JP2023098748A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Shigetoyo Sawaki
哲史 愛水
Tetsushi Aisui
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Abstract

【課題】天然物由来で生体安全性にすぐれ、皮膚を若々しく健全な状態に保持し、さらに皮膚の老化を予防及び改善する有効成分を配合した皮膚外用剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、有機酸及びアミノ酸を含むハトムギ発酵物を有効成分とする皮膚外用剤であって、有機酸が乳酸、フマル酸又はマレイン酸、ピログルタミン酸及びリンゴ酸であり、アミノ酸が、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン、トリプトファン及びスレオニンであることを特徴とする皮膚外用剤である。【選択図】図13

Description

本発明は、植物発酵物を有効成分とし、すぐれた皮膚生理活性及び生体安全性を有する皮膚外用剤の配合成分に関する。
皮膚の老化の原因として、従来、太陽光(紫外線)、排ガス等に含まれる化学物質(窒素化合物や硫黄化合物等)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症等の外的要因が知られていた。さらに、皮膚の老化の原因として、上記外的要因だけではなく、細胞の老化により、細胞の増殖能や細胞内活性酸素能が低下し、皮膚の老化現象(シワ、シミ、タルミ等)が生じることも明らかになってきた。
従来、皮膚の老化を予防、改善する様々な保湿剤(尿素、グリセリン、多価アルコール、乳酸ナトリウム等)、抗酸化剤(ビタミンE、アスタキサンチン、ポリフェノール等)、又はその他美白剤が提案されているが、さらに安定性、安全性及び有効性が向上した皮膚外用剤の有効成分が求められている。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな有効成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、イネ科ジュズダマ属のハトムギの発酵物が、未発酵のハトムギ抽出物よりもアミノ酸及び有機酸を多く含み、すぐれた肌荒れ改善、バリア機能の改善、肌の潤いの向上及び皮膚ターンオーバーの正常化の効果を有することを見出した。
従来、ハトムギを麹菌で発酵した発酵物を皮膚外用剤に使用することは特許文献1に開示され、また、ハトムギ種子の酵素分解物の酵母発酵物を皮膚外用剤に使用することは特許文献2に開示されている。しかし、特定のアミノ酸及び有機酸を含むハトムギ発酵物が皮膚外用剤の成分として有用であることは知られていなかった。
特開平07-274914号公報 特開2010-138139号公報
本発明は、アミノ酸及び有機酸を含むハトムギ発酵物を有効成分とする皮膚外用剤であって、アミノ酸が、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン、トリプトファン、スレオニンであり、有機酸が乳酸、フマル酸又はマレイン酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸であることを特徴とする皮膚外用剤。
本発明によれば、ハトムギ発酵物を有効成分とすることで、未発酵のハトムギ抽出物よりもアミノ酸及び有機酸を多く含み、すぐれた肌荒れ改善、バリア機能の改善、肌の潤いの向上及び皮膚ターンオーバーの正常化の効果を有する皮膚外用剤を提供することができる。
図1は、本発明に係る発酵物に含まれる乳酸の分析結果を示す図である。 図2は、本発明に係る発酵物に含まれるフマル酸又はマレイン酸の分析結果を示す図である。 図3は、本発明に係る発酵物に含まれるピログルタミン酸の分析結果を示す図である。 図4は、本発明に係る発酵物に含まれるリンゴ酸の分析結果を示す図である。 図5は、本発明に係る発酵物に含まれるプロリンの分析結果を示す図である。 図6は、本発明に係る発酵物に含まれるバリンの分析結果を示す図である。 図7は、本発明に係る発酵物に含まれるロイシン、イソロイシンの分析結果を示す図である。 図8は、本発明に係る発酵物に含まれるヒスチジンの分析結果を示す図である。 図9は、本発明に係る発酵物に含まれるフェニルアラニンの分析結果を示す図である。 図10は、本発明に係る発酵物に含まれるアルギニンの分析結果を示す図である。 図11は、本発明に係る発酵物に含まれるトリプトファンの分析結果を示す図である。 図12は、本発明に係る発酵物に含まれるスレオニンの分析結果を示す図である。 図13は、本発明に係る発酵物の角層水分量の改善効果を示す図である。
本発明において、「ハトムギ」とは、イネ科ジュズダマ属の植物であって、いずれの種のものでも良い。発酵に使用する部位としては、種子が好ましく、殻付きのもの及び殻を除いたもののいずれもが使用可能であり、さらに粒のままでも、粉砕又は破砕して得た粉末、或いはハトムギ種子の粒、粉末の高温・高圧処理物等のいずれであっても良い。発酵前に保存安定性や抽出・発酵効率の観点から、殻付き及び殻除去物のいずれの場合も、粉砕又は破砕して得た粉末或いはその高温・高圧処理物を用いてもよい、
ハトムギの発酵に用いる菌としては酵母、麹菌、乳酸菌及びビフィズス菌のいずれか又はいずれかの組み合わせが挙げられる。酵母としては、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母、トルラスポラ デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ ロゼイ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母、ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母、カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母など、いずれの酵母でも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が好ましい。また、本発明に係る酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、植物の花(バラ、ユリ、サクラ等)由来の酵母、海由来の酵母の何れであっても良い。
乳酸菌としては、例えばラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバシルス カゼイ(L. casei)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(Carnobacterium piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌; ストレプトコッカス フェーカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス ピオジェネス(Streptococcus pyogenes)等のストレプトコッカス属の乳酸菌;エンテロコッカス カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(Enterococcus sulfreus)等のエンテロコッカス( Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス プランタラム(Lactococcus plantarum) ラクトコッカス ラクテス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス ラフィノラクティス(Lactococcus rafinolactis)等のラクトコッカス属の乳酸菌;ヴェイセラ コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドウレリ(Weissella kandleri)等のヴェイセラ属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(Atopobiumparvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌等が挙げられる。
麹菌としては、例えばアスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌、アスペルギルス アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス カワウチ(Aspergillus kawauchii)、アスペルギルス ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌、モナスカス アンカ(Monascus anka)、モナスカス ピロサス(Monascus pilosus)等の紅麹菌などが挙げられる。それらのうちでも、アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)は好ましい。
また、ビフィズス菌としては、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)等が挙げられるが、ビフィズス菌に分類されるものであれば、いずれも使用可能である。
上記の微生物を用いて植物を発酵させる方法の好ましい具体例を挙げれば以下の通りである。まず、発酵しようとする植物(以下、発酵素材ということがある)を溶媒に浸漬又は懸濁させて、発酵のための懸濁液を調製する。この場合、植物は生のまま用いても、又予め乾燥もしくは半乾燥した上用いてもよい。又、形状としては、採取したものをそのまま用いることもできるが、細断或いは粉砕して微細化すれば発酵効率を上げることができる。
発酵素材を懸濁させるための溶媒としては、水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノールなど)もしくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンなど)との混液等が用いられ、又それら溶媒中にはグルコース、フルクトース、シュークロースなどの糖類を添加してもよいが、微生物が最もその作用を発揮しやすい点と植物の成分以外の資化成分の存在に基づく発酵副産物の生成を避けるという点から、水を単独で用いるのが特に好ましい。
この発酵素材/溶媒懸濁液は、これを発酵工程に供する前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去することが必要であるが、この雑菌の殺菌除去方法としては、発酵素材を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後無菌水等の無菌溶媒に懸濁する方法を用いてもよく、又発酵素材を溶媒に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。加熱殺菌処理としては、懸濁液を120~130℃で10~20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80~90℃に60~120分間保持することを1日1回2~3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
次に、この無菌化した懸濁液を発酵タンクに入れ、これに微生物を植菌して発酵させる。微生物の接種量は10~10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は一般に5~50℃の範囲、好ましくは各微生物の生育至適温度である30~40℃(例えば、酵母であれば35℃~40℃)の範囲である。発酵日数は、至適温度に於いて一般に1~10日、好ましくは2~5日の範囲である。発酵日数が上記の一般的範囲より短くなると発酵が十分に行われず発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を越えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上のようにして得られる発酵物は、安定性及び有効性等の向上のために、濾過処理、活性炭処理、イオン交換樹脂カラム等により処理を行ってもよい。
本発明に係るハトムギ発酵物を皮膚外用剤(スキンケア用、ヘアケア用、メイクアップ用のいずれも皮膚外用剤でも良い。)に配合する際には、皮膚外用剤全量中の70%~99.5%の割合で配合することが好ましく、これにより「水」の配合量を抑えた皮膚外用剤を提供することができる。また、皮膚外用剤に「水」を実質的(0.5%以下)に配合しない皮膚外用剤も提供することが可能となる。
本発明に係るハトムギ発酵物を含む皮膚外用剤(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、シートマスク、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けん等の清浄用化粧料、育毛剤、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明に係るハトムギ発酵物を皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品及び外用医薬品等)に配合する際には、皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、抗シワ剤、ムコ多糖、コラーゲン、セラミド及びその他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエアルキレングリセルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、エラスチン及びその誘導体、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、エストラジオール、ホスホリルコリン含有ポリマー(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、又は2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体等)が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
消炎剤としては、アラントイン、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン又はその塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、多価アルコール(1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、濃グリセリン)、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、ヒドロキシアリキルウレア、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のアルコール等が挙げられる。
細胞賦活剤としては、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等が挙げられる。
抗アクネ剤としては、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
粉体成分しては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、コエンザイムQ10、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)が挙げられる。
本発明において、安定化剤とは、着色、析出、結晶化、臭い等を抑制する有機酸、無機酸等をいう。例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エチドロン酸、フィチン酸など挙げられる。
本発明において、美白剤とは、アスコルビン酸及びその誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、レゾルシノール誘導体、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、t-シクロアミノ酸誘導体、エラグ酸及びその誘導体、リノール酸又はその誘導体、ソウハクヒ抽出物、ニコチン酸及びその誘導体、カミツレ抽出物、米糠抽出物の加水分解物、ユキノシタ抽出物及び白芥子抽出物又はその加水分解物から選択される1以上のものが挙げられる。
アスコルビン酸誘導体としては、例えば、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、2-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が挙げられる。
また、本発明において、ハイドロキノンの誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が挙げられる。
また、本発明において、トラネキサム酸の誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられる。
また、本発明において、コウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が挙げられる。
また、本発明において、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が挙げられる。
また、本発明において、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体としては2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体が挙げられ、例えば、2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が挙げられる。
また、本発明において、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
また、本発明において、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、ニコチン酸ベンジル等がある。
また、本発明において、抗シワ剤とは、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、上記アスコルビン酸誘導体(例えば、アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ニコチン酸アミド、アラントイン等が挙げられる。
本発明において、ビタミンE誘導体としては、本発明において、ビタミンEとしては、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールが挙げられ、ビタミンEの誘導体としては、酢酸トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル、α-トコフェリルリン酸ナトリウム、α-トコフェロールコハク酸エステル等が挙げられる。
また、本発明において、ムコ多糖としては、ヒアルロン酸又はその塩、ヒアルロン酸の誘導体、ヘパリン類似物質及びコンドロイチン及びその誘導体、プロテオグリカン等が挙げられる。ヒアルロン酸の塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウムが挙げられ、ヒアルロン酸の誘導体としては、アセチル化ヒアルロン酸又はそのナトリウム塩、サクシニル化ヒアルロン酸又はその塩、加水分解ヒアルロン酸、ヒアルロン酸発酵物等が挙げられる。
また、本発明において、コラーゲンとしては、例えば、魚由来のコラーゲン、クラゲ由来のコラーゲンが挙げられるが、これに限るものではない。魚由来のコラーゲンとして、サケ、マグロ、カツオ、サメ、チョウザメ、キンメダイ、ナンヨウキンメ、タイ、マツダイ、スズキ、ブリ、タラ、ヒラメ、カレイ、フグ、ウナギ、アナゴ、ハモ、カワハギ、テラピア、イカ等が挙げられる。また、コラーゲンの誘導体とは、アセチル化、サクシニ化、加水分解又は発酵の処理をしたものが挙げられる。さらに、コラーゲンペプチドも使用可能である。
また、本発明において、セラミドとしては、セラミド1~6のいずれでも使用可能である。
さらに、以下の植物又は微生物等の天然物由来の成分を併用することも可能である。例えば、酵母抽出物又は加水分解物、乳酸菌培養物、イネ科植物、アブラナ科植物、ツバキ科植物、バラ科植物、ボタン科植物、ミカン科植物、ヒユ科植物、アマモ科植物、マメ科植物、キク科植物、マメ科植物、アオイ科植物、リンドウ科植物、シソ科植物、ハス科植物、ウリ科植物、ウコギ科植物、ナス科植物、ノウゼンカズラ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、アヤメ科植物、キキョウ科植物、モクセイ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、クロウメモドキ科植物、ラン科植物、ウルシ科植物、フクギ科植物、バレンシ科植物、ミカン科植物、フトモモ科植物、ユリ科植物、ベンケイソウ科植物、ヒノキ科植物、ヒルガオ科の植物及びキジカクシ科のいずれかから選択される1以上の植物の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、コンブ科、ミリン科及びアオサ科のいずれかから選択される1以上の海藻の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、クラゲ(ミズクラゲ、エチゼンクラゲ等の自己消化物)、及びローヤルゼリーの抽出物又はその加水分解物或いは発酵物挙げられる。
イネ科の植物由来成分としては、特に、イネ葉加水分解物、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、発芽玄米加水分解物、米発酵液、清酒由来の酒粕抽出物、マダケ又はモウソウチクのタケノコ皮抽出物、ハトムギ種子発酵物が好ましい。また、アブラナ科植物としては、特に、ハクガイ、オウガイ又はコクガイの種子の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物が好ましい。また、ツバキ科植物由来成分としては、特に、緑茶(やぶきた、さみどり、あさひ、ごこう、うじみどり、きょうみどり、うじひかり、さみどり、べにふうき等)及び紅茶(ダージリン、アッサム、セーロン、アールグレイ、蜜香紅茶等)が好ましい。バラ科植物由来成分としては、ダマスクバラの花の抽出物、モモの花、葉又は未成熟果実の抽出物、イチゴの花抽出物、サクラの花又は葉の抽出物が好ましい。また、ボタン科植物由来成分としては、ボタンの根又は花、シャクヤクの花の抽出物が好ましい。また、ヒユ科植物由来成分としては、特に、アッケシソウ抽出物が好ましい。また、アマモ科植物由来成分としては、特に、アマモ又はコアマモの抽出物が好ましい。マメ科植物由来成分としては、特に、白大豆又は黒大豆の抽出物又はその加水分解物或いは豆乳発酵液、アズキ抽出物、アカツメクサ抽出物、クズ根抽出物が好ましい。また、キク科植物由来成分としては、特に、ゴボウ根抽出物、ヒマワリ新芽抽出物、ハゴロモソウ抽出物、アルニカ抽出物又はカミツレ花抽出物が好ましい。アオイ科植物由来成分としては、ハイビスカス、ムクゲ又はフヨウの発酵物が好ましい。リンドウ科植物由来成分としては、ゲンチアナ抽出物が好ましい。また、シソ科植物としては、アオジソ抽出物、ムラサキシキブ果実抽出物が好ましい。ハス科植物由来成分としては、特に、ハスの花又はハス種子抽出物或いはハス種子発酵物が好ましい。ウリ科植物由来成分としては、特に、ヘチマ抽出物が好ましい。ウコギ科植物由来成分としては、オタネニンジンの抽出物又は発酵物が好ましい。ナス科植物由来成分としては、ナス(長ナス、水ナス、米ナス、賀茂ナス等)の抽出物が挙げられる。ノウゼンカズラ科植物由来成分としては、パウダルコ樹皮抽出物が好ましい。マタタビ科植物由来成分としては、未成熟のキウイ抽出物が好ましい。クワ科植物由来成分としては、ソウハクヒ抽出物、マルベリー果実抽出物、イチジクの果実又は樹皮の抽出物が好ましい。クロウメモドキ科植物由来成分としては、ナツメ果実抽出物が好ましい。また、アヤメ科植物由来成分としてはサフランが好ましい。キキョウ科植物由来成分としては、ヒカゲノツルニンジンの根の抽出物又は加水分解物が好ましい。ウルシ科植物由来成分としては、特に、マンゴ果実抽出物が好ましい。フクギ科植物由来成分としては、特に、マンゴスチン果実抽出物が好ましい。また、バレンシ科植物由来成分としては、チェリモヤ果実抽出物が好ましい。ミカン科植物由来成分として、温州ミカン、ベルガモット果実抽出物、グレープフルーツ又は晩白柚の果実(未成熟果実も含む)の抽出物、グレープフルーツ又はハッサク等の植物に含まれるフラボノイド及びその配糖体を含む抽出物、或いはサンショウ種子抽出物が好ましい。ユリ科植物由来成分としては、ホンカンゾウ、ヤブカンゾウ、カサブランカ、マドンナリリー、又はササユリの抽出物が好ましい。ベンケイソウ科植物由来成分としては、特に、イワベンケイ(紅景天)の抽出物又は発酵物が好ましい。モクセイ科植物由来成分としては、特に、ジャスミンの花抽出物が好ましい。ヒノキ科植物としては、特に、セイヨウネズ果実抽出物が好ましい。フトモモ科植物由来成分としては、特に、グアバ葉抽出物が好ましい。ラン科植物としては、特に、シランの根(白及)の抽出物が好ましい。ヒルガオ科植物由来成分としては、サツマイモの抽出物又はその発酵物或いは甘藷焼酎粕の抽出物又はその発酵物が好ましい。コンブ科海藻由来成分としては、特に、コンブ抽出物が好ましく、ミリン科海藻由来成分としてはカタメンキリンサイ抽出物が好ましく、特に、アオサ科海藻由来成分としてはアナアオサ抽出物が好ましい。フノリ科海藻由来成分としては、特に、フノリ抽出物が好ましい。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.ハトムギ発酵液
殻を除いたハトムギ種子1gを粉砕し、精製水1000gを加えて、懸濁液を調製し、加熱殺菌をした。この懸濁液に酵母(サッカロミセス セレビシエ)を10個/mL接種し、37℃で24時間静置培養した。培養数量後、加熱殺菌し、室温まで冷却後、ろ過してハトムギ種子発酵液500g(固形分濃度:0.01%)を得た。
比較製造例1
殻を除いたハトムギ種子1gを粉砕し、精製水1000gを加えて、37℃で24時間浸漬し、抽出液をろ過して、不純物を除去し、ハトムギ抽出物(固形分濃度:0.1%)を得た。
試験例1.有機酸及びアミノ酸の分析(1)
以下の条件で、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)を用いて、製造例1のハトムギ発酵物及び比較製造例1の抽出物のアミノ酸及び有機酸を分析した。
(1)ESI-MS
(2)オクタデシルシリル化シリカゲル
(3)カラム温度:40℃
(4)移動相A:0.1%ギ酸水溶液
(5)移動相B:アセトニトリル
(6)以下のグラジェント
[表1]
Figure 2023098748000002
試験例1の結果、図1~図12に示す通り、製造例1の発酵物(A)は、比較製造例1(B)では実質的に確認されなかった有機酸(乳酸、フマル酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸)及びアミノ酸(プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン、トリプトファン、スレオニンが含まれることを確認した。
また、試験例1の液体クロマトグラフィーの検出結果から、アミノ酸及び有機酸の量を分析したところ、製造例1の発酵物は、比較製造例1と比較して、15倍のアミノ酸(プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン、トリプトファン、スレオニン)の量が含まれ、比較製造例1の8倍の有機酸(乳酸、フマル酸マレイン酸、ピログルタミン酸)の量が含まれることも確認された。
試験例2.肌荒れ改善効果試験
試験例2.角層水分量
被験者(20代~50代の男3名)の左前腕内側部に3箇所の被験部(15mm×15mm)を設定した。Skicon-200を用いて各被験部の角層水分量を5回測定し、その平均を各被験部の初期値とした。各初期値を測定後、試験区とコントロール区を設定し、製造例1の発酵物(100%)、製造例3の発酵物(70%:精製水により調製)、及びコントロール(1,2-ペンタンジオールの5%水溶液)を試験区とコントロール区に塗布した(1日2回)。1,3,4日後にSkicon-200を用いて各被験部の角層水分量の測定を行った。試験結果は、各被験部の初期値からの角層水分量の変化量を求め、さらにコントロールの変化量を100とした相対値の平均値を算出した。
試験例2の結果を図3に示す。図3に示すように、製造例1の発酵物(100%)及び製造例1の発酵物(70%)は、コントロールと比較して、顕著な角層水分量の改善効果が確認された。これにより、これにより、肌荒れ改善、キメの改善、潤いの向上、ターンオーバーの正常化、ニキビの改善効果が示唆される。
試験例3.モニター試験(使用感等)
[試料調製]
以下の通り、試験例3の試料1~6を調製した。
1.試料1
(1)製造例1のハトムギ発酵物(60.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
(3)精製水(39.0%)
2.試料2
(1)製造例1のハトムギ発酵物(65.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
(3)精製水(34.0%)
3.試料3
(1)製造例1のハトムギ発酵物(70.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
(3)精製水(29.0%)
4.試料4
(1)製造例1のハトムギ発酵物(80.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
(3)精製水(19.0%)
5.試料5
(1)製造例1のハトムギ発酵物(90.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
(3)精製水(9.0%)
6.試料6
(1)製造例1のハトムギ発酵物(99.0%)
(2)1,3-ブチレングリコール(1.0%)
[試験方法]
無作為に抽出した年齢25~60歳の男女7名を被験者として、各被験者の前腕部に試料1~6を塗布する試験区を設定し、それぞれ1日2回(朝、晩)14日間塗布してもらった時の使用感(イ)、潤い感(ロ)、キメ(ハ)及び臭い(ニ)について、A:非常に良い、B:良い、C:普通、D:やや悪い、という5段階で自己評価した。ここで、使用感(イ)は、塗布したときののび感、滑らかさで評価した。
試験例3の結果を表2に示す。なお、表7中の数字は、回答した人数を示す。
[表2]
Figure 2023098748000003
表3に示す通り、本発明に係るハトムギ発酵物は、濃度依存的に使用感、潤い感及びキメを向上させる効果を発揮し、かつ、高濃度でも不快臭が生じないことが確認され、これにより、皮膚外用剤の配合成分とし使用する際に、「水」の使用しない、又は「水」の使用量を削減することができる。
処方例1.化粧水
[成分] 部
製造例1の発酵物 95.0
スクワラン 0.5
酢酸トコフェロール 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
1,3-ブチレングリコール 2.0
1,2-プロパンジオール 2.0
PH調整剤 適量
処方例2.化粧水
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
カプリル酸グリセリル 3.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 3.0
セタノール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
メチルパラベン 0.1
ナイアシンアミド 5.0
グリチルリチン酸 0.5
レゾルシン 0.1
酸化亜鉛 2.0
dl-カンフル 0.5
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
処方例3.化粧水
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
メチルパラベン 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
ナイアシンアミド 5.0
ε-アミノカプロン酸 0.1
イオウ 0.2
エストラジオール 0.1
ピリドキシン塩酸塩 0.5
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2
d-カンフル 0.1
精製水 全量が100部となる量
処方例4.乳液
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
スクワラン 3.0
シクロペンタンシロキサン 1.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 1.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 1.0
水添大豆レシチン 1.5
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
プロパンジオール 1.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
水溶性コラーゲン 0.1
加水分解コラーゲン 0.1
アセチルヒアルロン酸 0.1
精製水 全量が100部となる量
処方例5.乳液
処方例4の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例4の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウムに代えてトラネキサム酸1.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例4の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えて3-O-エチルアスコルビン酸3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例4の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウムに代えてナイアシンアミド3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例9.クリーム
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
スクワラン 3.0
ホホバ油 2.0
ホホバワックス 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.0
キャンデリラワックス 1.0
乳酸菌発酵米 2.0
大豆由来水添レシチン 0.5
カルボキシビニルポリマー 1.0
アルギン酸ナトリウム 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
1,2-ペンタンジオール 1・0
PH調整剤 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例10.クリーム
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
オリーブ油 1.5
ホホバ油 1.5
スクワラン 3.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル
/ベヘニル) 5.0
カプリル酸グリセリル 1.0
イソステアリン酸グリセリル 1.0
ベヘニルアルコール 2.0
アラントイン 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 0.5
加水分解コラーゲン 0.1
キサンタンガム 0.1
精製水 全量が100部となる量
実施例11.パック
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
セタノール 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
D-パントテニルアルコール 3.0
水溶性コラーゲン 0.1
キサンタンガム 1.0
ココイルグルタミン酸カリウム 1.0
水添レシチン 3.0
ジプロピレングリコール 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
精製水 全量が100部となる量
処方例12.ヘアシャンプー
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
ラウレス硫酸ナトリウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
塩化ベンザルコニウム 1.0
ステアリルアルコール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
ジメチコン 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
サリチル酸ナトリウム 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.1
ピリチオン亜鉛 0.3
安息香酸 0.2
トリクロサン 0.2
クエン酸 0.1
プロピレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
処方例13.ヘアコンディショナー
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
塩化ベンザルコニウム 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
アラントイン 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
イオウ 0.5
臭化アルキルイソキノリニウム液(75%) 0.06
ピリチオン亜鉛 0.3
メチルパラベン 0.1
トリクロサン 0.2
レゾルシン 0.1
精製水 全量が100部となる量
処方例14.洗浄用化粧料
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
ココイルグリシンカリウム 1.0
グリセリン 1.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 1.0
水溶性コラーゲン 0.1
セタノール 1.5
ミリスチルアルコール 1.5
イソプロピルメチルアルコール 0.1
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.2
トコフェロール酢酸エステル 0.2
精製水 全量が100部となる量
処方例15.シートマスク
不織布に下記の成分を含浸させてシートマスクを得る。
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
グリセリン 1.0
1、3-ブチレングリコール 1.0
ナイアシンアミド 5.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例16.美容液
[成分] 部
製造例1の発酵物 80.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
加水分解ヒアルロン酸 0.01
乳酸菌発酵ヒアルロン酸 0.01
セラミド 0.1
水溶性コラーゲン 1.0
トラネキサム酸 1.0
ナイアシンアミド 5.0
グリセリン 5.0
1、3-ブチレングリコール 2.5
プロパンジオール 2.5
カタメンキリンサイ抽出物 1.0
米発酵液 1.0
PH調整剤 適量
処方例17.シワ改善用クリーム
[成分] 部
製造例1の発酵物 70.0
オリーブ油 2.0
スクワラン 3.0
ホホバワックス 1.0
シアバター 2.0
べヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.5
キャンデリラワックス 0.5
ナイアシンアミド 5.0
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 2.0
アルギン酸ナトリウム 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.3
カタメンキリンサイ抽出物 1.0
アスパラサスリネアリスエキス 1.0
アスパラガスエキス 1.0
ダイズ加水分解物 1.0
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
1,2-ペンタンジオール 1.0
PH調整剤 適 量

Claims (1)

  1. アミノ酸酸及び有機酸を含むハトムギ発酵物を有効成分とする皮膚外用剤であって、有機酸が乳酸、フマル酸又はマレイン酸、ピログルタミン酸及びリンゴ酸であり、アミノ酸が、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン、トリプトファン及びスレオニンであることを特徴とする皮膚外用剤。
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