JP2023104000A - 培地の打錠方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の粉末培地は、使用の際、計量の煩わしさ、計量誤り、飛散、ボトル、袋の開封後湿気を帯びるため長期保存ができなかったが、培地を錠剤化することで使用、管理、保存に格段の利便性を提供する。【解決手段】培地なる粉末は、その性質上賦形剤、滑沢剤を添加することは組成に変化をもたらし逸脱する。また、培地粉末をそのまま打錠機に供給しても、生産性が低く、様々な打錠障害が発生するため錠剤化が困難とされていたが、粉末の粒度、水分値、打錠時の予圧、本圧、打錠機の回転数を調製することで錠剤を製造し、培地の使用、管理、保存に格段の利便性を発揮する。また、錠剤化された培地をTPT包装、個包装することで使用途中に他の錠剤に影響を及ぼすことが無く、長期保存を可能とするものである。

Description

本発明は、培地なる粉末に、圧縮形成および打錠する際、既存の賦形剤、滑沢剤を添加することなく、滑沢性、結着性を高め、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングを抑制した粉末に調製し、その粉末で圧縮形成機および打錠機で得た錠剤を提供する。圧縮形成機、打錠機への供給時にトラブルを出すことなく安定した生産を継続できる形成、打錠方法を提供することである。また、なし得た錠剤は発泡感を有し崩壊性が良いことを特徴とする錠剤を提供することである。
圧縮形成機および打錠機で錠剤を安定製産するためには賦形剤、滑沢剤が添加され粉末と打錠機間の摩擦を軽減し、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングの打錠障害を回避し好条件で打錠できる様添加量を調製して打錠化するのが一般的である。賦形剤、滑沢剤を添加することなく打錠すると生産性や打錠強度は低く、錠剤の破損につながった。また、培地に至っては賦形剤、滑沢剤を添加すると組成を変えてしまいその役割を損ね使用することができなかった。しかし、粉末のまま使用することは、計量の煩わしさ、計量の誤り、保管の不便さ、ボトル、袋の開封後長期保存ができないことなど様々な問題があった。
特開2004-329155号公報 特願2007-129976号公報 特願2008-290145号公報
培地は計量のわずらわしさ、飛散、こぼす、開封後は長期保存ができない問題があった。また培地の圧縮形成化、打錠化の際には、賦形剤、滑沢剤を添加しなければ滑沢製、結着製が悪く、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングを発生し打生産性が低いもしくは、打錠できないため敬遠されてきた。また培地は、その性質上成分に賦形剤、滑沢剤を添加することは組成に変化をもたらしその役目を逸脱することとなるため打錠化さることはなかった。
培地を圧縮形成化、打錠化する際、既存の賦形剤、滑沢剤を添加することなく、その粉末の滑沢性・結着性を高めるよう粉末の粒子、水分値を調製し、圧縮形成機および打錠機への粉末供給時にトラブルを出すことなく安定した生産を継続する、更には、打錠機の与圧、本圧、打錠速度を調製することで、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングを抑制し安定製造することで得た錠剤を提供する。また、本願発明によりなし得た錠剤は発泡感を有し崩壊することを特徴とする。
本願発明で、錠剤を形成する装置は、圧縮形成機(例落雁形成機)、ロータリー式打錠機、直動式(モーター駆動)、エキセントリック式(レシプロ式)がある。圧縮形成機は、粉末に湿度を帯びているほうが形成しやすく、水分値の高い圧縮形成が可能である。ロータリー式に比べエキセントリック式や直動式は打錠速度が低速であるが、予圧、本圧の調製が可能であれば錠剤を形成することは可能である。また打錠のしやすさや商業的生産量はロータリー式打錠機であるが、それぞれ打錠のしやすさを単純に比較することはできない。それゆえ粉末に適合する圧縮形成機および打錠機を選出するものとする。
ロータリー式打錠機は高速で打錠するので、打錠中の粉末に存在していた空気を粉末の外に排出しにくく、賦形剤、滑沢剤を添加しない場合、粉末粒子の相互接着が充分でないために、錠剤上部が帽子のごとく剥がれるキャッピング、錠剤の中間部が層状に剥離するラミネーションが生じ易くなる。しかしながら、錠剤中の空気をすべて追い出してしまうと、崩壊性が悪くなるため、予圧、本圧の2段階を調節し錠剤中に空気を残存させ、水中に投じた際には、発泡感を有し崩壊することを特徴とする錠剤を提供するものである。
培地なる粉末を圧縮形成機やロータリー式打錠機で、賦形剤、滑沢剤を添加しない粉末を打錠する場合、発生するキャッピング、ラミネーション、バインディングを防止するためにロータリー打錠機の回転数を制御し、原料となる粉末を打錠に適切な粒度3~800ミクロンに調製、好ましくは粒度を揃える、粉末の一部を微粉に調製、または粉末すべてを微粉に調製し、粉末を圧縮形成機および打錠機に供給し打錠し得た錠剤を提供する。水中に投じた際には、発泡感を有し崩壊することを特徴とする錠剤を提供するものである。
培地なる粉末の粉砕はローラーミル、ジェットミル、遊星ボールミル、回転ミル、振動ミル、ピンミル、ハンマーミル、アトライター、ビーズミルで粒度を3~800μmより好ましくは、10~300μmに調製した粉末を圧縮形成機および打錠機に供給することで得た錠剤を提供する。
培地なる粉末を打錠する際、水分値を定温乾燥機、恒温乾燥機、低温乾燥機、ドラム乾燥機、流動層乾燥機、振動流動乾燥機、気流乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥機、ドラムドライヤー乾燥機、攪拌乾燥機、窒素乾燥機、デシケーター乾燥の中から適宜選択し、水分値を調製し整えた粉末を圧縮形成機および打錠機に供給することで得た錠剤を提供する。
指示薬を含む培地の一例でBGLB培地を乾燥するための乾燥装置は定温乾燥機、恒温乾燥機、低温乾燥機、ドラム乾燥機、流動層乾燥機、振動流動乾燥機、気流乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥機、ドラムドライヤー乾燥機、攪拌乾燥機、窒素乾燥機、デシケーター乾燥の中から適宜選択をする。一例でBGLB培地の乾燥温度を60℃以上で乾燥をするとブリリアントグリーンがダメージを受け、幾分か黄色味を帯びる色素変化を発症するためより好ましくは60℃以下が好ましい。
ブイヨン培地粉末の一例でBGLB粉末培地をそのまま打錠機に供給すると、粉末の流れが悪く、出来上がった錠剤の重量が安定しないばかりかキャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングの打錠障害を発生するこれは、ブイヨン粉末の水分値が高いために粉末の中に塊が発生し粒度が一定でないことが原因である。ここで打錠に適した水分値を模索したところ1.7~4.2%より好ましくは2.1~2.7%が安定した連続打錠による錠剤を得た。また粉末中にできた塊を本来の粒度に戻すため乾燥または、造流し粒度は1.1~300μm、より好ましくは8~150μmに調製し整えた粉末を圧縮形成機および打錠機に供給することで得た錠剤を提供する。
寒天を含む培地の一例で標準寒天培地の粉末粒度を測定すると、ブイヨンの部分と粒度と安定しない寒天の部分に分かれる。ブイヨンの部分の粒度は約0.3~60μm、寒天部分が約6~400μmである。この寒天部分の粒度を0.3~300μmより好ましくは、10~200μmに調製する。さらに水分値2.0~5.5%であるが、より好ましくは2.5~3.3%に調製をする。この粉末のブイヨンの部分の水分値は2.7~5.0%であるが、より好ましくは2.1~3.2%に調製する。この時、寒天部分を過乾燥すると圧縮形成および打錠した際に結着性を失うため打錠には適さなかった。
寒天を含む培地の一例でデスオキシコーレイト培地の粉末の粒度を測定すると、ブイヨンの部分と粒度の安定しない寒天の部分に分かれる。ブイヨンの部分の粒度約0.4~200μm、寒天部分は、約6~400μmである。この寒天部分の粒度を0.3~300μmより好ましくは、10~200μmに調製し、さらに水分値は2.5%~5.5%であるが、より好ましくは2.5%~3.5に調製をする。またブイヨンの部分の水分値は2.7~5.0%であるが、より好ましくは2.1~3.2%に調製する。この時、寒天部分を過乾燥すると圧縮形成および打錠した際に結着性を失うため打錠には適さなかった。
培地なる粉末のブイヨンの部分の乾燥温度35~60℃より好ましくは、40~45℃で定温乾燥機、恒温乾燥機、低温乾燥機、ドラム乾燥機、流動層乾燥機、振動流動乾燥機、気流乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥、ドラムドライヤー乾燥機、攪拌乾燥機、窒素乾燥、デシケーター乾燥の中から適宜選択をする。
培地の打錠形状は、丸型、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、楕円形、ラグビーボール形、円柱形、または層錠の中から用途、使用形状にあった形状を適宜選択する。
錠剤は、PTP包装、個装することで使用途中の他の錠剤に影響を及ぼすことが無く、大量に使用する際はピロー包装やカートリッジ式の専用容器に移し長期保存を可能とした。
培地は使用の際計量の煩わしさ、計量誤り、飛散、ボトルおよび袋の開封後湿気を帯びるため長期保存ができない問題があった。また、培地粉末をそのまま圧縮形成機および打錠機に供給しても、生産性が低く、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングの様々な打錠障害を発生する。これを生産性良く打錠するために下記実験を行い。培地の打錠化を図った。
下記図1~2のグラフは何も調製しないBGLB培地の粒度測定グラフである。図1の粉末の粒度分布約1.7~152μm平均粒度約22.7μmの粉末で、水分値約3.3%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程では、粉末の流動性がやや悪く、錠剤に一定の質量が得られにくく錠剤側面にはバインディングが発生した。また、同粉末を恒温乾燥機で55~60℃で10時間乾燥し、水分値を2.7%にして、再度ロータリー打錠機に供給した所、流動性は改善され錠剤を得ることに成功した。しかし、打錠し得たBGLG錠剤を水に投入し121℃15分滅菌し得た液体は、通常のBGLB粉末培地を水に投入し121℃15分滅菌し得た水溶液に比べると、やや黄色がかった液体となった。(図9)BGLB溶液がやや黄色味を帯びる現象は糖が分解され酸を発した場合または、使用水が酸性であった場合であるが、乾燥時に糖が分解されて酸性に傾くことは考えにくいため、乾燥時の温度がブリリアントグリーンにダメージを与えたと推測した。そこで、図1の粉末を恒温乾燥機で40~45℃12時間12時間乾燥させ水分値を2.9%に調節したところ、錠剤側面のバインディングを解消することができ連続打錠に至った。また未調製のBGLB粉末培地を40~45℃と55~60℃で水分値を調製したBGLB錠剤をそれぞれ水に投入し121℃15分滅菌し得た水溶液を分光測色計で計測した。(図10)この水溶液のphは7.2±0.3の管理幅に適合であった。図2の粉末の粒度分布は約11~3000μm平均粒度約430μmの粉末で水分値約3.4%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程では、粉末の流動性が悪く、錠剤に一定の質量が得られなかったばかりかキャッピング、ラミネーションが発生した。また、同粉末を恒温乾燥機で40~45℃12時間乾燥し、水分値約2.7%にして、再度ロータリー打錠機に供給した所、流動性は多少改善されたが、打錠された錠剤はやや脆かった。
図1
Figure 2023104000000001
図2
Figure 2023104000000002
図3、5のグラフは何も調製しないデスオキシコーレイト培地の粒度測定グラフである。図3の粒度分布は約0.76~300μm、平均約46.6μm、水分値約4.3%であった。この粉末をロータリー打錠機に粉末を供給する工程で、流動性が悪く、キャッピングおよびラミネーションの発生で錠剤を成さなかった。図4は、図3の粉末を微粉砕したもので粒度分布約2.5μm~174μm、平均粒度約24.7μm、同粉末を恒温乾燥機40~45℃で12時間乾燥し、水分値約3.2%に調製した。この粉末をロータリー打錠機に粉末を供給する工程で、図3の粉末よりも流動性は良く、錠剤に一定の質量が得らたが、キャッピング、ラミネーションの発生がみられた。また、同粉末を恒温乾燥機で50~55℃12時間乾燥し、水分値約2.9%にして、再度ロータリー打錠機に粉末を供給する工程で、流動性は改善されたが、寒天の部分の過乾燥で砂状を呈し打錠の際、結着剤の役目を果たさなくなってしまった。図5の粒度分布図は約6~400μm、平均粒度約81μm、水分値約4.2%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、流動性は改善され錠剤が得られたが、途中キャッピングおよびラミネーションが発生した。また、図3,4、5の錠剤の水溶液と、通常のデスオキシコーレイトの粉末から得た溶液を分光色測計で計測した。(図9)これら溶液のPHは標準の7.2±0.3に適合した。
図3
Figure 2023104000000003
図4
Figure 2023104000000004
図5
Figure 2023104000000005
図6はのグラフは何も調製しない標準寒天培地の粒度測定グラフである。図6の粒度分布は約7.1~340μm、平均約131μm、水分値約3.75%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、流動性が悪くほとんど錠剤を成さなかった。図7の粒度分布は約0.5~260μm、平均約47.5μm、水分値約3.3%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、流動性は図6の粉末よりもやや良いが、打錠途中でキャッピングおよびラミネーションが発生した為得た錠剤は少なかった。図8は図7の粉末を微粉砕したもので粒度分布約0.25μm~10μm、平均粒度約3.2μmに調整し、同粉末を恒温乾燥機40~45℃で12時間乾燥、水分値約3.2%に調製した。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、図6,7の粉末よりも流動性は良く、錠剤に一定の質量が得られるようになったが、打錠した錠剤中に、キャッピング、ラミネーションの発生がみられた。また、同粉末を恒温乾燥機で50~55℃12時間乾燥し、水分値約2.9%に調製し、この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、流動性はさらに改善されたが、寒天部分の過乾燥で砂状を呈し打錠の際、結着剤の役目を果たさなくなった。またキャッピング、ラミネーションの発生で得られた錠剤は少なかった。図9の粒度分布は約2~10μm、平均粒度約3.2μm、水分値約4.2%であった。この粉末をロータリー打錠機に供給する工程で、流動性は良く錠剤は得られたが、打錠した錠剤中にキャッピングおよびラミネーションの発生を見た。また、図6~9で得られた錠剤と標準寒天培地の粉末にそれぞれ水を加え加温溶解後、121℃20分滅菌、45~50℃の恒温層で放冷し得た溶液を分光色測計で計測した。(図10)またこれら溶液のphは7.1±0.2の管理幅に適合した。
図6
Figure 2023104000000006
図7
Figure 2023104000000007
図9
Figure 2023104000000008
図10の1~3は未処理の各粉末培地、4は比較品、恒温乾燥機40℃、60℃で乾燥して打錠した錠剤を寒天培地、BGLBは121℃20分加熱、デスオキシコーレイト培地は加温溶解をし、その後恒温層で45~50℃に調製したあと分光色測計で測定した。
図10
Figure 2023104000000009
各培地のブイヨン部分の水分値を1.5~6.5%より好ましくは、2~3%に調製し、寒天部分は微粉砕10~200μmより好ましくは、10~100μm、水分値1.5~6.5%より好ましくは、2.5~3.7%に調製した粉末をロータリー打錠機に供給することで流動性の改善と錠剤を得ることに成功した。
実施、調製法を上記に示したが、これに限定されるものではない。
本願発明は、培地を使用の際に起こり得る、計量の煩わしさ、計量誤り、飛散、ボトルや袋の開封後湿気を帯びるため長期保存ができないことの問題を、培地なる粉末を錠剤化することで、数量カウントができ、見える化を図り、計量の煩わしさ、誤りを解決するに至った。また培地粉末をそのまま打錠機に供給しても、生産性が低く、キャッピング、ラミネーション、スティッキング、バインディングの様々な打錠障害が発生するが、既存の賦形剤、滑沢剤を添加をすることなく、培地なる粉末の粒度、および水分値を調製し、さらには、打錠時の予圧、本圧、打錠機の回転数を調製することで打錠圧を調製し、圧縮成形機および打錠機にて打錠して錠剤を製造する方法である。また、あえて錠剤内に空気を残存することで崩壊性を良くした。本願発明は、今後の培地の使用、管理、保存に格段の利便性を発揮する可能性がある。

Claims (3)

  1. 培地なる粉末の粉砕は、粉砕ミルにより粒度を3~800ミクロンにしたものを、水分調整することで、キャッピング、ラミネーション、スティッキングおよびバインディングを抑制し、圧縮形成機または打錠機で安定した打錠を継続的可能にした錠剤の製造方法。
  2. 前記水分値調整において、水分値を1.2~5.5%に調節することを特徴とする請求項1記載の錠剤の製造方法。
  3. 粉末培地を圧縮形成機または、打錠機で打錠する錠剤は、予圧および本圧を打錠圧3~75N,錠剤1錠あたりの質量を10~5500mg、錠剤径5~30mmである錠剤を製造することを特徴とする請求項1~2記載の錠剤の製造方法。
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