JP2023106189A - シート排出装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートを排出するときの一対の排出ローラによるシートの搬送跡の軽減及びスタッキング性の確保を両立させた状態で、シートを排出方向とは反対方向に搬送する際のシートの遅れを低減させることができるシート排出装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】シート排出装置300は、支持部材330を備え、支持部材330は、駆動ローラ311側に付勢された状態で、駆動ローラ311が排出方向D1に回転するときには、第1接触部N1におけるシートPの第1進行方向W1が排出方向D1における下流側で上方に傾く第1接触位置に従動ローラ312を移動させ、駆動ローラ311が反転方向D2に回転するときには、第2接触部N2におけるシートPの第2進行方向W2が第1進行方向W1の傾きよりも水平方向に近くなる又は水平方向になる第2接触位置に従動ローラ312を移動させるように構成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、シート排出装置及びそれを備えた複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
駆動ローラ及び従動ローラで構成された一対の排出ローラを備え、一対の排出ローラにより用紙や原稿等のシートを排出トレイに排出するシート排出装置では、排出トレイ上に積載されるシートのスタッキング性を確保するために、シートが斜め上方に向けて排出するように従動ローラと駆動ローラとの接触部(ニップ部)の周方向における接触位置を変更していた。また、一対の排出ローラによるシートの搬送跡(ローラ跡)の軽減及びスタッキング性の確保のために、従動ローラの駆動ローラへの押圧力を低下させていた。このように、シートが斜め上方に向けて排出するように従動ローラの駆動ローラとの接触部の周方向における接触位置の位置を変更すると、例えば、両面印刷を行う場合のように、一対の排出ローラ(駆動ローラ及び従動ローラ)でシートを排出方向とは反対側の反転方向に搬送するスイッチバック搬送を行う場合には、シートの搬送方向がシート搬送路(スイッチバック搬送路)と合致していない(シート搬送路に対して斜めになる)ため、シートの先端がシート搬送路に接触する。しかも、従動ローラの駆動ローラへの押圧力が低下していることから、スイッチバック搬送を行うときのシートの搬送遅れが発生し易い。これらのことは、搬送方向に直交する幅方向のサイズが小さいシートや搬送方向におけるサイズが大きいシートで特に顕著となる。
この点に関し、特許文献1には、ソレノイドを使用して駆動ローラに対する従動ローラのニップ位置を変更して用紙の排出方向を変えることで、用紙を整然と排出する構成が記載されている(引用文献1の図3、図4参照)。
また、特許文献2には、排出ローラに対して回転駆動軸を偏心させることで、相手側のローラに対しニップ位置を変更して排紙トレイに対する排出方向を変えることで、排紙トレイの用紙の積載状態を良好にする構成が記載されている(引用文献2の図4参照)。
特開2007-91358号公報 特開2013-43738号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の構成では、シートを排出するときの一対の排出ローラによるシートの搬送跡の軽減及びスタッキング性の確保を両立させた状態で、シートを排出方向とは反対方向に搬送する際のシートの遅れを低減するようにはなっていない。
そこで、本発明は、駆動ローラ及び従動ローラで構成された一対の排出ローラを備え、一対の排出ローラによりシートを排出トレイに排出するシート排出装置であって、シートを排出するときの一対の排出ローラによるシートの搬送跡の軽減及びスタッキング性の確保を両立させた状態で、シートを排出方向とは反対方向に搬送する際のシートの遅れを低減させることができるシート排出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るシート排出装置は、駆動ローラ及び従動ローラで構成された一対の排出ローラを備え、前記一対の排出ローラによりシートを排出トレイに排出するシート排出装置であって、前記従動ローラを回転軸線回りに回転自在に支持する支持部材を備え、前記支持部材は、前記従動ローラの回転軸線に平行な回動軸線回りに回動し、かつ、前記駆動ローラ側に付勢された状態で、前記駆動ローラが前記シートを前記排出トレイへの排出方向に排出するように回転するときには、前記従動ローラと前記駆動ローラとの第1接触部における前記シートの第1進行方向が前記排出方向における下流側で上方に傾く第1接触位置に前記従動ローラを移動させ、前記駆動ローラが前記シートを前記排出方向とは反対側の反転方向に搬送するように回転するときには、前記従動ローラと前記駆動ローラとの第2接触部における前記シートの第2進行方向が前記第1進行方向の傾きよりも水平方向に近くなる又は水平方向になる第2接触位置に前記従動ローラを移動させるように構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係るシート排出装置と、前記排出トレイと、を備えたことを特徴とする。
本発明によると、シートを排出するときの一対の排出ローラによるシートの搬送跡の軽減及びスタッキング性の確保を両立させた状態で、シートを排出方向とは反対方向に搬送する際のシートの遅れを低減させることが可能となる。
本実施の形態に係る画像形成装置を正面から視た概略断面図である。 図1に示す画像形成装置におけるシート排出装置を正面側の下方から視た斜視図である。 従動ローラを支持する支持部材を正面側の斜め下方から視た斜視図である。 従動ローラを支持する支持部材を背面側の斜め上方から視た斜視図である。 支持部材における回動軸線に対する第1接触位置に位置する従動ローラの回転軸線、第2接触位置に位置する従動ローラの回転軸線及び付勢される支持部材の押圧点の位置関係を説明するための側面図である。 第1接触位置に位置する従動ローラと駆動ローラとの第1接触部を示す側面図である。 第2接触位置に位置する従動ローラと駆動ローラとの第2接触部を示す側面図である。 図5Aに示す駆動ローラと従動ローラとの第1接触位置部分を拡大して示す拡大側面図である。 図5Bに示す駆動ローラと従動ローラとの第2接触位置部分を拡大して示す拡大側面図である。 第1直線距離、第2直線距離、第3直線距離及び付勢力の具体的な値によって得られた第1押圧力及び第2押圧力の実施例の値を示す図表である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[画像形成装置]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100を正面から視た概略断面図である。図において、符号Xは正面から視て左右方向、符号X1,X2はそれぞれ左側(一方側)、右側(他方側)を表している。符号Yは左右方向Xに直交する奥行方向、符号Y1,Y2はそれぞれ正面側(一方側)、背面側(他方側)を表している。符号Zは鉛直方向(上下方向)を表している。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置である。画像形成装置100は、画像読取装置120により読み取られた画像データ、又は、外部から伝達された画像データに応じて、画像形成処理を行う。なお、画像形成装置100は、用紙等のシートP対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、原稿送り装置200と、画像形成装置本体110とを備えている。画像形成装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
原稿送り装置200は、シート載置トレイ210(原稿載置トレイ)と、シート供給部220(原稿供給部)と、シート搬送部230(原稿搬送部)と、シート排出装置240(原稿排出装置)と、排出トレイ250(原稿排出トレイ)と、を備えている。シート載置トレイ210は、原稿Gを載置する。シート供給部220は、シート載置トレイ210に載置された原稿Gを1枚ずつシート搬送部230に供給する。シート搬送部230は、シート供給部220にて供給された原稿Gを搬送する。シート排出装置240は、シート搬送部230にて搬送された原稿Gを排出トレイ250に向けて排出する。シート排出装置240は、排出ローラ対241(図1参照)を備えている。排出トレイ250は、シート排出装置240にて排出された原稿G~Gを積載する。原稿送り装置200において、シート載置トレイ210と排出トレイ250とが上下方向で重なるように配設されている。
画像形成部102は、露光ユニット1、現像ユニット2、像担持体として作用する感光体ドラム3、クリーニング部4、帯電装置5及び定着ユニット7を備えている。また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82、シート排出装置300及び排出トレイ14を備えている。
画像形成装置本体110の上部には、原稿Gの画像を読み取るための画像読取装置120が設けられている。画像読取装置120は、原稿Gが載置される原稿載置台221を備えている。また、原稿載置台221の上側には原稿送り装置200が設けられている。画像形成装置100では、画像読取装置120で読み取られた原稿Gの画像は、画像データとして画像形成装置本体110に送られ、シートP上に画像が記録される。
画像形成装置本体110にはシート搬送路S1が設けられている。給紙トレイ81又は手差し給紙トレイ82は、シートPをシート搬送路S1に供給する。シート搬送路S1は、シートPを転写ローラ10及び定着ユニット7を経て排出トレイ14に導く。定着ユニット7は、シートP上に形成されたトナー像をシートPに加熱定着する。シート搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ11a,11b、搬送ローラ12a、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7における定着ローラ71及び加圧ローラ72、シート排出装置300の排出ローラ310が配設されている。シート排出装置300は、シートPを排出方向D1に直交する幅方向Hにおける中央基準で排出トレイ250に向けて排出する。
また、シート排出装置300は、シートPに対して両面印刷を行う場合には、シートPを反転方向D2に搬送する。すなわち、画像形成装置100は、シートPに対して両面印刷を行う場合には、一対の排出ローラ310を順方向に回転させた後、一対の排出ローラ310を逆方向に回転させてシートPを排出方向D1とは反対側の反転方向D2に搬送するスイッチバック搬送を行うようになっている。画像形成装置本体110には、シート搬送路S1上の分岐部S1aからシート搬送路S1のレジストローラ13よりも上流側(スイッチバック搬送路)に導く反転シート搬送路S2が設けられている。
シート搬送路S1と反転シート搬送路S2との間の分岐部S1aの近傍には、分岐爪Tが設けられている。分岐爪Tは、分岐部S1aからのシートPを一対の排出ローラ310に導く第1切替姿勢(図1の実線に示す姿勢)と、一対の排出ローラ310からスイッチバックしてくるシートPを反転シート搬送路S2に導く第2切替姿勢(図1の想像線に示す姿勢)とをとる。反転シート搬送路S2の近傍には、反転搬送ローラ12b~12bが配設されている。
画像形成装置100では、先ず、分岐爪Tが第1姿勢にされ、給紙トレイ81又は手差し給紙トレイ82にて供給されたシートPがレジストローラ13まで搬送される。次に、シートPがレジストローラ13によりシートPと感光体ドラム3上のトナー像とを整合するタイミングで転写ローラ10に搬送される。次に、感光体ドラム3上のトナー像が転写ローラ10によりシートP上に転写される。その後、シートPが定着ユニット7における定着ローラ71及び加圧ローラ72に通過し、搬送ローラ12a、分岐爪T、及び排出ローラ310を経て排出トレイ14に向けて排出方向D1に排出される。シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、分岐爪Tが第2姿勢にされ、シートPが排出ローラ310から反転シート搬送路S2に向けて反転方向D2にスイッチバック搬送される。次に、反転搬送ローラ12b~12bを経てシートPの表裏が反転されてシートPがレジストローラ13へ再度導かれる。そして、分岐爪Tが第1姿勢にされ、表面と同様にして、シートPの裏面にトナー像が形成されて定着された後、排出トレイ14へ向けて排出される。
[シート排出装置]
(第1実施形態)
図2は、図1に示す画像形成装置100におけるシート排出装置300を正面側の斜め下方から視た斜視図である。
シート排出装置300は、駆動ローラ311及び従動ローラ312で構成された一対の排出ローラ310を備え、一対の排出ローラ310によりシートPを排出トレイ14に排出する。
詳しくは、駆動ローラ311は、回転軸311aと、回転軸311aに固定された1又は複数(この例では2つ)の駆動ローラ部311b,311bと、を備えている。シート排出装置300は、駆動伝達機構320を備えている。駆動伝達機構320は、第1伝達ギヤ321(3211,3212)と、第2伝達ギヤ322と、中間ギヤ323と、を備えている。外側の第1伝達ギヤ321(3211)は、図示を省略した回転駆動部(駆動モータ)の駆動ギヤに噛み合わされる。内側の第1伝達ギヤ321(3212)は、第2伝達ギヤ322に噛み合わされる。第2伝達ギヤ322は、駆動ローラ311の回転軸311aに固定されている。中間ギヤ323は、内側の第1伝達ギヤ321(3212)に噛み合わされ、かつ、第2伝達ギヤ322に噛み合わされる。第1伝達ギヤ321(3211,3212)及び中間ギヤ323は、それぞれ、シート排出装置本体301に固定された固定軸321a,323aに回転自在に支持されている。回転軸311aは、シート排出装置本体301(本体フレーム)に回転自在に支持されている。これにより、駆動ローラ311は、回転駆動部により駆動伝達機構320を介して回転駆動することができる。
シート排出装置300は、従動ローラ312を回転軸線α(回転軸312a)回りに回転自在に支持する支持部材330を備えている。従動ローラ312は、回転軸312aと、回転軸312aに固定された1又は複数(この例では2つ)の従動ローラ部312b,312bと、を備えている。支持部材330は、回転軸312aを回転軸線α回りに支持する。
図3A及び図3Bは、それぞれ、従動ローラ312を支持する支持部材330を正面側の斜め下方及び背面側の斜め上方から視た斜視図である。
支持部材330は、従動ローラ312の回転軸線αに平行な回動軸線β(回動軸330a)回りに回動する。
詳しくは、支持部材330は、上方及びシートPの排出側を開放した箱型の形状とされている。支持部材330の幅方向Hにおける両側の側面331,332には、回動軸330aが突出している。支持部材330の回動軸330aは、シート排出装置本体301(本体フレーム)に回動自在に支持されている。
図4は、支持部材330における回動軸線βに対する第1接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線α(α1)、第2接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線α(α2)及び付勢される支持部材330の押圧点Qの位置関係を説明するための側面図である。図4において、実線の従動ローラ312は第1接触位置に位置している状態を示し、破線の従動ローラ312は第2接触位置に位置している状態を示している。
また、図5A及び図5Bは、それぞれ、第1接触位置及び第2接触位置に位置する従動ローラ312と駆動ローラ311との第1接触部N1及び第2接触部N2を示す側面図である。
支持部材330は、駆動ローラ311側に付勢された状態で、駆動ローラ311がシートPを排出トレイ14への排出方向D1に排出するように順方向R1に回転するときには、従動ローラ312と駆動ローラ311との第1接触部N1(第1ニップ部)におけるシートPの第1進行方向W1)が排出方向D1における下流側で上方に傾く第1接触位置(図4の実線、図5A参照)に従動ローラ312を移動させ、駆動ローラ311がシートPを排出方向D1とは反対側の反転方向D2に搬送するように逆方向R2に回転するときには、従動ローラ312と駆動ローラ311との第2接触部N2(第2ニップ部)におけるシートPの第2進行方向W2が第1進行方向W1の傾きよりも水平方向に近くなる又は水平方向になる第2接触位置(図4の破線、図5B参照)に従動ローラ312を移動させるように構成されている。
詳しくは、シート排出装置300では、第1接触位置及び第2接触位置は、第1接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線α(α1)と第2接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線α(α2)とを通る仮想直線Laが排出方向D1における下流側で上方に傾いている。
本実施の形態では、駆動ローラ311が順方向R1に回転するときには、従動ローラ312は、駆動ローラ311の順方向R1の回転に従動して回転しつつ駆動ローラ311の回転力により第1接触位置に移動する。一方、駆動ローラ311が逆方向R2に回転するときには、駆動ローラ311の逆方向R2の回転に従動して回転しつつ駆動ローラ311の回転力により第2接触位置に移動する。このとき、従動ローラ312が第1接触位置に位置するときの第1接触部N1におけるシートPの第1進行方向W1が上方に傾斜し、従動ローラ312が第2接触位置に位置するときの第2接触部N2におけるシートPの第2進行方向W2が第1進行方向W1の傾斜よりも水平方向に近くなる或いは水平方向になる。
換言すれば、第1接触部N1の周方向における中央部での第1接線δ1(図5A参照)(第1進行方向W1)は、排出方向D1における下流側(シートPが排出トレイ14の方に進む側)が第2接触部N2の周方向における中央部での第2接線δ2(図5B参照)(第2進行方向W2)の排出方向D1における下流側よりも上になるように傾いている。
従って、シートPを斜め上方に向けて排出することができ、これにより、スタッキング性を確保することができる。また、第1接触位置(図5A参照)に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第1押圧力F1は、第2接触位置(図5B参照)に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第2押圧力F2よりも小さくすることができる。これにより、シートPを排出するときの一対の排出ローラ310によるシートPの搬送跡を軽減させることができる。
ここで、第1押圧力F1及び第2押圧力F2について図6A及び図6Bを参照しながら以下に説明する。
図6Aは、図5Aに示す駆動ローラ311と従動ローラ312との第1接触位置部分を拡大して示す拡大側面図である。図6Aにおいて、f1は、駆動ローラ311が従動ローラ312を排出方向D1側に移動させる第1移動力であり、f1aは、第1移動力f1に対する支持部材330の回動軸線βを中心とする径方向K1の第1径方向成分の分力であり、f1bは、第1移動力f1に対する径方向K1に直交する直交方向K2の第1直交方向成分の分力である。
図6Bは、図5Bに示す駆動ローラ311と従動ローラ312との第2接触位置部分を拡大して示す拡大側面図である。図6Bにおいて、f2は、駆動ローラ311が従動ローラ312を反転方向D2側に移動させる第2移動力であり、f2aは、第2移動力f2に対する支持部材330の回動軸線βを中心とする径方向K1の第2径方向分力であり、f2bは、第2移動力f2に対する径方向K1に直交する直交方向K2の第2直交方向分力である。
図6A及び図6Bにおいて、F3は、付勢される支持部材330に支持された従動ローラ312の駆動ローラ311への付勢力である。
図6Aに示すように、第1移動力f1と第1直交方向分力f1bとのなす第1角度をθ1とすると、
f1b=f1×cosθ1
となる。
そうすると、第1接触位置に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第1押圧力F1は、
F1=F3-f1b=F3-f1×cosθ1
となる。
一方、図6Bに示すように、第2移動力f2と第2径方向分力f2aとのなす第2角度をθ2とすると、
f2b=f2×sinθ2
となる。
そうすると、第2接触位置に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第2押圧力F2は、
F2=F3+f2b=F3+f2×sinθ2
となる。
従って、第1接触位置に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第1押圧力F1は、第2接触位置に位置する従動ローラ312の駆動ローラ311への第2押圧力F2よりも小さいことになる。
支持部材330における回動軸線βの位置は、図4に示すように、従動ローラ312の回転軸線α以外の位置に位置していればよく、好ましくは、従動ローラ312が移動する側とは反対側の位置を例示できる。この例では、支持部材330における回動軸線βに対して、図4に示すように、第1接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線αとの第1直線距離をL1、第2接触位置に位置する従動ローラ312の回転軸線αとの第2直線距離をL2、付勢部材340により付勢される支持部材の押圧点Qとの第3直線距離をL3とすると、L1>L2>L3の関係となっている。ここで、押圧点Qは、付勢部材340に付勢される支持部材330の付勢領域における中心点である。但し、この位置関係は、単なる一例であり、第1押圧力F1を第2押圧力F2よりも小さくすることができれば、図4に示す位置関係に限定されるものではない。
[実施例]
図7は、第1直線距離L1、第2直線距離L2、第3直線距離L3及び付勢力F3の具体的な値によって得られた第1押圧力F1及び第2押圧力F2の実施例の値を示す図表である。
図7に示すように、第1直線距離L1を24.2mm、第2直線距離L2を21.5mm、第3直線距離L3を20.4mm、付勢力F3を29419.84Pa(300.00gf/cm)とすると、第1押圧力F1が24800.20Pa(252.89gf/cm)となったのに対して第2押圧力F2が27914.64Pa(284.65gf/cm)となり、第1押圧力F1が第2押圧力F2よりも小さくなった。
ところで、従動ローラ312が第2接触位置に位置するときのシートPの第2進行方向W2をシート搬送路S1の方向(例えば水平方向)に近づける方が、シートPの先端のシート搬送路S1への接触を抑制し易い。
この点、本実施の形態では、第2進行方向W2が第1進行方向W1の傾斜よりも水平方向に近くなる或いは水平方向になる。
こうすることで、従動ローラ312が第2接触位置に位置するときにシートPを反転方向D2に搬送するシートPの第2進行方向W2をシート搬送路S1の方向(例えば水平方向)に近づけることができ、これにより、シートPの先端のシート搬送路S1への接触を抑制することができる。しかも、第2接触位置に位置しているときの従動ローラ312の駆動ローラ311への第2押圧力F2を第1接触位置に位置しているときの従動ローラ312の駆動ローラ311への第1押圧力F1よりも大きくすることができる。従って、スイッチバック搬送を行うときのシートPの搬送遅れの発生を効果的に防止することができる。これらのことは、排出方向D1に直交する幅方向Hのサイズが小さいシートPや排出方向D1におけるサイズが大きいシートPで特に有効となる。
本実施の形態では、従動ローラ312は、駆動ローラ311の下方に位置している。第1接触位置は、第2接触位置よりも排出方向D1における下流側かつ上側の位置である。支持部材330の回動軸線βは、従動ローラ312の回転軸線αよりも排出方向D1における上流側に位置する。
このように、第1接触位置が第2接触位置よりも排出方向D1における下流側かつ上側の位置であり、支持部材330の回動軸線βが従動ローラ312の回転軸線αよりも排出方向D1における上流側に位置することで、従動ローラ312が駆動ローラ311の下方に位置する構成において、第2押圧力F2を第1押圧力F1よりも大きくする構成を容易に実現させることができる。
(第2実施形態)
本実施の形態では、支持部材330には、従動ローラ312の回転軸312aが移動する長孔330bが設けられている。長孔330bは、排出方向D1における下流側が上流側よりも上方に傾斜するように形成されている。
このように、支持部材330に従動ローラ312の回転軸312aが移動する長孔330bを設けることで、簡単な構成でありながら、従動ローラ312を第1接触位置と第2接触位置との間で確実に移動させることができる。
本実施の形態では、長孔330bは、駆動ローラ311の回転軸線λを中心とする円弧状に形成されている。
このように、長孔330bを駆動ローラ311の回転軸線λを中心とする円弧状に形成することで、従動ローラ312を第1接触位置と第2接触位置との間で確実にかつ円滑に移動させることができる。
(第3実施形態)
本実施の形態では、駆動ローラ311の回転軸線λと従動ローラ312の回転軸線α(α1,α2)とを通る仮想直線Lb(Lb1,Lb2)と、従動ローラ312の回転軸線α(α1,α2)と支持部材330の回動軸線βとを通る仮想直線Lcとのなす角度φ(φ1,φ2)が90度を超え180度未満(この例では110度程度)である。
このように、仮想直線Lb(Lb1,Lb2)と仮想直線Lcとのなす角度θが90度を超え180未満とすることで、従動ローラ312の駆動ローラ311への第1押圧力F1及び第2押圧力F2として、付勢される支持部材330に支持された従動ローラ312の駆動ローラ311への付勢力F3を有効に利用することができる。
本実施の形態では、角度φは、従動ローラ312が第1接触位置に位置しているときの角度φ1であってもよいし、従動ローラ312が第2接触位置に位置しているときの角度φ2であってもよい。角度φを従動ローラ312が第2接触位置に位置しているときの角度φ2とすることで、第2接触位置に位置しているときの駆動ローラ311への第2押圧力F2として、従動ローラ312の駆動ローラ311への付勢力F3を有効に利用することができる。
(第4実施形態)
本実施の形態では、支持部材330を駆動ローラ311に向けて付勢する付勢部材340(この例では巻ばね)を備えている。このように、付勢部材340を用いて支持部材330を駆動ローラ311に向けて付勢することで、支持部材330に支持された従動ローラ312を駆動ローラ311に向けて確実に付勢することができる。
詳しくは、付勢部材340は、支持部材330の排出方向D1における下流側の端部における底面330cと画像形成装置本体110(本体フレーム)の底板との間において支持部材330における従動ローラ312を駆動ローラ311に向けて押圧するように設けられている。付勢部材340の一端部341は、支持部材330の底面330cに設けられた突出部333に挿通されている。
(第5実施形態)
本実施の形態では、駆動ローラ311の回転軸線λと、第1接触位置に位置しているときの従動ローラ312の回転軸線α(α1)とを結ぶ仮想直線Lb(Lb1)(図5A参照)は、従動ローラ312の回転軸線α(α1)が駆動ローラ311の回転軸線λよりも排出方向D1における下流側に位置するように傾斜する。このように、駆動ローラ311の回転軸線λと、第1接触位置に位置しているときの従動ローラ312の回転軸線αとを結ぶ仮想直線Laの下側がシートPの排出方向D1における下流側に傾斜することで、シートPを斜め上方に向けて確実に排出することができ、これにより、スタッキング性をさらに確保することができる。
(第6実施形態)
本実施の形態では、駆動ローラ311の回転軸線λと、第2接触位置に位置しているときの従動ローラ312の回転軸線α(α2)とを結ぶ仮想直線Lb(Lb2)(図5B参照)が重力の方向である鉛直方向Z又は略鉛直方向Zに沿う。ここで、略鉛直方向Zは、鉛直方向Zに対して±5度程度の範囲を例示できる。
このように、駆動ローラ311の回転軸線λと、第2接触位置に位置しているときの従動ローラ312の回転軸線α(α2)とを結ぶ仮想直線Lb(Lb2)が鉛直方向Z又は略鉛直方向Zに沿うことで、第2接触部N2におけるシートPの第2進行方向W2を水平方向又は略水平方向にすることができ、これにより、シートPの先端のシート搬送路S1への接触をさらに抑制することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した実施の形態では、従動ローラ312が駆動ローラ311の下方に位置しているが、従動ローラ312が駆動ローラ311の上方に位置してもよい。この場合、所定の移動機構により、駆動ローラ311の順方向R1の回転により従動ローラ312を反転方向D2側に移動させ、かつ、駆動ローラ311の逆方向R2の回転により従動ローラ312を排出方向D1側に移動させるようにすることができる。
また、本実施の形態では、シートを用紙(記録用紙)としたが、原稿としてもよい。この場合、本実施の形態に係るシート排出装置300は、原稿送り装置200におけるシート排出装置240に適用することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
12a 搬送ローラ
12b 反転搬送ローラ
14 排出トレイ
300 シート排出装置
301 シート排出装置本体
310 排出ローラ
311 駆動ローラ
311a 回転軸
311b 駆動ローラ部
312 従動ローラ
312a 回転軸
312b 従動ローラ部
320 駆動伝達機構
330 支持部材
330a 回動軸
330b 長孔
330c 底面
331 側面
333 突出部
340 付勢部材
D1 排出方向
D2 反転方向
F1 第1押圧力
F2 第2押圧力
F3 付勢力
H 幅方向
K1 径方向
K2 直交方向
L1 第1直線距離
L2 第2直線距離
L3 第3直線距離
La 仮想直線
Lb 仮想直線
Lc 仮想直線
N1 第1接触部
N2 第2接触部
P シート
Q 押圧点
R1 順方向
R2 逆方向
S1 シート搬送路
S1a 分岐部
S2 反転シート搬送路
T 分岐爪
W1 第1進行方向
W2 第2進行方向
X 左右方向
Z 鉛直方向
f1 第1移動力
f1b 第1直交方向分力
f2 第2移動力
f2a 第2径方向分力
α 回転軸線
β 回動軸線
θ 角度
φ 角度
λ 回転軸線

Claims (10)

  1. 駆動ローラ及び従動ローラで構成された一対の排出ローラを備え、前記一対の排出ローラによりシートを排出トレイに排出するシート排出装置であって、
    前記従動ローラを回転軸線回りに回転自在に支持する支持部材を備え、
    前記支持部材は、前記従動ローラの回転軸線に平行な回動軸線回りに回動し、かつ、前記駆動ローラ側に付勢された状態で、前記駆動ローラが前記シートを前記排出トレイへの排出方向に排出するように回転するときには、前記従動ローラと前記駆動ローラとの第1接触部における前記シートの第1進行方向が前記排出方向における下流側で上方に傾く第1接触位置に前記従動ローラを移動させ、
    前記駆動ローラが前記シートを前記排出方向とは反対側の反転方向に搬送するように回転するときには、前記従動ローラと前記駆動ローラとの第2接触部における前記シートの第2進行方向が前記第1進行方向の傾きよりも水平方向に近くなる又は水平方向になる第2接触位置に前記従動ローラを移動させるように構成されている、ことを特徴とするシート排出装置。
  2. 請求項1に記載のシート排出装置であって、
    前記従動ローラは、前記駆動ローラの下方に位置しており、
    前記第1接触位置は、前記第2接触位置よりも前記排出方向における下流側かつ上側の位置であり、
    前記支持部材の回動軸線は、前記従動ローラの回転軸線よりも前記排出方向における上流側に位置する、ことを特徴とするシート排出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシート排出装置であって、
    前記支持部材には、前記従動ローラの回転軸が移動する長孔が設けられており、
    前記長孔は、前記排出方向における下流側が上流側よりも上方に傾斜するように形成されている、ことを特徴とするシート排出装置。
  4. 請求項3に記載のシート排出装置であって、
    前記長孔は、前記駆動ローラの回転軸線を中心とする円弧状に形成されている、ことを特徴とするシート排出装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1つに記載のシート排出装置であって、
    前記駆動ローラの回転軸線と前記従動ローラの回転軸線とを通る仮想直線と、前記従動ローラの回転軸線と前記支持部材の回動軸線とを通る仮想直線とのなす角度が90度を超え180度未満である、ことを特徴とするシート排出装置。
  6. 請求項5に記載のシート排出装置であって、
    前記角度は、前記従動ローラが前記第2接触位置に位置しているときの角度である、ことを特徴とするシート排出装置。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか1つに記載のシート排出装置であって、
    前記支持部材を前記駆動ローラに向けて付勢する付勢部材を備えている、ことを特徴とするシート排出装置。
  8. 請求項1から請求項7までの何れか1つに記載のシート排出装置であって、
    前記駆動ローラの回転軸線と、前記第1接触位置に位置しているときの前記従動ローラの回転軸線とを結ぶ仮想直線は、前記従動ローラの回転軸線が前記駆動ローラの回転軸線よりも前記排出方向における下流側に位置するように傾斜する、ことを特徴とするシート排出装置。
  9. 請求項1から請求項8までの何れか1つに記載のシート排出装置であって、
    前記駆動ローラの回転軸線と、前記第2接触位置に位置しているときの前記従動ローラの回転軸線とを結ぶ仮想直線が重力の方向である鉛直方向又は略鉛直方向に沿う、ことを特徴とするシート排出装置。
  10. 請求項1から請求項9までの何れか1つに記載のシート排出装置と、前記排出トレイと、を備えたことを特徴とする、画像形成装置。
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