JP2023103663A - 温度センサ、高温機器ユニット、及び、温度センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シース熱電対の温度応答性の低下や温度ドリフトの発生を抑制することができる基本性能を確保しつつも、検出対象機器からの引き出し方向の設定の自由度を高めることができ、かつ、容易に製造することができる温度センサ、高温機器ユニット、及び、温度センサの製造方法を提供する。【解決手段】温度センサは、シース熱電対15と保護管16とを備えている。保護管16は、シース熱電対15が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器の管路外壁13を貫通して先端部がシース熱電対15とともに検出対象機器の被検出部12に配置される。保護管16の長手方向の中途部には曲げ部16cが設けられる。保護管16へのシース熱電対15の挿入に伴うシース熱電対15の接触点P1,P2は、保護管16の内周面のうちの、曲げ部16cの近傍と、被検出部12に配置される先端部の近傍とに配置される。【選択図】図2
Description
本発明は、温度センサ、高温機器ユニット、及び、温度センサの製造方法に関するものである。
天然ガス等の源燃料ガスと水蒸気から水素を含む改質ガスを生成し、生成した改質ガスと、酸素を含む酸化剤ガスを燃料電池に供給して発電を行う燃料電池モジュールが知られている。
この種の燃料電池モジュールでは、燃料電池が起動、発電、停止と状態遷移しつつ運転が行われる。燃料電池モジュールは、各機器の内部の温度を温度センサによって検出し、その検出結果に基づいて制御装置が各機器を制御する。温度センサとしては、多くの場合、シース熱電対が保護管に収容されて使用される(例えば、特許文献1参照)。
この種の燃料電池モジュールでは、燃料電池が起動、発電、停止と状態遷移しつつ運転が行われる。燃料電池モジュールは、各機器の内部の温度を温度センサによって検出し、その検出結果に基づいて制御装置が各機器を制御する。温度センサとしては、多くの場合、シース熱電対が保護管に収容されて使用される(例えば、特許文献1参照)。
シース熱電対を用いる温度センサは、上記の燃料電池モジュールのような内部が高温(例えば、500℃以上の高温)となる機器の温度計測に用いる場合、シース熱電対が経時使用によって劣化することが懸念される。このため、このような用途で用いる温度センサは、保護管の先端部を機器内の被検出部に設置した状態のまま、保護管内に配置されるシース熱電対を外部から交換できる構造とされている。
シース熱電対を用いる温度センサは、通常、直線状に延びる保護管の内部にシース熱電対が挿入配置され、感温部であるシース熱電対の先端部が保護管の先端部内に位置されている。この場合、シース熱電対と保護管が広い面積で面接触すると、被検出部内の熱によって両者が焼き付き、シース熱電対の交換時にシース熱電対の取り外しが不能になる。このため、保護管の主要部の内径はシース熱電対の外径よりも充分に大きく設定されている。一方、保護管の先端部は、感温部であるシース熱電対の先端部との隙間が大きいと、そのことがシース熱電対の温度応答性の低下や温度ドリフトの発生原因となり易い。このため、保護管の先端部は、縮径加工や別体の縮径した削り出し部品の取り付け等によってシース熱電対の先端部との隙間を狭めている。
しかし、上記の温度センサは、保護管が直線状に延びる構造とされているため、検出対象機器からの温度センサの引き出し方向が限定されてしまう。このため、温度センサの引き出し方向を所望の方向に設定しようとすると、検出対象機器の設置向きや検出対象機器の内部の形状が大幅に制限されることになる。
例えば、シース熱電対の感温部が検出対象機器の高温の外壁の熱の影響を受けるのを避けるために、感温部(先端部)を検出対象機器の管路の深い位置(外壁のうち保護管が貫通固定される部位から離間した位置)に配置しようとすると、検出対象機器の直線状の管路と交差する屈曲部の壁から温度センサが直線状に引き出されることになる。この場合、温度センサの引き出し方向を所望の方向に向けようとすると、検出対象機器の設置向きや検出対象機器内の管路形状が大幅に制限されることになる。
また、上記の温度センサは、保護管の先端部以外の部分の内径がシース熱電対の外径よりも充分に大きく設定され、かつ先端部が縮径されている。このため、シース熱電対の焼き付きを防止しつつ、シース熱電対の温度応答性の低下や温度ドリフトを抑制することができる。
しかし、上記の温度センサは、保護管の先端部に、縮径加工を施したり、別体の削り出し部品を取り付けたりする必要があり、そのことが製造を難しくし、製品コストの高騰の原因となり易い。
しかし、上記の温度センサは、保護管の先端部に、縮径加工を施したり、別体の削り出し部品を取り付けたりする必要があり、そのことが製造を難しくし、製品コストの高騰の原因となり易い。
そこで本発明は、シース熱電対の温度応答性の低下や温度ドリフトの発生を抑制することができる基本性能を確保しつつも、検出対象機器からの引き出し方向の設定の自由度を高めることができ、かつ、容易に製造することができる温度センサ、高温機器ユニット、及び、温度センサの製造方法を提供しようとするものである。
本発明に係る温度センサは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る温度センサは、先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対(例えば、実施形態のシース熱電対15)と、前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器(例えば、実施形態の改質器2、燃料電池3)の管路外壁(例えば、実施形態の管路外壁13)を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記検出対象機器の被検出部(例えば、実施形態の被検出部12)に配置される保護管(例えば、実施形態の保護管16)と、を備え、前記保護管の長手方向の中途部には曲げ部(例えば、実施形態の曲げ部16c)が設けられ、前記保護管への前記シース熱電対の挿入に伴う前記シース熱電対の接触点(例えば、実施形態の接触点P1,P2)が、前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに配置されていることを特徴とする。
即ち、本発明に係る温度センサは、先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対(例えば、実施形態のシース熱電対15)と、前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器(例えば、実施形態の改質器2、燃料電池3)の管路外壁(例えば、実施形態の管路外壁13)を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記検出対象機器の被検出部(例えば、実施形態の被検出部12)に配置される保護管(例えば、実施形態の保護管16)と、を備え、前記保護管の長手方向の中途部には曲げ部(例えば、実施形態の曲げ部16c)が設けられ、前記保護管への前記シース熱電対の挿入に伴う前記シース熱電対の接触点(例えば、実施形態の接触点P1,P2)が、前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに配置されていることを特徴とする。
上記の構成により、保護管内に挿入配置されたシース熱電対は、保護管の曲げ部の内周面の近傍と、保護管の内周面の先端部の近傍に接触する。このため、保護管全体の内径をシース熱電対の外径に対して充分に大きく設定しても、感温部であるシース熱電対の先端部は保護管の先端部の近傍に接触する。このため、本発明に係る温度センサは、温度応答性の低下や温度ドリフトの発生を招くことなく検出対象機器内の温度を正確に計測することができる。
また、本発明に係る温度センサは、保護管に曲げ部を設けておき、その保護管内にシース熱電対を挿入するだけで、シース熱電対が自然に保護管の曲げ部の近傍の内周面と先端部の近傍の内周面とに接触する。このため、本発明に係る温度センサは、保護管の先端部に煩雑な縮径加工を施したり、別体の削り出し部品の取付けを行うことなく、容易に製造することができる。
また、本発明に係る温度センサは、保護管が直線形状ではなく、曲げ部を持つ形状とされているため、曲げ部の曲げ方向や曲げ形状を変更することにより、検出対象機器から比較的自由な方向に向けて引き出すことができる。
また、本発明に係る温度センサは、保護管に曲げ部を設けておき、その保護管内にシース熱電対を挿入するだけで、シース熱電対が自然に保護管の曲げ部の近傍の内周面と先端部の近傍の内周面とに接触する。このため、本発明に係る温度センサは、保護管の先端部に煩雑な縮径加工を施したり、別体の削り出し部品の取付けを行うことなく、容易に製造することができる。
また、本発明に係る温度センサは、保護管が直線形状ではなく、曲げ部を持つ形状とされているため、曲げ部の曲げ方向や曲げ形状を変更することにより、検出対象機器から比較的自由な方向に向けて引き出すことができる。
前記被検出部は、前記検出対象機器の直線状に延びる管路(例えば、実施形態の管路11)の内部に位置され、前記保護管は、前記管路の内部に配置される部分が前記管路に沿って直線状に延びるようにしても良い。
この場合、保護管が被検出部の直線状の管路に沿って直線状に延びているため、保護管の先端部の内部に位置されるシース熱電対の感温部を、保護管と検出対象機器の管路外壁との接触部(保護管が貫通固定される部分)から充分に離間して配置することが可能になる。このため、保護管が貫通固定される検出対象機器の壁が高温に加熱され易い部位であっても、検出対象機器の壁の熱がシース熱電対の感温部に伝達されるのを抑制し、シース熱電対による温度検出精度を高く維持することができる。
前記シース熱電対の前記曲げ部の近傍の接触点は、前記検出対象機器の前記管路外壁の外側に位置されるようにしても良い。
この場合、シース熱電対のうちの曲げ部の近傍の接触点が検出対象機器の管路外壁の外側に位置されているため、検出対象機器内の高熱が曲げ部の近傍の接触点に作用しにくくなる。このため、本構成を採用した場合には、シース熱電対が曲げ部の近傍において保護管の内面に焼け付くのを防止することができる。したがって、シース熱電対の交換時にシース熱電対が保護管から取り出し不能になるのを未然に防止することができる。
また、本発明に係る高温機器ユニットは、高温機器(例えば、実施形態の改質器2、燃料電池3)と、前記高温機器を収容するケーシング(例えば、実施形態のケーシング4)と、前記高温機器の複数個所の内部の温度を検出する複数の温度センサ(例えば、実施形態の温度センサ10,110)と、を備え、各前記温度センサは、先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対(例えば、実施形態のシース熱電対15)と、前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、前記高温機器の管路外壁(例えば、実施形態の管路外壁13)を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記高温機器の被検出部(例えば、実施形態の被検出部12)に配置される保護管(例えば、実施形態の保護管16)と、を備え、少なくとも一つの前記温度センサは、前記保護管の長手方向の中途部に曲げ部(例えば、実施形態の曲げ部16c)が設けられ、前記保護管への前記シース熱電対の挿入に伴う前記シース熱電対の接触点(例えば、実施形態の接触点P1,P2)が、前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに配置されていることを特徴とする。
前記ケーシングには、前記複数の温度センサが外部に引き出されるセンサ引き出し部が一箇所に集約して配置されるようにしても良い。
この場合、複数の温度センサのセンサ引き出し部がケーシングの一箇所に集約して配置されるため、ケーシングの外部から複数の温度センサに対してメンテナンス作業を容易に行うことができる。
本発明に係る温度センサの製造方法は、先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対と、前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器の管路外壁を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記検出対象機器の被検出部に配置される保護管と、を備えた温度センサの製造方法であって、前記保護管の長手方向の中途部に曲げ部を設ける工程と、前記シース熱電対を、前記曲げ部で曲げ反力を受けつつ前記保護管の内部に挿入することにより、前記シース熱電対を前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに接触させる工程と、を備えていることを特徴とする。
この場合、曲げ部を設けた保護管にシース熱電対を挿入することにより、シース熱電対が保護管の内面から接触反力を受けつつ変形し、シース熱電対が保護管の曲げ部の近傍の内面と保護管の先端部の近傍の内面とに確実に接触することになる。このため、温度センサを容易に製造することができる。
本発明は、シース熱電対が保護管の曲げ部の内周面の近傍と保護管の内周面の先端部の近傍とに接触しているため、感温部であるシース熱電対の先端部を保護管の先端部に接触させて、温度応答性の低下や温度ドリフトの発生を招くことなく検出対象機器内の温度を正確に計測することができる。
さらに、本願発明は、保護管の曲げ部の曲げ方向や曲げ形状を変更することにより、検出対象機器から温度センサを比較的自由な方向に向けて引き出すことができ、しかも、曲げ部を設けた保護管にシース熱電対を挿入するだけで良いため、温度センサを容易に製造することができる。
さらに、本願発明は、保護管の曲げ部の曲げ方向や曲げ形状を変更することにより、検出対象機器から温度センサを比較的自由な方向に向けて引き出すことができ、しかも、曲げ部を設けた保護管にシース熱電対を挿入するだけで良いため、温度センサを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、高温機器ユニットの一形態である燃料電池ユニット1の斜視図である。
本実施形態の燃料電池ユニット1は、天然ガス等の源燃料ガスと水蒸気から水素を含む改質ガスを生成する改質器2と、改質器2で生成した改質ガスと、酸素を含む酸化剤ガスを電気化学反応させて発電を行う固体酸化物形の燃料電池3と、図示しないオフガスの燃焼器と、を備え、これらがケーシング4の内部に収容されている。改質器2や燃料電池3は、運転時に高温を保つ必要があるため、ケーシング4の内部には断熱材が充填されている。
図1は、高温機器ユニットの一形態である燃料電池ユニット1の斜視図である。
本実施形態の燃料電池ユニット1は、天然ガス等の源燃料ガスと水蒸気から水素を含む改質ガスを生成する改質器2と、改質器2で生成した改質ガスと、酸素を含む酸化剤ガスを電気化学反応させて発電を行う固体酸化物形の燃料電池3と、図示しないオフガスの燃焼器と、を備え、これらがケーシング4の内部に収容されている。改質器2や燃料電池3は、運転時に高温を保つ必要があるため、ケーシング4の内部には断熱材が充填されている。
改質器2や燃料電池3、燃焼器等の高温機器は、図示しない制御装置によって作動を制御される。各高温機器の適所には、機器内の温度を検出するための温度センサ10が複数設置されている。本実施形態では、改質器2や燃料電池3、燃焼器等の高温機器が温度センサ10の検出対象機器とされている。
制御装置は、各温度センサ10によって検出される検出温度に基づいて各高温機器の作動を制御する。本実施形態の場合、温度センサ10は三つ設置され、各温度センサ10はケーシング4の側面の一箇所から外部に引き出されている。図1中の符号5は、ケーシング4の側面に設けられたセンサ引き出し部である。センサ引き出し部5は、ケーシング4の側面の一箇所に集約して配置されている。
なお、温度センサ10の設置数は三つに限定されるものではなく、二つ以下でも四つ以上であっても良い。
制御装置は、各温度センサ10によって検出される検出温度に基づいて各高温機器の作動を制御する。本実施形態の場合、温度センサ10は三つ設置され、各温度センサ10はケーシング4の側面の一箇所から外部に引き出されている。図1中の符号5は、ケーシング4の側面に設けられたセンサ引き出し部である。センサ引き出し部5は、ケーシング4の側面の一箇所に集約して配置されている。
なお、温度センサ10の設置数は三つに限定されるものではなく、二つ以下でも四つ以上であっても良い。
図2は、本実施形態の温度センサ10を採用した燃料電池ユニット1の一部の断面図である。
図2中の符号11は、燃料電池ユニット1のケーシング4内の高温機器の管路である。管路11内には、高熱の流体が流れる。管路11は、上流側において直線状に延びる第1管路部11aと、下流側において第1管路部11aと平行に直線状に延びる第2管路部11bと、第1管路部11aと第2管路部11bを接続する屈曲管路部11cと、を備えている。本実施形態では、管路11内の第2管路部11bの下流端の近傍が検出対象機器の被検出部12とされている。温度センサ10は、第2管路部11bと交差する屈曲管路部11cの管路外壁13を貫通し、当該貫通部が溶接等によって管路外壁13に固定されている。
なお、図中の符号14は、屈曲管路部11cの管路外壁13に貫通状態で固定された温度センサ10(後述する保護管16)の貫通固定部である。
図2中の符号11は、燃料電池ユニット1のケーシング4内の高温機器の管路である。管路11内には、高熱の流体が流れる。管路11は、上流側において直線状に延びる第1管路部11aと、下流側において第1管路部11aと平行に直線状に延びる第2管路部11bと、第1管路部11aと第2管路部11bを接続する屈曲管路部11cと、を備えている。本実施形態では、管路11内の第2管路部11bの下流端の近傍が検出対象機器の被検出部12とされている。温度センサ10は、第2管路部11bと交差する屈曲管路部11cの管路外壁13を貫通し、当該貫通部が溶接等によって管路外壁13に固定されている。
なお、図中の符号14は、屈曲管路部11cの管路外壁13に貫通状態で固定された温度センサ10(後述する保護管16)の貫通固定部である。
温度センサ10は、先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対15と、シース熱電対15が内部に脱着可能に挿入配置される保護管16と、を備えている。シース熱電対15は、詳細な図示は省略するが、先端部が相互に接続された一対の熱電対素線がステンレス鋼等から成る金属シースによって被覆されている。金属シースの内部には、一対の熱電対素線が酸化マグネシウム等の無機絶縁物の粉末とともに収容されている。
保護管16は、ステンレス鋼等の金属管17の先端部が金属製の封止ブロック18によって封止されている。保護管16の内径は、内部に挿入配置されるシース熱電対15の外径に対して充分に大きく設定されている。保護管16は、長手方向の一端側において直線状に延びる基端側直線部16aと、長手方向の他端側において同様に直線状に延びる先端側直線部16bと、長手方向の中途部において基端側直線部16aと先端側直線部16bを接続する曲げ部16cと、を備えている。曲げ部16cは、所定の曲率半径で円弧状に湾曲し、基端側直線部16aと先端側直線部16bがほぼ90°ずれた方向を向くように、両直線部16a,16b間に介在している。
温度センサ10の製造に際しては、曲げ加工等によって保護管16の長手方向の中途部に曲げ部16cを形成する。この後、保護管16の長手方向の一端側(基端側)から、初期形状が直線形状のシース熱電対15を挿入する。これにより、シース熱電対15が保護管16の内面から接触反力を受けつつ変形し、最終的に、シース熱電対15が保護管16の曲げ部16cの近傍の内面と保護管16の先端部16dの近傍の内面とに接触することになる。
こうして製造された温度センサ10は、保護管16におけるシース熱電対15の接触点P1,P2が、保護管16の内周面のうちの、曲げ部16cの近傍と、先端部16dの近傍とに配置されることになる。
こうして製造された温度センサ10は、保護管16におけるシース熱電対15の接触点P1,P2が、保護管16の内周面のうちの、曲げ部16cの近傍と、先端部16dの近傍とに配置されることになる。
図2に示す温度センサ10は、保護管16の中途部の曲げ部16cがほぼ90°の曲げ角で円弧状に曲げられている。このため、保護管16にシース熱電対15が挿入されて、シース熱電対15が曲げ部16cを通過する際に、シース熱電対15の先端側が曲がり方向(曲げ部16cの曲がりに沿う方向)に塑性変形する。これにより、最終的には、シース熱電対15の長手方向の中間部が保護管16の曲げ部16cの外側の壁に当接し、シース熱電対15の先端部が保護管16の先端部16dの内側の壁に当接するようになる。
図3は、変形例の温度センサ110を採用した燃料電池ユニット1の一部の断面図である。なお、図3では、図2に示す実施形態と共通部分に同一符号が付されている。
本変形例の温度センサ110は、保護管16の曲げ部16cが30°程度の曲げ角となるように緩やかに湾曲状に曲げられている。保護管16は、基端側直線部16aと先端側直線部16bがほぼ30°ずれた方向を向くように、両直線部16a,16b間に介在している。
本変形例の温度センサ110は、保護管16の曲げ部16cが30°程度の曲げ角となるように緩やかに湾曲状に曲げられている。保護管16は、基端側直線部16aと先端側直線部16bがほぼ30°ずれた方向を向くように、両直線部16a,16b間に介在している。
本変形例の場合も、上記と同様に予め曲げ部16cを形成しておき、保護管16の一端側から保護管16の内部にシース熱電対15を挿入する。このとき、保護管16の曲げ部16cの曲げ角は30°程度と小さいため、保護管16内に挿入されたシース熱電対15は、曲げ部16cで緩やかに弾性変形する。これにより、最終的には、長手方向の中間部が保護管16の曲げ部16cの内側の壁に当接し、先端部が保護管16の先端部16dの外側の壁に当接するようになる。
この変形例の場合も、製造された温度センサ110は、保護管16におけるシース熱電対15の接触点P1,P2が、保護管16の内周面のうちの、曲げ部16cの近傍と、先端部16dの近傍とに配置される。
この変形例の場合も、製造された温度センサ110は、保護管16におけるシース熱電対15の接触点P1,P2が、保護管16の内周面のうちの、曲げ部16cの近傍と、先端部16dの近傍とに配置される。
以上のように、本実施形態の温度センサ10(110)は、保護管16の長手方向の中途部に曲げ部16cが設けられ、シース熱電対15が保護管16内に挿入されることにより、シース熱電対15が保護管16の曲げ部16cの内周面の近傍と保護管16の内周面の先端部16dの近傍とに当接している。このため、保護管16全体の内径をシース熱電対15の外径に対して充分に大きく設定しても、感温部であるシース熱電対15の先端部を保護管16の先端部の内周面に接触させることができる。したがって、本実施形態の温度センサ10(110)は、温度応答性の低下や温度ドリフトの発生を招くことなく被検出部12の温度を正確に計測することができる。
また、本実施形態の温度センサ10(110)は、保護管16に予め曲げ部16cを形成しておき、その保護管16内にシース熱電対15を挿入すれば、シース熱電対15が自然に保護管16の曲げ部16cの近傍の内周面と先端部16dの近傍の内周面とに接触する。このため、保護管16の先端部に煩雑な縮径加工を施したり、製造の難しい削り出し部品を取り付けることなく、温度センサ10(110)を容易に製造することができる。
さらに、本実施形態の温度センサ10(110)は、保護管16が直線形状ではなく、曲げ部16cを持つ形状とされているため、曲げ部16cの曲げ方向や曲げ形状を変更することにより、高温機器(検出対象機器)から比較的自由な方向に向けて引き出すことができる。
本実施形態の温度センサ10(110)を採用した図1に示す燃料電池ユニット1(高温機器ユニット)は、複数の温度センサ10(110)が外部に引き出されるセンサ引き出し部5がケーシング4の壁の一箇所に集約して配置されている。このため、本実施形態の燃料電池ユニット1(高温機器ユニット)は、ケーシング4の外部から複数の温度センサ10(110)に対してメンテナンス作業を容易に行うことができる。
なお、燃料電池ユニット1(高温機器ユニット)の各温度センサ10(110)は、一箇所のセンサ引き出し部5に保護管16の基端が配置されるように、保護管16の曲げ部16cの曲げ方向や曲げ形状が夫々設定されている。ただし、センサ引き出し部5に保護管16の基端を直線状に延ばすことができる位置に配置される温度センサは、保護管16に曲げ部を設けなくても良い。
なお、燃料電池ユニット1(高温機器ユニット)の各温度センサ10(110)は、一箇所のセンサ引き出し部5に保護管16の基端が配置されるように、保護管16の曲げ部16cの曲げ方向や曲げ形状が夫々設定されている。ただし、センサ引き出し部5に保護管16の基端を直線状に延ばすことができる位置に配置される温度センサは、保護管16に曲げ部を設けなくても良い。
また、本実施形態の温度センサ10(110)は、保護管16の先端側直線部16bが、高温機器の管路11の直線状に延びる第2管路部11bの内部に、当該第2管路部11bに沿って配置されている。このため、保護管16の先端部の内部に位置されるシース熱電対15の感温部を、屈曲管路部11cを貫通する保護管16の貫通固定部14から充分に離間(図2中のd参照)させて配置することができる。したがって、本構成を採用した場合には、貫通固定部14の接触する管路11の管路外壁13が高温に加熱され易い部位であっても、管路外壁13の熱がシース熱電対15の感温部に伝達されるのを抑制し、シース熱電対15による温度検出精度を高く維持することができる。
さらに、本実施形態の温度センサ10(110)は、シース熱電対15の接触する保護管16の曲げ部16cの近傍の接触点P1が、管路11(高温機器)の管路外壁13の外側に位置されている。このため、管路11(高温機器)の壁や内部の高熱が曲げ部16cの近傍の接触点P1に伝達されにくくなる。したがって、シース熱電対15が曲げ部16cの近傍において保護管16の内面に焼き付くのを防止することができる。
よって、本実施形態の温度センサ10(110)を採用した場合には、経時使用によってシース熱電対15が劣化したときに、保護管16内のシース熱電対15を外部から容易に引き抜いて取り外すことができる。
よって、本実施形態の温度センサ10(110)を採用した場合には、経時使用によってシース熱電対15が劣化したときに、保護管16内のシース熱電対15を外部から容易に引き抜いて取り外すことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、温度センサ10,110を固体酸化物形の燃料電池ユニット1に採用しているが、本発明に係る温度センサを適用する機器は燃料電池ユニット1に限定されない。温度センサは、燃料電池ユニット1以外にも様々な高温機器ユニットに採用することができる。
また、上記の実施形態では、温度センサ10,110の感温部(先端部)が高温機器の管路11内に配置されているが、温度センサの感温部(先端部)の配置される部位は管路に限定されるものではない。温度センサの感温部(先端部)は、高温機器内の様々な部位に配置することができる。
例えば、上記の実施形態では、温度センサ10,110を固体酸化物形の燃料電池ユニット1に採用しているが、本発明に係る温度センサを適用する機器は燃料電池ユニット1に限定されない。温度センサは、燃料電池ユニット1以外にも様々な高温機器ユニットに採用することができる。
また、上記の実施形態では、温度センサ10,110の感温部(先端部)が高温機器の管路11内に配置されているが、温度センサの感温部(先端部)の配置される部位は管路に限定されるものではない。温度センサの感温部(先端部)は、高温機器内の様々な部位に配置することができる。
1…燃料電池ユニット(高温機器ユニット)
2…改質器(高温機器、検出対象機器)
3…燃料電池(高温機器、検出対象機器)
4…ケーシング
5…センサ引き出し部
10,110…温度センサ
11…管路
12…被検出部
13…管路外壁
15…シース熱電対
16…保護管
16c…曲げ部
P1,P2…接触点
2…改質器(高温機器、検出対象機器)
3…燃料電池(高温機器、検出対象機器)
4…ケーシング
5…センサ引き出し部
10,110…温度センサ
11…管路
12…被検出部
13…管路外壁
15…シース熱電対
16…保護管
16c…曲げ部
P1,P2…接触点
Claims (6)
- 先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対と、
前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器の管路外壁を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記検出対象機器の被検出部に配置される保護管と、を備え、
前記保護管の長手方向の中途部には曲げ部が設けられ、
前記保護管への前記シース熱電対の挿入に伴う前記シース熱電対の接触点が、前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに配置されていることを特徴とする温度センサ。 - 前記被検出部は、前記検出対象機器の直線状に延びる管路の内部に位置され、
前記保護管は、前記管路の内部に配置される部分が前記管路に沿って直線状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。 - 前記シース熱電対の前記曲げ部の近傍の接触点は、前記検出対象機器の前記管路外壁の外側に位置されていることを特徴とする請求項2に記載の温度センサ。
- 高温機器と、
前記高温機器を収容するケーシングと、
前記高温機器の複数個所の内部の温度を検出する複数の温度センサと、を備え、
各前記温度センサは、
先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対と、
前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、前記高温機器の管路外壁を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記高温機器の被検出部に配置される保護管と、を備え、
少なくとも一つの前記温度センサは、前記保護管の長手方向の中途部に曲げ部が設けられ、前記保護管への前記シース熱電対の挿入に伴う前記シース熱電対の接触点が、前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに配置されていることを特徴とする高温機器ユニット。 - 前記ケーシングには、前記複数の温度センサが外部に引き出されるセンサ引き出し部が一箇所に集約して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の高温機器ユニット。
- 先端部が感温部である温度検出用のシース熱電対と、前記シース熱電対が内部に脱着可能に挿入配置され、検出対象機器の管路外壁を貫通して先端部が前記シース熱電対とともに前記検出対象機器の被検出部に配置される保護管と、を備えた温度センサの製造方法であって、
前記保護管の長手方向の中途部に曲げ部を設ける工程と、
前記シース熱電対を、前記曲げ部で曲げ反力を受けつつ前記保護管の内部に挿入することにより、前記シース熱電対を前記保護管の内周面のうちの、前記曲げ部の近傍と、前記被検出部に配置される先端部の近傍とに接触させる工程と、を備えていることを特徴とする温度センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022004305A JP2023103663A (ja) | 2022-01-14 | 2022-01-14 | 温度センサ、高温機器ユニット、及び、温度センサの製造方法 |
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JP (1) | JP2023103663A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117168637A (zh) * | 2023-11-02 | 2023-12-05 | 中国核电工程有限公司 | 温度测量装置及放射性房间内设备、管道的温度测量方法 |
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2022
- 2022-01-14 JP JP2022004305A patent/JP2023103663A/ja active Pending
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