JP2023093214A - ポリウレタン施工用原料及びその使用 - Google Patents

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章 日方
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謙一 正田
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Abstract

【課題】ポリウレタンの現場施工に用いられる、新たなポリウレタン施工用原料を提供する。【解決手段】ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる、パラフィンワックスを含むポリウレタン施工用原料。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン施工用原料及びその使用、ポリウレタン施工用システム及びそれらを用いたポリウレタンの製造方法、並びにその製造方法により得られうるポリウレタンに関する。
換気設備等を整えやすく、環境面で安全性を比較的確保しやすい工場内生産とは異なり、ポリウレタンの現場施工においては、作業環境が制約を受けることから、施工作業者の安全性確保が特に重要となる。
例えば、ポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート(TDI)又はTDIから誘導されるオリゴマー(TDI系プレポリマー)を使用するポリウレタンの現場施工においては、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)が硬化剤として広く用いられている(特許文献1)。しかし、TDIは蒸気圧が高いため施工作業者による被曝が起こりやすく、またMOCAは発がん性を有することが指摘されており、施工作業者によるこれらの物質の被曝のリスクを低減することが求められている。
特開昭50-138624号公報
本発明は、ポリウレタンの現場施工に用いられる、新たなポリウレタン施工用原料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はMDIから誘導されるオリゴマー(MDI系プレポリマー)を使用するポリウレタンの製造においては、MDI及びMDI系プレポリマー(以下、これらを総称して「MDI化合物」と呼ぶことがある)の蒸気圧が比較的低く、施工作業者の安全性を確保しやすくなる一方、十分な硬化性を有するポリウレタンを得ることが難しいことを見出した。かかる独自の課題の解決のため、さらに本発明者らは鋭意検討を重ね、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタン製造を、パラフィンワックス存在下で行うことにより、十分な硬化性を有するポリウレタンが得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてさらに検討を加えることにより完成したものであり、以下の態様を含む。
項1.
ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる、パラフィンワックスを含むポリウレタン施工用原料。
項2.
さらにポリオールを含む、項1に記載のポリウレタン施工用原料。
項3.
さらにMDI化合物を含む、項1又は2に記載のポリウレタン施工用原料。
項4.
前記パラフィンワックスの融点が40~100℃である、項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料。
項5.
前記ポリウレタンが、舗装体の表面仕上げ材である、項1~4のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料。
項6.
パラフィンワックスの、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工における使用。
項7.
二以上の組成物を含み、
(a)パラフィンワックス;及び
(b)MDI化合物
をそれぞれ前記組成物の少なくとも一つに含む、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる、ポリウレタン施工用システム。
項8.
項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料又は項7に記載のポリウレタン施工用システムを用いてポリウレタンを得る工程を含む、
ポリウレタンの製造方法。
項9.
項8に記載の製造方法により得られうる、ポリウレタン。
本発明によれば、ポリウレタンの現場施工に用いられる、新たなポリウレタン施工用原料を提供できる。
1. ポリウレタン施工用原料
本発明のポリウレタン施工用原料は、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる。なお、本明細書において、「MDI化合物」は、MDI又はMDIから誘導されるオリゴマー(MDI系プレポリマー)を意味する。
上記において、ポリウレタンの現場施工とは、具体的には、ポリウレタンを含む目的物を、工場内ではなく、実際にその目的物が使用される現場において施工することを意味する。目的物の例としては、工作物及び建築物等が挙げられる。工作物としては、道路、遊歩道、公園、運動場、競技場等が挙げられる。ポリウレタンは、例えば、舗装体の表面仕上げ材として用いられる。舗装体の具体例としては、道路、遊歩道、公園、運動場、競技場等が挙げられる。ポリウレタンは、建築物の床、外装及び屋根等の表面仕上げ材としても用いられる。
ポリウレタンの現場施工の具体例としては、屋外施設用舗装体の現場施工等が挙げられる。屋外施設用舗装体の具体例としては、スポーツトラック、公園遊具等が挙げられる。
本発明のポリウレタン施工用原料を用いると、衝撃吸収率に優れるポリウレタンを製造しやすい。本発明のポリウレタン施工用原料は、高い衝撃吸収率を有するポリウレタンを製造しうる場合、高い衝撃吸収率が求められる用途に適している。そのような用途としては、例えば、スポーツトラックの表面仕上げ材等が挙げられる。例えば、ワールドアスレティックス(WA)の規格によれば、陸上競技トラックには35±1~50±1%の衝撃吸収率が求められている。
本発明において、衝撃吸収率は、以下のようにして測定する。
<衝撃吸収試験(WA基準試験方法)>
WA基準に定める衝撃吸収試験機を供試体表面上に垂直に設置し、55mmの高さから20kgの鎮を落下させて衝撃吸収値を測定する。
この時、初回の衝撃吸収値は除外し、その後60秒間隔で2回測定した値の平均値で表す。
規格値:35%±1%~50%±1% at 10℃~40℃
本発明のポリウレタン施工用原料は、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を含有していてもよいが、必ずしもそれ自体ポリイソシアネートを含有する必要はなく、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を含有する別の原料と施工時に混合することにより用いられるものであってもよい。
MDI化合物としては、ポリウレタンの分野で通常使用されるものの中から幅広く選択できる。具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(一般名:ポリメリックMDI);それらのプレポリマー型誘導体、イソシアヌレート変性誘導体、ウレア変性誘導体およびカルボジイミド変性誘導体等が挙げられる。MDI化合物は、一種を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
MDI化合物は、25℃で50~20000mPa・sの粘度を有することが好ましい。粘度が上記範囲内である場合、得られるウレタン弾性体の表層の不陸が発生し難くなるため好ましい。粘度が20000mPa・s以下であれば、加工手段を問わず原料が効率的に混合され易くなり、得られるウレタン弾性体の外観不良や表層の意匠性の悪化を避け易くなるため好ましい。
使用されるMDI化合物の量は、反応系中の活性水素基と、MDI化合物成分中のNCO基の当量比(以下、「NCOインデックス」と称する。)が90~160となる量であることが好ましく、95~150となる量であることがより好ましい。NCOインデックスとは、反応系に含まれるポリオール、水及びその他の活性水素化合物に存在するイソシアネート反応性水素原子の数に対する、イソシアネート基の割合(%)である。NCOインデックスが上記範囲内にあると、十分な硬度が達成されるとともに、硬化遅延等の問題が生じにくくなる。
本発明のポリウレタン施工用原料は、パラフィンワックスを含む。パラフィンワックスの存在下で、ポリイソシアネートとしてMDIを使用し、これをポリオールと反応させることによりポリウレタンを製造することにより、十分な硬化性を有するポリウレタンを得ることができる。このため、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリウレタンを製造する際には、MOCA等の硬化剤をさらに使用する必要がない。
また、パラフィンワックスの存在下で、ポリイソシアネートとしてMDIを使用し、これをポリオールと反応させることによりポリウレタンを製造することにより、衝撃吸収率に優れるポリウレタンが得られやすくなる。具体的には、例えば、35±1~50±1%の衝撃吸収率を達成しうる。
また、パラフィンワックスの存在下で、ポリイソシアネートとしてMDIを使用し、これをポリオールと反応させることによりポリウレタンを製造することにより、スプレーマシンを使用せずとも、手塗りで平滑性を実現するのに必要な可使時間(ポットライフ)を確保しやすくなる。
また、パラフィンワックスの存在下で、ポリイソシアネートとしてMDIを使用し、これをポリオールと反応させることによりポリウレタンを製造することにより、比較的短時間で硬化しやすくなる。具体的には、比較的短時間でポリウレタンの表面タックが抑制される。これにより工期を短縮できる。
さらに、パラフィンワックスの存在下で、ポリイソシアネートとしてMDIを使用し、これをポリオールと反応させることによりポリウレタンを製造することにより、比較的低温下でも作業が可能となり、適度な反応性を示すため、スプレーガンを使用した際にも詰まりの発生が抑制されている。
パラフィンワックスは、石油の精製工程から製造される、結晶性の良い、常温で固体の白色のワックス(蝋)である。
パラフィンワックスは、融点が、40~100℃であるものが好ましい。融点が40℃以上のパラフィンワックスを使用することにより、硬化性を促進するという利点が得られる。また、融点が100℃以下のパラフィンワックスを使用することにより、原料製造時に溶解しやすいという利点が得られる。上記の利点のため、パラフィンワックスは、融点が、40~100℃であるものがより好ましく、50~70℃であるものがさらに好ましい。
パラフィンワックスは、炭化水素系ワックスの中から幅広く選択できる。具体例としては、日本精鑞株式会社の製造するパラフィンワックス等が挙げられる。
パラフィンワックスの本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、0.01~10質量%含有されるように調整されていることが好ましい。上記反応液中に、パラフィンワックスが0.01質量%以上含有されていることにより、硬化性を促進するという利点が得られる。上記反応液中に、パラフィンワックスが10質量%以下含有されていることにより、物性への影響を抑制するという利点が得られる。上記の利点のため、パラフィンワックスは、上記反応液中に、0.1~5質量%含有されるように調整されていることがより好ましく、0.2~2質量%含有されるように調整されていることがさらに好ましい。
本発明のポリウレタン施工用原料は、さらに他の成分を含んでいてもよい。例えば、本発明のポリウレタン施工用原料は、さらにポリオールを含んでいてもよい。本発明のポリウレタン施工用原料は、さらにポリオールを含む場合、配合ポリオールとも呼ばれる。
ポリオールは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリオールとしては、ポリウレタンの製造に用いられる市販のポリオール等が挙げられる。特に限定されないが、例えば、アルキレンオキシドの開環重合等により得られるポリエーテルポリオール類、ポリエーテルポリオール中でビニルモノマーをラジカル重合して得られるポリマーポリオール類、多価アルコールと多価カルボン酸類との重縮合により得られるポリエステルポリオール類、多価アルコール類と多価カルボン酸類とアミノアルコール類との重縮合により得られるポリエステルアミドポリオール類、ラクトン類の開環重合により得られるポリラクトンポリオール類、多価アルコール類とカーボネート類との重縮合により得られるポリカーボネートポリオール類、アクリルポリオール類、ポリブタジエンポリオール及びその水素添加物類、ポリイソプレンポリオール及びその水素添加物類、部分鹸化エチレン-酢酸ビニル共重合体、大豆油やひまし油等の天然油系ポリオール類、ハロゲン系及び/又はリン系ポリオール、フェノール系ポリオール等が挙げられる。なかでも、難燃性に優れるため、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ハロゲン系及び/又はリン系ポリオール、フェノール系ポリオールが好ましい。これらポリオールは、一種又は二種以上混合して使用してもよい。
ポリエステルポリオール類としては、二塩基酸と多価アルコールより誘導される化合物が挙げられる。特に限定されないが、例えば、アジピン酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リノシール酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導されるポリエステルポリオール等が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート系廃棄物、ジメチルテレフタレート系プロセス廃棄物、ナイロン系廃棄物、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールの廃棄物、フタル酸系ポリエステルの廃棄物等より製造されたポリエステルポリオールも含む。また、ε-カプロラクトン、メチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール等も挙げられる。ポリエステルポリオールのなかでも、難燃性が高いため、芳香族ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、グリセリン、エチレンジアミン、トリレンジアミン、シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコール等の開始剤に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオール化合物等が挙げられる。
ポリオール中に占めるポリエーテルポリオールの割合としては、加水分解性抑制の点から70質量%より多いことが好ましく、75質量%より多いことがより好ましい。ポリオール中に占めるポリエーテルポリオールの割合が上記範囲内にある場合、ポリオールが主にポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールからなるものである場合、貯蔵安定性が好ましくなるという効果も得られる。
ハロゲン系ポリオールとしては、例えば、エピクロルヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られる含ハロゲンポリオール、ブロモ化ペンタエリスリトール系ポリオール、テトラブロモフタル酸ポリエステル等のハロゲン系ポリオール等が挙げられる。
フェノール系ポリオールとしては、例えば、フェノール、又はノニルフェノール、アルキルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアルデヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるマンニッヒ系ポリオール等が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、平均ヒドロキシル官能基数2~4、水酸基価10~1300mgKOH/g、かつ平均分子量90~12,000のポリオールを用いることができる。
ポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、ポリウレタンを成形した際に良好な成形性や強度等の物性が発現しやすいため、水酸基価10~1300(mgKOH/g)であることが好ましく、20~700(mgKOH/g)であるとさらに好ましい。なお、水酸基価はJIS K1557の方法等に従って算出できる。
本発明のポリウレタン施工用原料は、さらにポリイソシアネートとしてMDI化合物を含んでいてもよい。本発明のポリウレタン施工用原料に含まれるポリイソシアネートは、MDI化合物からなってもよいし、MDI化合物を含み、さらに他のポリイソシアネートを含んでいてもよい。
本発明のポリウレタン施工用原料は、さらに、必要に応じて触媒、架橋剤、充填剤、顔料、吸湿剤、可塑剤、耐候安定剤及び破泡剤からなる群より選択される少なくとも一種の添加剤を含んでいてもよい。
触媒は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。触媒としては、ポリオールとイソシアネートとの反応を促進する触媒(樹脂化触媒)等が挙げられる。
樹脂化触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N-ジメチルアミノエチル-N’-メチルピペラジン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン等のアミン触媒、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N,N-ジイソプロパノールアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-N’-メチルピペラジン、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、及び5-ジメチルアミノ-3-メチル-1-ペンタノール等のアルカノールアミン触媒;並びにオクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸鉛、カルボン酸ビスマス、及びジルコニウム錯体等の金属触媒等が挙げられる。これらのアミン触媒およびアルカノールアミン触媒としては、炭酸を付加させて合成したアミン炭酸塩やギ酸、酢酸等のカルボン酸を付加させて合成したアミンカルボン酸塩を使用してもよい。
架橋剤としては、イソブチル-4-クロロ-3,5-ジアミノベンゾエート(以下「ICDAB」ともいう)、ジメチルチオトルエンジアミン(以下「DMTDA」ともいう)、1,4-ブタンジオール(以下「1,4-BD」ともいう)、1,3-ジフェニルグアニジン(以下「DPG」ともいう)、ジエチルトルエンジアミン(以下「DETDA」ともいう)等が挙げられ、なかでも、芳香族アミン系架橋剤を好適に使用できる。芳香族アミン系架橋剤は、強度や伸び等の性能維持・向上効果を得ながら可使時間の延長効果を得る上で、好適である。芳香族アミン系架橋剤としては、ICDAB、DMTDAが好ましく、これらを単独で用いるか、両者を併用した場合に、特に優れた効果を得ることができる。架橋剤の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、0.5~14.0質量%である。
充填剤は、クレー、カオリン(いわゆる「カオリンクレー」といわれているものを含む)、具体的には、市販品である5号クレー(竹原化学工業社製)や、NNカオリンクレー(竹原化学工業社製)を用いることが好適である。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、タルク、無水石膏(CaSO)、雲母等の非酸性充填剤が挙げられる。これら充填剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。充填剤のの本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、20~50質量%であり、より好ましくは、30~45質量%である。
顔料としては、酸化第二鉄、酸化チタン、ベンガラ、クロム酸鉛、カーボンブラック等が挙げられる。顔料は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、0.1~2.4質量%であり、より好ましくは、0.1~2.0質量%である。
吸湿剤としては、ゼオライト等が挙げられる。吸湿剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。吸湿剤の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、0.04~1.0質量%であり、より好ましくは、0.1~0.8質量%である。
可塑剤としては、フタル酸ジイソノニル(以下「DINP」ともいう)、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。可塑剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。可塑剤の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、5.0~15.0質量%であり、より好ましくは、6.0~12.0質量%である。
耐候安定剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ベンゾチアゾール等が挙げられる。耐候安定剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。耐候安定剤の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、0.1~1.0質量%であり、より好ましくは、0.2~0.8質量%である。
破泡剤としては、ブタジエンポリマー、ジメチルシロキサン、ビニルエーテルポリマー等が挙げられる。破泡剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。破泡剤の本発明のポリウレタン施工用原料における含有量は、本発明のポリウレタン施工用原料を用いてポリオールとポリイソシアネートとが反応する際の反応液中に、好ましくは、0.01~1.00質量%であり、より好ましくは、0.05~0.50質量%である。
2. ポリウレタン施工用システム
本発明のポリウレタン施工用システムは、二以上の組成物を含み、用時混合式であることができる。上記組成物を、ポリウレタン施工用組成物と呼ぶ。
本発明のポリウレタン施工用システムは、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる。
本発明のポリウレタン施工用システムは、
(a)パラフィンワックス;及び
(b)MDI化合物
をそれぞれ前記組成物の少なくとも一つに含む。
本発明のポリウレタン施工用システムに含まれるポリイソシアネートは、MDI化合物からなってもよいし、MDI化合物を含み、さらに他のポリイソシアネートを含んでいてもよい。
本発明のポリウレタン施工用システムは、成分が二以上の組成物に分配されている点を除けば、本発明のポリウレタン施工用原料と同じである。よって、本発明のポリウレタン施工用システムに関する事項のうち、本発明のポリウレタン施工用原料と共通する事項については、本発明のポリウレタン施工用原料における説明と同様である。
本発明のポリウレタン施工用システムは、用時混合式である場合、上記の二種の組成物が、用時混合が可能なように、個別に容器内に収容されていてもよい。
本発明のポリウレタン施工用システムの例として、ポリオールを含むポリウレタン施工用組成物と、ポリイソシアネートを含むポリウレタン施工用組成物との組合せが挙げられる。この例において、前者のポリウレタン施工用組成物を配合ポリオールと呼ぶことがある。この場合において、パラフィンワックスは、いずれのポリウレタン施工用組成物に含まれていてもよい。また、この場合において、パラフィンワックスを両方のポリウレタン施工用組成物に配合することもできる。
ポリウレタン施工用組成物同士を混合して、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによりポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリウレタン施工用システムによれば、スプレーマシンを使用せずとも、手塗りで平滑性を実現するのに必要な可使時間(ポットライフ)を確保しやすくなる。
また、本発明のポリウレタン施工用システムによれば、比較的短時間でポリウレタンが硬化しやすくなる。具体的には、比較的短時間でポリウレタンの表面タックが抑制される。これにより工期を短縮できる。
さらに、本発明のポリウレタン施工用システムによれば、比較的低温下でも作業が可能となり、適度な反応性を示すため、スプレーガンを使用した際にも詰まりの発生が抑制されている。
3. ポリウレタン
本発明のポリウレタン施工用システムを使用することにより、ポリウレタンを得ることができる。
ポリウレタンの製造方法は、特に限定されずハンドミキシング混合法、低圧マシン混合法、高圧マシン混合法、スプレーマシン混合法等が利用できる。ポリウレタンの成形方法も、特に限定されず、既知の手塗り施工、スプレーマシン施工法、モールド成形法等が利用できる。
本発明のポリウレタンは、工場内ではなく、実際にその目的物が使用される現場において施工されるものである。目的物の例としては、工作物及び建築物等が挙げられる。工作物としては、道路、遊歩道、公園、運動場、競技場等が挙げられる。本発明のポリウレタンは、例えば、舗装体の表面仕上げ材として用いられる。舗装体の具体例としては、道路、遊歩道、公園、運動場、競技場等が挙げられる。本発明のポリウレタンは、建築物の床、外装及び屋根等の表面仕上げ材としても用いられる。
本発明のポリウレタンの具体例としては、屋外施設用舗装体等が挙げられる。屋外施設用舗装体の具体例としては、スポーツトラック、公園遊具等が挙げられる。
本発明のポリウレタンは、ある態様において、衝撃吸収率に優れるポリウレタンである。この態様の本発明のポリウレタンは、高い衝撃吸収率が求められる用途に適している。そのような用途としては、例えば、スポーツトラックの表面仕上げ材等が挙げられる。本発明のポリウレタンは、例えば、陸上競技トラックに関するワールドアスレティックス(WA)の規格に定められる35±1~50±1%の衝撃吸収率を有するものとすることができる。
スポーツトラックの具体例として、アスファルトコンクリート又はコンクリートからなる下地の上に、表面仕上げ材を有する舗装体等が挙げられる。本発明のポリウレタンは、上記の表面仕上げ材として使用できる。上記において、表面仕上げ材を多層構造とすることができ、例えば、ベース層、耐久層、及びエンボス層の三層構造、或いはベース層及びエンボス層の二層構造、ベース層及び耐久層の二層構造が挙げられる。本発明のポリウレタンは、ベース層、耐久層、及びエンボス層のいずれにおいても使用できる。
本発明の製造方法により製造されたポリウレタンは、好ましくは、密度0.70~1.50g/cmである。
本明細書において密度は、JIS K6268に準じて決定される。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、使用した数値は質量部で示す。実施例および比較例で使用した原料は以下の通りである。
[ポリオール]
サンニックス4030:ポリオキシプロピレンポリオール(官能基数3、Mw=4000) 三洋化成工業社製
[架橋剤]
Ethacure 300: DMTDA 日本アルベマール社製
[可塑剤]
DINP: 協栄ケミカル製
[充填剤]
炭カル特選 :充填剤 竹原化学工業社製
NNカオリンクレー:充填剤 竹原化学工業社製
5号クレー :充填剤 竹原化学工業社製
[耐候安定剤]
Tinuvin 75: 耐候安定剤 BASFジャパン製
[顔料]
YO-400: 戸田ピグメント社製
[吸湿剤]
T-POWDER: ユニオン昭和社(UNION SHOWA K.K.)製
[破泡剤]
フローレンAC-1190: 共栄社化学社製
[パラフィンワックス剤]
Paraffin Wax-150(融点:66℃): 日本精蝋社製
[触媒]
ニッカオクチックス鉛(PbOct)17%: DINP 日本化学産業社製
[ポリイソシアネート]
SBU ISCYANATE K625: 住化コベストロウレタン社製 NCO含有率3.0%
SBU ISCYANATE K633: 住化コベストロウレタン社製 NCO含有率5.0%
17EX01: 住化コベストロウレタン社製 NCO含有率6.0%
JPEXS022: 住化コベストロウレタン社製 NCO含有率4.0%
実施例1~4、比較例1~4
表1の組成の通り、各成分を含有するA剤とB剤とを混合しよく攪拌し、得られた混合物をモールド(300×300×2mm)に平らになるように敷き均し、25℃で養生させて硬化させた。このようにして得られたポリウレタンシートについて、硬化性(表面タック性)と物性の評価を表1に記載の通り行った。
また、表1の組成の通り、各成分を含有するA剤とB剤とを混合しよく攪拌し、150ccのサンプル管に入れ、25℃条件下で10分毎にB型粘度計・7号ローターを用いて20回転/分で粘度を測定した。粘度が50000mPa・sに到達した時間を可使時間とした。
<表面タック性>
ポリウレタンに重量500g、直径43mmのステンレス製円柱を垂直姿勢で静かに乗せ、60秒間静置し自然荷重をかけた後、上記ステンレス円柱を引き上げ速度28.5mm/分で静かに持ち上げ、粘着力を測定した。円柱を乗せる箇所を変えて5回行い、最大値、最小値を除いた中間3点の平均値を表面粘着力とし、その数値が60N/cm以下であれば〇、60N/cm超過であれば×とした。
<硬度>
JIS-K6253に準じ、厚み6mm以上の成形サンプルを測定した。
<引張強度>
引張強度はJIS-K6251に準じて測定した。
<伸び率>
伸びはJIS-K6251に準じて測定した。
<引裂強度>
引裂強度はJIS-K6252に準じて測定した。
Figure 2023093214000001
実施例1~4のポリウレタンは、TDI化合物をポリイソシアネートとして用いる比較例4と比較しても、十分な可使時間を有していた。実施例1~4のポリウレタンは、同様にMDI化合物をポリイソシアネートとして用いるが、パラフィンワックスを含まない比較例1~3と比較すると、硬化性に優れており、18時間後の表面タックが抑制されていた。
実施例5~8、比較例5~8
実施例1~4及び比較例1~4のA剤及びB剤を使用して、表2の通りベース層、耐久層、及びエンボス層の三層構造の表面仕上げ材を有する舗装体を得た。実施例1~4のA剤及びB剤を使用したものが、それぞれ実施例5~8であり、比較例1~4のA剤及びB剤を使用したものが、それぞれ比較例5~8である。
なお、A剤、B剤に更に配合した物質の詳細は下記の通りである。
発泡EPDM(エチレンプロピレンジエン)ゴムチップ: 東洋ゴムチップ社製
ミルコンMS(増粘剤): 日本特殊塗料株式会社製
PGMAC(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(溶剤): クラレトレーディング社製
Figure 2023093214000002
<衝撃吸収率(WA基準試験方法)>
WA基準に定める衝撃吸収試験機を供試体表面上に垂直に設置し、55mmの高さから20kgの鎮を落下させて衝撃吸収値を測定した。
この時、初回の衝撃吸収値は除外し、その後60秒間隔で2回測定した値の平均値で表した。
規格値:35%±1%~50%±1% at 10℃~40℃
実施例5~8の舗装体は、硬化性に優れるため施工後168時間経過持に衝撃吸収率の測定が可能であったが、同様にMDI化合物をポリイソシアネートとして用いる比較例5~7の舗装体は、施工後168時間経過時には十分に硬化しておらず、衝撃吸収率の測定ができなかった。実施例5~8の舗装体は、TDI化合物をポリイソシアネートとして用いる比較例8と比較しても、優れた衝撃吸収性を有していた。

Claims (9)

  1. ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる、パラフィンワックスを含むポリウレタン施工用原料。
  2. さらにポリオールを含む、請求項1に記載のポリウレタン施工用原料。
  3. さらにMDI化合物を含む、請求項1又は2に記載のポリウレタン施工用原料。
  4. 前記パラフィンワックスの融点が40~100℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料。
  5. 前記ポリウレタンが、舗装体の表面仕上げ材である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料。
  6. パラフィンワックスの、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工における使用。
  7. 二以上の組成物を含み、
    (a)パラフィンワックス;及び
    (b)MDI化合物
    をそれぞれ前記組成物の少なくとも一つに含む、ポリイソシアネートとしてMDI化合物を使用するポリウレタンの現場施工に用いられる、ポリウレタン施工用システム。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリウレタン施工用原料又は請求項7に記載のポリウレタン施工用システムを用いてポリウレタンを得る工程を含む、
    ポリウレタンの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法により得られうる、ポリウレタン。
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