JP2023094397A - 自動車内装用表皮材 - Google Patents

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【課題】本発明は、優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材を提供することを目的とする。【解決手段】自動車内装用表皮材1は、表皮層2と、該表皮層2の裏面側に積層された層3と、を備え、前記表皮層2が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有し、前記表皮材1は、前記表皮材1を貫く複数の孔4を有し、前記表皮層2の側から前記孔4の側面5を視認可能であり、前記孔4の側面5の色が異色を含むことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、座席シートに好適に使用できる合成皮革に孔模様が形成された自動車内装用表皮材に関する。
従来より、意匠性を付与するために様々なことが行われ、とりわけ孔模様を形成したものとして例えば、自動車座席シート、自動車内装材、衣服生地他表装材等に用いる装飾シートの表面に凹凸があり、凸部と凹部が色彩を異にしている装飾シートに関する考案で、編布や織布に起毛した表装シートに模様形状の不連続穴が分布して設けられた表装シートの裏面に表装シートと異色の基材シートが積層一体化してあり、穴は表面より表装シート厚さ分、陥没形状としてあり、穴の底は基材シートによって形成された立体模様のある装飾シートが公知であり、穴の底の基材面との色彩差及び材質差によるコントラストがより鮮明であると記載されている(特許文献1)。
また、表皮材に縫製糸を縫い付けたステッチ(飾り縫い)では表現できないような新たな意匠表現として車両の内装材に用いられる基材と基材の表面に積層された表皮材とを備える加飾部品であって、表皮材には、基材に達する貫通孔が形成され、基材には、貫通孔に連続した開口を有する凹部が形成され、凹部の内面が貫通孔を介して外部から視認可能である加飾部品は公知であり、加飾部品の表面には、表皮材に覆われた部分と、表皮材に覆われずに基材に設けられた凹部の内面を露出する部分とが存在し、これら両部分の表面性状の相違によりステッチ等を施すことでは得られない新たな意匠を表現することができると記載されている(特許文献2)。
また、車両用の加飾部材として、意匠性を向上するために例えば車両用ドアのドアトリムに設けられる表皮は基材に部分的に貼着されている。この加飾部材は、基材とこの基材の一面を覆うカバーとを備え、このカバーには、厚さ方向に貫通するとともに一面を視認可能な貫通孔が設けられ、この貫通孔に対応する部分には、カバーの意匠面とは光の反射態様が異なる加飾部が設けられた加飾部材は公知であり、貫通孔を通じて視認される加飾部の形状や面積が変化することで、乗員に対して、カバーの意匠面の模様が変化したように認識させることができると記載されている(特許文献3)。
実公平7-45314号公報 特開2017-206139号公報 特開2020-132117号公報
しかしながら、特許文献1の装飾シートは、織布布地の表装シートに穿設した穴の底は基材シートによって形成された立体模様となる。すなわち、織布布地と基材面との色彩差及び材質差によるコントラストがより鮮明となるものの、穴の底が十分見える表装シートに限られていた。
また、特許文献2の加飾部品は、表面性状の相違によりステッチ等を施すことでは得られない新たな意匠を表現することができるものの、基材に設けられた凹部の内面を露出する部分が十分見える加飾部品に限られていた。
また、特許文献3の加飾部材は、この貫通孔に対応する部分には、カバーの意匠面とは光の反射態様が異なる加飾部が設けられた加飾部材は公知であり、貫通孔を通じて視認される加飾部の形状や面積が変化することで、乗員に対して、カバーの意匠面の模様が変化したように認識させることができるものの、加飾部が十分見える加飾部材に限られていた。
しかるに、上記従来の技術の装飾シート、加飾部品、及び加飾部材では、穴の底あるいは孔の下層の基材まで見える程の十分な大きさが必要という問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであり、表皮材の構成によって従来技術にない優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]表皮材が、表皮層と、該表皮層の裏面側に積層された層と、を備え、
前記表皮層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有し、
前記表皮材は、前記表皮材を貫く複数の孔を有し、
前記表皮層の側から前記孔の側面を視認可能であり、
前記孔の側面の色が異色を含むことを特徴とする自動車内装用表皮材。
[2]前記表皮層の裏面側に積層された層が、順に樹脂層、繊維布帛層であり、前記樹脂層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有している層である請求項1に記載の自動車内装用表皮材。
[3]前記表皮層の断面色と前記樹脂層の断面色が同系色である請求項2に記載の自動車内装用表皮材。
[4]前記表皮層の断面色と前記樹脂層の断面色が異色である請求項2に記載の自動車内装用表皮材。
[5]前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が同系色である請求項2又は4に記載の自動車内装用表皮材。
[6]前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が異色である請求項2又は4に記載の自動車内装用表皮材。
[1]の発明では、上記特定の種類の表皮層から該表皮層の裏面側に積層された層を貫く孔の側面を視認することが可能であり、孔の側面の色が異色を含むことから、従来技術にない優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材が提供することができる。すなわち、穿設された複数の孔と該孔の配置や配列だけでは表現できない孔の側面の異色によるコントラストやアクセント(強調)も加わり、優れた意匠とすることができる。なかでもシート(座席)をはじめドア、ヘッドレスト、天井、インパネ等の形状に合わせて縫製又は成形され立体形状となるので、特に曲面において効果が著しく、さらに平面と曲面のそれぞれの効果と相俟って全体として優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材を提供することができる。
[2]の発明では、前記表皮層の裏面側に積層された層が、順に樹脂層、繊維布帛層であり、前記樹脂層が前記表皮層と繊維布帛層との間となり、上記特定の種類の樹脂層を備えた表皮材は、孔の側面を十分に視認することができるとともに、孔の側面の異色のバリエーションが増えることから、一層優れた意匠とすることができる。
[3]~[6]の発明では、さらに異色の見え方により一層変化をもたせられることから、格別に優れた意匠とすることができる。
本発明に係る自動車内装用表皮材の一実施形態を示す平面図(表面)である。 図1に示す自動車内装用表皮材の底面図(裏面)である。 図1に示す自動車内装用表皮材のA-A‘断面図である。 本発明に係る自動車内装用表皮材の別の実施形態を示す断面図である。 実施例4の自動車内装用表皮材の表面の写真である。 実施例4の自動車内装用表皮材の裏面の写真である。 実施例4の自動車内装用表皮材の断面写真である。
次に、本発明に係る自動車内装用表皮材の一実施形態について図をもとに説明する。
本発明に係る自動車内装用表皮材1は、表皮層2と、該表皮層2の裏面側に積層された層と、を備え、前記表皮層2が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有し、前記表皮材1は、前記表皮材1を貫く複数の孔4を有し、前記表皮層2の側から前記孔4の側面5を視認可能であり、前記孔4の側面5の色が異色を含むことを特徴とする(図1~4)。
このような構成を採用することで、穿設された複数の前記孔4と前記孔4の配置や配列だけでは表現できない前記孔4の側面5の異色によるコントラストやアクセント(強調)も加わり、優れた意匠とすることができ、従来技術にない優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材1とすることができる。表皮材1は内装材の形状に合わせて縫製又は成形され立体形状となるので、特に、運転手をはじめ利用者からの見る方向により平面と曲面のそれぞれの効果と相俟って美観を感じさせる優れた意匠性を有する自動車内装用表皮材を提供することができる。
前記表皮層2は、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する。前記表皮層2は、上述の樹脂に応じ適宜可塑剤、熱安定化剤、難燃化剤、溶剤、顔料等を配合した樹脂組成物を離型紙の上にコンマコーターを用い塗布し、加熱処理することで形成される。なお、ポリウレタン系樹脂は溶剤系ポリウレタン、水系ポリウレタンのいずれでもよく、ポリ塩化ビニル系樹脂については、常温で流動性がありフィルム状に塗工できる範囲の分子量であればよい。また、いずれの樹脂についても可塑剤、熱安定剤、難燃剤についても適宜選定し用いればよい。
また、前記表皮層2の形態としては、シート状又はフィルム状が好ましく、厚さt1は特に限定されないが、50μm~300μmの範囲が好ましく、かつ前記表皮層2の厚さt1が前記繊維布帛層3の厚さt2の1/5~2/5となる関係を満たす範囲が好ましい。この関係の範囲にすることで、孔4の側面5を十分に視認することが可能となるので好ましい。なお、前記厚さt1と前記厚さt2の関係が成り立つ範囲で厚さt2は、200μm~1,500μmの範囲が好ましい。
該表皮層の裏面側に積層された層としては、繊維布帛層3が好ましく、繊維布帛層3としては、例えば織物、編物、不織布等を挙げることができるが、孔4を作成することから、トリコット編地が好ましい。また、織物、編物、不織布等を構成する繊維素材は、特に限定されず天然繊維、合成繊維などが挙げられる。また、前記繊維布帛層3に色を付与するには、原着糸、染料による糸染め(例えば、綛染め、チーズ染色等)や反染め(例えば、液流染色、ウインス染色等)の公知の方法により行えばよい。
前記繊維布帛層3を前記表皮層2に積層するには、例えば上述の樹脂組成物を離型紙の上にコンマコーターを用い塗布した後に前記繊維布帛層3を積層してから、加熱処理することで積層一体化される。加熱処理の前に1対のローラでニップするのが好ましい。
前記孔4は、前記表皮層2から前記繊維布帛層3を貫いている。前記孔4は、パンチング機構により表皮材1に穿孔加工を施すことで形成される。すなわち、刃先は鋭利で、例えば略円筒状のニードルを備えたパンチング金型によって打ち抜かれ、孔4が形成される。前記ニードルの径は特に限定されないが、打ち抜かれた前記孔4の側面5の視認性を考慮すると、0.9mm~1.6mmの範囲が好ましい(図1~4)。なお、図5は実施例4の自動車内装用表皮材の表面の写真であり、前記孔4の側面5に異色を含むことを視認可能である。また、図6は実施例4の自動車内装用表皮材の裏面の写真である。
前記孔4の表皮層2側の直径d1は、0.8mm~1.5mmの範囲に設定されるのが好ましく、さらに、1.0mm~1.3mmの範囲が好ましい。前記孔4の表皮層2側の直径d1が前記孔4の前記繊維布帛層3側の直径d2の1.00倍~1.3倍となる関係を満たす範囲が好ましい。この関係の範囲にすることで、孔4の側面5を十分に視認することが可能となるので好ましい。なお、前記直径d1と前記直径d2の関係が成り立つ範囲で直径d2は、0.6mm~1.3mmの範囲が好ましい(図1~4)。
本発明の自動車内装用表皮材1は、前記表皮層2の側から前記孔4の側面5を視認可能である。そして、前記孔4の側面5の色が異色を含むが、本発明において前記異色とは、表皮材1を構成する各層のうち異なる色の層が含まれ、CIE(国際照明委員会)L*a*b*表色系におけるD65光源を用いた視野角10度の条件での測色結果から算出された△E*が30以上である。逆に、△E*が30未満では、一見して異色と認識し難くなる。なお、本願では△はデルタの意味で用い、△E*はデルタE*で色差の意味である。前記孔4の側面5の色に異色を含めるには、表皮層2に含まれる樹脂には、顔料を練りこむなど配合すればよく、繊維布帛層3を構成する繊維に、原着繊維を用いる、あるいは繊維の種類に応じた染料を用いて公知の方法で染色すればよい。この場合、表皮層2の断面の色と繊維布帛層3の断面の色を、D65光源を用いた上述の条件で測色した結果が△E*が30以上となるようにする。こうして、表皮層2の断面の色と繊維布帛層3の断面の色が前記孔4の側面5の色となることから、前者の色と後者の色が異色の関係となり、前記孔4の側面5の色が異色を含む自動車内装用表皮材1となる。
また、前記表皮層2の断面色と前記繊維布帛層3の断面色が異色であるのが好ましい。こうして、さらに異色の見え方に確かな変化をもたせられることから、格別に優れた意匠とすることができる。
また、前記表皮層の裏面側に積層された層が、順に樹脂層6、繊維布帛層3が好ましい。すなわち、前記表皮層2と前記繊維布帛層3との間に樹脂層6を備え、前記樹脂層6が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有している層が好ましく、このような構成を採用することで、孔4の側面5を十分に視認することができるとともに、孔4の側面5の異色のバリエーションが増えることから、一層優れた意匠とすることができる(図4、5)。図7は、前記表皮層2と前記繊維布帛層3との間に樹脂層6を備え、前記表皮層2が黒色で、樹脂層6と繊維布帛層3がオレンジの実施例4の断面写真である。前記表皮層2と繊維布帛層3が異色で、樹脂層6と繊維布帛層3は同系色である。
また、前記表皮層2の厚さt1が、前記樹脂層6の厚さt3と前記繊維布帛層3の厚さt2の和の1/10~1/5となる関係を満たす範囲が好ましい(図4)。この関係の範囲にすることで、前記表皮層2と前記繊維布帛層3との間に上記特定の種類の前記樹脂層6を備え、前記表皮層2と前記樹脂層6と前記繊維布帛層3の厚さの関係が上記特定の範囲とされた表皮材1は、前記孔4の側面5を十分に視認することができるとともに、前記孔4の側面5の異色のバリエーションが増えることから、一層優れた意匠とすることができる。
前記樹脂層6は、上述の樹脂に応じ適宜発泡剤、可塑剤、熱安定化剤、難燃剤、溶剤、顔料等を配合した樹脂組成物を前記表皮層2の上にコンマコーターを用い塗布し、加熱処理することで形成される。また、前記樹脂層6は2層以上であってもよく、配合が異なってもよい。なお、前記表皮層2がポリ塩化ビニル系樹脂を含有している場合には前記樹脂層6は、発泡しているのが好ましく、前記樹脂層6と前記繊維布帛層3は接着層を介して積層するのが好ましい。 前記接着層は、可塑剤、熱安定化剤、難燃剤、顔料等を配合した樹脂からなる。なお、可塑剤、熱安定剤、難燃剤は適宜選定し用いればよい。
前記樹脂層6の厚さは、前記表皮層2の厚さt1が前記樹脂層6の厚さt3と前記繊維布帛層3の厚さt2の関係を満たす範囲で、200μm~700μmの範囲が好ましい。また、前記樹脂層6に接着層を介して前記繊維布帛層3を積層するのが好ましい。前記表皮層2がポリ塩化ビニル系樹脂を含有している場合には、前記接着層としては、例えばポリ塩化ビニル系樹脂を用いることができる。一方、前記表皮層2がポリウレタン系樹脂を含有している場合には、前記接着層としては、例えばポリウレタン系樹脂を用いることができる。
前記表皮層2の断面色と前記樹脂層6の断面色が同系色であるのが好ましい。この場合、前記繊維布帛層3の断面の色は、前記表皮層2の断面色とは異色になる。また、前記表皮層2の断面色と前記樹脂層6の断面色が異色であるのが好ましい。この場合、前記繊維布帛層3の断面の色は、前記表皮層2の断面色とは異色又は同系色である。また、前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が同系色であるのが好ましい。この場合、前記繊維布帛層3の断面の色は、前記表皮層2の断面色とは異色になる。また、前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が異色であるのが好ましい。この場合、前記繊維布帛層3の断面の色は、前記表皮層2の断面色とは異色又は同系色である。こうして、異色の見え方により一層変化をもたせることから、格別に優れた意匠とすることができる。
本発明において前記同系色は、CIE(国際照明委員会)L*a*b*表色系におけるD65光源を用いた視野角10度の条件での測色結果から算出された△E*が20以下である。逆に、△E*が20以上では、一見して同系色と認識し難くなる。
本発明の前記表皮層2の表面側に表面処理層を設けるのが好ましい。前記表面処理層としては溶剤系、水系に限定されず任意のポリウレタン樹脂を使用できるが、耐加水分解性、耐光性の点で優れることから、ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましく、溶剤系、水系のいずれのポリウレタンを用いてもよい。前記表面処理層の厚さは5μm~40μmの範囲が好ましく、例えばグラビアロールを用い塗布することで形成することができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は表皮材がこれらの2層や3層の実施例のものに特に限定されるものではない。
<配合、使用材料等>
表皮層A: 溶剤系ポリウレタン100重量部
ジメチルホルムアミド30重量部
メチルエチルケトン30重量部
顔料(適宜選ぶ)
表皮層B: ポリ塩化ビニル100重量部
可塑剤85重量部
熱安定剤4重量部
難燃剤(三酸化アンチモン)3重量部
顔料(適宜選ぶ)
繊維布帛層:167T/48fのポリエステル繊維の糸を編成したトリコット編地(密度:38コース/インチ、46ウェル/インチ、厚さ:0.6mm)
樹脂層: ポリ塩化ビニル85重量部
可塑剤50重量部
熱安定剤2重量部
発泡剤2重量部
難燃剤(三酸化アンチモン)10重量部
顔料(適宜選ぶ)
接着層A: ポリ塩化ビニル100重量部
可塑剤65重量部
熱安定剤2重量部
難燃剤(三酸化アンチモン)5重量部
顔料(適宜選ぶ)
接着層B: 溶剤系ポリウレタン100重量部
架橋剤8重量部
ジメチルホルムアミド 20重量部
メチルエチルケトン20重量部
難燃剤(リン系)25重量部
顔料(適宜選ぶ)
表面処理層: ポリカーボネート系ポリウレタン(溶剤系)70重量部
ポリカーボネート系ポリウレタン(溶剤系)30重量部
溶剤(適宜選ぶ)
<実施例1>
上述の表皮層Aの配合に顔料を加え黒色とした樹脂液を離型紙に塗布厚が200μmになるようコンマコーターを用いて塗布し、180℃×1分間乾燥し表皮層を形成した。得られた表皮層の上に、赤色に染めた繊維布帛層を重ねた後、ニップロールにて挟圧して繊維布帛層を積層した。次に、外径1.3mmの円筒状のニードルを備えたパンチング金型を用いて、表皮層側から打ち抜いて表皮層から繊維布帛層を貫く孔を形成し自動車内装用表皮材を得た。孔の表皮層側の直径、繊維布帛層側の直径は順に1.0mm、0.8mmであった。なお、測色の結果△E*は51.36で、表皮材の評価は「◎」で合格であった。
<実施例2>
実施例1において、表皮層と繊維布帛層の色を替えた。すなわち、表皮層Aの配合に顔料を用いてライトグレーとし、繊維布帛層としてオレンジ色に染めた繊維布帛層を用いた以外は実施例1と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は49.02で、表皮材の評価は「〇」で合格であった。
<実施例3>
実施例1において、繊維布帛層の色を替えた。すなわち、繊維布帛層としてオーシャングレー色に染めた繊維布帛層を用いた以外は実施例1と同様にして表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は35.79で、表皮材の評価は「〇」で合格であった。
<実施例4>
上述の表皮層Bの配合に顔料を加え黒色とした樹脂液を離型紙に塗布厚が200μmになるようコンマコーターを用いて塗布し、180℃×1分間乾燥し表皮層を形成した。続いて、表皮層の上に上述の樹脂層の配合に顔料を加えオレンジ色とした樹脂液を塗布厚が400μmになるようコンマコーターを用いて塗布し、165℃×1分間乾燥し樹脂層を形成した。さらに、得られた樹脂層の上に、上述の接着層Aの配合による液をコンマコーターを用いて塗布し、オレンジ色に染めた繊維布帛層を重ねた後、ニップロールにて挟圧して繊維布帛層を積層し、180℃×1分間乾燥した。こうして、表皮層と繊維布帛層の間に発泡した樹脂層を設けた。次に、外径1.3mmの円筒状のニードルを備えたパンチング金型を用いて、表皮層側から打ち抜いて表皮層から繊維布帛層を貫く孔を形成し自動車内装用表皮材を得た。 孔の表皮層側の直径、繊維布帛層側の直径は順に1.0mm、0.8mmであった。なお、測色の結果△E*は74.75で、表皮材の評価は「◎」で合格であった。
<実施例5>
実施例4において、樹脂層及び繊維布帛層の色を替えた。すなわち、表皮層の上に樹脂層の配合に顔料を加え黄色とした樹脂液を用い、黄色に染めた繊維布帛層を用いた以外は実施例4と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は60.02で、表皮材の評価は「◎」で合格であった。
<実施例6>
実施例5において、表皮層及び樹脂層の色を替えた。すなわち、表皮層Bの配合に顔料を用いて黄色とし、表皮層の上に樹脂層の配合に顔料を加え青色とした樹脂液を用いた以外は実施例5と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は66.5で、表皮材の評価は「◎」で合格であった。
<実施例7>
実施例6において、表皮層の色を替えた。すなわち、表皮層Bの配合に顔料を用いて赤色とした以外は実施例6と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は42.22で、表皮材の評価は「〇」で合格であった。
<実施例8>
実施例4において、表皮層、樹脂層、及び繊維布帛層の色を替えた。すなわち、表皮層Bの配合に顔料を用いて青色とし、表皮層の上に樹脂層の配合に顔料を加え赤色とした樹脂液を用い、赤色に染めた繊維布帛層を用いた以外は実施例4と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は63.02で、表皮材の評価は「◎」で合格であった。
Figure 2023094397000002
<比較例1>
実施例1において、繊維布帛層の色を替えた。すなわち、繊維布帛層として黒色に染めた繊維布帛層を用いた以外は実施例1と同様にして自動車内装用表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は2.86で、表皮材の評価は「×」で不合格であった。
<比較例2>
実施例6において、樹脂層の色を替えた。すなわち、表皮層の上に樹脂層の配合に顔料を加え黄色とした樹脂液を用いた以外は実施例6と同様にして表皮材を得た。なお、測色の結果△E*は17.63で、表皮材の評価は「×」で不合格であった。
表1から明らかなように、実施例1~8の車両用内装材は、容易に視認することができる異色が孔の側面の色に含まれ、優れた意匠性を発揮するものであった。一方、比較例1、2では孔の側面には明らかな異色を視認できるとは言い難かった。
<表皮材の評価方法>
表皮材の評価は、測色と目視により総合的に行った。測色は、表面層及び繊維布帛層の測色は、日本電色工業株式会社製NF555を用いて測色(D65光源)し、L*、a*、b*の値を得た。また、樹脂層部分の孔の側面については、直径30μmの円形で測色できる日本電色工業株式会社製VSS7700を用いて測色(D65光源)し、L*、a*、b*の値を得た。そして、それぞれのL*、a*、b*の値から色差△E*を算出した。次に、表皮材を机の上に置き、表皮材の真上、前方斜め上方、後方斜め上方、右方斜め上方、左方斜め上方の5方向から表皮材の表面、及び孔と孔の側面を目視で比較例1と対比観察したところ、色差△E*が50以上がはっきりと異色を視認でき、色差△E*が30以上50未満が異色を視認でき、色差△E*が30未満がうっすらとしか見えない又は全く見えないことから、表皮材の評価を次の判定基準で評価した。判定が「〇」以上を合格とした。
(判定基準)
「◎」:色差△E*が50以上。
「〇」:色差△E*が30以上50未満。
「×」:色差△E*が30未満。
本発明に係る自動車内装用表皮材は、座席シートをはじめドア、天井、インパネ等に好適に使用できる。
1・・・表皮材(自動車内装用表皮材)
2・・・表皮層
3・・・繊維布帛層
4・・・孔
5・・・孔の側面
6・・・樹脂層
d1・・・表皮層側の孔の直径
d2・・・繊維布帛層側の孔の直径
t1・・・表皮層の厚さ
t2・・・繊維布帛層の厚さ
t3・・・樹脂層の厚さ

Claims (6)

  1. 表皮材が、表皮層と、該表皮層の裏面側に積層された層と、を備え、
    前記表皮層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有し、
    前記表皮材は、前記表皮材を貫く複数の孔を有し、
    前記表皮層の側から前記孔の側面を視認可能であり、
    前記孔の側面の色が異色を含むことを特徴とする自動車内装用表皮材。
  2. 前記表皮層の裏面側に積層された層が、順に樹脂層、繊維布帛層であり、前記樹脂層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有している層である請求項1に記載の自動車内装用表皮材。
  3. 前記表皮層の断面色と前記樹脂層の断面色が同系色である請求項2に記載の自動車内装用表皮材。
  4. 前記表皮層の断面色と前記樹脂層の断面色が異色である請求項2に記載の自動車内装用表皮材。
  5. 前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が同系色である請求項2又は4に記載の自動車内装用表皮材。
  6. 前記樹脂層の断面色と前記繊維布帛層の断面色が異色である請求項2又は4に記載の自動車内装用表皮材。
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