JP2022146776A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電装置の充電が制限されているときに、車両走行への支障を抑制する。【解決手段】エンジンが出力制限されている状態にある場合には、蓄電装置の充電量に拘わらず、アシスト制御における電動機による駆動力が制限されるので、エンジンが出力制限されていることによって電動機による蓄電装置の充電が制限されることに対して、アシスト制御における制限によって電動機による電力消費が抑制され、蓄電装置の充電量の低下が抑制されてその後のアシスト制御が実施し易くされる。よって、蓄電装置の充電が制限されているときに、車両走行への支障を抑制することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンと電動機とを駆動力源として備えた車両の制御装置に関するものである。
駆動力源であるエンジンと、前記駆動力源であって前記エンジンの動力によって発電する発電機である電動機と、前記電動機に対して電力を授受する蓄電装置と、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両のモータアシスト制御装置がそれである。この特許文献1には、車両が加速する際に、アクセル開度が大きい場合に限り、蓄電装置の充電量に基づく蓄電装置の放電電力に基づいて、エンジントルクに加えて電動機のモータトルクを駆動輪に付与して走行する電動機によるアシスト制御の許可と禁止とを判定することが開示されている。
ところで、車両に対する駆動要求量や蓄電装置の充電量に基づいて電動機によるアシスト制御の可否を判定する場合、アシスト制御の実行によってアシスト制御が不可となる所定充電量となるまで蓄電装置の充電量が低下する可能性がある。このとき、蓄電装置が充電できなかったり、充電し難い状態とされていると、蓄電装置の充電量が低下した状態から電動機によるアシスト制御が可能となる状態へ復帰させ難くなり、その後のアシスト制御が実施し難くされて車両走行に支障を来すおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、蓄電装置の充電が制限されているときに、車両走行への支障を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)駆動力源であるエンジンと、前記駆動力源であって前記エンジンの動力によって発電する発電機である電動機と、前記電動機に対して電力を授受する蓄電装置と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)運転者による加速要求が有るときに、前記車両に対する駆動要求量を実現するように、前記エンジンによる駆動力に加えて前記電動機による駆動力を駆動輪に付与する、前記電動機によるアシスト制御を行う電動機制御部を含んでおり、(c)前記電動機制御部は、前記エンジンが出力制限されている状態にある場合には、前記蓄電装置の充電量に拘わらず、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することにある。
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記電動機制御部は、前記駆動要求量を実現するときに前記エンジンによる駆動力では不足する不足分を前記電動機による駆動力にて補うことで、前記アシスト制御を行うものであり、前記電動機制御部は、前記不足分を補う前記電動機による駆動力を、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて抑制することで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することにある。
また、第3の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記電動機制御部は、前記アシスト制御の実施毎に、前記アシスト制御において前記電動機が費やしたエネルギーが前記蓄電装置の充電量の低下又は前記蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定エネルギーを超えたら前記アシスト制御を終了するものであり、前記電動機制御部は、前記所定エネルギーを、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて小さくすることで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することにある。
また、第4の発明は、前記第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記電動機制御部は、前記運転者の加速意図の状態、及び、前記エンジンの出力応答性の状態のうちの少なくとも一方の状態に基づいて前記所定エネルギーを変更するものであり、前記電動機制御部は、前記所定エネルギーを、前記運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて大きくし、前記エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて大きくすることにある。
また、第5の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記電動機制御部は、前記アシスト制御の実施毎に、前記アシスト制御の開始時点からの継続時間が前記蓄電装置の充電量の低下又は前記蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定時間を超えたら前記アシスト制御を終了するものであり、前記電動機制御部は、前記所定時間を、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて短くすることで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することにある。
また、第6の発明は、前記第5の発明に記載の車両の制御装置において、前記電動機制御部は、前記運転者の加速意図の状態、及び、前記エンジンの出力応答性の状態のうちの少なくとも一方の状態に基づいて前記所定時間を変更するものであり、前記電動機制御部は、前記所定時間を、前記運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて長くし、前記エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて長くすることにある。
前記第1の発明によれば、エンジンが出力制限されている状態にある場合には、蓄電装置の充電量に拘わらず、アシスト制御における電動機による駆動力が制限されるので、エンジンが出力制限されていることによって電動機による蓄電装置の充電が制限されることに対して、アシスト制御における制限によって電動機による電力消費が抑制され、蓄電装置の充電量の低下が抑制されてその後のアシスト制御が実施し易くされる。よって、蓄電装置の充電が制限されているときに、車両走行への支障を抑制することができる。
また、前記第2の発明によれば、アシスト制御においてエンジンによる駆動力では不足する不足分を補う電動機による駆動力が、ゼロとされるか、又は、エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて抑制されることで、アシスト制御における電動機による駆動力が制限されるので、電動機による電力消費が適切に抑制され、蓄電装置の充電量の低下が適切に抑制される。
また、前記第3の発明によれば、アシスト制御の実施毎に、アシスト制御において電動機が費やしたエネルギーが蓄電装置の充電量の低下又は蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定エネルギーを超えたらアシスト制御が終了させられるので、アシスト制御の実施による蓄電装置の充電量の低下又は蓄電装置の発熱によってその後のアシスト制御が実施し難くなってしまうことを抑制することができる。電動機が費やしたエネルギーが所定エネルギーを超えたらアシスト制御が終了させられるという制御では、加速開始直後はアシスト制御における制限が為されないので、例えば加速操作直後のエンジントルクの立ち上がりが遅い期間には、アシスト制御を効果的に働かせることができるという副次的な効果も得られる。又、前記所定エネルギーが、ゼロとされるか、又は、エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて小さくされることで、アシスト制御における電動機による駆動力が制限されるので、電動機による電力消費が適切に抑制され、蓄電装置の充電量の低下が適切に抑制される。
また、前記第4の発明によれば、前記所定エネルギーは、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて大きくされ、エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて大きくされるので、運転者が加速フィーリングをより重視していると思われる運転者の加速意図が高いときは、又、加速フィーリングを改善する為により大きな電動機による駆動力が必要とされるエンジンの出力応答性が低いときは、アシスト制御の実施時間が比較的長くされてドライブフィーリングが改善され易くされる。運転者の加速意図が低いときは、又、エンジンの出力応答性が高いときは、アシスト制御の実施時間が比較的短くされてエネルギー消費が抑制され易くされる。
また、前記第5の発明によれば、アシスト制御の実施毎に、アシスト制御の開始時点からの継続時間が蓄電装置の充電量の低下又は蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定時間を超えたらアシスト制御が終了させられるので、アシスト制御の実施による蓄電装置の充電量の低下又は蓄電装置の発熱によってその後のアシスト制御が実施し難くなってしまうことを抑制することができる。アシスト制御の開始時点からの継続時間が所定時間を超えたらアシスト制御が終了させられるという制御では、加速開始直後はアシスト制御における制限が為されないので、例えば加速操作直後のエンジントルクの立ち上がりが遅い期間には、アシスト制御を効果的に働かせることができるという副次的な効果も得られる。又、前記所定時間が、ゼロとされるか、又は、エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて短くされることで、アシスト制御における電動機による駆動力が制限されるので、電動機による電力消費が適切に抑制され、蓄電装置の充電量の低下が適切に抑制される。
また、前記第6の発明によれば、前記所定時間は、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて長くされ、エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて長くされるので、運転者が加速フィーリングをより重視していると思われる運転者の加速意図が高いときは、又、加速フィーリングを改善する為により大きな電動機による駆動力が必要とされるエンジンの出力応答性が低いときは、アシスト制御の実施時間が比較的長くされてドライブフィーリングが改善され易くされる。運転者の加速意図が低いときは、又、エンジンの出力応答性が高いときは、アシスト制御の実施時間が比較的短くされてエネルギー消費が抑制され易くされる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源である、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、駆動力源であって、例えばエンジン12の動力によって発電する発電機である。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。バッテリ54は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギも同意である。前記動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、K0クラッチ20、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備えている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ22は、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。又、動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された1対のドライブシャフト32等を備えている。又、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結する電動機連結軸36等を備えている。
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸36に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、K0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。見方を換えれば、電動機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。
トルクコンバータ22は、電動機連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、及び自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。トルクコンバータ22は、駆動力源(エンジン12、電動機MG)の各々からの駆動力を流体を介して電動機連結軸36から変速機入力軸38へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結する、つまり電動機連結軸36と変速機入力軸38とを連結する直結クラッチとしてのLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、公知のロックアップクラッチである。
自動変速機24は、例えば不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、複数の係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば公知の油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、各々、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態や解放状態などの作動状態つまり制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置が係合されることによって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて形成されるギヤ段が切り替えられる。AT入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Niは、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Ntと同値である。AT入力回転速度Niは、タービン回転速度Ntで表すことができる。AT出力回転速度Noは、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
K0クラッチ20は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態や解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両10において、K0クラッチ20の係合状態では、エンジン12とトルクコンバータ22とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ20の解放状態では、エンジン12とトルクコンバータ22との間の動力伝達が遮断される。電動機MGはトルクコンバータ22に連結されているので、K0クラッチ20は、エンジン12を電動機MGと断接するクラッチとして機能する。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合された場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、電動機連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。又、電動機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、電動機連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、駆動力源(エンジン12、電動機MG)により回転駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動する為のEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0などを供給する。
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、油圧制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、バッテリセンサ84、油温センサ86など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、AT入力回転速度Niと同値であるタービン回転速度Nt、車速Vに対応するAT出力回転速度No、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧制御回路56内の作動油OILの温度である作動油温THoilなど)が、それぞれ供給される。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、係合装置CBを制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御する為のLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御する為のEOP制御指令信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部92、及び変速制御手段すなわち変速制御部94を備えている。
ハイブリッド制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部92aとしての機能と、インバータ52を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御手段すなわち電動機制御部92bとしての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。
ハイブリッド制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdem[Nm]は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、変速機出力軸26における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良い。
ハイブリッド制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat、バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Wout等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン12のパワーであるエンジンパワーPeの指令値である。MG制御指令信号Smは、例えばそのときのMG回転速度NmにおけるMGトルクTmを出力する電動機MGの消費電力Wmの指令値である。
バッテリ54の充電可能電力Winは、バッテリ54の入力電力の制限を規定する入力可能な最大電力であり、バッテリ54の入力制限を示している。バッテリ54の放電可能電力Woutは、バッテリ54の出力電力の制限を規定する出力可能な最大電力であり、バッテリ54の出力制限を示している。バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Woutは、例えばバッテリ温度THbat及びバッテリ充電量SOCに基づいて電子制御装置90により算出される。バッテリ充電量SOCは、バッテリ54の充電量に相当する充電状態を示すバッテリ54の充電状態値[%]であり、例えばバッテリ充放電電流Ibat及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいて電子制御装置90により算出される。
ハイブリッド制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、走行モードをモータ走行(=EV走行)モードとする。ハイブリッド制御部92は、EV走行モードでは、K0クラッチ20の解放状態において、駆動力源(エンジン12、電動機MG)のうちの電動機MGのみから駆動力を出力して走行するEV走行を行う。一方で、ハイブリッド制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、走行モードをエンジン走行モードすなわちハイブリッド走行(=HV走行)モードとする。ハイブリッド制御部92は、HV走行モードでは、K0クラッチ20の係合状態において、駆動力源(エンジン12、電動機MG)のうちの少なくともエンジン12から駆動力を出力して走行するエンジン走行すなわちHV走行を行う。他方で、ハイブリッド制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、バッテリ充電量SOCがエンジン始動閾値SOCest未満となる場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、HV走行モードを成立させる。エンジン始動閾値SOCestは、エンジン12を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要があるバッテリ充電量SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。
ハイブリッド制御部92は、HV走行モードにおいて、要求駆動トルクTrdemをエンジン12による駆動力のみでは賄えない場合には、エンジン12による駆動力に加えて電動機MGから駆動力を出力する、電動機MGによるアシスト制御であるMGアシスト制御CTmasを行う。具体的には、ハイブリッド制御部92は、運転者による加速要求が有るか否かを判定する。ハイブリッド制御部92は、例えばアクセルオフからのアクセルオン、アクセルペダルの踏み増し等となるアクセル開度θaccの変化に基づいて、運転者による加速要求が有るか否かを判定する。電動機制御部92bは、ハイブリッド制御部92により運転者による加速要求が有ると判定されたときに、要求駆動トルクTrdemを実現するように、エンジン12による駆動力に加えて電動機MGによる駆動力を駆動輪14に付与するMGアシスト制御CTmasを行う。
変速制御部94は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機24の変速制御を実行する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
図2は、MGアシスト制御CTmasについて説明する図である。図2において、例えばHV走行モードにおいてアクセル開度θaccに基づいて運転者による加速要求の有無が判定される(図中の[1]参照)。運転者による加速要求が有ると判定されたときは、必要に応じてMGアシスト制御CTmasが実行される。t1時点は、MGアシスト制御CTmasが開始された時点を示している。MGアシスト制御CTmasでは、例えば運転者操作による目標トルクTspt(破線A参照)と、エンジントルクTe(実線B参照)と、の差となる、目標トルクTsptに対してエンジントルクTeでは不足する不足分のトルクである不足分トルクTsa(=Tspt-Te)(破線C参照)が、MGトルクTm(実線D参照)として出力される(図中の[2]参照)。運転者操作による目標トルクTsptは、要求駆動トルクTrdemを実現する為に駆動力源(エンジン12、電動機MG)から出力させる必要があるトルクの目標値である。MGアシスト制御CTmasが実行されることによって運転者操作による目標トルクTsptが実現し易くされ、加速フィーリングを改善することができる。
図2では、後述するように、t2時点においてMGアシスト制御CTmasの終了が判定されているが、MGアシスト制御CTmasの終了判定を行わず、t2時点以降もMGアシスト制御CTmasを継続して実行しても良い。この場合には、t2時点以降もMGトルクTmとしては不足分トルクTsaが出力され、エンジントルクTeの実際値とMGトルクTmの実際値との合計トルクとなる実際の実現トルク(=Te+Tm)(太実線E参照)は、t2時点以降も目標トルクTsptが出力される。つまり、電動機制御部92bは、要求駆動トルクTrdemを実現するときにエンジン12による駆動力では不足する不足分を電動機MGによる駆動力にて補うことで、MGアシスト制御CTmasを行う。
図2では、t2時点においてMGアシスト制御CTmasの終了が判定されている。例えば、MGアシスト制御CTmasにおいて電動機MGが費やしたエネルギーであるMGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたら(図中の[3]参照)、MGアシスト制御CTmasの終了が判定される。MGアシスト時消費エネルギーEGmは、例えばMGアシスト制御CTmasにおいてバッテリ54が電動機MGに対して放電した電力の時間積分値である。MGアシスト時消費エネルギーEGmは、バッテリ充電量SOCの低下及び/又はバッテリ54の発熱量に関連性の高い値である。その為、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたらMGアシスト制御CTmasを終了することで、MGアシスト制御CTmasによるバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱によってその後のMGアシスト制御CTmasが実施し難くなるまでMGアシスト制御CTmasを続けてしまい、加速フィーリングが悪化してしまうことを抑制することができる。つまり、電動機制御部92bは、MGアシスト制御CTmasの実施毎に、バッテリ54の放電電力に基づいてMGアシスト時消費エネルギーEGmを算出し、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたか否かを判定し、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたと判定したらMGアシスト制御CTmasを終了する。MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたと判定したら直ぐにMGトルクTmをゼロとしてMGアシスト制御CTmasを終了しても良いが、図2に示すように、徐々にMGトルクTmを小さくしてMGアシスト制御CTmasを終了しても良い(t2時点-t3時点、図中の[4]参照)。所定エネルギーEGmfは、例えばバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱を抑制する為の予め定められた閾値である。この制御では、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えるまではMGアシスト制御CTmasにおけるMGトルクTmが不足分トルクTsaに対して制限されないので、つまり加速開始直後はMGアシスト制御CTmasにおける制限が為されないので、アクセル操作直後つまり加速操作直後のエンジントルクTeの立ち上がりが遅い期間には、MGアシスト制御CTmasを効果的に働かせることができる。
或いは、図2に示すように、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたらMGアシスト制御CTmasの終了が判定されることに替えて、MGアシスト制御CTmasの開始時点からの継続時間であるMGアシスト継続時間TMmasが所定時間TMfを超えたら(図中の[5]参照)、MGアシスト制御CTmasの終了が判定されても良い。つまり、電動機制御部92bは、MGアシスト制御CTmasの実施毎に、MGアシスト継続時間TMmasを計時し、MGアシスト継続時間TMmasが所定時間TMfを超えたか否かを判定し、MGアシスト継続時間TMmasが所定時間TMfを超えたと判定したらMGアシスト制御CTmasを終了する。所定時間TMfは、例えばバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱を抑制する為の予め定められた閾値である。MGアシスト継続時間TMmasを用いることで、MGアシスト時消費エネルギーEGmを用いることに比べて、同様の効果が簡易的に得られる。尚、図2では、便宜上、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えた時点もMGアシスト継続時間TMmasが所定時間TMfを超えた時点も同じt2時点としたが、両者は各々異なる時点であっても良い。
ところで、MGアシスト制御CTmasの実施によってバッテリ充電量SOCは低下させられる。このとき、バッテリ54が充電できなかったり、充電し難い状態とされていると、バッテリ充電量SOCが低下したままの状態とされ、その後のMGアシスト制御CTmasが実施し難くされて車両走行に支障を来すおそれがある。バッテリ54が充電できなかったり充電し難い状態である、バッテリ54の充電が制限されている状態は、例えばエンジン12が出力制限されている状態にあって、エンジン12の余剰トルクを用いて電動機MGによりバッテリ54が充電できなかったり、充電し難い状態である。エンジン12が出力制限されている状態は、エンジン12のトルク出力能力が低下している状態である。
そこで、電動機制御部92bは、エンジン12が出力制限されている状態にある場合には、バッテリ充電量SOCに拘わらず、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力を制限する。エンジン12が出力制限されている場面では、MGアシスト制御CTmasでの電力消費が抑えられ、バッテリ充電量SOCの低下が抑制されるので、バッテリ充電量SOCが低下したままの状態とされてその後のMGアシスト制御CTmasが実施し難くされるという事象を回避又は抑制することができる。
具体的には、ハイブリッド制御部92は、運転者による加速要求が有ると判定した場合には、エンジン12が出力制限されている状態にあるか否かを判定する。ハイブリッド制御部92は、例えばエンジン制御装置50が備えるスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などのエンジン部品の不具合、燃料の違いによる出力低下などが生じているか否かに基づいて、エンジン12が出力制限されている状態にあるか否かを判定する。
電動機制御部92bは、ハイブリッド制御部92によりエンジン12が出力制限されている状態にないと判定された場合には、通常のMGアシスト制御CTmasを許可し、必要に応じて通常のMGアシスト制御CTmasを実施する。一方で、電動機制御部92bは、ハイブリッド制御部92によりエンジン12が出力制限されている状態にあると判定された場合には、通常のMGアシスト制御CTmasを制限し、必要に応じて、制限したMGアシスト制御CTmasを実施する。通常のMGアシスト制御CTmasを制限することは、例えば通常のMGアシスト制御CTmasを禁止すること、又は、通常のMGアシスト制御CTmasを抑制することである。
通常のMGアシスト制御CTmasは、例えば要求駆動トルクTrdemを実現するときにエンジン12による駆動力では不足する不足分を電動機MGによる駆動力にて補うMGアシスト制御CTmasである。具体的には、通常のMGアシスト制御CTmasは、MGトルクTmとして不足分トルクTsaを出力するMGアシスト制御CTmas、つまり電動機MGによるアシスト量を不足分トルクTsaとするMGアシスト制御CTmasである。通常のMGアシスト制御CTmasを禁止することは、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによるアシスト量をゼロとすることである。通常のMGアシスト制御CTmasを抑制することは、電動機MGによるアシスト量をエンジン12による駆動力では不足する不足分よりも小さくされた抑制量とすることである。前記抑制量は、例えば不足分トルクTsaよりも小さくされた抑制トルクTsarである。抑制トルクTsarは、例えば不足分トルクTsaが予め定められた一定割合(<1)で乗算されたトルク値である。つまり、電動機制御部92bは、要求駆動トルクTrdemを実現するときにエンジン12による駆動力では不足する不足分を補う電動機MGによる駆動力を、ゼロとするか、又は、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて抑制することで、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力を制限する。
又は、通常のMGアシスト制御CTmasは、例えばMGアシスト制御CTmasの終了を判定する際にMGアシスト時消費エネルギーEGmとの比較に用いられる所定エネルギーEGmfを通常エネルギーEGmfuとするMGアシスト制御CTmasである。通常エネルギーEGmfuは、例えばバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱を抑制する為の予め定められた上限値である。通常のMGアシスト制御CTmasを禁止することは、所定エネルギーEGmfをゼロとすることである。通常のMGアシスト制御CTmasを抑制することは、所定エネルギーEGmfを通常エネルギーEGmfuよりも小さくされた抑制エネルギーEGmfrとすることである。つまり、電動機制御部92bは、所定エネルギーEGmfを、ゼロとするか、又は、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて小さくすることで、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力を制限する。
又は、通常のMGアシスト制御CTmasは、例えばMGアシスト制御CTmasの終了を判定する際にMGアシスト継続時間TMmasとの比較に用いられる所定時間TMfを通常時間TMfuとするMGアシスト制御CTmasである。通常時間TMfuは、例えばバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱を抑制する為の予め定められた上限値である。通常のMGアシスト制御CTmasを禁止することは、所定時間TMfをゼロとすることである。通常のMGアシスト制御CTmasを抑制することは、所定時間TMfを通常時間TMfuよりも短くされた抑制時間TMfrとすることである。つまり、電動機制御部92bは、所定時間TMfを、ゼロとするか、又は、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて短くすることで、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力を制限する。
運転者の加速意図が高いときは、運転者が加速フィーリングをより重視していると思われる。又、加速要求に対してエンジン12の出力応答性が低い場面では、目標トルクTsptに対するエンジントルクTeの差つまり不足分トルクTsaが大きくなる傾向がある為、加速フィーリングを改善する為により大きな電動機MGによる駆動力つまりMGアシスト時消費エネルギーEGmが必要とされる。その為、電動機制御部92bは、運転者の加速意図の状態、及び、エンジン12の出力応答性の状態のうちの少なくとも一方の状態に基づいて、所定エネルギーEGmfを変更しても良いし、所定時間TMfを変更しても良い。
具体的には、電動機制御部92bは、所定エネルギーEGmfを、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて大きくし、エンジン12の出力応答性が低い場合には高い場合に比べて大きくする。又は、電動機制御部92bは、所定時間TMfを、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて長くし、エンジン12の出力応答性が低い場合には高い場合に比べて長くする。
運転者の加速意図の状態を表すものは、例えばアクセル操作の状態、車両10に備えられたシフトレバー操作の状態、走行モードスイッチの状態などである。電動機制御部92bは、アクセル開度θaccが所定開度より大きいとき、アクセル開度θaccの変化率が所定変化率より大きいとき、自動変速機24の低車速側のギヤ段を選択するシフトレバー操作が為されたとき、又は、運転者によってスポーツ走行モード等の走行性能重視の走行モードが走行モードスイッチによって選択されているときには、運転者の加速意図が高いと判定する。
エンジン12の出力応答性の状態を表すものは、例えばエンジン回転速度Ne、自動変速機24のギヤ段、エンジン12が過給機付きエンジンであれば過給機による過給圧などである。電動機制御部92bは、エンジン回転速度Neが所定回転速度より低いとき、自動変速機24のギヤ段が所定ギヤ段より高車速側のギヤ段であるとき、又は、過給圧が所定過給圧より低いときには、エンジン12の出力応答性が低いと判定する。
図3は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、バッテリ54の充電が制限されているときに車両走行への支障を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。
図3において、先ず、ハイブリッド制御部92の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、運転者による加速要求が有るか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合はハイブリッド制御部92の機能に対応するS20において、エンジン12が出力制限されている状態にあるか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合は電動機制御部92bの機能に対応するS30において、通常のMGアシスト制御CTmasが許可され、必要に応じて通常のMGアシスト制御CTmasが実施される。このS20の判断が肯定される場合は電動機制御部92bの機能に対応するS40において、通常のMGアシスト制御CTmasが制限され、必要に応じて、制限されたMGアシスト制御CTmasが実施される。
上述のように、本実施例によれば、エンジン12が出力制限されている状態にある場合には、バッテリ充電量SOCに拘わらず、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力が制限されるので、エンジン12が出力制限されていることによって電動機MGによるバッテリ54の充電が制限されることに対して、MGアシスト制御CTmasにおける制限によって電動機MGによる電力消費が抑制され、バッテリ充電量SOCの低下が抑制されてその後のMGアシスト制御CTmasが実施し易くされる。よって、バッテリ充電量SOCが制限されているときに、車両走行への支障を抑制することができる。
また、本実施例によれば、MGアシスト制御CTmasにおいてエンジン12による駆動力では不足する不足分を補う電動機MGによる駆動力が、ゼロとされるか、又は、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて抑制されることで、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力が制限されるので、電動機MGによる電力消費が適切に抑制され、バッテリ充電量SOCの低下が適切に抑制される。
また、本実施例によれば、MGアシスト制御CTmasの実施毎に、MGアシスト時消費エネルギーEGmが所定エネルギーEGmfを超えたらMGアシスト制御CTmasが終了させられるので、又は、MGアシスト継続時間TMmasが所定時間TMfを超えたらアシスト制御が終了させられるので、MGアシスト制御CTmasの実施によるバッテリ充電量SOCの低下又はバッテリ54の発熱によってその後のMGアシスト制御CTmasが実施し難くなってしまうことを抑制することができる。
また、本実施例によれば、所定エネルギーEGmfが、ゼロとされるか、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて小さくされることで、又は、所定時間TMfが、ゼロとされるか、エンジン12が出力制限されていない状態にある場合に比べて短くされることで、MGアシスト制御CTmasにおける電動機MGによる駆動力が制限されるので、電動機MGによる電力消費が適切に抑制され、バッテリ充電量SOCの低下が適切に抑制される。
また、本実施例によれば、所定エネルギーEGmfは、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて大きくされ、エンジン12の出力応答性が低い場合には高い場合に比べて大きくされるので、又は、所定時間TMfは、運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて長くされ、エンジン12の出力応答性が低い場合には高い場合に比べて長くされるので、運転者の加速意図が高いときは、又、エンジン12の出力応答性が低いときは、MGアシスト制御CTmasの実施時間が比較的長くされてドライブフィーリングが改善され易くされる。運転者の加速意図が低いときは、又、エンジン12の出力応答性が高いときは、MGアシスト制御CTmasの実施時間が比較的短くされてエネルギー消費が抑制され易くされる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、自動変速機24として遊星歯車式の自動変速機を例示したが、この態様に限らない。自動変速機24は、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)を含む同期噛合型平行2軸式自動変速機、公知のベルト式無段変速機などであっても良い。又は、自動変速機24は、必ずしも備えられている必要はない。要は、駆動力源であるエンジンと、前記駆動力源であって前記エンジンの動力によって発電する発電機である電動機と、前記電動機に対して電力を授受する蓄電装置と、を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ22が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ22に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又は、流体式伝動装置は、必ずしも備えられている必要はなく、例えば発進用のクラッチに置き換えられても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
54:バッテリ(蓄電装置)
90:電子制御装置(制御装置)
92b:電動機制御部
MG:電動機
12:エンジン
14:駆動輪
54:バッテリ(蓄電装置)
90:電子制御装置(制御装置)
92b:電動機制御部
MG:電動機
Claims (6)
- 駆動力源であるエンジンと、前記駆動力源であって前記エンジンの動力によって発電する発電機である電動機と、前記電動機に対して電力を授受する蓄電装置と、を備えた車両の、制御装置であって、
運転者による加速要求が有るときに、前記車両に対する駆動要求量を実現するように、前記エンジンによる駆動力に加えて前記電動機による駆動力を駆動輪に付与する、前記電動機によるアシスト制御を行う電動機制御部を含んでおり、
前記電動機制御部は、前記エンジンが出力制限されている状態にある場合には、前記蓄電装置の充電量に拘わらず、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記電動機制御部は、前記駆動要求量を実現するときに前記エンジンによる駆動力では不足する不足分を前記電動機による駆動力にて補うことで、前記アシスト制御を行うものであり、
前記電動機制御部は、前記不足分を補う前記電動機による駆動力を、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて抑制することで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記電動機制御部は、前記アシスト制御の実施毎に、前記アシスト制御において前記電動機が費やしたエネルギーが前記蓄電装置の充電量の低下又は前記蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定エネルギーを超えたら前記アシスト制御を終了するものであり、
前記電動機制御部は、前記所定エネルギーを、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて小さくすることで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記電動機制御部は、前記運転者の加速意図の状態、及び、前記エンジンの出力応答性の状態のうちの少なくとも一方の状態に基づいて前記所定エネルギーを変更するものであり、
前記電動機制御部は、前記所定エネルギーを、前記運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて大きくし、前記エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて大きくすることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。 - 前記電動機制御部は、前記アシスト制御の実施毎に、前記アシスト制御の開始時点からの継続時間が前記蓄電装置の充電量の低下又は前記蓄電装置の発熱を抑制する為の予め定められた所定時間を超えたら前記アシスト制御を終了するものであり、
前記電動機制御部は、前記所定時間を、ゼロとするか、又は、前記エンジンが出力制限されていない状態にある場合に比べて短くすることで、前記アシスト制御における前記電動機による駆動力を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記電動機制御部は、前記運転者の加速意図の状態、及び、前記エンジンの出力応答性の状態のうちの少なくとも一方の状態に基づいて前記所定時間を変更するものであり、
前記電動機制御部は、前記所定時間を、前記運転者の加速意図が高い場合には低い場合に比べて長くし、前記エンジンの出力応答性が低い場合には高い場合に比べて長くすることを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
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JP2021047916A JP2022146776A (ja) | 2021-03-22 | 2021-03-22 | 車両の制御装置 |
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JP2022146776A true JP2022146776A (ja) | 2022-10-05 |
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Family Applications (1)
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JP2021047916A Pending JP2022146776A (ja) | 2021-03-22 | 2021-03-22 | 車両の制御装置 |
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-
2021
- 2021-03-22 JP JP2021047916A patent/JP2022146776A/ja active Pending
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