JP2023101158A - エポキシ樹脂組成物、硬化物、構造体、及び電子部品 - Google Patents

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真典 吉田
Masanori Yoshida
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Abstract

【課題】フィルム形状で長時間保管後においても、保管前と比較して金属との接着強度低下率が小さく、かつ金属との接着強度が高いエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】成分(A):エポキシ樹脂と、成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、成分(C):熱硬化剤とを含む、エポキシ樹脂組成物であって、
フィルム形状で、40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率(%)が、0%以上30%以下である、エポキシ樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、硬化物、構造体、及び電子部品に関する。
従来から、エポキシ樹脂組成物は、半導体素子やプリント配線板の接着剤、絶縁材として使用されている。
近年、半導体素子やプリント配線板は、高性能化、小型化、薄型化が進み、半導体チップや配線層の多層化、配線の微細化及び高密度化、さらには低誘電正接化が求められている。また、電子材料の小型化及び薄型化に伴い、接着層や絶縁層を薄くすることを目的として、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の重要性が増している。
フィルム形状のエポキシ樹脂組成物に関しては、例えば、特許文献1に、薄膜形成性、保存安定性、及び硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物を用いたドライフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、溶剤を使用してフィルム化した際の保存安定性が良好で、硬化性に優れ、長期信頼性にも優れている接着フィルム用エポキシ樹脂組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、低温硬化性、耐溶剤性及び貯蔵安定性に優れる硬化剤、及びマイクロカプセル型硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物を用いたフィルム形状のエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開2020-152780号公報 特許第661928号公報 特許第603995号公報
従来提案されているフィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、金属層に対する接着や層間絶縁材料、金属配線部分を保護する用途に用いられているが、かかる従来のフィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、常温で長期間保管すると、金属との接着強度が悪化するという問題点を有している。
上述した特許文献1~3に記載されているエポキシ樹脂組成物は、フィルム化前のワニス状態での安定性については改善される傾向にあるが、フィルム化した後の保存安定性及びフィルム保管中の金属接着強度低下を抑えることについては、改善の余地があるという問題点を有している。
そこで本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み、フィルム形状で長時間保管したとき、保管前と比較して金属との接着強度低下率が小さく、金属との接着強度が高いエポキシ樹脂組成物、及び金属とエポキシ樹脂組成物の硬化物が高い強度で接着している構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、長時間保管後における接着強度の低下は、保管中にエポキシ基が反応し高分子量体や架橋構造が形成されることで貼り付け時や熱硬化時のエポキシ樹脂組成物の流動性が低下し、その結果、(i)基材への追従性悪化による接着面積の低下すること、(ii)アミノ基等の金
属配位性を持つ官能基を有する化合物の金属界面への移動性が悪化すること、に起因することを見出し、かつ、所定の条件下で保管期間中の、エポキシ基の消費率を特定することにより上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
成分(A):エポキシ樹脂と、
成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、
成分(C):熱硬化剤と、
を、含む、エポキシ樹脂組成物であって、
フィルム形状で、40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率(%)が、0%以上30%以下である、エポキシ樹脂組成物。
〔2〕
前記成分(A)エポキシ樹脂は、下記式(1)で表される、成分(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量(g/eq.)が140以上500以下である、前記〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量=エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
〔3〕
成分(A):エポキシ樹脂と、
成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、
成分(C):熱硬化剤と、
を、含むエポキシ樹脂組成物であって、
前記成分(A)エポキシ樹脂は、下記式(1)で表される、成分(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量(g/eq.)が140以上500以下であり、
40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率Y(%)と、
下記式(1)で表される、成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量X(g/eq.)が、
下記式(2)を満たす、
前記〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量X=エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
Y(%) ≦-0.06×X(g/eq.)+39 ・・・式(2)
〔4〕
前記成分(C):熱硬化剤が、(C-1):マイクロカプセル型硬化剤を含み、
成分(D):芳香環を有する単官能エポキシ化合物を、さらに含む、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕
前記成分(C):熱硬化剤が、
(C-2):活性エステル系硬化剤、及び(C-3):ジシアンジアミドからなる群より選ばれる、少なくとも1つを含む、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕
前記エポキシ樹脂組成物がフィルム形状である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔7〕
層間絶縁フィルム、フィルム型ソルダーレジスト、ダイアタッチフィルム、封止シート、接着シート、導電性フィルム、異方導電性フィルム、及び熱伝導性フィルムからなる群より選択される、いずれか1つである、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
〔9〕
金属基材と、
前記〔8〕に記載の硬化物と、
を有する構造体。
〔10〕
前記〔8〕に記載の硬化物を含む、半導体素子、フレキシブル基板、プリント配線板、パワー半導体、及び太陽光パネルからなる群より選択される、1つ以上を組み合わせて成る、電子部品。
本発明によれば、フィルム形状で長時間保管後においても、保管前と比較して金属との接着強度低下率が小さく、かつ金属との接着強度が高いエポキシ樹脂組成物を提供できる。
また、本発明によれば、長時間保管後でも、金属とエポキシ樹脂組成物の硬化物が高い強度で接着している構造体を提供できる。
成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量(g/eq.):Xを横軸とし、40℃で7日間保管した期間中のエポキシ基の消費率PD.R..(%):Yを縦軸とし、実施例1~11をプロットした図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、
成分(A):エポキシ樹脂と、
成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、
成分(C):熱硬化剤と、
を、含み、
フィルム形状で、40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率(%)が、0%以上30%以下である。
上記構成を有することにより、長時間保管後においても、保管前と比較して金属との接着強度低下率が小さく、かつ金属との接着強度が高いエポキシ樹脂組成物が得られる。
(成分(A):エポキシ樹脂)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(A)エポキシ樹脂(以下、(A)エポキシ樹脂、成分(A)と記載する場合がある。)を含む。
なお、後述する成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物は、成分(A)エポキシ樹脂に含まないものとし、これらは1分子中に有するエポキシ基数により区別できる。本実施形態においては、(A)エポキシ樹脂とは、1分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、及び高分子化合物である。
(A)エポキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、テトラブロモビフェニル型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂、フェニルベンゾエート型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホキシド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホン型エポキシ樹脂、ジフェニルジスルフィド型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、メチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂類;N,N-ジグリシジルアミノベンゼン型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジアミノベンゼン型エポキシ樹脂等の4官能型エポキシ樹脂類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ブロモ化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂類;及び脂環式エポキシ樹脂類が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。さらに、これらをイソシアネート等で変性したエポキシ樹脂等も併用することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性と耐熱性の観点から、成分(A)エポキシ樹脂として、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことが好ましく、十分な機械特性を付与する観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
(A)エポキシ樹脂は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物をフィルム形状としたときの、(i)貼り付け時の適度な粘着性の付与、(ii)可撓性、(iii)取り扱い性、(iv)十分な機械強度の付与、の観点から、下記式(1)で示される(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量が、140g/eq.以上500g/eq.以下であることが好ましく、150g/eq.以上450g/eq.以下であることがより好ましく、160g/eq.以上430g/eq.以下であることがさらに好ましく、170g/eq.以上410g/eq.以下であることがさらにより好ましい。
成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量=
エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量が140g/eq.以上500g/eq.以下であることにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性に優れ、高い機械強度が得られる。
なお、前記式(1)において、「成分(A)エポキシ樹脂全体」とは、成分(A)を構成するエポキシ樹脂が2種以上である場合、及び1種のみである場合の両方を含む。また、「各エポキシ樹脂」とは、成分(A)を構成する各々のエポキシ樹脂を意味し、2種以上である場合、及び1種のみである場合の両方を含む。
成分(A)を構成する各エポキシ樹脂のエポキシ当量はJIS K7236に準拠して求めることができる。
成分(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量は、1種のみのエポキシ樹脂を用いる場合には、上記数値範囲のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を用いる事で制御可能であり、2種以上のエポキシ樹脂を用いる場合には、使用するエポキシ樹脂のエポキシ当量及び各エポキシ樹脂の添加割合を調整する事により、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物における、成分(A)エポキシ樹脂の含有量は、十分な硬化性を付与する観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらにより好ましい。
また、フィルム形状とする際に十分なフィルム形成性を付与するために後述する成分(B):成分(A)とは異なるポリマーや、十分な反応性を付与するために後述する成分(C):熱硬化剤を配合する観点から、成分(A):エポキシ樹脂の含有量は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、68質量%以下がさらにより好ましい。
(成分(B):成分(A)とは異なるポリマー)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(B):成分(A)とは異なるポリマー(以下、(B)ポリマー、成分(B)と記載する場合がある。)を含む。
(B)ポリマーとしては、前記(B)ポリマーを含有する所定の樹脂組成物を、キャスティング又はある一定の厚さで塗布乾燥することでフィルム状に形成した場合に、ヒビ割れ、ハジキ、過剰なフローを抑制し、フィルム形状を維持する機能を有するポリマーを使用できる。
(B)ポリマーとしては、以下に限定されないが、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、並びに、カルボキシル基、ヒドロシキシル基、ビニル基及びアミノ基等の官能基や芳香環を有するエラストマー類等が挙げられる。
成分(B)としては、長期の金属体の接続信頼性に優れるフェノキシ樹脂を含むことが好ましい。
フェノキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールF混合型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビフェニル混合型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールS混合型フェノキシ樹脂、フルオレン環含有フェノキシ樹脂、及びカプロラクトン変性ビスフェノールA型フェノキシ樹脂等が挙げられる。
(B)ポリマーは、数平均分子量が、9,000以上500,000以下であることが好ましく、10,000以上100,000以下がより好ましく、11,000以上50,000以下がさらに好ましく、12,000以上30,000以下がさらにより好ましい。
数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下GPCと称す)によるポリスチレン換算の数平均分子量であり、ポリスチレン換算分子量が728以上の領域について平均値を算出した値である。
(B)ポリマーの数平均分子量が9,000以上であることにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に十分なフィルム塗工性が付与できると共に、硬化したエポキシ樹脂の架橋構造からの(B)ポリマーのすり抜けが起こり難くなり、硬化物の凝集力の低下を抑制でき、信頼性の低下を抑制できる。
一方、数平均分子量が500,000以下であることにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、基板又はICチップ等の被接着物と高い密着性を維持できるようになり、また、接続時における局所的な硬化不良の発生が抑制でき、配線及び電極の腐食の発生が起き難く、高い絶縁信頼性が得られる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物における、成分(B)の含有量は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に十分なフィルム形成性、取り扱い性を付与する観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらにより好ましい。
また、十分な硬化性と貼り付け時の粘着性を付与するために、前記成分(A)エポキシ樹脂や、十分な反応性を付与するために後述する成分(C)熱硬化剤を配合する観点から、成分(B)の含有量は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらにより好ましい。
(成分(C):熱硬化剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(C)熱硬化剤(以下、(C)熱硬化剤、(C)成分と記載する場合がある。)を含む。
(C)熱硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、(C-2)活性エステル系硬化剤、触媒型硬化剤、及び潜在性硬化剤等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、以下に限定されないが、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、m-キシレンジアミン、トリメチルへキサメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、イソフォロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、以下に限定されないが、例えば、ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4-アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、KAYAHARD A-A(日本化薬製)、エタキュア100(三井化学ファイン製)等が挙げられる。
アミド系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、(C-3)ジシアンジアミド及びその誘導体であるグアニジン系化合物、又はアミン系化合物に酸無水物を付加させた化合物、並びにヒドラジド系化合物が挙げられる。
ヒドラジド系化合物としては、以下に限定されないが、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドテレフタル酸ジヒドラジド、p-オキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
グアニジン系化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ジシアンジアミド、メチルグアニジン、エチルグアニジン、プロピルグアニジン、ブチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トルイルグアニジン等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記(C)熱硬化剤として、前記(C-3)ジシアンジアミドを含むことがフィルム形状としたときに長時間保管後においても優れた接着強度を維持する観点、具体的には、40℃の温度条件下で7日間保管後においても優れた金属接着強度を維持する観点で好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、前記(C)熱硬化剤として(C-3)ジシアンジアミドを含むことで、40℃の温度条件下で7日間保管後においても優れた金属接着強度を有するメカニズムは、特に限定する趣旨ではないが、以下のように考えられる。
(C-3)ジシアンジアミドはブロック状態でエポキシ樹脂組成物中に存在し、硬化の際に溶解、拡散することによって硬化性を発現する。(C-3)ジシアンジアミドが溶解、拡散し、エポキシ基との反応活性を示す温度は100℃以上であるため、かかる反応活性を示す温度よりも大幅に低温である40℃の温度条件下ではエポキシ基との反応性が抑制されている。これにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物よりなるフィルムの貼り付け性や、硬化時の分子流動性が悪化せず、良好な金属接着強度を発現できる。また、(C-3)ジシアンジアミドは活性水素を4つ有するため、反応後に形成される架橋構造が緻密になり、硬化物が強固になり、良好な金属接着強度を発現できる。
フェノール系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮合ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮合ノボラック樹脂、アリルアクリルフェノール樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記(C)熱硬化剤として、前記(C-2)活性エステル系硬化剤を含むことが、長時間保管後においても優れた特性を維持する観点、具体的には、40℃の温度条件下で7日間保管後においても優れた金属接着強度を維持する観点好ましい。
(C-2)活性エステル系硬化剤としては、前記成分(A)エポキシ樹脂の硬化剤として機能し、かつ活性エステル基を有するものであれば特に限定されないが、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物が好ましい。
(C-2)活性エステル系硬化剤は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の耐熱性等の観点から、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物とを反応させたものから得られる活性エステル化合物であることがより好ましく、カルボン酸化合物と、フェノール化合物、ナフトール化合物、チオール化合物とから選択される1種又は2種以上とを反応させたものから得られる活性エステル化合物であることがさらに好ましい。
また、カルボン酸化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたものから得られる、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物であることがさらにより好ましい。
さらに、少なくとも2個以上のカルボン酸を1分子中に有する化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたものから得られる芳香族化合物であって、かつ前記芳香族化合物の1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物であることが、よりさらに好ましい。
また、(C-2)活性エステル系硬化剤を構成する化合物は、直鎖状又は多分岐状のいずれであってもよい。また、前記少なくとも2個以上のカルボン酸を1分子中に有する化合物が脂肪族鎖を含む化合物であれば、(C-2)活性エステル系硬化剤は、(A)エポキシ樹脂との相溶性が高くなり、さらに、(C-2)活性エステル系硬化剤が芳香族環を有する化合物であれば、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の耐熱性を高くすることができる。
(C-2)活性エステル系硬化剤を形成するために用いるカルボン酸化合物としては、以下に限定されないが、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。特に、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の耐熱性の観点から、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、テレフタル酸がより好ましい。
(C-2)活性エステル系硬化剤を形成するために用いるチオカルボン酸化合物としては、以下に限定されないが、例えば、チオ酢酸、チオ安息香酸等が挙げられる。
(C-2)活性エステル系硬化剤を形成するために用いるフェノール化合物又はナフトール化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
特に、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の耐熱性、(C-2)活性エステル系硬化剤の溶解性の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックが好ましく、カテコール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがより好ましく、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがさらに好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがさらにより好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックがよりさらに好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノールが特に好ましい。
(C-2)活性エステル系硬化剤を形成するために用いるチオール化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゼンジチオール、トリアジンジチオール等が挙げられる。
(C-2)活性エステル系硬化剤を構成する活性エステル化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C-2)活性エステル系硬化剤を構成する活性エステル化合物としては、特開2004-277460号公報に開示されている活性エステル化合物を用いてもよく、また市販のものを用いることもできる。
市販されている活性エステル化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むもの、フェノールノボラックのアセチル化物、フェノールノボラックのベンゾイル化物が好ましく、特にジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むものがより好ましい。ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むものとしては、以下に限定されないが、例えば、EXB9451、EXB9460、EXB9460S、HPC-8000-65T(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物としてDC808(ジャパンエポキシレジン(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物としてYLH1026(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
上述したように、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(C)熱硬化剤として、(C-2)活性エステル系硬化剤を含むことが、40℃の温度条件下で7日間保管後においても優れた金属接着強度を維持する観点で好ましい。
成分(C)として(C-2)活性エステル系硬化剤を含むことで、40℃の温度条件で7日間保管後においても優れた金属接着強度を維持できるメカニズムとしては、特に限定する趣旨ではないが、以下のように考えられる。
(C-2)活性エステル系硬化剤の反応活性化温度は、40℃よりも50℃以上高いため、40℃の温度条件下では、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基との反応性が抑制されており、その結果、本実施形態のエポキシ樹脂組成物よりなるフィルムの貼り付け性や、硬化時の分子流動性が悪化せず、良好な金属接着強度を発現できる。
触媒型硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、カチオン系熱硬化触媒、BF3-アミン錯体等が挙げられる。
潜在性硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、イミダゾール系化合物、アミン系アダクト化合物、又はこれらを被覆してなる(C-1)マイクロカプセル型硬化剤、多孔質体に吸着させてなる硬化剤等が挙げられる。
特に、保存安定性と反応性を両立させる観点から、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、(C)熱硬化剤として、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を含有することが好ましい。
イミダゾール系化合物としては、以下に限定されないが、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-アミノエチル-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、及びこれらイミダゾール類と、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、尿素化合物、イソシアネート化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかとの反応によって得られる化合物等が挙げられる。
アミン系アダクト化合物としては、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、尿素化合物、イソシアネート化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれか
と、前記アミン系硬化剤との反応によって得られる化合物等が挙げられる。
潜在性硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、ノバキュア HX-3742、HX-3921HP、HXA3932HP、HXA9322HP、HXA9382HP、LSA-H2104(旭化成株式会社製)アミキュア PN-23、PN-23J、PN-40、PN-40J、PN-H、MY-24(味の素ファインテクノ株式会社製)、フジキュアー FXR-1020、FXR-1030(富士化成工業株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物に含まれる成分(C)熱硬化剤は、固体の硬化剤を含むことが、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の保存安定性の観点で好ましい。
本明細書において、固体であるとは、25℃、1013hPaで固体であることを示す。
固体の硬化剤を本実施形態のエポキシ樹脂組成物中に分散させておき、所定の温度、及び加熱開始後の所定時間経過後にて硬化反応が開始するメカニズムとすることで、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、反応性と貯蔵安定性とを兼ね備えたものなる。

前記固体の硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、固体のイミダゾール系化合物、固体のポリアミン系化合物、及びそれらを含む(C-1)マイクロカプセル型硬化剤等が挙げられる。
ここで、成分(C)熱硬化剤と、成分(A)エポキシ樹脂とを、カプセル膜で物理的に隔てることにより、特に保存安定性に優れたものとすることができる観点から、(C)熱硬化剤は、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を含むことが好ましく、保存安定性と反応性を両立する観点から、前記(C-1)マイクロカプセル型硬化剤は、イミダゾール系化合物を含むマイクロカプセル型硬化剤であることがより好ましい。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、前記(C-1)マイクロカプセル型硬化剤と、後述する成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物とを併用することが、本実施形態のエポキシ樹脂組成物をフィルム化する前のワニス状態での安定性(増粘抑制)を向上させる観点、すなわちワニス状態で溶剤がカプセル膜にダメージを与えることでコアである硬化剤成分が溶出してしまうことを抑制する観点、及びフィルム形成時の乾燥工程における溶剤への耐性を向上させる観点、すなわち乾燥工程の高温下で、溶剤揮発中の間(マイクロカプセル周辺には溶剤がある状態)、カプセル膜に溶剤がダメージを与え、コア成分が溶出してしまうことを抑制する観点で好ましい。
イミダゾール系化合物を含む固体の硬化剤をマイクロカプセル化したマイクロカプセル型硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、ノバキュア HX-3742、HX-3921HP、HXA3932HP、HXA9322HP、HXA9382HP、LSA-H2104(旭化成株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物中の成分(C)熱硬化剤の含有量は、前記(C)熱硬化剤が、成分(A)エポキシ樹脂と十分な反応性を示し、得られる硬化物に十分な強度を付与する観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がさらにより好ましい。
また、十分なフィルム形成性、貼り付け時粘着性を付与する観点から、成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)ポリマーを添加できるようにすると共に、硬化物の脆性を抑制する観点から、(C)熱硬化剤の含有量は、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、41質量%以下がさらに好ましい。
(成分(D):芳香環を有する単官能エポキシ化合物)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物(以下、成分(D)と記載する場合がある。)を含むことができる。
特に、上述したように、前記(C-1)マイクロカプセル型硬化剤と、成分(D)を併用することにより、フィルム化する前のワニス状態での安定性(増粘抑制)を向上させることができ、すなわちワニス状態で溶剤がカプセル膜にダメージを与えることでコアである硬化剤成分が溶出してしまうことを抑制できる。また、かつフィルム形成時の乾燥工程における溶剤への耐性を向上させることができ、すなわち乾燥工程の高温下で、溶剤揮発中の間(マイクロカプセル周辺には溶剤がある状態)、カプセル膜に溶剤がダメージを与え、コア成分が溶出してしまうことを抑制することができる。
成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、阪本薬品工業社製商品名:SY-OPG等の化合物が挙げられる。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ樹脂と、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤とを共に含むことが、フィルム形状で、40℃の温度条件下で7日間保管したとき、保管期間中のエポキシ基の消費率を低減し、金属接着強度の低下割合を低減すると共に、40℃の温度条件下で7日間保管した後の、優れた金属接着強度を維持する観点で好ましい。
成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ樹脂と、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤とを共に含むことで上記効果を発現するメカニズムとしては、限定する趣旨ではないが、以下のように考えられる。
成分(D)が、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤のシェル内部に取り込まれることで、シェル内で芳香環同士のスタッキング効果を発現してネットワークを形成するため、シェルの凝集力を高めることができる。従って、溶剤に対して膨潤しにくいシェルが構築されていることで、フィルム塗工前のワニス状態、及びフィルム乾燥時において、硬化剤成分のシェル外への溶出を低減でき、その結果、フィルム保管中の高分子量体、架橋構造形成を抑制できるため、フィルム形状とした後のエポキシ樹脂樹脂組成物を40℃で7日間保管した後の金属接着強度の低下割合を低減できると共に、40℃で7日間保管した後の金属接着強度を維持することができる。
この時、成分(D)が、単官能化合物であることで、立体障害が小さいため、シェル内部への侵入が容易となり、より緻密かつ広いエリアで芳香環同時のスタッキングネットワークを形成できる。立体障害を抑える観点から、成分(D)は芳香環が単環であることが好ましく、各置換基の炭素数が3以下であることが好ましい。
前記成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物と、前記(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に含有させる方法としては、例えば、(1)成分(D)を含むマスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を用いる方法、(2)成分(D)を含まない(C-1)マイクロカプセル型硬化剤又はマスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤に、成分(D)を加えたものを用いる方法、(3)塗工液を調製する段階で、成分(D)と(C-1)マイクロカプセル型硬化剤とその他成分を配合する方法、のいずれの方法も用いることができる。
ここで、成分(D)と(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を高濃度で共存させシェル内でのスタッキングネットワークを効率的に広域に、かつ強固に形成できる観点から、前記(1)成分(D)を含むマスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を用いる方法が好ましい。
成分(D)を含むマスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤としては、例えば、LSA-H2104(旭化成株式会社製)が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物における、成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物の含有量は、耐溶剤性を十分に発現する観点から、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を作製するための固形分中、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、過剰添加による保存安定性の悪化を抑制する観点や硬化物の機械的強度の悪化を抑制する観点から、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
また、成分(D)を含むマスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を用いる場合の、マスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤における成分(D)の含有量は、十分な耐溶剤性を示す観点から、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上がさらにより好ましい。また、マスターバッチ化された(C-1)マイクロカプセル型硬化剤、及び本実施形態のエポキシ樹脂組成物の保存安定性を良好に保つ観点から15質量%以下が好ましく、14質量%以下がより好ましく、13質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がさらにより好ましい。
(その他添加剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上述した成分(A)~(D)以外に、添加剤として、有機フィラー、無機フィラー、顔料、染料、流れ調整剤、増粘剤、離型剤、湿潤剤、難燃剤、界面活性剤、アクリレートモノマー、光重合開始剤等を、さらに含むことができる。
有機フィラーとは、衝撃により発生する応力を緩和することが可能な、衝撃緩和剤としての機能を有するものである。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、有機フィラーを含有することで、各種接続部材との接着性をより一層向上することができる。また、フィレットクラックの発生及び進展を抑制することができる傾向にある。
有機フィラーとしては、以下に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ブタジエンゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、アクリルゴム、ポリスチレン、NBR、SBR、シリコーン変性樹脂、及びこれらを成分として含む共重合体の有機微粒子が挙げられる。
接着性向上の観点から、有機フィラーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル-ブタジエン-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル-シリコーン共重合体、シリコーン-(メタ)アクリル共重合体、シリコーンと(メタ)アクリル酸との複合体、(メタ)アクリル酸アルキル-ブタジエン-スチレンとシリコーンとの複合体及び(メタ)アクリル酸アルキルとシリコーンとの複合体等が好ましいものとして挙げられる。
また、前記有機フィラーとしては、コアシェル型の構造を有し、コア層とシェル層とで組成が異なる有機フィラーを用いることもできる。コアシェル型の有機フィラーとしては、例えば、シリコーン-アクリルゴムをコアとてアクリル樹脂をグラフトした粒子、及びアクリル共重合体にアクリル樹脂をグラフトとした粒子等が挙げられる。
これらの有機フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機フィラーは、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の熱膨張係数を調整する機能を有する。このため、無機フィラーを含有することにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として使用した際の耐熱性及び耐湿性を向上させることができる傾向にある。
無機フィラーとしては、以下に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、合成シリカ、結晶シリカ等の酸化シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;亜硫酸カルシウム等亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性、耐湿性及び強度を向上できる観点から、溶融シリカ、結晶シリカ、及び合成シリカ粉末が好ましく、また、同様の効果を得る観点から酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び窒化ホウ素のいずれかが好ましい。これらを用いることで、熱線膨張係数を抑制できるため、冷熱サイクル試験の改善等が見込まれる。
無機フィラーの形状は、特に限定されず、例えば、不定形、球状、及びりん片のいずれの形態であってもよい。
これらの無機フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、以下に限定されないが、例えば、カオリン、酸化アルミニウム三水和物、水酸化アルミニウム、チョーク粉、石こう、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、ペントン、シリカ、エアロゾル、リトポン、バライト、二酸化チタン等が挙げられる。
染料としては、以下に限定されないが、例えば、茜、藍等の植物由来の染料や、黄土、赤土等の鉱物由来の染料といった天然染料、アリザリン、インディゴ等の合成染料の他、蛍光染料等が挙げられる。
流れ調整剤としては、以下に限定されないが、例えば、シランカップリング剤等の有機シラン化合物;チタンテトライソプロポキシドやチタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)のような有機チタン化合物;ジルコニウムテトラノルマルブトキシドやジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
増粘剤としては、以下に限定されないが、例えば、ゼラチンのような動物性増粘剤;多糖類やセルロースのような植物性増粘剤;ポリアクリル系増粘剤、変性ポリアクリル系増粘剤、ポリエーテル系増粘剤、ウレタン変性ポリエーテル系増粘剤、カルボキシメチルセルロース等の化学合成系増粘剤等が挙げられる。
離型剤としては、以下に限定されないが、例えば、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、(メタ)アクリル酸グリシジルと炭素数16~22の直鎖アルキル(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体からなるアクリル系離型剤等が挙げられる。
湿潤剤としては、以下に限定されないが、例えば、アクリルポリリン酸エステルのような、酸性基を有する不飽和ポリエステルコポリマー系湿潤剤等が挙げられる。
難燃剤としては、以下に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、塩素化合物や臭素化合物等のハロゲン系難燃剤、縮合リン酸エステル等のリン系難燃剤、三酸化アンチモンや五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤、シリカ充填剤等の無機酸化物等が挙げられる。
界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩やアルキルポリオキシエチレン硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシドやアルキルカルボキシベタイン等の両性界面活性剤、炭素数25以上の直鎖状アルコールや脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
アクリレートモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリアルキレンオキシドの両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン型多官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール型多官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール型多官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールA構造を有するジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン構造を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、以下に限定されないが、例えば、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(BASF製イルガキュア819)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF製イルガキュアTPO)等のアシルフォスフィンオキサイド類、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン 2-(O-ベンゾイルオキシム)(BASF製イルガキュアOXE01)、1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾ-ル-3-イル]エタノン-O-アセチルオキシム(BASF製イルガキュアOXE02)等のオキシム類、及び芳香環を有する増感剤等が挙げられる。
〔エポキシ樹脂組成物の調製方法〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、例えば、成分(A)エポキシ樹脂、成分(B):成分(A)とは異なるポリマー、成分(C):熱硬化剤、及び必要に応じて、成分(D):芳香環を有する単官能エポキシ化合物、その他の添加剤を混合し、プラネタリミキサ等で混合する方法により調製することができる。
〔フィルム形状のエポキシ樹脂組成物作製用のエポキシ樹脂組成物調合液の調製方法〕
フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を形成するための、エポキシ樹脂組成物調合液の調製方法としては、例えば、成分(A):エポキシ樹脂、成分(B):成分(A)とは異なるポリマー、成分(C):熱硬化剤、及び必要に応じて、成分(D):芳香環を有する単官能エポキシ化合物、その他の添加剤を混合し、さらに有機溶媒を添加し、プラネタリミキサ等で混合する方法が挙げられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、公知のものを使用できる。以下に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
〔フィルム形状のエポキシ樹脂組成物〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、フィルム形状であることが好ましい一態様である。
フィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、所定の支持体と、上述したエポキシ樹脂組成物調合液を用いて支持体上に形成されたエポキシ樹脂組成物層とを有する。
本実施形態のフィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、必要により、前記エポキシ樹脂組成物層の支持体と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
(支持体)
支持体としては、有機溶剤乾燥時の温度に耐えられる材料が好ましい。このような支持体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。
これらの支持体は、必要に応じて延伸されたものも使用可能である。
(保護層)
前記保護層としては、エポキシ樹脂組成物層の表面の平滑性を十分に保つことができる材料が好ましい。このような保護層としては、以下に限定されないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、易剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、オリエンティッドポリプロピレンフィルム等が好ましく使用できる。
(フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の製造方法)
本実施形態のフィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、支持体及びエポキシ樹脂組成物層、並びに必要により保護層を順次積層することにより、製造することができる。
支持体、エポキシ樹脂組成物層、及び保護層の積層方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、上述した方法によりエポキシ樹脂組成物調合液を調製し、先ず、支持体上にアプリケーター、バーコーター等公知の方法を用いて塗布して乾燥させ、支持体上にエポキシ樹脂組成物層を形成する。次いで、必要により、エポキシ樹脂組成物層上に保護層を積層することにより、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を製造することができる。
(フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を40℃の温度条件下で7日間保管したときの、保管期間中のエポキシ基の消費率(%))
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の状態にて、40℃の温度条件下で7日間保管したとき、保管期間中のエポキシ基消費率が、0%以上30%以下であるものとする。
上述した条件下でのエポキシ基消費率が、前記範囲であることにより、高分子量体形成や架橋形成によるフィルム貼り付け性や、熱硬化時の分子流動性悪化を抑制でき、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を、上記条件で保管した後でも、保管前と比較して金属に対する接着強度の低下が効果的に抑制できる。
40℃の温度条件下で、7日間保管する、当該保管期間中のエポキシ基の消費率を0%以上30%以下に制御する方法としては、以下に限定する趣旨ではないが、例えば、下記の(1)~(3)の方法が挙げられる。
(1):成分(C)熱硬化剤が、反応活性温度が80℃以上の第一の硬化剤と、第一の硬化剤の反応を促進する第二の硬化剤を少なくとも含み、第二の硬化剤は非マイクロカプセル型でありワニス作製時に使用する溶剤へ不溶な固体の硬化剤を含むものとする。
前記「不溶」とは、溶剤へ第二の硬化剤を添加し、25℃で5分間撹拌後の溶剤に溶解した固形分の濃度が3質量%未満であることである。
前記第一の硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、グアニジン系化合物、フェノール樹脂系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられ、優れた安定性と得られる硬化物物性に優れる観点から、ジシアンジアミド、活性エステル系硬化剤が好ましい。
前記第二の硬化剤としては、固体の潜在性硬化剤が挙げられ、優れた安定性の観点から固体のアミン系潜在性硬化剤が好ましい。第二の硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミキュアPN40、PN40J等の固体のアミン化合物が挙げられる。また、第二の硬化剤の添加量は、成分(A):エポキシ樹脂の量を100とした時、保存安定性と反応性のバランスの観点から、0.5以上7以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1.5以上5以下がさらに好ましい。
(2):成分(C)熱硬化剤が、(C-1)マイクロカプセル型硬化剤を含み、かつ成分(D)芳香環を有する単官能エポキシ化合物を含むものとする。
また、(C)熱硬化剤として、さらに硬化剤成分を追加する場合は、反応活性温度が80℃以上の硬化剤を添加することが好ましい。このような硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、グアニジン系化合物、フェノール樹脂系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられ、優れた安定性と得られる硬化物の物性を優れたものとする観点から、ジシアンジアミド、活性エステル系硬化剤が好ましい。
(3):前記(1)、(2)に記載の方法に、さらに成分(A):エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量を、140g/eq.以上500g/eq.以下であるように調整する。
これらにより、40℃の温度条件下で7日間保管したとき、当該保管期間中のエポキシ基の消費率をより低く制御することができる。
(フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の具体的な態様)
本実施形態のフィルム形状のエポキシ樹脂組成物は、以下に限定されないが、例えば、層間絶縁フィルム、フィルム型ソルダーレジスト、ダイアタッチフィルム、封止シート、接着シート、導電性フィルム、異方導電性フィルム、及び熱伝導性フィルム等として利用できる。
〔硬化物〕
本実施形態の硬化物は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物であって、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を硬化することにより製造できる。
硬化方法としては、以下に限定されないが、オーブンでの加熱や熱圧着が挙げられる。具体的には、本実施形態のフィルム状のエポキシ樹脂組成物を組み込んだ各種電子部品等の製造工程上で、加熱硬化させてもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物の熱硬化条件は、特に制限はなく、エポキシ樹脂組成物の組成等によって、適宜選択できる。
本実施形態の硬化物は、信頼性に優れ、各種電子部品等の接着剤や封止材として、接着や封止等の機能を良好に果たすことができる。このメカニズムは、限定する趣旨ではないが、以下のように考えられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、安定性に優れるため、乾燥時のエポキシ基反応率を低く抑えることができる。このため、硬化初期の加熱により軟化して被着体の凹凸によく追従できる。さらに、(C)熱硬化剤は硬化時には優れた反応性を有するために、狙いの接着面積を維持したまま急峻に硬化できる。
以上により、被着体と硬化物間に空隙がなく、かつ、はみだし不良もない硬化物が得られる。
また、フィルム保存後においても保存前と同様に硬化することができ、硬化物は良好に接着、封止等の機能を果たすことができる。
〔構造体〕
本実施形態の構造体は、金属基材と、本実施形態の硬化物とを有する。
金属基材としては、例えば、金属ワイヤーやバンプ、半田ボール等を有する半導体チップ、金属層を有する積層板や層間絶縁材料、金属配線を有する配線板、フレキシブル基板、金属片、モーターコイル等が挙げられる。
本実施形態の構造体は、上記金属基材の金属が露出した箇所と本実施形態のエポキシ樹脂組成物とが接する状態で配置し、必要に応じて加熱、加圧、所定時間放置、含侵、乾燥等を行った後、各組成に合った加熱条件で熱硬化させることにより製造できる。
本実施形態の構造体によれば、空隙が少なく、かつ金属とエポキシ樹脂組成物の接着強度が高い電子部品、自動車部品等を得ることができる。
〔電子部品〕
本実施形態の電子部品は、本実施形態の硬化物を含む、半導体素子、フレキシブル基板、プリント配線板、パワー半導体、及び太陽光パネルからなる群より選択される、1つ以上を組み合わせてなるものである。
これらは、所定の部材に本実施形態の硬化物を形成することにより製造することができる。
本実施形態の電子部品は、空隙が無く、かつ金属部分と樹脂が強固に接着したものであるため、長期信頼性や高温高湿条件下での長期安定性、低透水性を示すことができる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例及び比較例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」及び「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
〔フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の作製〕
下記表1、表2に従い、成分(A)~成分(C)を秤量し、さらに溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を、ワニス中固形分割合が30質量%~70質量%の範囲となるように添加し、配合物を得た。
配合物を、25℃環境に設置したノンバブリングニーダーで、2分間の撹拌及び3分間の脱泡を行って混合し、エポキシ樹脂組成物の調合液を得た。
前記調合液を、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)上に、乾燥膜厚40μmとなるように塗工した。
その後、120℃に予熱しておいたオーブンにて5分間加熱乾燥した後、支持体と反対面を、易剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムで保護し、フィルム形状としたエポキシ樹脂組成物を得た。
〔物性の測定方法、及び特性の評価方法〕
(40℃の温度条件下で7日間、保管したときの保管期間中のエポキシ基の消費率(%)) 前記フィルム形状のエポキシ樹脂組成物について、フーリエ変換式赤外分光光度計(FT/IR-6600、日本分光社製)により、FT-IRスペクトルを測定した。
加熱乾燥により強度変化のないエポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂のメチレン基由来の2920cm-1付近の吸収P10を基準として、エポキシ基由来の915cm-1付近の吸収P20との強度比P20/P10を算出し、これを保管前のエポキシ基量を示す強度とした。
40℃の温度条件下で、7日間保管する前の状態を初期とした。
次に、前記フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を、40℃の温度条件下のオーブンで、7日間保管した後、上記と同様の方法で、2920cm-1付近の吸収P1Aを基準として、915cm-1付近の吸収P2Aを測定し、強度比P2A/P1Aを算出した。
得られた値から下記の式(3)を用いて、40℃の温度条件下で7日間保管したときの、保管期間中のエポキシ基消費率(%):PD.R.を算出した。
PD.R.(%)=(1-(P2A/P1A)/(P20/P10))×100・・式(3)
(成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量)
下記に記載の各エポキシ樹脂のエポキシ当量をJIS K7236に準拠して求めた。
得られたエポキシ当量から、下記式(1)を用いて、成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量を算出した。
成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量=エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
(フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を40℃の温度条件下で7日間保管した後の、金属接着強度、及び金属接着強度低下割合)
前記フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を、25mm×5mmのサイズに切り出し、保護フィルムを剥離した後、2枚の銅板(スタンダードテストピース社製、「C1100P」)の間に、支持体ごと配置し固定した。
この状態で60℃のオーブンで10分間加熱し、銅板へフィルム材を転写させた後、支持体を剥離した。
続いて、再度エポキシ樹脂組成物層を2枚の銅板で挟み固定した状態で、180℃に予熱したオーブンで1時間加熱して、熱硬化接着させ、試験片を得た。
得られた試験片に対し、23℃、50%RHの恒温恒湿室において、AUTOGRAPH AGS-X 5kN(島津製作所株式会社製)を用いて、引張せん断接着強度(N/mm2)を測定し、得られた値の中央値を採用して、金属接着強度の初期値S0(N/mm2)とした。
さらに、前述の方法で作製したフィルム形状のエポキシ樹脂組成物を、40℃の温度条件下のオーブンで7日間保管した後、上記と同様の方法で金属接着強度を測定し、これを40℃の温度条件下で7日間保管後の金属接着強度SA(N/mm2)とした。
得られた接着強度の値から、下記式(4)を用いて、保管前の金属接着強度を基準とした、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を40℃の温度条件下で7日間保管後の金属接着強度低下割合SD.R.を算出した。
SD.R.(%)= (1-(SA/S0))×100・・・式(4)
SD.Rが小さい程、初期値からの低下割合が低いと判断し、以下基準により評価した。
5%未満 ◎
5%以上15%未満 〇
15%以上30%以下 △
30%を超える ×
〔成分記載〕
以下、下記の表1、表2中の成分(A)~成分(C)を示す。
(成分(A):エポキシ樹脂)
・jER828(三菱ケミカル株式会社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量 184g/eq.
・HP-4032D(DIC株式会社製)
ナフタレン型エポキシ樹脂、エポキシ当量 140g/eq
・jER4007P(三菱ケミカル株式会社製)
固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量 2250g/eq.
(成分(B):成分(A)とは異なるポリマー)
・PKHB(Gabriel Phenoxies社製)
フェノキシ樹脂、ポリスチレン換算分子量が728以上の領域についての数平均分子量:14600
(成分(C):熱硬化剤)
・DICY:ジシアンジアミド(和光純薬工業株式会社製)
・LSA-H2104(旭化成株式会社製)
イミダゾール系化合物を含む固体のマイクロカプセル型硬化剤がフェニルグリシジルエーテル(10質量%)を含むエポキシ樹脂中に分散されたマスターバッチ化されたマイクロカプセル型硬化剤
・特許第6619628号公報のエポキシ樹脂用硬化剤VI
フェニルグリシジルエーテルを含まないマスターバッチ化されたマイクロカプセル型硬化剤
・HPC-8000-65T(DIC株式会社製)
芳香環を有する活性エステル樹脂、固形分率65%、トルエン溶液
・アミキュアPN-40(味の素ファインテクノ株式会社製)
25℃で固体のアミン系化合物
・2-エチル-4-メチルイミダゾール(東京化成工業株式会社製)
〔実施例1~11〕、〔比較例1~4〕
表1、表2に示す割合で各成分を配合し、上記方法によりフィルム形状のエポキシ樹脂組成物を作製した。
作製したフィルム形状のエポキシ樹脂組成物の物性及び特性について、上記方法により測定及び評価した。
実施例と比較例を比較すると、40℃の温度条件下で、7日間保管した、保管期間のエポキシ基の消費率が30%以下の場合、保管前の金属接着強度を基準とした40℃で7日間保管後の金属接着強度低下割合が小さいことが分かった。
また、実施例3,4と実施例5、実施例6と実施例7、実施例8と実施例9、実施例10と実施例11、を、それぞれ比較すると、マイクロカプセル型硬化剤と芳香環を有する単官能エポキシ化合物を含む場合、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物の40℃で7日間保管後の金属接着強度が強いことと、保管期間中での安定性が高いことが分かった。すなわち、マイクロカプセル型硬化剤と芳香環を有する単官能エポキシ化合物を含むことで、安定性と反応性のバランスをより高度に両立することができた。
さらに、実施例1と実施例3,4、実施例1と実施例8を、それぞれ比較すると、活性エステル系硬化剤又はジシアンジアミドを含む場合、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を40℃で7日間保管後の金属接着強度が強いことが分かった。
〔エポキシ基消費率Yと、エポキシ樹脂全体のエポキシ当量Xとの関係〕
下記式(1)で表される成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量(g/eq.):Xを横軸とし、40℃で7日間保管した期間中のエポキシ基の消費率PD.R..(%):Yを縦軸として、実施例1~11をプロットした図を図1に示す。
成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量=エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
図1から、前記式(1)で表される成分(A)エポキシ樹脂全体のエポキシ当量(g/eq.):Xと、40℃で7日間保管したときの保管期間中のエポキシ基の消費率PD.R.(%):Yが、下記式(2)を満たす場合、保管前の金属接着強度を基準とし、フィルム形状のエポキシ樹脂組成物を40℃で7日間保管した後の金属接着強度低下割合が小さいことが分かった。
Y(%) ≦-0.06×X+39 ・・・式(2)
フィルム形状のエポキシ樹脂組成物が、前記式(2)を満たす場合に、上記特性を発現するメカニズムとしては、特に限定する趣旨ではないが、以下のように考えられる。
長時間保管後における接着強度の低下は、保管中にエポキシ基が反応し、高分子量体や架橋構造が形成されることで、フィルムの貼り付け時や熱硬化時の流動性が低下し、その結果、(i)基材への追従性悪化による接着面積の低下すること、(ii)アミノ基等の
金属配位性を持つ官能基を有する化合物の金属界面への移動性悪化すること、に起因する。
高分子量体や架橋構造によって形成される結合ネットワークは、「どのようなエポキシ当量の化合物がどれくらい反応したか」に大きく依存する。本実施例では、成分(A)全体のエポキシ当量が184g/eq.で、エポキシ基の消費率Yが28%の実施例5、及び成分(A)全体のエポキシ当量が410g/eq.で、エポキシ基の消費率Yが14%の実施例11では、良好な接着強度低減が確認された。
ここで、成分(A)のエポキシ当量が184g/eq.以上410g/eq.以下の場合に、形成される結合ネットワーク中の高分量体と架橋構造の特性は実施例5と実施例11の間となり、特定の成分(A)全体のエポキシ当量で少量のエポキシ基の消費により顕著な接着強度の低下が発生することは考え難いことから、接着強度低下が低減できるエポキシ基の消費率Yと成分(A)全体のエポキシ当量Xの関係式のグラフ形状が下に凸となることはないと考えられる。
また、成分(A)全体のエポキシ当量が184g/eq.未満の領域で下に凸の関係性となる場合は、成分(A)中の低分子量エポキシ樹脂が増えるほど少量の反応で多量の高分子量体や密な架橋構造を得ることを意味するが、低分子量エポキシ樹脂が少量反応しても高分子量体は形成され難く、高密度架橋体が形成されたとしてもそれは極微小な領域で、かつ局所的なものであり、接着強度への悪化を高めるとは考え難い。むしろ、低分子量体の比率が増えることで、接着強度へ影響を及ぼすようなエポキシ基の消費率Yは大きくなると考えられる。
さらに、成分(A)全体のエポキシ当量が410g/eq.を超える場合であるが、そもそも前記式(2)は、エポキシ当量が650g/eq.の時点で許容できるエポキシ基の消費率Yが0%となり、それ以上の場合を考慮しておらず、また、410g/eq.以上650g/eq.以下の範囲においては特定の成分(A)エポキシ当量で下に凸の関係になることは考え難い。
上述したことから、少なくとも実施例5と実施例11を結んだ比例直線以下の領域であれば、十分に接着強度の低下を低減することが可能であると考える。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、層間絶縁フィルム、フィルム型ソルダーレジスト、ダイアタッチフィルム、封止シート、接着シート、導電性フィルム、異方導電性フィルム、熱伝導性フィルム等の用途において産業上の利用可能性を有する。また、これらを用いて成る半導体素子、フレキシブル基板、プリント配線板、パワー半導体、太陽光パネル、及びこれらの群より選択される1つ以上を組み合わせて成る電子部品の用途において産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. 成分(A):エポキシ樹脂と、
    成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、
    成分(C):熱硬化剤と、
    を、含む、エポキシ樹脂組成物であって、
    フィルム形状で、40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率(%)が、0%以上30%以下である、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)エポキシ樹脂は、
    下記式(1)で表される、成分(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量(g/eq.)が140以上500以下である、
    請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量= エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
  3. 成分(A):エポキシ樹脂と、
    成分(B):前記成分(A)とは異なるポリマーと、
    成分(C):熱硬化剤と、
    を、含むエポキシ樹脂組成物であって、
    前記成分(A)エポキシ樹脂は、下記式(1)で表される、成分(A)エポキシ樹脂全体でのエポキシ当量(g/eq.)が140以上500以下であり、
    40℃の温度条件下で7日間保管したときの、前記保管期間中のエポキシ基の消費率Y(%)と、
    下記式(1)で表される、成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量X(g/eq.)が、
    下記式(2)を満たす、
    請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
    成分(A)のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量X=エポキシ樹脂総質量 ÷ Σ(各エポキシ樹脂質量/各エポキシ当量)・・・式(1)
    Y(%) ≦ -0.06×X(g/eq.)+39 ・・・式(2)
  4. 前記成分(C):熱硬化剤が、(C-1):マイクロカプセル型硬化剤を含み、
    成分(D):芳香環を有する単官能エポキシ化合物を、さらに含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記成分(C):熱硬化剤が、
    (C-2):活性エステル系硬化剤、及び(C-3):ジシアンジアミドからなる群より選ばれる、少なくとも1つを含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物がフィルム形状である、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 層間絶縁フィルム、フィルム型ソルダーレジスト、ダイアタッチフィルム、封止シート、接着シート、導電性フィルム、異方導電性フィルム、及び熱伝導性フィルムからなる群より選択される、いずれか1つである、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  9. 金属基材と、
    請求項8に記載の硬化物と、
    を有する構造体。
  10. 請求項8に記載の硬化物を含む、半導体素子、フレキシブル基板、プリント配線板、パワー半導体、及び太陽光パネルからなる群より選択される、1つ以上を組み合わせて成る、電子部品。
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