JP2023101260A - 入金管理装置、入金管理方法及び入金管理プログラム - Google Patents

入金管理装置、入金管理方法及び入金管理プログラム Download PDF

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理紗 三宅
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Abstract

【課題】将来的に回収される保留金を考慮した入金管理を可能とする。
【解決手段】保留金額算出部が、出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出し、また、請求金額算出部が、出来高となる金額から保留金額を減算処理した請求金額を算出する。データ生成部は、少なくとも請求金額の回収予定日、請求金額、及び、保留金額を含む回収予定データを生成する。そして、回収予定表生成部は、請求金額の回収予定月、及び、保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する。これにより、請求金額の回収予定及び保留金額の回収予定を回収予定表に基づいて認識でき、将来的に回収される保留金を考慮した入金管理を行うことができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、入金管理装置、入金管理方法及び入金管理プログラムに関する。
今日において、例えば建設業においては、取引の回収金額を一部控除し(保留金)、竣工時に保留金を含めた残額を顧客に請求する商慣習がある。
特許文献1(特開2002-197269号公報)に開示されている支払データ作成処理装置は、支払対象の指定項目にて支払締め日が指定されると、まず、指定された支払締め日に対応する支払先の費用データ及び控除データを抽出する。次に、費用の決裁項目及び控除の決裁項目にて費用金額及び控除金額の決裁を行う。次に、支払金額の確定項目にて、保留解除金額、保留金額、会費金額、費用金額及び控除金額に基づいて支払金額の確定が行われ、支払データの作成項目にて前記指定された支払締め日に対する支払先への支払方法に応じた支払データを作成する。これにより、利用者による支払データ作成処理装置の使い勝手の向上を図ることができる。
特開2002-197269号公報
しかし、保留金は、将来的に回収される金銭であるのに対し、従来は、単純に出来高金額に基づく請求書の発行のみが可能であった。このため、将来的に回収される保留金を考慮した入金管理を行うことが困難となっていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、将来的に回収される保留金を考慮した入金管理を行うことが可能な入金管理装置、入金管理方法及び入金管理プログラムの提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る入金管理装置は、出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出部と、出来高となる金額から保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出部と、少なくとも請求金額の回収予定日、請求金額、及び、保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成部と、請求金額の回収予定月、及び、保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成部と、を有する。
また、本願発明に係る入金管理方法は、上述の課題を解決するために、保留金額算出部が、出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出ステップと、請求金額算出部が、出来高となる金額から保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出ステップと、データ生成部が、少なくとも請求金額の回収予定日、請求金額、及び、保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成ステップと、回収予定表生成部が、請求金額の回収予定月、及び、保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成ステップと、を有する。
また、本願発明に係る入金管理プログラムは、上述の課題を解決するために、コンピュータを、出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出部と、出来高となる金額から保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出部と、少なくとも請求金額の回収予定日、請求金額、及び、保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成部と、請求金額の回収予定月、及び、保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成部として機能させる。
本発明によれば、将来的に回収される保留金を考慮した入金管理を行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態の入金管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図2は、請求先マスタの模式図である。 図3は、実施の形態の入金管理装置における、入金管理処理の前半の流れを示すフローチャートである。 図4は、実施の形態の入金管理装置における、入金管理処理の後半の流れを示すフローチャートである。 図5は、契約データの一例を示す図である。 図6は、請求情報入力画面の一例を示す図である。 図7は、回収予定データの一例を示す図である。 図8は、工事別回収予定表の一例を示す図である。 図9は、入金データの一例を示す図である。 図10は、工事別回収予定表の他の例を示す図である。 図11は、回収予定データの他の例を示す図である。 図12は、工事別回収予定表の、さらに他の例を示す図である。 図13は、工事の契約締結から竣工までの間の複数の出来高請求に対する請求金額及び保留金額の変遷を一覧的に示す図である。 図14は、売上データの一例を示す図である。
以下、本発明を適用した実施の形態となる入金管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の入金管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この入金管理装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、入金管理装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような入金管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワークに接続される。
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である請求先マスタ11が設けられている。
請求先マスタ11には、例えば図2に示すように、請求先コード、請求先名、及び、請求を行う出来高に対して予め請求先毎に設定されている保留比率が、それぞれ関連付けされて記憶されている。この図2の例は、請求先コードが「K001」の「〇〇建設」の場合、「10%」の保留比率が設定されており、請求先コードが「K003」の「□□土木」の場合、「15%」の保留比率が設定されている例である。
(機能構成)
次に、記憶部2には、入金管理プログラムが記憶されている。制御部3は、この入金管理プログラムを実行することで、表示制御部21、取得部22、データ生成部23、出力制御部24、保留金額算出部25、及び、請求金額算出部26として機能する。
表示制御部21は、顧客に対する請求書を作成する際に、後述する請求情報入力画面を、出力装置7を介して表示する。取得部22は,請求情報入力画面等を介して業務オペレータにより入力された各情報を取得する。データ生成部23は、業務オペレータにより入力された情報に基づいて、契約データ、回収予定データ、前受請求書データ、入金データ、及び、売上データ等を生成する。また、データ生成部23は、回収予定表生成部としても機能し、工事別回収予定表を表示するための工事別回収予定表データを生成する。
出力制御部24は、出力装置7の一例であるプリンタ装置を介して請求書を印刷制御する。保留金額算出部25は、請求先マスタ11を参照し、請求先毎の保留比率に基づいて、保留金の保留金額を算出する。請求金額算出部26は、出来高となる金額から保留金額を減算処理した請求金額を算出する。
(入金管理処理の詳細)
次に、実施の形態の入金管理装置1における入金管理処理を、図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。図3のフローチャート及び図4のフローチャートは、一連の処理の流れを示すフローチャートである。図3のフローチャートは、入金管理処理の前半の流れを示すフローチャートである。図4は、入金管理処理の後半の流れを示すフローチャートである。
まず、業務オペレータは、顧客との間に締結された例えば工事の契約に基づいて、売上予定日、保留金回収予定日、及び、受注金額等を、入力装置6を介して入力する。図3のフローチャートのステップS1では、取得部22が、業務オペレータにより入力された売上予定日、保留金回収予定日、及び、受注金額等の各情報を取得する。また、ステップS1では、データ生成部23が、取得された各情報に基づいて契約データを生成して記憶部2に記憶する。
図5が、生成された契約データの一例である。この図5に示すように、契約データは、工事番号、受注日、売上予定日、保留金回収予定日、及び、受注金額の各情報を含んで構成される。このうち、例えば「PJ001」等の工事番号は、自動採番により入力される。受注日は、契約データを生成する当日の日付が入力される。図5の例は、「2021年3月10日」が受注日となっている。
売上予定日は、保留金回収予定日、及び、受注金額は、業務オペレータにより入力される情報である。図5の例は、売上予定日(工事が竣工となる日)として「2022年3月25日」の日付が入力された例である。また、図5の例は、保留金回収予定日として、工事が竣工となる日である「2022年3月25日」が属する月(請求月)の翌月となる「2022年4月20日」の日付が入力された例である。そして、図5の例は、この工事が、「10000000円」の受注金額の工事であることを示している。
次に、建設業における工事契約は受注した後、設計、工事、完成及び引き渡しまでの期間が長期間に及ぶ。このため、工事期間中に決算期となることもあり、引き渡しを行っていない工事に対して受注金額の一部を受け取った場合は、勘定科目を「未成業務受入金」とした計上処理が行われる。換言すると、受注金額は、工事期間に応じて複数の出来高に分けて顧客により入金され、入金された出来高は「未成業務受入金」として計上処理される。
図6は、顧客に対して工事の出来高に対する請求書を作成する際に表示される請求情報入力画面の一例を示す図である。竣工までの間の工事の出来高に対する請求は、この図6に例示するように、「未成業務受入金」として計上される。この図6の例は、「10000000円」の受注金額のうち、「2000000円」を顧客に請求する請求書の入力例である。
このように、例えば「2000000円」等の出来高金額が業務オペレータにより入力されると、保留金額算出部25は、業務オペレータにより指定された請求先名に対応する保留比率を、請求先マスタ11から検出する。そして、保留金額算出部25は、「出来高金額×請求先の保留比率」の演算を行うことで、保留金額を算出する。例えば、図6に示したように出来高金額が「2000000円」であり、請求先が図2に示す「〇〇建設」であるとする。この場合、「〇〇建設」の保留比率は「10%」であるため、保留金額算出部25は、「2000000円×0.1」の演算を行うことで、「200000円」の保留金額を算出する。
また、請求金額算出部26は、「出来高金額×(1-請求先の保留比率)」の演算を行うことで、請求先に対する請求金額を算出する。上述の例の場合、出来高金額が「2000000円」であり、請求先となる「〇〇建設」の保留比率が「10%」であるため、請求金額算出部26は、「2000000円×(1-0.1)」の演算を行うことで、「180000円」の保留金額を算出する。
なお、この「出来高金額×(1-請求先の保留比率)」の演算は、出来高金額から、算出された保留金額を減算処理する演算(2000000円-200000円=1800000円)と同義である。
このように保留金額及び請求金額が算出されると、データ生成部23は、図7(a)に示す回収予定データを生成する。この回収予定データは、請求番号、請求日、回収予定日、請求金額、回収済金額、保留金額、及び、工事番号を含んで構成される。このうち、請求番号は自動採番されて入力される。請求日は、この回収予定データが作成された日付が自動的に入力される。「PJ001」等の工事番号は、業務オペレータにより入力された工事番号が回収予定データに入力される。
回収予定日は、業務オペレータにより指定された日付が入力される。この図7(a)の例の場合、請求日が「2021年7月20日」であるため、業務オペレータは翌月の「2021年8月20日」を請求金額の回収予定日として入力する。データ生成部23は、業務オペレータにより入力された請求金額の回収予定日を回収予定データに入力する。
また、この例の場合、データ生成部23は、「1800000円」を請求金額として回収予定データに入力する。また、この「1800000円」を請求金額は、この時点では、顧客から未入金の状態であるため、データ生成部23は、回収済金額として「0円」を回収予定データに入力する。また、例えば建設業の商慣習における保留金額は、この例の場合「200000円」となるため、データ生成部23は、保留金額として「200000円」を回収予定データに入力する。
次に、図3のフローチャートのステップS3では、データ生成部23が、顧客に対して送付する請求書の請求書データを生成して記憶部2に記憶する。この例の場合、データ生成部23は、「1800000円」を請求金額とし、「200000円」を保留金額とする請求書データを生成する。出力制御部24は、この請求書データを、例えば電子メール等でネットワークを介して顧客に送信する。または、出力制御部24は、出力装置7の一例であるプリンタ装置で、この請求書データを印刷制御する。印刷により形成された請求書は、顧客に郵送される。
ここで、データ生成部23は、請求書データを生成すると、ステップS4において、請求金額及び保留金額の回収予定を時系列に沿って示す工事別回収予定表の工事別回収予定表データを生成し記憶部2に記憶する。図8に、工事別回収予定表の一例を示す。この図8に例示するように、工事別回収予定表は、受注した各工事の回収予定を、行単位で表示する。図8の例は、請求先が「〇〇建設」で、この「〇〇建設」から工事番号「PJ0001」の「〇〇国道 積算技術業務」を「10000000円」の契約金額で受注し、工事番号「PJ0002」の「〇〇国道 積算技術業務」を「12000000円」の契約金額で受注している例である。また、この図8の例は、工事番号「PJ0005」の「××事務所設計資料作成業務」を「20000000円」に契約金額で受注している例である。
この場合、データ生成部23は、1行目に工事番号「PJ0001」の「〇〇国道 積算技術業務」の「10000000円」の工事に対する回収予定を表示し、2行目に工事番号「PJ0002」の「〇〇国道 積算技術業務」の「12000000円」の工事に対する回収予定を表示するように工事別回収予定表データを生成する。また、データ生成部23は、3行目に工事番号「PJ0002」の「××事務所設計資料作成業務」の「20000000円」の工事に対する回収予定を表示するように工事別回収予定表データを生成する。
この工事別回収予定表は、各行の左から右にかけて、例えば2021年4月→2021年5月→2021年6月・・・等のように、時系列に沿ったかたちで各月の回収予定が入力されるようになっている。図8に示す1行目の工事番号「PJ0001」の「〇〇国道 積算技術業務」の場合、2021年8月に上述の「2000000円」の出来高金額から保留金額を減算した「1800000円」が2021年7月に請求されるため、翌月の2021年8月が回収予定月とされる。また、保留金の「200000円」は、工事途中で決算期となる2022年3月の翌月の2022年4月が回収予定月とされる。
このような工事別回収予定表を生成することで、実際の請求額、回収予定及び保留金(将来の回収予定)をそれぞれ管理でき、より正確な資金繰り計画を可能とすることができる。
次に、請求書を受け取った顧客は、請求金額の入金を行う。表示制御部21は、顧客から入金された入金金額を、入力装置6に表示する。図3のフローチャートのステップS5では、業務オペレータが顧客からの入金の有無を判断し、入金を確認できた際に(ステップS5:Yes)、ステップS6で入金処理を行う。
図9は、入金データの一例を示す図である。図9(a)は、工事期間中における1回目の入金処理による入金データの一例であり、図9(b)は、工事期間中における2回目の入金処理による入金データの一例であり、図9(c)は、工事期間中における3回目の入金処理による入金データの一例である。この図9の例は、竣工後の残金の請求を含め、計3回の請求が行われた例である。
この図9に示すように、入金データは、入金番号、入金日、入金金額及び請求番号を含んで構成される1回目の請求に対応する入金処理では、業務オペレータが、上述の「1800000円」の入金金額の入金操作を行う。入金番号及び請求番号は、自動採番で入力され、入金日は、その入金データの入力日が自動的に入力される。データ生成部23は、このような入金データを記憶部2に記憶する。
また、業務オペレータにより、顧客から入金が行われると、データ生成部23は、入金データの請求書番号に対応する回収予定データを記憶部2から検出する。この場合、データ生成部23は、図9(a)に示す「SEI001-01」の請求番号に対応する回収予定データを記憶部2から検出する。そして、データ生成部23は、図7(b)に示すように、「SEI001-01」の請求番号の回収予定データに対して、今回の請求により顧客から入金された「1800000円」を、回収済金額として入力する。
次に、工事が進むと、ステップS7で、工事開始から2回目以降の請求入力が行われたか否か、及び。ステップS8で、その請求入力は、工事完成後の請求入力であるか否かが判別される。工事開始から2回目以降の請求入力が行われ(ステップS7:Yes)、その請求入力が、工事完成後の請求入力ではない場合は(ステップS8:No)、ステップS2に処理が戻る。そして、保留金額算出部25及び請求金額算出部26により、2回目以降の請求書に対応する保留金額及び請求金額が算出され、データ生成部23により、2回目以降の請求書に対応する上述の回収予定データが生成される(ステップS2)。
図7(c)は、2回目の請求に対応して生成された回収予定データの一例である。この図7(c)の例は、2回目の出来高金額が「1000000円」であり、このうち、「100000円」が保留金として算出された例である。この場合、データ生成部23は、例えば請求番号を「SEI001-02」とし、請求日を「2021年10月2日」を請求日とし、翌月の「2021年11月2日」を回収予定日とし、請求金額を「900000円」及び保留金額を「100000円」とした回収予定データを生成して記憶部2に記憶する。
また、請求金額を「900000円」とし、保留金額を「100000円」とした請求書が発行され(ステップS3)、顧客からの入金が行われると、データ生成部23は、図9(b)に示すように「SEI001-02」を請求番号とした、「900000円」の入金に対応する入金データを生成する(ステップS5、ステップS6)。これと共に、データ生成部23は、図7(d)に示すように、「SEI001-02」の請求番号の回収予定データを記憶部2から検出する。そして、「SEI001-02」の請求番号の回収予定データに対して、今回の請求により顧客から入金された「900000円」を、回収済金額として入力する(ステップS6)。
さらにデータ生成部23は、この2回目の請求は、図7(b)に示したように「2021年11月2日」を回収予定日とする「900000円」の請求金額であり、「100000円」の保留金額である。このため、データ生成部23は、図10に示すように、工事別回収予定表の1行目の工事の2021年11月に「900000円」の回収予定金額を入力し、2022年4月に回収予定の「200000円」の保留金額に、今回の「100000円」を加算処理した計「300000円」の保留金額の工事別回収予定表を生成(更新)する(ステップS4)。
次に、工事の竣工により、顧客に対して保留金も含め、最終的な工事代金の残金を請求する場合、図3のステップS8から図4のステップS9に処理が進む。ステップS9では、取得部22が、業務オペレータの売上入力操作による入力情報を取得する。データ生成部23は、ステップS10において、取得された入力情報に基づいて、図14に示す売上データを生成する。
この図14に例示するように、売上データは、売上番号、売上日、請求番号及び売上金額を含んで構成される。売上番号は、この売上データの生成時に自動採番により付加される。売上日は、この売上データを作成した日時が自動的に入力される。業務オペレータは、以下に説明するように、この売上データに基づいて最終的な請求書を作成する。売上データの請求番号としては、この最終的な請求書に付される請求番号が、業務オペレータに入力される。また、売上金額としては、その工事の契約締結時に示された受注金額(図5参照)である例えば「10000000円」が、業務オペレータにより入力される。
次に、データ生成部23は、ステップS11において、図11(a)に例示するように、顧客に対して最終的に請求する請求金額を入力した回収予定データを生成する。図11(a)の例は、請求番号が「SEI001-03」であり、「2022年3月20日」を請求日とし、翌月の「2022年4月20日」を回収予定日として顧客に請求される、請求金金額が「7300000円」の回収予定データである。
すなわち、この例の場合、上述のように「10000000円」が受注金額であり、過去、「2000000円」及び「1000000円」の出来高金額が発生している。このうち、「200000円+100000円=300000円」が保留金であり、この時点で、実際に、顧客から入金済みの金額は、「1800000円+900000円=2700000円」である。このため、残金である「7300000円」が業務オペレータにより入力され、データ生成部23は、この「7300000円」を請求金額とする回収予定データを生成する。これにより、「200000円+100000円=300000円」の保留金も顧客に対して請求されるため、データ生成部23は、回収予定データの保留金額として「-300000円」を入力し、保留金の消込を行う。
次に、データ生成部23は、ステップS12において、図12に示すように、工事別回収予定表の「2022年4月」を回収予定月とする「7300000円」の回収予定金額を入力した工事別回収予定表データを生成し、記憶部2に記憶する。この工事別回収予定表により、工事関係者は、「10000000円」の受注金額の全額が、「2022年4月」に回収予定であることを認識することができる。
次に、業務オペレータは、このような最終的な売上データに基づいて、「7300000円」を請求金額とする最終的な請求書作成し、顧客に対して送信又は郵送する。これにより、顧客は、最終的な請求金額である「7300000円」を入金する。ステップS14では、業務オペレータが、顧客から最終的な請求金額である「7300000円」が入金されたか否かを判別する(ステップS14)。
顧客からの入金が行われると(ステップS14:Yes)、データ生成部23は、図9(c)に示すように「SEI001-03」を請求番号とした、「7300000円」の入金に対応する入金データを生成する(ステップS15)。
これと共に、データ生成部23は、図11(b)に示すように、「SEI001-03」の請求番号の回収予定データを記憶部2から検出する。そして、「SEI001-03」の請求番号の回収予定データに対して、今回の請求により顧客から入金された「7300000円」を、回収済金額として入力する(ステップS16)。顧客より「7300000円」の残金が入金されたことで、保留金も入金されたこととなるため、データ生成部23は、図11(b)に示すように回収予定データの保留金額を「-300000円」として、過去の保留金額の消込を行う。これにより、図3及び図4の一連のフローチャートに示す入金管理処理が終了する。
最後に、上述の「10000000円」の受注金額の工事に対する請求金額及び保留金額の推移のイメージを図13に示す。上述のように契約金額は「10000000円」である。1回目の出来高請求は、「2000000円」の出来高金額のうち、「200000円」が保留金とされ、回収予定日を「2021年8月20日」として「1800000円」が請求される。
2回目の出来高請求は、「1000000円」の出来高金額のうち、「100000円」が保留金とされ、回収予定日を「2021年11月2日」として「900000円」が請求される。最後に、「7000000円」の出来高金額に対して、過去の保留金である「300000円」が加算され、計「7300000円」が、回収予定日を「2022年4月20日」として請求される。この最後の請求を行った際、「300000円」の保留金の消込が行われる。このような請求金額及び保留金額の推移は、上述の工事別回収予定表で時系列に沿って確認できる。このため、正確な入金管理を行うことができる。
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の入金管理装置1は、請求時に出来高の一部を保留とし、保留分を差し引いた形で請求書を発行できる。また、実際の請求額、回収予定及び保留金(将来の回収予定)をそれぞれ管理し、より正確な資金繰り計画を可能とすることができる。
すなわち、前請求入力画面(請求書発行前の登録処理)に保留金の控除を設けることで、実際の回収予定及び将来の回収予定をそれぞれ管理できる。このような実施の形態の入金管理装置1は完成基準、進行基準、原価回収基準のうち、いずれの売上基準においても有効に機能する。
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、入金管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
例えば、入金管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて入金管理装置1により機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
また、この入金管理装置1の入金管理プログラムは、入金管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するための入金管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した入金管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、入金管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、建築業をはじめ、保留金が発生する様々な業種の入金管理に有用である。
1 入金管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
21 表示制御部
22 取得部
23 データ生成部
24 出力制御部
25 保留金額算出部
26 請求金額算出部

Claims (4)

  1. 出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出部と、
    前記出来高となる金額から前記保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出部と、
    少なくとも前記請求金額の回収予定日、前記請求金額、及び、前記保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成部と、
    前記請求金額の回収予定月、及び、前記保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成部と、
    を有する入金管理装置。
  2. 前記出来高となる金額は、受注金額を複数の出来高に分けた金額であり、
    前記保留金額算出部は、前記出来高毎に前記保留金額を算出し、
    前記請求金額算出部は、最終的な出来高に対する前記請求金額を算出する際に、前記出来高毎の保留金額の合計額を、最終的な出来高となる金額に加算処理して前記請求金額を算出し、
    前記データ生成部は、最終的な出来高に対する前記回収予定データを生成する際に、前記出来高毎の保留金額の合計額を、最終的な出来高となる金額に加算処理して算出された前記請求金額、前記請求金額の回収予定日、及び、前記出来高毎の保留金額の合計額の消込を行った保留金額を含む回収予定データを生成すること
    を特徴とする請求項1に記載の入金管理装置。
  3. 保留金額算出部が、出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出ステップと、
    請求金額算出部が、前記出来高となる金額から前記保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出ステップと、
    データ生成部が、少なくとも前記請求金額の回収予定日、前記請求金額、及び、前記保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成ステップと、
    回収予定表生成部が、前記請求金額の回収予定月、及び、前記保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成ステップと、
    を有する入金管理方法。
  4. コンピュータを、
    出来高となる金額に対して所定の保留比率を乗算処理した保留金額を算出する保留金額算出部と、
    前記出来高となる金額から前記保留金額を減算処理した請求金額を算出する請求金額算出部と、
    少なくとも前記請求金額の回収予定日、前記請求金額、及び、前記保留金額を含む回収予定データを生成するデータ生成部と、
    前記請求金額の回収予定月、及び、前記保留金額の回収予定月を時系列に沿って表示する回収予定表の回収予定表データを生成する回収予定表生成部として機能させること、
    を特徴とする入金管理プログラム。
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