JP2023093850A - 化学機械研磨用組成物および研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用組成物および研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タングステン膜の研磨速度が大きく、かつ、タングステン膜表面の腐食の発生を低減することができる化学機械研磨用組成物、および研磨方法を提供する。【解決手段】本発明に係る化学機械研磨用組成物は、(A)特定の窒素含有4級アンモニウム塩化合物からなる群より選択される少なくとも2種と、(B)鉄(III)化合物と、(C)砥粒と、を含有し、pHが2以上5以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、化学機械研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路の製造技術の向上に伴い、半導体素子の高集積化、高速動作が求められている。これに伴い、半導体素子における微細回路の製造工程において要求される半導体基板表面の平坦性は益々厳しくなってきており、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が半導体素子の製造工程に不可欠な技術となっている。
例えば、配線間を上下縦方向に電気的に接合するコンタクトホールには、埋め込み性に優れたタングステンが使用される。絶縁膜上の余分なタングステン膜を研磨するために使用される化学機械研磨用組成物としては、過酸化水素等の酸化剤、硝酸鉄等の鉄触媒、およびシリカ等の砥粒を含有する組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特表2005-518091号公報 特開2007-19093号公報 特表2008-503875号公報
タングステン膜を研磨するために使用される化学機械研磨用組成物では、タングステン表面を酸化させて酸化膜を作り出す必要があることから、通常pHが2~5程度の酸性となる。そのため、CMP終了後のタングステン表面には腐食が発生しやすく、タングステン表面の腐食の発生をできる限り低減できる化学機械研磨用組成物が要求されている。
本発明に係る幾つかの態様は、タングステン膜の研磨速度が大きく、かつ、タングステン表面の腐食の発生を低減することができる化学機械研磨用組成物、および研磨方法を提供するものである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のいずれかの態様として実現することができる。
本発明に係る化学機械研磨用組成物の一態様は、
(A)下記一般式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも2種と、
(B)鉄(III)化合物と、
(C)砥粒と、
を含有し、
pHが2以上5以下である。
Figure 2023093850000002
(式(1)~(3)中、RおよびRは各々独立して炭素数がn以下のアルキル基を表し、Rは各々独立して炭化水素基を表す。Mは1価のアニオンを表す。nは3以上の整数を表す。)
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
化学機械研磨用組成物中における前記(A)成分の含有量をM(質量%)、前記(B)成分の含有量をM(質量%)としたときに、M/Mの値が0.001~10であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(A)成分の含有量が、0.0005質量%以上0.2質量%以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
さらに、(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物を含有してもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(B)鉄(III)化合物が硝酸第二鉄であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(B)成分の含有量が、0.001質量%以上1質量%以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(C)成分の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様は、
タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨するためのものであってもよい。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記被処理体が、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を含んでもよい。
本発明に係る研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用組成物を用いて、タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨する工程を含む。
前記研磨方法の一態様において、
前記被処理体が、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を含んでもよい。
本発明に係る化学機械研磨用組成物によれば、タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨するCMPにおいて、タングステン膜の研磨速度が大きく、かつ、タングステン表面の腐食の発生を低減することができる。
本実施形態に係る研磨方法での使用に適した被処理体を模式的に示した断面図である。 本実施形態に係る研磨方法を模式的に示した断面図である。 化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「X~Y」のように記載された数値範囲は、数値Xを下限値として含み、かつ、数値Yを上限値として含むものとして解釈される。
1.化学機械研磨用組成物
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(A)下記一般式(1)~(3)で表される化合物(本明細書において、「(A)成分」ともいう)からなる群より選択される少なくとも2種と、(B)鉄(III)化合物(本明細書において、「(B)成分」ともいう)と、(C)砥粒(本明細書において、「(C)成分」ともいう)と、を含有し、pHが2以上5以下である。
Figure 2023093850000003
(式(1)~(3)中、RおよびRは各々独立して炭素数がn以下のアルキル基を表し、Rは各々独立して炭化水素基を表す。Mは1価のアニオンを表す。nは3以上の整数を表す。)
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物の研磨対象は、タングステンを含む配線層が設けられた半導体ウエハ等の被処理体である。具体的には、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を含む被処理体が挙げられる。本実施形態に係る化学機械研磨用組成物を用いることによって、タングステン膜を高速かつ腐食の発生を低減しながら研磨することができる。
以下、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)一般式(1)~(3)で表される化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(A)下記一般式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも2種を含有する。(A)成分は、タングステン表面に容易に吸着して保護膜を形成することができる。このように形成された保護膜は、化学的な腐食作用に対して保護膜として機能するが、研磨時に圧力を印加する等の機械的作用によりタングステン表面から容易に脱離すると推測できる。その結果、タングステン膜の研磨速度を大きく保ちながら、腐食の発生を低減できると考えられる。
Figure 2023093850000004
(式(1)~(3)中、RおよびRは各々独立して炭素数がn以下のアルキル基を表し、Rは各々独立して炭化水素基を表す。Mは1価のアニオンを表す。nは3以上の整数を表す。)
またはRのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられるが、メチル基が好ましい。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、メチル基およびベンジル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。nは、3以上であるが、5以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。
で表される1価のアニオンとしては、OH、F、Cl、Br、I、NO 、HCO 等が挙げられる。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物では、上記一般式(1)~(3)で表される化合物のうち2種以上を組み合わせて用いればよいが、3種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記一般式(1)~(3)で表される化合物のうち2種以上を組み合わせる場合、上記一般式(1)~(3)中、Rで表される炭化水素基がいずれも同じ構造であることが好ましい。Rで表される炭化水素基がいずれも同じ構造であることによって、タングステン表面に形成される保護膜の均質性が高まり、タングステン表面の腐食を効果的に低減できる場合がある。なお、Rで表される炭化水素基がいずれもベンジル基またはメチル基であることがより好ましく、Rで表される炭化水素基がいずれもベンジル基であることが特に好ましい。
(A)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.0005質量%以上であり、より好ましくは0.0008質量%以上であり、特に好ましくは0.001質量%以上である。(A)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.15質量%以下であり、特に好ましくは
0.12質量%以下である。(A)成分の含有量が前記範囲内にあると、タングステン表面に適度な保護膜が形成されるので、タングステン膜の研磨速度を大きくすることができるとともに、タングステン膜の腐食の発生を低減できる場合がある。
1.2.(B)鉄(III)化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(B)鉄(III)化合物を含有する。(B)成分は、タングステン表面を酸化して脆弱な改質層をタングステンの表面に作り出し、タングステン膜の研磨を促進する効果を奏する。
(B)成分は、上述した効果を奏するものであれば、有機酸鉄塩または無機酸鉄塩のいずれであってもよい。(B)成分としては、例えば、硝酸鉄(III)(以下、「硝酸第二鉄」ともいう。)、硫酸アンモニウム鉄(III)、過塩素酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、クエン酸アンモニウム鉄(III)、およびシュウ酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。これらの鉄(III)化合物のうち、硝酸第二鉄であることが特に好ましい。(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
硝酸第二鉄を使用することで、タングステン表面に酸化物を形成させ、後述する(C)砥粒で該酸化物を削り取ることが容易となり、タングステン膜の大きな研磨速度を保ちつつ平坦性を有する被研磨面を得ることができる。
(B)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.003質量%以上であり、特に好ましくは0.005質量%以上である。(B)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以下である。(B)成分の含有量が前記範囲内にあると、タングステン表面に適度に酸化物が形成されるので、タングステン膜の研磨速度を大きくすることができるとともに、タングステン表面の平坦性が良好となる場合がある。
化学機械研磨用組成物中における(A)成分の含有量をM(質量%)、(B)成分の含有量をM(質量%)としたときに、M/Mの値は、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.003以上であり、特に好ましくは0.005以上である。化学機械研磨用組成物中における(A)成分の含有量をM(質量%)、(B)成分の含有量をM(質量%)としたときに、M/Mの値は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下であり、特に好ましくは7.5以下である。M/Mの値が前記範囲内にあると、タングステン表面に形成される(A)成分による保護膜と(B)成分による酸化物とのバランスが非常に良好となるため、タングステン膜の研磨速度を大きく保ちながら、タングステン膜の腐食の発生を効果的に低減することができる。
1.3.(C)砥粒
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(C)砥粒を含有する。(C)成分は、タングステン膜を機械的に研磨する効果を奏する。(C)成分としては、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子としては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられるが、コロイダルシリカが好ましい。このようなコロイダルシリカは、例えば特開2003-109921号公報等に記載されている方法で製造されたものを使用することができる。
(C)成分は、その表面の少なくとも一部がスルホ基、カルボキシ基またはアミノ基等の官能基によって修飾されていてもよい。表面の少なくとも一部が官能基によって修飾された(C)成分は、官能基によって表面修飾されていない(C)成分に比べてゼータ電位
の絶対値が大きくなる。その結果、化学機械研磨用組成物中における(C)成分の分散安定性が向上し、タングステン膜の研磨速度が安定する場合がある。
(C)成分の平均粒径は、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは6nm以上である。(C)成分の平均粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは80nm以下である。(C)成分の平均粒径が前記範囲内にあると、ディッシングやエロージョンの発生を低減しつつ、タングステン膜を高速で研磨することができる場合がある。
(C)成分の平均粒径は、BET法を用いて測定した比表面積から算出したものである。比表面積の測定には、例えば流動式比表面積自動測定装置「micrometrics
FlowSorb II 2300(島津製作所社製)」等を用いることができる。以下に、砥粒の比表面積から平均粒径を算出する方法について説明する。
砥粒の形状を真球状粒子であると仮定し、粒子の直径をd(nm)、比重をρ(g/cm)とする。粒子n個の表面積Aは、A=nπdとなる。粒子n個の質量Nは、N=ρnπd/6となる。比表面積Sは、粉体の単位質量当たりの全構成粒子の表面積で表される。そうすると、粒子n個の比表面積S(m/g)は、S=A/N=6/ρdとなる。この式から下記式を導き出すことができる。
平均粒径(nm)=6000/(S×ρ)
(C)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、特に好ましくは0.05質量%以上である。(C)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。(C)成分の含有量が前記範囲内にあると、(C)成分の分散安定性が良好となり、ディッシングやエロージョンの発生を低減できるとともに、タングステン膜に対する十分な研磨速度が得られる場合がある。
1.4.液状媒体
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、液状媒体を含有する。液状媒体としては、水、水およびアルコールの混合媒体、水および水との相溶性を有する有機溶媒を含む混合媒体等が挙げられる。これらの中でも、水、水およびアルコールの混合媒体を用いることが好ましく、水を用いることがより好ましい。水の原料としては純水を好ましく使用することができる。液状媒体は、前述の各成分の残部として配合されていればよい。
1.5.その他の成分
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、前述の各成分の他、必要に応じて、(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物(本明細書において、「(D)成分」ともいう)、酸化剤、水溶性高分子、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を含有してもよい。以下、各添加剤について説明する。
1.5.1.(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物を含有することが好ましい。(D)成分は、タングステン表面に効果的に配位して、タングステン表面でのエッチングおよび腐食によるダメージを低減する効果を奏する。
(D)成分としては、マロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、2-ペンテン二酸、イタコン酸、アリルマロン
酸、イソプロピリデンコハク酸、アセチレンジカルボン酸、イミノジ酢酸、ホスホノブタントリカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、マロン酸、クエン酸、マレイン酸、ホスホノブタントリカルボン酸が好ましく、マレイン酸が特に好ましい。これらの(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.003質量%以上であり、特に好ましくは0.005質量%以上である。(D)成分の含有量M(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以下である。(D)成分の含有量が前記範囲内にあれば、タングステン表面でのエッチングおよび腐食によるダメージを低減する効果が十分に得られる。
1.5.2.酸化剤
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(B)鉄(III)化合物以外の酸化剤をさらに含有してもよい。このような酸化剤を添加すると、(B)成分によるタングステン表面に脆弱な改質層を作り出す効果が促進されて、タングステン膜の研磨速度をより大きくすることができる場合がある。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸、過硫酸塩(例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)等が挙げられる。これらの酸化剤の中でも、酸化力、(B)成分との相性、および取り扱いやすさなどを考慮すると、過酸化水素が特に好ましい。
酸化剤を含有する場合、酸化剤の含有量(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.3~8質量%であり、特に好ましくは0.5~5質量%である。
1.5.3.水溶性高分子
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子を添加すると、被研磨面に吸着して研磨摩擦を低減することで、被研磨面にディッシング、エロージョン、スクラッチ等の研磨欠陥が発生することを低減できる場合がある。
このような水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアリルアミン、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~1,500,000であり、より好ましくは10,000~500,000であり、特に好ましくは30,000~100,000である。水溶性高分子の重量平均分子量が前記範囲内にあると、水溶性高分子が被研磨面に吸着しやすくなり、研磨摩擦がより低減する。その結果、被研磨面にディッシング、エロージョン、スクラッチ等の研磨欠陥が発生することを低減できる場合がある。なお、本明細書中における「重量平均分子量(Mw)」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量のことを指す。
水溶性高分子を含有する場合、水溶性高分子の含有量(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001~1質量%であり、より好ましくは0.002~0.1質量%である。なお、水溶性高分子の含有量は、水溶性
高分子の重量平均分子量(Mw)にも依存するが、化学機械研磨用組成物の粘度が10mPa・s未満となるように調整することが好ましい。化学機械研磨用組成物の粘度が10mPa・s未満であると、タングステン膜を高速で研磨しやすく、粘度が適正であるため研磨布上に安定して化学機械研磨用組成物を供給することができる。
1.5.4.ベンゾトリアゾールまたはその誘導体
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有してもよい。ここで、ベンゾトリアゾール誘導体とは、ベンゾトリアゾールの有する1個または2個以上の水素原子を、例えばカルボキシ基、メチル基、アミノ基、ヒドロキシ基等で置換したものをいう。ベンゾトリアゾール誘導体としては、4-カルボキシベンゾトリアゾールおよびその塩、7-カルボキシベンゾトリアゾールおよびその塩、ベンゾトリアゾールブチルエステル、1-ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有する場合、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体の含有量(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.001~0.1質量%である。
1.5.5.界面活性剤
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を添加すると、化学機械研磨用組成物に適度な粘性を付与できる場合がある。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩;パーフルオロアルキル化合物等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等の三重結合を有する非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール型界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量(質量%)は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001~5質量%であり、より好ましくは0.001~3質量%であり、特に好ましくは0.01~1質量%である。
1.5.6.pH調整剤
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、化学機械研磨用組成物のpHを所望の値に調整するために、pH調整剤をさらに含有してもよい。pH調整剤としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、モノカルボン酸等の酸性化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、TEAH(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、アンモニア等の塩基性化合物が挙げられる。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物のpHは、(B)鉄(III)化合物等の触媒の作用によって、推奨するpHの範囲内で強酸性となるように適宜調整することが可能である。そして、研磨対象物に応じて添加剤の添加量を調整することで、より平坦性の高い被研磨面を得ることができる。
1.6.pH
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物のpHは、2以上5以下であり、好ましくは2以上4以下である。pHが前記範囲内にあると、タングステン膜に対する研磨速度が大きくなるとともに、(C)成分の分散安定性が向上し、保存安定性も良好となるため好ましい。pHが2未満であると、タングステン表面に腐食が生じやすくなる傾向がある。一方、pHが5を超えると、タングステン膜の研磨速度が低下する傾向がある。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物のpHは、例えば、前述の(B)成分、(D)成分、pH調整剤等を添加することにより調整することができ、これらの1種以上を用いることができる。
本発明において、pHは、水素イオン指数のことを指し、その値は、市販のpHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pHメーター)を用いて測定することができる。
1.7.用途
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、主として半導体装置を構成する複数の基板のうち、タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨するための研磨剤として使用することができる。例えば、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を有する被処理体において、前記絶縁膜上のタングステン膜を研磨し、前記絶縁膜中のコンタクトホールに埋め込まれたタングステンプラグ(W-plug)を形成するプロセスに使用することができる。
1.8.化学機械研磨用組成物の調製方法
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、水等の液状媒体に前述した各成分を溶解または分散させることにより調製することができる。溶解または分散させる方法は、特に制限されず、均一に溶解または分散できればどのような方法を適用してもよい。また、前述した各成分の混合順序や混合方法についても特に制限されない。
また、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、濃縮タイプの原液として調製し、使用時に水等の液状媒体で希釈して使用することもできる。
2.研磨方法
本発明の一実施形態に係る研磨方法は、前述の化学機械研磨用組成物を用いてタングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨する工程を含む。かかる化学機械研磨用組成物によれば、タングステン膜の研磨速度が大きく、かつ、タングステン表面の腐食の発生を低減することができるため、良好な品質のタングステンプラグを形成することができる。以下、図1~図3を参照しながら、本実施形態に係る研磨方法について詳細に説明する。
2.1.被処理体
図1に、本実施形態に係る研磨方法に適用される被処理体100の一例を示す。
(1)まず、図1に示すように、基体10を用意する。基体10は、例えば、シリコン基板とその上に形成されたシリコン酸化膜から構成されていてもよい。さらに、基体10には、トランジスタ等の機能デバイスが形成されていてもよい。
(2)次に、基体10の上に、シランガスと酸素ガスを用いたCVD法によって、絶縁膜であるシリコン酸化膜12を形成する。その後、CMPによりシリコン酸化膜12を途中
まで研磨して表面を平坦化する。
(3)次に、シリコン酸化膜12にレジストパターンを形成する。それをマスクとして、シリコン酸化膜12をエッチングし、コンタクトホール14を形成する。コンタクトホール14を形成した後、レジストパターンを除去する。
(4)次に、CVD法を適用して、シリコン酸化膜12の表面およびコンタクトホール14内にタングステン膜16を堆積させる。
以上の工程により、被処理体100が形成される。
2.2.化学機械研磨工程
化学機械研磨工程では、図2に示すように、前述した化学機械研磨用組成物を用いてタングステン膜16をシリコン酸化膜12が露出するまで研磨する。前述した化学機械研磨用組成物によれば、タングステン膜の研磨速度が大きく、かつ、タングステン表面の腐食の発生を低減することができるため、良好な品質のタングステンプラグを形成することができる。
化学機械研磨工程後、被研磨面に残留する砥粒を除去することが好ましい。この砥粒の除去は、通常の洗浄方法によって行うことができる。例えば、ブラシスクラブ洗浄後、アンモニア:過酸化水素:水が1:1:5(質量比)程度のアルカリ性洗浄液によって洗浄を行うことにより、被研磨面に付着した砥粒の除去を行うことができる。さらに、被研磨面に吸着した不純物金属種の洗浄液として、例えば、クエン酸水溶液、フッ化水素酸とクエン酸の混合水溶液、およびフッ化水素酸とエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の混合水溶液等が使用できる。
2.3.化学機械研磨装置
前記化学機械研磨工程では、例えば、図3に示すような化学機械研磨装置200を用いることができる。図3は、化学機械研磨装置200を模式的に示した斜視図である。スラリー供給ノズル42からスラリー(化学機械研磨用組成物)44を供給し、かつ、研磨布46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、半導体基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図3には、水供給ノズル54およびドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、10~980hPaの範囲内で選択することができ、好ましくは30~490hPaである。また、ターンテーブル48およびキャリアーヘッド52の回転数は10~400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30~150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー(化学機械研磨用組成物)44の流量は、10~1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50~400mL/分である。
市販の化学機械研磨装置としては、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO-112」、「EPO-222」、「F-REX300SII」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP-510」、「LGP-552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」、「Reflexion」;G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI-762」等が挙げられる。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」および「%」は、特に断らない限り質量
基準である。
3.1.化学機械研磨用組成物の調製
3.1.1.コロイダルシリカ水分散体の調製
3号水硝子(シリカ濃度24質量%)を水で希釈し、シリカ濃度3.0質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液とした。この希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去したpH3.1の活性ケイ酸水溶液とした。その後、すぐに撹拌下10質量%水酸化カリウム水溶液を加えてpHを7.2に調整し、さらに続けて加熱し沸騰させて3時間熱熟成した。得られた水溶液に、先にpHを7.2に調整した活性ケイ酸水溶液の10倍量を少量ずつ添加し、コロイダルシリカを成長させた。
次に、前記コロイダルシリカを含有する分散体水溶液を減圧濃縮し、シリカ濃度:32.0質量%、pH:9.8であるコロイダルシリカ水分散体を得た。このコロイダルシリカ水分散体を、再度水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムの大部分を除去した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を加え、シリカ粒子濃度:28.0質量%、pH:10.0であるコロイダルシリカ水分散体を得た。
BET法を用いて測定した比表面積から算出した平均粒径は、25nmであった。なお、BET法によるコロイダルシリカ粒子の表面積測定では、コロイダルシリカ水分散体を濃縮・乾固して回収されたコロイダルシリカを測定した値を用いた。
さらに、熱熟成の時間、塩基性化合物の種類および添加量などをコントロールしながら上記と同様の方法により、BET法を用いて測定した比表面積から算出した平均粒径がそれぞれ6nm、15nm、45nm、60nm、75nmのコロイダルシリカを含有するコロイダルシリカ水分散体を得た。
3.1.2.化学機械研磨用組成物の調製
表1~表2に示す組成となるように各成分を混合し、さらに表1~表2に示すpHとなるように水酸化カリウム水溶液(関東化学社製、商品名「48%水酸化カリウム水溶液」)とリン酸(富士フイルム和光純薬社製、商品名「りん酸」)を必要に応じて添加して調整し、全成分の合計量が100質量%となるように純水を添加して、各実施例および各比較例の化学機械研磨用組成物を調製した。
3.2.評価方法
3.2.1.研磨速度評価
上記で調製した化学機械研磨用組成物を用いて、直径12インチのタングステン膜3000Å付きウエハを被研磨体として、下記の条件で化学機械研磨試験を行った。
(研磨条件)
・研磨装置:荏原製作所社製、型式「F-REX300SII」
・研磨パッド:デュポン社製、「多孔質ポリウレタン製パッド;Optivisiоn9500 CMP Polishing pad」
・化学機械研磨用組成物供給速度:250mL/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:90rpm
・ヘッド押し付け圧:2psi
・研磨時間:60秒
・研磨速度(Å/分)=(研磨前の膜の厚さ-研磨後の膜の厚さ)/研磨時間
なお、タングステン膜の厚さは、抵抗率測定機(ケーエルエー・テンコール社製、型式「RS-100」)により直流4探針法で抵抗を測定し、このシート抵抗値とタングステンの体積抵抗率から下記式によって算出した。
タングステン膜の厚さ(Å)=[タングステン膜の体積抵抗率(Ω・m)÷シート抵抗
値(Ω/sq)]×1010
タングステン膜の研磨速度の評価基準は下記の通りである。タングステンの研磨速度の評価結果を表1~表2に併せて示す。
(評価基準)
A:研磨速度が1000Å/min以上である場合、非常に良好と判断した。
B:研磨速度が500Å/min以上1000Å/min分未満である場合、実用に供することができるので良好と判断した。
C:研磨速度が500Å/min未満である場合、研磨速度が小さく実用困難であるため不良と判断した。
3.2.2.エッチング速度評価
上記で調製した化学機械研磨用組成物を45℃に昇温し、30mm×10mmに裁断したタングステン膜3000Å付きウエハ片を5分間浸漬した。その後、ウエハ片を取り出して流水で水洗し、上記「3.2.1.研磨速度評価」と同様の方法によりタングステン膜の厚さを測定した。そして、浸漬前後のタングステン膜の厚さの変化からエッチング速度を下記式により算出した。
タングステン膜のエッチング速度(Å/分)=(エッチング前のタングステン膜の厚さ(Å)-エッチング後のタングステン膜の厚さ(Å))/エッチング時間(分)
タングステン膜のエッチング速度の評価基準は下記の通りである。タングステン膜のエッチング速度の評価結果を表1~表2に併せて示す。
(評価基準)
A:エッチング速度が15Å/min未満である場合、非常に良好と判断した。
B:エッチング速度が15Å/min以上30Å/min未満である場合、実用に供することができるので良好と判断した。
C:エッチング速度が30Å/min以上である場合、エッチング速度が大きく実用困難であるため不良と判断した。
3.3.評価結果
表1~表2に、各実施例および各比較例の化学機械研磨用組成物の組成ならびに各評価結果を示す。
Figure 2023093850000005
Figure 2023093850000006
なお、表1~表2における各成分の略称は、以下の通りである。
<(A)一般式(1)~(3)で表される化合物>
・デシルトリメチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=9、R=メチル基、R=メチル基、R=メチル基、M=Cl
・ベンジルジメチルデシルアンモニウムクロリド(Sigma-Aldrich社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=9、R=メチル基、R=メチル基
、R=ベンジル基、M=Cl
・ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=11、R=メチル基、R=メチル基、R=メチル基、M=Cl
・ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド(Sigma-Aldrich社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=11、R=メチル基、R=メチル基、R=ベンジル基、M=Cl
・ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=13、R=メチル基、R=メチル基、R=ベンジル基、M=Cl
・ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=15、R=メチル基、R=メチル基、R=メチル基、M=Cl
・ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=15、R=メチル基、R=メチル基、R=ベンジル基、M=Cl
・オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(富士フイルム和光純薬社製、一般式(2)で表される化合物に該当する場合、n=17、R=メチル基、R=メチル基、R=メチル基、M=Cl
<(B)鉄(III)化合物>
・硝酸鉄(III)九水和物(富士フイルム和光純薬社製)
<(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物>
・マロン酸(富士フイルム和光純薬社製)
・マレイン酸(富士フイルム和光純薬社製)
・クエン酸(富士フイルム和光純薬社製)
・ホスホノブタントリカルボン酸(東京化成工業社製、商品名「2-Phosphonobutane-1,2,4-tricarboxylic Acid(ca.50% in Water)」)
<酸化剤>
・過酸化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名「過酸化水素」)
<その他の添加剤>
・テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(富士フイルム和光純薬社製、商品名「10%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド溶液」)
・ポリエチレンイミン(日本触媒社製、商品名「エポミン」)
・グリシン(富士フイルム和光純薬社製)
実施例1~8の化学機械研磨用組成物によれば、いずれもタングステン膜の研磨速度が1000Å/分以上であり、かつ、タングステン表面のエッチング速度を効果的に低減できることがわかる。
これに対し、比較例1~2の化学機械研磨用組成物によれば、一般式(1)~(3)で表される化合物の1種のみを含有するだけでは、タングステン表面のエッチング速度を低減できないことがわかる。比較例3の化学機械研磨用組成物によれば、(B)成分を含有しなければ、タングステン膜の研磨速度が大幅に低下してしまうことがわかる。比較例4の化学機械研磨用組成物によれば、pHが2未満であると、一般式(1)~(3)で表される化合物を2種以上含有していても、タングステン表面のエッチング速度を低減できないことがわかる。比較例5の化学機械研磨用組成物によれば、pHが5を超えると、(B)成分を含有していても、タングステン膜の研磨速度が大幅に低下してしまうことがわかる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…基体、12…シリコン酸化膜、14…コンタクトホール、16…タングステン膜、42…スラリー供給ノズル、44…スラリー(化学機械研磨用組成物)、46…研磨用パッド、48…ターンテーブル、50…半導体基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…被処理体、200…研磨装置

Claims (11)

  1. (A)下記一般式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも2種と、
    (B)鉄(III)化合物と、
    (C)砥粒と、
    を含有し、
    pHが2以上5以下である、化学機械研磨用組成物。
    Figure 2023093850000007

    (式(1)~(3)中、RおよびRは各々独立して炭素数がn以下のアルキル基を表し、Rは各々独立して炭化水素基を表す。Mは1価のアニオンを表す。nは3以上の整数を表す。)
  2. 化学機械研磨用組成物中における前記(A)成分の含有量をM(質量%)、前記(B)成分の含有量をM(質量%)としたときに、M/Mの値が0.001~10である、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
  3. 前記(A)成分の含有量が、0.0005質量%以上0.2質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用組成物。
  4. さらに、(D)一分子内に2以上のカルボキシ基を有する化合物を含有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  5. 前記(B)鉄(III)化合物が硝酸第二鉄である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  6. 前記(B)成分の含有量が、0.001質量%以上1質量%以下である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  7. 前記(C)成分の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  8. タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨するための、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  9. 前記被処理体が、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を含む、請求項8に記載の化学機械研磨用組成物。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物を用いて、タングステンを含む配線層が設けられた被処理体を研磨する工程を含む、研磨方法。
  11. 前記被処理体が、コンタクトホールを有する絶縁膜と、前記コンタクトホール内および前記絶縁膜上に設けられたタングステン膜と、を含む、請求項10に記載の研磨方法。
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