JP2023103458A - 処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水処理や反応、混合、加温、保温等の各種処理に適用でき、設置面積を大幅に削減できるだけでなく、迅速な処理が行える処理装置を提供する。【解決手段】固定形状を維持できて薬品による劣化がない材質からなる硬質材料によって形成された横長円筒形状の処理タンク本体10を備える水処理装置であって、処理タンク本体の内部へ処理対象液を供給する供給管14Aと、処理タンク本体内凝集剤を添加して撹拌するための撹拌板13aと、撹拌を停止させて静止状態とすることにより分離した上澄み水を排出する排出管14Bとを備える水処理装置である。【選択図】図1
Description
本発明は、処理装置に関し、より詳しくは、水処理や反応、混合、加温、保温等の各種処理に適用でき、設置面積を大幅に削減できるだけでなく、迅速な処理が行える処理装置に関する。
従来、水処理などの各種の処理を行うには、大掛かりな処理施設及びそれに関連する施設を設置する必要があり、広大な設備用地を必要としていた。
本発明者は、先に、水処理装置に関して、設置面積を大幅に削減できる画期的な技術を提案している(特許文献1)。
特許文献1は、水槽を上下2室に区画し、下室に水位調整用水を供給・排出して、仕切り壁を上下動させて、上室内で、処理対象水を出し入れして処理する技術を開示する。
この技術は画期的な技術であるが、仕切り壁等の可動部材の耐久性をより向上させる点で、解決すべき課題が残されていた。
なお、特許文献2には、可撓性を有する処理袋が開示されているが、その処理袋をどのように使用するかについて開示がない。
本発明は、水処理や反応、混合、加温、保温等の各種処理に適用でき、設置面積を大幅に削減できるだけでなく、迅速な処理が行える処理装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、
固定形状を維持できて薬品による劣化がない材質からなる硬質材料によって形成された横長円筒形状の処理タンク本体を備え、
前記処理タンク本体の内部へ処理対象液を供給する供給管を備え、且つ、前記処理タンク本体内で凝集撹拌し、汚泥と処理液とに沈降分離して、得られた処理液を取り出す排出管を備える
ことを特徴とする水処理装置である。
請求項2記載の発明は、
前記処理タンク本体内が満液状態となったことを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の処理装置である。
固定形状を維持できて薬品による劣化がない材質からなる硬質材料によって形成された横長円筒形状の処理タンク本体を備え、
前記処理タンク本体の内部へ処理対象液を供給する供給管を備え、且つ、前記処理タンク本体内で凝集撹拌し、汚泥と処理液とに沈降分離して、得られた処理液を取り出す排出管を備える
ことを特徴とする水処理装置である。
請求項2記載の発明は、
前記処理タンク本体内が満液状態となったことを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の処理装置である。
本発明によれば、水処理や反応、混合、加温、保温等の各種処理に適用でき、設置面積を大幅に削減できるだけでなく、迅速な処理が行える処理装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、処理装置の実施形態を示す概略構成図である。図1は、中空シャフト11が、供給排出ノズル11cを鉛直下方に延在させる位置となっている状態を示している。
この処理装置T1は、図1に示すように、処理タンク1を有して構成されている。処理タンク1は、処理タンク本体10の内部で各種の液体の処理を行うための容器である。ここで、本発明における処理とは、液体の混合、攪拌、凝集、反応、加熱、冷却、保温の少なくともいずれかを行うことである。
本実施形態に示す処理タンク1は、内部で処理対象液を凝集剤によって凝集攪拌、沈降分離して清明な処理水を取り出す水処理に好適に使用することのできる攪拌機能付きの処理タンク1を例示している。
この処理タンク1は、処理タンク本体10内に、中空シャフト11及び撹拌部13を有して構成されている。
処理タンク本体10は、硬質材料によって、横長形状に形成されていることを特徴とする。ここで横長形状とは、水平方向の何れかの方向から見たときに、横長(鉛直方向(深さ)よりも水平方向(内幅)が広い)であって、水平方向の何れの方向から見ても、縦長(鉛直方向(深さ)よりも水平方向(内幅)が狭い)ではない形状をいう。
したがって、ここで横長形状には、上方から見たときに正方形や円形のように方向性のない点対称の形状であっても、その内径よりも深さが浅ければ、水平方向の何れかの方向から見たときに横長であり、水平方向の何れの方向から見ても縦長ではないので、含まれる。軸を水平にした円筒形状は、円筒の内径が深さになるから、円筒の長手方向の内法長さが円筒の内径よりも長ければ、水平方向の何れかの方向(円筒の軸に直交する方向)から見たときに横長であり、水平方向の何れの方向から見ても縦長ではないので、横長形状に含まれる。処理タンク本体10を円筒形状にする場合には、円筒の内径に対して、円筒の長手方向の内法長さが、1.2倍~2.5倍程度であるのが好ましい。
後述するが、横長形状の処理タンクは、竪型の処理タンクと比較すると、凝集フロックの沈降速度がかなり上昇することが本発明者によって確認されている。また、横型形状の処理タンクの方が、凝集フロックの深さが浅くなる。
処理タンク本体10は、軸を水平にした横長円筒形状に構成され、円筒形状の両端面は閉塞され、上面は開放されている。処理タンク本体10は、外壁面下方に取付けられた脚部10cにより、床面上に固定設置される。なお、脚部10cの形状は何ら限定されず、処理タンク本体10の全体を覆う筐体のようなものでもよい。
硬質材料としては、例えばポリエチレン、FRP、金属、コンクリート等を用いることができる。固定形状を維持できて薬品等による劣化がない材質であれば、処理タンク本体10の材料は特に限定されない。
中空シャフト11は、好ましくは、例えばステンレス管、FRP管等の剛性を有する管材によって構成される。中空シャフト11の断面視形状は特に問わず、円形状、方形状、その他、六角形等の多角形状等とすることができる。この中空シャフト11は、処理タンク本体10の中心軸上に、水平に配置されている。中空シャフト11は、両端部分を処理タンク本体10の両端面部10a、10dの中央部を貫通させて外方に臨ませている。中空シャフト11は、軸回りに回転操作可能である。
処理タンク本体10の内部には、中空シャフト11に支持された撹拌部13が設けられている。撹拌部13は、中空シャフト11の回転により回転操作される。
図2Aは、撹拌部を示す概略斜視図である。
撹拌部13は、ポリカーボネート板、ステンレス板、FRP板等の剛性を有する板材によって構成される。撹拌部13は、図1及び図2Aに示すように、処理タンク本体10の一端面部10aの近傍から他端面部10dの近傍に亘る枠形状に構成されている。撹拌部13は、中空シャフト11の両端側部分に固定された略長方形の一対の側板13b、13cと、これら側板13b、13cの両端部同士を繋いで枠形状を構成する一対の梁板13d、13eとによって構成されている。一対の側板13b、13cは、中央部において中空シャフト11を貫通させており、この中空シャフト11の外面部に固定されている。一対の梁板13d、13eは、側板13b、13cよりも幅広となっている。
撹拌部13は、ポリカーボネート板、ステンレス板、FRP板等の剛性を有する板材によって構成される。撹拌部13は、図1及び図2Aに示すように、処理タンク本体10の一端面部10aの近傍から他端面部10dの近傍に亘る枠形状に構成されている。撹拌部13は、中空シャフト11の両端側部分に固定された略長方形の一対の側板13b、13cと、これら側板13b、13cの両端部同士を繋いで枠形状を構成する一対の梁板13d、13eとによって構成されている。一対の側板13b、13cは、中央部において中空シャフト11を貫通させており、この中空シャフト11の外面部に固定されている。一対の梁板13d、13eは、側板13b、13cよりも幅広となっている。
撹拌部13の一対の梁板13d、13eには、計4枚の攪拌板13aが設けられている。各撹拌板13aは、平板状の部材であって、各梁板13d、13eの両側縁部より、処理タンク本体10の中心軸に向けて、すなわち、中空シャフト11に向けて、立設されている。各撹拌板13aは、一対の側板13b、13c間に亘る長さ、すなわち、一対の梁板13d、13eに略等しい長さを有している。各撹拌板13aは、各梁板13d、13eと中空シャフト11との略中間位置に至る幅を有している。各撹拌板13aは、各梁板13d、13eに一体的に曲げ加工により形成してもよいし、各梁板13d、13eとは別体に形成して各梁板13d、13eに取り付けてもよい。
図2Bは、撹拌部の他の例を示す概略斜視図である。
撹拌部13としては、図2Bに示すように、中空シャフト11の外周面に複数のフィン状の撹拌板13fを直接取り付けたものであってもよい。この場合において、撹拌板13fは、平板状のものでもよいし、捻れを与えた曲板状のものであってもよい。撹拌板13fの捻れを一定の方向に揃えた場合のは、複数の撹拌板13fは、流体に一定の流れを生じさせるファンを構成する。
撹拌部13としては、図2Bに示すように、中空シャフト11の外周面に複数のフィン状の撹拌板13fを直接取り付けたものであってもよい。この場合において、撹拌板13fは、平板状のものでもよいし、捻れを与えた曲板状のものであってもよい。撹拌板13fの捻れを一定の方向に揃えた場合のは、複数の撹拌板13fは、流体に一定の流れを生じさせるファンを構成する。
図2Cは、撹拌部のさらに他の例を示す概略斜視図である。
撹拌部13の外周側の各撹拌板13aは、図2Cに示すように、複数のフィン状の片からなるものとしてもよい。この場合において、各撹拌板13aをなす複数のフィン片は、平板状のものでもよいし、捻れを与えた曲板状のものであってもよい。
さらに、撹拌部13としては、図2Cに示すように、外周側の各撹拌板13aと、中空シャフト11の外周面に取り付けた複数の撹拌板13fとを併用してもよい。この場合において、外周側の各撹拌板13aと、中空シャフト11に取り付けた複数の撹拌板13fとは、同一方向に回転させてもよいし、互いに逆方向に回転させてもよい。撹拌部13の側板13b、13cを中空シャフト11の逆方向に回転させるには、中空シャフト11と側板13b、13cとの間に反転ギアを介在させればよい。
撹拌部13の外周側の各撹拌板13aは、図2Cに示すように、複数のフィン状の片からなるものとしてもよい。この場合において、各撹拌板13aをなす複数のフィン片は、平板状のものでもよいし、捻れを与えた曲板状のものであってもよい。
さらに、撹拌部13としては、図2Cに示すように、外周側の各撹拌板13aと、中空シャフト11の外周面に取り付けた複数の撹拌板13fとを併用してもよい。この場合において、外周側の各撹拌板13aと、中空シャフト11に取り付けた複数の撹拌板13fとは、同一方向に回転させてもよいし、互いに逆方向に回転させてもよい。撹拌部13の側板13b、13cを中空シャフト11の逆方向に回転させるには、中空シャフト11と側板13b、13cとの間に反転ギアを介在させればよい。
中空シャフト11の一端部は、図1に示すように、液体の供給排出口12となっている。供給排出口12は、処理タンク本体10の内部への処理対象液の供給及び処理タンク本体10内からの処理液の排出を行うものである。この中空シャフト11の一端部は、スイベルジョイント12aを介して、処理タンク本体10の一端面部10aを貫通した状態で、処理タンク本体10の外壁部に回転可能に支持されている。中空シャフト11の一端部は、処理タンク本体10の外方に設置された供給排出管14に回転可能に接続されている。供給排出管14は、処理タンク本体10の内部への処理対象液の供給及び処理タンク本体10内からの処理液の排出を行うものである。中空シャフト11は、供給排出管14に対して軸回りに回転可能な状態で、供給排出管14内との間で液体の供給及び排出が可能である。
処理タンク本体10の他端面部10dには、中空シャフト11の他端側に位置して、回転操作手段となるモータ19が設置されている。モータ19の駆動軸は、ロータリーシール12cを介して処理タンク本体10の他端面部10dの外壁部を貫通して回転可能とされ、ジョイント12bにより中空シャフト11の他端側に接続されている。このモータ19は、中空シャフト11を軸回りに回転操作し、中空シャフト11の回転により撹拌部13を回転操作する。ジョイント12bは、中空シャフト11の熱膨張及び熱収縮を吸収するために伸縮ジョイントとしてもよい。
なお、中空シャフト11を軸回りに回転操作する回転操作手段は、モータ19ではなく、その他種々の回転駆動動力(燃焼エンジンや、水力、風力などの自然力も含む)によって行ってもよく、動物(牛馬など)や手動(人力)によって行ってもよい。
中空シャフト11内は、中央部付近がフランジ11aによって閉蓋されている。中空シャフト11内は、供給排出口12からフランジ11aまでが供給排出路11bとなっている。供給排出路11bは、処理対象液及び処理液の供給排出路である。この供給排出路11bは、フランジ11aの近傍において、供給排出ノズル11cに連通されている。供給排出ノズル11cは、中空シャフト11に対して略垂直に立設され、撹拌部13の梁板13e(図2A、図2C参照)に向けて延在されている。供給排出ノズル11cの先端部分は、吐出吸入口11dとなっている。
供給排出管14から供給された液体は、供給排出路11b及び供給排出ノズル11cを経て、吐出吸入口11dから処理タンク本体10内に吐出される。また、処理タンク本体10内の液体は、吐出吸入口11dから吸入され、供給排出ノズル11c及び供給排出路11bを経て、供給排出管14に排出される。
この処理装置T1においては、処理タンク本体10の内部への処理対象液の供給及び処理タンク本体10内からの処理液の排出と、処理タンク本体10内の撹拌部13による撹拌とを、全て中空シャフト11によって行うことができるので、供給管及び排出管と、撹拌部13を回転操作するシャフトとを各個別に設ける必要がなく、処理タンク本体10の構成を簡素化することができる。
供給排出管14は、供給管14A及び排出管14Bに分岐されている。供給管14Aは、不図示の制御手段によって開閉制御される供給弁15Aによって開閉可能とされている。排出管14Bは、制御手段によって開閉制御される排出弁15Bによって開閉可能とされている。
排出管14Bからは、排出弁15Bが開放されているときに、排出ポンプ18により、処理タンク本体10内の液体が排出される。排出管14Bには、排出管14B内を流れる液体の濁度を計測する濁度センサ17が設けられている。
濁度センサ17及び排出ポンプ18を経た排出管14Bは、処理液流出管14Cに、開閉弁15Cを介して接続されている。したがって、処理タンク本体10の内側空間10bは、排出管14B及び処理液流出管14Cによって、処理タンク本体10の外側に処理水を排出できる。また、排出管14Bは、汚泥排出管14Dに、開閉弁16を介して接続されている。したがって、処理タンク本体10の内側空間10bは、排出管14B及び汚泥排出管14Dによって、処理タンク本体10の外側に汚泥を排出できる。開閉弁15C、16、排出ポンプ18は、いずれも不図示の制御手段によって制御される。濁度センサ17の検出値は、排出弁15B及び開閉弁15C、16の制御のために制御手段に送られる。
この処理装置T1では、処理水及び汚泥の汚泥排出管14D及び処理水排出管14Cからの出口を、処理タンク本体10内の液体の水面よりも下方にしておけば、処理水及び汚泥を、サイフォン効果によって容易に排出することもできる。処理水及び汚泥の排出速度を安泰化するためには、排出ポンプ18を用いるが、サイフォン効果によって容易に排出することもできる。そのため、この処理装置T1では、排出ポンプ18は必須ではない。
処理タンク1には、処理タンク本体10内が満液状態となったことを検出する検出手段を有することが好ましい。検出手段としては、処理タンク本体10内の水位を検出する水位センサを用いることができる。処理タンク本体10内に液体が供給されると、処理タンク本体10内の水位が次第に上昇する。水位センサは、この処理タンク本体10内の水位を検出して制御手段に送り、制御手段が予め設定された所定の水位となったことを検出した時に、供給弁15Aを閉じることで、処理タンク本体10内を満水状態とすることができる。
次に、この処理装置T1を用いて処理対象液の処理を行う方法について、図3~図6を用いて説明する。
図3~図6は、実施形態に係る処理装置による処理対象液の処理方法を説明する図である。
図3~図6は、実施形態に係る処理装置による処理対象液の処理方法を説明する図である。
最初に、図3に示すように、処理タンク本体10及び撹拌部13を停止させて静止状態とする。このとき、中空シャフト11は、供給排出ノズル11c(図1参照)が中空シャフト11から鉛直下方に延在される位置で停止させることが好ましい。
次に、供給弁15Aを開放し、排出弁15Bを閉じた状態とし、供給管14A及び供給排出管14(図1参照)を通して処理タンク本体10内に処理対象液200を供給して内部を処理対象液で満たす。
処理タンク本体10内に処理対象液を注入する際、前述した処理タンク本体10内が満液状態となったことを検出する検出手段が処理タンク本体10の満液状態を検出し、制御手段によって供給弁15Aが閉制御される。
処理対象液中に凝集剤を混入させ、この処理対象液を処理タンク本体10内に満たした後、撹拌部13を回転させて攪拌板13aを回転させることで凝集剤と処理対象液とを反応させ、所定時間に亘って凝集攪拌処理を行う。凝集剤は、処理タンク本体10の上面の開放部分から投入してもよいし、供給管14Aを通して混入させてもよいし、中空シャフト11に凝集剤投入用の蓋付きの開口を設けておき、凝集剤の投入時のみ蓋をあけて投入してもよい。
凝集攪拌処理の後、図4に示すように、処理タンク本体10及び撹拌部13を停止させて静止状態とする。このとき、中空シャフト11は、供給排出ノズル11c(図1参照)が中空シャフト11から鉛直下方に延在される位置で停止させる。その後、処理タンク本体10内の汚泥201が沈降して上澄みの処理水202と分離される。このとき、供給排出ノズル11cの先端部分の吐出吸入口11dが、処理タンク本体10内の汚泥が沈降して上澄みの処理水と分離されたときの界面近傍であって処理水内に位置する(すなわち、汚泥と処理水との界面の少し上に位置する)状態となる。
沈降分離の後、図5に示すように、排出弁15B及び開閉弁15Cを開放し、排出ポンプ18を駆動させて、処理タンク本体10内の清明な上澄みの処理水202を排出管14Bから処理液流出管14Cを通して外部に排出する。
汚泥201の界面が吐出吸入口11dより下方である場合には、処理水202が吸い込まれ、処理液流出管14Cから外部に排出される。汚泥201の界面が吐出吸入口11dより上昇している場合には、汚泥201が吸い込まれ、排出管14Bに排出される。処理水202及び汚泥201の排出時、濁度センサ17は排出管14B内を流れる液体の濁度を監視している。汚泥201が吸い込まれると、濁度の変化を濁度センサ17が検出する。この検出があると、図6に示すように、制御手段によって処理液流出管14Cへの開閉弁15Cが閉じられ、汚泥排出管14Dへの開閉弁16が開かれる。したがって、処理液流出管14Cからは、清明な処理水202のみを排出することができる。沈降した汚泥201は、汚泥排出管14Dから外部に排出される。汚泥排出管14Dは、排出管14Bから分岐されているので、汚泥201の排出も供給排出口12から行うことができ、処理タンク本体10に汚泥排出用の開口を別途設けなくても済む。なお、汚泥201は、一度排出されると汚泥界面レベルが下がるので、次回のバッチ以降、一定期間は排出されることがない。
次の処理対象液を処理するため、図3に示すように、再び排出弁15B及び開閉弁15C、16を閉じ、供給弁15Aを開放して処理タンク本体10内に処理対象液200を供給する。
処理対象液200を供給する際には、処理タンク本体10内に、先に処理した際に沈降した汚泥201が残留していてよい。凝集剤の投入量を低減することができ、ランニングコストの低減化を図ることができるために好ましい。
この処理装置T1においては、処理を行う処理タンク本体10は、例えば円筒形状等の横長形状に形成されているので、汚泥の凝集沈降による有効なフロック形成ができる。処理タンク本体10は、容積の割に縦方向が短縮された構造なので、一旦は下部に沈降した槽内の残留リサイクル汚泥と新たに給水された処理水との間で、上下全体の攪拌混和が短時間で促進され、理想的なフロック形成がなされる。
また、この処理装置T1においては、凝集スピードを速く(沈降分離を迅速化)でき、処理水の高い清澄度を確保することができる。処理タンク本体10の横から見た円形壁面に沿う下降流汚泥は、高速沈降現象の要因である。したがって、処理タンク本体10が円筒形状でない場合においては、処理タンク本体10の底部付近に円形壁面のような斜面を設けることが好ましい。
さらに、この処理装置T1においては、処理タンク本体10が縦の低い横の長い比率の横長形状なので、給水圧力が縮減させ、省電力を図ることができる。
また、この処理装置T1において、処理タンク本体10は、高さが制限されても横に伸ばせる形状なので、設置性がよく、容積拡大(処理能力拡大)ができる。また、処理タンク本体10は、階上、地上、地下、水上、水中等、設置の汎用性を確保することができる。
前述したように、この処理装置T1において、処理を行う処理タンク本体10は、例えば円筒形状等の横長形状に形成されているので、円筒形状の縦長形状に比べれば沈降分離を迅速化する効果を奏する。このことを立証するために、以下に実験例を挙げる。
<実験例>
円筒形状の袋を縦長にして用いた処理タンクおよび処理装置は、本発明者が特許第5498942号、第5705296号として特許を取得している。本発明者は、同じ水量(容積)で、当該特許技術の沈降分離の完了時間と、本発明の横長円筒形状の処理タンクの沈降分離の完了時間に明らかな差があることを発見した。
円筒形状の袋を縦長にして用いた処理タンクおよび処理装置は、本発明者が特許第5498942号、第5705296号として特許を取得している。本発明者は、同じ水量(容積)で、当該特許技術の沈降分離の完了時間と、本発明の横長円筒形状の処理タンクの沈降分離の完了時間に明らかな差があることを発見した。
この事実の発見に基づいて、ラボ実験を行って、(ア)沈降分離における進行速度の比較、(イ)沈降が終わった状態で、上澄みの清澄度に両者の差が無いかの確認を行った。
すなわち、このラボ実験は、沈降分離の円筒型処理槽を「縦に置いた状態のタンク」と「横に置いた状態のタンク」で沈降分離の処理速度と処理結果の成果を目視で計測して両者を比較検証するラボによる実験である。
すなわち、このラボ実験は、沈降分離の円筒型処理槽を「縦に置いた状態のタンク」と「横に置いた状態のタンク」で沈降分離の処理速度と処理結果の成果を目視で計測して両者を比較検証するラボによる実験である。
(実験方法及び結果)
内部に突起物の無いシンプルな円筒型タンクに相当する1リットルのビーカーを2個用意した。
沈降分離に必要な同じ条件の薬剤、下記(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)を投入して均一攪拌した実験の原水を用意した。
(ア)市販PAC(ポリ塩化アルミニウム)10%液は、300ppm投入
(イ)市販NaOH 10%液は、pH7.0になるよう調整用として投入
(ウ)大阪ガス社の水分含有率50%の水処理用粉末活性炭は、2gを投入
(エ)三菱ケミカル社のアニオン系ポリマー凝集剤1000倍希釈液は2ppm投入
上記で作成した原水を2個のビーカーに満水近くまで同等に満たし、縦に置く大気開放型1リットルのビーカーと、横に置くビーカーは上部に蓋をして漏水の無い状態に加工し、双方とも中の様子がよく見える状態で本実験セットを用意した。
内部に突起物の無いシンプルな円筒型タンクに相当する1リットルのビーカーを2個用意した。
沈降分離に必要な同じ条件の薬剤、下記(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)を投入して均一攪拌した実験の原水を用意した。
(ア)市販PAC(ポリ塩化アルミニウム)10%液は、300ppm投入
(イ)市販NaOH 10%液は、pH7.0になるよう調整用として投入
(ウ)大阪ガス社の水分含有率50%の水処理用粉末活性炭は、2gを投入
(エ)三菱ケミカル社のアニオン系ポリマー凝集剤1000倍希釈液は2ppm投入
上記で作成した原水を2個のビーカーに満水近くまで同等に満たし、縦に置く大気開放型1リットルのビーカーと、横に置くビーカーは上部に蓋をして漏水の無い状態に加工し、双方とも中の様子がよく見える状態で本実験セットを用意した。
大気開放のビーカーを縦に置き、密閉したビーカーは、水平に横に寝かせたまま双方を各々同時に沈降分離に適した攪拌を1分間行って停止した。
攪拌停止から沈降分離完了までを各々同時に複数人で観察した。
その結果、双方の沈降完結時間は、横に寝かせた方が明らかに早いことが解った。具体的に、この実験では縦のビーカーが30秒で完成するのに対して、横にしたビーカーが5秒から6秒で終了したことを確認した。
攪拌停止から沈降分離完了までを各々同時に複数人で観察した。
その結果、双方の沈降完結時間は、横に寝かせた方が明らかに早いことが解った。具体的に、この実験では縦のビーカーが30秒で完成するのに対して、横にしたビーカーが5秒から6秒で終了したことを確認した。
両者の清澄度スラッジのフロック状態に目立った相違が無く、沈降分離効果に問題ないことを確認した。
結論は、横にしたビーカーは縦のビーカーよりおおよそ約5倍早い時間で沈降分離できる事を確認した。
以上の実験例から、本発明の円筒横型処理タンクの場合には、円筒形状を縦長にして用いた処理タンクと比較し、処理時間を大幅に短縮できる効果を発揮する。
結論は、横にしたビーカーは縦のビーカーよりおおよそ約5倍早い時間で沈降分離できる事を確認した。
以上の実験例から、本発明の円筒横型処理タンクの場合には、円筒形状を縦長にして用いた処理タンクと比較し、処理時間を大幅に短縮できる効果を発揮する。
本発明に係る処理装置T1は、以上説明したように、水を凝集攪拌処理して処理水と汚泥とに分離する水処理装置に限らず、その他、処理タンク1を用いて各種の処理対象液を処理し、処理後の処理液を排出する用途に広く適用することができる。
1:処理タンク
10:処理タンク本体
10b:内側空間
10c:脚部
11:中空シャフト
12:供給排出口
12a:スイベルジョイント
12b:ジョイント
12c:ロータリーシール
13:撹拌部
13a:撹拌板
14:供給排出管
14A:供給管
14B:排出管
15A:供給弁
15B:排出弁
19:モータ
200:処理対象液
201:汚泥
202:処理水
T1:水処理装置
10:処理タンク本体
10b:内側空間
10c:脚部
11:中空シャフト
12:供給排出口
12a:スイベルジョイント
12b:ジョイント
12c:ロータリーシール
13:撹拌部
13a:撹拌板
14:供給排出管
14A:供給管
14B:排出管
15A:供給弁
15B:排出弁
19:モータ
200:処理対象液
201:汚泥
202:処理水
T1:水処理装置
Claims (2)
- 固定形状を維持できて薬品による劣化がない材質からなる硬質材料によって形成された横長円筒形状の処理タンク本体を備え、
前記処理タンク本体の内部へ処理対象液を供給する供給管を備え、且つ、前記処理タンク本体内で凝集撹拌し、汚泥と処理液とに沈降分離して、得られた処理液を取り出す排出管を備える
ことを特徴とする水処理装置。 - 前記処理タンク本体内が満液状態となったことを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
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