、電動機の回転速度が第2所定回転速度未満の低回転域では、クラッチによるクランキングが行われない。よって、急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 エンジン始動制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。 ガレージ制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。 急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる場合のタイムチャートの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、急速ガレージ制御の実行とエンジン始動制御の実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避する為の制御作動を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力源SPとして機能する、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。バッテリ54は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギーも同意である。前記動力は、特に区別しない場合には駆動力、トルク、及び力も同意である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、K0クラッチ20、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備えている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ22は、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。自動変速機24は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた変速機である。又、動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された1対のドライブシャフト32等を備えている。又、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結する電動機連結軸36等を備えている。
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸36に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路、特にはK0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。見方を換えれば、電動機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。
トルクコンバータ22は、電動機連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、及び自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。トルクコンバータ22は、動力源SPからの動力を流体を介して電動機連結軸36から変速機入力軸38へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結する、つまり電動機連結軸36と変速機入力軸38とを連結する直結クラッチとしてのLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、公知のロックアップクラッチである。
自動変速機24は、例えば不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、複数の係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば公知の油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、各々、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態や解放状態などの作動状態つまり制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置が係合されることによって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて形成されるギヤ段が切り替えられる。AT入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Niは、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Ntと同値である。AT入力回転速度Niは、タービン回転速度Ntで表すことができる。AT出力回転速度Noは、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
K0クラッチ20は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両10において、K0クラッチ20の係合状態では、エンジン12とトルクコンバータ22とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ20の解放状態では、エンジン12とトルクコンバータ22との間の動力伝達が遮断される。電動機MGはトルクコンバータ22に連結されているので、K0クラッチ20は、エンジン12を電動機MGと断接するクラッチとして機能する。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合された場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、電動機連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。又、電動機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、電動機連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、動力源SPにより回転駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動する為のEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0などを供給する。
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、クラッチ制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、バッテリセンサ84、油温センサ86、シフトポジションセンサ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、AT入力回転速度Niと同値であるタービン回転速度Nt、車速Vに対応するAT出力回転速度No、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧制御回路56内の作動油OILの温度である作動油温THoil、車両10に備えられたシフトレバー64が操作された位置を示す操作位置(=操作ポジション)POSopなど)が、それぞれ供給される。
シフトレバー64は、複数の操作ポジションPOSopのうちの何れかの操作ポジションへ運転者によって操作されるシフト操作部材である。操作ポジションPOSopは、自動変速機24のシフト位置(=シフトポジション)を選択する状態を表す信号である。操作ポジションPOSopは、例えば自動変速機24の複数のシフトポジションとしてのP、R、N、Dポジションに各々対応した、P、R、N、D操作ポジションを含んでいる。
P操作ポジションは、自動変速機24の駐車位置であるパーキングポジション(=Pポジション)を選択するパーキング操作ポジションである。自動変速機24のPポジションは、自動変速機24がニュートラル状態とされ且つ変速機出力軸26の回転が機械的に阻止された、自動変速機24のシフトポジションである。自動変速機24のニュートラル状態は、自動変速機24が動力を伝達不能な状態であり、例えば係合装置CBが何れも解放状態とされて自動変速機24における動力伝達が遮断されることで実現される。変速機出力軸26の回転が機械的に阻止された状態は、変速機出力軸26が車両10に備えられた公知のパーキングロック機構により回転不能に固定されたパーキングロックの状態である。R操作ポジションは、自動変速機24の後進走行位置である後進走行ポジション(=Rポジション)を選択する後進走行操作ポジションである。自動変速機24のRポジションは、車両10の後進走行を可能とする自動変速機24のシフトポジションである。N操作ポジションは、自動変速機24のニュートラル位置であるニュートラルポジション(=Nポジション)を選択するニュートラル操作ポジションである。自動変速機24のNポジションは、自動変速機24がニュートラル状態とされた自動変速機24のシフトポジションである。D操作ポジションは、自動変速機24の前進走行位置である前進走行ポジション(=Dポジション)を選択する前進走行操作ポジションである。自動変速機24のDポジションは、自動変速機24の自動変速制御を実行して車両10の前進走行を可能とする自動変速機24のシフトポジションである。このように、自動変速機24のシフトポジションは、自動変速機24における動力伝達状態を表している。自動変速機24のPポジションやNポジションは、自動変速機24が動力源SPからの動力を伝達不能とする動力伝達不能状態を自動変速機24の動力伝達状態として形成する、自動変速機24の非走行位置である。自動変速機24のRポジションやDポジションは、自動変速機24が動力源SPからの動力を伝達可能とする動力伝達可能状態を自動変速機24の動力伝達状態として形成する、自動変速機24の走行位置である。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、係合装置CBを制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御する為のLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御する為のEOP制御指令信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
各油圧制御指令信号Sについて、K0油圧制御指令信号Sk0を例示して説明する。電子制御装置90は、K0油圧PRk0の指令値として、油圧制御回路56から調圧されたK0油圧PRk0を供給させる為のK0クラッチ20の指示圧であるK0クラッチ指示圧Spk0を算出する。指示圧とは、係合装置に供給される作動油OILに対して電子制御装置90から指示される目標油圧であって、この指示圧に応じて係合装置に供給される実際の油圧である実油圧が変化する。電子制御装置90は、K0クラッチ指示圧Spk0を、油圧制御回路56に備えられたK0ソレノイドSLk0を駆動する為のK0指示電流値Sik0に変換する。K0ソレノイドSLk0は、K0油圧PRk0を出力するK0クラッチ20用のソレノイドバルブである。K0指示電流値Sik0は、電子制御装置90に備えられた、K0ソレノイドSLk0を駆動する駆動回路であるソレノイド用ドライバに対する指示電流である。K0油圧制御指令信号Sk0は、K0指示電流値Sik0に基づいて、ソレノイド用ドライバがK0ソレノイドSLk0を駆動する為の駆動電流又は駆動電圧である。つまり、K0クラッチ指示圧Spk0は、K0油圧制御指令信号Sk0に変換されて油圧制御回路56へ出力される。本実施例では、便宜上、K0クラッチ指示圧Spk0とK0油圧制御指令信号Sk0とを同意に取り扱う。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、始動制御手段すなわち始動制御部94、停止制御手段すなわち停止制御部96、及び変速制御手段すなわち変速制御部98を備えている。
動力源制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部92aとしての機能と、インバータ52を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御手段すなわち電動機制御部92bとしての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行するハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部である。
動力源制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdem[Nm]は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、変速機出力軸26における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良い。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。尚、駆動トルクTrなどの車両10の出力を制御すること以外の制御では、前記駆動要求量は、例えば単にアクセル開度θaccやスロットル弁開度θth等を用いることもできる。
動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、車両10を駆動する駆動モードをBEV駆動モードとする。BEV駆動モードは、K0クラッチ20の解放状態において、エンジン12の運転が停止させられた状態で電動機MGのみを動力源SPに用いて走行するモータ走行(=BEV走行)が可能なモータ駆動モードである。一方で、動力源制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、駆動モードをエンジン駆動モードつまりHEV駆動モードとする。HEV駆動モードは、K0クラッチ20の係合状態において、少なくともエンジン12を動力源SPに用いて走行するエンジン走行つまりハイブリッド走行(=HEV走行)が可能なハイブリッド駆動モードである。他方で、動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、バッテリ54の充電が必要な場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、HEV駆動モードを成立させる。
電動機制御部92bは、例えばエンジン12が停止状態とされている場合には、電動機MGのアイドリング制御であるMGアイドリング制御を実行する。MGアイドリング制御は、例えばMG回転速度Nmの目標値である目標MG回転速度Nmtgtを予め定められた所定MGアイドリング回転速度Nmidlf以上となる電動機MGのアイドリング回転速度に設定し、目標MG回転速度NmtgtにMG回転速度Nmを制御して電動機MGをアイドリング状態とする制御である。MGアイドリング制御は、例えばエンジン12の停止状態でアクセルオフとされた状況下のときに、一時的な停車中にブレーキオフとされたことによって、アクセルオフの状態のままで車両10がゆっくり動くクリープ現象を生じさせる為の所定クリープトルクTcpfを電動機MGから出力させる制御である。所定クリープトルクTcpfは、例えば車両停止状態においてブレーキオフ操作が為され且つアクセルオフのままであるときに所謂クリープ走行にて車両10を走行させる為の予め定められた所定トルクである。電動機制御部92bによるMGアイドリング制御は、例えばBEV駆動モードにおいて、前記駆動要求量がゼロと判断できる予め定められたゼロ判定閾値以下であって、シフトレバー64がD操作ポジション又はR操作ポジションであるときに実行される。前記駆動要求量が前記ゼロ判定閾値以下であるときは、例えばアクセル開度θaccがゼロと判定されるアクセルオフのときである。
始動制御部94は、エンジン12の制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン12の始動要求であるエンジン始動要求REQstの有無を判定する。例えば、始動制御部94は、BEV駆動モード時に、要求駆動トルクTrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲よりも増大したか否か、又は、エンジン12等の暖機が必要であるか否か、又は、バッテリ54の充電が必要であるか否かなどに基づいて、エンジン始動要求REQstが有るか否かを判定する。
始動制御部94は、エンジン12の始動制御つまりエンジン始動制御CTstを実行するようにK0クラッチ20を制御する。例えば、始動制御部94は、エンジン始動要求REQstが有ると判定した場合には、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達する為のK0トルクTk0が得られるように、解放状態のK0クラッチ20を係合状態に向けて制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0を油圧制御回路56へ出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。
始動制御部94は、エンジン始動制御CTstを実行するようにエンジン12及び電動機MGを制御する。例えば、始動制御部94は、エンジン始動要求REQstが有ると判定した場合には、K0クラッチ20の係合状態への切替えつまりエンジン12のクランキングに合わせて、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smをインバータ52へ出力する。又、始動制御部94は、エンジン始動要求REQstが有ると判定した場合には、K0クラッチ20及び電動機MGによるエンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。始動制御部94は、エンジン12の点火が開始された初爆後にエンジン12の爆発による自立回転が安定した状態すなわちエンジン12が完爆した状態となるようにエンジントルクTeを出力する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。
エンジン12のクランキング時には、K0クラッチ20の係合に伴う反力トルクが生じる。この反力トルクは、BEV走行時には、エンジン始動中のエンジン12等のイナーシャによる駆動トルクTrの落ち込みを生じさせる。その為、エンジン12を始動する際にクランキングトルクTcrに向けて増加させられるMGトルクTmは、この反力トルクを打ち消す為のMGトルクTmであって、この反力トルクを補償するMGトルクTm分すなわち反力補償用のMGトルクTmである。クランキングトルクTcrは、エンジン12のクランキングに必要なK0トルクTk0であり、電動機MG側からK0クラッチ20を介してエンジン12側へ流れる、エンジン12のクランキングに必要なMGトルクTmである。クランキングトルクTcrは、例えばエンジン12の諸元、エンジン12の始動方法等に基づいて予め定められた例えば一定のトルクである。
図2は、エンジン始動制御CTstが実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。図2において、t1a時点は、例えばBEV走行中に、運転者によるアクセルペダルの踏み増し操作に伴ってエンジン始動要求REQstが有ると判定されたことにより、エンジン始動制御CTstが開始された時点を示している。エンジン始動制御CTstの開始後、K0クラッチ20のパック詰め制御すなわちK0パック詰め制御が実行される(t1a時点-t2a時点参照)。K0パック詰め制御は、K0クラッチ20を、K0クラッチ20の摩擦プレート等におけるパッククリアランスが詰められた、パック詰めが完了した状態すなわちパック詰め完了状態とする制御である。K0パック詰め制御では、先ず、K0油圧PRk0の初期応答性を向上させる為に、一時的に高いK0クラッチ指示圧Spk0を出力するクイックアプライ(=QA)すなわちK0QA制御が実行され(a部参照)、次いで、K0クラッチ20のパック詰めを完了させる為に、一定圧で待機するパック詰め用定圧待機すなわちK0定圧待機制御が実行される(b部参照)。b部に示すK0クラッチ指示圧Spk0では、K0クラッチ20をパック詰め完了状態に維持する為のK0油圧PRk0が出力されている。K0パック詰め制御の実行後、エンジン12をクランキングする為に、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達するK0クラッチ20によるクランキングすなわちK0クランキング制御が実行される(t2a時点以降参照)。K0クランキング制御によってエンジン回転速度Neが引き上げられると、エンジン点火などが開始されてエンジン12の運転が開始させられる。K0クランキング制御の実行後、エンジン12と電動機MGとが回転同期させられ、つまりエンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとが同期させられ、K0クラッチ20が完全係合状態へ切り替えられる(t2a時点-t3a時点参照)。エンジン回転速度Neは、エンジン連結軸34の回転速度であって、K0クラッチ20の入力回転速度と同値である。MG回転速度Nmは、電動機連結軸36の回転速度であって、K0クラッチ20の出力回転速度と同値である。つまり、エンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとを同期させることとは、K0クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度とを同期させることと同意である。K0クラッチ20が完全係合状態とされた後、エンジン始動制御CTstが完了させられ(t3a時点参照)、K0クラッチ20の完全係合状態が維持される(t3a時点以降参照)。
このように、始動制御部94は、エンジン12を停止状態から運転状態へ切り替える場合には、K0クラッチ20の制御状態を解放状態から係合状態へ切り替える過渡中に、K0クラッチ20をパック詰め完了状態とするようにK0クラッチ20を制御した後、クランキングトルクTcrをK0クラッチ20が伝達するようにK0クラッチ20を制御すると共に、クランキングトルクTcrを電動機MGが出力するように電動機MGを制御し、エンジン12のクランキングに連動してエンジン12が運転を開始するようにエンジン12を制御する、エンジン始動制御CTstを実行する。
停止制御部96は、エンジン12の制御状態を運転状態から停止状態へ切り替えるエンジン12の停止要求であるエンジン停止要求の有無を判定する。例えば、停止制御部96は、HEV駆動モード時に、要求駆動トルクTrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲内であって、エンジン12等の暖機が不要であり、バッテリ54の充電が不要であるか否かなどに基づいて、エンジン停止要求が有るか否かを判定する。
停止制御部96は、エンジン停止要求が有ると判定した場合には、エンジントルクTeを漸減する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。その後、停止制御部96は、K0クラッチ20を解放状態へ切り替える為のK0油圧制御指令信号Sk0を油圧制御回路56へ出力し、K0クラッチ20が解放状態へ切り替えられた後に、エンジン12への燃料供給を停止するフューエルカットを実施する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。
変速制御部98は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機24の変速制御を実行する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速制御部98は、自動変速機24の変速制御では、例えば解放側係合装置の解放状態への切替えと係合側係合装置の係合状態への切替えとによって自動変速機24の変速を行う。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
変速制御部98は、ガレージ操作OPgが運転者により為された場合にガレージ制御CTgを行うガレージ制御手段すなわちガレージ制御部98aとしての機能を含んでいる。ガレージ操作OPgは、運転者によるシフトレバー64の操作の一つであり、例えば自動変速機24の一つの走行位置とは異なる別シフト位置を選択する状態からその一つの走行位置を選択する状態への所定切替操作である。自動変速機24の一つの走行位置を自動変速機24のDポジションとした場合、別シフト位置は、例えば自動変速機24の他の走行位置である自動変速機24のRポジションである。この場合、自動変速機24の一つの走行位置を選択する状態は、操作ポジションPOSopがD操作ポジションとされている状態である。自動変速機24の他の走行位置を選択する状態は、操作ポジションPOSopがR操作ポジションとされている状態である。つまり、ガレージ操作OPgは、例えばR→D操作である。又は、別シフト位置は、例えば自動変速機24の非走行位置である自動変速機24のPポジションやNポジションである。この場合、自動変速機24の非走行位置を選択する状態は、操作ポジションPOSopがP操作ポジション又はN操作ポジションとされている状態である。つまり、ガレージ操作OPgは、例えばN(P)→D操作である。尚、自動変速機24のDポジションを選択する状態からRポジションを選択する状態への切替操作であるD→R操作、自動変速機24のPポジション又はNポジションを選択する状態からRポジションを選択する状態への切替操作であるN(P)→R操作などもガレージ操作OPgの一種である。又、シフトレバー64における操作ポジションPOSopによっては、例えばR→D操作やD→R操作などにおいてN操作ポジションを経由する場合もある。
自動変速機24において、例えば係合装置CBのうちの第1係合装置CB1及び第3係合装置CB3が共に係合状態とされることで、前進用のギヤ段例えば第1速ギヤ段が形成されて自動変速機24がDポジションとされる。又、自動変速機24において、例えば係合装置CBのうちの第2係合装置CB2及び第3係合装置CB3が共に係合状態とされることで、後進用のギヤ段が形成されて自動変速機24がRポジションとされる。ガレージ制御部98aは、第1速ギヤ段が形成された状態において、自動変速機24のDポジションを選択する状態からPポジション又はNポジションを選択する状態への切替操作であるD→N(P)操作が運転者により為された場合には、例えば第1係合装置CB1を解放状態へ切り替えて自動変速機24をニュートラル状態とする。これにより、自動変速機24はPポジション又はNポジションとされる。ガレージ制御部98aは、上述した、第1係合装置CB1が解放状態とされたことによる自動変速機24のニュートラル状態において、N(P)→D操作が運転者により為された場合には、第1係合装置CB1を係合状態へ切り替えて第1速ギヤ段を形成する、ガレージ制御CTgを行う。これにより、自動変速機24はDポジションとされる。又、ガレージ制御部98aは、後進用のギヤ段が形成された状態において、自動変速機24のRポジションを選択する状態からPポジション又はNポジションを選択する状態への切替操作であるR→N(P)操作が運転者により為された場合には、例えば第2係合装置CB2を解放状態へ切り替えて自動変速機24をニュートラル状態とする。これにより、自動変速機24はPポジション又はNポジションとされる。ガレージ制御部98aは、上述した、第2係合装置CB2が解放状態とされたことによる自動変速機24のニュートラル状態において、N(P)→R操作が運転者により為された場合には、第2係合装置CB2を係合状態へ切り替えて後進用のギヤ段を形成する、ガレージ制御CTgを行う。これにより、自動変速機24はRポジションとされる。又、ガレージ制御部98aは、第1速ギヤ段が形成された状態において、D→R操作が運転者により為された場合には、例えば第1係合装置CB1を解放状態へ切り替えると共に第2係合装置CB2を係合状態へ切り替えて後進用のギヤ段を形成する、ガレージ制御CTgを行う。これにより、自動変速機24はDポジションからRポジションへ切り替えられる。又、ガレージ制御部98aは、後進用のギヤ段が形成された状態において、R→D操作が運転者により為された場合には、例えば第2係合装置CB2を解放状態へ切り替えると共に第1係合装置CB1を係合状態へ切り替えて第1速ギヤ段を形成する、ガレージ制御CTgを行う。これにより、自動変速機24はRポジションからDポジションへ切り替えられる。
自動変速機24は、第1係合装置CB1を有し、第1係合装置CB1が係合状態とされることで走行位置であるDポジションがシフトポジションとして形成される機械式伝動装置である。係合装置CBのうちの自動変速機24のDポジションの形成に関わる第1係合装置CB1は、所定係合装置CBf特には第1所定係合装置であり、Dポジションの形成による自動変速機24の走行位置は、特には第1走行位置である。自動変速機24のDポジションに対する別シフト位置として例示したRポジションは、自動変速機24が有する第2係合装置CB2が係合状態とされることで形成される走行位置である。自動変速機24のRポジションの形成に関わる第2係合装置CB2は、第1所定係合装置とは異なる所定係合装置CBf特には第2所定係合装置であり、Rポジションの形成による自動変速機24の走行位置は、特には第2走行位置である。
ここで、ガレージ制御部98aは、係合ショックを抑制する為に、ガレージ制御CTgにおいて係合される係合装置である所定係合装置CBfの指示圧を漸増して所定係合装置CBfを緩やかに係合する緩係合指令DRlsを行う為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。つまり、ガレージ制御部98aは、緩係合指令DRlsを行う通常ガレージ制御CTgnを実行する。緩係合指令DRlsは、後述する急係合指令DRhsに比べて所定係合装置CBfを緩やかに係合する係合指令である。
或いは、ガレージ制御部98aは、通常ガレージ制御CTgnよりも速やかにガレージ制御CTgを実行する為に、緩係合指令DRlsに替えて、所定係合装置CBfを速やかに係合するように所定係合装置CBfの指示圧をステップ的に増加する急係合指令DRhsを行っても良い。ステップ的とは、所定係合装置CBfの指示圧を漸増するのではなく、係合開始時点から例えば最大圧まで瞬時につまり段階状に急増させることであり、これにより所定係合装置CBfが速やかに係合させられる。
しかしながら、自動変速機24にトルクが入力されている状態のときに、急係合指令DRhsが行われると係合ショックが生じ易くなったり、又は、急係合指令DRhsが行われても所定係合装置CBfが速やかに係合されない可能性がある。自動変速機24にトルクが入力されていない状態のときに、急係合指令DRhsが行われることが望ましい。自動変速機24にトルクが入力されなくても良い状態は、例えばアクセルオフのときであり、クリープトルクTcpの出力を一時的に停止しても良い状態のときである。クリープトルクTcpの出力を一時的に停止しても良い状態のときは、応答性を考慮すると、BEV駆動モードのときである。ガレージ制御部98aは、ガレージ操作OPgが運転者により為された場合には、クリープトルクTcpの出力を停止させた状態すなわちクリープカット状態で、急係合指令DRhsを行い、その後、MG回転速度Nmを目標MG回転速度Nmtgtに上昇させて電動機MGからクリープトルクTcpを出力させる、急速ガレージ制御CTgqを実行する。
クリープカット状態は、クリープトルクTcpの出力を禁止した状態であって、例えばMG回転速度Nmを第1所定回転速度Nmf1以下とした状態である。第1所定回転速度Nmf1は、例えば急速ガレージ制御CTgqの際に所定係合装置CBfの係合ショックが抑制される予め定められたMG回転速度Nmの上限値である。MG回転速度Nmを第1所定回転速度Nmf1以下とした状態は、例えばMG回転速度Nmをゼロとした状態である。ガレージ制御部98aは、BEV駆動モードにおいてガレージ操作OPgが運転者により為された場合に、急速ガレージ制御CTgqを実行する。急係合指令DRhsはMG回転速度Nmが第1所定回転速度Nmf1以下とされた状態で行われるので、所定係合装置CBfの係合に必要なCB油圧PRcbは、EOP60が吐出した作動油OILを元にして調圧される。尚、MOP58がポンプ翼車22aとは別の回転部材に連結されて、BEV駆動モードにおいて車両10の走行中にその別の回転部材が回転している場合には、EOP60は作動させられなくても良い。
ガレージ操作OPgが例えばR→D操作である場合、第2係合装置CB2を解放状態へ切り替える必要がある。又、Rポジションでは、電動機MGからクリープトルクTcpが出力させられている。ガレージ制御部98aは、R→D操作となるガレージ操作OPgが運転者により為された場合には、第1係合装置CB1に対する急係合指令DRhsを開始する前に、第2係合装置CB2の指示圧を低減して第2係合装置CB2を解放する解放指令DRrを行う為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。ガレージ制御部98aは、電動機MGからクリープトルクTcpが出力させられている状態でガレージ操作OPgが運転者により為された場合には、クリープトルクTcpの出力を一時的に停止させた状態で急速ガレージ制御CTgqを実行する。
図3は、ガレージ制御CTgが実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。図3において、t1b時点は、BEV駆動モード中の自動変速機24のRポジションにおいてクリープトルクTcpが出力されているときに、R→D操作が運転者により為されたことに伴ってガレージ制御CTgが開始された時点を示している。ガレージ制御CTgでは、自動変速機24のRポジションからDポジションへの切替え、つまり第2係合装置CB2を解放する共に第1係合装置CB1を係合する切替え制御が実行される。図中の「AT解放側係合装置(CB2)」は、AT解放側係合装置となる第2係合装置CB2のCB油圧PRcbを示している。「AT係合側係合装置(CB1)」は、所定係合装置CBfとしてのAT係合側係合装置となる第1係合装置CB1のCB油圧PRcbを示している。ガレージ制御CTgが通常ガレージ制御CTgnにて実行される場合には、MG回転速度Nmにおける破線で示すように、MG回転速度Nmは目標MG回転速度Nmtgtに維持され、クリープカット状態とされない。通常ガレージ制御CTgnでは、第2係合装置CB2を解放しつつ、第1係合装置CB1を緩やかに係合する緩係合指令DRls、例えば破線で示すように急速充填指示圧や定圧待機指示圧に続いて最大圧まで漸増する指示圧が出力される(t2b時点以降参照)。一方で、ガレージ制御CTgが急速ガレージ制御CTgqにて実行される場合には、MG回転速度Nmにおける実線で示すように、一時的にクリープカット状態とされる。急速ガレージ制御CTgqでは、クリープカット状態とされるとつまりMG回転速度Nmが第1所定回転速度Nmf1以下とされると、クリープカット状態が成立したと判定される(t2b時点参照)。その後、第1係合装置CB1を速やかに係合する急係合指令DRhs、例えば実線で示すように係合開始時点から最大圧までステップ的に増加する指示圧が出力される(t2b時点以降参照)。急係合指令DRhsが出力された時点から所定時間TMf経過後に、クリープカット状態が解除され、クリープトルクTcpの出力が開始させられる(t3b時点参照)。MG回転速度Nmが目標MG回転速度Nmtgtに復帰させられて、クリープトルクTcpが狙いの値まで復帰させられると、急速ガレージ制御CTgqが完了させられる(t4b時点参照)。尚、第2係合装置CB2のCB油圧PRcbは、急速ガレージ制御CTgqの場合のみ示されているが、通常ガレージ制御CTgnの場合も同様である。又、第1係合装置CB1の実油圧は、急速ガレージ制御CTgqの場合のみ示されている(二点鎖線参照)。又、通常ガレージ制御CTgnと急速ガレージ制御CTgqとの各々の第1係合装置CB1のCB油圧PRcbを比較する為、便宜上、通常ガレージ制御CTgnにおける第1係合装置CB1の指示圧の出力開始をt2b時点とした。
ところで、例えば急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動要求REQstが有ると判定されると、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合がある。この場合、急速ガレージ制御CTgqの実行中はクリープカット状態とされている為、急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動制御CTstを開始すると、エンジンストールが生じるおそれがある。これに対して、急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動要求REQstが有ると判定された場合は、例えば急速ガレージ制御CTgqの終了後にエンジン始動制御CTstを開始し、エンジン始動を遅延することが考えられる。しかしながら、エンジン始動要求REQstがアクセルオン等の緊急度の高いエンジン始動要求REQstであったときには、エンジン始動の遅延はもたつき感に繋がるおそれがあり、エンジン始動の応答性が低下するおそれがある。
そこで、始動制御部94は、エンジン始動の応答性を向上する為に、急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動要求REQstが有ると判定した場合には、急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動制御CTstを開始し、事前にK0パック詰め制御を行う。つまり、急速ガレージ制御CTgqの実行中にエンジン始動要求REQstが有る場合、MG回転速度Nmが低回転であってもエンジン始動制御CTstを開始し、事前にK0クラッチ20のパック詰めを行う。加えて、始動制御部94は、MG回転速度Nmが低回転であるときのK0クラッチ20の係合によるエンジンストールの発生を回避する為に、急速ガレージ制御CTgqの進行に伴ってMG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇するまではK0クランキング制御の開始を遅延する。つまり、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2未満ではK0クランキング制御の実行を遅延することで、エンジンストールの発生を回避する。第2所定回転速度Nmf2は、例えば第1所定回転速度Nmf1よりも高い値であって、エンジン始動制御CTstの際にエンジンストールの発生を回避する予め定められたMG回転速度Nmの下限値である。これにより、エンジン始動要求REQstが緊急度の高いエンジン始動要求REQstであるときに備えることができ、始動レスポンスと、意図せぬK0クラッチ20の係合によるエンジンストールの回避と、を両立することができる。
図4は、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合のタイムチャートの一例を示す図である。図4において、「AT解放側係合装置(CB2)」、「AT係合側係合装置(CB1)」などは、図2や図3と同様であるので、それらの説明を割愛する。t1c時点は、BEV駆動モード中の自動変速機24のRポジションにおいてクリープトルクTcpが出力されているときに、シフト操作として例えばR→D操作が運転者により為されたことに伴って急速ガレージ制御CTgqが開始された時点を示している。急速ガレージ制御CTgqでは、クリープカット状態とされるとつまりMG回転速度Nmが第1所定回転速度Nmf1以下とされると、第1係合装置CB1を速やかに係合する急係合指令DRhsの出力が開始される(t1c時点-t2c時点参照)。t2c時点は、アクセルオフからアクセルオンへの運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作に伴ってエンジン始動要求REQstが有ると判定された時点を示している。その後、急速ガレージ制御CTgqにおけるクリープカット状態ではあるが、エンジン始動制御CTstが開始され(t3c時点参照)、K0パック詰め制御が実行される(t3c時点-t4c時点参照)。急速ガレージ制御CTgqの進行に伴ってMG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上とされると、K0クランキング制御が開始される(t4c時点参照)。K0クランキング制御によってエンジン回転速度Neが引き上げられると、エンジン点火などが開始されてエンジン12の運転が開始させられる(t4c時点以降参照)。破線に示す比較例では、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上とされた後に、エンジン始動制御CTstが開始されて(t4c時点参照)、K0パック詰め制御が実行され(t4c時点-t5c時点参照)、その後、K0クランキング制御が開始される(t5c時点参照)。従って、実線に示す本実施例では、比較例と比べてエンジン始動の応答性が向上させられると共に、K0クラッチ20の係合によるエンジンストールが回避される。
このように、始動制御部94は、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合には、急速ガレージ制御CTgqの過渡中にK0クラッチ20をパック詰め完了状態とするようにK0クラッチ20を制御すると共に、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられた後にクランキングトルクTcrをK0クラッチ20が伝達するようにK0クラッチ20を制御する。
急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合とは、例えば急速ガレージ制御CTgqの実行中に始動制御部94がエンジン始動要求REQstが有ると判定した場合、又、始動制御部94がエンジン始動要求REQstが有ると判定し、エンジン始動制御CTstを未だ開始していない状態のときに、急速ガレージ制御CTgqが開始された場合などであって、急速ガレージ制御CTgqの開始後に、エンジン始動制御CTstが未だ開始されていない状態でエンジン始動要求REQstが有る場合である。
始動制御部94は、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合に事前にK0クラッチ20のパック詰めを行う制御を、特に、エンジン始動要求REQstが緊急度の高いエンジン始動要求REQstであるときに実行するようにしても良い。つまり、始動制御部94は、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なるときに、エンジン始動要求REQstが緊急度の高いエンジン始動要求REQstである場合には、急速ガレージ制御CTgqの過渡中にK0クラッチ20をパック詰め完了状態とするようにK0クラッチ20を制御すると共に、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられた後にクランキングトルクTcrをK0クラッチ20が伝達するようにK0クラッチ20を制御する。一方で、始動制御部94は、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なるときに、エンジン始動要求REQstが緊急度の低いエンジン始動要求REQstである場合には、急速ガレージ制御CTgqの実行後に、又は、急速ガレージ制御CTgqの過渡中にMG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられた後に、エンジン始動制御CTstを開始する。
緊急度の高いエンジン始動要求REQstは、例えば運転者によるアクセル操作に伴って要求駆動トルクTrdemが増大したことによるエンジン始動要求REQst、公知のクルーズコントロールを含む自動運転制御等のシステムによるエンジン始動要求REQstなどである。又、緊急度の高いエンジン始動要求REQstは、例えばエンジン12等の暖機が必要であることによるエンジン始動要求REQst、バッテリ54の充電が必要であることによるエンジン始動要求REQstなどである。
CB油圧PRcb及びK0油圧PRk0は何れも、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして調圧された油圧である。その為、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なると、必要な作動油OILの流量が確保できないおそれがある。つまり、K0油圧PRk0がCB油圧PRcbとの間で作動油OILの流量収支が成立しないおそれがある。そこで、始動制御部94は、K0油圧PRk0がCB油圧PRcbとの間で作動油OILの流量収支が成立する為に、つまりCB油圧PRcbに必要な流量を確保する為に、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合に、急速ガレージ制御CTgqにおけるAT係合側係合装置つまり所定係合装置CBfの係合が完了していないときは、エンジン始動制御CTstの開始を遅延する。つまり、急速ガレージ制御CTgqにおける所定係合装置CBfの係合が完了するまでは、エンジン始動制御CTstにおけるK0クラッチ20の係合制御の開始つまりK0パック詰め制御の開始を遅延する。これにより、急速ガレージ制御CTgqにおける所定係合装置CBfの係合制御のロバスト性や適合性がK0クラッチ20の係合制御よりも優先される。よって、始動レスポンスと、意図せぬK0クラッチ20の係合によるエンジンストールの回避と、を両立することに加え、作動油OILの流量収支も成立させることができる。
図5は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。
図5において、先ず、ガレージ制御部98aの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、急速ガレージ制御CTgqつまりクイックガレージ制御が開始されているか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は始動制御部94の機能に対応するS20において、エンジン始動要求REQst特には緊急度の高いエンジン始動要求REQstが有るか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合はガレージ制御部98aの機能に対応するS30において、急速ガレージ制御CTgqが継続して実行される。上記S20の判断が肯定される場合はガレージ制御部98aの機能に対応するS40において、ガレージ制御CTgにおけるAT係合側係合装置の係合が完了したか否かが判定される。このS40の判断が否定される場合はガレージ制御部98aの機能に対応するS50において、急速ガレージ制御CTgqが進行させられる。このS50に次いで、上記S40が実行される。上記S40の判断が肯定される場合は始動制御部94の機能に対応するS60において、K0QA制御が開始され、事前のK0パック詰め制御が実行される。次いで、ガレージ制御部98aの機能に対応するS70において、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられたか否かが判定される。このS70の判断が否定される場合はガレージ制御部98aの機能に対応するS80において、急速ガレージ制御CTgqが進行させられる。このS80に次いで、上記S70が実行される。上記S70の判断が肯定される場合は始動制御部94の機能に対応するS90において、K0クラッチ20によるクランキングが開始される。
上述のように、本実施例によれば、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合には、急速ガレージ制御CTgqの過渡中にK0クラッチ20をパック詰め完了状態とするようにK0クラッチ20が制御されると共に、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられた後にクランキングトルクTcrをK0クラッチ20が伝達するようにK0クラッチ20が制御されるので、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2以上に上昇させられるまでは、K0クラッチ20がトルク容量を持たない範囲でK0クラッチ20によるクランキングの直前までK0クラッチ20の係合作動が進行させられる。これにより、仮にエンジン始動要求REQstが緊急度の高いエンジン始動要求REQstであっても、エンジン始動のもたつき感が抑制される。加えて、エンジンストールの発生が懸念される、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2未満の低回転域では、K0クラッチ20によるクランキングが行われない。よって、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる際に、エンジン始動の応答性の低下を抑制しつつエンジンストールの発生を抑制又は回避することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、急速ガレージ制御CTgqの実行とエンジン始動制御CTstの実行とが重なる場合に、MG回転速度Nmが第2所定回転速度Nmf2未満ではK0クランキング制御の実行を遅延した。一方で、エンジン始動制御CTstでは、K0クラッチ20の係合制御において、例えばK0パック詰め制御の開始からの時間が予め定められたバックアップタイマを経過するとK0クランキング制御を強制的に開始する、バックアップ制御が実行される場合がある。この場合、上述したK0クランキング制御の遅延が長時間になると、バックアップタイマに当たり、K0クランキング制御が開始されて、エンジンストールが発生してしまうおそれがある。そこで、ガレージ制御部98aは、このエンジンストールの発生を回避する為に、急速ガレージ制御CTgqが所定ガレージ制御時間経過し、且つ、エンジン始動要求REQstが有る場合には、クリープカット状態を解除し、MG回転速度Nmを目標MG回転速度Nmtgtに復帰させた後、通常ガレージ制御CTgnを実行する。前記所定ガレージ制御時間は、例えばK0パック詰め制御の開始からの時間がバックアップタイマを経過するまでに、急速ガレージ制御CTgqから通常ガレージ制御CTgnへ移行できる為の予め定められた閾値である。
また、前述の実施例において、図5のフローチャートにおけるS40やS50は必ずしも実行されなくても良い。又、S20では、緊急度の高いエンジン始動要求REQstではなく、単にエンジン始動要求REQstが有るか否かが判定されても良い。
また、前述の実施例では、係合装置CBのうちの自動変速機24のDポジションの形成に関わる第1係合装置CB1を所定係合装置CBf特には第1所定係合装置として例示し、D操作ポジションへのガレージ操作OPgを例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機24のRポジションの形成に関わる第2係合装置CB2を第1所定係合装置とする、R操作ポジションへのガレージ操作OPgであっても、本発明を適用することができる。この場合、自動変速機24のDポジションの形成に関わる第1係合装置CB1が第2所定係合装置であり、Rポジションの形成による自動変速機24の走行位置が第1走行位置であり、Dポジションの形成による自動変速機24の走行位置が第2走行位置である。
また、前述の実施例では、自動変速機24として遊星歯車式の自動変速機を例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機24は、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)、公知のベルト式無段変速機などであっても良い。自動変速機24がDCTである場合には、2系統の各入力軸にそれぞれつながる係合装置の一方の係合装置が所定係合装置CBfに相当する。自動変速機24がベルト式無段変速機である場合には、ベルト式無段変速機と共に備えられた公知の前後進切替装置が有する前進用クラッチ及び後進用ブレーキのうちの一方の係合装置が所定係合装置CBfに相当する。要は、エンジンと電動機とを含む動力源と、エンジンと電動機との間に設けられたクラッチと、動力源の出力トルクを駆動輪へ伝達する変速機と、を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ22が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ22に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又は、流体式伝動装置は、必ずしも備えられている必要はなく、例えば発進用のクラッチに置き換えられても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
20:K0クラッチ(クラッチ)
24:自動変速機(変速機)
90:電子制御装置(制御装置)
94:始動制御部
98a:ガレージ制御部
CBf:所定係合装置
MG:電動機

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備え、前記変速機は、所定係合装置を有し、前記所定係合装置が係合状態とされることで前記電動機からの動力を伝達可能とする走行位置がシフト位置として形成される車両の、制御装置であって、
    前記クラッチの制御状態を解放状態から係合状態へ切り替える過渡中に、前記クラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするように前記クラッチを制御した後、前記エンジンの回転速度を引き上げるクランキングに必要なクランキングトルクを前記クラッチが伝達するように前記クラッチを制御すると共に、前記クランキングトルクを前記電動機が出力するように前記電動機を制御し、前記クランキングに連動して前記エンジンが運転を開始するように前記エンジンを制御する、エンジン始動制御を実行する始動制御部と、
    前記変速機の前記走行位置とは異なる別シフト位置を選択する状態から前記走行位置を選択する状態への所定切替操作が運転者により為された場合には、前記電動機の回転速度を前記所定係合装置の係合ショックが抑制される予め定められた第1所定回転速度以下とした状態で、前記所定係合装置を速やかに係合するように前記所定係合装置の指示圧をステップ的に増加する、急速ガレージ制御を実行するガレージ制御部と、
    を含んでおり、
    前記始動制御部は、前記急速ガレージ制御の実行と前記エンジン始動制御の実行とが重なる場合には、前記急速ガレージ制御の過渡中に前記パック詰め完了状態とするように前記クラッチを制御すると共に、前記電動機の回転速度が前記エンジン始動制御の際にエンジンストールの発生を回避する、前記第1所定回転速度よりも高い予め定められた第2所定回転速度以上に上昇させられた後に前記クランキングトルクを前記クラッチが伝達するように前記クラッチを制御することを特徴とする車両の制御装置。
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