JP2023103015A - 炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】昇華法による炭化珪素単結晶の成長において、炭化珪素種基板を成長に投入するまでの時間を短縮し、炭化珪素単結晶の品質を改善することができる炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置を提供する。【解決手段】炭化珪素種基板及び炭化珪素原料を収納する成長容器を囲う断熱容器に温度測定用の穴を設け、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造方法であって、前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料を配置する工程と、前記炭化珪素種基板に裏面保護膜を形成する工程と、前記成長容器の底面に前記裏面保護膜を形成した炭化珪素種基板を前記裏面保護膜を形成した面を底面側として固定することなく設置する工程と、該設置した炭化珪素種基板上に炭化珪素単結晶を成長させる工程とを含む炭化珪素単結晶製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置に関する。
近年、電気自動車や電気冷暖房器具にインバーター回路が多用されるにいたり、電力ロスが少なく、半導体Si結晶を用いた素子より耐圧を高くとれるという特性から、炭化珪素(以後、SiCと言う場合もある)の半導体結晶が求められている。
SiCなどの融点が高い結晶、液相成長がしにくい結晶の代表的かつ現実的な成長方法として昇華法がある。成長容器内で2,000℃前後ないしそれ以上の高温で固体原材料(炭化珪素原料)を昇華させて、対向する種基板上に結晶成長させる方法である。
ここで、従来の炭化珪素単結晶の製造方法及び装置について図7~9を用いて説明する。
図7に従来の炭化珪素単結晶製造装置111を示す。この炭化珪素単結晶製造装置111は黒鉛製の成長容器103内の天井内側の種土台107部分に炭化珪素種基板101を下向きに固定して配置し、かつ成長容器103内の下部に炭化珪素原料102が配置される。
黒鉛製成長容器103はカーボン繊維、カーボンフェルトなどの耐熱性の高い材料からなる断熱容器104内に設置される。
断熱容器104上部の断熱材には上部孔(温度測定用の穴105)があり、この孔を通して不図示の温度測定手段(非接触温度計)が黒鉛製の成長容器103内天井部分に固定された炭化珪素種基板101の裏側部分の成長容器103の黒鉛の温度が測定される。
これは、例えば、特許文献1などに記載されており、黒鉛製の昇華法容器(従来の炭化珪素単結晶製造装置111)の上部の断熱容器(断熱容器104)の中央部が貫通していて、黒鉛坩堝(成長容器103)の上部が露出している。この上部孔から上部にある非接触温度計を用いて黒鉛坩堝(成長容器103)の上面の温度を測り、成長条件としてのるつぼ(成長容器103)の温度制御に用いている。
また、上部孔に加えて下部孔も形成し、下部の温度を測定する場合もある。
断熱容器104は、石英やステンレスなどで構成される外部容器110に設置されており、その外側には高周波加熱(RF加熱)や抵抗加熱等からなる加熱手段109が設置されている。
外部容器110は、真空引きができ、所望する真空度に保つことができる。また、Ar、Nなどのベースになる不活性ガスやドープガスをマスフローコントロールで所望の流量に調整できる。ガスを流した場合も、必要な真空圧力を保てるようにバルブでコントロールできる。
外部容器110内の成長容器103の周りは、酸素を含まないアルゴン、窒素などの不活性な雰囲気で満たされている。
次に図9を用いて従来の炭化珪素単結晶製造方法を説明する。
最初に図9(a)に示すように炭化珪素原料102と一定の厚さを持つ炭化珪素種基板101を成長容器103内に配置する。炭化珪素種基板101は接着により配置する。次に図9(b)に示すように成長容器103を断熱容器104内に配置する。次に図9(c)に示すように成長容器103及び断熱容器104を外部容器110内に配置する。次に図9(d)に示すように真空引きと昇温を行う。より具体的には、2,000℃以上の温度に加熱し、その後100Torr(13332Pa)以下となるように真空引きする。次に図9(e)に示すように昇華法により結晶成長を行う。次に図9(f)に示すように減圧圧力を上げて昇華を止め、成長を停止し、温度を徐々に下げて冷却することで単結晶の成長を終了する。
昇華法で結晶成長させる場合、等方性黒鉛製の成長容器の内部に炭化珪素種基板101を炭化珪素原料102と対向させて保持するが、炭化珪素種基板101を保持する成長容器103の天井(又は種土台107)である等方性黒鉛部材にはカーボン接着剤などで接着することで保持される。
しかし、カーボン接着剤の乾燥、炭化処理に日数を要するため、成長投入までが長い。さらに大口径化に従い、処理に要する日数が伸びる。
また、図8(a)、(b)及び特許文献2に開示されているように接着をせずに炭化珪素種基板101の結晶成長面121の反対側の面に裏面保護膜122をつけて上部で黒鉛性の爪のような治具123を使って種土台107に固定する方法もある(図8(b)は上下逆さまで表している)。しかし、結晶成長面121に炭化珪素以外の材質の治具123があるためその部位で局所的な応力により転位密度が増加したりするなど、品質劣化しやすくなる。また、その部分を円筒研削などの方法を用いて品質劣化部を除去できたとしても結晶外周の研削量が多くなるため、材料の無駄になる。また、大口径化した場合には、さらに炭化珪素種基板101が成長時にたわみ、炭化珪素種基板101の裏面に空隙ができやすく、温度分布にムラができる。
特開2005-239464号公報 特開2002-201097号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、昇華法による炭化珪素単結晶の成長において、炭化珪素種基板を成長装置に投入するまでの時間を短縮し、炭化珪素単結晶の品質を改善することができる炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、炭化珪素種基板及び炭化珪素原料を収納する成長容器を囲う断熱容器に温度測定用の穴を設け、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造方法であって、
前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料を配置する工程と、
前記炭化珪素種基板に裏面保護膜を形成する工程と、
前記成長容器の底面に前記裏面保護膜を形成した炭化珪素種基板を前記裏面保護膜を形成した面を底面側として固定することなく設置する工程と、
該設置した炭化珪素種基板上に炭化珪素単結晶を成長させる工程と
を含む炭化珪素単結晶製造方法を提供する。
このような炭化珪素単結晶製造方法であれば、従来のように炭化珪素種基板に対してカーボン接着剤を使用しないので長時間かかっていた成長への投入(即ち、従来でいえば接着剤の乾燥などが済み、該接着剤で炭化珪素種基板が固定された天井部分(蓋)と成長容器本体とを組み合わせて成長を開始する)までの日数を短くすることができる。また、裏面保護膜を形成することで裏面からの炭化珪素の昇華を抑制し結晶欠陥の発生を防止することができる。更に炭化珪素種基板を成長容器の底面に固定することなく設置するので治具を用いて固定した場合のように成長面の異物(治具)が、乱れの起点となったり、固定部での局所的な応力により転位密度が増加したりするなど、品質劣化することも防止できる。また、品質劣化部分を円筒研削などの方法を用いて除去することによる材料の無駄もなく、製造コストを抑えることができる。
また、本発明では、前記裏面保護膜を形成するとき、黒鉛スプレーを用いて、前記炭化珪素種基板の裏面に厚さ75μm以上黒鉛を塗布した後、1,000℃以上で熱処理を行って形成することが好ましい。
このように裏面保護膜を形成すれば炭化珪素単結晶成長中に裏面から炭化珪素が昇華するのを防止できる保護膜を比較的短時間で容易に形成することができる。
また、本発明では、前記炭化珪素原料を配置するとき、ドーナツ状に配置することが好ましい。
このようにドーナツ状(中空)にすることにより析出を抑制し、原料ロスを減らすことができる。
また、本発明では、前記炭化珪素単結晶を成長させるとき、前記炭化珪素種基板と前記炭化珪素原料との間に遮蔽板を設置して行うことが好ましい。
このような炭化珪素単結晶製造方法であれば、カーボンインクルージョンなどのパーティクルの混入を防ぐことができる。
また、本発明では、炭化珪素種基板及び炭化珪素原料を収納する成長容器と、該成長容器を囲う断熱容器と、該断熱容器に設けた前記成長容器内の温度測定用の穴を通して、前記成長容器内の温度を測定する温度測定手段と、前記炭化珪素原料を加熱する加熱手段とを具備し、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造装置であって、
前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料が配置されており、
前記成長容器の底面に、裏面保護膜が形成された前記炭化珪素種基板が、前記裏面保護膜が形成された面を底面側として固定されることなく設置されているものである炭化珪素単結晶製造装置を提供する。
このような炭化珪素単結晶製造装置であれば、従来のようにカーボン接着剤を使用しないので長時間かかっていた成長への投入までの日数を短くすることができる。また、裏面保護膜を形成することで裏面からの炭化珪素の昇華を抑制し結晶欠陥の発生を防止することができる。更に炭化珪素種基板を成長容器の底面に固定することなく設置するので治具を用いて固定した場合のように成長面の異物(治具)が、乱れの起点となったり、固定部での局所的な応力により転位密度が増加したりするなど、品質劣化することも防止できる。また、品質劣化部分を円筒研削などの方法を用いて除去することによる材料の無駄もなく、製造コストを抑えることができる。
また、本発明では、前記炭化珪素種基板と前記炭化珪素原料との間に遮蔽板が設置されているものであることが好ましい。
このような炭化珪素単結晶製造装置であれば、カーボンインクルージョンなどのパーティクルの混入を防ぐことができる。
以上のように、本発明の炭化珪素単結晶製造方法、及び炭化珪素単結晶製造装置であれば、従来のようにカーボン接着剤を使用しないので長時間かかっていた成長への投入までの日数を短くすることができる。また、裏面保護膜により結晶欠陥の発生を防止することができる。更に炭化珪素種基板を成長容器の底面に固定することなく設置するので品質劣化を防止できる。
本発明の炭化珪素単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の炭化珪素単結晶製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明に用いられる炭化珪素種基板を横から見た概略図である。 本発明の炭化珪素単結晶製造装置の別の一例の一部を示す概略図である。 実施例のラマンシフト量を示すグラフである。 比較例のラマンシフト量を示すグラフである。 従来の炭化珪素単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 従来の炭化珪素種基板の固定方法の一例を示す概略図である。 従来の炭化珪素単結晶製造方法の一例を示すフロー図である。
上述したように、従来は炭化珪素種基板をカーボン接着剤で成長容器内部の天井部分に接着していたが、カーボン接着剤の乾燥、炭化処理に日数を要するという問題があった。また、接着をせずに裏面保護膜をつけて上部で黒鉛性の爪のような治具を使って固定する方法もあるが、結晶成長面に炭化珪素以外の材質の治具があるためその部位で局所的な応力により転位密度が増加したりするなど、品質劣化を起こしやすくなる。また、その部分を円筒研削などの方法を用いて品質劣化部を除去できたとしても結晶外周の研削量が多くなるため、材料の無駄になる。また、大口径化した場合には、さらに炭化珪素種基板が成長時にたわみ、炭化珪素種基板の裏に空隙ができやすく、温度分布にムラができること等が問題となっていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料を配置する工程と、前記炭化珪素種基板に裏面保護膜を形成する工程と、前記成長容器の底面に前記裏面保護膜を形成した炭化珪素種基板を前記裏面保護膜を形成した面を底面側として固定することなく設置する工程と、該設置した炭化珪素種基板上に炭化珪素単結晶を成長させる工程とを含む炭化珪素単結晶製造方法であれば種基板を成長装置に投入するまでの時間を短縮し、炭化珪素単結晶の品質が改善された炭化珪素単結晶を製造できることが判り、本発明を完成させた。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[炭化珪素単結晶製造装置]
最初に本発明の炭化珪素単結晶製造装置11について図1を用いて説明する。この装置は炭化珪素原料2を上部に収納するカーボングラファイト製の成長容器3を備え、成長容器3の外側にカーボン繊維、カーボンフェルトなどの耐熱性の高い材料からなる断熱容器4を備える。更に外側には加熱手段9を具備しており、その具体例としては、例えばSiC原料を加熱する高周波加熱コイル等のヒーターが挙げられる。また、成長容器3を減圧するための石英管や真空チャンバーなどの外部容器10を備えていてもよい。更に成長容器3内の温度を測定するための温度測定センサー等の温度測定手段12を備えており、断熱容器4には温度測定用の穴5を有する。例えば、断熱容器4下部には温度測定用の下部孔を有していてもよい。さらに断熱容器4の上部にも設けてもよい。また、炭化珪素単結晶成長の際に、Ar等の不活性ガスを供給する図示しない供給口及び排気するための排気口を備えていてもよい。また、炭化珪素原料2と炭化珪素種基板1との間に遮蔽板6が設置されていてもよい。遮蔽板6は3本以上の柱8によって支持されている。この遮蔽板6は必ずしも設置する必要はない。また、前記成長容器3の上部に前記炭化珪素原料2が配置されており、前記成長容器3の底面に、裏面保護膜が形成された前記炭化珪素種基板1が、前記裏面保護膜が形成された面を底面側として固定されることなく設置されている。底面上に直接設置してもよいし、また、裏面保護膜が形成された前記炭化珪素種基板1が固定されることなく設置されるための種土台7を底面上に備え、その上に配置していてもよい。
図3を用いて、本発明に用いられる炭化珪素種基板1について説明する。炭化珪素種基板1は結晶成長面21の反対側の面に裏面保護膜22を有する。例えば図1において、炭化珪素種基板1は裏面保護膜22が種土台7と接するように、固定されることなく設置されている。
[炭化珪素単結晶製造方法]
次に図2を用いて本発明の炭化珪素単結晶製造方法について説明する。最初に図2(a)に示すように炭化珪素種基板1を準備し、裏面に保護膜を形成する。この時、炭化珪素種基板1の結晶成長面21(表面)はCMP処理が好ましく、成長面と反対側の面(裏面)の研磨番手は#1200程度で良く、ラッピングでも構わない。また、裏面保護膜22の形成は例えば黒鉛スプレーを用いて、前記炭化珪素種基板1の裏面に厚さ75μm以上、好ましくは100μm以上黒鉛を塗布した後、1,000℃以上の高温で1時間の熱処理を行って形成することができる。このように、裏面保護膜22を形成することで裏面からの炭化珪素の昇華を抑制し結晶欠陥の発生を防止することができる。
次に図2(b)に示すように炭化珪素原料2を成長容器3上部に配置し、裏面保護膜22を形成した炭化珪素種基板1を成長容器3の底面に前記裏面保護膜22を形成した面を底面側として固定することなく設置する。従来、炭化珪素種基板1は成長容器3上部の蓋部に接着剤等で固定していたが、このように炭化珪素原料2を上部に配置することで、炭化珪素種基板1を成長容器3の底面に固定することなく置くことができる。炭化珪素種基板1を固定することなく設置するので、治具を用いて固定した場合のように成長面の異物(治具)が乱れの起点となったり、固定部での局所的な応力により転位密度が増加したりするなど、品質劣化することを防止できる。また、品質劣化部分を円筒研削などの方法を用いて除去することによる材料の無駄もなく、製造コストを抑えることができる。なお、炭化珪素原料2は図1のように配置してもいいが図4のようにドーナツ状(中空)に配置することで温度の低い中央部での析出を抑制し、原料ロスを減らすことができるため好ましい。成長容器3の上部に炭化珪素原料2を配置する方法としては特に限定されず、例えば、炭化珪素原料2を焼結した後、治具を用いて固定することができる。
次に図2(c)に示すように成長容器3を断熱容器4内に配置する。
次に図2(d)に示すように成長容器3及び断熱容器4を外部容器10内に配置する。
次に図2(e)に示すように真空引きと昇温を行う。より具体的には、2,000℃以上の温度に加熱し、その後100Torr(13332Pa)以下となるように真空引きすることが好ましい。
次に図2(f)に示すように昇華法により結晶成長を行う。この時、前記炭化珪素種基板1と前記炭化珪素原料2との間に遮蔽板6を設置して行うことが好ましい。遮蔽板6を設置することでカーボンインクルージョンなどのパーティクルの混入を防ぐことができる。
次に図2(g)に示すように減圧圧力を上げて昇華を止め、成長を停止し、温度を徐々に下げて冷却することで単結晶の成長を終了する。上記のような炭化珪素単結晶製造方法によれば炭化珪素種基板を成長装置に投入するまでの時間を短縮し、炭化珪素単結晶の品質が改善された炭化珪素単結晶を製造することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
表面をCMP、裏面を研磨番手#1200で研磨し、厚み1mm、直径150mmの炭化珪素種基板を用意した。裏面に黒鉛スプレーを使用し厚さ75μmの黒鉛を塗布した。
その後、窒素雰囲気で1,000℃、1時間の熱処理を行い、裏面保護膜を形成した。
上部に炭化珪素原料が配置され、対向して下部に種土台が配置されている成長容器内において、種土台の上に裏面保護膜が形成された面を種土台側にして炭化珪素種基板を置いた。
成長容器を断熱容器内に配置し、大気圧から500Torr(66661Pa)程度まで徐々に減圧し、その後も成長容器の加熱とともに、さらに徐々に真空引きを続けた。RF加熱で成長容器を加熱し、2,000℃程度、100Torr(13332Pa)程度とした。そして昇華法により結晶成長を行った。炭化珪素種基板の裏面保護膜の形成及び硬化熱処理に要した時間はほぼ1日であり、後述する比較例に比べて1/7に短縮された。
また、成長した炭化珪素単結晶の結晶性についてラマンシフト量により評価した結果を図5に示す。ラマンシフト量はほぼ0近傍であった。ラマンシフト量は0に近い程、内部応力が少なく、転位の発生や割れが低減される。
(比較例)
下部に炭化珪素原料が配置された成長容器の上部蓋部に炭化珪素種基板をカーボン接着剤で接着した。その後、低温で乾燥熱処理を行い、続いて硬化熱処理を行ったことを除き実施例と同じ条件で炭化珪素単結晶の成長を行った。成長容器に炭化珪素種基板を貼り付け、乾燥熱処理及び硬化熱処理に7日を要した。また、成長した炭化珪素単結晶の結晶性についてラマンシフト量により評価した結果を図6に示す。ラマンシフト量は-0.1近傍であり、実施例に比べて内部応力が大きいことが判った。
このように、本発明によれば炭化珪素種基板の固定に要する時間を削減し、速やかに成長に移行することができ、結晶の乱れや品質劣化が抑制された成長を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…炭化珪素種基板、 2…炭化珪素原料、 3…成長容器、
4…断熱容器、 5…温度測定用の穴、 6…遮蔽板、
7…種土台、 8…柱、 9…加熱手段、
10…外部容器、 11…本発明の炭化珪素単結晶製造装置、 12…温度測定手段、
21…結晶成長面、 22…裏面保護膜。

Claims (6)

  1. 炭化珪素種基板及び炭化珪素原料を収納する成長容器を囲う断熱容器に温度測定用の穴を設け、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造方法であって、
    前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料を配置する工程と、
    前記炭化珪素種基板に裏面保護膜を形成する工程と、
    前記成長容器の底面に前記裏面保護膜を形成した炭化珪素種基板を前記裏面保護膜を形成した面を底面側として固定することなく設置する工程と、
    該設置した炭化珪素種基板上に炭化珪素単結晶を成長させる工程と
    を含むことを特徴とする炭化珪素単結晶製造方法。
  2. 前記裏面保護膜を形成するとき、黒鉛スプレーを用いて、前記炭化珪素種基板の裏面に厚さ75μm以上黒鉛を塗布した後、1,000℃以上で熱処理を行って形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶製造方法。
  3. 前記炭化珪素原料を配置するとき、ドーナツ状に配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭化珪素単結晶製造方法。
  4. 前記炭化珪素単結晶を成長させるとき、前記炭化珪素種基板と前記炭化珪素原料との間に遮蔽板を設置して行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶製造方法。
  5. 炭化珪素種基板及び炭化珪素原料を収納する成長容器と、該成長容器を囲う断熱容器と、該断熱容器に設けた前記成長容器内の温度測定用の穴を通して、前記成長容器内の温度を測定する温度測定手段と、前記炭化珪素原料を加熱する加熱手段とを具備し、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造装置であって、
    前記成長容器の上部に前記炭化珪素原料が配置されており、
    前記成長容器の底面に、裏面保護膜が形成された前記炭化珪素種基板が、前記裏面保護膜が形成された面を底面側として固定されることなく設置されているものであることを特徴とする炭化珪素単結晶製造装置。
  6. 前記炭化珪素種基板と前記炭化珪素原料との間に遮蔽板が設置されているものであることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
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