JP2023083124A - 車両の制御装置 - Google Patents

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晋悟 秋田
Shingo Akita
真吾 江藤
Shingo Eto
友宏 珍部
Tomohiro Chinbe
拓眞 杉野
Takuma Sugino
智也 稲吉
Tomoya Inayoshi
雅成 河合
Masanari Kawai
涼 里
Ryo Sato
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Abstract

【課題】変速機の変速とエンジンの始動とを重ねて実行するに際して、変速ショックを抑制する。【解決手段】変速機の変速の過渡中におけるエンジンの始動に際して、所定イナーシャ相開始期間とクランキングの開始とが重なる場合には、クランキングの開始が所定イナーシャ相開始期間後まで遅延され、又、所定イナーシャ相終了期間とクランキングの開始とが重なる場合には、クランキングの開始が所定イナーシャ相終了期間後まで遅延され、又、所定イナーシャ相開始期間とクラッチの同期完了時点とが重なる場合には、同期完了時点が所定イナーシャ相開始期間後となるようにクランキングの開始が遅延され、又、所定イナーシャ相終了期間と同期完了時点とが重なる場合には、同期完了時点が所定イナーシャ相終了期間後となるようにクランキングの開始が遅延されるので、変速ショックが発生し易い場面となることが回避又は抑制される。【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンと電動機との間に設けられたクラッチと、エンジン及び電動機を含む動力源からの動力を伝達する変速機と、を備えた車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用駆動装置の制御装置がそれである。この特許文献1には、エンジンの始動制御と変速機の変速制御とを重ねて実行する要求が為された場合、始動制御及び変速制御のうちの一方の制御を優先して実行し、その一方の制御を完了した後に、他方の制御を実行することが開示されている。
特開2010-36847号公報
ところで、始動制御と変速制御とを順に実行する場合には、両者を重ねて実行する場合に比べて狙いの駆動トルクの発生が遅れ、ドライバビリティーが低下する可能性がある。その為、ドライバビリティーを考慮すれば始動制御と変速制御とを重ねて実行することが好ましい。しかしながら、両者を重ねて実行する際に、協調させず、各々を独立して実行すると、始動制御時のクラッチのトルク容量と電動機からのクランキングトルクとのずれによる変速機の入力トルクの変動、クラッチの係合に伴ってエンジンが変速機側の動力伝達経路に連結されたことによる変速機の入力回転部材におけるイナーシャの変動等により、変速ショックが発生する可能性がある。変速ショックの抑制を考慮すれば始動制御と変速制御とを順に実行すれば良いが、ドライバビリティーの低下を抑制する為に、あくまでも両者を重ねて実行したうえで変速ショックを抑制することが望まれる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、変速機の変速とエンジンの始動とを重ねて実行するに際して、変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記エンジンの始動要求が有ると判定した場合には、前記エンジンが運転を開始するように前記エンジンを制御するエンジン制御部と、(c)前記エンジンの始動に際して、前記エンジンの回転速度を引き上げるクランキングに必要なクランキングトルクを伝達すると共に前記クラッチの入力回転速度と出力回転速度との同期を完了させるように、前記クラッチを制御して前記クラッチの制御状態を解放状態から係合状態へ切り替えるクラッチ制御部と、(d)前記クランキングに連動して前記クランキングトルクを前記電動機が出力するように前記電動機を制御する電動機制御部と、(e)予め定められた関係を用いて前記変速機の変速判断を行い、前記変速判断の結果に応じた変速比を成立させるように前記変速機を制御する変速機制御部と、を含んでおり、(f)前記クラッチ制御部は、前記変速機の変速の過渡中における前記エンジンの始動に際して、前記変速の過渡中におけるイナーシャ相の開始時点及び前記開始時点近傍の所定イナーシャ相開始期間と前記クランキングの開始とが重なる場合には、前記クランキングの開始を前記所定イナーシャ相開始期間後まで遅延し、又、前記イナーシャ相の終了時点及び前記終了時点近傍の所定イナーシャ相終了期間と前記クランキングの開始とが重なる場合には、前記クランキングの開始を前記所定イナーシャ相終了期間後まで遅延し、又、前記所定イナーシャ相開始期間と前記クラッチの同期完了時点とが重なる場合には、前記同期完了時点が前記所定イナーシャ相開始期間後となるように前記クランキングの開始を遅延し、又、前記所定イナーシャ相終了期間と前記同期完了時点とが重なる場合には、前記同期完了時点が前記所定イナーシャ相終了期間後となるように前記クランキングの開始を遅延することにある。
前記第1の発明によれば、変速機の変速の過渡中におけるエンジンの始動に際して、所定イナーシャ相開始期間とクランキングの開始とが重なる場合には、クランキングの開始が所定イナーシャ相開始期間後まで遅延され、又、所定イナーシャ相終了期間とクランキングの開始とが重なる場合には、クランキングの開始が所定イナーシャ相終了期間後まで遅延され、又、所定イナーシャ相開始期間とクラッチの同期完了時点とが重なる場合には、同期完了時点が所定イナーシャ相開始期間後となるようにクランキングの開始が遅延され、又、所定イナーシャ相終了期間と同期完了時点とが重なる場合には、同期完了時点が所定イナーシャ相終了期間後となるようにクランキングの開始が遅延されるので、変速ショックが発生し易い場面となることが回避又は抑制される。よって、変速機の変速とエンジンの始動とを重ねて実行するに際して、変速ショックを抑制することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 エンジン始動制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。 クランキング開始遅延要求の一例を説明する図である。 電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、自動変速機の変速とエンジンの始動とを重ねて実行するに際して変速ショックを抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。
本発明の実施形態において、前記変速機における変速比は、「入力回転部材の回転速度/出力回転部材の回転速度」である。前記変速機のハイ側の変速比は、変速比が小さくなる側である高車速側の変速比である。前記変速機のロー側の変速比は、変速比が大きくなる側である低車速側の変速比である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力源SPとして機能する、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。バッテリ54は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギーも同意である。前記動力は、特に区別しない場合には駆動力、トルク、及び力も同意である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、K0クラッチ20、トルクコンバータ22、自動変速機24等を備えている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられたクラッチである。トルクコンバータ22は、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。自動変速機24は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた変速機である。又、動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された1対のドライブシャフト32等を備えている。又、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結する電動機連結軸36等を備えている。
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸36に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路、特にはK0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。見方を換えれば、電動機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。
トルクコンバータ22は、電動機連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、及び自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。トルクコンバータ22は、動力源SPからの動力を流体を介して電動機連結軸36から変速機入力軸38へ伝達する流体式伝動装置である。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結する、つまり電動機連結軸36と変速機入力軸38とを連結する直結クラッチとしてのLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、公知のロックアップクラッチである。
自動変速機24は、例えば不図示の1組又は複数組の遊星歯車装置と、係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば複数の油圧式の係合装置例えば公知の摩擦係合装置を含んでいる。係合装置CBは、各々、車両10に備えられた油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの作動状態つまり制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/AT出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて、係合装置CBのうちの自動変速機24の変速に関与する係合装置の制御状態が切り替えられることで、形成されるギヤ段が切り替えられる。つまり、自動変速機24の変速制御においては、例えば変速に関与する係合装置の掴み替えにより変速が実行される、すなわち解放側係合装置の解放と係合側係合装置の係合とにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。解放側係合装置は、変速に関与する係合装置のうちの自動変速機24の変速前には係合状態とされていた係合装置であって、自動変速機24の変速過渡において係合状態から解放状態に向けて制御される係合装置である。係合側係合装置は、変速に関与する係合装置のうちの自動変速機24の変速前には解放状態とされていた係合装置であって、自動変速機24の変速過渡において解放状態から係合状態に向けて制御される係合装置である。AT入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Niは、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Ntと同値である。AT入力回転速度Niは、タービン回転速度Ntで表すことができる。AT出力回転速度Noは、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
K0クラッチ20は、例えば多板式或いは単板式のクラッチにより構成される油圧式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧された油圧であるK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの制御状態が切り替えられる。
車両10において、K0クラッチ20の係合状態では、エンジン12とトルクコンバータ22とが動力伝達可能に連結される。一方で、K0クラッチ20の解放状態では、エンジン12とトルクコンバータ22との間の動力伝達が遮断される。電動機MGはトルクコンバータ22に連結されているので、K0クラッチ20は、エンジン12を電動機MGと断接するクラッチとして機能する。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合された場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、電動機連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。又、電動機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、電動機連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、及びドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、動力源SPにより回転駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動する為のEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動させられて作動油OILを吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58及び/又はEOP60が吐出した作動油OILを元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0などを供給する。
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、クラッチ制御用、変速機制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、バッテリセンサ84、油温センサ86など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、AT入力回転速度Niと同値であるタービン回転速度Nt、車速Vに対応するAT出力回転速度No、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧制御回路56内の作動油OILの温度である作動油温THoilなど)が、それぞれ供給される。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、係合装置CBを制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御する為のLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御する為のEOP制御指令信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
各油圧制御指令信号Sについて、K0油圧制御指令信号Sk0を例示して説明する。電子制御装置90は、K0油圧PRk0の指令値として、油圧制御回路56から調圧されたK0油圧PRk0を供給させる為のK0クラッチ20の指示圧であるK0クラッチ指示圧Spk0を算出する。指示圧とは、係合装置に供給される作動油OILに対して電子制御装置90から指示される目標油圧であって、この指示圧に応じて係合装置に供給される実際の油圧である実油圧が変化する。電子制御装置90は、K0クラッチ指示圧Spk0を、油圧制御回路56に備えられたK0ソレノイドSLk0を駆動する為のK0指示電流値Sik0に変換する。K0ソレノイドSLk0は、K0油圧PRk0を出力するK0クラッチ20用のソレノイドバルブである。K0指示電流値Sik0は、電子制御装置90に備えられた、K0ソレノイドSLk0を駆動する駆動回路であるソレノイド用ドライバに対する指示電流である。K0油圧制御指令信号Sk0は、K0指示電流値Sik0に基づいて、ソレノイド用ドライバがK0ソレノイドSLk0を駆動する為の駆動電流又は駆動電圧である。つまり、K0クラッチ指示圧Spk0は、K0油圧制御指令信号Sk0に変換されて油圧制御回路56へ出力される。本実施例では、便宜上、K0クラッチ指示圧Spk0とK0油圧制御指令信号Sk0とを同意に取り扱う。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、クラッチ制御手段すなわちクラッチ制御部94、及び変速機制御手段すなわち変速機制御部96を備えている。
動力源制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部92aとしての機能と、インバータ52を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御手段すなわち電動機制御部92bとしての機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行するハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部である。
動力源制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdem[Nm]は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、変速機出力軸26における要求AT出力トルク等を用いることもできる。前記駆動要求量の算出では、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良い。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。
動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、車両10を駆動する駆動モードとしてモータ駆動モードつまりBEV駆動モードを成立させる。BEV駆動モードは、K0クラッチ20の解放状態において、エンジン12の運転が停止させられた状態で電動機MGのみを動力源SPに用いて走行するモータ走行つまり電動走行(=BEV走行)が可能な電動駆動モードである。一方で、動力源制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、駆動モードとしてエンジン駆動モードつまりHEV駆動モードを成立させる。HEV駆動モードは、K0クラッチ20の係合状態において、少なくともエンジン12を動力源SPに用いて走行するエンジン走行つまりハイブリッド走行(=HEV走行)が可能なハイブリッド駆動モードである。他方で、動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、バッテリ54の充電が必要な場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、駆動モードとしてHEV駆動モードを成立させる。
動力源制御部92特にはエンジン制御部92aは、エンジン12の制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン12の始動要求であるエンジン始動要求の有無を判定する。例えば、特にはエンジン制御部92aは、BEV駆動モード時に、要求駆動トルクTrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲よりも増大したか否か、又は、エンジン12等の暖機が必要であるか否か、又は、バッテリ54の充電が必要であるか否かなどに基づいて、エンジン始動要求が有るか否かを判定する。
クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにK0クラッチ20を制御する。例えば、クラッチ制御部94は、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達する為のK0トルクTk0が得られるように、解放状態のK0クラッチ20を係合状態に向けて制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0を油圧制御回路56へ出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。
動力源制御部92は、エンジン始動要求が有ると判定した場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにエンジン12及び電動機MGを制御する。例えば、電動機制御部92bは、エンジン12の始動に際して、K0クラッチ20の係合状態への切替えに合わせてつまりK0クラッチ20によるエンジン12のクランキングに連動して、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smをインバータ52へ出力する。このように、電動機制御部92bは、K0クラッチ20によるクランキングに連動して、K0クラッチ20を介して伝達されるクランキングトルクTcrを電動機MGが出力するように、すなわちMGトルクTmをクランキングトルクTcr分増加するように、電動機MGを制御する。又、エンジン制御部92aは、エンジン12の始動に際して、エンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン制御装置50へ出力する。このように、エンジン制御部92aは、エンジン始動要求が有ると判定した場合には、エンジン12が運転を開始するようにエンジン12を制御する。
エンジン12のクランキング時には、K0クラッチ20の係合に伴う反力トルクが生じる。この反力トルクは、BEV走行時には、エンジン始動中のエンジン12等のイナーシャによる駆動トルクTrの落ち込みを生じさせる。その為、エンジン12を始動する際にクランキングトルクTcrに向けて増加させられるMGトルクTmは、この反力トルクを打ち消す為のMGトルクTmであって、この反力トルクを補償するMGトルクTm分すなわち反力補償用のMGトルクTmである。クランキングトルクTcrは、エンジン12のクランキングに必要なK0トルクTk0であり、電動機MG側からK0クラッチ20を介してエンジン12側へ流れる、エンジン12のクランキングに必要なMGトルクTmである。クランキングトルクTcrは、例えばエンジン12の諸元、エンジン12の始動方法等に基づいて予め定められた例えば一定のトルクである。
図2は、エンジン12の始動制御つまりエンジン始動制御が実行された場合のタイムチャートの一例を示す図である。図2において、t1a時点は、例えばBEV走行中に、運転者によるアクセルペダルの踏み増し操作に伴ってエンジン始動要求が有ると判定されたことにより、エンジン始動制御が開始された時点を示している。エンジン始動制御の開始後、K0クラッチ20のパック詰め制御すなわちK0パック詰め制御が実行される(t1a時点-t2a時点参照)。パック詰め制御は、摩擦係合装置を、摩擦係合装置の摩擦プレート等におけるパッククリアランスが詰められた、パック詰めが完了した状態すなわちパック詰め完了状態とする制御である。摩擦係合装置のパック詰め完了状態は、そのパック詰め完了状態から摩擦係合装置へ供給する油圧を増大させれば摩擦係合装置がトルク容量を持ち始める状態である。K0パック詰め制御では、先ず、K0油圧PRk0の初期応答性を向上させる為に、一時的に高いK0クラッチ指示圧Spk0を出力するクイックアプライが実行され(a部参照)、次いで、K0クラッチ20のパック詰めを完了させる為に、一定圧で待機するパック詰め用定圧待機が実行される(b部参照)。破線に示すK0クラッチ指示圧Spk0では、K0クラッチ20をパック詰め完了状態に維持する為のK0油圧PRk0が出力されている。実線に示すK0クラッチ指示圧Spk0では、パック詰め完了状態に維持する為のK0油圧PRk0に、クランキングトルクTcrに相当するK0油圧PRk0分を加えた合計のK0油圧PRk0が出力されている。破線に示すK0クラッチ指示圧Spk0と実線に示すK0クラッチ指示圧Spk0とでは、K0パック詰め制御の期間は本来は異なるが、図2では便宜上同じ長さとしている。K0パック詰め制御の終了後、エンジン12をクランキングする為に、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達するK0クラッチ20によるクランキングすなわちK0クランキングが実行される(t2a時点-t3a時点参照)。K0クランキング時において、エンジン回転速度Neが引き上げられると、エンジン点火などが開始されてエンジン12が初爆させられる。これにより、エンジン回転速度Neは、エンジン12の燃焼トルクによって上昇させられる。
エンジン12の爆発による自立回転が安定した状態となると、すなわちエンジン12が完爆した状態となると、エンジン12と電動機MGとの回転同期制御、つまりエンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとを同期させるK0クラッチ20による同期制御すなわちK0同期制御が実行される(t3a時点-t4a時点参照)。エンジン回転速度Neは、エンジン連結軸34の回転速度であって、K0クラッチ20の入力回転速度と同値である。MG回転速度Nmは、電動機連結軸36の回転速度であって、K0クラッチ20の出力回転速度と同値である。つまり、エンジン回転速度NeとMG回転速度Nmとを同期させることとは、K0クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度とを同期させることと同意である。K0クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度との同期すなわちK0同期が完了した後、つまりK0クラッチ20の係合状態への切替えすなわちK0係合が完了した後、K0クラッチ20の完全係合状態を維持するK0完全係合制御が実行され(t4a時点以降参照)、その後、エンジン始動制御が完了させられる(t5a時点参照)。尚、本実施例では、エンジン12の始動タイプとして、エンジン12の自立回転でエンジン回転速度Neを上昇させる始動タイプが採用されているが、K0クランキングやK0同期制御の実行によってエンジン回転速度NeをMG回転速度Nmと同期させるまで引き上げるようにK0クラッチ指示圧Spk0を出力し、K0同期近傍まで又はK0同期までエンジン回転速度Neを引き上げた後にエンジン12の点火を開始する始動タイプが採用されても良い。
図2を参照すれば、クラッチ制御部94は、エンジン12の始動に際して、クランキングトルクTcrを伝達すると共にK0同期を完了させるように、K0クラッチ20を制御してK0クラッチ20の制御状態を解放状態から係合状態へ切り替える。
変速機制御部96は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機24の変速制御を実行する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。すなわち、変速機制御部96は、例えば変速マップを用いて成立させるべき自動変速機24のギヤ段を判断し、その判断したギヤ段が成立させられるように係合装置CBの制御状態を制御する為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速機制御部96は、自動変速機24の変速制御では、例えば係合装置CBのうちの解放側係合装置の解放状態への切替えと、係合装置CBのうちの係合側係合装置の係合状態への切替えと、によって自動変速機24の変速を行う。このように、変速機制御部96は、予め定められた関係を用いて自動変速機24の変速判断を行い、その変速判断の結果に応じた変速比γatを成立させるように自動変速機24を制御する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。前記変速マップでは、車速Vに替えてAT出力回転速度Noなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
自動変速機24の変速の進行段階すなわちフェーズについて、アップシフトを例示して説明する。変速機制御部96は、自動変速機24のアップシフトを判断した場合には、アップシフトのフェーズを、解放側係合装置を自動変速機24への入力トルクTinを受け持つことができるトルク容量で待機させると共に係合側係合装置をパック詰め完了状態とする準備段階すなわち準備フェーズとする為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力してアップシフトを開始する。準備フェーズは、解放側係合装置が解放状態へ切り替えられる為の準備と、係合側係合装置がトルク容量を持つ為の準備と、を行うクラッチ準備制御である。変速機制御部96は、準備フェーズの開始時点から所定準備時間が経過したか否かに基づいて、準備フェーズが完了したか否かを判定する。この所定準備時間は、例えば係合側係合装置がパック詰め完了状態となる為の予め定められた時間である。変速機制御部96は、準備フェーズが完了したと判定した場合には、解放側係合装置のトルク容量を漸減させると共に係合側係合装置のトルク容量を漸増させる為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力してトルク相を開始する。このトルク相は、アップシフトの場合、係合側係合装置がトルク容量を持ち出して、自動変速機24の出力トルクに変化が生じるフェーズである。アップシフトの過渡中にタービン回転速度Nt(=AT入力回転速度Ni)がアップシフト後同期回転速度(=No×アップシフト後のγat)に向けて低下させられると、アップシフトのフェーズはトルク相からイナーシャ相に遷移させられる。変速機制御部96は、イナーシャ相では、例えば変速時間と変速ショックとを考慮して予め定められた低下勾配でタービン回転速度Ntを変化させる為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速機制御部96は、タービン回転速度Ntがアップシフト後同期回転速度に一致したか否かに基づいて、アップシフトが終了したか否かを判定する。変速機制御部96は、アップシフトが終了したと判定した場合には、解放側係合装置のCB油圧PRcbをゼロとすると共に係合側係合装置のCB油圧PRcbを係合側係合装置を完全係合状態に維持するCB油圧PRcbとする為のCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力して、アップシフトに関わる一連の変速制御を完了する。
ところで、エンジン12の始動制御と自動変速機24の変速制御とが重なって実行される場合がある。この場合、自動変速機24への入力トルクTinの変動等により、変速ショックが発生する可能性がある。入力トルクTinを変動させる要因は、例えばK0クランキングの開始時つまりK0クラッチ20の係合時のK0トルクTk0と反力補償用のMGトルクTmとの立ち上がりタイミングのずれ、K0クラッチ20の同期完了時点すなわちK0同期時点やK0同期時点直後におけるK0トルクTk0とエンジントルクTeとのトルク段差などである。
そこで、電子制御装置90は、エンジン始動制御と変速制御とを重ねて実行する場合、変速ショックを抑制する為に、エンジン始動制御におけるK0クランキングの開始やK0同期時点と、変速制御の過渡中における変速イナーシャ相開始期間や変速イナーシャ相終了期間と、の重なりつまりK0ラップを回避する。電子制御装置90は、エンジン始動制御と変速制御とを重ねて実行する際に、K0ラップが生じる場合には、K0ラップが回避されるようにエンジン始動制御の開始を遅延させる。つまり、変速イナーシャ相開始期間において、K0クランキングの開始を遅延させる。又、変速イナーシャ相終了期間において、K0クランキングの開始を遅延させる。又、変速イナーシャ相開始期間において、K0同期時点との重なりを防ぐ為、クランキング予想期間に基づいてK0クランキングの開始を遅延させる。又、変速イナーシャ相終了期間において、K0同期時点との重なりを防ぐ為、クランキング予想期間に基づいてK0クランキングの開始を遅延させる。変速イナーシャ相開始期間は、例えば自動変速機24の変速の過渡中におけるイナーシャ相の開始時点及びその開始時点近傍の所定イナーシャ相開始期間である。変速イナーシャ相終了期間は、例えば自動変速機24の変速の過渡中におけるイナーシャ相の終了時点及びその終了時点近傍の所定イナーシャ相終了期間である。クランキング予想期間は、例えばK0クランキングの開始時点からK0同期時点までのクランキング期間の推定値である。
クラッチ制御部94は、自動変速機24の変速の過渡中におけるエンジン12の始動に際して、変速イナーシャ相開始期間とK0クランキングの開始とが重なる場合には、K0クランキングの開始を変速イナーシャ相開始期間後まで遅延し、又、変速イナーシャ相終了期間とK0クランキングの開始とが重なる場合には、K0クランキングの開始を変速イナーシャ相終了期間後まで遅延し、又、変速イナーシャ相開始期間とK0同期時点とが重なる場合には、K0同期時点が変速イナーシャ相開始期間後となるようにK0クランキングの開始を遅延し、又、変速イナーシャ相終了期間とK0同期時点とが重なる場合には、K0同期時点が変速イナーシャ相終了期間後となるようにK0クランキングの開始を遅延する。
具体的には、変速機制御部96は、自動変速機24の変速制御の実行中であるか否かを判定する。変速機制御部96は、自動変速機24の変速制御の実行中であると判定した場合には、変速イナーシャ相開始期間と変速イナーシャ相終了期間とを算出する。
変速制御の開始時点から、準備フェーズに要する予め定められた所定準備時間とトルク相に要する予め定められた目標トルク相時間との合計時間が経過した時点が、トルク相の終了時点すなわちイナーシャ相の開始時点として予測され得る。図3に示すように、イナーシャ相の開始時点(t4b時点参照)に対して予め定められた定数A時間だけ前の時点(t3b時点参照)から、イナーシャ相の開始時点に対して予め定められた定数B時間だけ後の時点(t5b時点参照)までの期間が変速イナーシャ相開始期間とされる。定数A及び定数Bは、例えば変速ショックが発生し易いイナーシャ相の開始前後の期間を定める為の予め定められた定数である。変速機制御部96は、例えば所定準備時間、目標トルク相時間、定数A、及び定数Bなどに基づいて、変速イナーシャ相開始期間を算出する。
イナーシャ相の開始時点から、イナーシャ相に要する予め定められた目標イナーシャ相時間が経過した時点が、変速の同期時点すなわちイナーシャ相の終了時点として予測され得る。図3に示すように、イナーシャ相の終了時点(t9b時点参照)に対して予め定められた定数C時間だけ前の時点(t7b時点参照)から、イナーシャ相の終了時点に対して予め定められた定数D時間だけ後の時点(t10b時点参照)までの期間が変速イナーシャ相終了期間とされる。定数C及び定数Dは、例えば変速ショックが発生し易いイナーシャ相の終了前後の期間を定める為の予め定められた定数である。変速機制御部96は、例えば目標イナーシャ相時間、定数C、及び定数Dなどに基づいて、変速イナーシャ相終了期間を算出する。
クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、K0クランキングの開始が変速機制御部96により算出された変速イナーシャ相開始期間内になるか否かを判定する。クラッチ制御部94は、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相開始期間内になると判定した場合には、図3に示すように、クランキング開始に基づくクランキング開始遅延要求を出力する(t3b時点-t5b時点参照)。つまり、変速イナーシャ相開始期間においてクランキング開始遅延要求が出力される。又、クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、K0クランキングの開始が変速機制御部96により算出された変速イナーシャ相終了期間内になるか否かを判定する。クラッチ制御部94は、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相終了期間内になると判定した場合には、図3に示すように、クランキング開始に基づくクランキング開始遅延要求を出力する(t7b時点-t10b時点参照)。つまり、変速イナーシャ相終了期間においてクランキング開始遅延要求が出力される。
クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、クランキング予想期間を算出する。クラッチ制御部94は、例えばエンジン12の始動タイプ、K0パック詰め制御におけるK0クラッチ指示圧Spk0の違い(図2中の実線及び破線参照)などに応じたエンジン回転速度Neの上昇勾配、車速Vの変化などに応じたMG回転速度Nmの変化状態、及びK0クラッチ20の差回転速度(=Nm-Ne)などに基づいて、クランキング予想期間を算出する(図3中のクランキング予想期間参照)。
クラッチ制御部94は、K0クランキングの開始からクランキング予想期間後の時点が変速機制御部96により算出された変速イナーシャ相開始期間内になるか否かを判定する。すなわち、クラッチ制御部94は、K0同期時点が変速イナーシャ相開始期間内になるか否かを判定する。クラッチ制御部94は、クランキング予想期間後の時点が変速イナーシャ相開始期間内になると判定した場合には、図3に示すように、クランキング予想期間に基づくつまりK0同期予測に基づくクランキング開始遅延要求を出力する(t1b時点-t2b時点参照)。つまり、(変速イナーシャ相開始期間-クランキング予想期間)においてクランキング開始遅延要求が出力される。又、クラッチ制御部94は、K0クランキングの開始からクランキング予想期間後の時点が変速機制御部96により算出された変速イナーシャ相終了期間内になるか否かを判定する。すなわち、クラッチ制御部94は、K0同期時点が変速イナーシャ相終了期間内になるか否かを判定する。クラッチ制御部94は、クランキング予想期間後の時点が変速イナーシャ相終了期間内になると判定した場合には、図3に示すように、クランキング予想期間に基づくクランキング開始遅延要求を出力する(t6b時点-t8b時点参照)。つまり、(変速イナーシャ相終了期間-クランキング予想期間)においてクランキング開始遅延要求が出力される。
クラッチ制御部94は、クランキング開始に基づくクランキング開始遅延要求と、クランキング予想期間に基づくクランキング開始遅延要求と、に基づいて、少なくとも一方のクランキング開始遅延要求が出力される期間を、クランキング開始遅延要求最終出力として設定する(図3中のクランキング開始遅延要求最終出力参照)。
クラッチ制御部94は、エンジン12の始動に際して、K0クランキングの開始がクランキング開始遅延要求最終出力を設定した期間内である場合には、その期間の停止後までK0クランキングの開始を遅延する。例えば、クラッチ制御部94は、K0クランキングの開始が図3の(t1b時点-t2b時点)の期間内である場合には、t2b時点までK0クランキングの開始を遅延し、クランキング開始遅延要求最終出力が停止されたt2b時点にてK0クランキングを開始する。一方で、クラッチ制御部94は、例えばK0クランキングの開始が図3のt1b時点よりも前である場合には、すぐその時にK0クランキングを開始する。
図4は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、自動変速機24の変速とエンジン12の始動とを重ねて実行するに際して変速ショックを抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えばBEV走行中に実行される。
図4において、先ず、変速機制御部96の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、自動変速機24の変速制御の実行中であるか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は変速機制御部96の機能に対応するS20において、変速イナーシャ相開始期間と変速イナーシャ相終了期間とが算出される。次いで、動力源制御部92の機能に対応するS30において、エンジン始動要求が有るか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合はクラッチ制御部94の機能に対応するS40において、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相開始期間内又は変速イナーシャ相終了期間内になるか否かが判定される。このS40の判断が否定される場合はクラッチ制御部94の機能に対応するS50において、K0クランキングの開始からクランキング予想期間後の時点が変速イナーシャ相開始期間内又は変速イナーシャ相終了期間内になる見込みであるか否かが判定される。上記S40の判断が肯定される場合は、又は、上記S50の判断が肯定される場合は、クラッチ制御部94の機能に対応するS60において、K0クランキングの遅延が要求される、つまりクランキング開始遅延要求が出力される。上記S10の判断が否定される場合は、又は、上記S30の判断が否定される場合は、又は、上記S50の判断が否定される場合は、クラッチ制御部94の機能に対応するS70において、K0クランキングの遅延が要求されない、つまりクランキング開始遅延要求が停止される。
上述のように、本実施例によれば、自動変速機24の変速の過渡中におけるエンジン12の始動に際して、変速イナーシャ相開始期間とK0クランキングの開始とが重なる場合には、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相開始期間後まで遅延され、又、変速イナーシャ相終了期間とK0クランキングの開始とが重なる場合には、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相終了期間後まで遅延され、又、変速イナーシャ相開始期間とK0同期時点とが重なる場合には、K0同期時点が変速イナーシャ相開始期間後となるようにK0クランキングの開始が遅延され、又、変速イナーシャ相終了期間とK0同期時点とが重なる場合には、K0同期時点が変速イナーシャ相終了期間後となるようにK0クランキングの開始が遅延されるので、変速ショックが発生し易い場面となることが回避又は抑制される。よって、自動変速機24の変速とエンジン12の始動とを重ねて実行するに際して、変速ショックを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、変速イナーシャ相開始期間及び/又は変速イナーシャ相終了期間は別の方法で算出されても良い。例えば、K0クランキングの開始が変速イナーシャ相開始期間内になるか否かを判定する際の変速イナーシャ相開始期間の終了時点(図3のt5b時点参照)は、イナーシャ相開始後のK0クランキングの開始が対象となる為、実際のイナーシャ相の開始時点に対して予め定められた定数E時間だけ後の時点としても良い。定数Eは、例えば変速ショックが発生し易い実際のイナーシャ相の開始後の期間を定める為の予め定められた定数である。実際のイナーシャ相の開始時点は、例えばタービン回転速度Ntが変速前の同期回転速度(=No×変速前のγat)に対してイナーシャ相が開始したと判断する為の予め定められた閾値以上変化したと判定された時点である。
また、前述の実施例において、一度の始動制御におけるK0クランキングの開始を遅延する期間は、ドライバビリティーの低下を考慮して予め定められた遅延時間以内としても良い。
また、前述の実施例では、自動変速機24として遊星歯車式の自動変速機を例示したが、この態様に限らない。例えば、自動変速機24は、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)を含む同期噛合型平行2軸式自動変速機、公知のベルト式無段変速機などであっても良い。要は、エンジンと電動機とを含む動力源と、エンジンと電動機との間に設けられたクラッチと、動力源の動力を駆動輪へ伝達する変速機と、を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、流体式伝動装置としてトルクコンバータ22が用いられたが、この態様に限らない。例えば、流体式伝動装置として、トルクコンバータ22に替えて、トルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が用いられても良い。又は、流体式伝動装置は、必ずしも備えられている必要はなく、例えば発進用のクラッチに置き換えられても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
20:K0クラッチ(クラッチ)
24:自動変速機(変速機)
90:電子制御装置(制御装置)
92a:エンジン制御部
92b:電動機制御部
94:クラッチ制御部
96:変速機制御部
MG:電動機

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられたクラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた変速機と、を備えた車両の、制御装置であって、
    前記エンジンの始動要求が有ると判定した場合には、前記エンジンが運転を開始するように前記エンジンを制御するエンジン制御部と、
    前記エンジンの始動に際して、前記エンジンの回転速度を引き上げるクランキングに必要なクランキングトルクを伝達すると共に前記クラッチの入力回転速度と出力回転速度との同期を完了させるように、前記クラッチを制御して前記クラッチの制御状態を解放状態から係合状態へ切り替えるクラッチ制御部と、
    前記クランキングに連動して前記クランキングトルクを前記電動機が出力するように前記電動機を制御する電動機制御部と、
    予め定められた関係を用いて前記変速機の変速判断を行い、前記変速判断の結果に応じた変速比を成立させるように前記変速機を制御する変速機制御部と、
    を含んでおり、
    前記クラッチ制御部は、前記変速機の変速の過渡中における前記エンジンの始動に際して、前記変速の過渡中におけるイナーシャ相の開始時点及び前記開始時点近傍の所定イナーシャ相開始期間と前記クランキングの開始とが重なる場合には、前記クランキングの開始を前記所定イナーシャ相開始期間後まで遅延し、又、前記イナーシャ相の終了時点及び前記終了時点近傍の所定イナーシャ相終了期間と前記クランキングの開始とが重なる場合には、前記クランキングの開始を前記所定イナーシャ相終了期間後まで遅延し、又、前記所定イナーシャ相開始期間と前記クラッチの同期完了時点とが重なる場合には、前記同期完了時点が前記所定イナーシャ相開始期間後となるように前記クランキングの開始を遅延し、又、前記所定イナーシャ相終了期間と前記同期完了時点とが重なる場合には、前記同期完了時点が前記所定イナーシャ相終了期間後となるように前記クランキングの開始を遅延することを特徴とする車両の制御装置。
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